JP2015094757A - 新規固相担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、非特異的タンパク吸着が少なく(即ち高い親水性を有し)、安定性が高く、且つ、より大きな分子量のターゲットあるいは複合体化したターゲットを捕捉可能な固相担体(特にアフィニティクロマトグラフィー用の固相担体(アフィニティ担体))、および当該固相担体を調製する為の化合物を提供することを目的とする。【解決手段】 下記式(I)(式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)で表される、リガンドを担持させる親水性モノマー成分(モノマー成分A)と、前記親水性モノマー成分に担持させるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分(モノマー成分B)と、架橋剤モノマー成分(モノマー成分C)との共重合体からなる固相担体。【選択図】なし

Description

本発明は、固相担体、特にアフィニティクロマトグラフィー用の固相担体(アフィニティ担体)および当該固相担体を調製するのに好適なモノマー成分に関する。より詳しくは、創薬における探索研究に有用な固相担体等に関する。
近年、特異的分子間相互作用を基盤とした手法を用い、ある特定の分子に特異的な相互作用を有する分子を探索する試みが盛んに行われている。この中で、注目に値する生理活性を示す医薬品のような低分子化合物を適当な固相担体に固定化しターゲットを探索する方法が注目を集めている。このいわゆるアフィニティ樹脂と呼ばれる手法を用いたターゲット探索研究は着目する生理活性を示す低分子化合物のターゲットを効率的に同定することが可能であることから多くの研究が行われ、具体的な成果もいくつか報告されている。これらの研究例としては、1)1989年のシュライバー教授による免疫抑制剤FK506の結合タンパク質FKBP(FK506 binding proteins)の発見(FK506の細胞内結合タンパク質としてのFKBP12の発見、例えば非特許文献1参照)や、2)抗癌剤Trapoxinのターゲットタンパク質としてのHDAC発見(例えば非特許文献2参照)、3)半田等によるE3330のターゲットタンパクとしてのRef−1の発見(例えば非特許文献3参照)が有名である。
また、臨床検査領域においても、出来るだけ早期に病巣の存在を確認できれば治療の効果がアップすることから、例えば特定のがんに特異的に発現する微量タンパク質等のマーカーと呼ばれる物質を、採取した患者の血液等から検出する研究も盛んに行われ、固相担体を用いる機会も多い。
上記手法によるアフィニティ樹脂を用いたターゲット探索においては、固定化したリガンドへの、ターゲット以外のタンパク質の非特異的な吸着が問題となっていた。本発明者らは、リガンドをアフィニティ樹脂に結合させる際に親水性スペーサーを介在させることによって、ターゲット以外のタンパク質の非特異的な吸着を低減化させることが可能な新規アフィニティ樹脂の開発に成功した(特許文献1及び2)。これはAquaFirmusTMとして商品化されているが、捕獲可能なターゲットの分子量に制限があり、大きな分子量のターゲットの捕獲が困難であった。従って、より大きなターゲットやターゲット複合体全体をも捕捉可能な固相担体の開発が求められているのが現状である。
また、抗体などのタンパク質の精製過程においても、粗抗体産物を特定のリガンド等を固定化したアフィニティ技術によって精製することが多いが、当該過程においても非特異的タンパク質吸着が抑制された、化学的に安定で加工が容易な汎用的固相担体の開発が求められている。
国際公開第2005/037881号公報 特開2007−326045号公報
Nature, vol.341, p758-760 (1989) Science, vol.272, p408-411 (1996) Nature Biotechnology, vol.18, no.8, p877-881 (2000)
本発明は、非特異的タンパク吸着が少なく(即ち高い親水性を有し)、安定性が高く、且つ、より大きな分子量のターゲットあるいは複合体化したターゲットを捕捉可能な固相担体(特にアフィニティクロマトグラフィー用の固相担体(アフィニティ担体))、および当該固相担体を調製する為の化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、リガンドを担持させる親水性モノマー成分に、より長い鎖長の親水性スペーサーを介在させることによって、リガンドとターゲットとの立体障害を低減することができ、より大きなターゲットや複合体化したターゲットをも捕捉可能なことを見出して本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下を提供する。
[1]下記式(I)
(式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
で表される、リガンドを担持させる親水性モノマー成分(モノマー成分A)と、
前記親水性モノマー成分に担持させるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分(モノマー成分B)と、
