JP2015092795A - ブラシレスモータ制御装置及びブラシレスモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁極センサの故障に際し、故障検知後も、モータの作動状態によらずモータの連続運転や再起動が可能なブラシレスモータの制御技術を提供する。
【解決手段】2n個の通電パターンにて通電を行い、センサから出力される実位置信号と各通電パターンにてセンサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較する。この比較結果に基づいて故障センサとその故障形態を特定し、故障センサの実位置信号から、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出されるロータの回転位置を推定する。ロータが異常信号が検出される位置に存在している場合、ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンでコイルに対して通電を行い、当該位置にロータが止まった場合であっても、起動不能に陥ることなくモータを作動させる。
【選択図】図6
【解決手段】2n個の通電パターンにて通電を行い、センサから出力される実位置信号と各通電パターンにてセンサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較する。この比較結果に基づいて故障センサとその故障形態を特定し、故障センサの実位置信号から、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出されるロータの回転位置を推定する。ロータが異常信号が検出される位置に存在している場合、ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンでコイルに対して通電を行い、当該位置にロータが止まった場合であっても、起動不能に陥ることなくモータを作動させる。
【選択図】図6
Description
本発明は、ブラシレスモータの故障対応制御に関し、特に、磁極センサの故障に際し、故障検知後もモータの連続運転や再起動が可能なブラシレスモータの制御技術に関する。
ブラシレスモータは一般に、磁極センサによってロータの回転位置を把握し、その位置に応じてステータ側を励磁することにより、ロータを連続的に回転させている。例えば、磁極センサを3個使用してロータの回転方向に複数の磁極が交互となるように配設されたマグネットのN極・S極を検出し、それらを0V・5Vのレベルとして制御側に取り込み、その信号の組み合わせ(ここでは6通り)により磁極位置、すなわち、ロータの回転位置を特定する。従って、ブラシレスモータでは、磁極センサが故障すると、ロータ位置が把握できなくなり、モータを継続して作動させることが困難となる。
このため、従来より、例えば特許文献1のように、モータ駆動中に磁極センサが故障しても、モータの継続運転を可能としたブラシレスモータ用駆動装置・駆動方法が提案されている。そこでは、他の正常な磁極センサからの位置信号の間隔に基づいて、故障した磁極センサの位置信号のタイミングでそれに相当する疑似信号を発生させ、停止制御を行うことなく、ロータの回転を継続し得るようにしている。
しかしながら、特許文献1のような制御形態であっても、一旦、モータが停止すると、現在のロータ停止位置を判断することができず、モータを再起動ができないという課題がある。すなわち、センサ故障により、センサ信号が0Vあるいは5Vに固定されてしまうと、ロータの停止位置によっては全センサの信号が0Vの場合や5Vの場合が生じ、かかる場合、磁極位置の特定ができず、モータを再起動させるための励磁信号を特定することができない。
上記のような状態となると、例えば、特許文献3のように、ターボチャージャの可変ノズルのバルブ開度を調整するためのアクチュエータに適用されるブラシレスモータでは、バルブが所定の位置に制御できなくなり、排ガスの成分悪化や燃費低下が懸念される。そこで、故障対策として、バックアップ用のセンサを追加したり、センサレス制御と併用したりすることも考え得るが、何れの場合も、センサやセンサレス用回路の追加が必要となり、コストアップは避けがたい。
本発明の目的は、磁極センサの故障に際し、故障検知後も、モータの作動状態によらずモータの連続運転や再起動が可能なブラシレスモータの制御技術を提供することにある。
本発明のブラシレスモータ制御装置は、複数相のコイルを有するステータと、該ステータと相対回転可能に配されたロータと、該ロータに設けられたロータ位置検出磁石と、該ロータ位置検出磁石の磁極を検出するために、前記複数相のコイルの相の数をnとしたとき、2n個の組み合せの位置信号が検出可能な複数のセンサと、を有するブラシレスモータに対し、前記2n個の組み合せの位置信号に対応して、2n個の通電パターンにて前記コイルに通電を行うブラシレスモータの制御装置であって、前記2n個の通電パターンにて前記コイルに対して通電を行ったとき前記センサから出力される実位置信号と、前記各通電パターンにおいて前記センサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較する位置信号比較部と、前記位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定する故障センサ判定部と、前記センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定された前記センサからの出力を含む実位置信号に基づいて、前記異常信号が検出される前記ロータの回転位置を推定する異常信号位置推定部と、前記ロータが前記異常信号が検出される位置に存在している場合、前記ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンで前記コイルに対して通電を行う駆動処理部と、を有することを特徴とする。
