JP2015091940A - エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法 - Google Patents

エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015091940A
JP2015091940A JP2014199852A JP2014199852A JP2015091940A JP 2015091940 A JP2015091940 A JP 2015091940A JP 2014199852 A JP2014199852 A JP 2014199852A JP 2014199852 A JP2014199852 A JP 2014199852A JP 2015091940 A JP2015091940 A JP 2015091940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epa
dha
organic solvent
fatty acid
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014199852A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6234908B2 (ja
Inventor
昌卓 原田
Masataka Harada
昌卓 原田
瑞恵 伊藤
Mizue Ito
瑞恵 伊藤
信吾 野中
Shingo Nonaka
信吾 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Pharma Inc
Original Assignee
Nisshin Pharma Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Pharma Inc filed Critical Nisshin Pharma Inc
Priority to JP2014199852A priority Critical patent/JP6234908B2/ja
Publication of JP2015091940A publication Critical patent/JP2015091940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6234908B2 publication Critical patent/JP6234908B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

【課題】高純度のEPA及び/又はDHAを含有する組成物の提供。
【解決手段】(1)EPA及び/又はDHAを含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含有する原料を、銀塩を含む水性溶液と接触させること;(2)該水性溶液を5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収すること;ならびに(3)該水相に有機溶媒を添加した後、有機溶媒相を回収することを含む、EPA及び/又はDHA含有組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法に関する。
高度不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は、近年その薬理効果が明らかとなり、医薬品や健康食品の原料として利用されている。高度不飽和脂肪酸は、二重結合を複数有するため、化学合成によって得ることは容易ではない。したがって、工業利用される高度不飽和脂肪酸のほとんどは、高度不飽和脂肪酸を豊富に含む海洋生物由来原料、例えば魚油などから抽出又は精製することによって製造されている。しかしながら、生物由来原料は、炭素数、二重結合の数や位置、さらには立体異性体の構成比などが異なる多種の脂肪酸の混合物であるため、目的とするEPAやDHAの含有量は必ずしも高くない。
そのため、従来、生物由来原料からEPAやDHAを選択的に精製することが求められていた。特に、食品や医薬品の原料としてEPAやDHAを用いる場合、極力不純物がない高純度のEPAやDHAが求められている。また、海洋生物由来原料から精製したEPAやDHAは、微量でも不純物を含有すると強い魚臭を発散するため、従来のEPAやDHAを含有する食品や医薬品は、EPAやDHAをカプセルに密封したり、マスキング剤とともに製剤化するなど、臭いの対策を施す必要があった。したがって、医薬品や健康食品の原料となり得る、EPAやDHAを高純度に含有する組成物を簡便に製造することができる方法が求められている。
特許文献1〜4には、EPA等の高度不飽和脂肪酸を含む原料に銀塩を含む水溶液を混合して高度不飽和脂肪酸と銀塩との錯体を形成させた後、水相を分離し、次いで有機溶媒を用いて抽出するか(特許文献1)、加温して錯体を解離させるか(特許文献2)、液膜に透過させるか(特許文献3)、又は希釈攪拌若しくは錯体解離剤や銀イオン還元剤の添加(特許文献4)によって、高度不飽和脂肪酸やそのエステル等を取得する方法が記載されている。
特許文献5には、高度不飽和脂肪酸又はそのアルキルエステルを含む原料を、3段以上の蒸留塔を用いて段階的に蒸留することによる、濃度80%以上のEPA又はそのエステルを製造する方法が記載されている。特許文献6には、EPA等の高度不飽和脂肪酸を含む原料を真空精密蒸留処理し、得られたEPAやその低級アルコールエステルを含む留分を、硝酸銀水溶液と混合することにより、高純度エイコサペンタエン酸又はその低級アルコールエステルを精製する方法が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の方法では、EPAやDHA以外の高度不飽和脂肪酸も同時に錯体を形成してしまうため、純度の高いEPAやDHAを得ることが難しかった。また、特許文献5に記載されるような蒸留による分離、さらに特許文献6に記載されるような蒸留と硝酸銀水溶液による分離とを組み合わせた方法でも、EPAと物性が似ているアラキドン酸(AA)やエイコサテトラエン酸(ETA)等の他の高度不飽和脂肪酸との分離が困難であり、高純度のEPAやDHAを得ることは簡単ではなかった。
特許第3001954号公報 特許第2786748号公報 特許第2935555号公報 特許第2895258号公報 特許第3005638号公報 特開平7−242895号公報
本発明は、高度不飽和脂肪酸を含有する原料から、EPA及び/又はDHAをより選択的に精製することができる方法を提供することに関する。
