JP2015087355A - インターフェロン治療効果予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、C型肝炎ウイルス感染患者における薬剤の治療効果を、従来の予測方法と比較して、より精確に予測することのできる薬剤の治療効果予測方法を提供することである。
【解決手段】前記課題は、IL−28B特異的免疫学的測定法によって、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定する工程を含み、IL−28B濃度の測定値によりインターフェロン治療効果を予測することを特徴とする、インターフェロン治療効果予測方法によって解決することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、インターフェロン治療効果予測方法に関する。本発明によれば、インターフェロンの治療効果を的確に予測することができる。特には、遺伝子多型rs8099917のアレルの組み合わせが[T/G]又は[G/G]の薬剤の治療効果が低い患者群において、高い治療効果が得られるC型肝炎ウイルス感染患者を正確に予測することができる。
C型肝炎ウイルス(以下、HCVと称することがある)は、血液伝搬性のウイルスであり、HCV感染が起こると急性の経過で治癒するものが20〜30%であり、70〜80%は持続感染へ移行する。HCVによる持続感染の多くは慢性肝炎となり、治療を行わない場合、その大部分が肝硬変、そして肝癌へと進行する(非特許文献1)。
このC型慢性肝炎の治療法として、1992年にインターフェロン(以下、IFNと称することがある)による治療が開始された。しかしながら、IFNの効果はHCVの遺伝子型により異なり、遺伝子型1b、且つ高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎では、著効(SVR sustained virological response)率は、非常に低かった。その後、IFN及びリバビリンの併用投与が認可され、更に2004年から遺伝子型1b且つ高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎にPEG化IFN及びリバビリンの併用投与が保険適用になり、著効率は大きく向上していった。
最近、田中らによりIL−28B(IFN−λ3)の近傍に複数のSNPが存在し、そのアリルの違いによって、PEG化IFN及びリバビリンの併用投与の治療効果が異なり(非特許文献2)、それによってPEG化IFN及びリバビリンの併用投与の治療効果を予測することが可能であった。しかしながら、その治療効果の予測は十分なものではなかった。
特開2013−136530号公報
「ヘパトロジー・リサーチ(Hepatology Reseach)」(日本)2010年、第40巻、p.449−460 「ネイチャー・ジェネティクス(nature genetics)」(英国)2009年、第41巻、p.1105−1109 「ヘパトロジー・リサーチ(Hepatology Reseach)」(日本)2012年、第42巻、p.1089−1099 「ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー(Journal of Gastroenterology)」(日本)2013年、4月17日オンラインパブリッシュ(http://link.springer.com/article/10.1007/s00535-013-0814-1)
一方、前記IL−28Bは、IFN−λファミリーであるIL−28Aと、96%のアミノ酸の相同性を有しており、IL−28Bを特異的に測定する免疫学的測定法が存在していなかったが、最近、このIL−28B(IFN−λ3)を特異的に、且つ高感度に測定することのできる、IL−28B特異的免疫学的測定方法が開発された(特許文献1及び非特許文献3)。村田らは、インターフェロン治療を受けるC型肝炎ウイルス感染患者のリンパ球をTLR7アゴニストで刺激し、その上清中のIL−28Bを前記IL−28B特異的免疫学的測定方法を用いて測定した。その結果、IL−28B(IFN−λ3)産生の高いC型肝炎ウイルス感染患者が、PEG化IFN及びリバビリンの併用投与の治療効果が高いことを見出した(非特許文献4)。しかしながら、この方法は時間が掛かる上に煩雑で高度な技術が必要で、臨床現場に普及させるには不向きであった。
C型肝炎ウイルス感染患者のIFNによる治療は、多額の治療費が必要である。また、IFNによる治療は、発熱及び頭痛などの軽度なものから、間質性肺炎及び神経症状などの重度な副作用が見られることがある。従って、治療効果の予測が可能であれば、治療効果が得られにくいグループについては、副作用が見られた時点で、早期に中止を判断することが可能であり、無用な副作用への対応や高額な治療費を抑えることが可能である。
従って、本発明の目的は、C型肝炎ウイルス感染患者における薬剤の治療効果を、従来の予測方法と比較して、より精確に予測することのできる薬剤の治療効果予測方法を提供することである。
本発明者は、C型肝炎ウイルス感染患者における薬剤の治療効果予測方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定し、IL−28B濃度の測定値により治療効果を予測することが可能であることを見出した。具体的には、血液中のIL−28B濃度が低いC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が高いことを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]IL−28B特異的免疫学的測定法によって、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定する工程を含み、IL−28B濃度の測定値によりインターフェロン治療効果を予測することを特徴とする、インターフェロン治療効果予測方法、
[2]前記IL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合にインターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測する、[1]に記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[3]C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917と、IL−28B濃度とを組み合わせて、インターフェロン治療効果を予測することを特徴とする、[1]又は[2]に記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[4]C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917がTG又はGGであり、且つIL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合、インターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測する[3]に記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[5]前記測定されたIL−28B濃度が閾値濃度以上又は閾値濃度を超えたC型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917を決定する工程を含む、[3]又は[4]に記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[6]前記閾値濃度が、10pg/mL〜15pg/mLのいずれかの濃度である、[2]〜[5]のいずれかに記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[7]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用、
[8]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28Bに結合し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用、
[9]前記IFN治療効果予測方法によって、治療効果を予測されたC型肝炎ウイルス感染患者に対して、IFNを投与する工程を含む、C型肝炎治療方法、
[10]前記IL−28B特異的免疫学的測定法が、
(A)(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片;(2)配列番号25で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜113番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号27で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメインを有する請のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片;(3)配列番号29で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜109番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号31で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメインを有するモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片;又は(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のモノクローナル抗体が結合するエピトープに結合するモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程、並びに
(B)IL−28Bに結合する第二抗体と被検試料とを接触させる工程を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のインターフェロン治療効果予測方法、
