JP2015097362A - 振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】設置時の安定性を高めることができる振動片を提供すること、また、この振動片を備える優れた信頼性を有する振動子、発振器、電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】振動片200は、基部220と、基部220から沿って延出している1対の振動腕230、240と、基部220から1対の振動腕230、240間に延出している保持腕250と、を備え、振動腕230、240は、基部220から延出している腕部237、247と、腕部237、247の先端部に設けられているハンマーヘッド260、270と、を有しており、各振動腕230、240の質量をM1とし、保持腕250の質量をM2としたとき、M1>M2の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体に関するものである。
水晶発振器等の振動デバイスとしては、音叉型の振動片を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の共振子は、ベースによって接合された2つのアームを有する音叉形部分を含む。このベースには、2つのアーム間に、アームと平行に配置された中央アームが取り付けられている。この共振子では、良好な減結合を実現する(振動漏れを小さくする)目的で、中央アームの質量が音叉部分のアームの質量よりも大きくなっている。
しかし、このような質量の関係を有する振動片は、パッケージに搭載する際のバランスが悪く、搭載時にパッケージの搭載面に対して斜めの状態になりやすいという問題があった。かかる問題は、製造時の歩留まりの低下、製造工程の複雑化、製品の信頼性の低下等をもたらす。
特開2003−163568号公報
本発明の目的は、設置時の安定性を高めることができる振動片を提供すること、また、この振動片を備える優れた信頼性を有する振動子、発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の振動片は、基部と、
平面視で前記基部から第1方向に沿って延出され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んでいる1対の振動腕と、
平面視で前記1対の振動腕間に配置され、前記基部から前記第1方向に沿って延出されている保持腕と、
を含み、
前記振動腕の質量をM1、
前記保持腕の質量をM2としたとき、
M1>M2
の関係を満たしていることを特徴とする。
このような振動片によれば、振動片の第2方向での両端部の質量が大きくなるため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片が撓んで、固定による支点に対して振動片の重心が対象物側(下側)に移動し、その結果、振動片の安定性を高めることができる。
[適用例2]
本発明の振動片では、前記振動腕は、
錘部と、
前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
を含み、
前記錘部の質量をM3としたとき、
M2<2×M3
の関係を満たしていることが好ましい。
これにより、振動片の第1方向での端部(特に錘部側の端部)が下側に変位するような振動片の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。
[適用例3]
本発明の振動片では、M2<M3
の関係を満たしていることが好ましい。
これにより、振動片の第1方向での端部が下側(対象物側)に変位するような振動片の撓みがより生じやすくなる。
[適用例4]
本発明の振動片では、前記基部の質量をM4としたとき、
M2<M4
の関係を満たしていることが好ましい。
これにより、振動片の第1方向での端部(特に基部側の端部)が下側(対象物側)に変位するような振動片の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。
[適用例5]
本発明の振動片では、前記腕部の質量をM5としたとき、
M3>M5
の関係を満たしていることが好ましい。
これにより、振動腕の腕部の撓みにより振動片の第1方向での端部(特に錘部側の端部)が下側(対象物側)に変位するような振動片の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。
[適用例6]
本発明の振動片では、前記保持腕は、対象物に対して取り付けられる固定部が設けられ、
前記固定部は、平面視で、前記基部、前記振動腕および前記保持腕を含む構造体の重心と重なっていることが好ましい。
これにより、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。
[適用例7]
本発明の振動片では、前記保持腕の先端は、前記錘部よりも前記基部側に位置していることが好ましい。
これにより、1対の振動腕の腕部間の空間を効率的に利用して保持腕を配置することができる。また、1対の振動腕の錘部間に保持腕が存在しないため、振動腕間の距離を小さくすることができ、その結果、振動片の小型化を図ることができる。
[適用例8]
本発明の振動片では、前記保持腕は、
対象物に対して取り付けられる固定部を含む本体部と、
前記本体部と前記基部とを接続し、前記本体部よりも前記第2方向に沿った幅が狭くなっている接続部と、
を含むことが好ましい。
これにより、保持腕の撓みにより振動片の第1方向での端部(特に基部側の端部)が下側(対象物側)に変位するような振動片の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。
[適用例9]
本発明の振動片では、前記腕部の互いに表裏の関係にある第1の主面及び第2の主面の少なくとも一方には、前記第1方向に沿って溝が設けられていることが好ましい。