本発明にあっては、センサが故障しても、故障センサとその故障形態を特定でき、これらの特定に基づいてロータの位置を推定検出できる。このため、センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせが検出され、ロータがその位置に止まった場合、何を通電して良いか分からず起動不能に陥ってしまう、といった事態を回避でき、モータの作動状態によらず、確実にトルク発生可能な通電処理が行われる。
前記ブラシレスモータ制御装置において、前記制御装置に、現在の前記各センサの前記実位置信号を監視し、該実位置信号に、正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在しないかどうかを検討し、前記実位置信号に正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在した場合、何れかの前記センサに異常有りと判断するセンサ異常判定部をさらに設けても良い。これにより、異常状態を判定する処理を行うか否かを、予め判断することができ、処理速度を向上することが可能となる。また、この場合、前記位置信号比較部は、前記センサ異常判定部にて、何れかの前記センサに異常有りと判断された場合のみ、前記実位置信号と前記規定位置信号とを比較するようにしても良い。
さらに、前記駆動処理部は、前記故障と判定された前記センサから得られる異常な位置信号により、前記実位置信号が、前記ロータの現在の回転位置とは異なる他の回転位置における位置信号と同一となり、前記ロータの回転位置が前記他の回転位置と誤認識される場合、前記他の回転位置における通電パターンで前記コイルに対して通電を行うようにしても良い。これにより、故障したセンサからの位置信号がロータ回転位置の判断に影響を及ぼすような場合も、モータの回転を継続する転流パターンにてモータを連続駆動することができる。
一方、本発明のブラシレスモータ制御方法は、複数相のコイルを有するステータと、該ステータと相対回転可能に配されたロータと、該ロータに設けられたロータ位置検出磁石と、該ロータ位置検出磁石の磁極を検出するために、前記複数相のコイルの相の数をnとしたとき、2n個の組み合せの位置信号が検出可能な複数のセンサと、を有するブラシレスモータに対し、前記2n個の組み合せの位置信号に対応して、2n個の通電パターンにて前記コイルに通電を行うブラシレスモータの制御方法であって、前記2n個の通電パターンにて前記コイルに対して通電を行ったとき前記センサから出力される実位置信号と、前記各通電パターンにおいて前記センサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較し、前記位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定し、前記センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定された前記センサからの出力を含む実位置信号に基づいて、前記異常信号が検出される前記ロータの回転位置を推定し、前記ロータが前記異常信号が検出される位置に存在している場合、前記ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンで前記コイルに対して通電を行うことを特徴とする。
本発明にあっては、センサが故障しても、故障センサとその故障形態を特定でき、これらの特定に基づいてロータの位置を推定検出できる。このため、センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせが検出され、ロータがその位置に止まった場合、何を通電して良いか分からず起動不能に陥ってしまう、といった事態を回避でき、モータの作動状態によらず、確実にトルク発生可能な通電処理が行われる。
前記ブラシレスモータ制御方法において、現在の前記各センサの前記実位置信号を監視し、該実位置信号に、正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在しないかどうかを検討し、前記実位置信号に正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在した場合、何れかの前記センサに異常有りと判断するようにしても良い。これにより、異常状態を判定する処理を行うか否かを、予め判断することができ、処理速度を向上することが可能となる。また、この場合、何れかの前記センサに異常有りと判断された場合のみ、前記実位置信号と前記規定位置信号とを比較するようにしても良い。
前記ブラシレスモータ制御方法において、前記故障と判定された前記センサから得られる異常な位置信号により、前記実位置信号が、前記ロータの現在の回転位置とは異なる他の回転位置における位置信号と同一となり、前記ロータの回転位置が前記他の回転位置と誤認識される場合、前記他の回転位置における通電パターンで前記コイルに対して通電を行うようにしても良い。これにより、故障したセンサからの位置信号がロータ回転位置の判断に影響を及ぼすような場合も、モータの回転を継続する転流パターンにてモータを連続駆動することができる。
本発明のブラシレスモータ制御装置によれば、2n個の通電パターンにて通電を行ったときセンサから出力される実位置信号と各通電パターンにおいてセンサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較する位置信号比較部と、位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定する故障センサ判定部と、センサの故障により正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定されたセンサからの出力を含む実位置信号に基づいて、異常信号が検出されるロータの回転位置を推定する異常信号位置推定部と、ロータが異常信号が検出される位置に存在している場合、ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンでコイルに対して通電を行う駆動処理部と、を設けたので、センサが故障しても、故障センサとその故障形態を特定し、これらの特定に基づいてロータの現在位置を推定検出することが可能となる。このため、センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせが検出される位置にロータが止まった場合であっても、起動不能に陥ることなくモータの作動が可能となり、商品性の向上が図られる。
