JP2015097183A - 可溶導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可溶導体を被覆する高融点金属層における肉厚部の形成を防止することで溶断時間の短縮を図ることができる可溶導体の製造方法を提供する。【解決手段】可溶導体1は、低融点金属層2と、低融点金属層2に積層された高融点金属層3とを有する積層体を形成する工程と、この積層体を平板状に成形することにより成形体5を得る工程と、この成形体5を切断する工程により製造する。前記積層体の形成では、電解メッキ法により高融点金属を線状の低融点金属の周囲に均一にメッキする。この積層体を圧延加工することで高融点金属層3が均一な平角状の成形体5となる。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融することにより電気回路を遮断する保護素子や、溶融により開放電極間を短絡させる短絡素子に用いられる可溶導体の製造方法に関し、特に、速溶融性に優れる可溶導体の製造方法に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有する保護素子が用いられている。
図17(A)〜図17(C)に示すように、このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子80としては、電流経路上に接続された第1及び第2の電極81,82間に亘って可溶導体83を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体83を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子80内部に設けた発熱体84によって溶断するものが提案されている。なお、図17(B)は、図17(A)のA‐A‘断面図であり、図17(C)は、図17(A)のB‐B‘断面図である。
具体的に、保護素子80は、絶縁基板85と、絶縁基板85に積層され、絶縁部材86に覆われた発熱体84と、絶縁基板85の両端に形成された第1、第2の電極81,82と、絶縁部材86上に発熱体84と重畳するように積層された発熱体引出電極88と、両端が第1、第2の電極81,82にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極88に接続された可溶導体83とを備える。
保護素子80は、過充電、過放電等の異常が検知されると、発熱体84が通電されることにより発熱する。すると、この熱により可溶導体83が溶融し、この溶融導体を発熱体引出電極88に集めることにより、第1及び第2の電極81,82間の電流経路を遮断する。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
ところで、この種の保護素子80に用いられる可溶導体83としては、例えばPbフリーハンダ等の低融点金属83aからなる箔を、AgやCuあるいはこれらを主成分とする合金等の高融点金属83bで被覆したものが提案されている。保護素子80は、低融点金属83aの箔が高融点金属83bで被覆された可溶導体83を用いることにより、リフロー等の実装温度における溶断を防止し、実装の容易化を図るとともに、溶断時には、低融点金属83aによる高融点金属83bの侵食作用(食われ現象)を利用し、高融点金属83bの融点以下の温度で溶融させ、速やかな溶断を実現することができる。
このような可溶導体83において、低融点金属83aの箔を高融点金属83bで被覆する工法としては、長尺状の低融点金属箔に連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
しかし、電解メッキによって高融点金属メッキを施すと、長尺状の低融点金属箔のエッジ部分、すなわち、側縁部において電界強度が相対的に強まり、図18に示すように、高融点金属83bが厚くメッキされる。可溶導体83は、側縁部における高融点金属83bの厚みは、主面部における高融点金属83bの厚さの110〜200%程度にまで達する。このように、側縁部に沿って高融点金属83bが厚く形成された可溶導体83を所定の長さに切断し、図17(A)(C)に示すように、第1の電極81〜発熱体引出電極88〜第2の電極82の間に、当該側縁部を渡して接続すると、肉厚の側縁部によって溶断時間が長くなってしまう。
すなわち、高融点金属83bによって形成されている肉厚の側縁部が形成されているため、当該側縁部を溶断するためには、より多くの熱エネルギーが必要となる。また、当該側縁部は、高融点金属83bによって相対的に肉厚に形成されていることから、低融点金属83aによる食われ現象によっても、溶断するためには相当の時間を要する。さらに、保護素子80は、絶縁基板85の外縁から最も遠い基板中心が最も熱く、基板外縁に向かうにつれて放熱されて温度が上がりにくくなる。そして、保護素子80は、可溶導体83の高融点金属によって形成される肉厚の側縁部が、絶縁基板85の中心から外縁にかけて形成されているため、溶断するためには、より多くの時間が必要となってしまう。
そこで、本発明は、溶断時間の短縮を図ることができる可溶導体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る可溶導体の製造方法は、低融点金属層と、上記低融点金属層に積層された高融点金属層とを有する積層体を形成し、上記積層体を平板状に成形することにより成形体を得るものである。
