JP2015089602A - 刃先交換式切削工具及びその工具本体 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート取付座に対して切削インサートがインサート軸線回りに回転することを安定して確実に防止できること。
【解決手段】工具軸線回りに回転する工具本体の先端外周部に形成されたインサート取付座4に、円板状をなす切削インサート3が着脱可能に装着され、切削インサート3は、インサート軸線C方向を向く一対の円形面と、この切削インサート3をインサート軸線C方向に貫通してインサート軸線C上に位置する取付孔18と、一対の円形面のうち、インサート取付座4の工具回転方向の前方を向く取付面4aに着座される他方の円形面に形成されて、一方の円形面側へ向けて窪む凹部19と、を有し、取付面4aには、凹部19に挿入されるとともにインサート軸線C回りに係止される凸部9が突設され、凸部9は、インサート取付座4に装着された切削インサート3の取付孔18に対して、工具軸線に直交する工具径方向の内側に配置される。
【選択図】図11

Description

本発明は、工具軸線回りに回転する工具本体の先端外周部に形成されたインサート取付座に、円板状をなす切削インサートがそのインサート軸線回りに回転することを規制された状態で装着された刃先交換式切削工具、及びその工具本体に関するものである。
従来、金属材料からなる被削材のミーリング加工(転削加工)に用いられる刃先交換式ミーリング工具等の刃先交換式切削工具として、例えば下記特許文献1、2に示されるものが知られている。
これら特許文献1、2に示される刃先交換式切削工具は、工具軸線回りに回転する工具本体の先端外周部に形成されたインサート取付座に、円板状をなす切削インサート(丸駒インサート)が着脱可能に装着されている。
また切削インサートは、この切削インサートのインサート軸線方向を向く一対の円形面と、前記インサート軸線に直交するインサート径方向の外側を向く外周面と、この切削インサートを前記インサート軸線方向に貫通して前記インサート軸線上に位置する取付孔と、この切削インサートが前記インサート取付座に装着された状態で、前記一対の円形面のうち前記工具軸線回りに沿う工具回転方向の前方を向く一方の円形面と前記外周面との間で交差稜線をなす切れ刃と、前記一対の円形面のうち、前記インサート取付座の前記工具回転方向の前方を向く取付面に着座される他方の円形面(着座面)に形成されて、前記一方の円形面側へ向けて窪む凹部と、を有しており、前記凹部における前記インサート径方向の内側は、前記取付孔に連通している。
また切削インサートは、その取付孔にクランプネジが挿通されるとともにインサート取付座の取付面に穿設されたネジ穴に螺着されることで、該インサート取付座に固定されている。
そして、インサート取付座の取付面には、切削インサートの凹部に挿入されるとともにインサート軸線回り(インサート周方向)に係止される凸部が突設されており、これら凸部と凹部とが係止されることで、インサート取付座に対する切削インサートのインサート軸線回りの回転が規制されている。
国際公開第2013/051703号 特開2013−75337号公報
しかしながら、上記従来の刃先交換式切削工具及びその工具本体においては、インサート取付座の凸部と切削インサートの凹部との係止状態を安定して維持することに、改善の余地があった。
具体的に特許文献1、2では、インサート取付座の凸部と切削インサートの凹部とが係止された状態で、凸部が、凹部に連通する取付孔に対して工具軸線に直交する工具径方向の外側に位置している。そして、切削加工時に切削インサートに工具径方向の外側に向けて遠心力や切削力が作用したときに、クランプネジが撓むなどにより該切削インサートが工具径方向の外側に移動することで、インサート取付座の凸部が切削インサートの凹部内から取付孔内へと相対的に移動して、凸部と凹部との係止状態が維持できなくなるおそれがあった。
このように凸部と凹部との係止状態が解除されると、インサート取付座に対して切削インサートがインサート軸線回りに回転してしまい、該切削インサートをインサート取付座に固定するクランプネジが緩んだりインサート取付座が摩耗したりして、所望の切削精度が得られなくなったり、切削インサートが脱落したり、工具寿命が短くなったりする等の不具合が生じることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、インサート取付座に対して切削インサートがインサート軸線回りに回転することを安定して確実に防止できる刃先交換式切削工具及びその工具本体を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、工具軸線回りに回転する工具本体の先端外周部に形成されたインサート取付座に、円板状をなす切削インサートが着脱可能に装着された刃先交換式切削工具であって、前記切削インサートは、この切削インサートのインサート軸線方向を向く一対の円形面と、前記インサート軸線に直交するインサート径方向の外側を向く外周面と、この切削インサートを前記インサート軸線方向に貫通して前記インサート軸線上に位置する取付孔と、この切削インサートが前記インサート取付座に装着された状態で、前記一対の円形面のうち前記工具軸線回りに沿う工具回転方向の前方を向く一方の円形面と前記外周面との間で交差稜線をなす切れ刃と、前記一対の円形面のうち、前記インサート取付座の前記工具回転方向の前方を向く取付面に着座される他方の円形面に形成されて、前記一方の円形面側へ向けて窪む凹部と、を有し、前記凹部における前記インサート径方向の内側は、前記取付孔に連通しており、前記取付孔に挿通されるクランプネジが前記インサート取付座に螺着されることで、該インサート取付座に前記切削インサートは装着され、前記取付面には、前記凹部に挿入されるとともに前記インサート軸線回りに係止される凸部が突設され、前記凸部は、前記インサート取付座に装着された前記切削インサートの前記取付孔に対して、前記工具軸線に直交する工具径方向の内側に配置されることを特徴とする。
また本発明は、前述の刃先交換式切削工具に用いられる工具本体であって、前記取付面には、前記クランプネジが螺着可能なネジ穴が穿設されており、前記凸部は、前記ネジ穴に対して、前記工具径方向の内側に配置されることを特徴とする。