[11]前記IL−28B特異的免疫学的測定法が、
(A)(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28Bに結合し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片;(2)配列番号33で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号35で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン;(3)配列番号37で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号39で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン;又は(4)配列番号41で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号43で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメインを有する請求項4に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片;又は(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のモノクローナル抗体が結合するエピトープに結合するモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程、並びに
(B)IL−28Bに結合する第二抗体と被検試料とを接触させる工程を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のインターフェロン治療効果予測方法、
に関する。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法によれば、C型肝炎ウイルス感染患者に対するインターフェロンなどの薬剤の治療効果を予測することができる。具体的には、血液中のIL−28B濃度が低いC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が高いため、それらの患者に対して、IFNの治療を推奨することができる。
更に、遺伝子多型rs8099917が[T/G](以下、単に「TG」と称することがある)又は[G/G](以下、単に「GG」と称することがある)のC型肝炎ウイルス感染患者において、血液中のIL−28B濃度が低いC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が高く、血液中のIL−28B濃度が高いC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が低い。従来、遺伝子多型rs8099917が[T/G]又は[G/G]のC型肝炎ウイルス感染患者においては、インターフェロン治療に対して、80%程度の患者が、ウイルスが一旦検出感度以下になるVirological response(以下、VRと称することがある)であり、そして20%程度の患者が、ウイルスが継続的に検出されるNon virological response(以下、NVRと称することがある)であった。ここで、C型肝炎ウイルス感染患者のVR又はNVRを正確に予測することはできなかったが、本発明によりC型肝炎ウイルス感染患者がインターフェロン治療に対して、VRであるか、又はNVRであるかを正確に予測することが可能となった。
従って、遺伝子多型rs8099917と、血液中のIL−28B濃度とを組み合わせて、以下のようにインターフェロン治療の方針を決定することができる。まず、IFN治療を行う予定のC型肝炎ウイルス感染患者において、血液中のIL−28B濃度を測定し、IL−28B濃度が低いC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が高いため、IFNの治療を行うことを決定する。次に、血液中のIL−28B濃度が高く、且つ遺伝子多型rs8099917が[T/G]又は[G/G]のC型肝炎ウイルス感染患者は、IFNの治療効果が低いため、IFN治療を推奨しない。一方、IL−28B濃度が高いC型肝炎ウイルス感染患者で、かつ遺伝子多型rs8099917が[T/T](以下、単に「TT」と称することがある)のC型肝炎ウイルス感染患者のうち、HCV RNA量が多い患者ではIFNの治療効果が有効な可能性が低いため、IFNの治療は推奨しない。
IL−28B特異的免疫学的測定法は、遺伝子多型rs8099917の測定方法と比較して費用が安価である。従って、IL−28B特異的免疫学的測定法を先に行うことによって、遺伝子多型rs8099917を実施する必要のある患者数を減らすことが可能である。すなわち、IFN治療の効果予測のための検査費用を減少させることが可能であり、更に正確なIFN治療の効果予測ができる。
メジャーIL−28B、マイナーIL−28B(K74R)、及びIL−28Aタンパク質のアミノ酸配列を比較した図である。 遺伝子多型rs8099917のTT又はnon−TT(TG又はGG)別に、血液中のIL−28B濃度と、Sustained virological response(SVR)、Transient virological response(TVR)及びNon virological response(NVR)との関連を示したグラフである。
《インターフェロン治療効果予測方法》
本発明のインターフェロン治療効果予測方法は、IL−28B特異的免疫学的測定法によって、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定する工程を含み、IL−28B濃度の測定値によりインターフェロン治療効果を予測するものである。
(IL−28B特異的免疫学的測定法)
本発明のインターフェロン治療効果予測方法に用いるIL−28B特異的免疫学的測定法は、IL−28Bを特異的に測定することのできるものであれば、特に限定されるものではない。
ここで、IL−28Bは、IFN−λファミリーであるIL−28Aと、96%のアミノ酸の相同性を有している。従って、IL−28Bに結合する抗体のほとんどが、IL−28Aにも結合し、IL−28Aに結合する抗体のほとんどが、IL−28Bにも結合する。従って、従来のIL−28B免疫学的測定法は、IL−28Bを特異的に測定するものではなく、IL−28B及びIL−28Aを測定していた。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法に用いるIL−28B特異的免疫学的測定法は、IL−28Aを実質的に測定せず、IL−28Bを特異的に測定するものである。そして、IL−28Aを実質的に測定せず、IL−28Bを特異的に測定することによって、インターフェロン治療効果を予測することが可能である。IL−28Aを測定するIL−28B免疫学的測定法によって得られた測定値によっては、インターフェロン治療効果を予測することはできない。
本明細書において、「IL−28Aを実質的に測定しない」とは、IL−28B特異的免疫学的測定法によってIL−28Aを測定した場合、IL−28Bの1/10以下の濃度と測定されることを意味するが、好ましくは1/20以下であり、より好ましくは1/50以下であり、更に好ましくは1/100以下である。IL−28Bの1/10以下の濃度と測定されることによって、インターフェロン治療効果の予測に、実質的な影響を与えないからである。
IL−28Bをコードする遺伝子は、翻訳領域の221番目にSNPを有しており、メジャーアレルがAであり、マイナーアレルがGである。そしてメジャーアレルから翻訳されるメジャーIL−28Bの74番目のアミノ酸はリジン(K)であり、マイナーアレルから翻訳されるマイナーIL−28Bの74番目のアミノ酸はアルギニン(R)である(図1)。本発明に用いるIL−28B特異的免疫学的測定法は、メジャーIL−28B及びマイナーIL−28Bを測定することのできるIL−28B特異的免疫学的測定法が好ましいが、メジャーIL−28Bのみを測定するIL−28B特異的免疫学的測定法を用いることもできる。なお、本明細書において、メジャーIL−28Bのリジン(K)からマイナーIL−28Bのアルギニン(R)への置換を「K74R」置換と称することがある。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法に用いるIL−28B特異的免疫学的測定法は、治療効果を判定する閾値以下の検出感度を有していれば、特に限定されるものではない。治療効果を判定する閾値以下の検出感度を有することにより、インターフェロン治療効果の予測を的確に行うことができる。なお、本明細書において、「治療効果を判定する閾値以下の検出感度」とは、治療効果を判定する閾値以下のIL−28Bの濃度を測定することができることを意味する。
従って、前記検出感度は、治療効果を判定する閾値によって変動してもよい。しかしながら、IL−28Bの組換えタンパク質をスタンダード(標準品)として用いた場合、タンパク質濃度として、10pg/mL〜15pg/mLの間のいずれか1つの特定の濃度以下の検出感度であることが好ましい。従って、前記検出感度として、例えば15pg/mL以下、14pg/mL以下、13pg/mL以下、12.9pg/mL以下、12pg/mL以下、11pg/mL以下、又は10pg/mL以下の検出感度を挙げることができる。
前記治療効果を判定する閾値は、インターフェロン治療効果を予測できる限りにおいて、特に限定されるものではないが、管理された臨床試験で決定することが好ましい。