これにより、振動腕の腕部の撓みにより振動片の第1方向での端部(特に錘部側の端部)が下側(対象物側)に変位するような振動片の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕を対象物に対して固定して振動片を搭載するとき、振動片の安定性をより高めることができる。また、熱弾性損失を低減して、Q値を高めることができる。
[適用例10]
本発明の振動子は、本発明の振動片と、
前記振動片が収納されているパッケージと、
を備えていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する振動子を提供することができる。
[適用例11]
本発明の発振器は、本発明の振動片と、
前記振動片に電気的に接続されている発振回路と、
を備えていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する発振器を提供することができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の振動片を備えていることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る振動片を示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 振動漏れ抑制の原理を説明する平面図である。 搭載時の安定性を説明するための振動片の簡略化モデルを示す図であって、(a)は、従来の振動片を示す図、(b)は、本発明の振動片を示す図である。 図1に示す振動片に重力が加わった状態を示す斜視図である。 振動片の各部の寸法および質量を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る振動片を示す平面図である。 本発明の振動子の一例を示す図である。 本発明の発振器の一例を示す図である。 本発明の電子機器の第1例であるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の第2例である携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の第3例であるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 本発明の移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.振動片
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動片を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図である。また、図3は、振動漏れ抑制の原理を説明する平面図である。
なお、各図では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、以下の説明では、X軸に平行な方向(第2方向)を「X軸方向」、Y軸に平行な方向(第1方向)を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向(第3方向)を「Z軸方向」といい、また、各図に図示されたX軸、Y軸およびZ軸の矢印の先端側を「+(プラス)」、基端側を「−(マイナス)」という。また、以下の説明では、説明の便宜上、Z軸方向から見たときの平面視を単に「平面視」ともいう。また、説明の便宜上、図1中の上側(+Z軸方向側)を「上」、下側(−Z軸方向側)を「下」ともいう。
図1および図2に示す振動片200は、振動基板210と、この振動基板210上に形成された第1駆動用電極280および第2駆動用電極290(図2参照)とを有している。
振動基板210は、例えば、水晶、特に、Zカット水晶板で構成されている。これにより、振動片200は、優れた振動特性を発揮することができる。Zカット水晶板とは、水晶のZ軸(光学軸)を厚さ方向とする水晶基板である。Z軸は、振動基板210の厚さ方向と一致しているのが好ましいが、常温近傍における周波数温度変化を小さくする観点からは、厚さ方向に対して若干(例えば、15°未満程度)傾けることになる。
振動基板210は、基部220と、基部220から+Y軸方向へ突出し、かつ、X方向に並んで設けられた2つの振動腕230、240と、基部220から+Y軸方向側へ突出するとともに、2つの振動腕230、240の間に位置する保持腕250とを有している。このような振動基板210は、Y軸と平行な対称軸Y1に対して対称となるように形成されている。
基部220は、X軸およびY軸を含むXY平面に沿って広がり、Z軸方向に厚さ方向とする略板状をなしている。このような基部220は、腕230、240、250を支持、連結する本体部221と、振動漏れを低減する縮幅部222(第1縮幅部)とを有している。
図1に示すように、本体部221は、その幅(X軸方向に沿った長さ)がY軸方向に沿ってほぼ一定である。すなわち、本体部221は、略矩形の平面視形状を有している。そして、本体部221の−Y軸方向側の外縁に、縮幅部222が接続されている。すなわち、縮幅部222は、本体部221を介して各腕230、240、250と反対側に設けられている。
縮幅部222の輪郭は、対称軸Y1を境にして対称形状である円弧状の円弧部222aで構成されており、円弧部222aの両端が、本体部221の−Y軸方向側の各角部と接続されている。
このような円弧部222aの曲率半径は、その全域にわたって一定となっている。なお、円弧部222aの曲率半径は、一定の場合に限定されず、例えば、−Y軸方向に向けて漸増していてもよいし、反対に、漸減していてもよい。
縮幅部222の外縁は、円弧部222aのような曲線状に限定されず、直線状の傾斜部や複数の段差を有する階段状のステップで構成しても良い。また、水晶基板をウェットエッチングすることにより振動腕230、240および基部220を含む振動基板210を形成する場合、その振動基板210の輪郭には水晶の結晶面が出現するため、微視的に見ると、円弧部222aは、短い直線状の部分の集合体となっているとも言えるが、このような場合も「円弧状」に含まれるものとする。また、この場合には、短い直線状の部分の集合体となった円弧部222aよりも内側(本体部221側)に、結晶面が現れない程度に追加でウェットエッチングを施して円弧を形成してもよい。