この刃先交換式切削工具では、インサート取付座の取付面に凸部が形成され、切削インサートの他方の円形面(着座面)に凹部が形成され、インサート取付座に切削インサートが装着された状態で、インサート取付座の凸部が切削インサートの凹部に挿入されてインサート軸線回り(インサート周方向)に係止されることにより、インサート取付座に対する切削インサートのインサート軸線回りの回転が規制されるようになっている。
そして、本発明の刃先交換式切削工具及びその工具本体によれば、インサート取付座の凸部が、該インサート取付座に装着された切削インサートの取付孔、及び該インサート取付座において前記取付孔に対向されるネジ穴に対して工具径方向の内側に配置されて、該切削インサートの凹部に係止されているので、下記の効果を奏する。
すなわち、切削加工時にこの切削インサートに遠心力や切削力が作用し、インサート取付座に対して切削インサートが工具径方向の外側へ向けて移動しようとしても、凸部と凹部との係止状態が安定して確実に維持される。
具体的に、遠心力や切削力等により切削インサートがインサート取付座に対して工具径方向の外側に移動しようとした場合、インサート取付座の凸部は、切削インサートの取付孔とは反対側へ向けて凹部内を移動することになる。すなわち、インサート取付座の凸部に係止される切削インサートの凹部、及び取付孔が、該凸部に対して工具径方向の外側へ移動することで、この凸部は相対的に、凹部及び取付孔に対してインサート径方向の外側へ移動することになり、よって凹部内に位置する凸部が該凹部内から取付孔内へと移動することが防止されることから、凹部と凸部との係止状態が安定的に、かつ確実に維持される。
つまり従来のように、遠心力や切削力等によって凸部が凹部内を取付孔に向けて相対的に移動し、該取付孔内に入り込むことで凸部と凹部との係止状態が解除されるという不具合が、本発明の構成によれば生じない。
従って本発明によれば、インサート取付座に対して切削インサートがインサート軸線回りに回転することを、安定して確実に防止できるのである。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、前記凸部の周壁のうち、前記工具軸線方向の先端側を向く先端面は、平面状に形成されており、前記凹部の周壁のうち、前記インサート軸線回りに沿うインサート周方向を向くとともに、前記先端面に当接される壁面は、該先端面に対応する平面状に形成されていることとしてもよい。
本発明ではインサート取付座の凸部がインサート中心(インサート軸線)よりも工具径方向の内側に配置されているため、例えば肩削り加工する際などにおいて、切削インサートに作用する切削力(切削負荷)等により、この凸部には工具軸線方向の基端側へ向かう力が作用しやすくなる。
そこで上記構成を採用することにより、インサート取付座の凸部において工具軸線方向の先端側を向く先端面と、該先端面に当接される凹部の壁面との接触面積を大きく確保でき、これにより凸部に作用する力が分散されやすくなるとともに、該凸部の摩耗や変形等が抑制されて、凸部が凹部を長期に亘り安定して支持でき、上述した効果がより安定的に得られて、工具寿命が延長する。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、前記凸部の周壁のうち、前記工具軸線方向の基端側を向く基端面は、前記工具軸線方向に沿って基端側に向かうに従い漸次前記工具径方向の外側へ向けて傾斜する凸部第1テーパ面を有しており、前記凹部の周壁のうち、前記インサート軸線回りに沿うインサート周方向を向くとともに、前記基端面に対向される壁面は、前記凸部第1テーパ面に対応するテーパ状をなす凹部第1テーパ面を備えることとしてもよい。
この場合、インサート取付座の凸部において工具軸線方向の基端側を向く基端面に凸部第1テーパ面を形成することで、切削インサートの凹部の周壁に前記凸部第1テーパ面に対応する傾斜を有する凹部第1テーパ面を形成でき、これにより切削インサートの凹部第1テーパ面から外周面までの肉厚を大きく確保できる。従って、切削インサートの剛性が確保される。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、前記凸部の前記工具回転方向の前方を向く頂面は、前記工具径方向の内側に向かうに従い漸次前記工具回転方向の後方に向けて傾斜する凸部第2テーパ面を有しており、前記凹部の底面は、前記凸部第2テーパ面に対向される凹部第2テーパ面を有し、前記凹部第2テーパ面は、前記インサート径方向の外側に向かうに従い漸次前記インサート軸線方向に沿う前記他方の円形面側に向けて傾斜しているとともに、前記凸部第2テーパ面に対応するテーパ状をなしていることとしてもよい。
この場合、インサート取付座の凸部において工具回転方向の前方を向く頂面に凸部第2テーパ面を形成することで、切削インサートの凹部の底面に前記凸部第2テーパ面に対応する傾斜を有する凹部第2テーパ面を形成でき、これにより切削インサートの凹部第2テーパ面から一方の円形面、外周面及び切れ刃までの肉厚を大きく確保できる。従って、切削インサートの剛性が確保される。
また、本発明の刃先交換式切削工具において、前記取付面のうち前記凸部の前記工具軸線方向の先端側に隣接する部分には、該凸部の周壁のうち前記工具軸線方向の先端側を向く平面状の先端面に面一とされて、前記工具回転方向の後方に向けて該取付面から窪む窪み部が形成されていることとしてもよい。
この場合、取付面の窪み部を凸部の工具軸線方向の先端側を向く先端面に面一に形成することによって、凸部の先端面全体を平面状に精度よく形成でき、該凸部の先端面と、この先端面に当接される切削インサートの凹部の壁面との接触面積を確実に大きく確保できる。
具体的に、例えば上記構成とは異なり、取付面に窪み部が形成されていない場合には、凸部の先端面と取付面との連結部分に、断面凹R形状等の削り残し部が生じるおそれがあり、この削り残し部によって、凸部の先端面と凹部の周壁(壁面)との接触面積を十分に確保できなくなるおそれがある。
一方、本発明の上記構成によれば、窪み部を形成することで上記削り残し部が生じることを防止でき、よって上述した作用効果がより安定的に得られやすくなる。
