JP2015094397A - 制振構造及びその構造を備えた画像形成装置 - Google Patents

制振構造及びその構造を備えた画像形成装置 Download PDF

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知郎 長岡
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Abstract

【課題】広帯域の周波数の振動を簡便な構成で抑制することのできる制振構造及びその構造を備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】制振構造は、母材20と、母材に設けた開口の縁に沿いながら、母材から開口内方に伸びる腕部を有する振動子20aと、開口と振動子とを覆うように積層された振動吸収体31と、振動吸収体を覆うように積層された振動拘束部材32と、を有し、母材及び振動子と振動吸収体とは粘弾性結合し、振動吸収体と振動拘束部材とは粘弾性結合している。【選択図】図4

Description

本発明は、振動する部材を制振する構造に関し、特に画像形成装置が発する振動を制振する構造及びその構造を備えた画像形成装置に関する。
従来の筐体振動を軽減する装置には、装置筐体の板金部材にバネ−マス系の動吸振器を設置したものがある。
例えば、特許文献1には、特定の周波数の音波による振動を静止させ、遮音効果を得ることができる遮音板が記載されている。この遮音板を、図14を用いて説明する。板状体101に設けられた動吸振器103は、震音源からの特定の周波数の音波により板状体101に生じる屈曲波(曲げ変形が伝わる波)の1/2波長未満の間隔で配置されている。この構造により、特定の周波数の音波による震動を静止させることができるというものである。
特開2008−215064号公報
しかしながら、特許文献1に記載された動吸振器103の撓み片102は、その撓みによる振動エネルギーを積極的に熱エネルギーに変換するものではない。そのため、外部に振動エネルギーを放出発散させて制振性を増加させるには不十分である。また、大きな振動エネルギーが加えられると、動吸振器103の機能が飽和する、あるいは動吸振器103が破損する、といったことも起こり得るものであった。さらに、板状体101に撓み片102を形成するときにできる切り込み部分の隙間から、筐体内部の騒音が漏れてしまうこともあった。
また、低い振動数の振動を吸収するためには、撓み片102の振動腕を長くすることが必要であり、そのための動吸振器の配置の制約と、筐体そのものの静剛性の低下を招くことにもなる。さらに、特定の周波数の音波による振動を静止するための構造であって、広帯域の周波数の振動を抑えることが困難であった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、広帯域の周波数の振動を簡便な構成で抑制することのできる制振構造を提供することである。
上述の目的を達成するため、本出願に係る発明は、母材と、母材に設けた開口の縁に沿いながら、当該母材から開口内方に伸びる腕部を有する振動子と、前記開口と前記振動子とを覆うように積層された振動吸収体と、前記振動吸収体を覆うように積層された振動拘束部材と、を有し、前記母材及び前記振動子と前記振動吸収体とは粘弾性結合し、前記振動吸収体と前記振動拘束部材とは粘弾性結合していることを特徴とする。
本発明によれば、広帯域の周波数の振動を簡便な構成で抑制することのできる制振構造及びその構造を備えた画像形成装置を提供することができる。
本発明を実施した画像形成装置の外装カバーを外した状態の斜視図である。 画像形成装置の右側面から見た断面模式図である。 本発明に係る動吸振器の部分斜視図を示す図である。 本発明に係る動吸振器の分解斜視図を示す図である。 動吸振器の振動モデルの概念図である。 動吸振器の効果を示す騒音比較グラフである。 動吸振器の効果を示す他の騒音比較グラフである。 第2実施形態の動吸振器の部分斜視図を示す。 第2実施形態の動吸振器の分解斜視図を示す。 図8のA−A断面図を示す。 第3実施形態の動吸振器の部分斜視図を示す。 第3実施形態の動吸振器の分解斜視図を示す。 図11のB−B断面図を示す。 従来の筐体振動を軽減する装置を説明する模式図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を実施した画像形成装置1の外装カバーを外した状態の斜視図である。
