JP2015093992A - 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置 - Google Patents

溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015093992A
JP2015093992A JP2013232180A JP2013232180A JP2015093992A JP 2015093992 A JP2015093992 A JP 2015093992A JP 2013232180 A JP2013232180 A JP 2013232180A JP 2013232180 A JP2013232180 A JP 2013232180A JP 2015093992 A JP2015093992 A JP 2015093992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
gas
gas nozzle
electrode
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013232180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6167862B2 (ja
Inventor
山村 英明
Hideaki Yamamura
英明 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2013232180A priority Critical patent/JP6167862B2/ja
Publication of JP2015093992A publication Critical patent/JP2015093992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6167862B2 publication Critical patent/JP6167862B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】微細なガス気泡を溶融金属内に安定して発生させることができ、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去することが可能な溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置を提供する。【解決手段】溶融金属3内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって溶融金属3中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化方法であって、溶融金属3中に電極22を浸漬し、この電極22と溶融金属3内に前記ガスを吹き込むガスノズル21との間に0.5V以上の電圧を印加する。また、ガスノズル21と電極22との間の電流密度が、0.3A/cm2以下とされている。さらに、ガスノズル21の電気抵抗値が、2.0?10−1Ω以上とされている。【選択図】図2

Description

本発明は、溶融金属内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって前記溶融金属中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置に関するものである。
近年、鋼材等の金属材料の高品質化の要求が高まっており、溶融金属中の不純物成分(例えば、水素、窒素、非金属介在物)を十分に除去することが求められている。
従来、溶融金属中の不純物成分を除去する方法としては、例えば特許文献1,2に示すように、溶融金属内に不活性ガス等を吹き込む方法が提案されている。この場合、ガスを吹き込むことによって発生したガス気泡の表面に、溶融金属中の不純物成分を付着させて浮上分離させることにより、溶融金属が清浄化される。
ここで、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去するためには、ガス気泡と溶融金属中の不純物成分との接触を促進する必要がある。ここで、ガス気泡の数を増加するために吹き込むガス量を増加させた場合、溶融金属がガスによって撹拌されてしまい、せっかく浮上分離した不純物成分が溶融金属内に巻き込まれてしまうおそれがある。そこで、ガス流量を増加させることなくガス気泡の表面積を増加させるために、ガス気泡を微細化する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、気泡が発生する部分と溶融金属との間に直流電流を印加することにより、この電流と気泡の上昇による溶融金属の流動によって生じる電磁力の作用により、気泡の微細化を図る方法が開示されている。
また、特許文献2においては、気泡が発生する部分と溶融金属との間に交流電流を印加することにより、周期的に変化するピンチ力によって気泡を分断することにより、気泡の微細化を図る方法が開示されている。
