JP2015089268A - 駆動回路 - Google Patents

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邦彦 松田
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Abstract

【課題】ハーフブリッジ回路の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子に対して耐圧を超える電圧が印加されることを防止する。【解決手段】駆動回路15は、直流電圧Vaが供給される電源線3、4間に接続されたハーフブリッジ回路8の上アームを構成するNチャネル型のトランジスタT1を駆動する。駆動回路15は、安定化された直流電圧Vbを昇圧して出力する昇圧回路12および昇圧回路12から出力される昇圧電圧VRGをトランジスタT1のゲートに供給することによりオン駆動するゲート駆動回路13を備える。昇圧回路12は、電源線3、4間の電圧(直流電圧Va)を基準に設定される目標値に、昇圧電圧VRGの検出値が一致するようにフィードバック制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、一対の電源線間に接続されたハーフブリッジ回路の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子を駆動する駆動回路に関する。
例えばモータなどの負荷を駆動するHブリッジ回路やインバータ回路は、一対の電源線間に接続されたハーフブリッジ回路を備えている。そして、そのハーフブリッジ回路の上アームを構成するスイッチング素子として、Nチャネル型のMOSトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる場合がある。この場合、そのトランジスタを駆動する駆動回路は、トランジスタのゲートに与えるオン駆動電圧を昇圧するための昇圧回路を備えている。
また、一対の電源線に供給される直流電圧(以下、負荷用直流電圧とも呼ぶ)は、他の様々な負荷を駆動するためにも用いられることが一般的である。そのため、負荷用直流電圧は、それらの負荷の状態に応じて大きく変動する可能性がある。駆動回路が、このような変動の大きな負荷用直流電圧の供給を受けて動作する構成であると、その変動の影響によりトランジスタをオン駆動できなくなるおそれがあるとともに、トランジスタが故障する可能性がある。このため、通常、駆動回路は、負荷用直流電圧とは別系統の安定化された直流電圧(以下、駆動用直流電圧とも呼ぶ)の供給を受けて動作するようになっている。つまり、一対の電源線および駆動回路に供給される直流電圧は、それぞれ別系統になっていることが多い(例えば、特許文献1参照)。
上記構成の場合、トランジスタをオン駆動している期間に負荷用直流電圧が低下すると、次のような問題が生じる。すなわち、負荷用直流電圧が低下すると、トランジスタの主端子(例えばMOSトランジスタの場合にはソース)の電圧も同様に低下する。また、このとき、駆動回路は、負荷用直流電圧とは別系統の駆動用直流電圧の供給を受けて通常通り動作し、駆動用直流電圧を基準に所定値だけ昇圧したオン駆動電圧をトランジスタのゲートに出力している。そのため、トランジスタのゲートの電圧が低下することはない。その結果、トランジスタのゲート・ソース間の電圧(電位差)が定常時よりも高くなる。ゲート・ソース間電圧が耐圧を超えて上昇すると、トランジスタが故障するおそれがある。
このような耐圧を超える電圧の印加に伴うトランジスタの故障を防止する方法は、従来から種々考案されている。例えば、特許文献1には、ハーフブリッジ回路を構成するトランジスタのゲート端子に対し、抵抗およびコンデンサからなるフィルタ回路(積分回路)を接続することにより、サージ電圧からトランジスタを保護する技術が開示されている。
特開2001−043990号公報
特許文献1に記載の技術は、数ns〜数百nsオーダーのサージ電圧からトランジスタを保護する技術である。しかし、負荷用直流電圧は、このような比較的短い期間の変動だけでなく、比較的長い期間の変動が起こることも考えられる。例えば、負荷用直流電圧が車載のバッテリから供給される電圧である場合、クランキングの影響により、例えば数十ms〜数百ms程度の電圧変動が起こることがある。
特許文献1に記載の技術を用いて、このような長い期間の電圧変動が原因となって生じる過電圧の印加からトランジスタを保護するためには、フィルタ回路の時定数を大きくする必要がある。しかし、フィルタ回路の時定数を大きくすると通常時の動作速度が低下してしまうため、特許文献1に記載の技術を用いて上述した保護を実現することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハーフブリッジ回路の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子に対して耐圧を超える電圧が印加されることを防止することができる駆動回路を提供することにある。
請求項1に記載の手段は、負荷用直流電圧が供給される一対の電源線間に接続されたハーフブリッジ回路の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子を駆動する駆動回路である。その駆動回路は、安定化された駆動用直流電圧を昇圧して出力する昇圧回路および昇圧回路から出力される昇圧電圧をスイッチング素子のゲートに供給することによりスイッチング素子をオン駆動するオン駆動回路を備えている。この場合、昇圧回路は、一対の電源線の電圧を基準に設定される目標値に、昇圧電圧の検出値が一致するようにフィードバック制御を行う構成となっている。