例えば、閾値は、遺伝子多型rs8099917がnon−TT(TG又はGG)のC型肝炎ウイルス感染患者において、NVRの患者と、VR(SVR及びTVR)の患者とを完全に区別できる値が最も好ましい。しかし、分析したNVRの患者及びVR(SVR及びTVR)の患者の母集団が増加することによって、NVRの患者とVR(SVR及びTVR)の患者との間の測定値が、オーバーラップした場合は、100%のVR(SVR及びTVR)の患者が治療効果が有効の可能性が高いと判断される値を閾値として選択することが好ましいが、オーバーラップした範囲の任意の値を閾値とすることも可能である。具体的には、IL−28Bの組換えタンパク質をスタンダード(標準品)として用いた場合、タンパク質濃度として、10pg/mL〜15pg/mLの間のいずれか1つの特定の濃度を閾値として規定することが可能であり、例えば15pg/mL、14pg/mL、13pg/mL、12.9pg/mL、12pg/mL、11pg/mL、又は10pg/mLを閾値として規定することができる。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法において、IL−28Bが測定される検体は、C型肝炎ウイルス感染患者の血液である。すなわち、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液中のIL−28Bが測定される。本明細書において血液とは、特に限定されるものではないが、例えば全血、血清、又は血漿を含む。また、測定される血液は、toll−like受容体アゴニスト(例えば、R−837)によって刺激されていないものが好ましい。R−837によって刺激された血液を用いた場合、本発明によるインターフェロン治療効果予測ができないと考えられる。
また、本発明のインターフェロン治療効果予測方法の対象となるC型肝炎ウイルス感染患者は、C型肝炎ウイルスが感染している患者である限りにおいて、特に限定されるものではないが、インターフェロン治療を行う予定の患者であることが好ましい。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法におけるIL−28B測定値の値は、前記の治療効果を判定する閾値を決定できる限りにおいて、特に限定されるものではなく、例えばタンパク質量、又はユニット数などで示すことができるが、標準化されたタンパク質量で示すことが好ましい。例えば、組換えタンパク質をスタンダードとして調製し、標準曲線を作成し、それによって測定された血液中のIL−28Bの濃度を計算することができる。
(抗体)
本発明のインターフェロン治療効果予測方法において用いる抗体は、IL−28Bに結合する抗体である限りにおいて限定されるものではないが、少なくとも1つの抗体は、IL−28Bに結合し、IL−28Aに結合しないモノクローナル抗体を用いることが好ましい。
前記モノクローナル抗体として、以下の抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)及び抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)を挙げることができる。
(抗IL−28Bモノクローナル抗体(A))
抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体である。また、抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)の抗原結合性断片も、同じように用いることができる。
本明細書において「IL−28Aに結合しない」とは、抗体として使用する場合に、IL−28Aへの結合が、実質的に影響しないレベルの結合であることを意味する。より具体的には、メジャーIL−28Bの結合に対してIL−28Aへの結合が1/100以下、好ましくは1/300以下、より好ましくは1/500以下、最も好ましくは1/1000以下であることを意味する。また、「メジャーIL−28Bの結合に対してIL−28Aへの結合が1/100以下」であるとは、メジャーIL−28B又はIL−28Aを固相化したELISAにおいて、同じOD値を得られるモノクローナル抗体の濃度がIL−28Aに対する方が100倍以上高いことを意味する。
本発明の抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)の結合するエピトープ(以下、エピトープ(A)と称する)は、メジャーIL−28B及びマイナーIL−28Bに存在し、IL−28Aに存在しないエピトープであり、またメジャーIL−28Bのアミノ酸配列(配列番号1)を基に合成した、10アミノ酸ずつオーバーラップする20アミノ酸の合成ポリペプチド(配列番号4〜23)には存在しないエピトープである。すなわち、エピトープ(A)は、メジャーIL−28B及びマイナーIL−28Bに存在し、IL−28Aに存在しない不連続エピトープ(立体構造エピトープ)である。
抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)としては、免疫原としてIL−28Bの26〜200番のアミノ酸配列の組み換えタンパク質(以下、rIL−28B(26−200)と称することがある)を用いて得られたTA2613、及びTA2664を挙げることができる。TA2613及びTA2664はエピトープ競合試験によって、rIL−28B(26−200)への結合が、お互いにほぼ完全に阻害された。従って、モノクローナル抗体TA2613及びTA2664は同じ不連続エピトープを認識しているモノクローナル抗体である。
(TA2613のCDR)
本発明のTA2613の重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号25で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(SYGMS)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(TITGGGSYTYYPDGVKG)、99番〜113番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(RGDYGSNYLYWYFDV)を含む重鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号25で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは、配列番号27で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(RASKSVSTSGYSYMH)、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(LVSNLES)、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QHIRELTRS)を含む軽鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号27で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
(TA2664のCDR)
本発明のTA2664の重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号29で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(DYYMY)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(YISNGGGSTNYPDTVKG)、99番〜109番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(PSLLRSAWFAY)を含む重鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号29で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは、配列番号31で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(RASKSVSTSGYSYMH)、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(LVSNLES)、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QHIRELTRS)を含む軽鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号31で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
(エピトープ(A)に結合するモノクローナル抗体)
本発明の抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)は、前記エピトープ(A)に結合するモノクローナル抗体を含む。エピトープ(A)に結合するモノクローナル抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体であり、前記TA2613又はTA2664と同じ性質を有している。前記エピトープ(A)に結合するため、TA2613又はTA2664と同一、又は相同性の高いCDRを有していることが好ましい。また、エピトープ(A)に結合することができるか否かは、TA2613又はTA2664のCDRを有する抗体を用い、実施例に記載のエピトープ競合試験によって、決定することが可能である。
(抗IL−28Bモノクローナル抗体(B))
本発明の抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28Bに結合し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号8〜26で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体である。また、抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)の抗原結合性断片も、抗体と同じように用いることができる。