本発明のブラシレスモータ制御方法によれば、2n個の通電パターンにて通電を行ったときセンサから出力される実位置信号と各通電パターンにおいてセンサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較し、位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定し、センサの故障により正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定されたセンサからの出力を含む実位置信号に基づいて、異常信号が検出されるロータの回転位置を推定し、ロータが異常信号が検出される位置に存在している場合、ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンでコイルに対して通電を行うようにしたので、センサが故障しても、故障センサとその故障形態を特定し、これらの特定に基づいてロータの現在位置を推定検出することが可能となる。このため、センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせが検出される位置にロータが止まった場合であっても、起動不能に陥ることなくモータの作動が可能となり、商品性の向上が図られる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態である制御装置・制御方法によって駆動されるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)を用いたターボチャージャ用アクチュエータ2の構成を示す説明図である。図1に示すように、モータ1は、ロータマグネット3を備えたロータ4の周囲にステータ5を配したインナーロータ型の装置構成となっている。ロータ4は、ステータ5に対して相対回転可能となっており、合成樹脂製のシャフト6に取り付けられたロータコア7と、ロータコア7の外周に固定され、8極に着磁されたリング状のロータマグネット3と、シャフト6に固定され、2極に着磁された円板状のセンサマグネット(ロータ位置検出磁石)8とから構成されている。センサマグネット8は、周方向にN極とS極が180°ずつ等分に配置されている。
ステータ5は、樹脂製のハウジング9と、ハウジング9の内部に一体的に埋設されたステータコア11と、ステータコア11の6つのティースに巻装された電機子コイル12とから構成されている。電機子コイル12は、U,V,Wの3相の巻線を形成している。ハウジング9内に設けられた回路基板10上には、センサマグネット8の磁極の変化を捉え、ロータ4の回転位置を検出するホールセンサ(磁気検出素子)13が設けられている。ホールセンサ13は複数個設けられており、電機子コイル12の相数をn(ここでは、n=3)としたとき、2n個の組み合せの位置信号が検出可能となっている。モータ1では、図2に示すように、3個のホールセンサ13(13U,13V,13W)が120°間隔にて等分に配置されており、3×2=6個の組み合わせの位置信号が出力される。ホールセンサ13から出力される位置信号はコントローラ(駆動制御装置)14に送られる。コントローラ14は、ホールセンサ13からの位置信号に基づいて、電機子コイル12の通電相を適宜切り替える。これにより、ロータ4の周囲に回転磁界が形成され、ロータ4が連続的に回転駆動される。
このようなモータ1では、ホールセンサ13が正常な場合は、図3に示すようなパターンにて位置信号が得られる。すなわち、U,V,Wの各相の信号がHレベル(5V)かLレベル(0V)かによって6種類のパターンが得られ、これにより、ロータ4の回転位置が特定される(#1〜#6)。コントローラ14は、ロータ4の回転位置に応じた転流パターンにて電機子コイル12の各相に通電し(図4参照)、ロータ4を連続的に回転させる。
一方、ホールセンサ13のうち1つが故障すると(例えば、V相のホールセンサ13V)、そのとき得られる位置信号は図5のようになる。すると、図5から分かるように、「#3」や「#5」の位置信号パターンが、それぞれ正常時の「#2」や「#6」と同じになってしまう。このため、コントローラ14は、ロータ4が「#3」や「#5」の位置にいるにも関わらず、「#2」や「#6」の場合の通電制御を実行してしまう。但し、この場合は、トルクは低下するものの、連続駆動も起動も可能である。しかしながら、ロータ4が「#4」の位置の場合、図5のような位置信号パターン(L,L,L)は正常時には存在せず、コントローラ14はロータ4の回転位置を全く把握できない。その場合、回転駆動中であれば惰性でそのまま作動し、「#5」に至れば何とか連続駆動が可能となるが、ロータ4が「#4」の位置で停止すると、コントローラ14は、どの相に通電して良いかわからず、モータ1を起動させるための励磁信号を特定することができない。
そこで、このようなデッドポイントにて停止した場合においてもモータ1の起動を可能とすべく、本実施形態では、次のような制御を実行する。
(1)故障センサの特定(図8〜図10)
まず、3相のうち2相ずつ6パターンの通電を行い、ロータ4を回転させる。その場合、通電パターン(#1〜#6)と、ロータ回転位置(磁極位置)及びホールセンサ13aの位置信号(H,L)は一意的に定まっている。そこで、6パターン通電し、各通電パターンにおける実際の位置信号(実位置信号)と、センサ正常時に各通電パターンにおいて得られるべき位置信号(規定位置信号)とを比較することにより、故障しているセンサとその故障形態(5V固定、0V固定)を特定する。