このような構成によれば、スイッチング素子がオン駆動されている期間に負荷用直流電圧が大きく低下したとしても、スイッチング素子に対して過電圧が印加される問題は生じない。すなわち、負荷用直流電圧が低下すると、スイッチング素子の主端子の電圧が同様に低下する。しかし、上記構成では、負荷用直流電圧が供給される一対の電源線の電圧が変化した場合、その変化に合わせて昇圧電圧の目標値が同様に変化するようになっている。そのため、負荷用直流電圧が低下すると、昇圧回路のフィードバック制御により、負荷用直流電圧と同様に昇圧電圧(=スイッチング素子のゲートの電圧)が低下する。
従って、負荷用直流電圧が低下したとしても、スイッチング素子のゲートおよび主端子の間の電圧(電位差)が定常時と同程度に維持される。すなわち、負荷用直流電圧が低下した場合でも、スイッチング素子のゲートおよび主端子間に対して過電圧が印加されることがなくなる。このように、本手段によれば、スイッチング素子がオン駆動されている期間に負荷用直流電圧が低下した場合でも、スイッチング素子のゲートおよび主端子間の電圧が耐圧を超えて上昇することがなくなるため、その故障を防止することができる。
なお、昇圧回路によるフィードバック制御の追従性が良好であれば、負荷用直流電圧の変化に伴って直ちに昇圧電圧も同様に変化するため、上述した効果が確実に得られることになる。しかし、昇圧回路によるフィードバック制御の追従性が良好ではないと、例えば負荷用直流電圧が急峻に変化した場合などには、上述した効果が確実に得られないことも考えられる。このような点を補うためには、請求項2に記載の手段を採用するとよい。
請求項2に記載の手段によれば、昇圧回路は、負荷用直流電圧が所定の判定値だけ低下すると、その出力端子の電圧を強制的に低下させる強制低下動作を実行する出力強制低下回路を備えている。このような構成によれば、負荷用直流電圧が判定値だけ低下すると、出力強制低下回路による強制低下動作が実行されて昇圧電圧が強制的に低下する。そのため、仮に昇圧回路によるフィードバック制御の追従性が良好ではない場合であっても、スイッチング素子のゲートおよび主端子間の電圧が耐圧を超えて上昇することを確実に防止できる。
請求項4に記載の手段によれば、一対の電源線のうち高電位側の電源線に対する電圧供給経路を開閉する開閉手段を備えている。開閉手段は、ハーフブリッジ回路の短絡保護を目的に設けられている。このような構成の場合、開閉手段が開状態(オフ)のとき、上記電圧供給経路が断たれているため、一対の電源線の電圧はゼロになっている。そのため、その電圧を基準に昇圧電圧の目標値が設定されると、昇圧回路から出力される昇圧電圧は、スイッチング素子をオン可能な電圧よりも低くなり、最悪の場合には、開閉手段を閉状態にすることができなくなってしまう。
そこで、昇圧回路は、開閉手段が開状態のときには駆動用直流電圧または駆動用直流電圧に応じて同様に変化する電圧を基準に目標値を設定し、開閉手段が閉状態のときには一対の電源線の電圧を基準に目標値を設定する。このようにすれば、開閉手段の状態(上記電圧供給経路の形成状態)に関係なく、昇圧回路からスイッチング素子をオン可能な昇圧電圧が出力されるとともに、前述したようなスイッチング素子の保護を行うことができる。
請求項5に記載の手段によれば、開閉手段が開状態のときに駆動用直流電圧により一対の電源線の間に接続されたコンデンサを充電するプリチャージ回路を備えている。上記コンデンサは、ハーフブリッジ回路に供給される電圧を平滑化することを目的に設けられている。プリチャージ回路は、開閉手段を閉状態にした際におけるコンデンサに対する突入電流を防止するため、開閉手段が開状態の期間にコンデンサに対して事前に電荷を充電する。
このような構成の場合、開閉手段が開状態のとき、一対の電源線の電圧は、駆動用直流電圧と同程度になっている。そこで、昇圧回路は、開閉手段の状態にかかわらず一対の電源線の電圧を基準に目標値を設定する。このようにすれば、開閉手段の状態(上記電圧供給経路の形成状態)に関係なく、昇圧回路からスイッチング素子をオン可能な昇圧電圧が出力されるとともに、前述したようなスイッチング素子の保護を行うことができる。
第1の実施形態を示すもので、モータ駆動システムの構成を示す図 駆動部の具体的な構成の一例を示す図 昇圧回路における各信号および昇圧電圧を示すタイミングチャート 各部の電圧波形を示すタイミングチャート 第2の実施形態を示す図2相当図 各部の電圧波形および信号波形を示すタイミングチャート(その1) 各部の電圧波形および信号波形を示すタイミングチャート(その2) 第3の実施形態を示す図1相当図 昇圧電圧と、その目標値の基準となる電圧の波形とを示す図(その1) 昇圧電圧と、その目標値の基準となる電圧の波形とを示す図(その2) 第4の実施形態を示す図1相当図 プリチャージ回路の具体的な構成の一例を示す図 図9相当図 第5の実施形態を示す図1相当図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すモータ駆動システム1は、例えば自動車などの車両に搭載されるECUにおいて用いられる。モータ駆動システム1は、車載のバッテリ2から一対の電源線3、4に供給される直流電圧Va(負荷用直流電圧に相当)を三相の交流電圧に変換してモータ5に供給することで、モータ5を駆動する。この場合、直流電圧Vaは、定常値が12V程度になっている。しかし、直流電圧Vaは、自動車におけるアイドリングストップから復帰する際に生じるクランキングなどの影響により、6V程度まで低下する可能性がある。