架橋剤モノマー成分(モノマー成分C)との共重合体からなる固相担体。
[2]nが20〜50の整数である、上記[1]記載の固相担体。
[3]架橋剤モノマー成分が、ビニルモノマー化合物、ジメタクリレート化合物又はジアクリレート化合物から選択される、上記[1]又は[2]記載の固相担体。
[4]平均分子量が1000以上のターゲット捕捉用である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の固相担体。
[5]ターゲット複合体捕捉用である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の固相担体。
[6]以下の工程(1)及び(2):
(1)下記式(I)
(式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
で表される、リガンドを担持できる親水性モノマー成分(モノマー成分A)の少なくとも1種と、前記親水性モノマーに担持されるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分(モノマー成分B)の少なくとも1種と、架橋剤モノマー成分(モノマー成分C)の少なくとも1種とを配合する工程;及び
(2)水又は水溶性溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下に共重合させてゲル状体を得る工程
を含む、固相担体の製造方法。
[7]nが20〜50の整数である、上記[6]記載の製造方法。
[8]架橋剤モノマー成分が、ビニルモノマー化合物、ジメタクリレート化合物又はジアクリレート化合物から選択される、上記[6]又は[7]記載の製造方法。
[9]一般式(I)で表される化合物。
(式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
[10]nが20〜50の整数である、上記[9]記載の化合物。
本発明の固相担体は、非特異的タンパク吸着が少なく(高い親水性を有し)、更に安定性が高いという特徴を有する。更に従来の担体に比べてより大きなターゲットや複合体化したターゲットをも捕捉することが可能となる。
図1は、各種固相担体にリガンド(FK506)を固定化することによって得られたFK506固定化固相担体を用いたターゲット探索の結果を示した図である。Aは銀染色の結果を、Bはウエスタンブロッティングの結果を示している。矢印で示すように、本発明の固相担体を用いた場合にターゲットを複合体として捕捉可能なことがわかる。
本発明の固相担体は、下記のモノマー成分Aとモノマー成分Bとモノマー成分Cとの共重合体からなる。
A.モノマー成分A
モノマー成分Aは、リガンドを担持できる親水性モノマー成分であって、下記式(I)
(式中、Yaは水素又はアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
で表される。
nは好ましくは20〜50の整数である。
モノマー成分Aは具体的には以下の方法によって製造される。各構造式中、特定の基、特定の化合物を記載する場合があるが、それらは一例であって、特に限定されるものではない。同等の働きを有するものであれば適宜変更し得る。尚、原料化合物及び各反応試薬は商業的に入手可能である。原料化合物として例えばPEG1000やPEG2000を用いることができる。PEGの1単位(−CHCHO−)の構造(以下、PEGの単位構造とも称する)の分子量は44であり、従って、PEG1000の場合は、PEGの単位構造の数は1000/44≒22.7となる。実験的にもn=22やn=23を頂点とする、正規分布上のnの値が観測される(質量分析)。同様にPEG2000の場合のPEGの単位構造の数は2000/44≒45.5となりn=45やn=46を頂点とする、正規分布上のnの値が観測される。
(式中、nは11〜250の整数である)
B:モノマー成分B
モノマー成分Bは、モノマー成分Aに担持されるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分である。
本発明における「間引き剤モノマー」は、リガンド担持量の調整、固相担体表面の疎水的・親水的環境を調整することが可能で、これらの調整により標的タンパク質(ターゲット)の結合量増加をもたらすために導入される。具体的には、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、水酸基、スルホ基及びリン酸基から成るグループより選ばれた親水性基並びにアルキル基もしくはフェニル基およびその誘導体あるいはその保護体から成るグループより選ばれた官能性基を有するモノマーが挙げられ、2種類以上が導入されても良い。好ましい「間引き剤モノマー」としては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリシジルメタクリレート等のヒドロキシル基、エーテル基を含むメタクリレートあるいはアクリレート、更には、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、トリデシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類あるいはスチレン類等が挙げられる。好ましくはジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(DEG−m)である。