このような縮幅部222のX軸方向に沿った幅は、Y軸と平行で基部220の中心を通る対称軸Y1(仮想中心線)に沿って基部220から離れる方向側に向かうにしたがって漸減している。
これにより、1対の振動腕230、240の、略面内において互いに接近と離間を繰り返す屈曲振動に伴う基部220の変形を効果的に低減することができる。その結果、基部220のY軸方向に沿った長さを短くしても、1対の振動腕230、240の互いに接近または離間する屈曲振動に伴う基部220の変形を低減し、基部220から外部への振動漏れを低減することができる。なお、縮幅部222による振動漏れ低減の原理については、後に詳述する。
また、縮幅部222の最大幅(突出方向基端における長さ)は、本体部221の幅とほぼ等しく、縮幅部222は、本体部221の−Y軸方向側の端(角部)と段差なく連続的に形成されている。こうすることによって、縮幅部222と本体部221の−Y軸方向側の端(角部)において、屈曲振動時の歪みが集中することで発生する温度変化の増大を低減し、熱流が増大するのを低減できるので、熱弾性損失が増大してQ値が劣化するのを低減することができる。
保持腕250は、基部220から+Y軸方向に延出しており、かつ、振動腕230、240の間に位置している。
この保持腕250は、本体部251と、本体部251と基部220とを接続する接続部252とを有する。このような保持腕250がパッケージに固定されことにより、振動片200がパッケージに設置される。なお、振動片200の設置については、後に詳述する。
保持腕250の下面には、後述する2つの接続電極331、332に対応して2つの電極パッド(図示せず)が設けられており、保持腕250には、平面視で、この2つの電極パッド間に位置する切込み部253、254、255、256が設けられている。
切込み部253は、保持腕250の上面および+X軸方向側の側面に開放し、切込み部254は、保持腕250の下面および+X軸方向側の側面に開放し、切込み部255は、保持腕250の上面および−X軸方向側の側面に開放し、切込み部256は、保持腕250の下面および−X軸方向側の側面に開放している。
切込み部253、254は、第1駆動用電極280、第2駆動用電極290および電極パッドを含む電極を形成する際に保持腕250の側面に残った側面電極(図示せず)による互いに電位の異なる2つの電極パッド間の短絡を防止している。一方、切込み部255、256は、切込み部253、254が保持腕250に設けられることによって生じる保持腕250の形状の非対称性を防止している。
保持腕250の主面と略直交する側面に成膜された側面電極は、第1駆動用電極280および第2駆動用電極290および電極パッドを含む電極を形成する際に用いるフォトリソ工程において、斜め露光装置等を用いることなく通常の露光装置で完全に除去することは非常に難しい。それは、フォトリソ工程で形成するレジスト膜で覆われた保持腕250の側面が完全に露光されないためであり、保持腕250の主面から板厚方向に約20μmまでであれば、通常の露光装置でも露光でき、側面電極を除去できるが、板厚方向の中心に至る部位までは光が到達し難く露光できないため側面電極が残り、2つの電極パッド間を短絡してしまう。
そのため、図2に示すように、切込み部253には、保持腕250の上面に面253cを介して接続する第1の傾斜面253a、253bが設けられ、同様に、保持腕250の下面に面254cを介して接続する切込み部254には、第2の傾斜面254a、254bが設けられている。これにより、保持腕250の主面と略直交する面253c、254cのZ軸方向の寸法を20μm以下とすることで、通常の露光装置でも露光することができる。同様に、第1の傾斜面253aと第2の傾斜面254aとを接続する側面257も、保持腕250の主面と直交しているが、側面257のZ軸方向の寸法を20μm以下とすることで、通常の露光装置でも露光することができる。このようにして、2つの電極パッド間の短絡を防止することが可能となる。
このような切込み部253、254の形成は、Zカット水晶板で構成された振動基板210をウェットエッチングすることで行うことができる。基板の表裏を同時にエッチングすることによりエッチング時間を短縮することができる。
一般的に、水晶はエッチング異方性があるため、結晶軸の方向ごとにエッチングレートが異なる。そのため、Zカット水晶板を用いると、水晶の結晶X軸を図2のX軸、水晶の結晶Y軸を図2のY軸、水晶の結晶Z軸を図2のZ軸とすれば、図2に示す振動腕230、240のX軸方向に略直交する側面233、234、243、244の形状がそれぞれで異なる。つまり、+X軸方向の側面233、243と−X軸方向の側面234、244とでは、形状が異なり、−X軸方向の側面234、244の形状が略フラット状であるのに対し、+X軸方向の側面233、243形状は板厚方向(Z軸方向)の中央部にウェットエッチング時間が長くなるにつれて小さくなる三角錐状の突起部のような凸状の傾斜部が形成される。
特に、振動腕230、240のXZ断面において、+X軸方向の側面233、243は、振動腕230、240の主面に略直交する傾斜面と三角錐状の突起部を形成する傾斜面の2つの傾斜面を有している。なお、振動片200の外形を形成する場合には、振動腕230、240の断面形状の非対称性により生じる振動漏れを防止するために、長時間のウェットエッチングを施し、振動腕230、240の断面形状の対称性を確保している。
一方、切込み部253、254は、図2に示すように、水晶のエッチング異方性によって生じる+X軸方向に延びる第1、第2の傾斜面253a、253b、254a、254bと、保持腕250の主面に略直交する面253c、254cとをウェットエッチング時間を短くすることで、意図的に形成することができる。特に、切込み部253、254の形成は、溝235、236、245、246形成時に一緒に行うと効率がよい。