モータ駆動システム1は、主回路部6および駆動部7を備えている。主回路部6は、電源線3、4間に接続された3つのハーフブリッジ回路8〜10およびコンデンサ11を備えている。ハーフブリッジ回路8〜10を構成する6つのトランジスタT1〜T6は、いずれもNチャネル型のMOSトランジスタである。なお、図示は省略するが、トランジスタT1〜T6には、それぞれ還流ダイオードが接続されている。ハーフブリッジ回路8〜10の出力端子となるノードN1〜N3は、それぞれモータ5の各端子に接続されている。コンデンサ11は、電源線3、4間の電圧を平滑化することを目的として設けられている。
駆動部7は、昇圧回路12およびゲート駆動回路13、14を備えている。なお、本実施形態では、昇圧回路12およびゲート駆動回路13により、上アーム側のトランジスタT1〜T3(スイッチング素子に相当)を駆動する駆動回路15が構成されている。昇圧回路12には、直流電圧Vaと、その直流電圧Vaとは別系統の直流電源16から出力される安定化された直流電圧Vb(駆動用直流電圧に相当)とが入力されている。この場合、直流電圧Vbの値は、直流電圧Vaの定常値と同じになっている。昇圧回路12は、直流電圧Vbを昇圧した昇圧電圧VRGをゲート駆動回路13に出力する。
詳細は後述するが、昇圧回路12は、昇圧電圧VRGの検出値が所望の目標値Vrに一致するように、フィードバック制御する構成となっている。目標値Vrは、直流電圧Vaを基準に設定されるものであり、下記(1)式により表すことができる。ただし、αは、昇圧量を定めるための所定値であり、例えば15Vである。なお、所定値αは、トランジスタT1のゲート閾値電圧よりも高い値であればよく、各種の仕様に応じて適宜変更すればよい。
Vr=Va+α …(1)
ゲート駆動回路13は、ハーフブリッジ回路8〜10の上アームを構成するトランジスタT1〜T3を駆動する。ゲート駆動回路13は、図示しない制御部から与えられる制御信号に基づいて、トランジスタT1〜T3をオン駆動またはオフ駆動するための駆動電圧を、それらのゲートに出力する。なお、以下では、トランジスタT1を駆動する部分を例にしてゲート駆動回路13に関する説明を行うが、トランジスタT2およびT3を駆動する部分についても同様である。
ゲート駆動回路13は、オフ駆動を指令する制御信号が与えられると、トランジスタT1のゲートに対し、そのソースの電圧以下の電圧(オフ駆動電圧)を与え、トランジスタT1をオフ駆動する。また、ゲート駆動回路13は、オン駆動を指令する制御信号が与えられると、トランジスタT1のゲートに対し、直流電圧Vaより高い電圧(オン駆動電圧=昇圧電圧VRG)を与え、トランジスタT1をオン駆動する。なお、Nチャネル型のトランジスタT1をオン駆動するためには、そのゲートに、そのソース電圧よりもゲート閾値電圧以上高い電圧を与え続ける必要がある。この場合、昇圧電圧VRGは、上記(1)式に示すように、直流電圧Vaよりもゲート閾値電圧以上高い電圧となる。そのため、トランジスタT1をオン駆動することが可能となっている。
ゲート駆動回路14は、ハーフブリッジ回路8〜10の下アームを構成するトランジスタT4〜T6を駆動する。ゲート駆動回路14は、図示しない制御部から与えられる制御信号に基づいて、トランジスタT4〜T6をオン駆動またはオフ駆動するための駆動電圧を、それらのゲートに出力する。なお、以下では、トランジスタT4を駆動する部分を例にしてゲート駆動回路14に関する説明を行うが、トランジスタT5およびT6を駆動する部分についても同様である。
ゲート駆動回路14は、オフ駆動を指令する制御信号が与えられると、トランジスタT4のゲートに対し、そのソースの電圧以下の電圧(オフ駆動電圧)を与え、トランジスタT4をオフ駆動する。また、ゲート駆動回路14は、オン駆動を指令する制御信号が与えられると、トランジスタT4のゲートに対し、ソース電圧よりもゲート閾値電圧以上高い電圧(オン駆動電圧=直流電圧Vb)を与え、トランジスタT4をオン駆動する。
図2は、駆動部7の具体的な構成の一例について示している。なお、図2では、駆動部7の構成のうちハーフブリッジ回路9、10を駆動するための構成については、図示を省略しているが、図示したハーフブリッジ回路8を駆動するための構成と同様の構成になっている。図2に示すように、昇圧回路12は、チャージポンプ主回路17、制御回路18、抵抗19、電流源20およびコンパレータ21を備えている。
チャージポンプ主回路17は、ダイオードD1〜D3、コンデンサC1、C2および電位切替回路22、23により構成される。ダイオードD1〜D3は、直流電源16の高電位側の出力端子と、昇圧回路12の出力端子との間に、直流電源16側をアノードとして直列接続されている。ダイオードD1およびD2の相互接続点にはコンデンサC1の一方の端子が接続され、ダイオードD2およびD3の相互接続点にはコンデンサC2の一方の端子が接続されている。コンデンサC1の他方の端子は、電位切替回路22の出力端子に接続されている。コンデンサC2の他方の端子は、電位切替回路23の出力端子に接続されている。
電位切替回路22は、制御回路18から与えられる制御信号Saに基づいて、コンデンサC1の他方の端子電位を切り替える。具体的には、電位切替回路22は、Lレベルの制御信号Saが与えられるとコンデンサC1の他方の端子を電源線4に接続し、その端子電位を0Vにする。また、電位切替回路22は、Hレベルの制御信号Saが与えられると、コンデンサC1の他方の端子を直流電源16の高電位側の出力端子に接続し、その端子電位を直流電圧Vbにする。電位切替回路23は、制御回路18から与えられる制御信号Sbに基づいて、コンデンサC2の他方の端子電位を切り替える。電位切替回路23の動作は、電位切替回路22の動作と同様であるため、その説明を省略する。