本発明者らは、多くの研究の結果、EPAやDHA等の高度不飽和脂肪酸と銀塩との錯体を含む水溶液を、特定の温度条件下で有機溶媒に接触させると、EPAやDHAの錯体は水相に残留し、一方、それ以外の目的物でない高度不飽和脂肪酸は有機溶媒相に移動することを見出した。この知見に基づいて、本発明者らは、高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを、銀塩を含む水性溶液と混合し、該混合液を、特定温度に維持しながら有機溶媒と接触させ、その後有機相を廃棄して水相を回収すれば、EPAやDHAの錯体を他の高度不飽和脂肪酸から選択的に分離することができること、さらに当該分離されたEPAやDHAの錯体を解離させれば、EPAやDHAを高純度に含有する組成物を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法であって:
(1)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含有する原料を、銀塩を含む水性溶液と接触させること;
(2)該水性溶液を5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収すること;ならびに
(3)該水相に有機溶媒を添加した後、有機溶媒相を回収すること、
を含む方法を提供する。
また本発明は、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルと銀との錯体から、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸のアルキルエステルと銀との錯体を分離するための方法であって、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルと銀との錯体を含む水性溶液を、5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収することを含む方法を提供する。
本発明の方法によれば、EPA及びDHAを選択的に精製することが可能になり、EPAやDHA以外の高度不飽和脂肪酸含量が少ない、高純度のEPAやDHA含有組成物を得ることができる。本発明の方法によれば、目的とするEPA及びDHAを、他の高度不飽和脂肪酸、特に、従来の方法では分離が困難であったアラキドン酸(AA)やエイコサテトラエン酸(ETA)等とも容易に分離することが可能になる。また本発明の方法は、錯体生成に用いた銀塩を多くの回数で再使用することを可能にするため、経済的である。
本発明のエイコサペンタエン酸(EPA)及び/又はドコサヘキサエン酸(DHA)含有組成物の製造方法において、原料としては、主として天然物由来の油脂混合物であって、EPAやDHAとともに、EPAやDHA以外の高度不飽和脂肪酸が含まれているものが挙げられる。当該EPAやDHA以外の高度不飽和脂肪酸としては、アラキドン酸(AA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、ドコサペンタエン酸(DPA)などを挙げることができる。そのような原料としては、魚類等の海産動物やプランクトン由来の油脂、藻類等の微生物由来の油脂などが挙げられ、中でもイワシ、ハマチ等の魚類由来の油脂、及び藻類由来の油脂が好ましい。
上記原料は、目的のEPA及び/又はDHAを、含有する脂肪酸の全量に対して、15質量%以上含有する油脂であることが好ましく、さらに好ましくは40質量%以上含有する。なお、当該原料としては、EPA及び/又はDHAの含有量が高い原料を用いてもよいが、コストや入手しやすさの点からは、EPA及び/又はDHA含有量が、含有する全脂肪酸中、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下であればよい。EPA及び/又はDHAは、当該原料中に遊離脂肪酸の形態で存在していてもよく、又はモノ、ジ若しくはトリグリセリド等の脂肪酸鎖の形態で存在していてもよい。本発明の製造方法においては、全含有脂肪酸中における目的の高度不飽和脂肪酸の含量が15質量%以上の原料を用いることにより、最終的に、目的とするEPA及び/又はDHAの濃度が、全含有脂肪酸中70質量%以上、好ましくは75質量%の組成物を効率よく得ることができる。
本発明の製造方法において、上記原料中の目的のEPA及び/又はDHAは、アルキルエステル化されている。好ましくは、EPA及び/又はDHA以外の高度不飽和脂肪酸もアルキルエステル化されている。原料中の高度不飽和脂肪酸をアルキルエステル化することにより、本発明の組成物の製造過程において、目的とするEPA及び/又はDHAから、それ以外の高度不飽和脂肪酸を効率よく除去することができる。
上記高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを構成するアルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはエチル基である。当該高度不飽和脂肪酸アルキルエステルは、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂と所望のアルキル基を有する酸とを公知の方法によりエステル化反応させることにより製造することができる。例えば、高度不飽和脂肪酸のトリグリセリドを含有する油脂をけん化処理することによって、簡便に高度不飽和脂肪酸のアルキルエステル化物を得ることができる。アルキルエステル化の程度は高いほど好適であり、原料中に含まれる目的の高度不飽和脂肪酸(遊離体を含む)の全量のうち、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上がアルキルエステル化されているとよい。
本発明の製造方法において原料となる、上記高度不飽和脂肪酸やそのアルキルエステルを含有する油脂としては、市販されている油脂類を用いてもよい。前述の本発明が目的とする高度不飽和脂肪酸やそのアルキルエステルを高含量で得るという観点からは、含有する高度不飽和脂肪酸の種類や量が規格化された市販の魚油由来の油脂類などを用いるのが好ましい。