本明細書において「マイナーIL−28Bに結合しない」とは、抗体として使用する場合に、マイナーIL−28Bへの結合が、実質的に影響しないレベルの結合であることを意味する。より具体的には、メジャーIL−28Bの結合に対してマイナーIL−28Bへの結合が1/100以下、好ましくは1/300以下、より好ましくは1/500以下、最も好ましくは1/1000以下であることを意味する。また、「メジャーIL−28Bの結合に対してマイナーIL−28Bへの結合が1/100以下」であるとは、例えば実施例に示すように、メジャーIL−28B又はマイナーIL−28Bを固相化したELISAにおいて、同じOD値を得られるモノクローナル抗体の濃度がマイナーIL−28Bの方が100倍以上高いことを意味する。
(エピトープB)
本発明の抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)の結合するエピトープ(以下、エピトープ(B)と称する)は、メジャーIL−28Bに存在し、IL−28A及びマイナーIL−28Bに存在しないエピトープであり、またメジャーIL−28Bのアミノ酸配列(配列番号1)を基に合成した、10アミノ酸ずつオーバーラップする20アミノ酸の合成ポリペプチド(配列番号4〜23)には存在しないエピトープである。すなわち、エピトープ(B)は、メジャーIL−28Bに存在し、IL−28A及びマイナーIL−28Bに存在しない不連続エピトープ(立体構造エピトープ)である。
抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)としては、免疫原としてシグナルペプチドを含まないrIL−28B(26−200)を用いて得られたTA2601、TA2602、及びTA2603を挙げることができる。TA2601、TA2602、及びTA2603は実施例のエピトープ競合試験によって、rIL−28B(26−200)への結合が、お互いにほぼ完全に阻害された。従って、モノクローナル抗体TA2601、TA2602、及びTA2603は同じ不連続エピトープを認識しているモノクローナル抗体である。
更に、抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)と抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)とは、エピトープ競合試験において、部分的に結合が阻害された。従って、エピトープ(A)とエピトープ(B)とは、関連する位置に存在していると考えられる。
(TA2601のCDR)
本発明のTA2601の重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号33で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(DTYIH)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(RIDPANGNTKYDPKFQG)、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(YGYDYFDY)を含む重鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号33で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは、配列番号35で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(RASKSVSTSGYSYMH)、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(LVSNLES)、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QHIRELTRS)を含む軽鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号35で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
(TA2602のCDR)
本発明のTA2602の重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号37で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(DTYIH)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(RIDPANGNTKYDPKFQG)、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(YGYDYFDY)を含む重鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号37で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは、配列番号39で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(RASKSVSTSGYSYMH)、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(LVSNLES)、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QHIRELTRS)を含む軽鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号39で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
(TA2603のCDR)
本発明のTA2603の重鎖可変領域ドメインは、好ましくは配列番号41で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(DTYIH)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(RIDPANGNIKYDPKFQG)、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(YGYDYFDY)を含む重鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号41で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。また、軽鎖可変領域ドメインは、好ましくは、配列番号43で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(RASKSVSTSGYSYMH)、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(LVSNLES)、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QHIRELTRS)を含む軽鎖可変領域ドメインであり、最も好ましくは、配列番号43で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインのポリペプチドである。
(エピトープ(B)に結合するモノクローナル抗体)
本発明の抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)は、前記エピトープ(B)に結合するモノクローナル抗体を含む。エピトープ(B)に結合するモノクローナル抗体は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体であり、前記TA2601、TA2602、又はTA2603と同じ性質を有している。前記エピトープ(B)に結合するため、TA2601、TA2602、又はTA2603と同一、又は相同性の高いCDRを有していることが好ましい。
また、エピトープ(A)に結合することができるか否かは、TA2601、TA2602、及びTA2603のCDRを有する抗体を用い、実施例に記載のエピトープ競合試験によって、決定することが可能である。
本発明のエピトープ(B)に結合するモノクローナル抗体は、前記メジャー及びマイナーIL−28B特異的分析方法(B)に用いることができる。
(IL−28B特異的免疫学的測定法の実施態様)
本発明に用いるIL−28B特異的免疫学的測定法は、前記のようにIL−28Bを特異的に測定することのできるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば酵素免疫測定法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、又は放射免疫測定法を挙げることができるが、2種類以上の抗体を用いるサンドイッチ式の酵素免疫測定法、又は化学発光免疫測定法が好ましい。また、前記のようにメジャーIL−28B及びマイナーIL−28Bを測定できる免疫学的測定法でもよく、メジャーIL−28Bのみを特異的に測定できる免疫学的測定法でもよい。具体的な実施態様の例を以下に記載する。
IL−28B特異的免疫学的測定法として、(A)前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程;を含むことを特徴とする、メジャー及びマイナーIL−28B分析方法(IL−28B分析方法(A))、及び(B)前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程;を含むことを特徴とする、メジャーIL−28B分析方法(IL−28B分析方法(B))を挙げることができる。
前記IL−28B分析方法(A)は、前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)を用いることが好ましい。IL−28B分析方法(A)は、限定されるものではないが、好ましくは(1)前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程;及び(2)IL−28Bに結合する第二抗体と被検試料とを接触させる工程;を含む。
IL−28B分析方法(A)において、第二抗体は、IL−28Bに結合するものであれば限定されないが、好ましくは配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B、及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合する、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片が好ましい。