このような構成によれば、コンデンサC1およびC2の他方の端子の電位が所定周期で交互に切り替えられることにより、入力された直流電圧Vbを昇圧した昇圧電圧VRGを出力する昇圧動作が実行される。また、コンデンサC1およびC2のそれぞれの他方の端子の電位が固定されると、上記昇圧動作の実行が停止されることになる。なお、本実施形態では、上記各端子の電位を0Vに固定することにより、昇圧動作の実行を停止するようになっている。
昇圧回路12の出力端子および電源線4の間には、抵抗19および電流源20が直列接続されている。電流源20は、昇圧回路12の出力端子から電源線4に向けて一定の電流Iaを出力する。抵抗19および電流源20の相互接続点の電圧は、コンパレータ21の非反転入力端子に与えられている。コンパレータ21の反転入力端子には、直流電圧Vaが与えられている。コンパレータ21の出力信号Scは、制御回路18に与えられている。
このような構成によれば、コンパレータ21の出力信号Scは、直流電圧Vaおよび昇圧電圧VRGが下記(2)式の関係を満たす期間にはLレベルになり、満たさない期間にはHレベルになる。ただし、抵抗19の抵抗値をRaとしている。
Va+(Ia×Ra)<VRG …(2)
上記(2)式における「Ia×Ra」の項は、前述した昇圧回路12の昇圧量である「α」に相当する。すなわち、図3のタイミングチャートに示すように、コンパレータ21の出力信号Scは、直流電圧Vaに対してαを加えた目標値Vrよりも昇圧電圧VRGが高い場合にはLレベルになり、低い場合にはHレベルになる。
制御回路18は、コンパレータ21の出力信号Scに基づいて、制御信号SaおよびSbを変化させる。具体的には、制御回路18は、出力信号ScがLレベルである場合、制御信号SaおよびSbをLレベルに固定する。これにより、チャージポンプ主回路17による昇圧動作の実行が停止されるため、昇圧電圧VRGは漸減する(図3の時刻t1〜t2の期間など)。
また、制御回路18は、出力信号ScがHレベルである場合、制御信号SaおよびSbを互いに反転したパルス状の信号とする。なお、この場合、制御信号SaおよびSbは、制御回路18に与えられるクロック信号CLKを用いて生成され、クロック信号CLKに同期した信号となる。これにより、チャージポンプ主回路17により昇圧動作が実行されるため、昇圧電圧VRGは漸増する(図3の時刻t1以前の期間など)。
このように、昇圧回路12は、昇圧電圧VRG(の検出値)が目標値Vr(=Va+α)よりも高い場合には昇圧動作の実行を停止し、低い場合には昇圧動作が実行されるようになっている。すなわち、昇圧回路12は、出力する昇圧電圧VRGが目標値Vrに一致するように、電圧フィードバック制御する構成となっている。
なお、図3に示すように、制御回路18は、出力信号ScがHレベルからLレベルに転じた後、クロック信号CLKの1周期程度の期間は制御信号Saをパルス状に維持している。これにより、コンデンサC2の充電が行われるため、次に昇圧動作が開始される際の応答性が向上する。
ゲート駆動回路13は、ハーフブリッジ回路8の上アーム側のトランジスタT1を駆動するための構成として、ハイサイドドライバ24、ゲート抵抗25およびツェナーダイオード26を備えている。ゲート抵抗25は、ハイサイドドライバ24の出力端子およびトランジスタT1のゲートの間に設けられている。ツェナーダイオード26は、トランジスタT1のゲート・ソース間に、ソース側をアノードとして設けられている。
ゲート駆動回路14は、ハーフブリッジ回路8の下アーム側のトランジスタT2を駆動するための構成として、ロウサイドドライバ27、ゲート抵抗28およびツェナーダイオード29を備えている。ゲート抵抗28は、ロウサイドドライバ27の出力端子およびトランジスタT2のゲートの間に設けられている。ツェナーダイオード29は、トランジスタT2のゲート・ソース間に、ソース側をアノードとして設けられている。
ツェナーダイオード26、29は、トランジスタT1、T2の端子などにノイズが重畳した場合におけるゲート・ソース間電圧の上昇による故障を防ぐために設けられている。この場合、ツェナーダイオード26、29には、継続的に大きな電流が流れることはない。従って、ツェナーダイオード26、29としては、比較的サイズの小さいものが用いられている。
上記構成によれば、トランジスタT1がオン駆動されている期間に直流電圧Vaが大きく低下したとしても、トランジスタT1のゲート・ソース間に対して過電圧が印加される問題は生じない。すなわち、直流電圧Vaが低下すると、トランジスタT1のドレインおよびソースの電圧が同様に低下する。しかし、上記構成では、直流電圧Vaが変化すると、その変化に合わせて昇圧電圧VRGの目標値Vrが同様に変化するようになっている。そのため、直流電圧Vaが低下すると、昇圧回路12のフィードバック制御により、直流電圧Vaと同様に昇圧電圧VRG(=トランジスタT1のゲートの電圧)が低下する(図4参照)。
従って、例えばクランキングなどの影響により、直流電圧Vaが大きく低下したとしても、トランジスタT1のゲート・ソース間電圧Vgsは、定常時と同程度の値(=α)に維持される。すなわち、直流電圧Vaが低下した場合でも、トランジスタT1のゲートおよびソース間に対して過電圧が印加されることがなくなる。このように、本実施形態によれば、トランジスタT1がオン駆動されている期間に直流電圧Vaが低下した場合でも、トランジスタT1のゲート・ソース間電圧Vgsが耐圧を超えて上昇することがなくなるため、その故障を防止することができる。