以下に示す、本発明のEPA及び/又はDHA含有組成物の製造方法の各工程において、上記原料は、液体の形態で適用されることが好ましい。当該原料は、各工程での反応温度において液体の形態である場合は、そのまま本発明の各工程に適用され得る。各工程での反応温度において固体の形態である場合は、当該原料は、適宜有機溶媒や他の油に溶解又は希釈して適用され得る。当該有機溶媒としては、下記工程(1)を遂行するために、水と分離可能な有機溶媒が使用され、例えば、酢酸エチル、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ヘキサン等が挙げられる。下記工程(1)で原料の溶解又は希釈に用いられる有機溶媒は、下記工程(2)で用いる有機溶媒と同一の有機溶媒であっても、異なる有機溶媒であってもよい。
本発明のEPA及び/又はDHA含有組成物の製造方法は、次の工程を含む:
(1)EPA及び/又はDHAを含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含有する原料を、銀塩を含む水性溶液と接触させること;
(2)該水性溶液を5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収すること;ならびに
(3)該水相に有機溶媒を添加した後、有機溶媒相を回収すること。
本発明の製造工程(1)は、高度不飽和脂肪酸の二重結合部に銀塩が錯体を形成することにより、抽出溶媒への溶解性が変わることを利用した精製技術であり、高度不飽和脂肪酸アルキルエステルを分離精製する工程である。より詳細には、炭素数が20以上である高度不飽和脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)のアルキルエステルを効率よく分離精製することができる。該工程は、例えば、特許文献1〜4等に記載されている方法に従って行うことができる。
より詳細には、EPA及び/又はDHA、ならびにその他の高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含む原料に、銀塩を含む水性溶液を添加し、5分〜4時間、好ましくは10分〜2時間程度攪拌する。このときの反応温度は、当該工程(1)の生成物が完全に液体となる温度を上限とし、好ましくは約80℃以下であり、下限としては5℃以上とする。好ましくは、反応温度は室温(15〜30℃)付近である。上記反応により、当該水性溶液中に、銀と高度不飽和脂肪酸との錯体が生成される。当該錯体は、水性溶液の相に溶解するので、溶液から当該錯体を含む水相を回収して、次の工程(2)に供してもよい。水相を回収すると、錯体を形成しなかった高度不飽和脂肪酸以外の脂肪酸等の不純物を簡便に除去することができる。一方で、上記銀塩との錯体は、不飽和脂肪酸の不飽和結合との間に形成されるので、目的とするEPA及び/又はDHA以外の高度不飽和脂肪酸も錯体となり、水相に回収される。
銀塩としては、高度不飽和脂肪酸の不飽和結合と錯体を形成し得るものであれば特に制限されないが、硝酸銀、過塩素酸銀、四フッ化ホウ素酸銀、酢酸銀等を用いることができる。このうち、硝酸銀が好ましい。水性溶液の溶媒としては、水、又は水とグリセリンやエチレングリコール等の水酸基を有する化合物との混合媒体が挙げられるが、好ましくは水が用いられる。水性溶液中の銀塩濃度は、0.1mol/L以上であればよいが、好ましくは1〜12mol/L程度とする。高度不飽和脂肪酸と銀塩とのモル比は、1:100〜100:1、好ましくは1:5〜1:1程度である。
本発明の製造方法の工程(2)は、工程(1)において生成された高度不飽和脂肪酸と銀塩の錯体を含む水性溶液を有機溶媒と接触させ、次いで、当該水性溶液と有機溶媒との混合溶液から水相を回収する工程である。有機溶媒との接触の間、当該水性溶液は、目的とするEPA及び/又はDHAの錯体が解離しない温度に維持される。具体的には、工程(2)における当該水性溶液の温度は、好ましくは5〜30℃、より好ましくは10〜25℃に維持される。より好ましくは、工程(2)における当該水性溶液の温度は、上記温度範囲内であることに加えて、工程(1)での反応温度、すなわち工程(1)で銀−高度不飽和脂肪酸錯体が生成した温度に対して+20〜−15℃の範囲、好ましくは+5〜−10℃の範囲であり、より好ましくは、工程(1)の温度より低温かつ−10℃以内の温度であるのがよい。
工程(2)において、上記高度不飽和脂肪酸アルキルエステルの錯体を含む水性溶液に添加する有機溶媒としては、ヘキサン又はシクロヘキサンが好ましく、シクロヘキサンがより好ましい。当該水性溶液と有機溶媒の量としては、体積比として、100:3〜300が好ましく、100:3〜200がより好ましい。また好ましくは、工程(2)においては、当該水性溶液と有機溶媒とを、上記温度条件下で、上記体積比となるよう混合し、混合液を5分〜4時間、好ましくは10分〜2時間程度、より好ましくは30分〜2時間程度攪拌する。攪拌終了後に混合液を静置すると、水相と有機溶媒相が分離するので、有機溶媒相を除去し、水相を回収する。さらに、回収した水相に新たな有機溶媒を添加して工程(2)を繰り返してもよい。
工程(1)で得られた高度不飽和脂肪酸と銀塩の錯体を含む水性溶液には、EPA及び/又はDHAアルキルエステルの錯体と、EPA及び/又はDHA以外の他の高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルの錯体とが混在している。この水性溶液を、上述した特定の温度条件下で有機溶媒と接触させると、当該他の高度不飽和脂肪酸の錯体は解離して、脂肪酸が有機溶媒相に移動するが、一方、EPA及び/又はDHAは、錯体のまま水相中に維持される。したがって、工程(2)において、上記水性溶液と有機溶媒とを上記温度条件下で接触させた後、水相を回収すれば、EPA及び/又はDHAを他の高度不飽和脂肪酸から分離することができる。なお、前述のように本発明の方法においては、原料の溶解又は希釈のために、工程(1)においても有機溶媒が用いられることがある。しかし、工程(1)において、原料を有機溶媒に溶解又は希釈した後で、これに銀塩を含む水性溶液を添加し、その後水相を回収しても、工程(2)でなされるように他の高度不飽和脂肪酸を効果的に除去することはできない。
したがって、本発明の一実施形態は、工程(1)で得られたEPA及び/又はDHAを含む種々の高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルと銀との錯体の混合物から、EPA及び/又はDHAアルキルエステルと銀との錯体を分離することを意図して、工程(2)を行うことであり得る。工程(2)で回収された水相からは、目的としない高度不飽和脂肪酸が除去されているので、これを後述する工程(3)に供すれば、高純度のEPA及び/又はDHAアルキルエステルを回収することができる。