図2は、図1の画像形成装置1の給送トレイ2を正面から見たときの右側面から見た画像形成装置1の断面模式図である。
図1及び図2において、本発明の第1実施形態である動吸振器30、40は、画像形成装置1の薄板状の右側板20と左側板14とのそれぞれに設けられている。両側板14、20には、画像形成装置内部に配置された不図示の駆動源から画像形成装置を構成する各ユニットへ回転駆動力を伝達するベルト22と、その回転駆動力を受ける回転体23、24、25、26、27、28と、が保持されている。画像形成装置1は、駆動源からの駆動力とその駆動力を伝達するベルト22や回転体23、24、25、26、27、28といった部材を用いて、紙等にトナー等の材料で所望の文字や画像を形成する。
ここで、図2を用いて、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
給送トレイ2に積載された紙束100は、装置奥側の一端を給送中板3によって持ち上げあれ、給送ローラ6に当接する。給送ローラ6が回転すると、紙束100の積載最上紙Pのみが分離バッド5により紙束100から分離され、搬送ガイド16に沿って画像形成部8の方向へ搬送される。
画像形成部8に配設されている感光ドラム7は、レーザースキャナ13により露光されて帯電潜像を形成する。感光ドラム7の表面に形成された帯電潜像は、同じく画像形成部8の内部でトナー現像される。その後、感光ドラム7の上のトナー像は、給送ローラ6から搬送されて来た紙Pに転写される。
次に、第1実施形態に係る動吸振器30、40の構成について説明する。
図3は、動吸振器30、40の部分斜視図である。
図4は、動吸振器30、40の分解斜視図である。
これらの図において、動吸振器30と動吸振器40とは、構成の相違による制振に対する有効周波数帯の下限周波数(固有振動数)が異なる他は、制振の効果は実質的に同様である。よって、ここでは主に動吸振器30を用いてその詳細を述べる。
図4において、動吸振器30は、母材となる右側板20に一体的に形成された振動腕部を有して複数設けられた振動子20a、20b、20cに、振動吸収体31と振動拘束部材32とが積層された構造で構成されている。
振動子20a、20b、20cは、例えば、側板となる板金等の構造体にプレス加工等で一体的に配設され、側板20に設けた開口の縁に沿いながら側板20から開口内方に伸びる渦巻き形状の腕部を有している。その渦巻き形状の先端にあたる振動子先端は、振動子先端近くの腕の幅より大きい部位で形成された錘形状部44となっている。さらに、動吸振器40の振動子20dにあるように、錘形状部44には別体の錘43を取り付けることも可能である。
なお、振動子の形状は、上述の渦巻き形状の他に、図12の振動子のように開口内方に伸びる連続U字形状のものでもよい。また、振動子の幅は、腕部の始点から終点までの両端の間において一定でもあっても良く、例えば、図4に示すように、先端に向かって先細り(腕部の幅が狭くなる)形状でもよい。
動吸振器30の振動子20a、20b、20cと動吸振器40の振動子20eの錘部は、後述する質量mの錘部として、プレス加工等により一体化されて側板20に形成されている。他方、動吸振器40の振動子20dには、別体の錘43が取り付けられているが、この別体の錘43は、錘形状部44によりも質量の大きい所望の質量の錘を振動子の先端に取り付けるで、制振に対する有効周波数帯を変えることを可能とするものである。
振動吸収体31は、平板状であって、すべての振動子20a、20b、20cと粘弾性結合を介して接して連結されている。主な振動媒体は振動子20a、20b、20cの腕の部分であり、振動吸収体31は、少なくともこの振動子20a、20b、20cの腕と粘弾性結合を介して接して連結している。さらに、振動吸収体31は、錘形状部44もしくは錘43とも粘弾性結合を介して接して連結していてもよい。