なお、切込み部253、254が設けられた領域における側面257や面253c、254cのZ軸方向の寸法は、それぞれ、20μm以下がよく、好ましくは10μm以下がよい。また、切込み部253、254のY軸方向の寸法は、エッチングが進行するのに最低限必要な開口部の長さを有しつつ小型化が図れるので5〜500μmがよく、好ましくはエッチングの進行がし易く、更なる小型化が図れる20〜100μmがよい。さらに、切込み部253、254のX軸方向の寸法は、エッチングが進行するのに最低限必要な開口部の長さを有しつつ小型化が図れるので5〜300μmがよく、好ましくはエッチングの進行がし易く、更なる小型化が図れる10〜50μmがよい。
振動腕230、240は、所定の間隔距離をもってX方向に並んで設けられており、それぞれ、基部220から+Y方向に突出している。また、振動腕230、240は、それぞれ、基部220から延出している腕部237、247と、腕部237、247の先端部に設けられていて腕部237、247よりも幅が大きい錘部としてのハンマーヘッド260、270(錘部)を有している。ハンマーヘッド260、270を設けることによって、振動片200の小型化を図ったり、振動腕230、240の屈曲振動の周波数を低めたりすることができる。
また、振動腕230には、一方の主面231に開放する有底の溝235と、他方の主面232に開放する有底の溝236とが形成されている。同様に、振動腕240には、一方の主面241に開放する有底の溝245と、他方の主面242に開放する有底の溝246とが形成されている。これら溝235、236、245、246は、Y軸方向に延在して設けられており、互いに同じ形状をなしている。そのため、振動腕230、240は、略「H」状の横断面形状をなしている。このような溝235、236、245、246を形成することによって、屈曲振動によって発生する熱が拡散(熱伝導)し難くなり、屈曲振動周波数(機械的屈曲振動周波数)fが熱緩和周波数f0より大きな領域(f>f0)である断熱的領域では、熱弾性損失を抑制することができる。なお、溝235、236、245、246は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
また、図2に示すように、振動腕230には、第1駆動用電極280と第2駆動用電極290とが形成されている。第1駆動用電極280は、溝235、236の内面に形成されており、第2駆動用電極290は、側面233、234に形成されている。同様に、振動腕240にも、第1駆動用電極280と第2駆動用電極290とが形成されている。第1駆動用電極280は、側面243、244に形成されており、第2駆動用電極290は、溝245、246の内面に形成されている。これら第1、第2駆動用電極280、290間に交番電圧を印加すると、振動腕230、240が互いに接近、離間を繰り返すように面内方向(XY平面方向)に所定の周波数で振動する。本実施形態では、溝235、236が、前述した切欠き部253、254と同様に、傾斜面を有しており、溝235、236の底部において第1駆動用電極280の一部が欠損している。これにより、振動腕230におけるX軸方向の熱の流れが速くなるのを防ぎ、その結果、熱弾性損失が増大することを防ぐことができる。なお、溝245、246における第2駆動用電極290についても、溝235、236における第1駆動用電極280と同様である。
第1駆動用振動電極280および第2駆動用電極290の構成材料としては、特に限定されず、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料を用いることができる。
なお、図示しないが、第1駆動用電極280および第2駆動用電極290は、基部220を介して保持腕250まで引き出されており、保持腕250にて、例えば、後述するパッケージ300に形成された接続電極との導通が図られている。
以上、振動片200の構成について説明した。
(縮幅部による振動漏れ抑制の原理)
ここで、縮幅部222による振動漏れ抑制の原理について説明する。なお、以下では、説明を簡単にするために、振動片の形状は、Y軸に平行な所定の軸に対して対称であるとする。
まず、図3(a)に示すように、縮幅部222が設けられていない基部220Xについて説明する。
振動腕230、240が互いに離間するように屈曲変形した場合、振動腕230が接続されている付近の本体部221では、矢印で示したように時計回りの回転運動に近い変位が発生する。一方、振動腕240が接続されている付近の本体部221では、矢印で示したように反時計回りの回転運動に近い変位が発生する。ただし、これらの変位は、厳密には回転運動と云うことができるような運動ではないため、便宜的に回転運動に近い、と表現している。
これらの変位のX軸方向成分は、互いに反対方向を向いているから、本体部221のX軸方向中央部において相殺され、+Y軸方向の変位が残ることになる。ただし、厳密にはZ軸方向の変位も残るが、ここでは省略する。
すなわち、本体部221は、X軸方向中央部が+Y軸方向に変位するような屈曲変形をする。この+Y軸方向の変位を有する本体部221のY軸方向中央部に接着剤を形成し、接着剤を介してパッケージに固定すると、+Y軸方向変位に随伴する弾性エネルギーが接着剤を介して外部に漏洩する。これが振動漏れという損失であり、Q値の劣化の原因となる(結果としてCI値の劣化となる)。
これに対して、図3(b)に示すように、縮幅部222が設けられている基部220では、縮幅部222は凸状の輪郭を有していることによって、上述した回転運動に近い変位は、縮幅部222において互いにつっかえることになる。
すなわち、縮幅部222のX軸方向中央部においては、本体部221のX軸方向中央部と同様にX軸方向の変位が相殺され、それとともに、Y軸方向の変位が抑制されることになる。
さらに、縮幅部222の輪郭が凸状であるから、本体部221で発生しようとする+Y軸方向の変位をも抑制することになる。この結果、縮幅部222が設けられた基部220のX軸方向中央部の+Y軸方向の変位は、縮幅部222が設けられていない基部220Xに比べて遥かに小さくなる。すなわち、振動漏れの小さい振動片200を得ることができる。
