JP2015088306A - 摺動接点部材、電動機及び発電機 - Google Patents

摺動接点部材、電動機及び発電機 Download PDF

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紘敬 三輪
Hirotaka Miwa
紘敬 三輪
義貴 上原
Yoshitaka Uehara
義貴 上原
南部 俊和
Toshikazu Nanbu
俊和 南部
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Abstract

【課題】相手部材の長寿命化を実現し得る摺動接点部材、これを適用した電動機及び発電機を提供する。
【解決手段】摺動接点部材は、相手部材と相対的に摺動接触し、導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部とを備える。
電動機又は発電機は、相手部材と相対的に摺動接触し、導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部とを備える摺動接点部材を整流子及びブラシの少なくとも一方として備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動接点部材、電動機及び発電機に関するものである。更に詳細には、本発明は、導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部とを備えた摺動接点部材、これを適用した電動機及び発電機に関するものである。
従来、良好な耐摩耗性及び耐酸化性を有し、導電性部材同士の接触に適した導電部材が提案されている(特許文献1参照。)。ブラシ給電電極による摺動接点を構成している導電部材は、ブラシ状に束ねられて導電体に支持された導電性ダイヤモンドライクカーボンで被覆された弾性線材と、導電体上に形成された導電性ホウ素ドープダイヤモンド膜とを有する。
特開2002−025346号公報
しかしながら、特許文献1に記載の導電部材にあっては、相手部材の長寿命化については何ら検討がなされていない。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、相手部材の長寿命化を実現し得る摺動接点部材、これを適用した電動機及び発電機を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。そして、その結果、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部を配設することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の摺動接点部材は、相手部材と相対的に摺動接触する摺動接点部材であって、導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、該導電性硬質炭素含有部の該相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、該導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部とを備えたものである。
また、本発明の電動機又は発電機は、上記本発明の摺動接点部材を整流子及びブラシの少なくとも一方として備えたものである。
本発明によれば、導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部とを備えた構成とした。そのため、相手部材の長寿命化を実現し得る摺動接点部材、これを適用した電動機及び発電機を提供することができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る摺動接点部材の一例及び他の一例を模式的に示す断面図である。 図2(a)〜(f)は、導電性硬質炭素含有部の構成の若干例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る摺動接点部材の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る摺動接点部材の一例を製造する方法の一例を示す説明図である。 図5は、本発明の第1又は第2の実施形態に係る摺動接点部材を適用した直流モータを説明する断面図である。 図6は、ボールオンディスク試験の要領を示す概略図である。 図7は、実施例1及び比較例1の摺動接点部材を用いたボールオンディスク試験における比摩耗量を示すグラフである。 図8は、実施例1及び比較例1の摺動接点部材を用いたボールオンディスク試験における摩擦係数を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る摺動接点部材、これを適用した電動機及び発電機について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る摺動接点部材について詳細に説明する。図1(a)は、第1の実施形態に係る摺動接点部材の一例を模式的に示す断面図である。図1(a)に示すように、本例の摺動接点部材1Aは、相手部材40と相対的に摺動接触するものである。図中の矢印Xは摺動接点部材1Aが相手部材40に対して相対的に摺動する方向を示している。摺動接点部材1Aは、基部10と、導電性硬質炭素含有部の一例である導電性硬質炭素含有層20と、導電性硬質炭素含有層20の相手部材40と対向する面20aの全面に配設された軟質材料含有部の一例である軟質材料含有層30とを備えたものである。そして、導電性硬質炭素含有層20は、図示しない導電性硬質炭素を含むものであり、また、軟質材料含有層30は、図示しない軟質材料を含むものである。なお、軟質材料は、導電性硬質炭素より軟質なものである。
また、図1(b)は、第1の実施形態に係る摺動接点部材の他の一例を模式的に示す断面図である。図1(b)に示すように、本例の摺動接点部材1Bは、相手部材40と相対的に摺動接触するものである。図中の矢印Xは摺動接点部材1Bが相手部材40に対して相対的に摺動する方向を示している。摺動接点部材1Bは、基部10と、導電性硬質炭素含有層20と、導電性硬質炭素含有層20の相手部材40と対向する面20aの一部に配設された軟質材料含有層30とを備えたものである。そして、導電性硬質炭素含有層20は、図示しない導電性硬質炭素を含むものであり、また、軟質材料含有層30は、図示しない軟質材料を含むものである。なお、軟質材料は、導電性硬質炭素より軟質なものである。