前記IL−28B分析方法(B)は、前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)を用いることが好ましい。IL−28B分析方法(B)は、限定されるものではないが、好ましくは、(1)前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)又はその抗原結合性断片を、IL−28Bを含む可能性のある被検試料と接触させる工程;及び(2)IL−28Bに結合する第二抗体と被検試料とを接触させる工程;を含む。
IL−28B分析方法(B)において、第二抗体は、IL−28Bに結合するものであれば限定されないが、好ましくは第二抗体が、(1)前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又はその抗原結合性断片であるか、又は(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B、及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合する、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片が好ましい。
(IL−28B濃度による治療効果予測)
本発明のIL−28B特異的免疫学的測定法においては、C型肝炎ウイルス感染患者の血液中のIL−28B濃度の測定値によりインターフェロン治療効果を予測する。具体的には、血液中のIL−28B濃度が低い患者は、インターフェロン治療が有効である可能性が高いことを予測することができる。より好ましくは、IL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合にインターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測する。図2に示すように、遺伝子多型rs8099917がTTであっても、non−TT(TG及びGG)であっても、IL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合、Virological response(VR)であると予測することが可能である。本発明者らが、調べた限りにおいては、IL−28B濃度が閾値濃度を超えたC型肝炎ウイルス感染患者は、Non virological response(NVR)であったからである。
閾値は、前記のように管理された臨床試験で決定することが好ましい。
例えば、閾値は、遺伝子多型rs8099917がnon−TT(TG又はGG)のC型肝炎ウイルス感染患者において、NVRの患者と、VR(SVR及びTVR)の患者とを完全に区別できる値が最も好ましい。
本発明の治療効果予測方法により、治療効果の判定が可能なインターフェロンは、HCVの治療に用いられるインターフェロンであれば、特に限定されることはなく、例えば、インターフェロン−α、PEG化インターフェロン−α、インターフェロンβ、又はインターフェロンλを挙げることができる。更に、本発明におけるインターフェロン治療には、インターフェロンの単独投与(例えば、インターフェロン−α単独投与、インターフェロンβ単独投与、PEG化インターフェロン−α単独投与又はインターフェロンλ単独投与)のみでなく、インターフェロンと他の薬剤の2剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α及びリバビリンの2剤投与)、インターフェロンと他の2つの薬剤の3剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α、リバビリン及びプロテアーゼ阻害剤の3剤投与)、インターフェロンと他の3つの薬剤の4剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、及びRNAポリメラーゼ阻害剤の4剤投与)を挙げることができる。他の薬剤としては、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤(例えば、テラプレビル(Telaprevir)、シルプレビル(Ciluprevir)、ボセプレビル(Boceprevir)、TMC435350、R7227/ITMN−191、MK−7009、BI201335、ナルラプレビル(Narlaprevir)、BMS−650032、PHX1766、又はACH−1625)、RNAポリメラーゼ阻害剤(例えば、バロピシタビン(Valopicitabine)、R7128、R1626、PSI−7851、IDX184、BILB 1941、BI207127、MK−3281、フィリブビル(Filibuvir)、VCH759、VCH916、VCH222、ANA598、HCV−796、GS−9190、GS−9190、又はABT−333)、NS5A阻害剤(例えば、BMS−790052)、Debio025、NIM811、SCY−635、ニタゾキサニド(Nitazoxanide)、セルゴシビル(Celgosivir)又はそれらの2つ以上の組み合わせの薬剤を挙げることができる。
(遺伝子多型rs8099917)
遺伝子多型rs8099917は、ヒトの遺伝子の第19番染色体のIL28B(IFN−λ3)遺伝子の5’上流7kb付近に存在している。日本人におけるrs8099917のマイナーアリルであるGの頻度は約9.3%である。従って、マイナーアリルのホモ接合である[G/G]の頻度は約0.9%、メジャーアリルのホモ接合である[T/T]の頻度は約82.2%、マイナーアリル及びメジャーアリルのヘテロ接合である[T/G]の頻度は約16.9%である。
C型肝炎ウイルス感染患者において、遺伝子多型rs8099917が[T/T]の場合、PEG化IFN及びリバビリンの併用投与に対して、80%の著効率(SVR)を示す。一方、マイナーアリルを含む[T/G]及び[G/G]の場合、20%程度の著効率(SVR)である。
(遺伝子多型rs8099917と連鎖不平衡にある遺伝子多型)
本発明の薬剤の治療効果予測方法において用いることのできる遺伝子多型は、遺伝子多型rs8099917に限らず、遺伝子多型rs8099917と連鎖不平衡にある遺伝子多型を用いることができる。本明細書において、「連鎖不平衡にある」とは、例えば遺伝子多型rs8099917に対してR2が0.8以上の遺伝子多型を意味し、0.85以上の遺伝子多型が好ましく、0.9以上の遺伝子多型がより好ましい。または、「連鎖不平衡にある」とは、例えば遺伝子多型rs8099917に対してD’が0.8以上の遺伝子多型を意味し、0.85以上の遺伝子多型が好ましく、0.9以上の遺伝子多型がより好ましい。
遺伝子多型rs8099917と連鎖不平衡にある遺伝子多型は、遺伝子多型rs8099917と同じように、治療効果予測方法に用いることができ、例えばHaploviewソフトウエアを用いて、公知の方法により探索することできる。
(遺伝子多型の分析方法)
遺伝子多型rs8099917の分析方法としては、特に限定されるものではないが、一塩基の変異(SNP)を分析することのできる方法が好ましい。一塩基の変異(SNP)を分析することのできる方法としては、ダイレクトシークエンス法、PCR−RELP法、TaqMan法、DigiTag法、DigiTag2法、シングルヌクレオチドプライマー伸長法、SnaPshot法、ASP−PCR法,PCR−SSO法、PCR−SSP法、PCR−SSCP法、DNAチップ若しくはDNAマイクロアレイを用いた核酸ハイブリダイゼーション法、インベーダー法、MALDI−TOF/MS法、モレキュラー・ビーコン法、RCA法、UCAN法、対立遺伝子特異的PCR、ミニシーケンシング、パイロシーケンシング、ARMS法、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)分析、又は変性/温度勾配ゲル電気泳動(DGGE/TGGE)を挙げることができる。
前記遺伝子多型の分析方法としてDigiTag2法、MGBプローブを用いたTaqMan法、インベーダー法及びマイクロサテライト多型解析法について記載する。
DigiTag2法は、解析対象となるSNP毎にSNP特異的なcommon probeと、アリル特異的なquery probeを用いて、一度に複数か所のSNPについて遺伝子型を決定することのできるマルチプレックスSNPタイピング法である。SNP特異的なcommon probeは、SNPの位置に隣接して下流に存在する3’側プローブであり、アリル特異的なquery probeは、SNPを3’末端に含む上流に存在する5’側プローブである。
query probeは、SNP毎にアリルに対応した2種類を用意する。query probe の3’末端に対応するSNPの遺伝子型に応じて、それと相補的な塩基を持つquery probeだけが、3’側に隣接して存在するcommon probeと結合することができる。更に、検出のために各query probeの5’末端にはアリルに対応して2種類のquery tagが連結されており、またcommon probeの3’末端にはSNPごとに異なるcommon tagが連結されている。検出は、common probeに連結されたcommon tagと相補的な塩基配列を持つオリゴDNAを固定したDNAチップを用いて検出を行う。
MGBプローブを用いたTaqMan法は、フォワードプライマー及びリバースプライマーからなるプライマーセットと、5’末端をレポーター色素(FAM)及びMGB(MGB(Minor Groove Binder)でラベルし、3’末端をクエンチャー色素(Eclipse Dark Quencher)で修飾したMGBプローブとをPCRの反応系に加えることにより行うことができる。このようなMGBプローブを用いたTaqMan自体は周知であり、そのためのキット及び装置も市販されているので、SNPの領域にMGBプローブを設定することにより、市販のキット及び装置を用いて実施することができる。