以上説明したように縮幅部222によって振動漏れを抑制することができる。
(振動片の設置)
次に、図1、図4〜6に基づいて、振動片200の設置について説明する。
図4は、搭載時の安定性を説明するための振動片の簡略化モデルを示す図であって、図4(a)は、従来の振動片を示す図、図4(b)は、本発明の振動片を示す図である。また、図5は、図1に示す振動片に重力が加わった状態を示す斜視図である。また、図6は、振動片の各部の寸法および質量を説明するための図である。
前述したように、振動腕230、240が延出している基部220には、保持腕250が延出しており、この保持腕250(より具体的には本体部251)がパッケージに取り付けられることにより、振動片200がパッケージに設置される。なお、図1には、図示しないパッケージが備える2つの接続電極331、332と、この2つの接続電極331、332に対して保持腕250を取り付ける導電性接着剤351、352とが破線で図示されており、この導電性接着剤351、352に接着される部分が固定部251a、251bである。
保持腕250は、基部220から1対の振動腕230、240間に振動腕230、240と同じ側に延出している。そして、前述したように、振動腕230、240は、基部220から延出している腕部237、247と、腕部237、247の先端部に設けられていて腕部237、247よりも幅が大きい錘部としてのハンマーヘッド260、270と、を有している。
このような保持腕250および振動腕230、240を有する振動片200において、各振動腕230、240の質量(1つの振動腕230または240の質量)をM1とし、保持腕250の質量をM2としたとき、M1≦M2の関係を有する場合、図4(a)に示すように、振動片200のX軸方向での両端部(振動腕230、240)の質量が小さいため、保持腕250をパッケージ(対象物)に対して固定して振動片200を搭載するとき、振動片200はほとんど撓まず、振動片200の重心Gが保持腕250内に位置する。そのため、固定による支点Pに対して振動片200の重心Gが対象物とは反対側(上側)に位置し、振動片200が不安定となる。その結果、搭載時にパッケージの設定面に対して斜めの状態になりやすく、製造時の歩留まりの低下、製造工程の複雑化、製品の信頼性の低下等をもたらす。
そこで、振動片200は、M1>M2の関係を満たす。これにより、図4(b)および図5に示すように、振動片200のX軸方向での両端部(振動腕230、240)の質量が大きくなるため、保持腕250をパッケージに対して固定して振動片200を搭載するとき、振動片200が撓んで、固定による支点Pに対して振動片200の重心Gがパッケージ側(下側)に移動し、その結果、M1≦M2の関係を有する場合に比べて振動片200の安定性を高めることができる。
質量M1および質量M2は、M1>M2の関係を満たしていればよいが、搭載時の安定性と振動片200の小型化等とのバランスの観点から、M1/M2が、1.1以上1.6以下であることが好ましく、1.2以上1.5以下であることがより好ましく、1.3以上1.4以下であることがさらに好ましい。
また、各ハンマーヘッド260、270の質量をM3としたとき、M2<2×M3の関係を満たす。これにより、振動片200のY軸方向での端部(特にハンマーヘッド260、270側の端部)が下側に変位するような振動片200の撓みが生じやすくなる。そのため、保持腕250をパッケージに対して固定して振動片200を搭載するとき、振動片200の重心Gがよりパッケージ側(下側)に移動し、その結果、振動片200の安定性をより高めることができる。
質量M2および質量M3は、前述したようなM2<2×M3の関係を満たしていればよいが、振動片200のX軸方向での端部が下側(パッケージ側)に変位するような振動片200の撓みがより生じやすくなるという観点から、M2<M3の関係を満たすことが好ましく、さらに、搭載時の安定性と振動片200の振動特性等とのバランスの観点から、M3/M2が、1.1以上1.5以下であることが好ましく、1.1以上1.3以下であることがより好ましく、1.1以上1.2以下であることがさらに好ましい。
同様に、振動片200のY軸方向での端部(特に基部220側の端部)が下側(パッケージ側)に変位するような振動片200の撓みが生じやすくなるという観点から、基部220の質量をM4としたとき、M2<M4の関係を満たす。
質量M2および質量M4は、前述したような関係を満たしていればよいが、搭載時の安定性と振動片200の振動特性等とのバランスの観点から、M4/M2が、1.1以上1.5以下であることが好ましく、1.1以上1.3以下であることがより好ましく、1.1以上1.2以下であることがさらに好ましい。
また、質量M3および質量M4は、搭載時の安定性と振動片200の振動特性等とのバランスの観点から、M3/M4が、1.1以上1.5以下であることが好ましく、1.1以上1.3以下であることがより好ましく、1.1以上1.2以下であることがさらに好ましい。
さらに、振動腕230、240の腕部237、247の撓みにより振動片200のY軸方向での端部(特にハンマーヘッド260、270側の端部)が下側(パッケージ側)に変位するような振動片200の撓みが生じやすくなるという観点から、各腕部237、247の質量をM5としたとき、M3>M5の関係を満たす。
質量M3および質量M5は、前述したような関係を満たしていればよいが、搭載時の安定性と振動片200の振動特性等とのバランスの観点から、M3/M5が、2.0以上3.5以下であることが好ましく、2.2以上3.2以下であることがより好ましく、2.5以上3.0以下であることがさらに好ましい。
