JP2001240893A - エイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法 - Google Patents

エイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法

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JP2001240893A JP2000158809A JP2000158809A JP2001240893A JP 2001240893 A JP2001240893 A JP 2001240893A JP 2000158809 A JP2000158809 A JP 2000158809A JP 2000158809 A JP2000158809 A JP 2000158809A JP 2001240893 A JP2001240893 A JP 2001240893A
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Hiroyuki Sakaguchi
口 裕 之 坂
Hideaki Kobayashi
林 英 明 小
Yoshiko Tamura
村 佳 子 田
Mari Yamada
田 満 里 山
Hiroshi Tanaka
中 博 田
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Harima Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エイコサペンタエン酸(EPA)と、アラキ
ドン酸(AA)及び/又はエイコサテトラエン酸(ET
A)等の高度不飽和脂肪酸を含有した天然由来の脂肪酸
混合物又は誘導体から、銀錯体法によりEPA又は誘導
体を分離・精製する方法の提供。 【解決手段】 EPAAA及び/又はETA等の高度不
飽和脂肪酸含有の天然由来の脂肪酸混合物又は誘導体に
硝酸銀水溶液を硝酸銀のモル数に対する原料中の高度不
飽和脂肪酸又は誘導体の炭素鎖二重結合の総モル数の割
合が0.7以上となるよう混合し次いで形成された錯体
から高度不飽和脂肪酸又は誘導体の解離・分取を水希釈
により行ない、EPA又は誘導体に対するAA又は誘導
体の割合0.9重量%以下、及び/又はETA又は誘導
体の割合0.9重量%以下とすることを特徴とする精製
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともEPA
と、AA及び/又はETA等の高度不飽和脂肪酸を含有
した天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体の銀錯
体法によるEPA又はその誘導体の精製方法における改
良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高度不飽和脂肪酸とは、二重結合を4個
以上有した不飽和脂肪酸をいい、構成脂肪酸として魚油
等に高濃度に存在しているのが認めらている。このよう
に、高度不飽和脂肪酸は天然に存在し得るものであるこ
とから、一般に安全性に優れていると言える。よって、
このような高度不飽和脂肪酸に関して、近年、様々な生
理活性作用が解明され、その結果、医薬品、健康食品、
飼料等に応用されるようになってきた。特に、エイコサ
ペンタエン酸(C20:5(n-3):以下、EPAと表記す
る)は、血小板凝集能の低下作用、血液粘度の低下作
用、血中の中性脂質及びコレステロールの適正化作用、
血圧の適正化作用等の機能を有することから、例えば、
高純度EPAエチルエステルを有効成分として含む医薬
品の他、各種の医薬品が開発されている。
【0003】このように、EPA及びその誘導体は有用
な物質であることから、これらの物質の精製方法が種々
提案されている。例えば、尿素付加法(特開昭57−1
64196号公報)、分子蒸留法、真空精密蒸留法(特
開平9−302380号公報)、液体クロマトグラフィ
ー法(特開昭58−109444号公報)、銀錯体法
(特開平4−218596号公報、特開平4−2438
49号公報、特開平7−242895号公報)等が挙げ
られる。
【0004】EPA又はその誘導体の精製に際しては、
不純物として存在する他の不飽和脂肪酸のうち、特に、
アラキドン酸[C20:4(n-6):以下、AAと表記する]
が、n−3系高度不飽和脂肪酸(IUPAC−IUB命
名法に基き、メチル末端から二重結合の炭素までの炭素
数が3個である高度不飽和脂肪酸)であるEPAの機能
と拮抗するn−6系高度不飽和脂肪酸(メチル末端から
二重結合の炭素までの炭素数が6個である高度不飽和脂
肪酸)であることから、このn−6系高度不飽和脂肪酸
をできるだけ除去することが望まれている。
【0005】この点に関して、上記したような従来の精
製方法には、次のような問題点があった。例えば、尿素
付加法は、尿素が飽和脂肪酸を包接して包接物質を作成