本発明の刃先交換式切削工具及びその工具本体によれば、インサート取付座に対して切削インサートがインサート軸線回りに回転することを安定して確実に防止できる。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式切削工具の工具本体を示す斜視図である。 図1の工具本体のインサート取付座に切削インサートを装着した状態を拡大して示す斜視図である。 図2のインサート取付座から切削インサートを取り外した状態を示す斜視図である。 インサート取付座を、(a)工具回転方向の後方へ向けて見た正面図、(b)工具径方向の内側へ向けて見た側面図である。 インサート取付座を、工具軸線方向の基端側へ向けて見た下面図である。 切削インサートの斜視図である。 切削インサートの斜視図である。 切削インサートの上面図である。 切削インサートの下面図である。 切削インサートのインサート周方向に直交する断面図(インサート径方向に沿う断面図)である。 インサート取付座の凸部と、切削インサートの凹部との係止状態を、工具回転方向に垂直な断面として示す図である。 図11において、切削インサートを仮想線(2点鎖線)で示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る刃先交換式切削工具1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の刃先交換式切削工具1は、例えば、耐熱合金等の金属材料からなる被削材のミーリング加工(転削加工)に用いられる刃先交換式ミーリング工具である。
図1〜図3に示されるように、この刃先交換式切削工具1は、鋼等で形成された工具本体2と、超硬合金等の硬質材料で形成された切削インサート3と、を備えており、工具軸線O回りに回転する工具本体2の先端外周部に形成されたインサート取付座4に、円板状をなす切削インサート3がそのインサート軸線C回りに回転することを規制された状態で、着脱可能に装着される。切削インサート3は円環状の切れ刃5を有する、所謂丸駒インサートであり、該切削インサート3がインサート取付座4に装着された状態で、切れ刃5は工具本体2の工具軸線O方向の先端側、及び工具径方向の外側に向けて突出される。
刃先交換式切削工具1は、その工具本体2の基端部が工作機械(不図示)の主軸に取り付けられ、工具軸線O回りのうち工具回転方向Tに回転させられて、被削材の切削加工に供される。
ここで、本明細書においては、工具本体2の工具軸線O方向に沿うインサート取付座4側を工具先端側又は単に先端側(図1における左下方向)といい、工具軸線O方向に沿うインサート取付座4とは反対側(工作機械の主軸側)を工具基端側又は単に基端側(図1における右上方向)という。また、工具軸線Oに直交する方向を工具径方向といい、工具軸線O回りに周回する方向を工具周方向という。また前記工具周方向のうち、切削時に工具本体2が回転させられる向きを工具回転方向Tの前方(又は単に工具回転方向T)といい、工具回転方向Tの前方とは反対側へ向かう方向を工具回転方向Tの後方という。また、切削インサート3のインサート軸線Cに直交する方向をインサート径方向といい、インサート軸線C回りに周回する方向をインサート周方向という。
図1において、工具本体2には、工具軸線Oに沿って延びる工具取付孔2aが該工具本体2を貫通して形成されている。また、工具本体2において工具基端側を向く端面には、工具取付孔2aの開口縁部から工具径方向の外側に向けて延びるキー溝2bが形成されている。工具本体2は、キー溝2bを工作機械の主軸先端部に設けられたキーに嵌合させた状態で、工具取付孔2aに挿通されるボルト等の締結部材によって前記主軸先端部に取り付けられる。
工具本体2の先端外周部には、工具周方向に間隔をあけて、該先端外周部から切り欠かれるように凹状をなす複数のチップポケット6が形成されている。これらチップポケット6において、工具回転方向Tの前方を向く壁面には、切削インサート3が着脱可能に装着されるインサート取付座4がそれぞれ形成されている。インサート取付座4は、前記壁面における該インサート取付座4以外の部位よりも、工具回転方向Tの後方に窪んで形成されている。
また、工具本体2の内部には、工作機械の主軸から供給されるクーラント(切削油)を流通させるクーラント流通孔2cが形成されており、該クーラント流通孔2cは、工具本体2内部の先端側部分で複数に分岐されているとともに、各インサート取付座4に向けて各チップポケット6に開口されている。
図3〜図5において、インサート取付座4には、工具回転方向Tの前方を向く取付面4aと、取付面4aの周縁部から立ち上がる周壁4bと、取付面4aに穿設され、クランプネジ25が螺着可能なネジ穴4cと、が形成されている。
図4(a)において取付面4aは、切削インサート3の形状に対応して円形面状に形成されている。
図4(b)に示される工具本体2の側面視(インサート取付座4の側面視)において、取付面4aは、この図4(b)における上下方向に延びているとともに、工具軸線Oに沿うように(平行となるように)形成されている。ただしこれに限定されるものではなく、図4(b)において取付面4aは、工具先端側(図4(b)における下側)に向かうに従い漸次工具回転方向Tの前方(図4(b)における左側)又は後方(図4(b)における右側)へ向けて傾斜していてもよい。
また図5に示される工具本体2の下面視(インサート取付座4の下面視)において、取付面4aは、この図5における左右方向に延びているとともに、工具径方向に沿うように形成されている。ただしこれに限定されるものではなく、図5において取付面4aは、工具径方向の外側(図5における右側)に向かうに従い漸次工具回転方向Tの前方(図5における上側)又は後方(図5における下側)へ向けて傾斜していてもよい。
図3〜図5において周壁4bは、取付面4aの工具基端側の周縁部から工具回転方向Tの前方へ向けて立ち上がるとともに、工具径方向に沿うように延びる壁面7aと、取付面4aの工具径方向の内側の周縁部から工具回転方向Tの前方へ向けて立ち上がるとともに、工具軸線O方向に沿うように延びる壁面7bと、これら壁面7a、7b同士の間に位置して取付面4aの周縁部から工具回転方向Tの前方へ向けて立ち上がるとともに、工具基端側へ向かうに従い漸次工具径方向の外側へ向けて傾斜して延びる壁面7cと、を有している。
図4(a)に示される取付面4aの正面視で(工具回転方向Tの後方へ向けて取付面4aを正面に見て)、壁面7aの工具径方向に沿う中央部、及び壁面7bの工具軸線O方向に沿う中央部にはそれぞれ、この正面視で凹円弧状をなす切欠きが形成されている。これら切欠きは、インサート取付座4に装着された切削インサート3の外周面17の一部を収容可能に窪んで形成されている。