しかも、前述したように、腕部237、247の表裏の面には、Y軸方向に沿って延在する有底の溝235、236、245、246が設けられている。したがって、振動腕230、240の腕部237、247の撓みやすく、これによっても、振動腕230、240の腕部237、247の撓みにより振動片200のY軸方向での端部(特にハンマーヘッド260、270側の端部)が下側(パッケージ側)に変位するような振動片200の撓みが生じやすくなる。
また、前述したように、保持腕250は、パッケージに対して取り付けられる固定部を含む本体部251と、本体部251と基部220とを接続していて、本体部251よりも幅が狭くなっている接続部252と、を有している。これによっても、保持腕250の撓みにより振動片200のY軸方向での端部(特に基部220側の端部)が下側(パッケージ側)に変位するような振動片200の撓みが生じやすくなる。
以上のような各部の質量の関係により、保持腕250をパッケージに対して固定して振動片200を搭載するとき、振動片200が撓んで、固定による支点Pに対して振動片200の重心Gがパッケージ側(下側)に位置し、その結果、振動片200の安定性を高めることができる。
例えば、基部220のY軸方向に沿った長さを90μm、振動腕230、240の腕部237、247の長さを573μm、腕部237、247の幅を38μm、ハンマーヘッド260、270のY軸方向に沿った長さを137μm、ハンマーヘッド260、270のX軸方向に沿った長さを255μm、保持腕250の幅を100μm、これらの各部の厚さ(振動基板210の厚さ)を130μmとした場合、各部の質量の関係は以下のようになり、前述したような効果を発揮することができる。
この場合、各振動腕230、240の質量M1は、保持腕250の質量M2の1.31倍であり、2つのハンマーヘッド260、270の質量(2×M3)は、保持腕250の質量M2の1.94倍であり、保持腕250の質量M2は、基部220の質量M4の1.18倍であり、各ハンマーヘッド260、270の質量M3は、各腕部237、247の質量M5の2.87倍であり、2つのハンマーヘッド260、270の質量(2×M3)は、基部220の質量M4の2.29倍である。
本実施形態のように、パッケージが備える2つの接続電極331、332と、これら2つの接続電極331、332に夫々対応するように保持腕250に設けられている2つの電極パッドとを導電性接着剤によって確実に電気的な接続をする場合、保持腕の幅を100μmとして保持腕の面積を広くする方が、電気的な接続がなされなくなる虞を低減できる。
一方、振動片のパッケージへの搭載時の安定性を優先し、よりバランスをとる場合には保持腕の幅を80μmとすればよい。この場合、各振動腕230、240の質量M1は、保持腕250の質量M2の1.64倍であり、2つのハンマーヘッド260、270の質量(2×M3)は、保持腕250の質量M2の2.43倍であり、保持腕250の質量M2は、基部220の質量M4の0.94倍であり、各ハンマーヘッド260、270の質量M3は、各腕部237、247の質量M5の2.87倍であり、2つのハンマーヘッド260、270の質量(2×M3)は、基部220の質量M4の2.29倍である。
また、保持腕250の固定部は、平面視で、基部220、振動腕230、240および保持腕250を含んで一体で形成されている構造体、すなわち、振動片200または振動基板210の重心Gを包含している。これにより、保持腕250をパッケージに対して固定して振動片200を搭載するとき、振動片200の安定性をより高めることができる。
また、保持腕250の先端は、ハンマーヘッド260、270よりも基部220側に位置している。これにより、1対の振動腕230、240の腕部237、247間の空間を効率的に利用して保持腕250を配置することができる。また、1対の振動腕230、240のハンマーヘッド260、270間に保持腕250が存在しないため、振動腕230、240間の距離を小さくすることができ、その結果、振動片200の小型化(特にX軸方向での寸法の小型化)を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る振動片を示す平面図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態は、基部の縮幅部の構成(形状)が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図7では、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図7に示す振動片200Aが備える基部220Aは、縮幅部222Aを有している。この縮幅部222Aの輪郭は、平面視にて、X軸およびY軸の両軸に対して傾斜する直線状の傾斜部222b、222cで構成されている。これら傾斜部222b、222cの一端(−Y軸方向側の端)同士が対称軸Y1上で接続されている。すなわち、傾斜部222bと222cとは、例えば振動腕230と振動腕240との間の中心を通る対称軸Y1を境にして実質的に対称関係である。そのため、縮幅部222Aは、その先端部に、傾斜部222b、222cを辺とする角を有し、尖っている。
なお、傾斜部222b、222cとX軸とのなす角度θとしては、特に限定されないが、例えば、縮幅部222Aの過度な大型化を抑制する観点からすると、5°以上、70°以下程度であるのが好ましく、10°以上、50°以下程度であるのがより好ましい。
また、水晶基板をウェットエッチングすることにより、基部220の含む振動基板210Aをパターニングする場合、振動基板210Aの輪郭には水晶の結晶面が出現するため、この結晶面と平行な傾斜部222b、222cをフォトマスク上で形成してパターニングしておけば、形状のばらつきが小さくなり、安定した性能を得ることができる。特に水晶のX軸に対して30°や60°を成す結晶面と平行にするとよい。
以上説明したような第2実施形態に係る振動片200Aによっても、設置時の安定性を高めることができる。
2.振動子
次に、本発明の振動片を適用した振動子(本発明の振動子)について説明する。
図8は、本発明の振動子の一例を示す図である。
図8に示す振動子100は、振動片200と、振動片200を収納するパッケージ300とを有している。