するという特性を利用して、脂肪酸混合物から飽和脂肪
酸を除去することにより高度不飽和脂肪酸を分離精製す
るという方法であるが、この方法では、EPA以外の高
度不飽和脂肪酸も同時に分離されるために、例えば、E
PAと同炭素数の高度不飽和脂肪酸であるAAやエイコ
サテトラエン酸[C20:4(n-3):以下、ETAと表記す
る]も同時に分離されてしまうために、AAやETAが
除去されたEPA又はその誘導体を得ることができない
という問題があった。
【0006】また、分子蒸留法及び真空精密蒸留法は、
いずれも、分子量の違いにより脂肪酸を分別するという
方法であるが、これらの方法では、上述の尿素付加法と
同様に、EPAと分子量が近似しているAAやETAを
EPAから分別できず、AAやETAが除去されたEP
A又はその誘導体を得ることができないという問題があ
った。
【0007】液体クロマトグラフィー法は、充填剤や溶
媒の選択により、EPAをAAやETAから分別するこ
とも可能な方法であり、EPA又はその誘導体の精製方
法としては優れている方法であるが、この精製方法では
多量の有機溶剤が必要とされることからコスト的に高価
となり、しかも、原理的に大量処理が困難であるため
に、工業的規模での生産には適していないという問題が
あった。
【0008】銀錯体法は、高度不飽和脂肪酸が銀イオン
と錯体を形成して水溶性となるという特性を利用した、
脂肪酸混合物からの高度不飽和脂肪酸の分離精製方法で
あるが、この方法は高度不飽和脂肪酸間の分離精製に関
するものではないという問題があった。この精製方法に
関する、例えば特開平4−218596号公報及び特開
平4−243849号公報には、単に、上記の特性を利
用した高度不飽和脂肪酸又はその誘導体の精製方法が開
示されているのみで、例えば、EPAと、EPAと同炭
素数を有し、かつ二重結合数が近似しているAAやET
Aを含有している脂肪酸混合物又はこれらの誘導体か
ら、AAやETAを除去してEPA又はその誘導体を選
択的に精製するという方法については何ら言及されてい
ない。また、この銀錯体法に関する特開平7−2428
95号公報には、EPA又はその誘導体の精製方法につ
いての記載はあっても、上記の2つの公報の場合と同様
に、AAやETAを除去してEPA又はその誘導体を精
製するという方法については何ら言及されていない。し
かも、これら3つの公報で記載の方法は、いずれも形成
した錯体から目的産物を解離・分取する際に有機溶剤を
使用しているために工程が煩雑となり、また近年の環境
問題の観点からも有機溶剤を使用しない方法が望まれ
る、という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな、従来の精製方法における問題が生じ難く、しかも
環境問題も生じ難いEPA又はその誘導体の精製方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に即して種々検討を重ねたところ、少なくともEPA
と、AA及び/又はETA等の高度不飽和脂肪酸を含有
した天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体の銀錯
体法によるEPA又はその誘導体の精製方法おいて、ま
ず、原料である天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘
導体を、錯体形成に必要な硝酸銀水溶液と特定な割合で
混合して錯体を形成させ、次いで該錯体から高度不飽和
脂肪酸又はこれらの誘導体を解離・分取する手段を、水
希釈法により行なうならば、EPAと同炭素数を有し、
かつ不飽和結合数が近似しているAA及び/又はETA
を効率良く除去し得、しかも工業的規模で、かつ高収率
でEPA又はその誘導体を精製し得ることを見出し、し
かも環境問題も生じ難いことを確認し、本発明を完成す
るに至った。
【0011】すなわち、本発明は、少なくともエイコサ
ペンタエン酸(EPA)と、アラキドン酸(AA)及び
/又はエイコサテトラエン酸(ETA)等の高度不飽和
脂肪酸を含有した天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの
誘導体に、硝酸銀水溶液を混合して、高度不飽和脂肪酸
又はこれらの誘導体と銀イオンとの錯体を形成させる手
段と、こうして形成された錯体から高度不飽和脂肪酸又
はこれらの誘導体を解離・分取する手段との組合せによ
る、エイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法に
おいて、硝酸銀水溶液と、原料である上記天然由来の脂
肪酸混合物又はこれらの誘導体との混合を、下記式を満
たすような混合割合でもって行ない、次いで形成された
錯体から高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体を解離・
分取する手段を水希釈により行ない、エイコサペンタエ
ン酸(又はその誘導体)に対するアラキドン酸(又はそ