本発明の製造方法の工程(3)は、上記工程(2)で回収した水相に有機溶媒を添加し、次いで有機溶媒相を回収する工程である。工程(3)では、有機溶媒の添加により、該水相中のEPA及び/又はDHAアルキルエステルの錯体を解離させ、解離したEPA及び/又はDHAのアルキルエステルを有機溶媒相に抽出させる。次いで当該有機溶媒相を回収すれば、目的とするEPA及び/又はDHAアルキルエステルを回収することができる。当該工程は、例えば、特許文献1〜4等に記載されている方法に従って行うことができる。
工程(3)において、上記水相に添加する有機溶媒としては、ヘキサン、エーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の、EPA及び/又はDHAのアルキルエステルの溶解性が高く、且つ水と分離可能な溶媒が挙げられる。
工程(3)において、EPA及び/又はDHAの錯体の解離を容易にするためには、好ましくは、水相に有機溶媒を添加し、得られた混合液を、上記工程(1)での反応温度、すなわち工程(1)での銀−高度不飽和脂肪酸錯体の生成温度よりも高い温度になるよう加温する。より好ましくは、上記工程(1)での反応温度に対して15℃よりも高い温度、さらに好ましくは20℃以上高い温度にする。次いで水相を除去し、EPA及び/又はDHAのアルキルエステルを含有する有機溶媒相を回収する。又は回収した有機溶媒相をさらにシリカゲル、活性炭、二酸化ケイ素などの吸着剤に通液することにより、残留する銀イオンをさらに除去してもよい。
上記工程(3)で除去された水相は、工程(1)で銀−高度不飽和脂肪酸錯体の生成に用いた銀塩を含有する水溶液である。したがって、工程(3)で除去された水相を回収し、再び本発明の方法の工程(1)の銀塩水溶液として使用することができる。従来の方法においても、錯体から高度不飽和脂肪酸を解離させた後に残った銀塩水溶液は、回収され、高度不飽和脂肪酸の精製に再使用されていた。しかし、この銀塩水溶液は、繰り返しの使用につれて、不純物の含有量が増えるなど徐々に劣化するため、銀塩水溶液の繰り返し使用は、精製される高度不飽和脂肪酸の品質の低下をもたらし得る。一方、本発明の方法で使用された後の硝酸銀水溶液は、従来の方法に比べて、不純物の含有量が低いため、再使用しても精製されるEPAやDHA含有組成物の品質を低下させることが少ない。
したがって、本発明の一実施形態は、上記工程(3)で有機溶媒相を回収した後に残った水相に含まれる銀塩を含有する銀塩水性溶液を用いて、新たなEPA及び/又はDHAを含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含有する原料をもとに、上記工程(1)〜(3)を繰り返すことを含む、EPA及び/又はDHA含有組成物の製造方法であり得る。本方法において、工程の繰り返しの回数は、2回以上であればよいが、好ましくは10回以上、より好ましくは20回以上、さらに好ましくは50回以上、なお好ましくは10〜70回であり得る。また本方法において、工程(3)で除去された水相は、そのまま工程(1)に再使用してもよいが、銀塩の濃度を適宜調製してから再使用してもよい。
本発明の製造方法により製造されたEPA及び/又はDHAのアルキルエステル含有組成物は、含有する全脂肪酸中に、目的のEPA及び/又はDHAのアルキルエステルを70質量%以上、好ましくは75質量%以上含有する。該組成物中に含まれる目的のEPA及び/又はDHAのアルキルエステルは、好ましくはEPAのアルキルエステルである。本発明のEPA及び/又はDHAのアルキルエステル含有組成物は、EPAやDHAと沸点が近く、蒸留による精製操作においては分離しにくい高度不飽和脂肪酸、例えばAAやETA等の含有量が少ないため、蒸留等の操作によりさらに高純度のEPA及び/又はDHA含有組成物を調製する場合の原料としても好適である。したがって、本発明のEPA及び/又はDHAのアルキルエステル含有組成物を用いることによって、より簡便に高純度のEPA及び/又はDHAを製造することができる。また本発明によれば、銀−高度不飽和脂肪酸錯体の生成に用いた銀塩をより多くの回数で再使用することが可能になるので、高度不飽和脂肪酸精製に要するコストを低減することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
以下の実施例において、高度不飽和脂肪酸の組成分析方法は次のとおりである。
測定試料10mgをn−ヘキサン10mLに希釈し、ガスクロマトグラフィー分析装置(Type 6890 GC;Agilent Technologies製)を用いて、以下の条件にて全脂肪酸中における各脂肪酸の含有比を分析した。結果は、クロマトグラムの面積から換算した質量%として表した。
<カラム条件>
カラム:J&W社製DB−WAX 0.25 mm×30 m、カラム温度:210℃
He流量:1.0 ml/min、He圧力:20 PSI
<検出条件>
2流量:40 ml/min、Air流量:450 ml/min
He流量:1.00 ml/min、DET温度:260℃
また、以下の実施例において、EPAアルキルエステル(EPA−E)及びDHAアルキルエステル(DHA−E)の回収率の算出方法は次のとおりである。
Figure 2015091940
組成物の不純物比は、組成物中における目的とするEPA及びDHAの含有量に対する、不純物(クロマトグラフィー法等の従来の方法で分離が困難なアラキドン酸アルキルエステル(AA−E)及びエイコサテトラエン酸アルキルエステル(ETA−E))の含有量として、下記式に従って計算した。
不純物比(%)
=(AA−EとETA−Eの合計含量/EPA−EとDHA−Eの合計含量)×100
組成物の評価では、下記表1の基準に従って、不純物比及びEPA−E及びDHA−Eの回収率に基づいて各組成物の組成スコア及び回収率スコアを求めた。さらにそれらの合計スコアに基づいて組成物の総合評価を行った。
Figure 2015091940
(参考例1)原料A
イワシ油1kgに、水酸化ナトリウム50gを溶解させた無水エタノール1000mLを加え、70〜80℃にて1時間混合攪拌後、さらに水500mLを加えてよく混合し、1時間静置した。分離した水層を除去し、油層を数回水洗して洗液を中性にし、エチルエステル化イワシ油(以下、「原料A」とする)820gを得た。
上記原料Aは、表2に示すとおり、全脂肪酸中に、アラキドン酸(AA)2.14質量%、エイコサテトラエン酸(ETA)1.70質量%、エイコサペンタエン酸(EPA)42.96質量%、ドコサヘキサエン酸(DHA)7.71質量%を含有していた。
(参考例2)原料B
上記で調製した原料A 1kgにn−ヘキサン600mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液2500mLを加え、20℃の条件下で1時間攪拌した。静置後に水相を分離し、残った有機層を濃縮し、エチルエステル化イワシ油(以下、「原料B」とする)550gを得た。
