JP2015090963A - レーザモジュール及びレーザ光生成方法 - Google Patents

レーザモジュール及びレーザ光生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバを固定する接着材が発火して生じる重大事故を回避することができるレーザモジュールを提供する。【解決手段】レーザモジュール1は、内部にパッケージ内部空間Sが形成されたパッケージ筐体10と、パッケージ内部空間Sに配置されたレーザ素子20と、レーザ素子20から発せられたレーザ光をパッケージ筐体10の外部に伝搬する光ファイバ30と、光ファイバ30をパッケージ筐体10に対して固定する接着材35,36と、パッケージ内部空間S内に設けられた有機物からなる燃焼部材50とを備えている。燃焼部材50の発火点は、接着材35,36の耐熱温度以上発火点未満となっている。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザモジュールに係り、特にレーザ素子から発されたレーザ光を外部に出力するレーザモジュールに関するものである。
従来から、レーザ素子と、内部にレーザ素子を収容したパッケージ筐体と、レーザ素子から発せられたレーザ光をパッケージ筐体の外部に伝搬する光ファイバとを備えたレーザモジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、このような従来のレーザモジュール501の一例を示す断面図である。図1に示すように、光ファイバ530の端部は接着材535によりフェルール540に固定されている。パッケージ筐体510の側壁511にはスリーブ515が形成されており、このスリーブ515の内部に上記フェルール540が挿入されている。フェルール540は接着材536によりスリーブ515内に固定されている。
パッケージ筐体510内には、半導体レーザ素子520から出射されたレーザ光を集束するレンズ526A,526Bが配置されており、これらのレンズ526A,526Bによりレーザ素子520から発せられたレーザ光は光ファイバ530の端部に集光されるようになっている。
このような従来のレーザモジュールにおいて、レーザ素子520からのレーザ光の漏れ光が、光ファイバ530を固定するために用いられている接着材535,536に照射されると光吸収により接着材535,536の温度が上昇する。何らかの原因で光軸ずれが生じて漏れ光のパワーが強くなると、最悪の場合、この接着材535,536が発火に至ることがある。また、接着材535,536が長期的に高温環境下に置かれると、漏れ光の吸収率が増加して発熱しやすくなる。そして、さらなる発熱がさらに吸収率を増加させるという負の循環に陥り、やはり最終的には接着材535,536の発火に至ることがある。
接着材535,536が発火する前にレーザ光を停止できれば、接着材535,536の発火を防ぐことができるが、接着材535,536から発火した状態でレーザ素子520からレーザ光が発せられ続けると、接着材535,536の周囲へ影響が広がり大規模な火災などの重大事故を招くおそれがある。
特開平7−287130号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、光ファイバを固定する接着材が発火して生じる重大事故を回避して安全性を高めることができるレーザモジュールを提供することを目的とする。
また、本発明は、光ファイバを固定する接着材が発火して生じるレーザモジュールの重大事故を回避して安全性を高めることができるレーザ光生成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、光ファイバを固定する接着材が発火して生じる重大事故を回避して安全性を高めることができるレーザモジュールが提供される。このレーザモジュールは、内部にパッケージ内部空間が形成されたパッケージ筐体と、上記パッケージ内部空間に配置されたレーザ素子と、上記レーザ素子から発せられたレーザ光を上記パッケージ筐体の外部に伝搬する光ファイバと、上記光ファイバを上記パッケージ筐体に対して固定する接着材と、上記パッケージ内部空間内に設けられた有機物からなる燃焼部材とを備えている。上記燃焼部材の発火点は、上記接着材の耐熱温度以上発火点未満である。
本発明の第2の態様によれば、光ファイバを固定する接着材が発火して生じるレーザモジュールの重大事故を回避して安全性を高めることができるレーザ光生成方法が提供される。このレーザ光生成方法では、パッケージ筐体内に形成されたパッケージ内部空間に配置されたレーザ素子からレーザ光を出射して、該レーザ光を上記パッケージ筐体に接着材により固定された光ファイバに入射させて上記パッケージ筐体の外部に伝搬させる。発火点が上記接着材の耐熱温度以上発火点未満である有機物からなる燃焼部材を上記パッケージ内部空間に設ける。上記燃焼部材が接着材の耐熱温度以上発火点未満の温度に達した場合に、上記燃焼部材を燃焼させて燃焼により生じた燃焼ガス又は微粒子を上記レーザ素子に付着させて該レーザ素子の機能を停止させる。
ここで、上記接着材に接触するように上記燃焼部材を取り付けることが好ましい。また、上記光ファイバを保持するフェルールに接触するように上記燃焼部材を取り付けることが好ましい。また、上記レーザ素子に対して上記光ファイバ側の位置に上記燃焼部材を取り付けることが好ましい。
本発明によれば、レーザ光の漏れ光の照射や高温下での長期的な使用により接着材の温度が上昇してその耐熱温度を超えると、接着材が発火温度に達する前に燃焼部材が燃焼する。この燃焼により生じた燃焼ガスや微粒子の一部がレーザ素子の端面に付着し、レーザ素子の端面に光学損傷が生じてレーザ発振が停止する。したがって、接着材の温度が上昇して発火する前にレーザ発振を停止させることができるので、大規模な火災といった重大事故を回避して安全性を高めることができる。