の誘導体)の割合を0.9重量%以下、及び/又はエイ
コサテトラエン酸(又はその誘導体)の割合を0.9重
量%以下とすることを特徴とするエイコサペンタエン酸
又はその誘導体の精製方法を提供するものである:
【0012】1) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこ
れらの誘導体中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)及び
ヘキサデカテトラエン酸(HDTA)、又はこれらの誘
導体を含有している場合; (式1) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のDHA又はその誘導体(g)/DHA又は
その誘導体の分子量)×6(DHAの二重結合数)+
(原料中のHDTA又はその誘導体(g)/HDTA又
はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
【0013】2) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこ
れらの誘導体中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)又は
その誘導体を含有し、ヘキサデカテトラエン酸(HDT
A)又はその誘導体を含有していない場合; (式2) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のDHA又はその誘導体の量(g)/DHA
又はその誘導体の分子量)×6(DHAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
【0014】3) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこ
れらの誘導体中に、ヘキサデカテトラエン酸(HDT
A)又はその誘導体を含有し、ドコサヘキサエン酸(D
HA)又はその誘導体を含有していない場合; (式3) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のHDTA又はその誘導体の量(g)/HD
TA又はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結
合数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.
【0015】4) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこ
れらの誘導体中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)及び
ヘキサデカテトラエン酸(HDTA)、又はこれらの誘
導体を含有していない場合; (式4) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7 なお、本発明において以下、%はすべて重量%である。
【0016】本発明は、理論によって拘束されるもので
はないが、銀イオンの、高度不飽和脂肪酸の種類による
錯体形成能の微妙な差違を利用し、硝酸銀水溶液中の硝
酸銀のモル数に対する、原料中に含まれているエイコサ
ペンタエン酸等の錯体を形成しやすい特定の高度不飽和
脂肪酸又はこれらの誘導体の炭素鎖中に存在する二重結
合の総モル数の割合を、ある特定割合以上となるよう
に、硝酸銀水溶液と原料である天然由来の脂肪酸混合物
又はこれらの誘導体とを混合することにより、AA及び
/又はETAを効率良く除去してEPA又はその誘導体
を精製するというものである。また、本発明によれば、
混合割合を上記のように特定することに加えて、用いる
硝酸銀水溶液の濃度及び錯体形成温度をコントロールす
ることにより生じる、錯体形成能の微妙な差違を利用す
ることにより、EPA又はその誘導体を高収率で得るこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において高度不飽和脂肪酸とは、分子内に二重結
合を4個以上有した不飽和脂肪酸を意味し、例えば、E
PA、ドコサヘキサエン酸[C22:6(n-3):DHA]、
ETA、AA、ヘキサデカテトラエン酸[C16:4:HD
TA]等が挙げられる。
【0018】また、高度不飽和脂肪酸の誘導体とは、例
えば、メチルエステル、エチルエステル等のエステル型
誘導体、アミド、メチルアミド等のアミド型誘導体、脂
肪アルコール型誘導体等が挙げられる。
【0019】本発明の原料である天然由来の脂肪酸混合
物又はこれらの誘導体としては、少なくともEPAと、
AA及び/又はETA、或いはこれらの誘導体を含有し
たものであれば、特に限定するものではないが、原料の
高度不飽和脂肪酸組成においてEPA及び/又はその誘
導体を主成分としたもの、より具体的には、EPA及び
/又はその誘導体を構成成分として多く含有したもの