上記原料Bは、表2に示すとおり、全脂肪酸中に、AA 3.72質量%、ETA 2.73質量%、EPA 18.65質量%、DHA 0.91質量%を含有していた。
(参考例3)原料C
参考例2と同様にしてエチルエステル化イワシ油(以下、「原料C」とする)550gを得た。
上記原料Cは、表2に示すとおり、全脂肪酸中に、AA 3.81質量%、ETA 2.75質量%、EPA 20.46質量%、DHA 1.23質量%を含有していた。
Figure 2015091940
(実施例1)
工程(1):原料A 30gにシクロヘキサン5mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液80mLを加え、20℃の条件下で1時間攪拌した。溶液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(2):工程(1)で得た水相を20℃に維持したまま、シクロヘキサン5mLを添加し30分間攪拌した。混合液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(3):工程(2)で得た水相を60℃にし、シクロヘキサン150mLを追加し、60℃の条件下で30分間攪拌して、水相中の脂肪酸エチルエステルを有機相に抽出した。混合液を静置後、分離した有機相を回収、濃縮し、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
(実施例2)
工程(1):原料B 30gにn−ヘキサン15mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液60mLを加え、25℃の条件下で1時間攪拌した。溶液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(2):工程(1)で得た水相を25℃に維持したまま、n−ヘキサン50mLを添加し30分間攪拌した。混合液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(3):工程(2)で得た水相を60℃にし、n−ヘキサン150mLを追加し、60℃の条件下で30分間攪拌して、水相中の脂肪酸エチルエステルを有機相に抽出した。混合液を静置後、分離した有機相を回収、濃縮し、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
(比較例1)
工程(2)を行わなかった以外は、実施例1と同様にして脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
(比較例2)
工程(2)を行わなかった以外は、実施例2と同様にして脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
実施例1〜2及び比較例1〜2の組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比を分析した。さらに不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率を求め、各組成物の組成スコア、回収率スコア、及び総合評価を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2015091940
工程(2)を行わずに得られた比較例の組成物に比べて、実施例の組成物は、不純物であるAAやETAの含量が大幅に低下し、目的とするEPA及びDHAの純度が向上した。比較例の組成物は、工程が少ない分EPA及びDHAの回収率は高くなったが、AAやETAの含量が多く、EPA及びDHAの純度には劣るものであった。
(製造例1〜6)
工程(2)の温度を表4のとおりにして行った以外は、実施例2と同様にして脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
製造例1〜6の組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比、不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率、ならびに評価結果を表4に示す。なお、表4には実施例2の結果を再掲する。
工程(2)の温度が低温になると、得られた組成物におけるEPA及びDHAの含量が低下するとともに、不純物(AA及びETA)の含量が増加する傾向があった。工程(2)の温度が5℃〜30℃の範囲であれば、不純物含量は許容できる範囲であった。一方高温で工程(2)を行うと、EPA、DHAの含量は増加するものの、回収率が低下する傾向があった。工程(2)の温度が工程(1)の温度に対して+5℃〜−10℃の範囲である製造例4〜5、実施例2では、不純物比とEPA−E及びDHA−Eの回収率とのバランスが良かった。
Figure 2015091940
(製造例7〜14)
参考例Cの原料を用い、工程(1)及び(2)の温度をそれぞれ変えた以外は、製造例1〜6と同様にして、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
製造例7〜14の組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比、不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率、ならびに評価結果を表5に示す。
10℃で工程(1)及び工程(2)を行った製造例7では、不純物(AA及びETA)の含量が増加した。一方、10℃で工程(1)、30℃で工程(2)を行った製造例8では、不純物の含量は低下したものの、EPA−E及びDHA−Eの回収率が低下した。さらに、35℃で工程(2)を行った製造例14では、回収率が大幅に低下した。工程(2)の温度が5℃〜30℃の範囲であれば、EPA−E及びDHA−Eの回収率は許容できる範囲であった。さらに、工程(2)の温度が工程(1)の温度に対して+5℃〜−10℃の範囲であると、EPA−E及びDHA−Eの回収率がより高くなる傾向があった。
Figure 2015091940
(製造例15)
