JP2015089270A - 自動車用バンドクリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品コストを上昇させることなく、多数本のワイヤーハーネスを車体内面に沿って扁平に保持しながら、湾曲した取付面にも容易に取付け得る自動車用バンドクリップを提供する。【解決手段】可撓性を備えた合成樹脂で形成した基体2と、基体2の両端に設けられ、車体内面に取着可能としたアンカー部3と、基体2に設けられ、アンカー部3間において多数本のワイヤーハーネス8を基体2に対し扁平に保持する保持部5とを備えた。【選択図】図3
Description
本発明は、車両内に配設される電源配線及び信号配線を結束するとともに、車体の内面に沿って固定する自動車用バンドクリップに関するものである。
従来、乗用車内に配設される電源配線及び信号配線等のワイヤーハーネスは、車両組み立て工程において、合成樹脂で形成されたバンドクリップで所要の位置及び所要の間隔で結束され、そのバンドクリップを介して車体の内面に固定されている。
近年、乗用車の室内スペースを拡大するために、多数本のワイヤーハーネスを車体の内面に沿うように扁平状に結束した状態で保持することが必要となっている。
しかし、上記のような従来のバンドクリップでは多数本のワイヤーハーネスを結束した状態で、該バンドクリップの一端を車体に固定する構造であるため、多数本のワイヤーハーネスを車体の内面に沿って扁平状に結束して固定することは容易ではない。
しかし、上記のような従来のバンドクリップでは多数本のワイヤーハーネスを結束した状態で、該バンドクリップの一端を車体に固定する構造であるため、多数本のワイヤーハーネスを車体の内面に沿って扁平状に結束して固定することは容易ではない。
特許文献1には、多数本のワイヤーハーネスを扁平状に保持可能とした基体に、ワイヤーハーネスを結束するケーブルバンドを備えたケーブルダクトが開示されている。このようなケーブルダクトを車体の内面に固定することにより、多数本のワイヤーハーネスを扁平状に結束した状態で車体の内面に固定可能である。
上記のように、従来のバンドクリップでは多数本のワイヤーハーネスを車体の内面に沿って扁平状に結束して固定することは困難である。従って、ワイヤーハーネスを扁平に保持するための保持部材を別途用意する必要があるので、部品コストが上昇する。
また、特許文献1に開示されたケーブルダクトでは、基体が直方体状であるため、ワイヤーハーネスを、例えば車体のフロアのホイールハウス周辺のような湾曲した内面に沿って保持することはできない。従って、ワイヤーハーネスを湾曲面に沿って保持するためには、当該湾曲面に対応した形状の基体を用意する必要があるため、部品コストが上昇する。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は部品コストを上昇させることなく、多数本のワイヤーハーネスを車体内面に沿って扁平に保持しながら、湾曲した取付面にも容易に取付け得る自動車用バンドクリップを提供することにある。
上記課題を解決する自動車用バンドクリップは、可撓性を備えた合成樹脂で形成した基体と、前記基体の両端に設けられ、車体内面に取着可能としたアンカー部と、前記基体に設けられ、前記アンカー間において多数本のワイヤーハーネスを基体に対し扁平に保持する保持部とを備えたことを特徴とする。
この構成により、アンカー部を車体内面に取着すると、保持部に保持されたワイヤーハーネスは車体内面に沿って扁平に保持される。
また、上記において、前記保持部は、両端部が前記基体に接続され、該基体との間で多数本のワイヤーハーネスを扁平に保持可能とした保持片を備えることが好ましい。
また、上記において、前記保持部は、両端部が前記基体に接続され、該基体との間で多数本のワイヤーハーネスを扁平に保持可能とした保持片を備えることが好ましい。
この構成により、保持片と基体との間で多数本のワイヤーハーネスが扁平に保持される。
また、上記において、前記保持片と基体の対向面には、前記保持部に挿通される前記ワイヤーハーネスの前記基体長手方向への移動を阻止する凹凸を設けることが好ましい。
また、上記において、前記保持片と基体の対向面には、前記保持部に挿通される前記ワイヤーハーネスの前記基体長手方向への移動を阻止する凹凸を設けることが好ましい。
この構成により、保持部に挿通されたワイヤーハーネスの基体長手方向への移動が阻止される。
また、上記において、前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、取付孔を設けることが好ましい。
また、上記において、前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、取付孔を設けることが好ましい。
この構成により、アンカー部を使用することなく、取付孔を使用して基体を車体内面に取着可能となる。