また、振動吸収体31は、振動子20a、20b、20cの母材であって振動を抑制したい部材である右側板20に対して接着剤等で固着される程度までに一体化され、相互に連結されて接するように配置されている。
振動拘束部材32は、振動吸収体31が振動子と接する面とは反対側の振動吸収体31の面に配設され、振動吸収体31とともに、右側板20の切欠き部20fからの音の漏れを遮蔽している。
振動拘束部材32は、振動吸収体31に対する拘束面積が少なくなると振動吸収体31の振動吸収効果を減ずることになるため、振動吸収体31と同等の形状もしくはそれ以上の大きさであることが好ましい。振動吸収体31には通過音減衰効果があり、振動拘束部材32には通過音減衰効果と通過音反射効果とがある。この切欠き部からの騒音漏れを効果的に無くすには、振動吸収体31と振動拘束部材32とのいずれか一方が切欠き部20fを遮蔽してもよいが、より好ましくは、両方が積層された構造で切欠き部20fのすべてを遮蔽することが望ましい。
また、右側板20と振動吸収体31との間、振動吸収体31と振動拘束部材32との間は、例えば、それぞれ接着剤等で接着されることで、相互に粘弾性結合を介して接して連結されている。
図5は、動吸振器30の振動モデルの概念図である。なお、振動拘束部材32は振動吸収体31の補助部材であるため、説明では割愛する。
ここでは、振動子20aのバネ定数をk1、質量をm1、主系(この図では右側板20)に対する粘弾性結合の粘弾性定数をc1とする。また、振動子20bのバネ定数をk2、質量をm2、主系に対する粘弾性結合の粘弾性定数をc1とする。また、振動子20cのバネ定数をk3、質量をm3、主系に対する粘弾性結合の粘弾性定数をc1とする。さらに、振動子どうしを連結している粘弾性結合の粘弾性定数をc2とする。
図4と図5において、動吸振器30は、3つの互いに独立した振動子20a、20b、20cが振動吸収体31によって一体化され、粘弾性結合により連結されている。そして、振動吸収体31が、振動子20a、20b、20cと振動の主系である右側板20との粘弾性結合(粘弾性定数c1)と、それぞれ独立した振動子間の粘弾性結合(粘弾性定数c2)と、の2つの結合を兼用するように構成されている。
振動子20a、20b、20cは、それぞれ異なった形状、例えば、その全長や幅が異なることで、異なる固有の振動吸収周波数帯を備えることができる。そこで、少なくとも、一種の振動子が設置されていれば、振動吸収効果は発揮されるが、形状の異なる多種の振動子を配置することで、異なった振動吸収周波数帯を具備することができ、より一層広い帯域の振動を抑えることができる。これは、種々の振動発生源を内包しながらも静かな環境下で使用されることが多い画像形成装置にとって、顕著な効果を提供するものである。
なお、図5では、振動吸収体31と振動拘束部材32とは、動吸振器30として一体に現しているが、振動吸収体31単体であっても広域帯の周波数の振動を抑制することができる。しかしながら、振動吸収体31と振動拘束部材32とが一体となった方が、制振の効果はより優れたものとなる。
また、複数の振動子の形状同一形状とした場合に固有振動数を下げるには、上述したような別体の錘43を振動子に取り付ければよい。
次に、動吸振器30の作用について説明する。
図1において、右側板20には、不図示の動力源と、ベルト22や回転体23〜28を有する動力伝達部材とが配されている。右側板20は、多様な振動エネルギーに晒され、右側板20自体も固有振動数f1を有している。特に、右側板20に加わる多様な振動エネルギーの中には、右側板20と画像形成装置の底板17とを結合する2本のねじのピッチ間の中点であるMの位置で、振動の振幅が最大となるものが存在している。この振動の周波数をf2とする。
図4において、動吸振器30の振動子20aは、例えば、その一次の曲げモード振動周波数がf2になるように設定されており、右側板20の最下端が振動変形するエネルギーを右側板20に代わって受け入れることで、振動子20aの振動振幅は増大する。これにより、右側板20の最下端の振動振幅を減少させることができる。