また、取付面4aにおいて周壁4bに連結される周縁部には、壁面7a、7b、7cに沿ってそれぞれ延びる溝状のぬすみ部8a、8b、8cが形成されている。これらぬすみ部8a、8b、8cは、取付面4aよりも工具回転方向Tの後方に窪んで形成されており、また互いに連通されている。また図示の例では、ぬすみ部8a、8b、8cは、壁面7a、7b、7cにおける工具回転方向Tの後方(取付面4a側)の端部をそれぞれ切り欠くように形成されている。
ネジ穴4cは、その内周面に雌ネジ加工が施された雌ネジ部を有しており、取付面4aにおいて該ネジ穴4cは、インサート取付座4に装着される切削インサート3の後述する取付孔18に対向する位置に配置されている。
具体的に本実施形態では、図11及び図12に示されるように、ネジ穴4cは取付孔18に連通する位置に配置されつつも、ネジ穴4cの図示しない中心は、切削インサート3の取付孔18の中心(インサート軸線C)に対して、工具径方向の内側かつ工具基端側に位置しており、これらネジ穴4cと取付孔18とは互いに同軸とはされていない。
そして、取付面4aには、切削インサート3の後述する凹部19に挿入されるとともにインサート周方向に係止される凸部9が突設されている。凸部9は、インサート取付座4に装着された切削インサート3の取付孔18、及び該インサート取付座4において取付孔18に対向されるネジ穴4cに対して、工具径方向の内側に配置されている。具体的に凸部9は、ネジ穴4cの中心及び切削インサート3のインサート軸線Cよりも、工具径方向の内側に配置されている。
尚、本実施形態では、図11及び図12に示される取付面4aの正面視で、凸部9は、ネジ穴4cに対しては工具径方向の内側に離間して配置される一方、取付孔18に対しては、該凸部9の工具径方向の外側の一部が工具径方向に重なるように配置されている。
図3〜図5において、凸部9は、工具回転方向Tの前方を向く頂面9aと、この頂面9aの周囲に連なって該頂面9aと取付面4aの平坦面部分とを繋ぐ周壁(外周壁)と、を有している。
凸部9の前記周壁は、工具軸線O方向の先端側を向く先端面9bと、工具軸線O方向の基端側を向く基端面9cと、工具径方向の外側を向く側面9dと、工具径方向の内側を向く側面9eと、を有している。本実施形態の凸部9は、全体として概略直方体状をなしており、図4(a)に示される取付面4aの正面視で、頂面9aは概略矩形状をなしている。
凸部9の周壁のうち、先端面9bは、平面状に形成されている。図4(b)において、先端面9bは、工具軸線Oに略垂直な平坦面とされており、厳密には、工具回転方向Tの後方に向かうに従い漸次工具先端側へ向けて僅かに傾斜している。
また、図11及び図12に示される凸部9の工具回転方向Tに垂直な断面視で、先端面9bは直線状をなしており、工具径方向に沿って延びている。
図4(a)において、凸部9の周壁のうち、基端面9cは、工具基端側に向かうに従い漸次工具径方向の外側へ向けて傾斜する凸部第1テーパ面11と、この凸部第1テーパ面11との間で鈍角を形成して該凸部第1テーパ面11に連なる平面10と、を有している。図示の例では、凸部第1テーパ面11は、頂面9aから工具回転方向Tの後方へ離間するに従い漸次工具径方向の内側及び工具基端側へ向けて傾斜する平面状をなしており、平面10は、頂面9aから工具回転方向Tの後方へ離間するに従い漸次工具基端側へ向けて傾斜している。
また、図11及び図12に示される断面視で、基端面9cは凸V字状をなしている。
そして、図11及び図12に示されるように、凸部第1テーパ面11において工具回転方向Tに垂直な断面に表れる直線状部分が、工具基端側(図11及び図12における上側)に向かうに従い漸次工具径方向の外側(図11及び図12における右側)へ向けて延びている。また図11及び図12に示される断面視で、平面10は工具径方向(図11及び図12における左右方向)に沿うように延びている。
尚、本実施形態では、図4(a)に示される取付面4aの正面視で、凸部第1テーパ面11が、工具本体2の壁面7c及びぬすみ部8cに対して平行に形成されており、製造時にこれら壁面7c及び/又はぬすみ部8cの切削加工と同じ工程で、凸部第1テーパ面11も形成されている。
図11及び図12に示される断面視で、凸部9の周壁のうち、側面9d、9eはそれぞれ、工具軸線O方向(図11及び図12における上下方向)に沿うように直線状に延びている。
図5に示される下面視で、側面9dは、工具径方向(図5における左右方向)に略垂直な平坦面とされており、厳密には、頂面9aから工具回転方向Tの後方へ向かうに従い漸次工具径方向の外側へ向けて僅かに傾斜している。
またこの下面視で、側面9eは、頂面9aから工具回転方向Tの後方へ向かうに従い漸次工具径方向の内側へ向けて傾斜している。
尚、製造時において側面9eは、壁面7b及び/又はぬすみ部8bの切削加工と同じ工程で形成されていてもよい。
図3〜図5において、凸部9の頂面9aは、工具径方向の内側に向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方に向けて傾斜する凸部第2テーパ面12と、この凸部第2テーパ面12との間で鈍角を形成して該凸部第2テーパ面12に連なる平面13と、を有している。図示の例では、凸部第2テーパ面12は上述の傾斜を有する平面状をなしており、平面13は、工具回転方向Tに略垂直に形成されている。
図5に示されるインサート取付座4の下面視で、頂面9aは凸V字状をなしている。
また、取付面4aのうち凸部9の工具先端側に隣接する部分には、該凸部9の周壁のうち先端面9bに面一とされて、工具回転方向Tの後方に向けて該取付面4aから窪む窪み部14が形成されている。具体的に、本実施形態において窪み部14は、取付面4aの平坦面部分のうち凸部9の工具先端側に位置する部分を工具軸線O方向に沿って溝状に切り欠いたように形成されている。
図6〜図10に示されるように、切削インサート3は、この切削インサート3のインサート軸線C方向の両側を向く一対の円形面15、16と、インサート径方向の外側を向く外周面17と、この切削インサート3をインサート軸線C方向に貫通してインサート軸線C上に位置する取付孔18と、この切削インサート3がインサート取付座4に装着された状態で、一対の円形面15、16のうち工具回転方向Tの前方を向く一方の円形面15と外周面17との間で交差稜線をなす切れ刃5と、一対の円形面15、16のうち、インサート取付座4の取付面4aに着座される他方の円形面16に形成されて、一方の円形面15側へ向けて窪む凹部19と、を有している。
一対の円形面15、16の各中央には取付孔18が形成されていることから、実際にはこれら円形面15、16は、円環面状をなしている。