また、上記において、前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、それぞれ複数の取付孔を備えることが好ましい。
また、上記において、前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、それぞれ複数の取付孔を備えることが好ましい。
この構成により、複数の取付孔の中からいずれかを使用して基体を車体内面に取着可能となる。
また、上記において、前記保持片の両端部位置において、前記基体から前記アンカー部と同一方向に突出する引っ掛け部を設けることが好ましい。
また、上記において、前記保持片の両端部位置において、前記基体から前記アンカー部と同一方向に突出する引っ掛け部を設けることが好ましい。
この構成により、引っ掛け部を使用して基体を車体内面に取着可能である。また、基体と車体内面との間に引っ掛け部の高さに相当する間隙が確保される。
また、上記構成において、前記引っ掛け部の先端部を、互いに対向する方向に直角に屈曲することが好ましい。
また、上記構成において、前記引っ掛け部の先端部を、互いに対向する方向に直角に屈曲することが好ましい。
この構成により、引っ掛け部を車体内面に設けられた係止孔に係合させることにより、基体の中間部を車体内面に固定することが可能となる。
また、上記構成において、前記引っ掛け部と前記アンカー部との間に、前記基体から前記引っ掛け部と同一高さに突出する突起を設けることが好ましい。
また、上記構成において、前記引っ掛け部と前記アンカー部との間に、前記基体から前記引っ掛け部と同一高さに突出する突起を設けることが好ましい。
この構成により、引っ掛け部とアンカー部との間の基体と車体内面との間に、突起の高さに相当する間隙が確保される。
また、上記構成において、前記アンカー部の少なくとも一方を、前記基体に対し該基体の長手方向に位置調節可能とすることが好ましい。
また、上記構成において、前記アンカー部の少なくとも一方を、前記基体に対し該基体の長手方向に位置調節可能とすることが好ましい。
この構成により、基体両端部のアンカー部の間隔を調整可能である。
また、上記構成において、前記基体を可撓性と伸縮性を備えた合成樹脂で形成することが好ましい。
また、上記構成において、前記基体を可撓性と伸縮性を備えた合成樹脂で形成することが好ましい。
この構成により、車体内面への基体の取付作業が容易となる。
本発明の自動車用バンドクリップによれば、部品コストを上昇させることなく、多数本のワイヤーハーネスを車体内面に沿って扁平に保持しながら、湾曲した取付面にも容易に取付けることができる。
(第一の実施形態)
以下、バンドクリップの一実施形態を図面に従って説明する。図1に示すバンドクリップ1は、可撓性を備えた合成樹脂で一体に形成され、長板状の基体2の両端には、基体2の延長方向に直交する同一方向に突出するアンカー部3が形成されている。
以下、バンドクリップの一実施形態を図面に従って説明する。図1に示すバンドクリップ1は、可撓性を備えた合成樹脂で一体に形成され、長板状の基体2の両端には、基体2の延長方向に直交する同一方向に突出するアンカー部3が形成されている。
各アンカー部3の先端部は、このバンドクリップを取着する車体の内面に設けられる取付孔に嵌合可能とするように先細状に形成されるとともに、取付孔の周縁部に係合するかえし4が形成されている。従って、アンカー部3を取付孔に挿入して、かえし4を取付孔内に没入させると、かえし4が取付孔の周縁部に係合して、アンカー部3が車体に保持されるようになっている。
前記基体2の中間部には、基体2との間に多数本のワイヤーハーネスを扁平状に並べて保持可能とした保持部5が形成されている。詳述すると、保持部5は基体2に対し前記アンカー部3の突出方向とは反対側において、前記基体2と同一幅の保持片6の両端部が直角に屈曲されて基体2に接続され、基体2と保持片6との間には多数本のワイヤーハーネスを扁平状に並べて挿通可能とした間隔が確保されている。
そして、基体2と保持部5の対向面にはワイヤーハーネスを基体2の長手方向に移動不能に保持する波形の凹凸7が形成されている。
次に、上記のように構成されたバンドクリップ1の作用を説明する。
次に、上記のように構成されたバンドクリップ1の作用を説明する。
図2及び図3に示すように、保持部5に多数本のワイヤーハーネス8を挿通した状態で、アンカー部3を車体の取付孔に嵌合すると、可撓性を備えた基体2は車体内面に沿って延設され、保持部5に保持された多数本のワイヤーハーネス8が車体内面に沿って扁平状態で保持される。
また、図2に示すように、保持部5において信号線を束ねたワイヤーハーネス8aと、電源線を束ねたワイヤーハーネス8bとの間に所要の間隔を隔てると、電源線と信号線との間のノイズの干渉を防止可能となる。