さらに、非特許文献1には、鋼の連続鋳造装置において、H型タンディッシュのトンネル部に発生する溶鋼流動を利用し、気泡径の微細化を図る方法が開示されている。
特開平06−128660号公報 特開平05−306418号公報
山村英明、他3名、「流動下での濡れ性の悪い耐火物からの気泡の生成とAr気泡によるタンディッシュ内での介在物除去」、鉄と鋼Vol.98(2012)p.650−657
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載された方法では、電磁力によって気泡を分断していることから、例えば電流密度2〜5A/cmといった大電流を印加する必要があり、電源装置が大型化して設置コストが上昇するとともに、電力消費量が増大して生産コストが上昇するといった問題があった。
また、非特許文献1に記載された方法では、溶鋼流動を確保するために適用範囲が限られており、他の設備に展開することができなかった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、微細なガス気泡を溶融金属内に安定して発生させることができ、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去することが可能な溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、溶融金属内にガスを吹き込むガスノズルと溶融金属に浸漬された電極との間に所定の電圧を印加することにより、耐火物で構成されたガスノズル表面の溶融金属に対する濡れ性が向上し、発生するガス気泡が微細化されるとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明に係る溶融金属の清浄化方法は、溶融金属内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって前記溶融金属中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化方法であって、前記溶融金属中に電極を浸漬し、この電極と前記溶融金属内に前記ガスを吹き込むガスノズルとの間に0.5V以上の電圧を印加することを特徴としている。
この構成の溶融金属の清浄化方法によれば、前記溶融金属内に前記ガスを吹き込むガスノズルと、前記溶融金属に浸漬された電極との間に、0.5V以上の電圧を印加しているので、ガスノズルの表面において溶融金属との濡れ性が向上し、ガスノズルの表面において溶融金属との接触角が小さくなる。すると、ガスノズル表面に発生したガス気泡は、そのガスノズル表面側部分がガスノズル表面側に向かうに従い順次断面積が小さくなるような形状となり、大きく成長する前にガスノズル表面から離脱し易くなる。よって、溶融金属中を浮上するガス気泡が微細化され、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去することが可能となる。
ここで、本発明に係る溶融金属の清浄化方法においては、前記電極と前記ガスノズルとの間の電流密度が、0.3A/cm以下とされていることが好ましい。
この場合、電流密度が0.3A/cm以下とされているので、前記ガスノズルと前記電極との間に大電流が流れることがなく、エネルギー消費量を抑えて生産コストを削減することができる。また、大型の電源装置が不要となり、設置コストを低く抑えることが可能となる。
また、本発明に係る溶融金属の清浄化方法においては、前記ガスノズルの電気抵抗値が、2.0×10−1Ω以上とされていることが好ましい。
この場合、前記ガスノズルの電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上と比較的大きく設定されているので、大型の電源装置を用いることなく、前記ガスノズルと前記電極との間に印加する電圧を0.5V以上とすることができる。また、通電される電流を小さく抑えることが可能となる。ここで、ガスノズルの電気抵抗値2.0×10−1Ωは、直径10cm、長さ5cmのノズルにおける抵抗値である。
また、本発明に係る溶融金属の清浄化装置は、溶融金属内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって前記溶融金属中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化装置であって、前記溶融金属が貯留される容器と、貯留された前記溶融金属内にガスを吹き込むガスノズルと、前記溶融金属中に浸漬された電極と、前記電極と前記ガスノズルとの間に電圧を印加する電源装置と、を有し、前記ガスノズルの電気抵抗値が、2.0×10−1Ω以上とされており、前記電源装置は、前記電極と前記ガスノズルとの間に0.5V以上の電圧を印加する構成とされていることを特徴としている。