工程(1):原料B 30gにn−ヘキサン15mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液60mLを加え、20℃の条件下で1時間攪拌した。溶液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(2):工程(1)で得た水相を20℃に維持したまま、n−ヘキサン50mLを添加し、30分間攪拌した。混合液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。回収した水相を20℃に維持したまま、再度n−ヘキサン50mLを添加し、30分間攪拌し、静置後に分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(3):工程(2)で得た水相を60℃にし、n−ヘキサン150mLを追加し、60℃の条件下で30分間攪拌して、水相中の脂肪酸エチルエステルを有機相に抽出した。混合液を静置後、分離した有機相を回収、濃縮し、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
(製造例16〜17)
工程(2)で用いる有機溶媒をヘプタン(製造例16)又は酢酸エチル(製造例17)に変更した以外は、製造例15と同様にして脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
製造例15〜17の組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比、不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率、ならびに評価結果を表6に示す。製造例15〜17の組成物におけるEPA及びDHAの純度はいずれも同様に高かったが、工程(2)でヘキサンを用いた製造例15では、製造例16や17と比べてEPA−E及びDHA−Eの回収率がより向上した。
Figure 2015091940
(製造例18〜22)
工程(1):原料A 30gにシクロヘキサン5mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液80mLを加え、20℃の条件下で1時間攪拌した。溶液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(2):工程(1)で得た水相を20℃に維持したまま、シクロヘキサンを表7に記載の量で添加して30分間攪拌した。混合液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(3):工程(2)で得た水相を60℃にし、新しいシクロヘキサン150mLを加えて60℃の条件下で30分間攪拌して、水相中の脂肪酸エチルエステルを有機相に抽出した。混合液を静置後、分離した有機相を回収、濃縮し、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
(製造例23〜27)
工程(1):原料B 30gにシクロヘキサン15mLを加えてよく攪拌混合し、溶解させた。ここに硝酸銀50質量%の水溶液50mLを加え、15℃の条件下で1時間攪拌した。溶液を静置後、分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(2):工程(1)で得た水相を15℃に維持したまま、シクロヘキサンを表7に記載の量で添加して30分間攪拌し、静置後に分離した有機相を除去し、水相を回収した。
工程(3):工程(2)で得た水相を60℃にし、新しいシクロヘキサン150mLを加えて60℃の条件下で30分間攪拌して、水相中の脂肪酸エチルエステルを有機相に抽出した。混合液を静置後、分離した有機相を回収、濃縮し、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
製造例18〜27の組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比、不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率、ならびに評価結果を表7に示す。工程(2)において水相に対する有機溶媒の添加量が少ない製造例18では不純物含量が増加した。
Figure 2015091940
(製造例28〜30)
工程(3)において有機相を回収した後の残りの水相、すなわち硝酸銀水溶液、を繰り返し使用する検討を行った。実施例1と同様にして工程(1)〜(3)を行い、有機相と分離された硝酸銀水溶液を回収した。回収した溶液を工程(1)の硝酸銀水溶液として新たに用意した原料に加えて、同様に工程(1)〜(3)を行い、再度硝酸銀水溶液を回収した。これを表8の回数繰り返して、脂肪酸エチルエステル含有組成物を得た。
得られた組成物における、全脂肪酸に対する各脂肪酸の組成比、不純物比、EPA−E及びDHA−Eの回収率、ならびに評価結果を表8に示す。なお、表8には実施例1の結果を再掲する。硝酸銀の繰り返し使用によっても、得られた組成物におけるEPA及びDHAの純度、ならびにEPA−E及びDHA−Eの回収率は変わらなかった。本発明の方法によれば、硝酸銀水溶液を繰り返し使用しても、高純度のEPA−E及びDHA−Eを効率よく製造することができる。
Figure 2015091940

Claims (8)

  1. エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法であって:
    (1)エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルを含有する原料を、銀塩を含む水性溶液と接触させること;
    (2)該水性溶液を5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収すること;ならびに
    (3)該水相に有機溶媒を添加した後、有機溶媒相を回収すること、
    を含む、方法。