図4に示すように、ワイヤーハーネス8を複数本のバンドクリップ1に連続して挿通し、各バンドクリップ1を車体の内面に固定すると、多数本のワイヤーハーネス8が各バンドクリップ1で車体内面に沿って扁平に保持される。
また、各バンドクリップ1間において、車体内面に段差が存在する場合には、ワイヤーハーネス8は段差の前後でバンドクリップ1により車体内面に保持されるので、ワイヤーハーネス8を扁平状態に維持しながら段差に沿って引き回すことが可能である。
また、隣り合うバンドクリップ1を長手方向にスライドさせた位置で車体内面に固定すると、ワイヤーハーネス8を扁平状態に維持しながら車体内面に沿って平面方向にスライドして引き回すことが可能である。
図5に示すように、バンドクリップ1の基体2を、保持部5が外側となるように湾曲させ、この状態でアンカー部3を車体内面に嵌合すると、図6に示すように、多数本のワイヤーハーネス8を湾曲した車体内面10に沿って引き回すことが可能である。
図7に示すように、バンドクリップ1の保持部5にワイヤーハーネス8を挿通するには、治具を使用して、保持部5が内側となる方向で基体2を湾曲させると、保持片6が基体2とは逆方向に湾曲して、基体2と保持片6との間に大きな間隔が形成される。
この状態では、基体2と保持片6との間に多数本のワイヤーハーネス8を容易に挿通可能となる。そして、基体2を直線状に復帰させると、保持部5でワイヤーハーネス8を扁平状態に保持可能となる。
また、図8に示すように、ワイヤーハーネス8のコネクタ9を基体2と保持片6との間に挿通することもできる。従って、ワイヤーハーネス8の端部にコネクタ9を取着した後に、そのコネクタ9をバンドクリップ1に挿通可能である。
上記のようなバンドクリップ1では、次に示す効果を得ることができる。
(1)保持部5及びアンカー部3が一体に成形されたバンドクリップ1を使用して、多数本のワイヤーハーネス8を扁平状態に保持した状態で車体内面に取着することができる。従って、部品コスト及び組み立てコストを低減することができる。
(2)保持部5を構成する基体2と保持片6の対向面に設けた凹凸7により、保持部5に挿通されるワイヤーハーネス8の基体2長手方向への位置ずれを防止することができる。従って、ワイヤーハーネス8を車体内面に沿って扁平状態に保持することができる。
(3)保持部5を構成する基体2と保持片6の対向面に設けた凹凸7により、信号線を束ねたワイヤーハーネス8aと、電源線を束ねたワイヤーハーネス8bとを所要の間隔を隔てた状態で保持することができる。従って、電源線と信号線とのノイズによる干渉を防止することができる。
(4)複数本のバンドクリップ1にワイヤーハーネス8を挿通し、各バンドクリップ1を車体内面に取着することにより、車体内面の凹凸や段差に沿ってワイヤーハーネス8を扁平に保持することができる。
(5)多数本のワイヤーハーネス8を車体内面の湾曲面に沿って扁平に保持することができる。
(6)基体2を、保持片6を内側として湾曲させることにより、多数本のワイヤーハーネス8を保持部5に容易に挿通することができる。
(7)基体2を、保持片6を内側として湾曲させることにより、ワイヤーハーネス8の端部に取着したコネクタ9を保持部5に挿通することができる。従って、あらかじめコネクタ9をワイヤーハーネス8に取着し、その後にワイヤーハーネス8を保持部5に挿通することができるので、組み立てコストを低減することができる。
(第二の実施形態)
図9は、第二の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ11は、第一の実施形態のバンドクリップ1の保持部5とアンカー部3との間に、それぞれ複数の取付孔12を備えたものである。その他の構成は、第一の実施形態のバンドクリップ1と同様であるので、同一構成部分は第一の実施形態と同一符号を付して説明する。
(1)保持部5及びアンカー部3が一体に成形されたバンドクリップ1を使用して、多数本のワイヤーハーネス8を扁平状態に保持した状態で車体内面に取着することができる。従って、部品コスト及び組み立てコストを低減することができる。
(2)保持部5を構成する基体2と保持片6の対向面に設けた凹凸7により、保持部5に挿通されるワイヤーハーネス8の基体2長手方向への位置ずれを防止することができる。従って、ワイヤーハーネス8を車体内面に沿って扁平状態に保持することができる。
(3)保持部5を構成する基体2と保持片6の対向面に設けた凹凸7により、信号線を束ねたワイヤーハーネス8aと、電源線を束ねたワイヤーハーネス8bとを所要の間隔を隔てた状態で保持することができる。従って、電源線と信号線とのノイズによる干渉を防止することができる。
(4)複数本のバンドクリップ1にワイヤーハーネス8を挿通し、各バンドクリップ1を車体内面に取着することにより、車体内面の凹凸や段差に沿ってワイヤーハーネス8を扁平に保持することができる。