また、本発明に係る可溶導体の製造方法は、低融点金属層と、上記低融点金属層の少なくとも上下面に積層された高融点金属層とを有する積層体を形成し、上記積層体の端部を削り又は切断することにより成形体を得るものである。
本発明に係る可溶導体によれば、高融点金属層の厚みが側縁部においても肉厚とならず、溶融させるために相対的に多くの熱エネルギーが必要となることもない。また、本発明に係る可溶導体は、高融点金属層が側縁部においても主面部と同様の厚さで形成されているため、主面部と同様に低融点金属材料による食われ現象によって速やかに溶融させることができる。
図1は、本発明が適用された可溶導体を得る成形体を示す斜視図である。 図2は、成形前の円柱状の積層体を示す斜視図である。 図3は、成形前の平角状の積層体を示す斜視図である。 図4は、成形前の平角状の積層体を示す斜視図であり、(A)は側縁部を円弧状に面取りした積層体、(B)は側縁部を鈍角状に面取りした積層体を示す。 図5は、成形前の円柱状の積層体を示す斜視図である。 図6は、成形前の平角状の積層体を示す斜視図である。 図7は、積層体の肉厚部を削り取る工程を説明するための斜視図である。 図8は、積層体の側縁部を切断する工程を説明するための斜視図である。 図9は、積層体の側縁部を切断することにより形成された成形体を示す斜視図である。 図10は、本発明が適用された可溶導体を用いた保護素子を示す平面図である。 図11は、保護素子を用いたバッテリパックの回路図である。 図12は、保護素子の回路図である。 図13は可溶導体が溶断した保護素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は回路図である。 図14は本発明が適用された可溶導体を用いた短絡素子の動作前の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図15は本発明が適用された可溶導体を用いた短絡素子の回路図であり、(A)は動作前、(B)は動作後の状態を示す。 図16は、本発明が適用された可溶導体を用いた短絡素子の動作後の状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図17は参考例に係る保護素子を示す図であり、(A)は、平面図、(B)はA−A’断面図、(C)はB−B’断面図である。 図18は参考例に係る可溶導体を示す斜視図である。
以下、本発明が適用された可溶導体の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[可溶導体の構成]
本発明が適用された可溶導体1は、電流経路上の開放電極間にわたって設けられることにより当該開放電極間を接続し、過電流による自己発熱、あるいは保護素子内部に設けた発熱体が発熱することによって溶断され、当該電流経路を遮断するものである。あるいは、可溶導体1は、電流経路上の開放電極の少なくとも一方に搭載され、短絡素子内部に設けた発熱体が発熱することによって溶融され、当該溶融導体によって開放電極間を短絡させるものである。
可溶導体1は、図1に示すように、内層と外層とからなる積層構造体であり、内層となる低融点金属層2が、外層となる高融点金属層3によって被覆されている。低融点金属層2は、特に限定はなく、例えば、Snを主成分とする金属であり、「Pbフリーハンダ」と一般的に呼ばれる材料を好適に用いることができる。低融点金属層2の融点は、必ずしもリフロー炉の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。高融点金属層3も、特に限定はなく、例えば、Ag若しくはCu又はこれらのうちのいずれかを主成分とする金属等、リフロー炉によって基板実装を行う場合においても溶融しない高い融点を有する金属を好適に用いることができる。
可溶導体1は、低融点金属層2を高融点金属層3で被覆することによって、リフロー温度が低融点金属層2の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融した場合であっても、可溶導体1として溶断するに至らず、保護素子や短絡素子の回路基板への実装を容易に行うことができる。
また、可溶導体1は、自己発熱、あるいは近傍に形成された発熱体によって加熱されると、低融点金属層2が溶融して、高融点金属層3を侵食する。したがって、可溶導体1は、高融点金属層3の溶融温度以下の温度で溶融し、速やかに電流経路を遮断、あるいは開放電極間を短絡することができる。
[製造工程1]
可溶導体1は、低融点金属層2と、低融点金属層2に積層された高融点金属層3とを有する積層体4を形成し、この積層体4を平板状に成形することにより成形体5を得ることにより製造される。
[積層体]
積層体4は、低融点金属層2を構成する低融点金属材料に、高融点金属層3を構成する高融点金属材料が被覆されることにより形成される。積層体4としては、例えば図2に示すように、断面円形の線材からなる低融点金属材料2aに高融点金属材料3aが被覆されることにより形成された円柱状の積層体4aを用いることができる。また、積層体4は、図3に示すように、断面矩形状の平角線からなる低融点金属材料2bに高融点金属材料3aが被覆されることにより形成された平角線状の積層体4bを用いることができる。