間引き剤モノマーは商業的に入手可能なものが利用できる。
C:モノマー成分C
モノマー成分Cは、架橋剤モノマー成分である。
本発明における「架橋剤モノマー成分」は、ビニルモノマー架橋剤あるいはメタクリレート架橋剤あるいはアクリレート架橋剤であり、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のオリゴ、ポリエチレングリコールジメタクリレートおよびそのアクリレート置換体、グリセリンジメタクリレート、ビニルメタクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。
架橋剤モノマー成分は商業的に入手可能なものが利用できる。
特に好ましい化合物としては、9個のポリエチレングリコール単位を有するノナエチレングリコールジメタクリレートが挙げられる。この化合物は、例えば新中村化学工業株式会社から「NK ESTER 9G」という商品名で市販されている。
選択的で効率良くターゲットタンパク質が吸着するアフィニティ樹脂として好適な本発明の固相担体においては、前記(架橋剤モノマー成分C)と(親水性モノマー成分A+間引き剤モノマー成分B)の構成重量比率が10〜99:90〜1であり、この際、50〜95:50〜5が好ましく、30〜80:70〜20が特に好ましい。モノマー成分Cの構成重量割合が10以下になると、ターゲットタンパク質の捕捉の好都合なモノリス構造(三次元網目構造)が安定に維持できなくなる。
尚、本発明の固相担体におけるモノマー成分Bとモノマー成分Aの比率は、必要とされるリガンド担持量や、固相担体表面の疎水的・親水的環境に応じて適宜選択される。
本発明の固相担体の用途としては、アフィニティ担体、担持担体などの生化学用の固相体の他、イオン交換クロマトグラフィー担体、キラルクロマトグラフィー担体、フィリッククロマトグラフィー担体、逆相クロマトグラフィー担体などのクロマトグラフィー固定相、気体や液体などの環境毒に対する捕捉担体や、水浄化用の固定相や電気泳動などの担体、細胞培養担体などが挙げられる。
次に、本発明の固相担体を効率良く製造する方法について説明する。
本発明の製造方法としては、
(1)工程1
リガンドを担持できる親水性モノマー成分Aの少なくとも1種と、間引き剤モノマー成分Bの少なくとも1種と、架橋剤モノマー成分Cの少なくとも1種を配合する工程、及び
(2)工程2
水又は水溶性溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下に共重合させてゲル状体を得る工程、
を含むことができる。
ここで、「少なくとも1種」とは、各モノマー成分において、単一の化合物を用いてもよいし、その役割が同じである限り異なる化合物の混合物として用いてもよいことを意味する。例えば、リガンドを担持できる親水性モノマー成分Aとして、式(I)においてnが異なる化合物の混合物を用いることができる。
本発明の製造方法は、より詳細には、架橋剤モノマー成分Cの少なくとも1種と、リガンドを担持できる親水性モノマー成分Aの少なくとも1種と、間引き剤モノマー成分Bの少なくとも1種とを準備する。その後、架橋剤モノマー成分Cと、(親水性モノマー成分Aと間引き剤モノマー成分Bとの共重合体)とを、重量比率(混合比率)が10〜99:90〜1、好ましくは50〜95:50〜5、より好ましくは30〜80:70〜20となるように配合して、水又は水溶性溶媒の中に添加、混合し、ラジカル重合開始剤を添加して加熱あるいは紫外線照射を行い、共重合させる。この際、前記水溶性溶媒としては、水に自由に溶解することが可能な低分子量(分子量500以下)の溶媒が使用できる。好ましい溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのエチレングリコール縮合系溶媒、トリエチルアミン、ビニルピリジン等のアミノ基を有する溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド基を有する溶媒、アセトニトリルのようなシアノ基を有する溶媒、アセトンなどのカルボニル基を有する溶媒、メタノールやエタノールなどの水酸基を有する溶媒などが挙げられる。本発明においては、共重合を行う際の溶媒として、水に溶解しない溶媒(例えばパラフィン類、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素など)を使用することはできず、この場合には、ナノメートルサイズの細孔が三次元網目状に連続した構造を有した有機高分子ゲルは得られない。尚、上記水溶性溶媒に添加されるモノマーの総量は、溶媒100重量部に対して10〜120重量部であることが好ましい。