が、AA及び/又はETAを効率良く除去できることか
ら、好ましいといえる。このような原料としては、例え
ば、イワシ、サンマ、サバ、マグロ等の海産魚、サプロ
レグニア・パラシティガ、モルティエレラ・エロンガタ
等の微生物、藻類等から抽出された油脂等を加水分解し
て得られる脂肪酸混合物、更に、例えば、メタノール、
エタノール等の低級アルコールと反応させて得られる低
級アルコールエステル等の脂肪酸誘導体の混合物が挙げ
られる。これらの未精製の原料、例えば、魚油由来の未
精製の脂肪酸混合物は、一般的に、EPAを約15〜2
0%、DHAを約7〜10%、HDTAを約3%、AA
を約1%、ETAを約1%含有しているが、従来の方法
で精製して、EPA含有量を、例えば、30〜90%に
高めたものを原料として用いてもよい。なお、EPA、
DHA及びHDTAは、お互に分子量が大きく異なって
いることから、例えば、真空精密蒸留法等の従来の精製
方法により、予めDHA及び/又はHDTAを除去して
おいてもよい。
【0020】本発明の方法によれば、まず、硝酸銀水溶
液と、原料である天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの
誘導体との混合を、下記式を満たすような混合割合でも
って行ない、錯体を形成させる。このような条件下で混
合するならば、例えば、EPAを15〜45%含有した
ものを原料として用いた場合には、最終的に得られる製
品は、EPAの含有率が約20〜40%程度増加して、
約35〜85%のものとなり、また、EPAに対するA
Aの割合が0.9%以下、及び/又はETAの割合が
0.9%以下にまで減少された製品が得られる。
【0021】1) 天然由来の脂肪酸混合物又はこれら
の誘導体中に、DHA及びHDTA、又はこれらの誘導
体を含有している場合; (式1) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のDHA又はその誘導体(g)/DHA又は
その誘導体の分子量)×6(DHAの二重結合数)+
(原料中のHDTA又はその誘導体の量(g)/HDT
A又はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
【0022】2) 天然由来の脂肪酸混合物又はこれら
の誘導体中に、DHA又はその誘導体を含有し、HDT
A又はその誘導体を含有していない場合; (式2) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のDHA又はその誘導体の量(g)/DHA
又はその誘導体の量の分子量)×6(DHAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
【0023】3) 天然由来の脂肪酸混合物又はこれら
の誘導体中に、HDTA又はその誘導体を含有し、DH
A又はその誘導体を含有していない場合; (式3) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
+(原料中のHDTA又はその誘導体の量(g)/HD
TA又はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結
合数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.
【0024】4) 天然由来の脂肪酸混合物又はこれら
の誘導体中に、DHA及びHDTA、又はこれらの誘導
体を含有していない場合; (式4) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合
数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
【0025】上記式の値が0.7より小さいと、AA及
びETA又はこれらの誘導体を十分に除去できない。即
ち、EPA(又はその誘導体)に対するAA(又はその
誘導体)の割合を0.9%以下、及び/又はETA(又
はその誘導体)の割合を0.9%以下とすることができ
ず、好ましくない。
【0026】本発明の方法によれば、上記式の値が0.
7〜1.1であるのが好ましい。1.1より大きいと、
原料中のEPA又はその誘導体の量に対する、本発明の
最終製品中のEPA又はその誘導体の量の割合、即ち、
EPA又はその誘導体の収率が、低下するようになるの
で好ましくない。なお、ここにおいて、EPA又はその
誘導体の収率とは、下記の式により算出したものをい
う。 (式5) EPA(又はその誘導体)収率(%)=[製品中のEP
A(又はその誘導体)量(g)/原料中のEPA(又は
その誘導体)量(g)]×100
【0027】本発明の方法で用いる硝酸銀水溶液として
は、清水、精製水、蒸留水等の水に、或いはこれらの水
と、例えば、グリセリン、エチレングリコール等の多価
アルコール、エタノール等の低級アルコール等の水性溶
媒とを混合したものに、硝酸銀を溶解させたものが挙げ