低融点金属材料2a、2bを高融点金属材料3aによって被覆するには、線状、あるいは長尺状の低融点金属材料2a、2bに連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
積層体4aは、断面円形の線材からなる低融点金属材料2aに対して電解メッキ法により高融点金属材料3aを被覆すると、電流密度の分布が均一となることから、図2に示すように、低融点金属材料2aの周囲には、略均一の厚さで高融点金属材料3aがメッキされる。
そして、このようにして形成された積層体4aに対して圧延加工又はプレス加工を施すことにより、図1に示すように、側縁部の高融点金属層3が肉厚とならず、略平角状に形成された成形体5を得ることができる。また、この成形体5は、低融点金属層2の全周にわたって、略均一の厚さで高融点金属層3が形成されている。そして、この成形体5を適宜所定の長さで図1中C−C‘で示す幅方向に切断することにより、可溶導体1を得る。
したがって、可溶導体1は、高融点金属層3の厚みが側縁部においても肉厚とならず、溶融させるために相対的に多くの熱エネルギーが必要となることもない。また、可溶導体1は、高融点金属層3が、側縁部においても主面部と同様の厚さで形成されているため、主面部と同様に低融点金属材料2aによる食われ現象によって速やかに溶融させることができる。
また、積層体4bは、図3に示すように、断面矩形状の平角線からなる低融点金属材料2bに対して電解メッキ法により高融点金属材料3aを被覆すると、低融点金属材料2bの側縁における電流密度差によって、側縁部6において高融点金属材料3aが厚くメッキされてしまう肉厚部7が形成される。
しかし、このようにして形成された積層体4bに対して圧延加工又はプレス加工を施すことにより、肉厚部が形成された側縁部が押し潰されて、図1に示すように、略平角状に形成された成形体5を得ることができる。また、この成形体5は、低融点金属層2の全周にわたって、略均一の厚さで高融点金属層3が形成されている。そして、この成形体5を適宜所定の長さで幅方向に切断することにより、可溶導体1を得る。
また、図4(A)(B)に示すように、積層体4として、断面矩形状の平角線からなる低融点金属材料2bの両側縁部を予め円弧状(図4(A))、あるいは鈍角状(図4(B))に面取り加工した後に高融点金属材料3aを電解メッキすることにより形成された積層体4cを用いてもよい。積層体4cは、低融点金属材料2bの両側縁を面取り加工した後に電解メッキを行うことにより、高融点金属層3が低融点金属材料2aの形状に追従してメッキされ、両側縁の厚みが肉厚に形成されることを防止することができる。
そして、この積層体4cに対して圧延加工又はプレス加工を施すことにより、図1に示すように、略平角状に形成された成形体5を得ることができる。また、この成形体5は、圧延やプレスにより積層体4cの高融点金属層3が薄く引き伸ばされることにより、全周に亘って略均一の厚さで高融点金属層3が形成される。そして、この成形体5を所定の長さで幅方向に切断することにより、可溶導体1を得る。
平角線からなる低融点金属材料2bの両側縁部を面取り加工する方法としては、低融点金属材料2bを押し出して平角線を得る際に、両側縁が面取りされた形状で押出す方法や、平角線の低融点金属材料2bを製造した後に、両側縁を切削する方法やプレスする方法等を挙げることができる。
また、積層体4として、上述したメッキにより高融点金属被覆を行う他にも、図5に示すように、断面円形の低融点金属材料2aを、シート状に形成した高融点金属材料3bによって巻き包むことにより形成された積層体4dを用いてもよい。この積層体4dは、例えば、低融点金属材料2aである糸ハンダを、シート状の高融点金属材料3bであるAg箔で巻き包むことにより形成することができる。積層体4dは、シート状の高融点金属材料3bが低融点金属材料2aの周囲に巻かれることにより形成されるため、低融点金属層2の全周にわたって略均一の厚さで高融点金属層3を形成することができる。
その後、この積層体4dに対して圧延加工又はプレス加工を施すことにより、図1に示すように、略平角状に形成された成形体5を得る。この成形体5は、低融点金属層2の全周にわたって、略均一の厚さで高融点金属層3が形成されている。そして、この成形体5を所定の長さで幅方向に切断することにより、可溶導体1を得る。
また、積層体4として、図6に示すように、シート状の低融点金属材料2cと、シート状の高融点金属材料3bとを積層することにより形成された積層体4eを用いてもよい。この積層体4eは、例えば、シート状の低融点金属材料2cであるハンダ箔の上下面に、シート状の高融点金属材料3bであるAg箔を積層し、所定の温度、圧力で熱プレス又は熱間圧延を行うことにより形成することができる。積層体4eは、低融点金属材料2cと高融点金属材料3bとの界面が所定の温度、圧力下でプレス又は圧延されることによって合金化され、一体化されている。また、積層体4eは、低融点金属層2の全面にわたって略均一の厚さで高融点金属層3が積層されている。
なお、上述した各積層体4a〜4eの圧延加工又はプレス加工は、一回、又は段階的に複数回行ってもよい。段階的に複数回行う際には、段階的に成形サイズ、圧力、温度等の条件を変えることができる。また、圧延加工又はプレス加工を段階的に複数行うことにより、積層当初において、低融点金属材料や高融点金属材料を扱いやすい厚さのものを用いることができ、製造工程の煩雑化を避けることができる。