(5)多数本のワイヤーハーネス8を車体内面の湾曲面に沿って扁平に保持することができる。
(6)基体2を、保持片6を内側として湾曲させることにより、多数本のワイヤーハーネス8を保持部5に容易に挿通することができる。
(7)基体2を、保持片6を内側として湾曲させることにより、ワイヤーハーネス8の端部に取着したコネクタ9を保持部5に挿通することができる。従って、あらかじめコネクタ9をワイヤーハーネス8に取着し、その後にワイヤーハーネス8を保持部5に挿通することができるので、組み立てコストを低減することができる。
(第二の実施形態)
図9は、第二の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ11は、第一の実施形態のバンドクリップ1の保持部5とアンカー部3との間に、それぞれ複数の取付孔12を備えたものである。その他の構成は、第一の実施形態のバンドクリップ1と同様であるので、同一構成部分は第一の実施形態と同一符号を付して説明する。
このような構成により、バンドクリップ11はアンカー部3を使用して車体内面に取着可能であるとともに、車体内面に形成された係止突起を取付孔12に嵌合することにより、車体内面に取着可能である。
この実施形態のバンドクリップ11では、第一の実施形態のバンドクリップ1で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)保持部5の両側に位置する取付孔12のいずれかを使用して、バンドクリップ11を車体内面に取着することができる。そして、取付孔12を使用する場合は、当該取付孔12とアンカー部3との間で基体2を切断して使用することができる。従って、車体内面にアンカー部3を嵌合するための取付孔がない場合には、取付孔12を使用して車体内面に取着することができる。
(2)保持部5の両側にそれぞれ複数の取付孔12を設けたので、車体内面の係止突起の位置に対応する取付孔12を選択して使用して、バンドクリップ11を車体内面に取着することができる。従って、バンドクリップ11の取付位置の自由度が向上する。
(3)使用する取付孔12を適宜選択することにより、ワイヤーハーネス8が連続して挿通された隣り合うバンドクリップ11を長手方向にスライドさせた位置で車体内面に固定することも容易である。従って、ワイヤーハーネス8を扁平状態に維持しながら車体内面に沿って平面方向にスライドして引き回すことも容易である。
(第三の実施形態)
図10及び図11は、第三の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ13は、第一の実施形態のバンドクリップ1の基体2の中央部に一対の引っ掛け部14を設けたものである。その他の構成は、第一の実施形態のバンドクリップ1と同様であるので、同一構成部分は第一の実施形態と同一符号を付して説明する。
(1)保持部5の両側に位置する取付孔12のいずれかを使用して、バンドクリップ11を車体内面に取着することができる。そして、取付孔12を使用する場合は、当該取付孔12とアンカー部3との間で基体2を切断して使用することができる。従って、車体内面にアンカー部3を嵌合するための取付孔がない場合には、取付孔12を使用して車体内面に取着することができる。
(2)保持部5の両側にそれぞれ複数の取付孔12を設けたので、車体内面の係止突起の位置に対応する取付孔12を選択して使用して、バンドクリップ11を車体内面に取着することができる。従って、バンドクリップ11の取付位置の自由度が向上する。
(3)使用する取付孔12を適宜選択することにより、ワイヤーハーネス8が連続して挿通された隣り合うバンドクリップ11を長手方向にスライドさせた位置で車体内面に固定することも容易である。従って、ワイヤーハーネス8を扁平状態に維持しながら車体内面に沿って平面方向にスライドして引き回すことも容易である。
(第三の実施形態)
図10及び図11は、第三の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ13は、第一の実施形態のバンドクリップ1の基体2の中央部に一対の引っ掛け部14を設けたものである。その他の構成は、第一の実施形態のバンドクリップ1と同様であるので、同一構成部分は第一の実施形態と同一符号を付して説明する。
前記引っ掛け部14は、前記保持片6の両端部位置において、基体2から該保持片6とは反対方向すなわち前記アンカー部3と同一方向に突出され、その先端部は互いに対向する方向に直角に屈曲されている。
このようなバンドクリップ13では、第一の実施形態のバンドクリップ1で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)引っ掛け部14を車体内面に設けた係止孔に係合させることにより、基体2の中間部を車体に確実に固定することができる。