ここで、増大した振動振幅は、振動子20aに粘弾性結合を介して接して連結されている振動吸収体31に伝播し、振動吸収体31を右側板20の板厚方向に、より強くせん断ひずみ変形させる。振動吸収体31は、その変形エネルギーの一部を振動吸収体31の内部の分子間の摺動運動で熱エネルギーに変換し、振動吸収体31の外部に拡散放出する。
ここで、振動拘束部材32は、振動吸収体31の少なくとも片側を上述のように固定又は拘束することで、振動吸収体31全体が振動して振動吸収体31の内部の分子間のずれ量やずれ速度が減少することを防いでいる。これにより、振動拘束部材32が存在しない(非拘束制振)状態に比べて、熱エネルギーへの変換効率を高くすることができる。
このように、振動子20aが右側板20に代わって受け入れた振動変形エネルギーに相当する振動が抑制され、右側板20の最下端の振動変形や振動振幅を抑制し、定常騒音を減少させることができる。
さらに、動吸振器30の効果をより詳細に説明する。
図6に、動吸振器30の効果として、右側板20の最下端の振動変形に起因する定常騒音が抑制されていることを示す。
図6は、右側板20と底板17とを結合する不図示の2本のねじピッチ間の中点Mで振幅が最大となる周波数f2における騒音量を示している。これより、振動吸収体31と振動拘束部材32とを備える動吸振器30の騒音量(図中実線)は、振動吸収体31と振動拘束部材32とが存在しない従来例の騒音量(図中点線)に比較して、騒音量が約9dB(変化量L1)ほど低いことが解る。
なお、ここでは、振動吸収体31としては、例えば、1mm厚のアクリル系振動吸収体を用い、振動拘束部材32としては、例えば、0.3mm厚のアルミ材を用いている。
次に、図7に、動吸振器30の他の効果として、振動吸収体31と振動拘束部材32とで、右側板20と振動との間の切欠き部20fをすべて遮蔽したときの騒音特性を示す。
画像形成装置1の内部には、例えば、高速回転して定常騒音源となるレーザースキャナ13や、紙Pを給送ローラ6に当接、離間させるたびに大きな音を発生させる突発騒音源となる給送中板3等、多数の騒音源が散在している。
振動吸収体31と振動拘束部材32とで切欠き部20fをすべて遮蔽した右側板20の騒音を図中実線で示す。また、振動吸収体31と振動拘束部材32とが切欠き部20を遮蔽していない右側板20の騒音を図中点線で示す。両者を比較すると、振動吸収体31と振動拘束部材32とで切欠き部20fをすべて遮蔽した右側板20の騒音の方が、約5KHz以上の周波数帯で透過騒音が減少している。
遮蔽特性は、振動拘束部材32が厚いほど有利になると思われるが、上述の実験では、振動吸収体31としては、例えば、1mm厚のアクリル系振動吸収体を用い、振動拘束部材32としては、例えば、0.3mm厚のアルミ材を用いている。
(第2実施形態)
第2実施形態では、動吸振器の振動変換能力や、画像形成装置1の装置内部の騒音遮蔽能力を補強した実施形態を説明する。
動吸振器が適用される画像形成装置1は、第1実施形態で説明したものと同じである。
以下に、本実施形態の動吸振器50の構成について説明する。
図8は、第2実施形態の動吸振器50の部分斜視図を示す。
図9は、第2実施形態の動吸振器50の分解斜視図を示す。
図10は、図8のA−A断面図を示す。
図9と図10において、動吸振器50は、右側板20に一体的に形成された振動腕部であるところの振動子20h、20iと、振動吸収体51、52と、振動拘束部材54と、による3層構造で構成されている。
振動子20h、20iは、例えば、第1実施形態の振動子20a、20b、20cと同様の渦巻き形状の腕部を有している。また、振動子20iの腕部先端は、折り曲げられて、折り曲げ錘20jを形成している。なお、振動子の形状は、上述の渦巻き形状の他に、図12の振動子のように開口内方に伸びる連続U字形状のものでもよい。また、振動子の幅は、腕部の始点から終点までの両端の間において一定でもあっても良く、例えば、先端に向かって先細り(腕部の幅が狭くなる)形状でもよい。