  2. 前記原料が、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を全脂肪酸の量に対して15質量%以上含有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記工程(2)における有機溶媒がヘキサン及びシクロヘキサンから選択される1種以上である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記工程(2)において、前記有機溶媒の量が、前記水性溶液100体積部に対して3〜300体積部である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記工程(2)において、前記水性溶液の温度が10〜25℃に維持される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記工程(2)において、前記水性溶液の温度が工程(1)の温度に対して+5〜−10℃の範囲に維持される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記工程(3)において有機溶媒相を回収した後に残った水相に含まれる銀塩を含有する銀塩水性溶液を用いて上記工程(1)〜(3)を繰り返すことを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルと銀との錯体から、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸のアルキルエステルと銀との錯体を分離するための方法であって、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含む高度不飽和脂肪酸のアルキルエステルと銀との錯体を含む水性溶液を、5〜30℃に維持しながら、有機溶媒と接触させ、次いで水相を回収することを含む、方法。
JP2014199852A 2013-09-30 2014-09-30 エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法 Active JP6234908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014199852A JP6234908B2 (ja) 2013-09-30 2014-09-30 エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013203261 2013-09-30
JP2013203261 2013-09-30
JP2014199852A JP6234908B2 (ja) 2013-09-30 2014-09-30 エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015091940A true JP2015091940A (ja) 2015-05-14
JP6234908B2 JP6234908B2 (ja) 2017-11-22

Family

ID=53195276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014199852A Active JP6234908B2 (ja) 2013-09-30 2014-09-30 エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6234908B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017191821A1 (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
JPWO2016194359A1 (ja) * 2015-06-01 2017-12-28 備前化成株式会社 高純度・高収率な高度不飽和脂肪酸の製造方法
WO2018230622A1 (ja) 2017-06-14 2018-12-20 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
WO2020196749A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日清ファルマ株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステル含有組成物の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04103558A (ja) * 1990-08-22 1992-04-06 Sagami Chem Res Center 海洋微生物からエイコサペンタエン酸及びそのエステルを得る方法
JPH04218596A (ja) * 1990-04-24 1992-08-10 Harima Chem Inc 高度不飽和脂肪酸類の選択的取得方法
JPH04243849A (ja) * 1991-01-28 1992-08-31 Harima Chem Inc 高度不飽和脂肪酸類の精製方法
JP2010064974A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Q P Corp 高度不飽和脂肪酸誘導体の取得方法
JP2013542927A (ja) * 2010-09-24 2013-11-28 プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエス ω3脂肪酸を濃縮する方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04218596A (ja) * 1990-04-24 1992-08-10 Harima Chem Inc 高度不飽和脂肪酸類の選択的取得方法
JPH04103558A (ja) * 1990-08-22 1992-04-06 Sagami Chem Res Center 海洋微生物からエイコサペンタエン酸及びそのエステルを得る方法
JPH04243849A (ja) * 1991-01-28 1992-08-31 Harima Chem Inc 高度不飽和脂肪酸類の精製方法
JP2010064974A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Q P Corp 高度不飽和脂肪酸誘導体の取得方法
JP2013542927A (ja) * 2010-09-24 2013-11-28 プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエス ω3脂肪酸を濃縮する方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016194359A1 (ja) * 2015-06-01 2017-12-28 備前化成株式会社 高純度・高収率な高度不飽和脂肪酸の製造方法
KR20180020154A (ko) * 2015-06-01 2018-02-27 비젠 가세이 가부시키가이샤 고순도/고수율을 갖는 고도 불포화 지방산의 제조 방법
KR102604060B1 (ko) * 2015-06-01 2023-11-21 비젠 가세이 가부시키가이샤 고순도/고수율을 갖는 고도 불포화 지방산의 제조 방법