この構成の溶融金属の清浄化装置によれば、容器内に貯留された溶融金属内にガスを吹き込むガスノズルの電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上とされるとともに、前記ガスノズルと前記電極との間に0.5V以上の電圧を印加する電源装置を備えているので、ガスノズルの表面において溶融金属との濡れ性が向上し、微細なガス気泡を発生させることができ、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去することが可能となる。
また、ガスノズルの電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上とされているので、前記ガスノズルと前記電極との間を通電する電流を小さくすることができる。
ここで、本発明に係る溶融金属の清浄化装置においては、前記ガスノズルは、酸化物と黒鉛とを含有する多孔質耐火材で構成されており、前記多孔質耐火材における黒鉛の含有量が10mass%以下とされていることが好ましい。
この場合、前記ガスノズルを構成する多孔質耐火材における黒鉛の含有量が10mass%以下とされているので、ガスノズルの電気抵抗値を2.0×10−1Ω以上とすることが可能となる。
上述のように、本発明によれば、微細なガス気泡を溶融金属内に安定して発生させることができ、溶融金属中の不純物成分を効率良く除去することが可能な溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態である溶融金属の清浄化方法が適用される連続鋳造設備の概略説明図である。 本発明の一実施形態である溶融金属の清浄化装置の概略説明図である。 ガスノズル表面における溶融金属(溶鋼)に対する濡れ性(接触角)とガス気泡の発生状況を示す説明図である。 ガスノズル表面における溶融金属(溶鋼)に対する濡れ性(接触角)とガス気泡径との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態である溶融金属の清浄化装置の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態である溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態である溶融金属の清浄化方法は、図1に示す鋼の連続鋳造設備10において、溶鋼中の不純物成分を除去するために適用される。
図1に示す鋼の連続鋳造設備10は、図1に示すように、取鍋11と、ロングノズル12と、タンディッシュ13と、浸漬ノズル14と、鋳型15と、を備えている。この鋼の連続鋳造設備10は、取鍋11によって転炉(図示無し)から溶鋼を移送し、ロングノズル12を介して溶鋼をタンディッシュ13に移し、このタンディッシュ13において介在物等の不純物成分を浮上分離した後、浸漬ノズル14を介して鋳型15内に溶鋼を供給し、鋳片1を連続的に鋳造する構成とされている。
そして、本実施形態である溶融金属の清浄化装置20は、図2に示すように、上述のタンディッシュ13内の溶鋼3に含まれる不純物成分を除去するものである。
この溶融金属の清浄化装置20は、溶鋼3が貯留される容器(本実施形態においては、タンディッシュ13)と、貯留された溶鋼3内にガスを吹き込むガスノズル21と、溶鋼3中に浸漬された電極22と、ガスノズル21と電極22との間に電圧を印加する電源装置23と、を備えている。
本実施形態では、図2に示すように、ガスノズル21は、タンディッシュ13の底部に配置されており、ロングノズル12と浸漬ノズル14との間に位置している。すなわち、ロングノズル12から浸漬ノズル14に向けて流れる溶鋼3に対してガスを吹き込むように構成されている。
ここで、ガスノズル21の電気抵抗値が、2.0×10−1Ω以上とされている。電気抵抗を2.0×10−1Ω以上とすることで、0.3A/cm以下の電流で0.5V以上の電圧とすることが容易となる。なお、ガスノズル21の電気抵抗値は、0.05Ω以上とされていることが好ましく、1Ω以上とされていることがさらに好ましい。
本実施形態では、ガスノズル21は、酸化物と黒鉛とを含有する多孔質耐火材(いわゆる、ポーラスプラグ)で構成されており、多孔質耐火材における黒鉛の含有量が10mass%以下とされている。具体的には、アルミナと黒鉛とを含有するAG質の多孔質耐火材、あるいは、ジルコニアと黒鉛とを含有するZG質の多孔質耐火材等において、黒鉛の含有量が10mass%以下とされている。
また、ガスノズル21を構成する多孔質耐火材の平均気孔径は、1μm以上120μm以下の範囲内とされている。
そして、電源装置23は、ガスノズル21と電極22との間に0.5V以上の電圧を印加する構成とされている。0.5V以上の電圧を印加すると、ガスノズルの表面において溶融金属との濡れ性が向上し、ガスノズルの表面において溶融金属との接触角が小さくなり、前述したように溶融金属中に生成するガス気泡が微細化される。吹き込み気泡の径を5mm以下とすることで、鋼中の不純物を効率よく除去することが可能となる。0.5V以下では濡れ性の向上が顕著に得られず、気泡の径は5mm以下には微細化されない。ここで、電源装置23によってガスノズル21と電極22との間に印加される電圧は、1V以上とされていることが好ましく、5V以上とされていることがさらに好ましい。また、印加される電圧は100V以下が望ましい。通常の多孔質耐火物に100V以上の電圧を印加すると、電流が大きくなり、そのための電源装置や電力のコストが高くなる。