前記フォワードプライマー及びリバースプライマー、並びにMGBプローブは、遺伝子多型rs8099917のそれぞれのアリルの塩基配列に基づいて作成することができる。具体的には、遺伝子多型rs8099917のフォワードプライマー及びリバースプライマー、並びにプローブは、配列番号44で表される遺伝子多型rs8099917を含むDNAの塩基配列から、作製することができる。具体的にはプライマーは、rs8099917のアレルである「T」又は「G」を挟むように、任意の位置に設定することが可能であり、また、プローブはrs8099917のアレルである「T」又は「G」を含む領域に設定することができる。例えばMGBプローブは、遺伝子多型rs8099917のメジャーアレルT又はマイナーアレルGを含むDNAの塩基配列領域に設定することが可能である。
インベーダー法は、3’側には標的DNAに特異的な塩基配列を有し変異部位の塩基の5’側に標的DNAと相補性のない配列(フラップ)を有するアレルプローブ;標的DNAの変異部位の3’側に特異的な相補配列を有するプローブ(インベーダープローブ);及び5’側がヘアピン構造をとり得る配列を有し、ヘアピン構造を形成した際に5’末端の塩基と対をなす塩基から3’側に連続する配列がアレルプローブのフラップと相補的な配列であるFRETプローブとを用いる方法である。
具体的には、標的DNA、アレルプローブおよびインベーダープローブを反応させると、それらの相補結合した変異部位にインベーダープローブの3’末端が侵入する。この変異部位の構造を認識する酵素(cleavase)を用いてアレルプローブの一本鎖部分(すなわち、フラップ部分)が切り出される。切り出されたフラップはFRETプローブと相補的に結合し、フラップの変異部位がFRETプローブのヘアピン構造に侵入する。この構造を、更にcleavaseが認識して切断することにより、FRETプローブの末端標識された蛍光色素が遊離し、クエンチャーの影響を受けなくなるために、蛍光が検出される。なお、通常、標的DNAはSNPを含む領域をフォワードプライマーとリバースプライマーを用いたPCRにより増幅しておくことが好ましい。
例えば、rs8099917のSNPタイピングにおいて、前記アレルプローブ、及びインベーダープローブは、rs8099917のアレルである「T」又は「G」を含む配列に基づいて、設定することができる。また、PCRのためのフォワードプライマー及びリバースプライマーは、rs8099917のアレルである「T」又は「G」を挟むように、任意の位置に設定することが可能である。具体的には、アレルプローブとして、メジャーアレル「T」を検出するProbe1:5’−atgacgtggcagacAATTGCTCACAGAAAGGAA−3’(配列番号45)、又はマイナーアレル「G」を検出するProbe2:5’−cgcgccgaggCATTGCTCACAGAAAGGA−3’(配列番号46)を挙げることができ、インベーダープローブとして、Invader:5’−GCTACCAAACTGTATACAGCATGGTTCCAATTTGGGTGAt−3’(配列番号47)を挙げることができる。更に、PCRのためのフォワードプライマー及びリバースプライマーとして、InvaderF:5’−TCATCCCTCATCCCACTTCTGGAACA−3’(配列番号48)及びInvaderR:5’−CGGGCCATCTGTTTCCTGCTG−3’(配列番号49)を挙げることができる。
(遺伝子多型及びIL−28B濃度による治療効果予測)
本発明のインターフェロン治療効果予測方法においては、遺伝子多型rs8099917と、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL28B濃度とを組み合わせて、インターフェロンの治療効果の予測をすることができる。
遺伝子多型rs8099917の遺伝子型と、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度の測定工程との組み合わせは、限定されるものではなく、例えば、既に遺伝子型の決定されたC型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定してもよく、遺伝子型の決定工程を、IL−28B濃度測定工程の前、又は後に行ってもよい。
遺伝子多型rs8099917と、IL−28B濃度とを組み合わせる予測方法は、例えば以下のように行うことができる。
C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917がTG又はGGであり、且つIL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合、インターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測することができる。一方、C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917がTG又はGGであり、且つIL−28B濃度が閾値濃度以上又は閾値濃度を超えた場合、インターフェロン治療が無効である可能性が高いと予測することができる。IL−28B濃度の測定は、既に遺伝子多型rs8099917が決定されたC型肝炎ウイルス感染患者の検体を用いてもよい。また、IL−28B濃度の測定工程の、前後に遺伝子多型rs8099917を決定する工程を行ってもよい。遺伝子多型rs8099917がTG又はGGである場合の、IL−28B濃度の測定値と組み合わせた治療予測の正確性は非常に高いものであるが、この場合、すべてのC型肝炎ウイルス感染患者について遺伝子多型rs8099917を決定することが好ましい。
更に、遺伝子多型rs8099917と、IL−28B濃度とを組み合わせる予測方法として、次のようなステップで行うこともできる。
まず、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定する。そして、IL−28B濃度が閾値以上のC型肝炎ウイルス感染患者について、遺伝子多型rs8099917の決定を行う。この場合、最初のIL−28B濃度の測定によって、IL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の患者には、インターフェロン治療が有効であることを予測できる。従って、これらの患者には、インターフェロン治療を推奨する。一方、IL−28B濃度が閾値濃度以上又は閾値濃度を超える患者については、遺伝子多型rs8099917を決定する。そして、遺伝子多型rs8099917がTG又はGGの患者は、インターフェロン治療が無効である可能性が高いと予測できる。また、遺伝子多型rs8099917がTTの患者は、インターフェロン治療が有効である可能性が高い。従って、これらの患者には、インターフェロン治療を推奨する。
このようなステップで、インターフェロン治療効果予測を行った場合、IL−28Bが閾値濃度以下又は閾値濃度未満のC型肝炎ウイルス感染患者(約60%)は、インターフェロンの治療が有効であるため、遺伝子多型rs8099917の決定を行わなくてもよい。従って、遺伝子型検査費用の削減の効果が得られる。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法は、ヒトの生体由来の血液を分離し、それ用いてin vitroで、IL−28Bの濃度を測定することによって行われるものである。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法は、インターフェロンの治療効果を予測する場合の、インターフェロン治療効果予測の補助方法として用いることができる。また、本発明のインターフェロン治療効果予測方法を用いて、インターフェロン治療の方針を決定することができる。すなわち、本発明のインターフェロン治療効果予測方法は、インターフェロン治療の方針決定方法として用いることができる。
《抗体の使用》
前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又は抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)は、インターフェロン治療効果予測キットの製造に用いることができる。これらのモノクローナル抗体を用いたインターフェロン治療効果予測キットにより、本発明のインターフェロン治療効果予測方法を実施することが可能である。
具体的には、抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)の使用に関しては、以下の態様を挙げることができる。
すなわち、本発明は、
[1]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用;
[2](1)配列番号25で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜113番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号27で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン;又は
(2)配列番号29で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜109番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号31で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン
を有する[1]に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用;又は
[3][2]に記載のモノクローナル抗体が結合するエピトープに結合する、[1]に記載の、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用、
に関する。
更に、抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)の使用に関しては、以下の態様を挙げることができる。
すなわち、本発明は、
[4]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28Bに結合し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用;