振動吸収体51は、振動子20h、20i及び振動吸収体52と対面するすべての面に粘弾性結合を介して接して連結されている。これにより、振動吸収体51、52は、振動する母材である右側板20に対して粘弾性結合を介して接して連結する構成となっている。
振動吸収体52は、右側板20の厚み方向の振動子のすべての面に粘弾性結合を介して接して連結されている。具体的には、右側板20と振動子20h、20iとの間の隙間である切欠き部20sは、以下のような手法により振動吸収体で充填されることで、切欠き部と振動吸収体とを接着又は固着し、一方から他方へ振動が伝播できる接合状態を得ている。
(1)振動子の腕部の隙間に液体の振動吸収体を注入して乾燥させる。
(2)振動子の腕の隙間に溶かした振動吸収体を注入して成型する(アウトサートモールド)。
(3)振動子の穴形状と同じもしくは若干大きく成形された振動吸収体を圧入する。
このようにして、上述の3層構造は、右側板20と振動子20h、20iとの間の隙間である切欠き部20sは振動吸収体52で充填されて1つの層となり、その上を覆うように振動吸収体51と振動拘束部材54が順次積層されて構成されている。
振動拘束部材54は振動吸収体51と同一形状もしくは若干大きい形状の略同形状であり、振動吸収体52は右側板20に振動子20h、20iを形成する際に開いた切欠き部20sに充填されて実質的に同形状である。これにより、振動拘束部材54と振動吸収体51とは右側板20の切欠き部20sをその上面からすべて遮蔽し、振動吸収体52は切欠き部20sの空間を充填して遮蔽している。
動吸振器50の振動モデルは第1実施形態の図5と同様であるが、上述したように、振動子20iの先端は折り曲げられ、折り曲げ錘20jが形成されている。
さらに、第2実施態様の動吸振器について詳しく説明する。
第1実施態様で説明したような動力源と動力伝達部材から発せられる多様な振動エネルギーが右側板20に設けられた動吸振器50に伝播すると、振動子20h、20iは、右側板20に対して垂直方向の振動だけではなく水平方向の振動や変形も生じさせる。
実施態様1では、主に振動子20h、20iの垂直方向の振動を振動吸収体51の圧縮変形として吸収し、水平方向の振動や変形を、振動吸収体51のせん断変形として吸収していた。
さらに実施態様2では、振動子の右側板20の水平方向の振動や変形を、振動吸収体52の圧縮方向と引っ張り方向の変形としても吸収している。このため、動吸振器50の振動吸収能力はさらに向上する。
また、振動子20h、20iは、それぞれ異なった形状、例えば、その全長や幅が異なることで、異なる固有の振動吸収周波数帯を備えることができる。そして、形状の異なる多種の振動子を配置することで、異なった振動吸収周波数帯を具備することができ、より一層広い帯域の振動を抑えることができる。
振動吸収体52を振動吸収体51とは異なる特性を持った材質、例えば、騒音透過率の低い遮音材で形成すると、振動吸収効率は実施態様1と同等で、さらに装置の内部騒音遮蔽能力を向上させた動吸振器が得られる。
図9と図10においては、振動吸収体51と振動吸収体52は、互いに同材質のシート状部材を用いた。
しかしながら、振動吸収体51と振動吸収体52は、例えば、同材質の貼付一体品であってもよい。また、振動吸収体51と振動吸収体52は、例えば、異材質の貼付一体品であってもよい。
さらに、振動吸収体51と振動吸収体52とは、同材質の、例えば、射出一体成型品であってもよい。また、振動吸収体51と振動吸収体52とは、異材質の、例えば、射出一体成型品であってもよい。
さらに、振動吸収体51と振動吸収体52とは、同材質の、例えば、右側板20上のアウトサート射出一体成型品であってもよい。また、振動吸収体51と振動吸収体52は、異材質の、例えば、右側板20上のアウトサート射出一体成型品であってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、動吸振器の振動変換能力や、画像形成装置1の装置内部の騒音遮蔽能力をさらに補強した実施形態を説明する。
動吸振器が適用される画像形成装置1は、第1実施形態で説明したものと同じである。