なお、この電源装置23は、直流電源装置であってもよいし、交流電源装置であってもよい。
また、溶鋼3中に浸漬される電極22は、上述のガスノズル21との間に0.5V以上の電圧が印加される程度の電気抵抗値を有するものであればよく、黒鉛を含有する耐火物、鋼材等で構成することが可能である。ただし、溶鋼3中に浸漬されることから、溶鋼3に対して溶損し難い材料で構成することが好ましい。
次に、上述した本実施形態である溶融金属の清浄化装置20を用いた溶融金属の清浄化方法について説明する。
電源装置23を用いて、タンディッシュ13内の溶鋼3中に浸漬した電極22とガスノズル21との間に0.5V以上の電圧を印加する。このとき、ガスノズル21と電極22との間の電流密度は0.3A/cm以下とされている。なお、ガスノズル21と電極22との間の電流密度は、0.1A/cm以下であることが好ましく、0.05A/cm以下であることがさらに好ましい。
そして、ガスノズル21からタンディッシュ13内の溶鋼3に向けてガスを吹き込む。本実施形態では、不活性ガスの1種であるArガスを吹き込む構成とされている。ここで、Arガスの吹き込み量は、タンディッシュ13を流れる溶鋼3の流量が2ton/min以上10ton/min以下の範囲内において、2×10−3Nm/s以上2×10−2Nm/s以下の範囲内とされている。
このとき、タンディッシュ13内の溶鋼3中に浸漬した電極22とガスノズル21との間に0.5V以上の電圧を印加していることから、ガスノズル21の表面において溶鋼3との濡れ性が向上することになる。すなわち、ガスノズル21の表面において溶鋼3の接触角θが小さくなる。
ここで、ガスノズル21の表面と溶鋼3との濡れ性が悪い場合には、図3(a)に示すように、溶鋼3とガスノズル21表面との接触角θが大きいため、オリフィス21aからガスノズル21の表面に供給されることによって発生したArガスの気泡30は、ガスノズル21の表面側に向かうに従い順次広がる(ガスノズル21の表面に平行な断面積が順次大きくなる)ような形状となる。このため、ガスノズル21の表面でガス気泡30が大きく成長して浮力が十分に確保されるまで、ガスノズル21の表面でオリフィス21aからArガスが供給されることになり、ガス気泡30の気泡径が大きくなってしまう。
一方、ガスノズル21の表面と溶鋼3との濡れ性が良い場合には、図3(b)に示すように、溶鋼3とガスノズル21表面との接触角θが小さいため、オリフィス21aからガスノズル21表面に供給されることによって発生したArガスの気泡30は、そのガスノズル21表面側部分がガスノズル21の表面側に向かうに従い順次狭くなる(ガスノズル21の表面に平行な断面積が順次小さくなる)ような形状となる。このため、ガス気泡30が大きく成長する前にガスノズル21表面から浮上分離しやすくなり、気泡径が小さくなる。
なお、日本金属学会誌第56巻第4号(1992)のp.422−429には、気泡に働く浮力と表面張力との静的な釣り合いから、気泡径dが下記の式で表されることが記載されている。
Figure 2015093992
Figure 2015093992
ここで、θ:接触角(deg)、σ:表面張力(N/m)、g:重力加速度(m/s)、ρ:液体の密度(kg/m)である。
上述の式を、溶鋼3に適用して算出したガスノズル21表面における溶融金属(溶鋼3)に対する濡れ性(接触角θ)とガス気泡径dとの関係を図4に示す。
この図4からも、ガスノズル21表面における溶鋼3に対する濡れ性が向上することで、ガス気泡30の気泡径が微細化されることが分かる。
以上のように、タンディッシュ13内の溶鋼3中に浸漬した電極22とガスノズル21との間に0.5V以上の電圧を印加することにより、ガスノズル21の表面における溶鋼3に対する濡れ性が向上して、ガスノズル21の表面と溶鋼3との接触角θが小さくなることから、ガスノズル21から微細なガス気泡30が発生する。
すると、溶鋼3中に含まれる水素、窒素、非金属介在物といった不純物成分が、ガス気泡30の表面に付着したり、ガス気泡内部に吸収されたりして、ガス気泡30とともにタンディッシュ13の溶鋼3表面に浮上分離することになる。これにより、タンディッシュ13内の溶鋼3が清浄化され、高品質な鋳片が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態である溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置20によれば、溶鋼3中にArガスを吹き込むガスノズル21と溶鋼3中に浸漬された電極22との間に0.5V以上の電圧を印加しているので、ガスノズル21の表面において溶鋼3との濡れ性が向上し、溶鋼3との接触角θが小さくなる。このため、ガスノズル21表面に発生するガス気泡30の気泡径が小さくなり、ガスノズル21から微細なガス気泡30が溶鋼3中に吹き込まれる。これにより、溶鋼3中の不純物成分が微細なガス気泡30に付着しやすくなったり、ガス気泡内部に吸収されやすくなり、溶鋼3中の不純物成分を効率良く除去することが可能となる。