(2)全センサ「L」、「H」の場合のロータ回転位置の特定(図11,図12)
前処理にて特定した故障センサと故障形態に基づき、正常時には有り得ない信号の異常な組み合わせ(全センサ「L」or 全センサ「H」)が検出されるケースを解析し、そのときのロータ回転位置(停止位置)を特定する。
(3)モータ起動
全センサ=「L」or「H」の場合、特定された停止位置における本来の転流パターンにて通電し起動する。
(1)故障センサの特定(図8〜図10)
まず、3相のうち2相ずつ6パターンの通電を行い、ロータ4を回転させる。その場合、通電パターン(#1〜#6)と、ロータ回転位置(磁極位置)及びホールセンサ13aの位置信号(H,L)は一意的に定まっている。そこで、6パターン通電し、各通電パターンにおける実際の位置信号(実位置信号)と、センサ正常時に各通電パターンにおいて得られるべき位置信号(規定位置信号)とを比較することにより、故障しているセンサとその故障形態(5V固定、0V固定)を特定する。
(2)全センサ「L」、「H」の場合のロータ回転位置の特定(図11,図12)
前処理にて特定した故障センサと故障形態に基づき、正常時には有り得ない信号の異常な組み合わせ(全センサ「L」or 全センサ「H」)が検出されるケースを解析し、そのときのロータ回転位置(停止位置)を特定する。
(3)モータ起動
全センサ=「L」or「H」の場合、特定された停止位置における本来の転流パターンにて通電し起動する。
図6は、コントローラ14の構成を示す制御ブロック図である。コントローラ14には、上述の制御処理を実行すべく、CPU20と、制御プログラムや規定の制御データが格納されたROM21、制御処理中に一時的にデータの格納等を行うRAM22が設けられている。また、CPU20にはさらに、制御処理部として、まず、センサ故障の有無を判定するセンサ異常判定部23と、(1)の処理に対応して位置信号比較部24と故障センサ判定部25が、(2)の処理に対応して異常信号位置推定部26が、(3)の処理に対応してモータ起動処理部(駆動処理部)27がそれぞれ設けられている。
この場合、センサ異常判定部23は、前述の「#4」のように、正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在しないかどうかを検討し、有り得ない信号の組み合わせが検出された場合、ホールセンサ13に異常が生じている、と判断する。位置信号比較部24は、2n個(ここでは6個)の通電パターンにて、各電機子コイル12に対して通電を行い、そのときホールセンサ13から出力される実位置信号と、各通電パターンにおいてホールセンサ13から本来出力されるべき規定位置信号とを比較する。故障センサ判定部25は、位置信号比較部24における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定する。異常信号位置推定部26は、故障と判定されたセンサの実位置信号から、正常時には有り得ない信号の組み合わせ(異常信号)が検出されるロータ回転位置を推定する。モータ起動処理部27は、ロータ4が異常信号検出位置に存在している場合、ロータ4が当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンで、各電機子コイル12に対して通電を行う。
図7〜図12は、本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、これらの制御処理は図6に示した各制御処理部によって実行される。以下、上記(1)〜(3)の制御処理について、図7〜図12を参照しつつ説明する。なお、以下の処理では、V相のホールセンサ13Vが故障した場合を例に取って説明するが、他の相のセンサが故障した場合も同様の処理が実行される。図7に示すように、モータ1が停止状態にある場合は、センサ故障の有無に関わらず、図7のような順序にて起動処理が行われる。すなわち、まず、ステップS1にて「作動開始要求」の有無が判断される。「作動開始要求」は、モータ1を駆動源とする機器のスイッチON/OFFなどに基づいて、コントローラ14がその有無を判断する。「作動開始要求」が無い場合にはそのままルーチンを抜け、「作動開始要求」があった場合にはステップS2に進み、ホールセンサ13の故障の有無が判定される。
ステップS2では、正常時には有り得ない信号の組み合わせ(例えば、前述の「#4」)が存在しないかどうかが検討され、有り得ない信号の組み合わせが無い場合は、センサ故障無し、としてステップS4に進み、モータの起動処理が実行され、ルーチンを抜ける。これに対し、ステップS2にて、有り得ない信号の組み合わせが検出された場合は、センサ故障有り、としてステップS4に進み、故障センサの特定処理を実行した後、モータの起動処理が実行される。図7の処理では、センサの異常状態を判定する処理(ステップS3)を行うか否かを、ステップS2において予め判断する。このため、センサが正常な場合は、ステップS3の処理を行うことなく、起動処理が実行され、処理速度の向上を図ることが可能となる。
図8〜図10は、故障センサ特定処理の手順を示すフローチャートである。ステップS4の処理では、ホールセンサ13が故障しているモータ1に対し、図4に示したような「#1」〜「#6」の6パターンの通電を行ってセンサの故障状態を判定する。そこで、ステップS4ではまず、「#1」の通電パターンを行うべく、モータ1に対し、U相:接地(GND),V相:オープン,W相:バッテリ電圧(VB)の通電を行う(図8:ステップS11)。この場合、センサが正常であれば、「U相:H,V相:L,W相:H」の組み合わせの信号が出力されるはずである。但し、各センサが「U相:H,V相:L,W相:H」の形で故障している場合は(本例では、V相センサがLo固定で故障)、正しい信号の組み合わせが出力され、このルーチンでは故障判定はできない。