本発明では、共重合に使用されるラジカル重合開始剤の種類が特に限定されるものではなく、加熱あるいは紫外線照射によって重合が開始可能な一般的なラジカル重合開始剤が種々使用できる。重合条件(重合温度や重合時間)についても特殊な条件を必要とせず、一般的な条件でラジカル重合が行える。本発明において適した開始剤としては、過酸化系ラジカル開始剤(過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム等)または、アゾ系ラジカル開始剤(アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−ジメチルバレロニトリル(ADVN)等)、水溶性あるいは油溶性のレドックス系ラジカル開始剤(ジメチルアニリンと過酸化ベンゾイルからなる)が挙げられる。重合開始剤の添加量は、重合が起こるに十分な量であれば特に限定はされず、また使用する重合開始剤の種類によっても適宜設定されるが、通常、添加されるモノマーの総量を100重量部とした場合、0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部添加される。反応進行が悪い場合には、適量の重合開始剤を追加添加してもよい。
本発明では、上記の共重合を行った後、得られたゲル状体を水で浸漬して洗浄を行い、乾燥させる。この際、洗浄を2〜3回繰り返し、加熱乾燥を行うのが一般的である。
本発明では、上記の共重合において、モノマー成分Aはアミノ基が保護された状態(即ち、式(I)においてYaがアミノ基の保護基である場合)で用いることが好ましい。そのような場合には脱保護は重合終了後に行なう。
かくして得られた固相担体は、化学的安定性が高く、アガロース系樹脂のように非特異的吸着を十分に抑制する親水的特性を有している。
本発明の固相担体あるいはその製造方法において、リガンドの親水性モノマー成分Aへの担持は、モノマー成分A上のアミノ基とリガンド上に存在する官能基(例、カルボキシル基)との結合による。固定化するリガンドによっては、あらかじめ親水性モノマー成分Aとの結合を容易にするためのリンカーを導入しておくこともまた好適である。リガンドが担体に固定化されたか否かは、リガンドあるいはリガンドに予め導入された任意の基に含まれるある特定の構造乃至置換基等に基づく呈色反応等を利用して確認することができる。例えばアミノ基を認識するニンヒドリン反応等が利用できる。結合は、通常当分野で実施される反応を利用して実施される。簡便且つ確実な手段としてアミド結合形成反応を利用する方法が挙げられる。本反応は、例えば「ペプチド合成の基礎と実験」(ISBN 4-621-02962-2、丸善、昭和60年初版)に従って実施できる。各反応に用いられる試薬や溶媒については当分野で通常用いられるものが利用でき、採用する結合反応によって適宜選択される。
本発明において固相担体表面に固定化されるリガンドは特に限定されず、公知の化合物であっても今後開発される新規な化合物であってもよい。また、低分子化合物であっても高分子化合物であってもかまわない。ここで低分子化合物とは分子量1000未満の化合物であって、例えば医薬品として通常使用し得る有機化合物およびその誘導体や無機化合物が挙げられ、有機合成法等を駆使して製造される化合物やその誘導体、天然由来の化合物やその誘導体、プロモーター等の小さな核酸分子や各種の金属等であり、望ましくは医薬品として使用し得る有機化合物およびその誘導体、核酸分子をいう。また、高分子化合物としては分子量1000以上程度の化合物であって、タンパク質、ポリ核酸類、多糖類、およびこれらを組み合わせたものなどが挙げられ、望ましくはタンパク質である。これらの低分化合物あるいは高分子化合物は、公知のものであれば商業的に入手可能であるが、各報告文献に従って採取、製造、精製等の工程を経て得ることができる。これらは、天然由来であっても、また遺伝子工学的に調製されるものであってもよく、また半合成等によっても得ることができる。
本発明の固相担体は、特に、より大きなターゲット、具体的には分子量が1000以上、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上の分子を捕捉するのに好適である。さらに本発明の固相担体は、ターゲットが他の分子と複合体を形成するような場合であっても、その解離を必要とすることなく捕捉することが可能である。従って、より生体内での挙動に近い状態でのリガンド−ターゲット相互作用を解析することが可能である。
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、使用する試薬及び材料は特に限定されない限り商業的に入手可能である。
実施例1:親水性モノマー成分Aの製造1
本実施例中、nはPEG1000を得るのに適したPEGの単位構造の数であり、通常、22又は23である。nが20未満あるいは24以上の化合物乃至部分構造が含まれていてもよい。
1−1:化合物A(1000)合成