以下に本実施形態の動吸振器60の構成について説明する。
図11は、第3実施形態の動吸振器60の部分斜視図を示す。
図12は、第3実施形態の動吸振器60の分解斜視図を示す。
図13は、図11のB−B断面図を示す。
図12と図13において、動吸振器60の振動吸収体63と振動拘束部材65を除く構造は、第2実施形態の動吸振器50と同じ構造となっている。
本実施形態では、略U字形状の振動子20n、20qが、先端に近づくにつれてU字形状の幅が小さくなる形状を有し、さらに、先端には錘43が取り付けられている。また、振動子20n、20qを形成する際にできた切欠き部20fと略同形状の振動吸収体62が、切欠き部20fの内で、右側板20の板厚方向に振動子20n、20qの厚み方向のすべての面で、粘弾性結合を介して接して連結している。なお、振動子の形状は、上述の連続U字形状の他に、開口内方に伸びる渦巻き形状のものであってもよい。また、振動子の幅は、腕部の始点から終点までの両端の間において一定でもあっても良く、例えば、先端に向かって先細り(腕部の幅が狭くなる)形状でもよい。
動吸振器60の表面側には、第2実施形態で説明したような振動吸収体51と振動拘束部材54の構造とそれぞれ同じ構造を有する、振動吸収体61と振動拘束部材64を粘弾性結合を介して接して連結する。さらに、動吸振器60の裏面側に、第2実施形態で説明したような振動吸収体51と振動拘束部材54の構造と同じ構造を有する、もう1組の振動吸収体63と振動拘束部材65を、順次粘弾性結合を介して接して連結する。このようにして、本実施形態は、第2実施形態の3層構造に、振動吸収体63と振動拘束部材65とを順次連結して積層し、5層構造の動吸振器60としたものである。
これにより、本実施形態の動吸振器60は、第2実施形態の動吸振器50から得られる作用効果に加えて、右側板20の裏面側への板厚方向の振動や変形を、振動吸収体63の圧縮と引っ張り変形として吸収することで、その振動吸収能力を向上させている。
また、振動子20h、20iは、それぞれ異なった形状、例えば、その全長や幅が異なることで、異なる固有の振動吸収周波数帯を備えることができる。そして、形状の異なる多種の振動子を配置することで、異なった振動吸収周波数帯を具備することができ、より一層広い帯域の振動を抑えることができる。
振動吸収体62を振動吸収体61、63とは異なる特性を持った材質、例えば、騒音透過率の低い遮音材で形成すると、振動吸収率は第1実施形態と同等で、画像形成装置1の内部騒音の遮蔽能力を向上させた動吸振器が得られる。
図12と図13においては、振動吸収体61、63と振動吸収体62とは、互いに同材質のシート状部材を用いた。
しかしながら、振動吸収体61又は振動吸収体63と振動吸収体62とは、例えば、同材質の貼付一体品であってもよい。また、振動吸収体61又は振動吸収体63と振動吸収体62とは、例えば、異材質の貼付一体品であってもよい。
さらに、振動吸収体61又は振動吸収体63と振動吸収体62とは、同材質の、例えば、射出一体成型品であってもよい。また、振動吸収体61又は振動吸収体63と振動吸収体62とは、異材質の、例えば、射出一体成型品であってもよい。
さらに、振動吸収体61と振動吸収体62と振動吸収体63とは、同材質の、例えば、右側板20上のアウトサート射出一体成型品であってもよい。また、振動吸収体62のみが、異材質の、例えば、右側板20上のアウトサート射出一体成型品であってもよい。
以上より、各実施態様を用いた制振構造は、振動腕に選択集中された母材又は板状体の振動エネルギーの一部は、振動吸収体によって熱エネルギーに変換されて大気中に発散してしまうため、従来例より大きな振動エネルギーを吸収することができる。
また、振動吸収体を振動拘束部材で拘束しているため、振動吸収体の振動減衰の効率が非拘束の構成の効率より高い。
また、略同形状の振動吸収体と振動拘束部材が板状体の切り込みを遮蔽するため、画像形成装置筐体内部の騒音を遮断して、稼働騒音の小さい静かな画像形成装置を提供することができる。