られる。しかし、硝酸銀は高価なものであるので、工業
的生産規模で実施した際には、使用した硝酸銀水溶液を
再利用することが望ましい。その場合、濃度調整が容易
な水を溶媒として用いることが好ましく、そうすること
により、解離・分取の際得られる硝酸銀水溶液を濃縮
し、使用に際して単に水で濃度調整することにより再利
用に供することができる。
【0028】硝酸銀水溶液の濃度は40%以上であるこ
とが好ましい。40%未満では、EPA又はその誘導体
の収率が低下するようになり、好ましくない。なお、濃
度の上限は特に限定されるものではない。本発明の方法
においては飽和状態にあるものも使用可能である。具体
的には、例えば、水を溶媒としたものでは、約70%程
度が飽和状態である。
【0029】本発明の方法によれば、原料である脂肪酸
混合物又はこれらの誘導体と、硝酸銀水溶液とを混合
し、高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体と、銀イオン
との錯体を形成させる手段(工程)を15℃以下で行な
うことが好ましい。15℃より高い温度で行なうとEP
A又はその誘導体の収率が低下するようになり、好まし
くないからである。なお、上記工程の温度の下限は特に
限定されるものではないが、−10℃以上が望ましい。
−10℃より低いと、例えば、錯体を形成しなかった飽
和脂肪酸又はその誘導体等が固化したり、また、冷却操
作にコストがかかる等、工業的規模での生産にとっては
望ましくないからである。また、「錯体形成手段(工
程)を15℃以下で行なう」とは、混合の際の最終品温
を15℃以下とし、その後の静置による油脂相(上層)
と錯体を含有した硝酸銀水溶液相(下層)との分別、及
び下層の硝酸銀水溶液相を分取するまで品温を15℃以
下に維持することを意味する。
【0030】本発明の方法によれば、形成された錯体か
ら高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体を、次いで、解
離・分取する。この解離・分取手段(工程)においては
有機溶剤は使用せず、該手段を清水、精製水、蒸留水等
の水で希釈することにより行なう。従来の方法では、高
度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体の解離・分取の際に
は、有機溶剤を用いていたが、水希釈により解離・分取
することで、近年の環境問題に配慮するだけでなく、有
機溶剤の除去工程も省かれることから、操作上工程が簡
便となり、好ましい。
【0031】希釈する水の量としては、用いた硝酸銀水
溶液に対し等量以上、具体的には、1〜30倍量の水を
用いるとよい。1倍量より少ないと、錯体から高度不飽
和脂肪酸又はこれらの誘導体を十分に解離させることが
難しく、一方、30倍量程度の水を添加すれば、ほぼ全
ての錯体を解離させることができることから、それ以上
の水を加えることは経済的ではない。
【0032】以下、本発明の代表的な方法を具体的に示
すが、本発明は、これに限定されるものではない。ま
ず、少なくともEPAと、AA及び/又はETA等の高
度不飽和脂肪酸を含有した天然由来の脂肪酸混合物又は
これらの誘導体、及び、硝酸銀水溶液を準備する。な
お、原料の脂肪酸組成については、予め分析しておく。
【0033】このような天然由来の脂肪酸混合物又はこ
れらの誘導体としては、具体的には、例えば、魚油を加
水分解して得られる脂肪酸混合物、該脂肪酸混合物を常
法により、エチルエステル化した脂肪酸誘導体の混合
物、さらに分子蒸留等によりEPA又はその誘導体の純
度を高めたもの等が挙げられるが、これらはいずれも市
販されていることから、本発明においても、このような
市販品を用いてもよい。
【0034】硝酸銀水溶液としては、硝酸銀の再利用や
EPA又はその誘導体の収率の観点から、水を溶媒と
し、濃度を40〜70%としたものを用いるとよい。こ
のようにして用意した硝酸銀水溶液と、原料の脂肪酸混
合物又はこれらの誘導体とをまず混合し、高度不飽和脂
肪酸又はこれらの誘導体と銀イオンとを接触させて錯体
を形成させる。硝酸銀水溶液と原料の脂肪酸混合物との
混合割合は、既述の式1〜4の値が0.7以上、好まし
くは0.7〜1.1となるように選択する。
【0035】また、混合に際しては、EPA又はその誘
導体の収率の観点から、最終品温が15℃以下となるよ
うに温度を調節する。具体的には、例えば、原料の脂肪
酸混合物又はこれらの誘導体と硝酸銀水溶液とを、全体
的に−10〜15℃に冷却しながら混合する。
【0036】得られた混合物を10分間以上静置して油
脂相(上層)と、錯体を含有している硝酸銀水溶液相
(下層)とに分別し、下層の硝酸銀水溶液相を分取す
る。なお、硝酸銀水溶液相の分取が終了するまで全体の
品温を15℃以下に維持する。
【0037】硝酸銀水溶液中の錯体から高度不飽和脂肪
酸(又はこれらの誘導体)を解離・分取するために、用
いた硝酸銀水溶液に対して1〜30倍量の水を添加・混