一方の円形面15において切れ刃5のインサート径方向の内側に位置する部分には、該切れ刃5からインサート径方向の内側に向かうに従い漸次インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ向けて傾斜するテーパ状のすくい面20が形成されている。すくい面20は、切れ刃5のインサート径方向の内側に隣接配置されるとともに、インサート周方向に沿って延びる円環面状をなしている。一方の円形面15において切れ刃5は、該切れ刃5以外の部位よりもインサート軸線C方向に突出している。
また一方の円形面15において、インサート周方向に沿う他方の円形面16の凹部19に対応する位置には、この切削インサート3をインサート取付座4に取り付ける際のインサート周方向位置の指標となる指標部21が形成されている。本実施形態では、凹部19がインサート周方向に互いに間隔をあけて複数形成されており、これに応じて、指標部21もインサート周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。
図10に示されるように、本実施形態において切れ刃5は、その全体がインサート軸線Cに垂直な同一の仮想平面上に位置しているわけではなく、指標部21に対応する位置からインサート周方向に離間するに従い漸次インサート軸線C方向に沿う一方の円形面15側へ向けて傾斜して延びている。具体的に、切れ刃5において、インサート周方向に隣り合う指標部21同士の間に位置する部分は、インサート軸線C方向に沿う一方の円形面15側へ向けて凸となる曲線状をなしている。
一方の円形面15において、取付孔18のインサート径方向の外側に隣接する円環状部分15aは、インサート軸線Cに垂直な平面状をなしている。円環状部分15aにおけるインサート周方向の所定位置には、すくい面20の指標部21とは異なる指標部22が、1つだけ形成されている。
また、すくい面20においてインサート径方向の内側に位置する周縁部は、円環状部分15aよりもインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に後退しており、これによりすくい面20において円環状部分15aに連結する内周縁部には、該円環状部分15aよりもインサート軸線C方向に窪むとともにインサート周方向に沿って延びる環状凹部15bが形成されている。
図7及び図10に示されるように、他方の円形面16における取付孔18及び凹部19以外の部位は、インサート軸線Cに垂直な平面状をなしている。他方の円形面16は、インサート取付座4の取付面4aに当接する着座面とされている。
外周面17は、一方の円形面15の外周縁部に形成された切れ刃5からインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ向かうに従い漸次インサート径方向の内側へ向けて傾斜して形成されており、その切れ刃5に隣接配置される周面部分が、逃げ面とされている。特に図示していないが、外周面17において前記逃げ面のインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に位置する部位には、該逃げ面とはインサート軸線Cに対する傾斜が異なる二番取り面が形成されていてもよい。
取付孔18は、インサート軸線C上を延びており、その両端が一対の円形面15、16に開口している。取付孔18におけるインサート軸線C方向の両端部は、該両端部以外の部位(中央部)よりも大径となっている。
そして、凹部19は、他方の円形面16において取付孔18のインサート径方向の外側に隣接配置されているとともに、インサート周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。具体的に、凹部19におけるインサート径方向の内側は、取付孔18に連通されている。一方、インサート周方向に隣り合う凹部19同士は、インサート周方向には互いに直接的に連通してはおらず、ただし取付孔18を通しては間接的に互いに連通している。
凹部19は、インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側を向く底面19aと、この底面19aの周囲に連なって該底面19aと他方の円形面16の平坦面部分とを繋ぐ周壁(内周壁)と、を有している。
凹部19の前記周壁は、インサート周方向を向いて互いに対向する一対の壁面19b、19cと、インサート径方向の内側を向く壁面19dと、を有している。
ここで、本明細書では、インサート周方向のうち、所定の凹部19の壁面19cに対して壁面19bが位置する方向をインサート周方向の一方側といい、壁面19bに対して壁面19cが位置する方向をインサート周方向の他方側という。具体的に、インサート周方向の一方側とは、図9においてインサート軸線C回りに沿う時計回り方向であり、図12においてはインサート軸線C回りに沿う反時計回り方向である。また、インサート周方向の他方側とは、図9においてインサート軸線C回りに沿う反時計回り方向であり、図12においてはインサート軸線C回りに沿う時計回り方向である。
本実施形態の凹部19は、前述した凸部9の形状に対応して全体として概略直方体穴状をなしており、図9に示される他方の円形面16の正面視(インサート下面視)で、底面19aは概略矩形状をなしている。
凹部19の周壁のうち、インサート周方向の一方側に位置して他方側を向くとともに、凸部9の先端面9bに当接される壁面19bは、該先端面9bに対応する平面状に形成されている。図9及び図10において、壁面19bは、インサート軸線Cに略平行な平坦面とされており、厳密には、インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に向かうに従い漸次インサート周方向の一方側へ向けて僅かに傾斜している。
そして、この切削インサート3がインサート取付座4に装着された状態で、壁面19bの傾斜角と先端面9bの傾斜角とが一致する(平行となる)ように設定されているとともに、これら面同士が全体的に(広範囲に)当接されるようになっている。
図11に示される切削インサート3の横断面視(インサート軸線Cに垂直な断面視)で、壁面19bは直線状をなしているとともに、インサート径方向の内側(図11における右上方向)へ向かうに従い漸次インサート周方向の一方側へ向けて延びている。