さらに、従来は直線状であった振動腕を略渦巻き状に収納することで長い振動腕が形成しやすくなり、低い周波数まで振動吸収有効帯域を広げることができる。
また、振動吸収体と振動拘束部材の部品面積を必要最小限にできるため、装置のコンパクト化とコストダウンが可能となり、安価な画像形成装置を提供することができる。
さらに、筐体内の動吸振器設置面積を有効に使用しながら、多様な仕様の振動腕を同時に設置することが可能になり、振動吸収効帯域の広帯域化を、装置筐体の剛性低下を招くことなく実現させることができる。
さらに、各実施形態の動吸振器の振動子の形状をそれぞれ異ならせた複数の動吸1つの側板等の板状体に複数配設することで、異なる固有の振動吸収周波数帯を備える制振構造及びその構造を備えた画像形成装置を提供することができる。
20・・・右側板
20a・・・振動子
20b・・・振動子
20c・・・振動子
20d・・・振動子
20e・・・振動子
20f・・・切欠き部
30・・・動吸振器
31・・・振動吸収体
32・・・振動拘束部材
40・・・動吸振器
41・・・振動吸収体
42・・・振動拘束部材
43・・・錘
44・・・錘形状部

Claims (12)

  1. 母材と、
    母材に設けた開口の縁に沿いながら、当該母材から開口内方に伸びる腕部を有する振動子と、
    前記開口と前記振動子とを覆うように積層された振動吸収体と、
    前記振動吸収体を覆うように積層された振動拘束部材と、
    を有し、
    前記母材及び前記振動子と前記振動吸収体とは粘弾性結合し、前記振動吸収体と前記振動拘束部材とは粘弾性結合していることを特徴とする制振構造。
  2. 前記振動子は、前記開口内方に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の制振構造。
  3. 複数の前記振動子は、形状の異なる振動子であることを特徴とする請求項2記載の制振構造。
  4. 前記振動子は、前記腕部が前記開口内方に伸びる渦巻き形状を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の制振構造。
  5. 前記振動子は、前記腕部が前記開口内方に伸びる連続U字形状を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の制振構造。
  6. 前記振動子の幅は、前記腕部の始点から先端に向かって狭くなる形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の制振構造。
  7. 前記振動子の先端には、錘部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の制振構造。
  8. 前記錘部には、さらに別体の錘が取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の制振構造。
  9. 前記母材は、前記振動吸収体で覆われた前記開口の反対側にも、前記開口と前記振動子とを覆うように、他の振動吸収体が粘弾性結合していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の制振構造。
  10. 前記他の振動吸収体を覆うように他の振動拘束部材が粘弾性結合していることを特徴とする請求項9記載の制振構造。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の制振構造が配設されたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の制振構造が複数配設されたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020193687A (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 日本電産サンキョー株式会社 ばね部材、アクチュエータ、ならびにレンズ駆動装置

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