合し、10分間以上静置して高度不飽和脂肪酸又はこれ
らの誘導体の相(上層)と硝酸銀水溶液相(下層)とに
分別し、下層の硝酸銀水溶液相を除去して上層の高度不
飽和脂肪酸又はこれらの誘導体を分取する。なお、錯体
からの解離・分取の操作は、硝酸銀水溶液相(下層)が
凍らない程度以上の温度で、具体的には、0〜80℃の
温度下で行うとよい。以上の方法により、EPA(又は
その誘導体)に対するAA(又はその誘導体)の割合が
0.9%以下、及び/又はETA(又はその誘導体)の
割合が0.9%以下となったEPA又はその誘導体の精
製品が得られる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例でもって更
に詳しく説明する。実施例1 魚油由来の脂肪酸エチルエステル混合物(エチルエステ
ルとして、EPA=17.74%、DHA=8.45
%、HDTA=2.74%、AA=1.15%、ETA
=0.87%含有)55gと、精製水50gに硝酸銀5
0gを溶解させた50%濃度の硝酸銀水溶液100gと
をビーカーに採取し、低温恒温水槽で全体を冷却しなが
ら20分間攪拌混合して、高度不飽和脂肪酸エチルエス
テルと銀イオンとの錯体を形成させた。20分後の品温
は5℃であった。次いで、予め5℃に冷却しておいた分
液ロートに、こうして得られた混合物を直ちに移し、5
℃に設定した恒温器中で20分間静置して、油脂相(上
層)と、錯体を含有した硝酸銀水溶液相(下層)とに分
別し、下層の硝酸銀水溶液相をビーカーに分取した。硝
酸銀水溶液中の錯体から、高度不飽和脂肪酸エチルエス
テルを解離させ、分取するために、分別・分取した硝酸
銀水溶液相に900gの精製水を添加し、室温にて20
分間攪拌後、分液ロートに移し、20分間静置させ、下
層の硝酸銀水溶液相を除去して上層の高度不飽和脂肪酸
エチルエステルを分取した。
【0039】得られた高度不飽和脂肪酸エチルエステル
には、分析の結果、EPAエチルエステルが約50%含
有しているのが判明した。また、EPAエチルエステル
に対するAAエチルエステルの割合、及びETAエチル
エステルの割合は、原料では、それぞれ6.48%、
4.90%であったものが、得られた高度不飽和脂肪酸
エチルエステルでは、0.46%、0.77%であっ
た。更にまた、EPAエチルエステルの収率は75%で
あった。
【0040】なお、上記実施例においては、硝酸銀水溶
液と、原料である魚油由来の脂肪酸エチルエステル混合
物との混合割合は、式1に基づき、0.84であった。
【0041】また、脂肪酸の分析は、下記の条件下に
て、ガスクロマトグラフィー法により、得られた各成分
の面積%を重量%に換算することにより行なった。 機種: 5890seriesII(Hewlett Packard) カラム: Omegawax250(Supelco)、φ0.25mm×30m 検出器: FID 注入口(検出口)温度:250℃(260℃) キャリアーガス(He):60ml/min 水素(空気): 1.2(1.1)kg/cm2 カラム温度: 初期温度 205℃(保持時間10min) 最終温度 240℃(保持時間26min) 昇温速度 2.5℃/min インティグレーター: Chromatocorder12(システムインスツルメンツ(株)) また、除去して得られた硝酸銀水溶液は、エバポレータ
ーで濃縮しておくと、使用に際して、単に濃度調整をす
ることにより、再使用に供することができる。
【0042】実施例2 魚油由来の脂肪酸エチルエステル混合物(エチルエステ
ルとして、EPA=41.19%、DHA=6.72
%、HDTA=0.16%、AA=3.06%、ETA
=1.65%含有)32.5gと、精製水55gに硝酸
銀45gを溶解させた45%濃度の硝酸銀水溶液100
gを用いたこと、並びに、脂肪酸エチルエステル混合物
と硝酸銀水溶液とを混合する工程から錯体を含有した硝
酸銀水溶液を分取する工程までの、錯体を形成させる手
段を10℃の下で行なったこと以外は、すべて上記実施
例1に準じて、高度不飽和脂肪酸エチルエステルを分取
した。
【0043】得られた高度不飽和脂肪酸エチルエステル
には、分析の結果、EPAエチルエステルが約75%含
有しているのが判明した。また、EPAエチルエステル
に対するAAエチルエステルの割合、及びETAエチル
エステルの割合は、原料では、それぞれ7.43%、
4.01%であったが、得られた高度不飽和脂肪酸エチ
ルエステルでは、0.52%、0.61%であった。更
にまた、EPAエチルエステルの収率は76%であっ
た。なお、上記実施例においては、硝酸銀水溶液と、原
料である魚油由来の脂肪酸エチルエステル混合物との混
合割合は、式1に基き、0.91であった。
【0044】試験例1 実施例1において、原料の脂肪酸エチルエステル混合物
の使用量を変え、式1に基く混合割合を、表1に示した
ものにした以外は、すべて上記実施例1に準じて、混合
割合の違いによる、最終製品におけるEPAエチルエス
テルに対するAAエチルエステルの割合、及びETAエ