ステップS11にて上記通電を行った後、ステップS12〜S14にて各相のセンサ出力が判定される(なお、S12〜S14は順不同である)。図8に示すように、ここではまず、ステップS12にてU相センサの信号が判定される。この場合、U相センサが正常、若しくは、Hi固定故障であれば「H」が出力されるはずである。そこで、位置信号比較部24は、ホールセンサ13から出力される実位置信号と、「#1」の通電パターンにおいてホールセンサ13から本来出力されるべき規定位置信号とを比較する。そして、実位置信号が「L」の場合は、ステップS15に進み、故障センサ判定部25は、U相センサが「Lo固定故障」であると判定する。本例の場合、U相センサは正常であり「H」が出力されるため、故障センサ判定部25にて「U相センサ:正常」と判定され、S12からS13に進む。
ステップS13では、V相センサの信号が判定される。この場合、V相センサが正常、若しくは、Lo固定故障であれば「L」が出力されるはずである。従って、これが「H」の場合は、ステップS16に進み、V相センサが「Hi固定故障」であると判定する。本例の場合、V相センサは「Lo固定故障」であるため、「L」が出力される。つまり、このルーチンではV相センサのLo固定故障は判定できず、S13からS14に進む。
ステップS14では、W相センサの信号が判定される。この場合も、W相センサが正常、若しくは、Hi固定故障であれば「H」が出力されるはずである。従って、これが「L」の場合は、ステップS17に進み、W相センサが「Lo固定故障」であると判定する。本例の場合、W相センサは正常であり「H」が出力されるため、当該ルーチンを抜け、次の#2判定のルーチンに進む。
#2判定のルーチンでは、「#2」の通電パターンを行うべく、モータ1に対し、U相:オープン,V相:GND,W相:バッテリ電圧の通電を行う(図9:ステップS21)。この場合、センサが正常であれば、「U相:H,V相:L,W相:L」の組み合わせの信号が出力されるはずである。但し、この場合も、各センサが「U相:H,V相:L,W相:L」の形で故障している場合は(本例では、V相センサがLo固定で故障)、正しい信号の組み合わせが出力され、このルーチンでは故障判定はできない。
ステップS21にて上記通電を行った後、ステップS22〜S24にて各相のセンサ出力が判定される(順不同)。ステップS22にてU相センサの信号が判定される。ここでは、U相センサが正常、若しくは、Hi固定故障であれば「H」が出力されるはずである。従って、これが「L」の場合は、ステップS25に進み、U相センサが「Lo固定故障」であると判定する。本例の場合、U相センサは正常であり「H」が出力されるため、S22からS23に進み、V相センサの信号が判定される。
ステップS23では、V相センサが正常、若しくは、Lo固定故障であれば「L」が出力されるはずである。従って、これが「H」の場合は、ステップS26に進み、V相センサが「Hi固定故障」であると判定する。本例の場合、V相センサは「Lo固定故障」であるため、「L」が出力される。つまり、このルーチンでもV相センサのLo固定故障は判定できず、S23からS24に進む。
ステップS24では、W相センサの信号が判定される。この場合も、W相センサが正常、若しくは、Lo固定故障であれば「L」が出力されるはずである。従って、これが「H」の場合は、ステップS27に進み、W相センサが「Hi固定故障」であると判定する。本例の場合、W相センサは正常であり「L」が出力されるため、当該ルーチンを抜け、次の#3判定のルーチンに進む。
#3判定のルーチンでは、「#3」の通電パターンを行うべく、モータ1に対し、U相:バッテリ電圧,V相:GND,W相:オープンの通電を行う(図10:ステップS31)。この場合、センサが正常であれば、「U相:H,V相:H,W相:L」の組み合わせの信号が出力されるはずである。但し、この場合も、各センサが「U相:H,V相:H,W相:L」の形で故障している場合は正しい信号の組み合わせが出力され、このルーチンでは故障判定はできないが、本例ではV相センサがLo固定で故障しており、当該ルーチンにて故障が検出可能である。
ステップS31にて上記通電を行った後、ステップS32〜S34にて各相のセンサ出力が判定される(順不同)。ステップS32にてU相センサの信号が判定される。ここでは、U相センサが正常、若しくは、Hi固定故障であれば「H」が出力されるはずである。従って、これが「L」の場合は、ステップS35に進み、U相センサが「Lo固定故障」であると判定する。本例の場合、U相センサは正常であり「H」が出力されるため、S32からS33に進み、V相センサの信号が判定される。
ステップS33では、V相センサが正常、若しくは、Hi固定故障であれば「Hi」が出力されるはずである。従って、これが「L」の場合はV相センサに何らかの異常があり、出力信号がLoに固定されていると判断できる。そこで、ステップS36に進み、V相センサが「Lo固定故障」であると判定する。本例の場合、V相センサは「Lo固定故障」であるため、「L」が出力され、ステップS36にてV相センサのLo固定故障が検出される。
ステップS34では、W相センサの信号が判定される。この場合も、W相センサが正常、若しくは、Lo固定故障であれば「L」が出力されるはずである。従って、これが「H」の場合は、ステップS37に進み、W相センサが「Hi固定故障」であると判定する。本例の場合、W相センサは正常であり「L」が出力されるため、当該ルーチンを抜け、次の#4判定のルーチンに進む。そして、「#4」〜「#6」の通電パターンにて同様の処理を行い、故障センサとその故障形態(Lo固定か、Hi固定か)を検出する。本例では、#4,#5の判定ルーチン(図示せず)にて、#3と同様にV相センサのLo固定故障が検出される。