(2)車体内面上において、ワイヤーハーネス8を引き回す軌道を規制する係止孔が形成されているとき、引っ掛け部14を該係止孔に係合させることにより、ワイヤーハーネス8を所要の位置に引き回すことができる。
(3)図11に示すように、バンドクリップ13を車体内面に取着したとき、基体2と車体内面15との間に引っ掛け部14の高さに相当する間隙を確保することができる。従って、車体内面に露出されるバリ等による基体2の損傷を防止することができる。
(第四の実施形態)
図12は、第四の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ16は、第三の実施形態のバンドクリップ13の引っ掛け部14とアンカー部3との間に、引っ掛け部14と同一高さの突起17を等間隔に複数設けたものである。その他の構成は第三の実施形態のバンドクリップ13と同様であるので、同一符号を付して説明する。
(1)引っ掛け部14を車体内面に設けた係止孔に係合させることにより、基体2の中間部を車体に確実に固定することができる。
(2)車体内面上において、ワイヤーハーネス8を引き回す軌道を規制する係止孔が形成されているとき、引っ掛け部14を該係止孔に係合させることにより、ワイヤーハーネス8を所要の位置に引き回すことができる。
(3)図11に示すように、バンドクリップ13を車体内面に取着したとき、基体2と車体内面15との間に引っ掛け部14の高さに相当する間隙を確保することができる。従って、車体内面に露出されるバリ等による基体2の損傷を防止することができる。
(第四の実施形態)
図12は、第四の実施形態を示す。この実施形態のバンドクリップ16は、第三の実施形態のバンドクリップ13の引っ掛け部14とアンカー部3との間に、引っ掛け部14と同一高さの突起17を等間隔に複数設けたものである。その他の構成は第三の実施形態のバンドクリップ13と同様であるので、同一符号を付して説明する。
このように構成されたバンドクリップ16では、引っ掛け部14とアンカー部3との間の基体2と車体内面との間に、突起17の高さに相当する間隙を確保することができる。
従って、第三の実施形態で得られた効果に加えて、引っ掛け部14とアンカー部3との間の基体2の車体内面に露出されるバリ等による損傷を防止することができる。
(第五の実施形態)
図13及び図14は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、バンドクリップの基体の両端に設けられるアンカー部の少なくとも一方を基体に対し位置調節可能としたものである。
従って、第三の実施形態で得られた効果に加えて、引っ掛け部14とアンカー部3との間の基体2の車体内面に露出されるバリ等による損傷を防止することができる。
(第五の実施形態)
図13及び図14は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、バンドクリップの基体の両端に設けられるアンカー部の少なくとも一方を基体に対し位置調節可能としたものである。
図14に示すように、基体18の一方の表面には、鋸刃状の係止突起19が該基体18の長手方向に連続して多数設けられている。アンカー部20は、その基台部21に基体18を挿通可能とした挿通孔22が設けられ、その挿通孔22内には舌片23が延設されている。そして、舌片23は挿通孔22に挿通された基体18に向かって付勢される弾性を備えている。
前記基体18は、前記係止突起19が舌片23に対向する方向で挿通され、舌片23の前記基体18に対向する面には、前記係止突起19に係合可能とした係合部24が形成されている。
そして、係止突起19を舌片23側として挿通孔22内に基体18を矢印A方向に挿通すると、舌片23の係合部24が係止突起19を順次乗り越えながらアンカー部20が基体18に対し相対移動する。
そして、アンカー部20を基体18に対し所望位置まで相対移動させた後は、係合部24が係止突起19に係合して、アンカー部20は基体18に対し矢印A方向の反対方向には相対移動不能となる。
従って、アンカー部20は基体18に対し他方のアンカー部に近づく方向には移動可能であるが、アンカー部20及び基体18に作用する引っ張り力では、その逆方向への移動が阻止されるようになっている。
なお、舌片23の先端を基体18から遠ざかる方向(図13では下方)に押圧して、係合部24と係止突起19との係合を解除すれば、アンカー部20を基体18の端部側に移動させることはできる。
上記のような基体18及びアンカー部20の構成以外は、第一の実施形態のバンドクリップ1と同様な構成である。
このようなバンドクリップでは、第一の実施形態のバンドクリップ1で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)基体18に対しアンカー部20の位置を調節可能であるので、基体18の両端部のアンカー部の間隔を車体内面の取付孔の間隔に合わせて適宜に調節することができる。従って、異なる間隔の取付孔に対しても共通のバンドクリップを使用してワイヤーハーネス8を車体内面に保持することができるので、部品コストを低減することができる。