従来のレーザモジュールの一例を断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるレーザモジュールを模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるレーザモジュールを模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるレーザモジュールを模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係るレーザモジュールの実施形態について図2から図4を参照して詳細に説明する。なお、図2から図4において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図2は、本発明の第1の実施形態におけるレーザモジュール1を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態におけるレーザモジュール1は、側壁11,12と、下部壁13と、上部壁14とからなるパッケージ筐体10を備えている。パッケージ筐体10内には、壁11,12,13,14によりパッケージ内部空間Sが形成されている。このパッケージ内部空間Sには半導体レーザ素子20が配置されている。なお、符号60はパッケージ筐体10を冷却するためのヒートシンクである。
また、レーザ素子20に電力を供給するためのリード22が、パッケージ筐体10の側壁12を貫通して設けられている。このリード22はボンディングワイヤ24によりレーザ素子20に接続されている。
また、レーザモジュール1は、レーザ素子20から発せられるレーザ光を外部に伝搬する光ファイバ30を備えている。この光ファイバ30の端部の周囲はフェルール40により被覆されており、光ファイバ30は接着材35によりフェルール40に保持及び固定されている。この接着材35としては、例えば、米国のEpoxy Technology社から入手可能なEPO-TEK 353NDを用いることができる。
パッケージ筐体10の側壁11にはスリーブ15が形成されており、このスリーブ15の内部に上記フェルール40が挿入されている。このフェルール40は接着材36によりスリーブ15内に固定されている。この接着材36としては、例えば、上述したEPO-TEK 353NDを用いることができる。
フェルール40は、接着材35や接着材36からの熱を伝えやすい材料からなることが好ましい。このような熱伝導性の良い材料として、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などを用いることができる。また、接着材35や接着材36からの伝熱性を考慮すると、フェルール40の厚さは約0.5mm〜約3mmであることが好ましい。さらに、フェルール40は、使用する光の波長に対する吸収率が高い材料からなることが好ましい。例えば、近赤外光を使用する場合であれば、近赤外光に対する吸収率が比較的高い材料としてニッケルやステンレス鋼などを用いることができる。
パッケージ筐体10のパッケージ内部空間Sにはレンズ26A,26Bが配置されており、これらのレンズ26A,26Bによりレーザ素子20から発せられたレーザ光が、光ファイバ30の端部に集光されるようになっている。
図2に示すように、パッケージ筐体10のパッケージ内部空間Sには有機物からなる燃焼部材50が設けられている。本実施形態では、燃焼部材50は、側壁11の内面に取り付けられており、フェルール40及び接着材36に接触するように光ファイバ30の端部近傍に配置される。
この燃焼部材50は、接着材35又は接着材36の耐熱温度(例えば100℃〜200℃)以上発火点(例えば500℃)未満の発火点を有する有機物質からなる。このような燃焼部材50としては、例えば、ドイツ連邦共和国のPanacol-Elosol社から入手可能なVitralit UC 1609などのシリカフィラー含有エポキシ樹脂を用いることができるが、これに限られるものではない。
このような構成において、レーザ素子20から発せられたレーザ光は、レンズ26A,26Bにより光ファイバ30の端部に集光され、光ファイバ30によりパッケージ筐体10の外部に伝搬される。
このとき、レーザ光の漏れ光の照射や高温下での長期的な使用により接着材35や接着材36の温度が上昇してその耐熱温度を超えると、接着材35,36が発火温度(発火点)に達する前に燃焼部材50が燃焼する。この燃焼により生じた燃焼ガスや微粒子の一部は、レーザ素子20の端面に付着する。これによりレーザ素子20の端面での光吸収が増し、端面の温度が上昇する。最終的には端面が溶融して光学損傷(catastrophic optical damage:COD)が生じてレーザ発振が停止する。このように、本実施形態では、接着材35や接着材36の温度が上昇しても、接着材35や接着材36が発火温度に達する前に燃焼部材50を燃焼させてレーザ素子20にCODを生じさせることができるので、大規模な火災といった重大事故を回避して安全性を高めることができる。
図3は、本発明の第2の実施形態におけるレーザモジュール101を模式的に示す断面図である。図3に示すように、本実施形態におけるレーザモジュール101では、フェルール40がパッケージ筐体10のパッケージ内部空間Sまで延出されており、フェルール40の端部がパッケージ内部空間Sに設置された保持部170に保持されている。フェルール40は接着材136により保持部170内に固定されている。この接着材136としては、例えば、上述したEPO-TEK 353NDを用いることができる。