このようにして、故障センサと故障形態を特定した後、その結果に基づき、異常信号位置推定部26によってロータ4の停止位置を特定する。図11,図12は、ロータ停止位置の推定処理手順を示すフローチャートである。なお、図11,図12の処理も順不同である。図11に示すように、ここではまず、センサ全部が「L」かどうかを判定する(ステップS41)。全部が「L」でない場合は、当該ルーチンを抜け図12の処理に進む。一方、本例のように、V相センサがLo固定故障している場合は、全部「L」の場合が存在する。そして、全部が「L」のときはロータ停止位置の把握が困難となるため、ステップS42以下の処理を実行する。
ステップS42では、まず、U相センサがLo固定故障しているかどうかが確認される。図8〜図10の処理にてU相センサがLo固定故障していることが検出されている場合は、ステップS43に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、U相センサがLo固定故障し、全ての信号が「L」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:H,V相:L,W相:L」の組み合わせのときである。そこで、ステップS43では、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#2」で停止している、と推定する。
これに対し、本例の場合のように、U相センサが正常に機能している場合は、ステップS42からS44に進み、V相センサがLo固定故障しているかどうかが確認される。そして、V相センサがLo固定故障している場合は、S44からS45に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、V相センサがLo固定故障し、全ての信号が「L」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:L,V相:H,W相:L」の組み合わせのときである。そこで、異常信号位置推定部26は、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#4」で停止している、と推定する。本例では、V相センサがLo固定故障しているため、S44からS45に進み、ロータ4が「#4」で停止している、と推定される。
ステップS44にてV相センサがLo固定故障していない場合は、ステップS46に進み、W相センサがLo固定故障しているかどうかが確認される。そして、W相センサがLo固定故障している場合は、S46からS47に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、W相センサがLo固定故障し、全ての信号が「L」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:L,V相:L,W相:H」の組み合わせのときである。そこで、ステップS47では、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#6」で停止している、と推定し、ルーチンを抜ける。なお、本例の場合(V相センサがLo固定故障)は、図11の処理にて、S41→S42→S44→S45と進み、ロータ4が「#4」で停止していると判断した後、S46に進んでルーチンを抜ける。
このようにして図11の処理を終了、若しくは、図10のステップS41にて全部「L」ではないと判断されたときは、図12の処理に進む。図12では、まず、先の#1〜#6の判定処理にて、センサ全部が「H」かどうかを判定する(ステップS51)。従って、全部「L」にて図11の処理を終了した場合は、全部「H」の場合が存在しない、と判断され、当該ルーチンを抜けて図7のルーチンに戻り、ステップS4の起動処理が実行される。また、センサに故障があるものの、センサ全部が「L」又は「H」でない場合も、当該ルーチンを抜けてステップS4の起動処理が実行される。前述のように、センサ全部が「L」又は「H」でなければ、ロータ4の位置に誤認があっても、取り敢えずはロータ4を回転させるトルクは発生可能であるため、ステップS4の起動処理が行われる。一方、センサ全部が「H」の場合は起動不能(従来の制御処理)となるため、ステップS52以下に進む。なお、センサが2個以上故障した場合は、全部「L」又は全部「H」以外のケースも存在するが、この場合は、#1〜#6の通電処理でも故障センサが特定できないためエラーとなり、別途、故障処理が実行される。
ステップS52では、まず、U相センサがHi固定故障しているかどうかが確認される。図8〜図10の処理にてU相センサがHi固定故障していることが検出されている場合は、ステップS53に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、U相センサがHi固定故障し、全ての信号が「H」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:L,V相:H,W相:H」の組み合わせのときである。そこで、ステップS53では、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#5」で停止している、と推定する。
これに対し、U相センサが正常に機能している場合は、ステップS52からS54に進み、V相センサがHi固定故障しているかどうかが確認される。そして、V相センサがHi固定故障している場合は、S54からS55に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、V相センサがHi固定故障し、全ての信号が「H」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:H,V相:L,W相:H」の組み合わせのときである。そこで、ステップS55では、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#1」で停止している、と推定する。