パッケージ300は、上面に開放する凹部311を有するキャビティ型のベース基板310と、凹部311の開口を覆うようにベース基板310に接合されたリッド(蓋体)320とを有し、その内部空間に振動片200を収納している。また、内部空間は、気密的に形成されている。
ベース基板310は、絶縁性を有する材料で構成されている。このような材料としては、特に限定されず、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種セラミックスなどを用いることができる。一方、リッド320は、ベース基板310の構成材料と線膨張係数が近似する部材で構成されている。このような材料としては、例えば、ベース基板310の構成材料を前述したようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金を用いることができる。
凹部311の底面には、2つの接続電極331、332が形成されており、これら接続電極331、332は、それぞれ、図示しない貫通電極や層間配線を介して、ベース基板310の下面に形成された図示しない実装電極と電気的に接続されている。
収納空間に収納された振動片200は、保持腕250において、保持腕250の2つの固定部(前述した固定部251a、251b)に1対の導電性接着剤351、352(固定部材)を介してベース基板310に支持、固定されている。一方の導電性接着剤351は、接続電極331と第1駆動用電極280とを電気的に接続するように設けられており、他方の導電性接着剤352は、接続電極332と第2駆動用電極290とを電気的に接続するように設けられている。
このような2つの導電性接着剤351、352を介した駆動信号の入力により振動片200を駆動することができる。なお、導電性接着剤351、352に代えて、金属バンプを用いてもよい。
以上説明したような振動子は、前述したような設置時の安定性に優れた振動片200を備えているので、振動片200がベース基板310に対して平行となるように容易に設置することができ、その結果、製造時の歩留まりが高く、また、優れた信頼性を有する。
3.発振器
次に、本発明の振動片を適用した発振器(本発明の発振器)の一例について説明する。
図9は、本発明の発振器の一例を示す図である。
図9に示す発振器900は、振動片200と、振動片200を収納するパッケージ400と、振動片200を駆動するためのICチップ(チップ部品)500とを有している。
パッケージ400は、ベース基板410と、ベース基板410に接合されたリッド(蓋体)420とを有している。
ベース基板410は、上面に開放する第1凹部411と、下面に開放する第2凹部412とを有している。
第1凹部411の開口は、リッド420によって塞がれており、その内側に、振動片200が収納されている。また、第1凹部411内には、2つの接続電極431、432が形成されている。第1凹部411内の振動片200は、保持腕250において、一対の導電性接着剤451、452を介してベース基板410に支持、固定されている。また、一方の導電性接着剤451は、接続電極431と第1駆動用電極280とを電気的に接続するように設けられており、他方の導電性接着剤452は、接続電極432と第2駆動用電極290とを電気的に接続するように設けられている。
一方、第2凹部412内にはICチップ500が収容されており、このICチップ500は、接着剤を介してベース基板410に固定されている。また、第2凹部412内には、少なくとも2つのIC接続電極433、434が形成されている。IC接続電極433は、ボンディングワイヤーによってICチップ500と電気的に接続されているとともに、図示しない貫通電極や層間配線を介して接続電極431と電気的に接続されている。同様に、IC接続電極434は、ボンディングワイヤーによってICチップ500と電気的に接続されているとともに、図示しない貫通通電極や層間配線を介して接続電極432と電気的に接続されている。また、第2凹部412内には樹脂組成物で構成された封止材700が充填されており、この封止材700によって、ICチップ500が封止されている。
ICチップ500は、振動片200の駆動を制御するための駆動回路(発振回路)を有しており、このICチップ500によって振動片200を駆動すると、所定の周波数の信号を取り出すことができる。
以上説明したような発振器は、前述したような設置時の安定性に優れた振動片200を備えているので、振動片200がベース基板410に対して平行となるように容易に設置することができ、その結果、製造時の歩留まりが高く、また、優れた信頼性を有する。
4.電子機器
次いで、本発明の振動片を適用した電子機器(本発明の電子機器)について、図10〜図12に基づき、詳細に説明する。
図10は、本発明の電子機器の第1例であるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部2000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、発振器900(振動片200)が内蔵されている。
図11は、本発明の電子機器の第2例である携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部2000が配置されている。このような携帯電話機1200には、発振器900(振動片200)が内蔵されている。
図12は、本発明の電子機器の第3例であるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、発振器900(振動片200)が内蔵されている。
以上説明したような電子機器は、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の振動片を備える電子機器は、図10のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11の携帯電話機、図12のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