パッケージ筐体10のパッケージ内部空間Sには、保持部170とレーザ素子20との間にレンズ126が配置されており、レーザ素子20から発せられたレーザ光がレンズ126により光ファイバ30の端部に集光されるようになっている。
本実施形態では、保持部170の側面に有機物からなる燃焼部材150が取り付けられており、この燃焼部材150はフェルール40及び接着材136に接触するように配置されている。この燃焼部材150は、第1の実施形態における燃焼部材50と同様に、接着材136,35,36の耐熱温度(例えば100℃〜200℃)以上発火点(例えば500℃)未満の発火点を有する有機物質からなる。
本実施形態においても、レーザ光の漏れ光の照射や高温下での長期的な使用により接着材136,35,36の温度が上昇しても、接着材136,35,36が発火温度に達する前に燃焼部材150が燃焼してレーザ素子20にCODを生じさせることができる。したがって、大規模な火災といった重大事故を回避して安全性を高めることができる。
図4は、本発明の第3の実施形態におけるレーザモジュール201を模式的に示す断面図である。図4に示すように、本実施形態におけるレーザモジュール201は、第1の実施形態における燃焼部材50をパッケージ筐体10の上部壁14の下面に取り付けたものである。このように、燃焼部材50をパッケージ内部空間Sのどの位置に設けてもよい。
ここで、レーザ素子20に対して光ファイバ30の反対側(例えば側壁12)ではレーザ光による発熱が生じにくいため、接着材35,36の温度に対する反応性を高めるために、レーザ素子20に対して光ファイバ30側に燃焼部材50を取り付けることが好ましい。なお、ヒートシンク60が取り付けられる下部壁13の温度は接着材35,36の温度に対して低くなるので、燃焼部材50を下部壁13ではなく、側壁11や上部壁14に取り付けることが好ましい。
また、接着材35又は接着材36の温度に対する反応性をさらに高めるためには、接着材35又は接着材36に接触するように燃焼部材50を取り付けることが好ましい。この場合において、燃焼部材50が直接接着材35や接着材36に接触している必要はなく、他の部材を介して間接的に接触していてもよい。
なお、第2の実施形態においても、本実施形態と同様に、パッケージ筐体10の上部壁14の下面やその他の場所に燃焼部材150を取り付けてもよい。
上述した実施形態では、光ファイバ30がフェルール40を介してスリーブ15や保持部170に固定されている例を説明したが、これに限られず、光ファイバ30を直接接着材によりパッケージ筐体10に固定しているレーザモジュールに対しても本発明を適用することができる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 レーザモジュール
10 パッケージ筐体
11 側壁
12 側壁
13 下部壁
14 上部壁
15 スリーブ
20 半導体レーザ素子
26A レンズ
26B レンズ
30 光ファイバ
35 接着材
36 接着材
40 フェルール
50 燃焼部材
60 ヒートシンク
101 レーザモジュール
126 レンズ
150 燃焼部材
170 保持部
201 レーザモジュール
S パッケージ内部空間

Claims (8)

  1. 内部にパッケージ内部空間が形成されたパッケージ筐体と、
    前記パッケージ内部空間に配置されたレーザ素子と、
    前記レーザ素子から発せられたレーザ光を前記パッケージ筐体の外部に伝搬する光ファイバと、
    前記光ファイバを前記パッケージ筐体に対して固定する接着材と、
    前記パッケージ内部空間内に設けられた有機物からなる燃焼部材であって、発火点が前記接着材の耐熱温度以上発火点未満である燃焼部材と、
    を備えたことを特徴とするレーザモジュール。
  2. 前記燃焼部材は、前記接着材に接触するように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザモジュール。
  3. 前記光ファイバを保持するフェルールをさらに備え、
    前記燃焼部材は、前記フェルールに接触するように取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザモジュール。
  4. 前記燃焼部材は、前記レーザ素子に対して前記光ファイバ側の位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザモジュール。
  5. パッケージ筐体内に形成されたパッケージ内部空間に配置されたレーザ素子からレーザ光を出射して、該レーザ光を前記パッケージ筐体に接着材により固定された光ファイバに入射させて前記パッケージ筐体の外部に伝搬させるレーザ光生成方法であって、
    発火点が前記接着材の耐熱温度以上発火点未満である有機物からなる燃焼部材を前記パッケージ内部空間に設け、
    前記燃焼部材が前記接着材の耐熱温度以上発火点未満の温度に達した場合に、前記燃焼部材を燃焼させて燃焼により生じた燃焼ガス又は微粒子を前記レーザ素子に付着させて該レーザ素子の機能を停止させる、
    ことを特徴とするレーザ光生成方法。
  6. 前記接着材に接触するように前記燃焼部材を取り付けることを特徴とする請求項5に記載のレーザ光生成方法。
  7. 前記光ファイバを被覆するフェルールに接触するように前記燃焼部材を取り付けることを特徴とする請求項5又は6に記載のレーザ光生成方法。
  8. 前記レーザ素子に対して前記光ファイバ側の位置に前記燃焼部材を取り付けることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のレーザ光生成方法。
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