導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の全面又は一部に、導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部が配設された構成とすることにより、摺動接点部材の相手攻撃性が低減して、相手部材の長寿命化を実現することができる。また、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の表面粗さを低減させるための鏡面加工などの加工コストを低減することができるという利点もある。なお、軟質材料含有部を導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の一部に配設する場合には、導電性硬質炭素含有部の見かけ表面粗さが低減されているということもできる。更に、例えば、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。
ここで、各構成について詳細に説明する。
上記基部10としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅や銅合金などの金属材料、カーボンなどの炭素材料などの整流子、ブラシ等に適用される従来公知の導電部材を適宜用いることができる。なお、図示しないが、基部自体が、導電性硬質炭素含有部からなるものであってもよく、このような摺動接点部材も本発明の範囲に含まれる。
上記導電性硬質炭素含有部20としては、導電性硬質炭素を含有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、優れた導電性と硬さを兼ね備えるという観点から導電性硬質炭素を50体積%以上含有するものであることが好ましい。また、導電性硬質炭素のみからなるものであってもよく、このような摺動接点部材も本発明の範囲に含まれる。
また、上記導電性硬質炭素としては、例えば、通電摺動による摩擦係数の低減、耐摩耗性の向上などの観点から導電性ダイヤモンドや導電性ダイヤモンドライクカーボンなどを好適例として挙げることができる。ここで、導電性ダイヤモンドとしては、ホウ素ドープダイヤモンドなど従来公知のものを適用することができる。また、導電性ダイヤモンドライクカーボンとしては、ta−C構造のダイヤモンドライクカーボン(いわゆる水素フリーダイヤモンドライクカーボン)やa−C:H構造のダイヤモンドライクカーボン(いわゆる水素含有ダイヤモンドライクカーボン)、金属元素ドープしたダイヤモンドライクカーボンなど従来公知のものを適用することができる。その中でも、導電性ダイヤモンドは、放熱性が高いという観点から特に好ましい。
更に、導電性硬質炭素含有部には、炭素と反応し易い材料若しくは触媒又は導電助剤を含んでいることが、導電性硬質炭素含有部のバルク化又は全体としての電気抵抗低減という観点から好ましい。全体としての電気抵抗を低減することができると、例えば、電動機や発電機の効率をより向上させることができる。なお、炭素と反応しやすい材料若しくは触媒成分の好適例としては、コバルト(Co)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ホウ素(B)などを挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて適用することができる。これらの触媒成分は、導電性ダイヤモンド粒子を用いて造粒体や焼結体を得るためには必要な成分である。また、導電助剤の好適例としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)などを挙げることができ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて適用することができる。
図2(a)〜(f)は、導電性硬質炭素含有部の構成の若干例を模式的に示す拡大断面図である。なお、上記説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。また、図2においては、軟質材料含有部を示していない。
導電性硬質炭素含有部20の第1の好適例としては、図2(a)に示すような導電性ダイヤモンド21からなる複数の粒子と、これらを結合する、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる、又はこれらを結合し、かつ、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる他の材料25とを含む複合材27からなるものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えばパウダーデポジション法などのコールドスプレー法や焼結法で形成することができる。特に、パウダーデポジション法により容易に形成することができる。第1の好適例は、下記の第2〜第6の好適例と比較して、相対的に硬さが硬い傾向を有し、かつ、表面粗さが大きい傾向を有するため、本発明による作用効果がより効果的に発現される。
また、導電性硬質炭素含有部20の第2の好適例としては、図2(b)に示すような導電性ダイヤモンド21からなる複数の粒子と、これらを結合する、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる、又はこれらを結合し、かつ、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる他の材料25とを含む複合材27からなり、更に複数の粒子同士が接合された構造を有するものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えば焼結法により容易に形成することができる。