このようなバンドクリップでは、第一の実施形態のバンドクリップ1で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)基体18に対しアンカー部20の位置を調節可能であるので、基体18の両端部のアンカー部の間隔を車体内面の取付孔の間隔に合わせて適宜に調節することができる。従って、異なる間隔の取付孔に対しても共通のバンドクリップを使用してワイヤーハーネス8を車体内面に保持することができるので、部品コストを低減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記各実施形態のバンドクリップを、可撓性に加えて伸縮性を備えた合成樹脂で形成すると、車体内面へのアンカー部の嵌合作業あるいは第二の実施形態の取付孔や第三の実施形態の引っ掛け部の車体内面への取付作業がさらに容易となる。
・前記各実施形態のバンドクリップを、可撓性に加えて伸縮性を備えた合成樹脂で形成すると、車体内面へのアンカー部の嵌合作業あるいは第二の実施形態の取付孔や第三の実施形態の引っ掛け部の車体内面への取付作業がさらに容易となる。
1,11,13,16…バンドクリップ、2…基体、3,20…アンカー部、5…保持部、6…保持片、7…凹凸、8,8a,8b…ワイヤーハーネス、10…車体内面、12…取付孔、14…引っ掛け部、17…突起。
Claims (10)
- 可撓性を備えた合成樹脂で形成した基体と、
前記基体の両端に設けられ、車体内面に取着可能としたアンカー部と、
前記基体に対し、前記アンカー部の突出方向とは反対側に設けられ、前記アンカー部間において多数本のワイヤーハーネスを前記基体に対し扁平に保持する保持部と
を備えたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項1に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記保持部は、両端部が前記基体に接続され、該基体との間で多数本のワイヤーハーネスを扁平に保持可能とした保持片を備えたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項2に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記保持片と基体の対向面には、前記保持部に挿通される前記ワイヤーハーネスの前記基体の長手方向への移動を阻止する凹凸を設けたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、取付孔を設けたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項4に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記各アンカー部と、前記保持部との間の基体に、それぞれ複数の取付孔を備えたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項2又は3に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記保持片の両端部位置において、前記基体から前記アンカー部と同一方向に突出する引っ掛け部を設けたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項6に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記引っ掛け部の先端部を、互いに対向する方向に直角に屈曲したことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項6又は7に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記引っ掛け部と前記アンカー部との間に、前記基体から前記引っ掛け部と同一高さに突出する突起を設けたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記アンカー部の少なくとも一方を、前記基体に対し該基体の長手方向に位置調節可能としたことを特徴とする自動車用バンドクリップ。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の自動車用バンドクリップにおいて、
前記基体を可撓性と伸縮性を備えた合成樹脂で形成したことを特徴とする自動車用バンドクリップ。
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