なお、昇圧回路12によるフィードバック制御の追従性が良好であれば、直流電圧Vaの変化に伴って直ちに昇圧電圧VRGも同様に変化するため、上述した効果が確実に得られることになる。しかし、昇圧回路12によるフィードバック制御の追従性が良好ではないと、例えば直流電圧Vaが急峻に変化した場合などには、図4に破線で示すように、直流電圧Vaの変化に比べて昇圧電圧VRGの変化が小さくなる。その結果、トランジスタT1のゲート・ソース間電圧VgsがトランジスタT1のVgs耐圧を超えると、トランジスタT1またはツェナーダイオード26が破壊に至るような故障が生じる可能性がある。このような点を補うためには、後述する第2の実施形態の構成を採用するとよい。
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、昇圧回路の具体的な構成を変更した第2の実施形態について図5〜図7を参照して説明する。
図5に示すように、本実施形態の昇圧回路31は、昇圧回路12が備える構成に加え、クランキング検出回路32および出力強制低下回路33を備えている。クランキング検出回路32は、直流電圧Vaの低下に基づいてクランキングの発生を検出する。具体的には、クランキング検出回路32は、直流電圧Vaが所定の判定値βだけ低下すると、クランキングが発生したことを示す信号(後述するHレベルの出力信号Sd)を制御回路18に出力する。
クランキング検出回路32は、抵抗34、電流源35およびコンパレータ36を備えている。抵抗34および電流源35は、直流電源16の高電位側出力端子および電源線4の間に直列接続されている。電流源35は、直流電源16の高電位側出力端子から電源線4に向けて一定の電流Ibを出力する。抵抗34および電流源35の相互接続点の電圧は、コンパレータ36の非反転入力端子に与えられている。コンパレータ36の反転入力端子には、直流電圧Vaが与えられている。コンパレータ36の出力信号Sdは、制御回路18に与えられている。
このような構成によれば、コンパレータ36の出力信号Sdは、直流電圧VaおよびVbが下記(3)式の関係を満たす期間にはLレベルになり、満たさない期間にはHレベルになる。ただし、抵抗34の抵抗値をRbとしている。
Vb−(Ib×Rb)<Va …(3)
上記(3)式における「Ib×Rb」の項は、前述した判定値βに相当する。すなわち、図6のタイミングチャートに示すように、コンパレータ36の出力信号Sdは、クランキングが発生していない期間にはLレベルになり、クランキングが発生している期間にはHレベルになる。
出力強制低下回路33は、抵抗37およびNチャネル型のMOSトランジスタであるトランジスタ38を備えている。抵抗37およびトランジスタ38は、昇圧回路31の出力端子および電源線4の間に直列接続されている。トランジスタ38のゲートには、制御回路18から出力される駆動信号Seが与えられている。制御回路18は、クランキング検出回路32から与えられる出力信号Sdに基づいて、次の2つのパターンのうち、いずれかのパターンでもってトランジスタ38の駆動を制御する。
(1)第1パターン(図6参照)
制御回路18は、出力信号SdがLレベル(クランキング非発生)からHレベル(クランキング発生)に転じると、駆動信号SeをHレベルにする(図6の時刻ta)。これにより、トランジスタ38がオンし、昇圧回路31の出力端子および電源線4間に抵抗37が接続された状態となる。つまり、昇圧回路31の負荷が一時的に増加した状態となり、昇圧電圧VRGが強制的に低下する(強制低下動作)。
そして、制御回路18は、駆動信号SeをHレベルにしてから一定期間が経過すると、駆動信号SeをLレベルにする(図6の時刻tb)。これにより、トランジスタ38がオフし、昇圧回路31の負荷が増加した状態が解消される。そのため、昇圧電圧VRGは、昇圧回路31におけるフィードバック制御により、目標値Vrに向けて上昇する。なお、このとき、昇圧電圧VRGが増減を繰り返しながら上昇しているのは、目標値Vrがクランキングにより増減を繰り返す直流電圧Vaを基準として設定されているためである。
(2)第2パターン(図7参照)
第2パターンにおいても、最初に強制低下動作が開始される時点(図7の時刻ta)までは、第1パターンと同様の動作が行われる。その後、制御回路18は、出力信号Sdが再びLレベルに転じるまでの期間(図7の時刻ta〜tcの期間)、オン/オフを交互に繰り返すようにトランジスタ38の駆動を制御する。なお、この場合、駆動信号Seは、出力信号ScがLレベルであり且つ出力信号SdがHレベルであるという条件を満たすときにHレベルに設定されるとともに、上記条件を満たさないときにLレベルに設定される。つまり、この場合、出力強制低下回路33は、直流電圧Vaが判定値βだけ低下すると、昇圧電圧VRGがクランキングにより増減を繰り返す直流電圧Vaを基準として設定される目標値Vr(所定の下限値に相当)以上となるように、強制低下動作の実行および停止を繰り返すことになる。
以上説明したように、本実施形態の昇圧回路31は、直流電圧Vaが所定の判定値βだけ低下すると、その出力端子の電圧(昇圧電圧VRG)を強制的に低下させる強制低下動作を実行する出力強制低下回路33を備えている。このような構成によれば、直流電圧Vaが判定値βだけ低下すると、出力強制低下回路33による強制低下動作が実行されて昇圧電圧VRGが強制的に低下する。そのため、仮に昇圧回路31によるフィードバック制御の追従性が良好ではない場合であっても、トランジスタT1のゲート・ソース間電圧Vgsが耐圧を超えて上昇することを確実に防止できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図8〜図10を参照して説明する。