図7及び図9において、凹部19の周壁のうち、インサート周方向の他方側に位置して一方側を向くとともに、凸部9の基端面9cに対向される壁面19cは、凸部第1テーパ面11に対応するテーパ状をなす凹部第1テーパ面31と、この凹部第1テーパ面31との間で鈍角を形成して該凹部第1テーパ面31に連なる平面23と、を有している。図示の例では、凹部第1テーパ面31は、底面19aからインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ離間するに従い漸次インサート周方向の他方側及びインサート径方向の外側へ向けて傾斜する平面状をなしており、平面23は、底面19aからインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ離間するに従い漸次インサート周方向の他方側へ向けて傾斜している。
また、図11に示される切削インサート3の横断面視で、壁面19cは凹V字状をなしている。この横断面視で、壁面19cの凹部第1テーパ面31は直線状をなしているとともに、インサート径方向の内側へ向かうに従い漸次インサート周方向の他方側へ向けて延びており、また平面23も直線状をなしているとともに、インサート径方向の内側へ向かうに従い漸次インサート周方向の他方側へ向けて延びている。ただし、凹部第1テーパ面31と平面23とは、インサート周方向への傾斜の向きが互いに同じである一方、凹部第1テーパ面31におけるインサート径方向に沿う単位長さあたりのインサート周方向へ向けた変位量が、平面23における前記変位量よりも大きくなっており、これにより壁面19c全体としては凹V字状をなしている。
そして、図11及び図12に示されるように、インサート取付座4の凸部9が挿入される切削インサート3の凹部19において、凹部第1テーパ面31のインサート軸線Cに垂直な断面に表れる直線状部分が、凸部第1テーパ面11の前記直線状部分に平行となるように、工具基端側(図11及び図12における上側)に向かうに従い漸次工具径方向の外側(図11及び図12における右側)へ向けて延びている。また図11及び図12に示される断面視で、平面23は、凸部9の平面10に略平行となるように、工具径方向(図11及び図12における左右方向)に沿うように延びている。
尚、図11及び図12の切削インサート3を単体として見た場合には、この断面視において、壁面19bと平面23とは互いに略平行とされており、凹部第1テーパ面31は、平面23と壁面19dとの間でそれぞれ鈍角を形成するように、これら平面23及び壁面19dに連なっている。
凹部19の周壁のうち、壁面19dは、図11及び図12に示される断面視で、インサート径方向に略直交するように、かつ工具軸線O方向(図11及び図12における上下方向)に沿うように直線状に延びている。
図10に示される断面視で、壁面19dは、底面19aからインサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ向かうに従い漸次インサート径方向の外側へ向けて傾斜している。
図7、図9及び図10において、凹部19の底面19aは、凸部第2テーパ面12に対向される凹部第2テーパ面32と、この凹部第2テーパ面32との間で鈍角を形成して該凹部第2テーパ面32に連なるとともに、凸部9の平面13に対向される平面24と、を有している。凹部第2テーパ面32は、インサート径方向の外側に向かうに従い漸次インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に向けて傾斜しているとともに、凸部第2テーパ面12に対応するテーパ状をなしている。図示の例では、凹部第2テーパ面32は上述の傾斜を有する平面状をなしており、平面24は、インサート軸線Cに略垂直に形成されている。
図10に示される切削インサート3の縦断面視(インサート径方向に沿う断面視であり、インサート周方向に垂直な断面視)で、底面19aは凹V字状をなしている。
このように構成される切削インサート3は、図2に示されるように、取付孔18に挿通されるクランプネジ25の雄ネジ部が、インサート取付座4のネジ穴4cの雌ネジ部に螺着されることで、該インサート取付座4に着脱可能に装着される。
図示の例では、クランプネジ25の頭部が、取付孔18におけるインサート軸線C方向に沿う一方の円形面15側の端部内に収容されており、該頭部は、取付孔18のインサート軸線C方向に沿う中央部(縮径部分)に対して、インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側へ向けて当接している。
以上説明した本実施形態の刃先交換式切削工具1では、インサート取付座4の取付面4aに凸部9が形成され、切削インサート3の他方の円形面(着座面)16に凹部19が形成され、インサート取付座4に切削インサート3が装着された状態で、インサート取付座4の凸部9が切削インサート3の凹部19に挿入されてインサート軸線C回り(インサート周方向)に係止されることにより、インサート取付座4に対する切削インサート3のインサート軸線C回りの回転が規制されるようになっている。
そして、本実施形態の刃先交換式切削工具1及びその工具本体2によれば、インサート取付座4の凸部9が、該インサート取付座4に装着された切削インサート3の取付孔18、及び該インサート取付座4において取付孔18に対向されるネジ穴4cに対して工具径方向の内側に配置されて、該切削インサート3の凹部19に係止されているので、下記の効果を奏する。
すなわち、切削加工時にこの切削インサート3に遠心力や切削力が作用し、インサート取付座4に対して切削インサート3が工具径方向の外側へ向けて移動しようとしても、凸部9と凹部19との係止状態が安定して確実に維持される。
具体的に、図11及び図12において、遠心力や切削力等により切削インサート3がインサート取付座4に対して工具径方向の外側(図11及び図12における右側)に移動しようとした場合、インサート取付座4の凸部9は、切削インサート3の取付孔18とは反対側へ向けて凹部19内を移動することになる。すなわち、インサート取付座4の凸部9に係止される切削インサート3の凹部19、及び取付孔18が、該凸部9に対して工具径方向の外側へ移動することで、この凸部9は相対的に、凹部19及び取付孔18に対してインサート径方向の外側へ移動することになり、よって凹部19内に位置する凸部9が該凹部19内から取付孔18内へと移動することが防止されることから、凹部19と凸部9との係止状態が安定的に、かつ確実に維持される。
つまり従来のように、遠心力や切削力等によって凸部が凹部内を取付孔に向けて相対的に移動し、該取付孔内に入り込むことで凸部と凹部との係止状態が解除されるという不具合が、本実施形態の構成によれば生じない。