PEG1000 (5.26 g, 5.26 mmol)、フタルイミド (0.851 g, 5.79 mmol)、トリフェニルホスフィン (1.55 g, 5.92 mmol)およびテトラヒドロフラン (THF, 30 mL)の混合液に室温で、ジエチルアゾジカルボキシレート (40% トルエン溶液, 2.79 mL, 5.52 mmol)を徐々に滴下した。反応液を室温で、1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、クロロホルムおよび水を加え、有機層を分液操作で分離した。得られた有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、化合物A(1000)を得た(9.86 g)。このまま精製を行わず、次ステップ原料として用いた。
1−2:化合物B(1000)合成
化合物A(1000)(9.86 g)、ヒドラジン水和物 (0.847 mL, 17.5 mmol)およびメタノール (20 mL)の混合液を、還流下8時間攪拌した。反応終了後、放冷し減圧濃縮した。得られたシラップ状のものに、クロロホルムおよび希塩酸を加え分液した。分液した水相をクロロホルムで1回洗浄し、化合物B(1000)を含む水溶液を得た。この水溶液は精製を行わず、次ステップ原料とした。
1−3:化合物C(1000)合成
化合物B(1000)を含む、前ステップで得られた水溶液(約100 mL)にジオキサン (100 mL)を加え、2N NaOHでpHを9に調整した。本水溶液に、Boc2O(3.05 g, 14.0 mmol)およびジオキサン(20 mL)混合物をゆっくり滴下した。滴下に伴い反応液のpHが下がるので、2N NaOHを用い、反応液のpHが9から9.5になるよう調整した。滴下後、反応液にクロロホルムおよび水を加えた。分液後、クロロホルムを飽和NaCl液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、オイル状の化合物C(1000)を得た(4.06 g, 42.3%)。このまま精製を行わず、次ステップ原料として用いた。
1−4:化合物D(1000)合成
化合物C(1000)(4.06 g, 3.69 mmol)、1,3-ビス(ジメチルアミノ)プロパン(0.722 g, 5.54mmol)およびアセトニトリル (100 mL)の混合液に室温下、塩化メタクリロイル(0.927 g, 8.87 mmol)を徐々に滴下した。反応液を室温下、終夜攪拌した。反応液にクロロホルムおよび飽和NaHCO3水溶液を加えた。分液後、クロロホルムを飽和NaCl液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、オイル状の粗化合物D(1000)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(50 g, 5% メタノール-クロロホルムで溶出)で精製し、目的とする化合物D(1000)を得た(1.82 g, 42.4%)。
ESI-HRMS calcd. for C8H8N2ONa([M+Na]+) 171.0529; found m/z 171.0529.
1H-NMR (CDCl3, δ): 1.45(9 H, s),1.92(3 H, s), 3.4-3.8 (ca 88 H, m), 5.56 (1 H, s), 6.11(1 H, s).
化合物D(1000)は放置すると自然重合を行うため、50% 酢酸エチル-n-ヘキサン混合液中、少量の4-tert-ブチルピロカテコールを加え、重合反応開始まで4℃に保存した。
実施例2:親水性モノマー成分Aの製造2
本実施例中、nはPEG2000を得るのに適したPEGの単位構造の数であり、通常、45又は46である。nが45未満あるいは47以上の化合物乃至部分構造が含まれていてもよい。
2−1:化合物A(2000)合成
PEG2000(9.21 g, 4.61 mmol)、フタルイミド(0.745 g, 5.07 mmol)、トリフェニルホスフィン (1.36 g, 5.18 mmol)およびテトラヒドロフラン (THF, 60 mL)の混合液に室温で、ジエチルアゾジカルボキシレート(40% トルエン溶液, 2.56 mL, 5.07 mmol)を徐々に滴下した。反応液を室温で、1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、クロロホルムおよび水を加え、有機層を分液操作で分離した。得られた有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、粗化合物A(2000)を得た。このまま精製を行わず、次ステップ原料として用いた。
2−2:化合物B(2000)合成
前ステップで得られた化合物A(2000)、ヒドラジン水和物 (0.447 mL, 9.21 mmol)およびメタノール(50 mL)の混合液を、還流下6時間攪拌した。反応終了後、放冷し減圧濃縮した。得られたシラップ状のものに、クロロホルムおよび希塩酸を加え分液した。分液した水相をクロロホルムで1回洗浄し、化合物B(2000)を含む水溶液を得た。この水溶液は精製を行わず、次ステップ原料とした。
2−3:化合物C(2000)合成