図8に示すモータ駆動システム41は、図1に示したモータ駆動システム1に対し、駆動部7に代えて駆動部42を備えている。駆動部42は、駆動部7が備える構成に加え、開閉手段43および基準電圧切替回路44を備えている。なお、本実施形態では、昇圧回路12、ゲート駆動回路13、開閉手段43および基準電圧切替回路44により、駆動回路45が構成されている。
開閉手段43は、バッテリ2の高電位側の出力端子から電源線3へと至る電圧供給経路を開閉するものであり、ハーフブリッジ回路8〜10の短絡保護を目的として設けられている。従って、開閉手段43は、定常時には上記電圧供給経路を閉じ(閉状態)、モータ駆動システム41の起動前または短絡などの異常が生じた異常時には上記電圧供給経路を開く(開状態)。
開閉手段43は、トランジスタT41、T42およびゲート駆動回路46、47を備えている。トランジスタT41、T42は、いずれもNチャネル型のMOSトランジスタである。なお、トランジスタT41、T42には、ソース側をアノードとした寄生ダイオードが形成されている。トランジスタT41のドレインはバッテリ2の高電位側出力端子に接続されており、トランジスタT42のドレインは電源線3に接続されている。トランジスタT41、T42の各ソースは、共通接続されている。
ゲート駆動回路46、47は、それぞれトランジスタT41、T42を駆動する。ゲート駆動回路46、47は、図示しない制御部から与えられる制御信号に基づいて、トランジスタT41、T42をオン駆動またはオフ駆動する駆動電圧を、そのゲートに出力する。なお、ゲート駆動回路46、47によるトランジスタT41、T42の駆動に関する動作は、前述したゲート駆動回路13と同様であるため、説明を省略する。
このような構成によれば、ハーフブリッジ回路8〜10、モータ5などにおいて何らかの異常(故障)が生じた場合でも、短絡電流の発生を防止することができる。すなわち、異常発生時、トランジスタT41をオフすれば、その寄生ダイオードの整流作用により順方向の過電流の発生が防止され、トランジスタT42をオフすれば、その寄生ダイオードの整流作用により逆方向の過電流の発生が防止される。
基準電圧切替回路44には、直流電圧Vbおよび電源線3の電圧VHが入力されている。基準電圧切替回路44は、開閉手段43の開閉状態に基づいて、各入力電圧のうち、いずれかを出力する。具体的には、基準電圧切替回路44は、開閉手段43が開状態(トランジスタT41、T42がオフ)のときには直流電圧Vbを出力し、閉状態(トランジスタT41、T42がオン)のときには電圧VHを出力する。
この場合、昇圧回路12には、直流電圧Vaに代えて、基準電圧切替回路44の出力電圧が与えられる。従って、昇圧回路12は、開閉手段43が開状態のときには直流電圧Vbを基準に目標値Vrを設定する。この場合、目標値Vrは、下記(4)式により表すことができる。
Vr=Vb+α …(4)
また、昇圧回路12は、開閉手段43が閉状態のときには電源線3の電圧VHを基準に目標値Vrを設定する。この場合、目標値Vrは、下記(5)式により表すことができる。
Vr=VH+α …(5)
本実施形態では、ハーフブリッジ回路8〜10の短絡保護を目的として、バッテリ2から電源線3へと至る電圧供給経路を開閉する開閉手段43が設けられている。このような構成の場合、昇圧回路12は、リーク防止の観点から、直流電圧Vaを基準に目標値Vrを設定することは難しい。そこで、電源線3の電圧VHを基準として目標値Vrを設定するように変更する、ということが考えられる。しかし、この場合、次のような問題が生じる。すなわち、開閉手段43は、モータ駆動システム41の起動時には開状態(トランジスタT41、T42がオフ)となっている。つまり、起動時には上記電圧供給経路が断たれているため、電源線3の電圧VHはゼロになっている。
従って、昇圧回路12が起動時に電圧VHを基準に昇圧電圧VRGの目標値Vrを設定すると、図9に示すように、昇圧回路12から出力される昇圧電圧VRGが、所望する値(例えば直流電圧Vaの定常値である12Vに対し所定値である15Vを加えた電圧値=27V)よりも低くなる。そのため、この場合、昇圧電圧VRGが、ハイサイド側のトランジスタT1〜T3およびトランジスタT41、T42をオン可能な電圧よりも低くなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、昇圧回路12は、開閉手段43が開状態(トランジスタT41、T42がオフ)のときには直流電圧Vbを基準に目標値Vrを設定するようにした。そのため、図10に示すように、起動時に昇圧回路12から出力される昇圧電圧VRGが、所望する値となる。また、本実施形態では、昇圧回路12は、開閉手段43が閉状態(トランジスタT41、T42がオン)のときには電源線3の電圧VHを基準に目標値Vrを設定するようにした。そのため、図10に示すように、定常時に昇圧回路12から出力される昇圧電圧VRGが所望する値となる。
また、このとき、クランキングなどの影響により直流電圧Vaが低下したとしても、直流電圧Vaと同様に電圧VH、ひいては目標値Vrが低下する。従って、上記各実施形態と同様、トランジスタT1〜T3のゲート・ソース間電圧Vgsが耐圧を超えて上昇することを防止できる。このように、本実施形態によれば、開閉手段43の状態(上記電圧供給経路の形成状態)に関係なく、昇圧回路12からトランジスタT1〜T3およびT41、T42を確実にオン可能な昇圧電圧VRGが出力されるとともに、上記各実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図11〜図13を参照して説明する。