従って本実施形態によれば、インサート取付座4に対して切削インサート3がインサート軸線C回りに回転することを、安定して確実に防止できるのである。
また本実施形態では、凸部9の周壁(外周壁)のうち、工具先端側を向く先端面9bが平面状に形成されており、凹部19の周壁(内周壁)のうち、インサート周方向を向くとともに先端面9bに当接される壁面19bが、該先端面9bに対応する平面状に形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわち本実施形態においては、インサート取付座4の凸部9がインサート中心(インサート軸線C)よりも工具径方向の内側に配置されているため、例えば肩削り加工する際などにおいて、切削インサート3に作用する切削力(切削負荷)等により、この凸部9には工具基端側(図11及び図12における上側)へ向かう力が作用しやすくなる。
そこで上記構成を採用することにより、インサート取付座4の凸部9において工具先端側を向く先端面9bと、該先端面9bに当接される凹部19の壁面19bとの接触面積を大きく確保でき、これにより凸部9に作用する力が分散されやすくなるとともに、該凸部9の摩耗や変形等が抑制されて、凸部9が凹部19を長期に亘り安定して支持でき、上述した効果がより安定的に得られて、工具寿命が延長する。
また本実施形態では、凸部9の周壁のうち、工具基端側を向く基端面9cが、工具基端側に向かうに従い漸次工具径方向の外側へ向けて傾斜する凸部第1テーパ面11を有しており、凹部19の周壁のうち、インサート周方向を向くとともに基端面9cに対向される壁面19cが、凸部第1テーパ面11に対応するテーパ状をなす凹部第1テーパ面31を備えるので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、インサート取付座4の凸部9において工具基端側を向く基端面9cに凸部第1テーパ面11を形成することで、切削インサート3の凹部19の周壁に前記凸部第1テーパ面11に対応する傾斜を有する凹部第1テーパ面31を形成でき、これにより切削インサート3の凹部第1テーパ面31から外周面17までの肉厚を大きく確保できる。従って、切削インサート3の剛性が確保される。
また本実施形態では、凸部9の工具回転方向Tの前方を向く頂面9aが、工具径方向の内側に向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方に向けて傾斜する凸部第2テーパ面12を有しており、凹部19の底面19aが、前記凸部第2テーパ面12に対向される凹部第2テーパ面32を有し、凹部第2テーパ面32は、インサート径方向の外側に向かうに従い漸次インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に向けて傾斜しているとともに、前記凸部第2テーパ面12に対応するテーパ状をなしているので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、インサート取付座4の凸部9において工具回転方向Tの前方を向く頂面9aに凸部第2テーパ面12を形成することで、切削インサート3の凹部19の底面19aに前記凸部第2テーパ面12に対応する傾斜を有する凹部第2テーパ面32を形成でき、これにより切削インサート3の凹部第2テーパ面32から一方の円形面15、外周面17及び切れ刃5までの肉厚を大きく確保できる。従って、切削インサート3の剛性が確保される。
また本実施形態では、インサート取付座4の取付面4aのうち凸部9の工具先端側に隣接する位置に、該凸部9の平面状の先端面9bに面一とされて、該取付面4aの平坦面部分よりも後退する窪み部14が形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、取付面4aの窪み部14を凸部9の工具先端側を向く先端面9bに面一に形成することによって、凸部9の先端面9b全体を平面状に精度よく形成でき、該凸部9の先端面9bと、この先端面9bに当接される切削インサート3の凹部19の壁面19bとの接触面積を確実に大きく確保できる。
具体的に、例えば上記構成とは異なり、取付面4aに窪み部14が形成されていない場合には、凸部9の先端面9bと取付面4aとの連結部分に、断面凹R形状等の削り残し部が生じるおそれがあり、この削り残し部によって、凸部9の先端面9bと凹部19の周壁(壁面19b)との接触面積を十分に確保できなくなるおそれがある。
一方、本実施形態の上記構成によれば、窪み部14を形成することで上記削り残し部が生じることを防止でき、よって上述した作用効果がより安定的に得られやすくなる。
また本実施形態では、切削インサート3の凹部19が、他方の円形面16にインサート軸線C回りに互いに間隔をあけて複数形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわち本実施形態とは異なり、例えば従来のように、他方の円形面(着座面)に形成される複数の凹部同士が、インサート軸線C回り(インサート周方向)に連設された構成の場合、凹部の周壁(内周壁)のうち、凸部の周壁(外周壁)の先端面に係止される壁面の面積を大きく確保しにくくなり、これら凹部と凸部との係止状態が安定して得られにくくなるおそれがある。
一方、本実施形態の上記構成によれば、複数の凹部19同士が、インサート周方向に互いに間隔をあけてそれぞれ独立して形成されているので、各凹部19の壁面19bが凸部9の先端面9bに対して確実に係止され、上述した効果がより安定的に得られる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、凸部9が直方体状をなし、凹部19が直方体穴状をなしているとしたが、これら凸部9及び凹部19の形状は前述したものに限定されない。
また前述の実施形態では、凸部9の先端面9bが、工具回転方向Tの後方に向かうに従い漸次工具先端側へ向けて僅かに傾斜しており、この先端面9bに当接して係止される凹部19の壁面19bが、インサート軸線C方向に沿う他方の円形面16側に向かうに従い漸次インサート周方向の一方側へ向けて僅かに傾斜しているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、凸部9の先端面9bと、凹部19の壁面19bとは、互いに対応する(平行な)平面状とされていればよいことから、例えば、凸部9の先端面9bが工具軸線Oに垂直な平坦面とされ、凹部19の壁面19bがインサート軸線Cに平行な平坦面とされて、これら先端面9bと壁面19bとが互いに平行に配置される構成であってもよい。