また、本実施形態では、ガスノズル21の電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上と比較的大きく設定されているので、比較的小型な電源装置23を用いても、ガスノズル21と電極22との間に印加する電圧を0.5V以上とすることができる。
さらに、ガスノズル21と電極22との間に大きな電流が流れることがなく、本実施形態では、ガスノズル21と電極22との間の電流密度が0.3A/cm以下とされているので、エネルギー消費量を抑えることができ、鋳片1の生産コストの削減を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、ガスノズル21が、酸化物と黒鉛とを含有する多孔質耐火材(ポーラスプラグ)で構成されており、この多孔質耐火材における黒鉛の含有量が10mass%以下とされており、具体的には、アルミナと黒鉛とを含有するAG質の多孔質耐火材、あるいは、ジルコニアと黒鉛とを含有するZG質の多孔質耐火材で構成されているので、ガスノズル21の電気抵抗値を2.0×10−1Ω以上とすることができ、大型の電源装置を用いることなく、ガスノズルと電極との間に印加する電圧を0.5V以上とすることができる。
以上、本発明の実施形態である溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、溶鋼中の不純物成分を除去するものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の溶融金属に適用してもよい。
また、本実施形態では、タンディッシュ内の溶鋼を清浄化するものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図5に示す溶融金属の清浄化装置120のように、取鍋11内の溶鋼3を対象としてもよい。この図5に示す溶融金属の清浄化装置120においては、溶鋼3が貯留される容器が取鍋11とされており、この取鍋11に貯留された溶鋼3へArガス等を吹き込むガスノズル21と、溶鋼3中に浸漬される電極22と、ガスノズル21と電極22との間に0.5V以上の電圧を印加する電源装置23と、を備えている。
さらに、本実施形態では、Arガスを吹き込むものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の不活性ガス等を用いてもよい。吹き込むガスは、溶融金属の組成に応じて適宜選択することが好ましい。
また、本実施形態では、ガスノズルを、酸化物と黒鉛とを含有し、黒鉛の含有量が10mass%以下とされた多孔質耐火材で構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、ガスノズルと電極との間に0.5V以上の電圧を印加できるものであればよく、具体的には、電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上とされていることが好ましい。例えば、ガスノズルの表面に酸化物等が付着することによって電気抵抗値が2.0×10−1Ω以上とされたものであってもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
図1に示す連続鋳造設備において、溶鋼深さ100cm、容量40tonのタンディッシュを用いて、取鍋からロングノズルを介して移送された低炭素アルミキルド鋼からなる溶鋼を、浸漬ノズルを介して鋳型内に注湯して鋳造を実施した。なお、タンディッシュ内を流動する溶鋼量(スループット)は、240ton/hとした。
このとき、図2に示すように、タンディッシュの底部に設置されたガスノズル(外径10cm)からArガスを吹き込んだ。なお、吹き込むArガスの流量は、0.01Nm/sとした。ここで、表1に示すように、印加する電圧、電流密度、電源方式、ガスノズルを変更した。
ガスノズルの上方の溶鋼に、鋼製のチルブロックを浸漬し、チルブロックの表面に凝固シェルを形成した。その凝固シェルをX線透過撮影することにより、凝固シェルに捕捉されたガス気泡の平均気泡径を測定した。測定結果を表1に示す。
また、浸漬ノズル上方の溶鋼をサンプリングし、ガス分析装置(LECO社製)により、トータル酸素量を測定し、清浄度を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2015093992
電極とガスノズルとの間に電圧を印加しなかった比較例1においては、平均気泡径が8mmと比較的大きく、トータル酸素量が50ppmと高かった。電圧を印加していないためガスノズル表面における溶鋼との濡れ性が悪く、ガス気泡の気泡径が大きくなったと推測される。そして、ガス気泡が粗大なため、酸化物等の非金属介在物を効率良く除去することができず、トータル酸素量が高くなったと推測される。