上述した積層体4の成形工程により形成された成形体5は、図1に示すように、長尺状に形成されているため、適宜所定の長さで幅方向に切断されることにより、可溶導体1を得る。
なお、成形体5は、側縁部において高融点金属層3が主面部に比して肉厚に成形されている場合には、図7に示すように、必要に応じて当該肉厚部5aを削り平坦化してもよい。例えば、成形体5は、成形工程によっても側縁部において高融点金属層3からなる肉厚部5aが残っている場合には、当該肉厚部5aを削ることにより、図1に示すように、側縁部の高融点金属層3が肉厚とならず、略平角状に形成された成形体5を得ることができる。また、これにより、成形体5は、低融点金属層2の全周にわたって、高融点金属層3の厚さを略均一にすることができる。
また、成形体5は、側縁部において高融点金属層3が主面部に比して肉厚に成形されている場合には、必要に応じて当該肉厚部5aが形成された側縁部5bを切断してもよい。図8に示すように、例えば、成形体5は、成形工程によっても側縁部5bにおいて高融点金属層3からなる肉厚部5aが残っている場合には、当該側縁部5bを、図8中D−D‘で示す長手方向にわたって切り落とす。これにより、図9に示すように、成形体5は、略平角状に形成することができ、また、低融点金属層2の全面にわたって、高融点金属層3の厚さを略均一にすることができる。
[製造工程2]
また、可溶導体1は、低融点金属層2と、低融点金属層2の少なくとも上下面に積層された高融点金属層3とを有する積層体4を形成し、この積層体4の端部を削り又は切断することにより成形体5を得ることにより製造してもよい。
すなわち、可溶導体1は、積層体4を形成した後、当該積層体4に対して端部を削り又は切断することにより略平角状の成形体5を形成することにより製造してもよい。
ここで、積層体4としては、図3及び図4に示す断面矩形状の平角線からなる低融点金属材料2bに対して電解メッキ法により高融点金属材料3aを被覆して形成された積層体4b,4cや、図6に示すシート状の低融点金属材料2cとシート状の高融点金属材料3bとを積層し、熱プレスすることにより形成された積層体4eを用いることができる。
上述したように、積層体4bは、略平角状に形成されているが、電解メッキ法により高融点金属材料3aが被覆されているため、低融点金属材料2bの側縁における電流密度差によって、側縁部6において高融点金属材料3aが相対的に厚くメッキされる肉厚部7が形成されてしまう。また、積層体4cにおいても、電解メッキの精度のばらつき等により、側縁部6において肉厚部7が形成される場合も想定される。
そこで、積層体4b,4cに形成された高融点金属層3からなる肉厚部7を削ることにより、図1に示すように、略平角状に形成された成形体5を得ることができる。また、これにより、成形体5は、低融点金属層2の全周にわたって、高融点金属層3の厚さを略均一にすることができる。また、積層体4b,4cの当該肉厚部7が形成された側縁部6を長手方向にわたって切断してもよい(図8参照)。これによっても、図9に示すように、成形体5は、略平角状に形成することができ、また、低融点金属層2の全面にわたって、高融点金属層3の厚さを略均一にすることができる。
なお、肉厚部7を削り、あるいは肉厚部7が形成された側縁部6が切断された積層体4b,4cに対して、さらに上述した圧延加工やプレス加工を施し、所定のサイズに成形体された平角状の成形体5を形成してもよい。
また、積層体4eは、シート状の低融点金属材料2cと高融点金属材料3bとを重ねて熱プレスすることにより、高融点金属材料が押し広げられ、高融点金属層3が幅広に形成されることもある。
そこで、積層体4eの高融点金属層3からなる側縁部を切断することにより、図1や図9に示すように、略平角状で、かつ低融点金属層2の全周にわたって、高融点金属層3の厚さが略均一な成形体5を製造することができる。
[保護素子]
次いで、このような可溶導体1が用いられる保護素子について説明する。保護素子10は、図10に示すように、絶縁基板11と、絶縁基板11に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁基板11の両端に形成された第1の電極12(A1)及び第2の電極13(A2)と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層され、発熱体14に電気的に接続された発熱体引出電極16と、両端が第1、第2の電極12(A1),13(A2)にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極16に接続された可溶導体1とを備える。
絶縁基板11は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、可溶導体1の溶断時の温度に留意する必要がある。
発熱体14は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板11上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
発熱体14を覆うように絶縁部材15が配置され、この絶縁部材15を介して発熱体14に対向するように発熱体引出電極16が配置される。発熱体14の熱を効率良く可溶導体1に伝えるために、発熱体14と絶縁基板11の間にも絶縁部材15を積層しても良い。絶縁部材15としては、例えばガラスを用いることができる。