図11に示すモータ駆動システム51は、図8に示したモータ駆動システム41に対し、駆動部42に代えて駆動部52を備えている。駆動部52は、駆動部42に対し、基準電圧切替回路44に代えてプリチャージ回路53を備えている点が異なる。なお、本実施形態では、昇圧回路12、ゲート駆動回路13、開閉手段43およびプリチャージ回路53により、駆動回路54が構成されている。
プリチャージ回路53は、トランジスタT41、T42がオフのとき、つまり開閉手段43が開状態であるとき、直流電圧Vbによりコンデンサ11を充電する。プリチャージ回路53は、モータ駆動システム41の起動時など、開閉手段43が開状態から閉状態に転じる際におけるコンデンサ11に対する突入電流を防止するために設けられている。
また、この場合、昇圧回路12には、直流電圧Vaに代えて、プリチャージ回路53の出力端子(=電源線3)の電圧VPIGが与えられている。そして、昇圧回路12は、電圧VPIGを基準に目標値Vrを設定する。この場合、目標値Vrは、下記(4)式により表すことができる。
Vr=VPIG+α …(4)
図12は、プリチャージ回路53の具体的な構成の一例について示している。図12に示すように、プリチャージ回路53は、トランジスタT51、T52、電流源55、抵抗R51およびダイオードD51を備えている。トランジスタT51、T52は、いずれもPチャネル型のMOSトランジスタであり、カレントミラー回路を構成するように接続されている。
トランジスタT51、T52の共通のソースは、プリチャージ回路53の入力端子となり、直流電源16の高電位側出力端子に接続される。トランジスタT51のドレインは、電流源55を介して電源線4に接続されている。電流源55は、トランジスタT51から電源線4に向けて一定の電流Icを流す。なお、電流Icの電流値は、プリチャージ回路53による充電の速度など、各種の仕様に応じて適宜設定すればよい。トランジスタT52のドレインは、抵抗R41およびダイオードD41を順方向に介して電源線3に接続さる。ダイオードD41は、モータ5から電力が回生される際に流れる回生電流の逆流阻止用に設けられており、そのカソードがプリチャージ回路53の出力端子となる。
バッテリ2から電源線3へと至る電圧供給経路を開閉する開閉手段43を設けた場合、その開閉手段43が開状態(トランジスタT41、T42がオフ)のとき、上記電圧供給経路が断たれているため、電源線3の電圧はゼロになる。しかし、本実施形態では、開閉手段43が開状態のときに直流電圧Vbによりコンデンサ11を充電するプリチャージ回路53が設けられている。そのため、開閉手段43が開状態のとき、電源線3の電圧VPIGは、直流電圧Vbより若干低いものの、概ね同程度の電圧値になっている(図13参照)。なお、電圧VPIGおよび直流電圧Vbの間に差が生じるのは、抵抗R51における電圧降下およびダイオードD51の順方向電圧などが原因である。
そこで、本実施形態では、昇圧回路12は、開閉手段43の状態にかかわらず電源線3の電圧VPIGを基準に目標値Vrを設定している。そのため、図13に示すように、起動時および定常時のいずれにおいても、昇圧回路12から出力される昇圧電圧VRGが所望する値となる。また、定常時、クランキングなどの影響により直流電圧Vaが低下したとしても、直流電圧Vaと同様に電源線3の電圧VPIG、ひいては目標値Vrが低下する。従って、上記各実施形態と同様、トランジスタT1〜T3のゲート・ソース間電圧Vgsが耐圧を超えて上昇することを防止できる。このように、本実施形態によれば、開閉手段43の状態(上記電圧供給経路の形成状態)に関係なく、昇圧回路12から上アーム側のトランジスタT1〜T3およびトランジスタT41、T42をオン可能な昇圧電圧VRGが出力されるとともに、上記各実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図14を参照して説明する。
図14に示すモータ駆動システム61は、図11に示したモータ駆動システム51に対し、駆動部52に代えて駆動部62を備えている。駆動部62は、駆動部52に対し、直流電源16に代えてIG保持電源63およびスイッチ64を備えている点が異なる。
IG保持電源63は、昇降圧動作を行うDC/DCコンバータである。IG保持電源63には、スイッチ64を介して直流電圧Vaが入力されている。IG保持電源63は、直流電圧Vaを昇圧または降圧し、所望の目標値を持つ安定化された直流電圧Vb’(駆動用直流電圧に相当)を出力する。上記目標値は、直流電圧Vaの定常値である12Vに設定されている。スイッチ64は、システムの起動時にオフからオンに転じるように切替制御される。
IG保持電源63は、次のようなことを目的として設けられている。すなわち、近年、自動車においてはアイドリングストップへの対応が進められている。そのため、自動車に搭載されるバッテリ2の直流電圧Vaは、アイドリングがストップされた状態から復帰する際、クランキングにより大きく変動(低下)する。このような変動の大きな直流電圧Vaの供給を受けて駆動部62が動作する構成を採用すると、ハーフブリッジ回路8〜10(トランジスタT1〜T6)を駆動できなくなるおそれがある。そこで、駆動部62に対し、安定化された直流電圧Vb’を供給するため、IG保持電源63が設けられている。
このように、本実施形態のモータ駆動システム61は、昇圧回路12、ゲート駆動回路14およびプリチャージ回路53に対し、直流電圧Vbに代えてIG保持電源63から出力される直流電圧Vb’が入力されている点を除けば、第4の実施形態のモータ駆動システム51と同様の構成である。しかも、直流電圧Vb’は、直流電圧Vbと同様、安定化された電圧であり、その値も同一である。従って、本実施形態によれば、第5の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