化合物B(2000)を含む、前ステップで得られた水溶液(約100 mL)にジオキサン (100 mL)を加え、2N NaOHでpHを9に調整した。この溶液に、Boc2O(1.61 g, 7.37 mmol)およびジオキサン(20 mL)混合物をゆっくり滴下した。滴下に伴い反応液のpHが下がるので、2N NaOHを用い、反応液のpHが9から9.5になるよう調整した。滴下後、反応液にクロロホルムおよび水を加えた。分液後、クロロホルムを飽和NaCl液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、オイル状の化合物C(2000)を得た(3.89 g, 40.2%)。このまま精製を行わず、次ステップ原料として用いた。
2−4:化合物D(2000)合成
化合物C(2000)(0.55 g, 0.26 mmol)、1,3-ビス(ジメチルアミノ)プロパン(51.2 mg, 0.393 mmol)およびアセトニトリル(7 mL)の混合液に室温下、塩化メタクリロイル(65.7 mg, 0.629 mmol)を徐々に滴下した。反応液を室温下、終夜攪拌した。反応液にクロロホルムおよび飽和NaHCO3水溶液を加えた。分液後、クロロホルムを飽和NaCl液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、オイル状の粗化合物D(2000)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(10 g, 5% メタノール-クロロホルムで溶出)で精製し、目的とする化合物D(2000)を得た(0.57 g, 100%)。
ESI-HRMS calcd. for n=44 ([M+Na]2+) 1084.6514; found m/z 1084.6454(これ以外に、(CH2CH2O)ユニットの異なるピークを数多く観測).
1H-NMR (CDCl3, δ): 1.4(9 H, s),1.9 (3 H, s), 3.2-3.9 (ca 180 H, m), 5.5 (1 H, s), 6.1(1 H, s).
化合物D(1000)は放置すると自然重合を行うため、50% 酢酸エチル-n-ヘキサン混合液中、少量の4-tert-ブチルピロカテコールを加え、重合反応開始まで4℃に保存した。
実施例3:本発明の固相担体の製造例
[試薬及び溶媒]
架橋剤モノマー成分Cとしては、市販されているノナエチレングリコールジメタクリレート(商品名:NK ESTER 9G、新中村化学工業株式会社製)を用いた。
リガンド担持用親水性モノマー成分Aとしては、実施例1又は実施例2で合成した化合物D(1000)および化合物D(2000)(アミンの保護体)を用いた。
間引き剤モノマー成分Bとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(DEG−m)(東京化成工業、東京化成一級)を用いた。
尚、ラジカル重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(ADVN)(和光純薬工業、和光一級)をそのまま使用し、溶媒としては、ジエチレングリコール(和光純薬工業、和光一級)又はヘキサエチレングリコール(和光純薬工業)を使用した。
[ゲルの作製]
1.5mlエッペンドルフチューブに、以下の表1で示した組成でリガンド担持用モノマー成分A、架橋剤モノマー成分C、溶媒、間引き剤モノマー成分B、ADVNを入れ、室温で30分間攪拌を行う。ADVNの完全溶解を目視で確認後、密封し、ヒーティングブロックで60℃で静置加温する。15〜30分程度後に、少しずつ反応溶液が白濁することを確認し、そのまま一晩加温を続ける。
さらにADVN5mgを入れ、再びアルゴン脱気を行い、ADVNを完全に溶解した。バルカーテープで密閉し、60℃の湯浴で24時間加熱重合した。重合後、アフィニティ担体を取り出し、メタノールに浸漬し、洗浄した。溶媒には、ジエチレングリコール(DEG)を用いた。
[脱Boc反応および中和]
PEG1000
上記工程で得られた重合生成物(ゲル)約1 gを細かく粉砕し、水、メタノール、アセトンで洗浄し、乾燥させた。乾燥後の重量は約340 mgであった。これに10% H2O-TFA混合液5 mLを加え、1時間攪拌した。樹脂をろ過することによって得た。得られた樹脂を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、残存する酸を除いた。その後、水、1−メチル−2−ピロリドンで洗浄した。得られた樹脂のアミノ基量は、ニンヒドリン反応を用い、アミノ基量既知の樹脂(AquaFirmus, 18.8 μmol/mL)との比較から推定した結果、12 μmol/mLであった。
PEG2000
上で得られた重合生成物約1 gを細かく粉砕し、水、methanol、acetonで洗浄し、乾燥させた。乾燥後の重量は約380 mgであった。これに10% H2O-TFA混合液8 mLを加え、1時間攪拌した。樹脂をろ過することによって得た。得られた樹脂を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、残存する酸を除いた。その後、水、1-methyl-2-pyrrolidinoneで洗浄した。得られた樹脂のアミノ基量は、ニンヒドリン反応を用い、アミノ基量既知の樹脂(AquaFirmus, 18.8 μmol/mL)との比較から推定した結果、6.3 μmol/mLであった。