チルエステルの割合への影響について調べた。なお、最
終製品は、いずれもEPAエチルエステルを約50%含
有していた。
【0045】
【表1】 表1の結果から、混合割合が0.70以上でないと、E
PAエチルエステルに対するAAエチルエステルの割
合、及びETAエチルエステルの割合が0.9%以下の
ものは得られないことがわかる。
【0046】試験例2 実施例1において、上記試験例1と同様に、原料の脂肪
酸エチルエステル混合物の使用量を変え、式1に基づく
混合割合を、表2に示したものにした以外は、すべて上
記実施例1に準じて、混合割合の違いによる、最終製品
におけるEPAエチルエステルの収率への影響について
調べた。なお、最終製品は、いずれもEPAエチルエス
テルを約50%含有していた。
【0047】
【表2】 表2の結果から、製品3〜5は、いずれもEPAエチル
エステルに対するAAエチルエステルの割合、及びET
Aエチルエステルの割合は0.9%以下であるが、混合
割合が1.1より大きいと、EPAエチルエステルの収
率が低下してしまい、好ましくないことがわかる。
【0048】試験例3 実施例1において、用いる硝酸銀水溶液の濃度を、表3
に示したものに変え、また、硝酸銀水溶液の使用量を、
式1に基く混合割合が0.84の一定値となるような量
とした以外は、すべて実施例1に準じて、硝酸銀水溶液
の濃度の違いによる、最終製品におけるEPAエチルエ
ステルの収率への影響について調べた。なお、最終製品
は、いずれもEPAエチルエステルを約50%含有して
いた。
【0049】
【表3】 表3の結果から、製品3、6、7は、いずれもEPAエ
チルエステルに対するAAエチルエステルの割合、及び
ETAエチルエステルの割合は0.9%以下であるが、
硝酸銀水溶液の濃度が40%より低いと、EPAエチル
エステルの収率が低下してしまい、好ましくないことが
わかる。
【0050】試験例4 実施例2において、錯体を形成させる手段を、表4に示
した温度に変えた以外は、実施例2に準じて、錯体形成
温度の違いによる、最終製品におけるEPAエチルエス
テルの収率への影響について調べた。なお、最終製品
は、いずれもEPAエチルエステルを約75%含有して
いた。
【0051】
【表4】 表4の結果から、製品8〜10はいずれもEPAエチル
エステルに対するAAエチルエステルの割合、及びET
Aエチルエステルの割合は0.9%以下であるが、錯体
形成温度が15℃より高くなると、EPAエチルエステ
ルの収率が低下してしまい、好ましくないことがわか
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、天然由来の脂肪
酸混合物又はこれらの誘導体から、EPA(又はその誘
導体)に対するAA(又はその誘導体)の割合が0.9
%以下、及び/又はETA(又はその誘導体)の割合が
0.9%以下にまで精製されたEPA又はその誘導体製
品が得られることから、特に医薬品等の分野においてE
PA又はその誘導体を有効成分とした製品への利用拡大
が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 林 英 明 東京都府中市住吉町5丁目13番地の1 キ ユーピー株式会社研究所内 (72)発明者 田 村 佳 子 東京都府中市住吉町5丁目13番地の1 キ ユーピー株式会社研究所内 (72)発明者 山 田 満 里 東京都府中市住吉町5丁目13番地の1 キ ユーピー株式会社研究所内 (72)発明者 田 中 博 東京都府中市住吉町5丁目13番地の1 キ ユーピー株式会社研究所内 Fターム(参考) 4H059 AA04 AA08 BA26 BA30 BB05 BB07 CA31 EA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともエイコサペンタエン酸(EP
    A)と、アラキドン酸(AA)及び/又はエイコサテト
    ラエン酸(ETA)等の高度不飽和脂肪酸を含有した天
    然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体に、硝酸銀水
    溶液を混合して、高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体
    と銀イオンとの錯体を形成させる手段と、こうして形成
    された錯体から高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘導体を
    解離・分取する手段との組合せによる、エイコサペンタ
    エン酸又はその誘導体の精製方法において、硝酸銀水溶
    液と、原料である上記天然由来の脂肪酸混合物又はこれ
    らの誘導体との混合を、下記式を満たすような混合割合
    でもって行ない、次いで形成された錯体から高度不飽和
    脂肪酸又はこれらの誘導体を解離・分取する手段を水希
    釈により行ない、エイコサペンタエン酸(又はその誘導