ステップS54にてV相センサがHi固定故障していない場合は、ステップS56に進み、W相センサがHi固定故障しているかどうかが確認される。そして、W相センサがHi固定故障している場合は、S56からS57に進み、ロータ停止位置が特定される。この場合、W相センサがHi固定故障し、全ての信号が「H」となって出力されるのは、本来の出力が「U相:H,V相:H,W相:L」の組み合わせのときである。そこで、ステップS47では、その論理に基づき、ロータ4がその組み合わせの位置「#3」で停止している、と推定する。このようにしてステップS52からステップS56又はS57の処理が完了した場合は、図12のルーチンを抜けて図7のルーチンに戻り、ステップS4の起動処理が実行される。
図8〜図12の処理が完了し、図7のステップS3からS4に進んだ場合、モータ1に対し、通常の起動処理とは異なる処理が実行される。この場合、モータ1では、あるホールセンサ13(本例ではV相センサ)が故障しており、全部「L」や全部「H」のような有り得ない信号の組み合わせが生じると、ロータ停止位置が把握できず、通常の起動処理ではモータ1を起動できない。そこで、当該制御処理では、有り得ない信号の組み合わせが得られた場合、図11,図12の処理によってロータ停止位置を特定し、その結果に基づいて、故障センサが正常な場合に当該ロータ停止位置にて本来実行される転流パターンにて通電を行う。
すなわち、本例で言えば、通常では有り得ない「L,L,L」の組み合わせが検出された場合は、V相センサの故障であり、前述のようにロータ4が「#4」で停止している、と推定する。そして、「#4」における本来の通電パターン「U相:バッテリ電圧,V相:オープン,W相:GND」にて通電を行う。これにより、V相センサが故障している場合に、ロータ4が「#4」位置に停止してしまっても、その停止位置本来の通電が行われ、モータ1を確実に起動させることが可能となる。
なお、起動後に「L,L,L」の組み合わせが検出された場合も、起動時と同様に「#4」の通電制御が実行される。また、ロータ4が「#3」や「#5」の位置にいる場合は、全部「L」や全部「H」のような信号の組み合わせは検出されないため、図11,図12の処理は実行されず、「#2」や「#6」の場合の通電制御が実行される。つまり、故障したセンサから得られる異常な位置信号により、実位置信号が、ロータ4の現在の回転位置(#3,#5)とは異なる他の回転位置(#2,#6)における位置信号と同一となり、ロータ4の回転位置が他の回転位置と誤認識される場合は、他の回転位置における通電パターン(#2,#6)を実行する。従って、センサ故障により、正常な位置信号が出力されないロータ回転位置においても、モータ1の回転を継続させ得る転流パターンにて通電が行われ、この場合、前述のようにトルクは低下するものの、モータ1を連続的に駆動することが可能となる。
このように、本発明の制御形態を採用することにより、ホールセンサ13の1個が故障しても、故障センサとその故障形態を特定でき、これらの特定に基づいて位置信号を論理的に検討することにより、ロータの位置を推定検出することが可能となる。このため、先の例の「#4」のように、ロータ4がその位置に止まると、何を通電して良いか分からず起動不能に陥ってしまう、といった事態も回避でき、モータの作動状態によらず、確実にトルク発生可能な通電処理が可能となる。
また、本発明をターボチャージャ用アクチュエータに使用されるブラシレスモータに適用した場合、センサが故障中であってもモータ作動可能となるため、ターボチャージャの可変ノズルのバルブを所定の位置に制御することが可能となる。これにより、排気ガスを正しく戻すことができ、・排ガスの悪化防止、燃費低下防止が図られる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、インナーロータ型のブラシレスモータに本発明を適用した例を示したが、本発明は、ブラシレスモータの形態には関係なく適用可能であり、アウタロータ型のブラシレスモータにも適用可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、インナーロータ型のブラシレスモータに本発明を適用した例を示したが、本発明は、ブラシレスモータの形態には関係なく適用可能であり、アウタロータ型のブラシレスモータにも適用可能であることは言うまでもない。
前述の実施の形態では、ターボチャージャ用アクチュエータに使用されるブラシレスモータに本発明による制御を適用した例を説明したが、本発明は、例えば、排気再循環(EGR)システムの流量調節バルブ用の駆動アクチュエータや電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータなどの各種車載モータや、家電製品等の電動機器類に使用されるブラシレスモータなどにも広く適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ターボチャージャ用アクチュエータ
3 ロータマグネット
4 ロータ
5 ステータ
6 シャフト
7 ロータコア
8 センサマグネット(ロータ位置検出磁石)
9 ハウジング
10 回路基板
11 ステータコア
12 電機子コイル
13 ホールセンサ
14 コントローラ(制御装置)
20 CPU
21 ROM
22 RAM
23 センサ異常判定部
24 位置信号比較部
25 故障センサ判定部
26 異常信号位置推定部
27 モータ起動処理部(駆動処理部)
2 ターボチャージャ用アクチュエータ
3 ロータマグネット
4 ロータ
5 ステータ
6 シャフト
7 ロータコア
8 センサマグネット(ロータ位置検出磁石)
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23 センサ異常判定部
24 位置信号比較部
25 故障センサ判定部
26 異常信号位置推定部
27 モータ起動処理部(駆動処理部)