[5](1)配列番号33で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号35で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン;
(2)配列番号37で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号39で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン;又は
(3)配列番号41で表されるアミノ酸配列における31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む重鎖可変領域ドメイン、並びに配列番号43で表されるアミノ酸配列における24番〜38番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド、54番〜60番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド、93番〜101番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチドを含む軽鎖可変領域ドメイン
を有する[4]に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用;
[6][5]に記載のモノクローナル抗体が結合するエピトープに結合する、[4]に記載の、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用、
に関する。
《インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キット》
インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットは、IL−28B特異的抗体を含む限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは前記抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又は抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)を含むものである。インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットにより、本発明のインターフェロン治療効果予測方法を実施することが可能である。
具体的には、インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットに関しては、抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)を含むものとして、以下の態様を挙げることができる。
本発発明のインターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットは、(a)抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又はその抗原結合性断片、及び(b)IL−28Bに結合する第二抗体を含む。IL−28Bに結合する第二抗体としては、限定されるものではないが、(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B、及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合する、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片、を挙げることができる。
更に、インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットに関しては、抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)を含むものとして、以下の態様を挙げることができる。
本発発明のインターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットは、(a)前記IL−28Bモノクローナル抗体(B)、又はその抗原結合性断片、及び(b)IL−28Bに結合する第二抗体を含む。IL−28Bに結合する第二抗体としては、限定されるものではないが、(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B、及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合する、モノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片、を挙げることができる。
更に、本発明は、(a)抗IL−28Bモノクローナル抗体(A)又はその抗原結合性断片、及び(b)IL−28Bに結合する第二抗体、又はその抗原結合性断片、を含む、血液のIL28Bを測定するインターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットの使用に関する。
また、本発明は、(a)抗IL−28Bモノクローナル抗体(B)又はその抗原結合性断片、及び(b)IL−28Bに結合する第二抗体、又はその抗原結合性断片、を含む、血液のIL28Bを測定するインターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キットの使用に関する。
本発明の血液のIL28Bを測定するインターフェロン治療効果予測キットの使用によって、インターフェロン治療効果を的確に予測することができる。
《インターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキット》
本発明のインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットは、(1)配列番号44で表されるオリゴヌクレオチドの第551番の遺伝子多型rs8099917のT又はGを含むオリゴヌクレオチド又はその相補鎖に結合することができる、C型肝炎患者の経過予測用オリゴヌクレオチドプローブ及び/又は配列番号44で表されるオリゴヌクレオチドの第551番の遺伝子多型rs8099917を含む二本鎖DNA断片を増幅することのできる、フォワードプライマー及びリバースプライマーからなるC型肝炎患者の経過予測用プライマーセットを含む。
なお、配列番号44で表される塩基配列においては、遺伝子多型rs8099917のメジャーアレルT及びマイナーアレルGは、T又はGを意味する「K」で表されている。
本発明のインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットは、前記インターフェロン治療予測方法に用いるものことができるものである。すなわち、本発明のインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットは、例えば、ダイレクトシークエンス法、PCR−RELP法、TaqMan法、DigiTag法、DigiTag2法、シングルヌクレオチドプライマー伸長法、SnaPshot法、ASP−PCR法,PCR−SSO法、PCR−SSP法、PCR−SSCP)法、DNAチップ若しくはDNAマイクロアレイを用いた核酸ハイブリダイゼーション法、インベーダー法、MALDI−TOF/MS法、モレキュラー・ビーコン法、RCA法、UCAN法、対立遺伝子特異的PCR、ミニシーケンシング、パイロシーケンシング、ARMS法、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)分析、変性/温度勾配ゲル電気泳動(DGGE/TGGE)用、STR(Short Tandem Repeat)法、SLP(Single Locus Probe)法、又はマイクロサテライト多型解析法のキットである。
本発明のインターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キット、及びインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットを用いて、インターフェロン治療効果予測が可能である。従って、本発明は、インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キット、及びインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットの使用に関する。
更に、インターフェロン治療効果予測用IL−28B測定キット、及びインターフェロン治療予測用遺伝子タイピングキットは、インターフェロンの治療効果予測マーカーとして使用することができる。
《C型肝炎ウイルス感染患者の治療方法》
本発明のインターフェロン治療効果予測方法の後に、インターフェロン治療を行うことができる。すなわち、C型肝炎ウイルス感染患者の治療方法として、前記インターフェロン治療予測方法に加えて、インターフェロン治療工程を含むことができる。