    体)に対するアラキドン酸(又はその誘導体)の割合を
    0.9重量%以下、及び/又はエイコサテトラエン酸
    (又はその誘導体)の割合を0.9重量%以下とするこ
    とを特徴とするエイコサペンタエン酸又はその誘導体の
    精製方法: 1) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体
    中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びヘキサデカテ
    トラエン酸(HDTA)、又はこれらの誘導体を含有し
    ている場合; (式1) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
    又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
    +(原料中のDHA又はその誘導体(g)/DHA又は
    その誘導体の分子量)×6(DHAの二重結合数)+
    (原料中のHDTA又はその誘導体(g)/HDTA又
    はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結合
    数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7 2) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体
    中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はその誘導体を
    含有し、ヘキサデカテトラエン酸(HDTA)又はその
    誘導体を含有していない場合; (式2) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
    又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
    +(原料中のDHA又はその誘導体の量(g)/DHA
    又はその誘導体の分子量)×6(DHAの二重結合
    数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7 3) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体
    中に、ヘキサデカテトラエン酸(HDTA)又はその誘
    導体を含有し、ドコサヘキサエン酸(DHA)又はその
    誘導体を含有していない場合; (式3) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
    又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合数)
    +(原料中のHDTA又はその誘導体の量(g)/HD
    TA又はその誘導体の分子量)×4(HDTAの二重結
    合数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.
    7 4) 上記天然由来の脂肪酸混合物又はこれらの誘導体
    中に、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びヘキサデカテ
    トラエン酸(HDTA)、又はこれらの誘導体を含有し
    ていない場合; (式4) [(原料中のEPA又はその誘導体の量(g)/EPA
    又はその誘導体の分子量)×5(EPAの二重結合
    数)]/[硝酸銀量(g)/硝酸銀の分子量]≧0.7
  2. 【請求項2】上記式の値が0.7〜1.1である、請求
    項1記載のエイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製
    方法。
  3. 【請求項3】硝酸銀水溶液の濃度が40重量%以上であ
    る、請求項1又は2記載のエイコサペンタエン酸又はそ
    の誘導体の精製方法。
  4. 【請求項4】錯体を形成させる手段を15℃以下で行な
    う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエイコサペン
    タエン酸又はその誘導体の精製方法。
  5. 【請求項5】錯体から高度不飽和脂肪酸又はこれらの誘
    導体を解離・分取する手段を水希釈により行なうに際し
    て、希釈する水の量を、用いた硝酸銀水溶液に対して1
    〜30倍量とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載
    のエイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法。
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