発熱体引出電極16の一端は、発熱体電極18(P1)に接続されるとともに、発熱体14の一端と連続される。また、発熱体引出電極16は、接続用ハンダ29を介して可溶導体1が搭載される。発熱体14の他端は、他方の発熱体電極18(P2)に接続される。なお、発熱体電極18(P2)は、絶縁基板11の裏面に形成された外部接続端子(図示せず)と接続されている。
第1の電極12(A1)、第2の電極13(A2)は、絶縁基板11の両側縁に形成されるとともに、接続用ハンダ29を介して可溶導体1が搭載され、これにより、可溶導体1を介して接続されている。また、第1の電極12(A1)、第2の電極13(A2)は、それぞれ、スルーホール(図示せず)を介して、絶縁基板の裏面に設けられた外部接続端子(図示せず)と接続されている。
可溶導体1は、接続用ハンダ29を介して第1の電極12(A1)、発熱体引出電極16、第2の電極13(A2)上に搭載されている。保護素子10は、外部接続端子が、保護素子10が実装される回路基板に設けられた接続電極に接続されることにより、回路基板上に形成された電流経路の一部に組み込まれる。
なお、第1、第2の電極12(A1),13(A2)、及び発熱体引出電極16の各表面には、Ni/Auメッキ層が形成されている。これにより、可溶導体1の低融点金属層2や可溶導体1の接続用ハンダ29による第1、第2の電極12(A1),13(A2)及び発熱体引出電極16の侵食を抑制することができる。
また、第1、第2の電極12(A1),13(A2)には、可溶導体1の溶融導体や可溶導体1の接続用ハンダの流出を防止するガラス等の絶縁材料からなる流出防止部23が形成されている。
[バッテリパック]
次いで、保護素子10の使用方法について説明する。図11に示すように、上述した保護素子10は、例えば、リチウムイオン二次電池のバッテリパック内の回路に実装されて用いられる。
たとえば、保護素子10が実装される回路は、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル41〜44からなるバッテリスタック45を有するバッテリパック40に組み込まれて使用される。
バッテリパック40は、バッテリスタック45と、バッテリスタック45の充放電を制御する充放電制御回路50と、バッテリスタック45の異常時に充電を遮断する本発明が適用された保護素子10と、各バッテリセル41〜44の電圧を検出する検出回路46と、検出回路46の検出結果に応じて保護素子10の動作を制御する電流制御素子47とを備える。
バッテリスタック45は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル41〜44が直列接続されたものであり、バッテリパック40の正極端子40a、負極端子40bを介して、着脱可能に充電装置55に接続され、充電装置55からの充電電圧が印加される。充電装置55により充電されたバッテリパック40の正極端子40a、負極端子40bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
充放電制御回路50は、バッテリスタック45から充電装置55に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子51、52と、これらの電流制御素子51、52の動作を制御する制御部53とを備える。電流制御素子51、52は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、制御部53によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック45の電流経路の導通と遮断とを制御する。制御部53は、充電装置55から電力供給を受けて動作し、検出回路46による検出結果に応じて、バッテリスタック45が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子51、52の動作を制御する。
保護素子10は、たとえば、バッテリスタック45と充放電制御回路50との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子47によって制御される。
検出回路46は、各バッテリセル41〜44と接続され、各バッテリセル41〜44の電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路50の制御部53に供給する。また、検出回路46は、いずれか1つのバッテリセル41〜44が過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子47を制御する制御信号を出力する。
電流制御素子47は、たとえばFETにより構成され、検出回路46から出力される検出信号によって、バッテリセル41〜44の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子10を動作させて、バッテリスタック45の充放電電流経路を電流制御素子51、52のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
以上のような構成からなるバッテリパック40において、保護素子10の構成について具体的に説明する。