US10196584B2 (en) 2015-06-01 2019-02-05 Bizen Chemical Co., Ltd. Production method of highly unsaturated fatty acid with high purity/high yield
JP6990174B2 (ja) 2016-05-02 2022-02-03 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
CN109072126A (zh) * 2016-05-02 2018-12-21 日清药业股份有限公司 含有高度不饱和脂肪酸的组合物的制造方法
JPWO2017191821A1 (ja) * 2016-05-02 2019-03-07 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
US20190144780A1 (en) * 2016-05-02 2019-05-16 Nisshin Pharma Inc. Method for producing polyunsaturated fatty acid-containing composition
WO2017191821A1 (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
CN109072126B (zh) * 2016-05-02 2022-03-22 日清药业股份有限公司 含有高度不饱和脂肪酸的组合物的制造方法
US10597607B2 (en) 2016-05-02 2020-03-24 Nisshin Pharma Inc. Method for producing polyunsaturated fatty acid-containing composition
JP6518022B1 (ja) * 2017-06-14 2019-05-22 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
US10899994B2 (en) 2017-06-14 2021-01-26 Nisshin Pharma Inc. Method for producing polyunsaturated fatty acid-containing composition
US20200172829A1 (en) * 2017-06-14 2020-06-04 Nisshin Pharma Inc. Method for producing polyunsaturated fatty acid-containing composition
JP2019135307A (ja) * 2017-06-14 2019-08-15 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
WO2018230622A1 (ja) 2017-06-14 2018-12-20 日清ファルマ株式会社 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
WO2020196749A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日清ファルマ株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステル含有組成物の製造方法
CN113574154A (zh) * 2019-03-26 2021-10-29 日清药业股份有限公司 含二十碳五烯酸烷基酯的组合物的制造方法
US11767491B2 (en) 2019-03-26 2023-09-26 Nisshin Pharma Inc. Eicosapentaenoic acid alkyl ester-containing composition and method for producing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP6234908B2 (ja) 2017-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6684932B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸アルキルエステル含有組成物の製造方法
US6395778B1 (en) Process for making an enriched mixture of polyunsaturated fatty acid esters
DK2330177T3 (en) PROCEDURE FOR GETTING HIGHLY UNSaturated Fatty Acid Derivatives
JP6234908B2 (ja) エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸含有組成物の製造方法
CN107709528A (zh) 来自天然油的非常长链多不饱和脂肪酸
KR20170044852A (ko) 오메가-7계 불포화 지방산의 정제공정
WO2018230622A1 (ja) 高度不飽和脂肪酸含有組成物の製造方法
TW201500342A (zh) 製備脂肪酸衍生物的方法
JPH04243849A (ja) 高度不飽和脂肪酸類の精製方法
CN113574154A (zh) 含二十碳五烯酸烷基酯的组合物的制造方法
WO2020138282A1 (ja) エイコサペンタエン酸アルキルエステル含有組成物及びその製造方法
WO2015129190A1 (ja) ステアリドン酸の精製方法
JP2001240893A (ja) エイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法
KR20140003437A (ko) 다중불포화 지방산을 금속 수소화물로 안정화시키는 방법
JP2001335794A (ja) ドコサヘキサエン酸又はその誘導体の精製方法
Chimsook Supercritical fluid extraction of lipids and enrichment of DHA from freshwater fish processing wastes in Thailand
JPS61260097A (ja) 胆汁酸の分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6234908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250