実施例4:本発明の固相担体によるタンパク質結合試験
(1)ライゼートの調製
ラットの脳(2.2g)を混合液A(0.25Mシュクロース,25mM Trisバッファー(pH7.4),22ml)に混ぜ、ホモジネートを作成後、9000rpmで10分間遠心分離した。こうして得られた上清をライゼートとして使用した。なお、実験はすべて4℃あるいは氷上で行った。
(2)リガンドが結合した各種固相担体の作成
リガンドとしては、17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−{2−[4−(7−カルボキシ−ヘプタノイル−オキシ)−3−メトキシ−シクロヘキシル]−1−メチル−ビニル}−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−アザ−トリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テトラオン(FK506)を用いた。
(i) AquaFirmusTM(市販品)
AquaFirmusTM(100 μL,遊離アミノ基1.9 μmol)、linker付FK506(7.2 mg,7.6 μmol)、EDC/HCl(1.7 mg,9.0 μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt;(1.4 mg,9.0 μmol))およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP;0.5 ml)の混合物を室温で終夜撹拌した。なお、linker付FK506は報告された手法に従い合成した(T. Tamura, T. Terada, A.Tanaka. A Quantitative Analysis and Chemical Approach for the Reduction of Nonspecific Binding Proteins on Affinity Resins. Bioconjugate Chem., 14(6), 1222-1230 (2003))。反応の終点はニンヒドリン反応で、樹脂表面のアミノ基の残存がなくなったことで確認した。反応終了確認後、NMPで樹脂を十分洗浄した。ここに無水酢酸:DMF=1:9(1.5ml)を加え1時間室温で撹拌した。反応終了確認後、DMF、80%EtOH水、50%EtOH水および20%EtOH水で十分洗浄後、FK506付固相担体を得た。最終物は結合実験まで、冷蔵庫で20%EtOH水中保存した。
(ii) 実施例1のモノマー成分Aを用いて合成した固相担体(PEG1000)
実施例1のモノマー成分A(100 μL,遊離アミノ基1.2 μmol)、linker付FK506(4.6 mg,4.8μmol)、EDC/HCl(1.1 mg,5.8μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt;(0.88 mg,5.8μmol))およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP;0.5 ml)を用いて、上記(i)と同様にしてFK506付固相担体を得た。
(iii) 実施例2のモノマー成分Aを用いて合成した固相担体(PEG2000)
実施例2のモノマー成分A(100 μL,遊離アミノ基0.63 μmol)、linker付FK506(2.4 mg,2.5 μmol)、EDC/HCl(0.58 mg,3.0 μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt;(0.46 mg,3.0μmol))およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP;0.5 ml)を用いて、上記(i)と同様にしてFK506付固相担体を得た。
(iv) AffigelTM(市販品)
AffigelTM(100 μL,遊離アミノ基1.2 μmol)、linker付FK506(4.6 mg,4.8 μmol)、EDC/HCl(1.1 mg,5.8 μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt;(0.88 mg,5.8 μmol))およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP;0.5 ml)を用いて、上記(i)と同様にしてFK506付固相担体を得た。
(v) ToyopearlTM(市販品)
ToyopearlTM(100 μL,遊離アミノ基10μmol)、linker付FK506(38 mg,40 μmol)、EDC/HCl(9.2 mg,48 μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(HOBt;(7.3 mg,48 μmol))およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP;0.5 ml)を用いて、上記(i)と同様にしてFK506付固相担体を得た。