また、電極とガスノズルとの間に0.3Vの電圧を印加した比較例2においては、比較例1よりは改善されているものの、平均気泡径が6mmと比較的大きく、トータル酸素量が40ppmであった。ガスノズル表面における溶鋼との濡れ性が十分に改善されておらず、ガス気泡の気泡径が大きくなり、酸化物等の非金属介在物を効率良く除去することができなかったと推測される。
これに対して、電極とガスノズルとの間に0.3Vの電圧を印加した本発明例1−8においては、平均気泡径が4mm以下と小さく、トータル酸素量も27ppm以下であった。また、電極とガスノズルとの間の電流密度が0.3A/cm以下とされていた。さらに、交流電源装置を用いた本発明例6−8においても、直流電源装置を用いた本発明例1−5と同様の効果が認められる。
電極とガスノズルとの間に5Vの電圧を印加するとともに電流密度が0.05A/cm以下とされた本発明例6、電極とガスノズルとの間に10Vの電圧を印加するとともに電流密度が0.05A/cm以下とされた本発明例7においては、平均気泡径が一段と小さくなり、トータル酸素量も十分に低減されていた。
以上のことから、本発明例によれば、ガスノズル表面における溶鋼に対する濡れ性を向上させてガスノズルから発生するガス気泡の気泡径を小さくすることができ、溶鋼中の不純物成分を効率良く除去することが可能であることが確認された。
3 溶鋼(溶融金属)
20 溶融金属の清浄化装置
21 ガスノズル
22 電極
23 電源装置

Claims (5)

  1. 溶融金属内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって前記溶融金属中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化方法であって、
    前記溶融金属中に電極を浸漬し、この電極と前記溶融金属内に前記ガスを吹き込むガスノズルとの間に0.5V以上の電圧を印加することを特徴とする溶融金属の清浄化方法。
  2. 前記電極と前記ガスノズルとの間の電流密度が、0.3A/cm以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属の清浄化方法。
  3. 前記ガスノズルの電気抵抗値が、2.0×10−1Ω以上とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融金属の清浄化方法。
  4. 溶融金属内にガスを吹き込み、発生したガス気泡によって前記溶融金属中の不純物成分を除去する溶融金属の清浄化装置であって、
    前記溶融金属が貯留される容器と、貯留された前記溶融金属内にガスを吹き込むガスノズルと、前記溶融金属中に浸漬された電極と、前記電極と前記ガスノズルとの間に電圧を印加する電源装置と、を有し、
    前記ガスノズルの電気抵抗値が、2.0×10−1Ω以上とされており、
    前記電源装置は、前記電極と前記ガスノズルとの間に0.5V以上の電圧を印加する構成とされていることを特徴とする溶融金属の清浄化装置。
  5. 前記ガスノズルは、酸化物と黒鉛とを含有する多孔質耐火材で構成されており、前記多孔質耐火材における黒鉛の含有量が10mass%以下とされていることを特徴とする請求項4に記載の溶融金属の清浄化装置。
JP2013232180A 2013-11-08 2013-11-08 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置 Active JP6167862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013232180A JP6167862B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013232180A JP6167862B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015093992A true JP2015093992A (ja) 2015-05-18
JP6167862B2 JP6167862B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=53196614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013232180A Active JP6167862B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6167862B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017024069A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 新日鐵住金株式会社 溶融金属内の気泡発生装置及び気泡発生方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6192757A (ja) * 1984-10-11 1986-05-10 Kawasaki Heavy Ind Ltd 連続鋳造方法