更に、導電性硬質炭素含有部20の第3の好適例としては、図2(c)に示すような導電性ダイヤモンド21と、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる他の材料25とを含む複合材27からなるものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えばCVD法により容易に形成することができる。
また、導電性硬質炭素含有部20の第4の好適例としては、図2(d)に示すような導電性ダイヤモンド21からなるものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えばCVD法により容易に形成することができる。
更に、導電性硬質炭素含有部20の第5の好適例としては、図2(e)に示すような導電性ダイヤモンドライクカーボン23と、導電性硬質炭素含有部の導電性を向上させる他の材料25とを含む複合材27からなるものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えばCVD法やPVD法により容易に形成することができる。
また、導電性硬質炭素含有部20の第6の好適例としては、図2(f)に示すような導電性ダイヤモンドライクカーボン23からなるものを挙げることができる。この導電性硬質炭素含有部20は、例えばCVD法やPVD法により容易に形成することができる。
更に、特に限定されるものではないが、CVD法やPVD法は、基部の相手部材と対向する面に導電性硬質炭素含有部である堆積体を形成する場合に適している。また、CVD法やPVD法で導電性硬質炭素含有部を形成する場合には、耐剥離性の観点から、コールドスプレー法や焼結法で導電性硬質炭素含有部である圧粉体を形成する場合と比較して層厚みを薄くすることが好ましい。
また、特に限定されるものではないが、パウダーデポジション法や焼結法は、基部の相手部材と対向する面に導電性硬質炭素含有部である圧粉体を形成する場合に適している。更に、コールドスプレー法や焼結法で導電性硬質炭素含有部を形成する場合には、原料サイズの観点から、CVD法やPVD法で導電性硬質炭素含有部である堆積体を形成する場合と比較して層厚みを厚くすることが好ましい。
更に、特に限定されるものではないが、上記第1〜第6の好適例においては、導電性硬質炭素含有部の厚みは、耐摩耗性の観点からは0.01mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることが更に好ましい。また、電気抵抗低減の観点からは1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
また、特に限定されるものではないが、上記第1〜第6の好適例においては、導電性硬質炭素の粒子径は、平均粒子径で0.002〜0.05mmであることが好ましく、0.005〜0.01mmであることが更に好ましい。また、上記第1〜第3の好適例においては、他の材料の粒子径は、平均粒子径で0.05mm以下であることが好ましく、上記第5の好適例においては、他の材料の粒子径は、0.01mm以下であることが好ましい。
なお、本発明において、「粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用いて観察される導電性硬質炭素の粒子や他の材材料の粒子などの(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。
また、本発明において、「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。他の構成成分の粒子径や平均粒子径も同様に定義することができる。
ただし、このような範囲に何ら制限されるものではなく、本発明の作用効果を有効に発現できるものであれば、この範囲を外れていてもよいことは言うまでもない。
また、上記軟質材料含有部30としては、所定の関係を満足し、軟質材料を含有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、軟質材料を50体積%以上含有するものであることが好ましい。また、軟質材料のみからなるものであってもよく、このような摺動接点部材も本発明の範囲に含まれる。なお、軟質材料含有部は導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面に連続した状態で配置されていてもよく、非連続な、すなわち分散した状態で配設されていてもよい。
更に、上記軟質材料としては、特に限定されるものではないが、相手部材より硬質な材料であることが好ましい。相手部材よりも耐摩耗性が高いと、摺動する際に除去されにくく、相手部材及び摺動接点部材自体の双方の長寿命化を実現することができる。また、例えば、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。
また、このような軟質材料としては、例えば、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、銀(Ag)、金(Au)若しくは炭素(C)又はこれらの任意の組合せに係る元素を含むものを挙げることができる。例えば、電動機や発電機に適用する場合、発熱による損失が更に低減され、電動機や発電機の効率をより向上させることができる。また、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。なお、炭素と反応しやすい材料若しくは触媒成分の好適例としては、コバルト(Co)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ホウ素(B)などを挙げることができる。また、導電助剤の好適例としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)などを挙げることができる。
更に、上記相手部材40としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅や銅合金などの金属材料、カーボンなどの炭素材料などの整流子、ブラシ等に適用される従来公知の導電部材を適宜用いることができる。