5.移動体
図13は、本発明の移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、発振器900(振動片200)が内蔵されている。
以上説明したような移動体は、優れた信頼性を有する。なお、本発明の移動体は、自動車に限定されず、例えば、航空機、船舶、オートバイ等の各種移動体に適用可能である。
以上、本発明の振動片、振動子、発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態の縮幅部の輪郭には、突出部や窪み(切り欠き)が形成されていてもよい。
また、前述した実施形態では、振動基板の厚さが全域にわたって一定である場合を例に説明したが、振動基板が厚さの異なる部分を有していてもよい。例えば、保持腕の接続部の厚さが保持腕の本体部の厚さよりも薄くてもよい。
100‥‥振動子 200‥‥振動片 200A‥‥振動片 210‥‥振動基板 210A‥‥振動基板 220‥‥基部 220A‥‥基部 220X‥‥基部 221‥‥本体部 222‥‥縮幅部 222A‥‥縮幅部 222a‥‥円弧部 222b‥‥傾斜部 222c‥‥傾斜部 230‥‥振動腕 231‥‥主面 232‥‥主面 233‥‥側面 234‥‥側面 235‥‥溝 236‥‥溝 237‥‥腕部 240‥‥振動腕 241‥‥主面 242‥‥主面 243‥‥側面 244‥‥側面 245‥‥溝 246‥‥溝 247‥‥腕部 250‥‥保持腕 251‥‥本体部 251a‥‥固定部 251b‥‥固定部 252‥‥接続部 253‥‥切込み部 253a‥‥第1の傾斜面 253b‥‥第1の傾斜面 253c‥‥面 254‥‥切込み部 254a‥‥第2の傾斜面 254b‥‥第2の傾斜面 254c‥‥面 255‥‥切込み部 256‥‥切込み部 257‥‥側面 260‥‥ハンマーヘッド 270‥‥ハンマーヘッド 280‥‥駆動用電極 290‥‥駆動用電極 300‥‥パッケージ 310‥‥ベース基板 311‥‥凹部 320‥‥リッド 331‥‥接続電極 332‥‥接続電極 351‥‥導電性接着剤 352‥‥導電性接着剤 400‥‥パッケージ 410‥‥ベース基板 411‥‥凹部 412‥‥凹部 420‥‥リッド 431‥‥接続電極 432‥‥接続電極 433‥‥接続電極 434‥‥接続電極 451‥‥導電性接着剤 452‥‥導電性接着剤 500‥‥ICチップ 700‥‥封止材 900‥‥発振器 1100‥‥パーソナルコンピューター 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリー 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニター 1440‥‥パーソナルコンピューター 1500‥‥移動体 1501‥‥車体 1502‥‥車輪 2000‥‥表示部 G‥‥重心 P‥‥支点 Y1‥‥対称軸 θ‥‥角度

Claims (13)

  1. 基部と、
    平面視で前記基部から第1方向に沿って延出され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並んでいる1対の振動腕と、
    平面視で前記1対の振動腕間に配置され、前記基部から前記第1方向に沿って延出されている保持腕と、
    を含み、
    前記振動腕の質量をM1、
    前記保持腕の質量をM2としたとき、
    M1>M2
    の関係を満たしていることを特徴とする振動片。
  2. 前記振動腕は、
    錘部と、
    前記基部と前記錘部との間に配置されている腕部と、
    を含み、
    前記錘部の質量をM3としたとき、
    M2<2×M3
    の関係を満たしている請求項1に記載の振動片。
  3. M2<M3
    の関係を満たしている請求項2に記載の振動片。
  4. 前記基部の質量をM4としたとき、
    M2<M4
    の関係を満たしている請求項2ないし3のいずれか1項に記載の振動片。
  5. 前記腕部の質量をM5としたとき、
    M3>M5
    の関係を満たしている請求項2ないし4のいずれか1項に記載の振動片。
  6. 前記保持腕は、対象物に対して取り付けられる固定部が設けられ、
    前記固定部は、平面視で、前記基部、前記振動腕および前記保持腕を含む構造体の重心と重なっている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の振動片。
  7. 前記保持腕の先端は、前記錘部よりも前記基部側に位置している請求項2ないし6のいずれか1項に記載の振動片。
  8. 前記保持腕は、
    対象物に対して取り付けられる固定部を含む本体部と、
    前記本体部と前記基部とを接続し、前記本体部よりも前記第2方向に沿った幅が狭くなっている接続部と、
    を含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の振動片。
  9. 前記腕部の互いに表裏の関係にある第1の主面及び第2の主面の少なくとも一方には、前記第1方向に沿って溝が設けられている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の振動片。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片が収納されているパッケージと、
    を備えていることを特徴とする振動子。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動片と、
    前記振動片に電気的に接続されている発振回路と、
    を備えていることを特徴とする発振器。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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