また、図示しないが、IG保持電源63の出力する直流電圧Vb’は、例えばマイコンなどの制御系に対する電源電圧(例えば5V)を生成する電源回路にも供給されている。通常、マイコンには、リセット回路が設けられており、電源電圧が低下すると、マイコンがリセットされるようになっている。そのため、上記電源回路が直流電圧Vaの供給を受けて動作する構成であると、アイドリングストップから復帰する度に、クランキングの影響により電源電圧が低下してしまい、マイコンが誤ってリセットされるおそれがある。これに対し、本実施形態のように、上記電源回路がIG保持電源63により安定化された直流電圧Vb’の供給を受けて動作する構成である場合、上述したような問題の発生を抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
昇圧回路の具体的な構成は、図2および図5に示した構成に限らずともよく、出力する昇圧電圧VRGをフィードバック制御する構成であれば適宜変更可能である。例えば、チャージポンプ主回路17における段数(ダイオードおよびコンデンサの数)を変更してもよい。また、チャージポンプ回路を主体とした構成に代えて、例えば、昇圧型のスイッチング電源回路を主体とした構成としてもよい。
出力強制低下回路の具体的な構成は、図5に示した構成に限らずともよく、昇圧回路12の出力端子の電圧を強制的に低下させる動作を実行可能な構成であれば適宜変更可能である。
開閉手段の具体的な構成は、図8、図11および図14に示した構成に限らずともよく、高電位側の電源線3に対する電圧供給経路を開閉する構成であれば適宜変更可能である。例えば、逆方向の過電流の発生を防止するためのトランジスタT42を省略してもよい。
プリチャージ回路の具体的な構成は、図12に示した構成に限らずともよく、直流電圧Vbにより電源線3、4の間に接続されたコンデンサ11を充電可能な構成であれば適宜変更可能である。
第3〜第5の実施形態について、昇圧回路12に代えて昇圧回路31を用いてもよい。
上記各実施形態では、三相のインバータ回路が備えるハーフブリッジ回路8〜10の上アームを構成するトランジスタT1〜T3を駆動対象とした構成を例に説明したが、これに限らずともよい。本発明の駆動回路は、例えばHブリッジ回路、同期整流型のチョッパ回路などが備えるハーフブリッジ回路など、種々の回路に採用されるハーフブリッジ回路の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子全般を駆動対象とすることができる。また、Nチャネル型のスイッチング素子としては、MOSトランジスタに限らず、例えばIGBTであってもよい。
図面中、3、4は電源線、8〜10はハーフブリッジ回路、11はコンデンサ、12、31は昇圧回路、13はゲート駆動回路、15、45、54は駆動回路、33は出力強制低下回路、43は開閉手段、53はプリチャージ回路、T1〜T3はトランジスタ(スイッチング素子)を示す。

Claims (6)

  1. 負荷用直流電圧が供給される一対の電源線(3、4)間に接続されたハーフブリッジ回路(8〜10)の上アームを構成するNチャネル型のスイッチング素子(T1〜T3)を駆動する駆動回路(15、45、54)であって、
    安定化された駆動用直流電圧を昇圧して出力する昇圧回路(12、31)と、
    前記昇圧回路から出力される昇圧電圧を前記スイッチング素子のゲートに供給することにより前記スイッチング素子をオン駆動するゲート駆動回路(13)と、
    を備え、
    前記昇圧回路は、
    前記一対の電源線の電圧を基準に設定される目標値に、前記昇圧電圧の検出値が一致するようにフィードバック制御を行う構成であることを特徴とする駆動回路。
  2. 前記昇圧回路(31)は、前記負荷用直流電圧が所定の判定値だけ低下すると、その出力端子の電圧を強制的に低下させる強制低下動作を実行する出力強制低下回路(33)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  3. 前記出力強制低下回路は、前記負荷用直流電圧が前記判定値だけ低下すると、前記出力端子の電圧が所定の下限値以上となるように、前記強制低下動作の実行および停止を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の駆動回路。
  4. 前記一対の電源線のうち高電位側の電源線(3)に対する電圧供給経路を開閉する開閉手段(43)を備え、
    前記昇圧回路は、前記開閉手段が開状態であるときには前記駆動用直流電圧または前記駆動用直流電圧に応じて同様に変化する電圧を基準に前記目標値を設定し、前記開閉手段が閉状態のときには前記一対の電源線の電圧を基準に前記目標値を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の駆動回路。
  5. 前記開閉手段が開状態のとき、前記駆動用直流電圧により前記一対の電源線の間に接続されたコンデンサ(11)を充電するプリチャージ回路(53)を備え、
    前記昇圧回路は、前記開閉手段の状態にかかわらず前記一対の電源線の電圧を基準に前記目標値を設定することを特徴とする請求項4に記載の駆動回路。
  6. 前記昇圧回路は、チャージポンプ回路であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動回路。
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