また前述の実施形態では、凸部9の基端面9cが、凸部第1テーパ面11と、平面10とを有し、該基端面9cに対向する凹部19の壁面19cが、凹部第1テーパ面31と、平面23と、を有しているとしたが、上記平面10、23は設けられていなくてもよい。すなわち、凸部9の基端面9cが凸部第1テーパ面11のみからなり、凹部19の壁面19cが凹部第1テーパ面31のみからなることとしてもよい。
また前述の実施形態では、凸部9の頂面9aが、凸部第2テーパ面12と、平面13とを有し、該頂面9aに対向する凹部19の底面19aが、凹部第2テーパ面32と、平面24と、を有しているとしたが、上記平面13、24は設けられていなくてもよい。すなわち、凸部9の頂面9aが凸部第2テーパ面12のみからなり、凹部19の底面19aが凹部第2テーパ面32のみからなることとしてもよい。
また前述の実施形態では、インサート取付座4の取付面4aの窪み部14が、工具軸線O方向に沿って延びる溝状をなしているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、窪み部14は、例えば穴状や段状をなして、凸部9の先端面9bに面一に連なり取付面4aから窪んでいてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 刃先交換式切削工具
2 工具本体
3 切削インサート
4 インサート取付座
4a 取付面
4c ネジ穴
5 切れ刃
9 凸部
9a 頂面
9b 先端面
9c 基端面
11 凸部第1テーパ面
12 凸部第2テーパ面
14 窪み部
15 一方の円形面
16 他方の円形面
17 外周面
18 取付孔
19 凹部
19a 底面
19b 壁面
19c 壁面
25 クランプネジ
31 凹部第1テーパ面
32 凹部第2テーパ面
C インサート軸線
O 工具軸線
T 工具回転方向

Claims (6)

  1. 工具軸線回りに回転する工具本体の先端外周部に形成されたインサート取付座に、円板状をなす切削インサートが着脱可能に装着された刃先交換式切削工具であって、
    前記切削インサートは、
    この切削インサートのインサート軸線方向を向く一対の円形面と、
    前記インサート軸線に直交するインサート径方向の外側を向く外周面と、
    この切削インサートを前記インサート軸線方向に貫通して前記インサート軸線上に位置する取付孔と、
    この切削インサートが前記インサート取付座に装着された状態で、前記一対の円形面のうち前記工具軸線回りに沿う工具回転方向の前方を向く一方の円形面と前記外周面との間で交差稜線をなす切れ刃と、
    前記一対の円形面のうち、前記インサート取付座の前記工具回転方向の前方を向く取付面に着座される他方の円形面に形成されて、前記一方の円形面側へ向けて窪む凹部と、を有し、
    前記凹部における前記インサート径方向の内側は、前記取付孔に連通しており、
    前記取付孔に挿通されるクランプネジが前記インサート取付座に螺着されることで、該インサート取付座に前記切削インサートは装着され、
    前記取付面には、前記凹部に挿入されるとともに前記インサート軸線回りに係止される凸部が突設され、
    前記凸部は、前記インサート取付座に装着された前記切削インサートの前記取付孔に対して、前記工具軸線に直交する工具径方向の内側に配置されることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式切削工具であって、
    前記凸部の周壁のうち、前記工具軸線方向の先端側を向く先端面は、平面状に形成されており、
    前記凹部の周壁のうち、前記インサート軸線回りに沿うインサート周方向を向くとともに、前記先端面に当接される壁面は、該先端面に対応する平面状に形成されていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  3. 請求項1又は2に記載の刃先交換式切削工具であって、
    前記凸部の周壁のうち、前記工具軸線方向の基端側を向く基端面は、前記工具軸線方向に沿って基端側に向かうに従い漸次前記工具径方向の外側へ向けて傾斜する凸部第1テーパ面を有しており、
    前記凹部の周壁のうち、前記インサート軸線回りに沿うインサート周方向を向くとともに、前記基端面に対向される壁面は、前記凸部第1テーパ面に対応するテーパ状をなす凹部第1テーパ面を備えることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具であって、
    前記凸部の前記工具回転方向の前方を向く頂面は、前記工具径方向の内側に向かうに従い漸次前記工具回転方向の後方に向けて傾斜する凸部第2テーパ面を有しており、
    前記凹部の底面は、前記凸部第2テーパ面に対向される凹部第2テーパ面を有し、
    前記凹部第2テーパ面は、前記インサート径方向の外側に向かうに従い漸次前記インサート軸線方向に沿う前記他方の円形面側に向けて傾斜しているとともに、前記凸部第2テーパ面に対応するテーパ状をなしていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具であって、
    前記取付面のうち前記凸部の前記工具軸線方向の先端側に隣接する部分には、該凸部の周壁のうち前記工具軸線方向の先端側を向く平面状の先端面に面一とされて、前記工具回転方向の後方に向けて該取付面から窪む窪み部が形成されていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具に用いられる工具本体であって、
    前記取付面には、前記クランプネジが螺着可能なネジ穴が穿設されており、
    前記凸部は、前記ネジ穴に対して、前記工具径方向の内側に配置されることを特徴とする工具本体。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019034358A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 株式会社タンガロイ 切削インサート及び切削工具

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