また、特に限定されるものではないが、摺動接点部材は、その比抵抗が1×10−1Ω・cm以下であることが、発熱による損失を防止できるという観点から好ましい。例えば、電動機や発電機に適用する場合、発熱による損失が更に低減され、電動機や発電機の効率をより向上させることができる。また、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。
更に、特に限定されるものではないが、導電性硬質炭素の硬さは、耐摩耗性を向上できるという観点からHv1000以上であることが好ましい。例えば、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る摺動接点部材について詳細に説明する。なお、上記の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。図3は、第2の実施形態に係る摺動接点部材の一例を模式的に示す断面図である。図3に示すように、本例の摺動接点部材1Cは、導電性硬質炭素含有部の一例である導電性硬質炭素含有層20が相手部材40と対向する面20a側に凹部20bを有し、その凹部20bに軟質材料含有部の一例である軟質材料含有層30が配設されている構成が、上記第1の実施形態に係る摺動接点部材と相違している。
導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面に凹部を有し、凹部に軟質材料含有部が配設された構成とすることにより、摺動接点部材の相手攻撃性が低減して、相手部材の長寿命化を実現することができる。また、例えば、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量が低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。もちろん、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の表面粗さを低減させるための鏡面加工などの加工コストを低減することができるという利点もある。
また、導電性硬質炭素含有部の凹部に軟質材料含有部を配設して、摺動接点部材の相手部材と対向する面を平坦なものとしつつ、軟質材料含有部と導電性硬質炭素含有部とで構成されたものとすることがより好ましい。このような構成とすることにより、摺動接点部材の相手攻撃性が低減すると共に、摺動接点部材自体の硬さも硬くなるため、相手部材及び摺動接点部材自体の双方の長寿命化を実現することができる。また、例えば、電動機や発電機に適用する場合、摩耗量がより低減されるため、電動機や発電機の長寿命化を図ることができる。
更に、導電性硬質炭素含有部20の相手部材40と対向する面20aの最大高さ(Ry)が0.1μm以上であることが好ましい。このような構成とすることにより、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の表面粗さを低減させるための焼結法やパウダーデポジション法、CVD法などによる層形成における加工コストを低減することができる。これにより、摺動接点部材の加工コストをより低減することができる。
図4は、上記第2の実施形態に係る摺動接点部材の一例を製造する方法の一例を示す説明図である。ここでは、パウダーデポジション法によって、導電性硬質炭素含有部を形成した後、軟質材料含有部を形成する。
まず、図4(a)に示すように、基部10となる基板を作製する。
次いで、図4(b)に示すように、パウダーデポジション法により、基部(基板)10上に導電性硬質炭素含有層20を形成する。パウダーデポジション法では、ジェットノズルNと、ヘリウムガスを加熱するヒータHと、粉末素材を供給するフィーダFを有する装置を用い、ジェットノズルNにより、基部(基板)10上にヘリウムガスとともに粉末素材を噴射する。
すなわち、摺動接点部材1Cを製造するには、導電性硬質炭素の例である導電性ダイヤモンド又は造粒された導電性ダイヤモンドと他の材料の例である銅の粉末素材を基部(基板)10の上面に噴射して、導電性ダイヤモンド又は造粒された導電性ダイヤモンドからなる複数の粒子と、導電性ダイヤモンド粒子同士を結合する他の材料の例である銅とを含む圧粉体からなる導電性硬質炭素含有層20を形成する。
しかる後、図4(c)に示すように、導電性硬質炭素含有層20の図示しない相手部材と対向する面20aの凹部20bに軟質材料の例である銅により、メッキ法によって軟質材料含有層30を配設して、本例の摺動接点部材を得る。
このように、パウダーデポジション法を利用して導電性硬質炭素含有層を形成し、更に、導電性硬質炭素含有層の凹部に軟質材料含有層を配設することで、本例の摺動接点部材を容易に、かつ、安価に製造することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、パウダーデポジション法に替えて、焼結法やCVD法、PVD法を適用してもよく、また、軟質材料含有層の配設に際しては、メッキ法に替えて、CVD法、PVD法を適用してもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る摺動接点部材を適用した直流電動機(直流モータ)を説明する断面図である。直流モータMは、モータケース51の内側に、ベアリング52により回転自在に保持した電機子53と、電機子53のコイル54に対抗するマグネット55を備えている。そして、モータケース51側に、複数のブラシ56を備えている。各ブラシ56は、電機子53に同軸状に設けたコミュテータ(整流子)57に対して摺動接触しながら通電をする。なお、直流発電機にあっても同様の構成である。
上記の各実施形態で説明した摺動接点部材は、図5に示す直流モータにおいて、ブラシ56及びコミュテータ57のいずれか一方又は双方を構成する。これにより、直流モータの部品の長寿命化や性能向上を実現することができる。
(実施例1)
ディスク状の銅基板上に、導電性硬質炭素としての導電性ダイヤモンドを含む導電性硬質炭素含有部を焼結法によって形成した。しかる後、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の凹部に導電性ダイヤモンドより軟質な軟質材料としての銅を含む軟質材料含有部をメッキ法によって配設して、本例の摺動接点部材を得た。なお、導電性ダイヤモンドの硬さは、Hv8000であり、軟質材料の硬さは、Hv100であった。