JPH05306418A (ja) * 1992-03-05 1993-11-19 Nippon Steel Corp 溶融金属中への気泡発生方法
JPH06128660A (ja) * 1992-10-16 1994-05-10 Nippon Steel Corp 溶融金属中への気泡発生方法
JP2003126945A (ja) * 2000-12-25 2003-05-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造用の溶鋼供給装置およびこれを用いた連続鋳造方法
JP2011245550A (ja) * 2010-04-26 2011-12-08 Jfe Steel Corp 連続鋳造方法および連続鋳造装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6192757A (ja) * 1984-10-11 1986-05-10 Kawasaki Heavy Ind Ltd 連続鋳造方法
JPH05306418A (ja) * 1992-03-05 1993-11-19 Nippon Steel Corp 溶融金属中への気泡発生方法
JPH06128660A (ja) * 1992-10-16 1994-05-10 Nippon Steel Corp 溶融金属中への気泡発生方法
JP2003126945A (ja) * 2000-12-25 2003-05-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造用の溶鋼供給装置およびこれを用いた連続鋳造方法
JP2011245550A (ja) * 2010-04-26 2011-12-08 Jfe Steel Corp 連続鋳造方法および連続鋳造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017024069A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 新日鐵住金株式会社 溶融金属内の気泡発生装置及び気泡発生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6167862B2 (ja) 2017-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6167862B2 (ja) 溶融金属の清浄化方法及び溶融金属の清浄化装置
JP7135525B2 (ja) 微細酸化物分散金属塊の製造方法
JP6572658B2 (ja) 溶融金属内の気泡発生装置及び気泡発生方法
JP6273962B2 (ja) 溶鋼中の微小介在物の除去方法
JP2011143449A (ja) 連続鋳造用タンディッシュにおける介在物除去方法
CN201626971U (zh) 用于中间包外加电场无污染脱氧的装置
JPH10216909A (ja) 鋼の連続鋳造用タンディッシュ
KR101120110B1 (ko) 연속주조 장치 및 방법
JP4419811B2 (ja) 溶鋼の連続鋳造方法
JP6398673B2 (ja) 溶融金属中での気泡発生方法
CN102140565A (zh) 中间包中外加电场无污染脱氧精炼的方法
JP5757275B2 (ja) 浸漬ノズルを用いた連続鋳造方法
WO2013190594A1 (ja) 連続鋳造用浸漬ノズルおよびこれを用いた連続鋳造方法
JP6451466B2 (ja) 溶融金属中の非金属介在物の捕捉装置および除去方法
JP5609895B2 (ja) 溶鋼中での気泡の発生方法
JPH06182513A (ja) 連続鋳造用浸漬ノズルからのガス吹き込み方法
JP2006192441A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5510061B2 (ja) 連続鋳造方法
JPH02122011A (ja) 介在物の浮上分離方法および浮上分離装置
JP2000256708A (ja) 清浄な金属粉末の製造方法
JP3624682B2 (ja) 金属の清浄化法
KR20130125160A (ko) 청정강 제조 장치 및 이를 이용한 정련 방법
JP2002018559A (ja) 微細な凝固組織を有する鋳片または鋳塊の鋳造方法及びその鋳造装置
JP2004243385A (ja) 連続鋳造方法
CN112839753A (zh) 浮渣吸附构件、双辊式连续铸造装置及铸坯的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170612

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6167862

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350