まず、本発明に係る可溶導体1が適用された保護素子10は、図12に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子10は、発熱体引出電極16を介して直列接続された可溶導体1と、可溶導体1の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体1を溶融する発熱体14とからなる回路構成である。また、保護素子10では、たとえば、可溶導体1が充放電電流経路上に直列接続され、発熱体14が電流制御素子47と接続される。保護素子10の第1、第2の電極12(A1),13(A2)は、それぞれ外部接続端子を介して、一方は、A1に接続され、他方は、A2に接続される。また、発熱体引出電極16とこれに接続された発熱体電極18は、P1に接続され、他方の発熱体電極18は、外部接続端子を介してP2に接続される。
このような回路構成からなる保護素子10は、発熱体14の発熱により、電流経路上の可溶導体1を溶断させ、バッテリパック40の充放電経路を遮断することができる。このとき、保護素子10は、可溶導体1が、図1に示すように、側縁部の高融点金属層3が肉厚とならず、略平角状に形成され、また、低融点金属層2の全周にわたって、略均一の厚さで高融点金属層3が形成されている。
したがって、保護素子10は、可溶導体1を溶断させるために多くの熱エネルギーが必要となることもなく、また、低融点金属材料2aによる食われ現象によって高融点金属の融点に至る前の低い温度で溶融させることができる。これにより、保護素子10は、過充電等の緊急時に、速やかに可溶導体1を溶融させて充放電電流経路を遮断することができる。
具体的に、保護素子10は、図13(A)に示すように、可溶導体1の溶融導体が、濡れ性の高い発熱体引出電極16及び第1、第2の電極12(A1),13(A2)に引き寄せられて溶断される。したがって、可溶導体1は、確実に第1の電極12(A1)〜発熱体引出電極16〜第2の電極13(A2)の間を溶断させることができる(図13(B))。また、可溶導体1が溶断することにより、発熱体14への給電も停止される。
なお、本発明に係る可溶導体1が適用された保護素子は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん応用可能である。
[短絡素子]
また、可溶導体1は、溶融により開放電極間を短絡させる短絡素子に用いることもできる。図14(A)に、短絡素子60の平面図を示し、図14(B)に、短絡素子60の断面図を示す。短絡素子60は、絶縁基板62と、絶縁基板62に設けられた発熱抵抗体63と、絶縁基板62に、互いに隣接して設けられた第1の電極64及び第2の電極65と、第1の電極64と隣接して設けられるとともに、発熱抵抗体63に電気的に接続された第3の電極66と、第2の電極65と隣接して設けられた第4の電極67と、第1、第3の電極64,66間に亘って設けられることにより電流経路構成し、発熱抵抗体63からの加熱により、第1、第3の電極64,66間の電流経路を溶断する本発明が適用された第1の可溶導体1aと、第2、第4の電極65,67間に亘って設けられ、発熱抵抗体63からの加熱により溶融する本発明が適用された第2の可溶導体1bとを備える。そして、短絡素子60は、絶縁基板62上に内部を保護するカバー部材70が取り付けられている。
絶縁基板62は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板62は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、可溶導体1a,1bの溶断時の温度に留意する必要がある。なお、絶縁基板62は、裏面に外部端子62が形成されている。
発熱抵抗体63は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板62上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
発熱抵抗体63は、絶縁基板62上において絶縁層71に被覆されている。絶縁層71は、発熱抵抗体63の熱を効率よく第1〜第4の電極64〜67へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。発熱抵抗体63は、第1〜第4の電極64〜67を加熱することにより、溶融導体を凝集しやすくすることができる。
発熱抵抗体63を被覆する絶縁層71上には、第1〜第4の電極64,65,66,67が形成されている。第1の電極64は、一方側において第2の電極65と隣接して形成されるとともに離間されることにより、開放されている。第1の電極64の他方側には第3の電極66が形成されている。第1の電極64と第3の電極66とは、第1の可溶導体1aが接続されることにより導通され、動作前における短絡素子60の電流経路を構成する。また、第1の電極64は、絶縁基板62の側面に臨む第1の電極端子部64aが形成されている。第1の電極端子部64aは、スルーホールを介して絶縁基板62の裏面に設けられた外部端子72と接続されている。
また、第3の電極66は、絶縁基板62あるいは絶縁層71に設けられた発熱体引出電極73を介して発熱抵抗体63と接続されている。また、発熱抵抗体63は、発熱体引出電極73を介して、絶縁基板62の側縁に臨む抵抗体端子部63aが形成されている。抵抗体端子部63aは、スルーホールを介して、絶縁基板62の裏面に設けられた外部端子72と接続されている。