(実施例2)
ディスク状の銅基板上に、導電性硬質炭素としての導電性ダイヤモンドを含む導電性硬質炭素含有部をパウダーデポジション法によって形成した。しかる後、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の凹部に導電性ダイヤモンドより軟質な軟質材料としての銅を含む軟質材料含有部をメッキ法によって配設して、本例の摺動接点部材を得た。なお、導電性ダイヤモンドの硬さは、Hv8000であり、軟質材料の硬さは、Hv100であった。
(実施例3)
ディスク状の銅基板上に、導電性硬質炭素としての導電性ダイヤモンドを含む導電性硬質炭素含有部をCVD法によって形成した。しかる後、導電性硬質炭素含有部の相手部材と対向する面の凹部に導電性ダイヤモンドより軟質な軟質材料としての銅を含む軟質材料含有部をメッキ法によって配設して、本例の摺動接点部材を得た。なお、導電性ダイヤモンドの硬さは、Hv9000であり、軟質材料の硬さは、Hv100であった。
(比較例1)
ディスク状の銅基板自体を本例の摺動接点部材とした。
[性能評価]
上記各例の摺動接点部材について、性能評価試験を行った。具体的には、図6に示す要領でJIS R 1613に準拠したボールオンディスク試験を行った。この試験ではディスク状の摺動接点部材1の上でボール状の相手部材(材質:グラファイト、硬さ:Hv117)40を摺動させた。また、この試験ではボールは転がらないように固定した。更に、この試験では荷重を10Nとし、ボールの回転数を1000rpmとした。更に、この試験は室温(25℃)、無潤滑下で行った。
図8は、摺動接触させた場合における、実施例1及び比較例1の相手部材の比摩耗量を示すグラフである。図8から、本発明の範囲に属する実施例1は、本発明外の比較例1と比較して、摺動接点部材を所定の構成としたため、比摩耗量を著しく低減できることが分かる。なお、「比摩耗量」とは、1Nで1mこすったときの摩耗量を意味する。また、実施例2及び実施例3についても実施例1と同程度の結果を得ることができた。
図9は、摺動接触させた場合における、実施例1及び比較例1の摩擦係数を示すグラフである。図9から、本発明の範囲に属する実施例1は、本発明外の比較例1と比較して、摺動接点部材を所定の構成としたため、摩擦係数を半分以下に低減できることが分かる。また、実施例2及び実施例3についても実施例1と同程度の結果を得ることができた。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上述した各形態に記載した構成は、各形態毎に限定されるものではなく、例えば、導電性硬質炭素含有部や軟質材料含有部の構成の細部を変更したり、各形態の構成を上述した各形態以外の組み合わせにしたりすることができる。
また、上述した各形態においては、摺動接点部材を利用するものとして、直流モータを例示したが、これに限定されるものではなく、直流発電機に適用することもできる。
更に、例えば、架線とパンタグラフや集電用レールと集電靴、所定のスイッチ類など相対的に相手部材と摺動接触しながら通電をする摺動接点部材に適用可能である。
1,1A〜1C 摺動接点部材
10 基部(基板)
20 導電性硬質炭素含有部(導電性硬質炭素含有層)
20a 面
20b 凹部
21 導電性ダイヤモンド
23 導電性ダイヤモンドライクカーボン
25 他の材料
27 複合材
30 軟質材料含有部(軟質材料含有層)
40 相手部材
51 モータケース
52 ベアリング
53 電機子
54 コイル
55 マグネット
56 ブラシ
57 コミュテータ(整流子)
N ジェットノズル
H ヒータ
F フィーダ
M 直流モータ

Claims (9)

  1. 相手部材と相対的に摺動接触する摺動接点部材であって、
    導電性硬質炭素を含む導電性硬質炭素含有部と、
    上記導電性硬質炭素含有部の上記相手部材と対向する面の全面又は一部に配設された、上記導電性硬質炭素より軟質な軟質材料を含む軟質材料含有部と、を備えた
    ことを特徴とする摺動接点部材。
  2. 上記導電性硬質炭素含有部が上記相手部材と対向する面に凹部を有し、
    上記凹部に上記軟質材料含有部が配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の摺動接点部材。
  3. 上記導電性硬質炭素含有部の上記相手部材と対向する面の最大高さ(Ry)が、0.1μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の摺動接点部材。
  4. 上記導電性硬質炭素含有層が、導電性硬質炭素からなる複数の粒子と他の材料とを含む複合材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材。
  5. 上記導電性硬質炭素が、導電性ダイヤモンド又は導電性ダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材。
  6. 上記軟質材料が、上記相手部材より硬質な材料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材。
  7. 上記軟質材料が、ホウ素、ケイ素、ニッケル、チタン、鉄、銅、アルミニウム、コバルト、銀、金及び炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材を整流子及びブラシの少なくとも一方として備えたことを特徴とする電動機。
  9. 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の摺動接点部材を整流子及びブラシの少なくとも一方として備えたことを特徴とする発電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022234764A1 (ja) * 2021-05-07 2022-11-10 株式会社デンソー 電気接点部材、ブラシ、および、回転機

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