(3)結合実験(競合実験)
上記したFK506を結合した各種固相担体を用いて以下の手順でライゼートとの結合実験を行った。
各固相担体 10 μLを使用し、ライゼート1 mLと4℃で1時間攪拌した。このとき、拮抗実験を行うチューブには1当量のFK506を加えた。
ライゼートをフィルター付遠心管(Millipore製、#UFC30SV00, PDVF 5.0 μm)を用い除き、ライゼートバッファーを用い洗浄した。洗浄後、各樹脂に30 μLのSDSサンプルバッファー(nacalaitesque, #30566-2)を加え、結合蛋白質を得た。得られたサンプルを電気泳動で分離し(BioRad社製、Mini-PROTEANR TGXゲル、 #456-1096)、定法に従い銀染色を行った(タンパク質実験ノート(下)、羊土社ISBN978-4-89706-919-7)。また、別に行ったもう1枚の電気泳動で分離したゲルを用い、定法のウエスタンブロッティングの方法に従い(タンパク質実験ノート(下)、羊土社ISBN978-4-89706-919-7)、カルシニューリンAを同定した(1次抗体:anti-calcineurin A antibody, abcam社、#ab52761、2次抗体:anti-rabbit IgG HRP-linked antibody, Cell Signaling社、#7074)。
(4)結果
FK506はFK506結合タンパク質(例、FKBP12)に加え、カルシニューリンA及びB、カルモジュリンにも結合し5量体複合体を形成することが報告されているが、本発明の固相担体を用いた場合、FKBP12のバンドに加えて、カルシニューリンA及びB、カルモジュリンのバンドも検出された。また、このとき、市販のAffiGelおよびToyopearlを用いた場合、ターゲット以外の非特異的結合タンパク質の量も多く、かつウエスタンブロッティングの結果からも、ターゲット複合体の捕捉が充分行われていないことが明らかとなった。この結果は、本発明の固相担体が、少ないバックグラウンドのもと、複合体化したターゲットも捕捉可能であることを意味している。
本発明によれば、より大きなターゲットや複合体化したターゲットをも捕捉可能な固相担体が提供される。それによって、より生体に近い形でのターゲット探索が可能になり、本発明は創薬において有用な探索方法として利用できる。また、抗体などのタンパク質の精製に有用な、非特異的タンパク質吸着が抑制された、化学的に安定で加工が容易な汎用的固相担体の提供が可能になる。

Claims (10)

  1. 下記式(I)
    (式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
    で表される、リガンドを担持させる親水性モノマー成分(モノマー成分A)と、
    前記親水性モノマー成分に担持させるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分(モノマー成分B)と、
    架橋剤モノマー成分(モノマー成分C)との共重合体からなる固相担体。
  2. nが20〜50の整数である、請求項1記載の固相担体。
  3. 架橋剤モノマー成分が、ビニルモノマー化合物、ジメタクリレート化合物又はジアクリレート化合物から選択される、請求項1又は2記載の固相担体。
  4. 平均分子量が1000以上のターゲット捕捉用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固相担体。
  5. ターゲット複合体捕捉用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固相担体。
  6. 以下の工程(1)及び(2):
    (1)下記式(I)
    (式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
    で表される、リガンドを担持できる親水性モノマー成分(モノマー成分A)の少なくとも1種と、前記親水性モノマーに担持されるリガンドの、親水的・疎水的環境を調整するための間引き剤モノマー成分(モノマー成分B)の少なくとも1種と、架橋剤モノマー成分(モノマー成分C)の少なくとも1種とを配合する工程;及び
    (2)水又は水溶性溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下に共重合させてゲル状体を得る工程
    を含む、固相担体の製造方法。
  7. nが20〜50の整数である、請求項6記載の製造方法。
  8. 架橋剤モノマー成分が、ビニルモノマー化合物、ジメタクリレート化合物又はジアクリレート化合物から選択される、請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 一般式(I)で表される化合物。

    (式中、Yaは水素原子またはアミノ基の保護基であり、nは11〜250の整数である)
  10. nが20〜50の整数である、請求項9記載の化合物。
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