第2の電極65の第1の電極64と隣接する一方側と反対の他方側には、第4の電極67が形成されている。第2の電極65と第4の電極67とは、第2の可溶導体1bが接続されている。また、第2の電極65は、絶縁基板62の側面に臨む第2の電極端子部65aが形成されている。第2の電極端子部65aは、スルーホールを介して絶縁基板62の裏面に設けられた外部端子72と接続されている。
なお、第1〜第4の電極64,65,66,67は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができるが、少なくとも第1、第2の電極64,65の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、公知のメッキ処理により形成されていることが好ましい。これにより、第1、第2の電極64,65の酸化を防止し、溶融導体を確実に保持させることができる。また、短絡素子60をリフロー実装する場合に、第1、第2の可溶導体1a,1bを接続するハンダが溶融することにより第1、第2の電極64,65を溶食(ハンダ食われ)して切断するのを防ぐことができる。
なお、第1、第2の可溶導体1a,1bの酸化防止、及び第1、第2の可溶導体1a,1bの溶融時における濡れ性を向上させるために、第1、第2の可溶導体1a,1bの上にはフラックス75が塗布されている。
短絡素子60は、絶縁基板62がカバー部材70に覆われることによりその内部が保護されている。カバー部材70は、短絡素子60の側面を構成する側壁76と、短絡素子60の上面を構成する天面部77とを有し、側壁76が絶縁基板62上に接続されることにより、短絡素子60の内部を閉塞する蓋体となる。このカバー部材70は、上記絶縁基板62と同様に、たとえば、熱可塑性プラスチック,セラミックス,ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成されている。
また、カバー部材70は、天面部77の内面側に、カバー部電極78が形成されても良い。カバー部電極78は、第1、第2の電極64,65と重畳する位置に形成されている。このカバー部電極78は、発熱抵抗体63が発熱し、第1、第2の可溶導体1a,1bが溶融されると、第1、第2の電極64,65上に凝集した溶融導体が接触して濡れ広がることにより、第1、第2の電極64,65間を短絡させる溶融導体を保持する許容量を増加させることができる。
[短絡素子回路]
以上のような短絡素子60は、図15(A)(B)に示すような回路構成を有する。すなわち、短絡素子60は、第1の電極64と第2の電極65とが、正常時には絶縁され(図15(A))、発熱抵抗体63の発熱により第1、第2の可溶導体1a,1bが溶融すると、当該溶融導体を介して短絡するスイッチ79を構成する(図15(B))。そして、第1の電極端子部64aと第2の電極端子部65aは、スイッチ79の両端子を構成する。また、第1の可溶導体1aは、第3の電極66及び発熱体引出電極73を介して発熱抵抗体63と接続されている。
そして、短絡素子60は、電子機器等に組み込まれることにより、スイッチ79の両端子64a、65aが、当該電子機器の電流経路と並列に接続され、当該電流経路上の電子部品に異常が発生した場合に、スイッチ79を短絡させ、当該電子部品をバイパスするバイパス電流経路を形成する。
具体的に、短絡素子60は、動作前においては、第1の電極端子部64aと抵抗体端子部63aとの間に亘る給電経路の通電が規制されている。そして、並列接続されている電子部品に異常が生じると、短絡素子60は、当該給電経路に電流が流れ、発熱抵抗体63が通電することにより発熱する。この熱により第1、第2の可溶導体1a,1bが溶融すると、溶融導体は、図16(A)(B)に示すように、第1、第2の電極64,65上に凝集する。第1、第2の電極64,65は隣接して形成されているため、第1、第2の電極64,65上に凝集した溶融導体が結合し、これにより第1、第2の電極64,65が短絡する。すなわち、短絡素子60は、スイッチ79の両端子間が短絡される(図15(B))。
このとき、短絡素子60は、第1、第2の可溶導体1a,1bが、図1に示すように、側縁部の高融点金属層3が肉厚とならず、略平角状に形成され、また、低融点金属層2の全周にわたって、略均一の厚さで高融点金属層3が形成されている。
したがって、短絡素子60は、可溶導体1を溶断させるために多くの熱エネルギーが必要となることもなく、また、低融点金属材料2aによる食われ現象によって高融点金属の融点に至る前の低い温度で速やかに溶融させることができる。
なお、発熱抵抗体63への通電は、第1の可溶導体1aが溶断することにより、第1の電極端子部64aと抵抗体端子部63aとの間に亘る給電経路が遮断されるため、停止される。
次いで、本発明の実施例について説明する。本実施例では、低融点金属材料を電解メッキ法により高融点金属で被覆した積層体を作成し、幅方向に切断することにより可溶導体を得た。低融点金属箔は、Pbフリーハンダ箔を用い、電解メッキ法により低融点金属箔の全面にAgメッキを施し、高融点金属層を形成した。
実施例1では、直径0.25mmnの糸ハンダに、電解メッキ法により厚さ18μmのAgメッキ層を設けた積層体を形成した。この積層体を圧延して、幅1mm、厚さ0.1mm(Agメッキ厚5μm)の可溶導体を得た。