Claims (8)
- 複数相のコイルを有するステータと、該ステータと相対回転可能に配されたロータと、該ロータに設けられたロータ位置検出磁石と、該ロータ位置検出磁石の磁極を検出するために、前記複数相のコイルの相の数をnとしたとき、2n個の組み合せの位置信号が検出可能な複数のセンサと、を有するブラシレスモータに対し、前記2n個の組み合せの位置信号に対応して、2n個の通電パターンにて前記コイルに通電を行うブラシレスモータの制御装置であって、
前記2n個の通電パターンにて前記コイルに対して通電を行ったとき前記センサから出力される実位置信号と、前記各通電パターンにおいて前記センサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較する位置信号比較部と、
前記位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定する故障センサ判定部と、
前記センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定された前記センサからの出力を含む実位置信号に基づいて、前記異常信号が検出される前記ロータの回転位置を推定する異常信号位置推定部と、
前記ロータが前記異常信号が検出される位置に存在している場合、前記ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンで前記コイルに対して通電を行う駆動処理部と、を有することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。 - 請求項1記載のブラシレスモータ制御装置において、
前記制御装置はさらに、現在の前記各センサの前記実位置信号を監視し、該実位置信号に、正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在しないかどうかを検討し、前記実位置信号に正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在した場合、何れかの前記センサに異常有りと判断するセンサ異常判定部を有することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。 - 請求項2記載のブラシレスモータ制御装置において、
前記位置信号比較部は、前記センサ異常判定部にて、何れかの前記センサに異常有りと判断された場合のみ、前記実位置信号と前記規定位置信号とを比較することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータ制御装置において、
前記故障と判定された前記センサから得られる異常な位置信号により、前記実位置信号が、前記ロータの現在の回転位置とは異なる他の回転位置における位置信号と同一となり、前記ロータの回転位置が前記他の回転位置と誤認識される場合、前記駆動処理部は、前記他の回転位置における通電パターンで前記コイルに対して通電を行うことを特徴とするブラシレスモータ制御装置。 - 複数相のコイルを有するステータと、該ステータと相対回転可能に配されたロータと、該ロータに設けられたロータ位置検出磁石と、該ロータ位置検出磁石の磁極を検出するために、前記複数相のコイルの相の数をnとしたとき、2n個の組み合せの位置信号が検出可能な複数のセンサと、を有するブラシレスモータに対し、前記2n個の組み合せの位置信号に対応して、2n個の通電パターンにて前記コイルに通電を行うブラシレスモータの制御方法であって、
前記2n個の通電パターンにて前記コイルに対して通電を行ったとき前記センサから出力される実位置信号と、前記各通電パターンにおいて前記センサから本来出力されるべき規定位置信号とを比較し、
前記位置信号比較部における比較結果に基づいて、故障しているセンサとその故障形態を特定し、
前記センサの故障により、正常時には有り得ない信号の組み合わせである異常信号が検出された場合、故障と判定された前記センサからの出力を含む実位置信号に基づいて、前記異常信号が検出される前記ロータの回転位置を推定し、
前記ロータが前記異常信号が検出される位置に存在している場合、前記ロータが当該位置に存在する場合に本来実施されるべき通電パターンで前記コイルに対して通電を行うことを特徴とするブラシレスモータ制御方法。 - 請求項5記載のブラシレスモータ制御方法において、
現在の前記各センサの前記実位置信号を監視し、該実位置信号に、正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在しないかどうかを検討し、前記実位置信号に正常時には有り得ない信号の組み合わせが存在した場合、何れかの前記センサに異常有りと判断することを特徴とするブラシレスモータ制御方法。 - 請求項6記載のブラシレスモータ制御方法において、
何れかの前記センサに異常有りと判断された場合のみ、前記実位置信号と前記規定位置信号とを比較することを特徴とするブラシレスモータ制御方法。 - 請求項5〜7の何れか1項に記載のブラシレスモータ制御方法において、
前記故障と判定された前記センサから得られる異常な位置信号により、前記実位置信号が、前記ロータの現在の回転位置とは異なる他の回転位置における位置信号と同一となり、前記ロータの回転位置が前記他の回転位置と誤認識される場合、前記他の回転位置における通電パターンで前記コイルに対して通電を行うことを特徴とするブラシレスモータ制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013231759A JP2015092795A (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | ブラシレスモータ制御装置及びブラシレスモータ制御方法 |
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