治療に用いるインターフェロンは、特に限定されるものではなく、インターフェロン−α、PEG化インターフェロン−α、インターフェロンβ、又はインターフェロンλを挙げることができる。更に、本発明におけるインターフェロン治療には、インターフェロンの単独投与(例えば、インターフェロン−α単独投与、インターフェロンβ単独投与、PEG化インターフェロン−α単独投与又はインターフェロンλ単独投与)のみでなく、インターフェロンと他の薬剤の2剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α及びリバビリンの2剤投与)、インターフェロンと他の2つの薬剤の3剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α、リバビリン及びプロテアーゼ阻害剤の3剤投与)、インターフェロンと他の3つの薬剤の4剤投与(例えば、PEG化インターフェロン−α、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、及びRNAポリメラーゼ阻害剤の4剤投与)を挙げることができる。他の薬剤としては、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤(例えば、テラプレビル(Telaprevir)、シルプレビル(Ciluprevir)、ボセプレビル(Boceprevir)、TMC435350、R7227/ITMN−191、MK−7009、BI201335、ナルラプレビル(Narlaprevir)、BMS−650032、PHX1766、又はACH−1625)、RNAポリメラーゼ阻害剤(例えば、バロピシタビン(Valopicitabine)、R7128、R1626、PSI−7851、IDX184、BILB 1941、BI207127、MK−3281、フィリブビル(Filibuvir)、VCH759、VCH916、VCH222、ANA598、HCV−796、GS−9190、GS−9190、又はABT−333)、NS5A阻害剤(例えば、BMS−790052)、Debio025、NIM811、SCY−635、ニタゾキサニド(Nitazoxanide)、セルゴシビル(Celgosivir)又はそれらの2つ以上の組み合わせの薬剤を挙げることができる。
インターフェロン治療のプロトコールは、特に限定されるものではないが、例えばペグインターフェロン及びリバビリン併用療法として、以下の投与プロトコールを挙げることができる。Peg−IFN−α2a(180μg)又はPeg−IFN−α2b(体重換算量)を週1回、皮下注射により投与、及びリバビリン(体重換算量)の1日2回の内服を48週行う。HCV RNAの検出を行い、HCV RNAが検出感度以下になるのが遅い場合(投与開始より12週間以降)は、全投与期間を72週間に延長することもある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
本実施例では、C型肝炎ウイルス感染患者150名の血清中のIL−28B濃度の測定を行った。
モノクローナル抗体TA2650を終濃度が2μg/mLになるように150mM NaClを含む10mMHEPES緩衝液(pH7.4:以下、HBS緩衝液と称する)で希釈し、96ウェルマイクロプレート(ヌンク社製)1ウェルにつき100μLずつ分注した。4℃で一晩静置後、HBS緩衝液400μLを用いて2回洗浄し、0.1%カゼイン−Naを含むHBS緩衝液(以下、ブロッキング液と称する)、400μLを添加し、更に室温で30分静置した。
ブロッキング液除去後、0.05%Tween20を含むHBS緩衝液(以下、洗浄液と称する)400μLを用いて2回洗浄した。0.1%カゼイン−Na、1%マウス血清、1%BSA、及び0.05%Tween20を含むHBS緩衝液(以下、希釈バッファーと称する)50μLに、C型肝炎ウイルス感染患者血清を50μLずつウェルに加え、室温で1時間、攪拌しながら反応させた。洗浄液400μLで3回洗浄し、更にアルカリフォスファターゼ(AP)標識したモノクローナル抗体TA2664Fab’フラグメントを、希釈バッファーで30ng/mLに希釈し、100μLずつ、各ウェルに添加し、室温で1時間攪拌しながら反応させた。反応後、前記洗浄液400μLで5回洗浄し、基質(CDP-star with Sappire II)溶液50μLを加え、室温、暗所で、20分間反応させた後、発光をSpectraMaxプレートリーダーで測定した。
スタンダードとして、リコンビナントIL−28Bを使用して、標準曲線を作成し、その標準曲線から血清中のIL−28Bの濃度を計算した。
《実施例2》
本実施例では、C型肝炎ウイルス感染患者150名について、rs8099917のSNPタイピングを行った。
rs8099917のSNPタイピングは、インベーダー法によって行った。フォワードプライマーInvaderF:5’−TCATCCCTCATCCCACTTCTGGAACA−3’(配列番号48)、及びInvaderR:5’−CGGGCCATCTGTTTCCTGCTG−3’(配列番号49)を用いてPCRを行った。メジャーアレル「T」を検出するProbe1:5’−atgacgtggcagacAATTGCTCACAGAAAGGAA−3’(配列番号45)、又はマイナーアレル「G」を検出するProbe2:5’−cgcgccgaggCATTGCTCACAGAAAGGA−3’(配列番号46)を挙げることができ、インベーダープローブとして、Invader:5’−GCTACCAAACTGTATACAGCATGGTTCCAATTTGGGTGAt−3’(配列番号47)を用い、メーカーのプロトコールに従ってインベーダー法によりSNPを解析した。
《実施例3》
本実施例では、C型肝炎ウイルス感染患者150名について、PEGインターフェロン−α及びバビリンの併用投与の治療を行った。投与プロトコールは以下のとおりである。
Peg−IFN−α2a(180μg)又はPeg−IFN−α2b(体重換算量)を週1回、皮下注射により48週間投与した。並行して、リバビリン(体重換算量)の1日2回の内服を48週継続した。HCV RNAの検出を行い、HCV RNAが検出感度以下になるのが遅い場合(投与開始より12週間以降)は、全投与期間を72週間に延長することがあった。
治療終了24週後において、HCV−RNAが陰性化した患者をSVR(Sustained virological response)、治療中に一旦HCV−RNAが検出感度以下になるが、治療中又は治療終了後に採用添加する患者をTVR(Transient virological response)、及び治療中及び治療後にHCV−RNAが検出される患者をNVR(Non virological response)と判定した。
前記実施例1〜3の結果を図2にまとめた。治療効果判定の閾値は、12.9pg/mLとした。遺伝子型non−TT(TG及びGG)の患者においては、VR(SVR及びTVR)と、NVRの患者を治療効果判定の閾値によって、2つの群に分けることが可能であった。
また、12.9pg/mL以下のIL−28B濃度のC型肝炎ウイルス感染患者は、VR(SVR及びTVR)であった。従って、IL−28Bの濃度が12.9pg/mL以下のC型肝炎ウイルス感染患者に、インターフェロン治療を推奨することが可能である。また、IL−28Bの濃度が12.9pg/mL以上の患者は、VR及びNVRの患者が存在するが、IL−28Bの濃度が12.9pg/mL以上であり、且つ遺伝子型non−TT(TG及びGG)の患者は、インターフェロンの治療が有効でなないため、インターフェロン治療を推奨しない方が好ましいと考えられる。
本発明のインターフェロン治療効果予測方法は、C型肝炎ウイルス感染患者のインターフェロン治療効果を予測することができ、その予測は、遺伝子型による予測と比較して、正確である。従って、インターフェロンによる治療費の削減効果が期待できる。また、遺伝子多型rs8099917との組み合わせにより、インターフェロン治療の方針を的確に決定することが可能であり、検査費用の削減効果も期待できる。

Claims (9)

  1. IL−28B特異的免疫学的測定法によって、C型肝炎ウイルス感染患者由来の血液のIL−28B濃度を測定する工程を含み、IL−28B濃度の測定値によりインターフェロン治療効果を予測することを特徴とする、インターフェロン治療効果予測方法。
  2. 前記IL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合にインターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測する、請求項1に記載のインターフェロン治療効果予測方法。
  3. C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917と、IL−28B濃度とを組み合わせて、インターフェロン治療効果を予測することを特徴とする、請求項1又は2に記載のインターフェロン治療効果予測方法。
  4. C型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917がTG又はGGであり、且つIL−28B濃度が閾値濃度以下又は閾値濃度未満の場合、インターフェロン治療が有効である可能性が高いと予測する請求項3に記載のインターフェロン治療効果予測方法。
  5. 前記測定されたIL−28B濃度が閾値濃度以上又は閾値濃度を超えたC型肝炎ウイルス感染患者の遺伝子多型rs8099917を決定する工程を含む、請求項3又は4に記載のインターフェロン治療効果予測方法。
  6. 前記閾値濃度が、10pg/mL〜15pg/mLのいずれかの濃度である、請求項2〜5のいずれか一項に記載のインターフェロン治療効果予測方法。
  7. 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28B及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28Bに結合し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用。
  8. 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるメジャーIL−28Bに結合し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマイナーIL−28B及び配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるIL−28Aに結合せず、そして配列番号4〜23で表されるアミノ酸配列からなるペプチド断片に結合しない、抗IL−28Bモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片の、血液のIL−28Bを測定することによるインターフェロン治療効果予測キットの製造のための使用。
  9. 前記IFN治療効果予測方法によって、治療効果を予測されたC型肝炎ウイルス感染患者に対して、IFNを投与する工程を含む、C型肝炎治療方法。
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