実施例2では、0.3mm×0.3mmの正方形断面の平角状のハンダの両側縁をC0.05で面取りした後、電解メッキ法により厚さ18μmのAgメッキ層を設けた積層体を形成した。この積層体を圧延して、幅1mm、厚さ0.1mm(Agメッキ厚5μm)の可溶導体を得た。
比較例1では、1mm×、0.1mmのハンダ箔に、電解メッキ法により厚さ5μmのAgメッキ層を設けた積層体からなる可溶導体を得た。比較例1では積層体の圧延は行わなかったため、側縁部に電界強度が集中し、Agメッキ層が肉厚に形成された。
実施例1,2及び比較例1に係る可溶導体を用いて保護素子を形成し(図10参照)、それぞれ10Wで加熱し、可溶導体の溶断時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2015097183
表1に示すように、比較例1では、可溶導体の溶断委3.0秒を要したのに対して、実施例1では2.5秒、実施例2では2.4秒で溶断することができた。これは、実施例1,2では、積層体を形成した後、圧延加工を施すことにより、側縁部においても平坦で、かつAgメッキ層が全周にわたって均一厚さの可溶導体を用いたことから、Agメッキ層の溶融に多くの熱エネルギーを要せず、速やかに溶断できたことによる。
一方、比較例1では、積層体に対して圧延加工を施していないため、電解メッキによって側縁部にAgメッキが肉厚に形成されている可溶導体を用いたことから、当該側縁部を溶断するためには、より多くの熱エネルギーが必要となり、また、当該側縁部は、高融点金属(Ag)によって相対的に肉厚に形成されていることから、低融点金属(ハンダ)による食われ現象によっても、溶断するためにはより多くの時間を要した。
1 可溶導体、2 低融点金属層、3 高融点金属層、4 積層体、5 成形体、6 側縁部、7 肉厚部、10 保護素子、11 絶縁基板、12 第1の電極、13 第2の電極、14 発熱体、15 絶縁部材、16 発熱体引出電極、18 発熱体電極、40 バッテリパック、41〜44 バッテリセル、45 バッテリスタック、46 検出回路、47 電流制御素子、50 充放電制御回路、51,52 電流制御素子、53 制御部、55 充電装置、60 短絡素子、62 絶縁基板、63 発熱抵抗体、64 第1の電極、65 第2の電極、66 第3の電極、67 第4の電極、70 カバー部材、71 絶縁層、72 外部端子、73 発熱体引出電極、75 フラックス、79 スイッチ

Claims (15)

  1. 低融点金属層と、上記低融点金属層に積層された高融点金属層とを有する積層体を形成し、
    上記積層体を平板状に成形することにより成形体を得る可溶導体の製造方法。
  2. 上記積層体を一又は複数回圧延することにより成形する請求項1記載の可溶導体の製造方法。
  3. 上記積層体を一又は複数回プレスすることにより成形する請求項1記載の可溶導体の製造方法。
  4. 上記成形体の側縁部に形成された上記高融点金属の肉厚部を削る請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶導体の製造方法。
  5. 上記成形体の上記高融点金属が肉厚に形成された側縁部を切断する請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶導体の製造方法。
  6. 低融点金属層と、上記低融点金属層の少なくとも上下面に積層された高融点金属層とを有する積層体を形成し、
    上記積層体の側縁部に形成された上記高融点金属の肉厚部を削ることにより成形体を得る可溶導体の製造方法。
  7. 低融点金属層と、上記低融点金属層の少なくとも上下面に積層された高融点金属層とを有する積層体を形成し、
    上記積層体の上記高融点金属が肉厚に形成された側縁部を切断することにより成形体を得る可溶導体の製造方法。
  8. 上記肉厚部を削り、あるいは上記側縁部を切断した上記積層体を圧延又はプレスすることにより上記成形体を得る請求項6又は7記載の可溶導体の製造方法。
  9. 上記積層体は、上記低融点金属層を構成する低融点金属材料に、上記高融点金属層を構成する高融点金属が被覆されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の可溶導体の製造方法。
  10. 上記積層体は、上記低融点金属材料に、上記高融点金属が電解メッキにより被覆されている請求項9記載の可溶導体の製造方法。
  11. 上記低融点金属材料は、断面円形の線材である請求項10記載の可溶導体の製造方法。
  12. 上記低融点金属材料は、断面矩形状の平角線である請求項10記載の可溶導体の製造方法。
  13. 上記低融点金属材料は、幅方向の両側縁部が面取り加工されている請求項12記載の可溶導体の製造方法。
  14. 上記積層体は、線材からなる上記低融点金属材料を、シート状の上記高融点金属で巻き包むことにより形成されている請求項9記載の可溶導体の製造方法。
  15. 上記積層体は、シート状の上記低融点金属材料と、シート状の上記高融点金属材料とが積層され、加圧されることにより形成されている請求項9記載の可溶導体の製造方法。
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