JP2015087300A - プラント解体計画支援装置及びプラント解体計画支援方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラントにおける放射性物質の線源分布に基づいて、プラントの切断箇所に関するモデルである切断モデルを生成する切断モデル生成処理部103と、切断モデルに従ってプラントを切断した結果、生じるプラントの部品である解体部品において、算出された線源分布から算出される解体部品の線源強度を基に、線源強度上限のレベルに応じた収納容器に解体部品を収納した収納モデルを生成し、線源強度上限のレベルに応じた収納容器毎に必要な収納容器の個数を算出する収納モデル生成部104と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に記載の技術は、コンテナサイズ、被ばく線量等の制約条件に基づき部品切断サイズを最適化する技術である。
また、特許文献2に記載の技術は、放射能レベルの大小に応じて処理形態を分ける記載があり、廃棄体の材質、機器設置位置、使用期間等を格納したデータベースに関する技術である。
さらに、特許文献3に記載の技術は、処分容器(収納容器)の放射能量や廃棄物重量、収容容器の表面線量等をデータベースにする技術である。また、特許文献3には、廃棄体の管理を算出機で行う記載がある。これより、特許文献3に記載の技術には、当然廃棄体データベースがあると考えられる。
《第1実施形態》
まず、図1〜図18を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
[装置構成]
図1は、第1実施形態に係るプラント解体計画支援装置の構成例を示す構成図である。
プラント解体計画支援装置1は、メモリ10、CPU(Central Processing Unit)30、入力装置(入力部)40、表示装置(表示部)50、各種DB(Data Base)21〜29を有している。
メモリ10には、記憶装置(各種DB21〜29)に格納されているプログラムが展開され、CPU30によって展開されたプログラムが実行されることにより、処理部(表示処理部、算出部)100、及び、処理部100を構成する空間線量分布算出処理部101、線源分布算出処理部102、切断モデル生成処理部103、収納モデル生成処理部104、解体工数算出処理部105、総被ばく線量算出処理部106を具現化している。
線源分布算出処理部102は、実測されたある点の線量(実測線量)を基に、空間線量分布算出処理部101が算出した空間線量分布の補正を行う。
切断モデル生成処理部103は、推定される空間線量分布や、入力装置40を介して入力された情報を基に、プラントを解体するための切断モデルを生成する。
解体工数算出処理部105は、切断モデルや、収納容器の数等を基に解体に必要な工数である解体工数を算出する。
総被ばく線量算出処理部106は、算出された解体工数を基に、作業員の総被ばく線量を推定算出する。
実測線量DB22には、プラントにおいて設置されている線量測定装置(図4)から取得された線量に関するデータである実測線量データが格納されている。
プラント3DモデルDB23には、プラントの各部品についての3D−CAD(Computer Aided Design)データであるプラント3Dモデルデータが格納されている。
収納容器3DモデルDB24には、プラントの解体部品を収納するための収納容器の3D−CADデータである収納容器3Dモデルデータが格納されている。
解体工程DB26には、解体工数算出処理部105によって算出された解体工数に関するデータである解体工数データが格納される。
総被ばく線量見積結果DB27には、総被ばく線量算出処理部106によって算出された作業員の総被ばく線量に関するデータである総被ばく線量データが格納される。
また、空間線量分布DB28には、線源分布算出処理部102によって推定された空間線量分布のデータである空間線量分布データが格納される。
切断モデルDB29には、切断モデル生成処理部103によって生成されたプラントの切断モデルのデータである切断モデルデータが格納される。
図2は、第1実施形態に係るプラント3Dモデルデータの例を示す図である。なお、プラント3Dモデルデータは、前記したように、プラント3DモデルDB23に格納されているデータである。
図2に示すように、プラント3Dモデルデータは、プラントの3D−CADデータであり、形状情報、座標情報、属性情報を伴っている。
図2に示すプラント3Dモデルデータは、機器(ポンプ201)や、配管(符号202,203,204,205)や、配管部品(弁206,207)や、コンクリート躯体208,209のようなプラント構成物が表現されている。
プラント3Dモデルデータにおける座標情報は、各部品を形成する線分や、点等が、プラント内部の任意の一点を原点とする座標で示されるものである。
また、プラント3Dモデルデータは、機器、配管等といった部品の情報が属性情報として格納されている。
図3は、第1実施形態に係る収納容器3Dモデルデータの例を示す図である。なお、収納容器3Dモデルデータは、前記したように、収納容器3DモデルDB24に格納されているデータである。
図3に示される収納容器3Dモデルデータ301で示される収納容器は、縦、横、高さが規格化された容器である。プラントを構成する機器、配管、躯体等の解体部品は、このような収納容器に収納される。なお、管理された場所で長期にわたり放射性物質が保管・管理されるため、収納容器の個数が長期管理のコストに影響を与える。従って、収納容器の個数を削減することがコストの削減に効果をもたらす。
図4は、第1実施形態に係る実測線量データの例を示す図である。なお、実測線量データは、前記したように、実測線量DB22に格納されているデータである。
図4では、分かりやすくするため、実測線量データの情報を、プラント空間内部を示す図で示すものである。ここで、符号401,402は、プラント内部に設置されている線量測定装置を示している。
実測線量データは、それぞれの線量測定装置401,402が設置されている座標情報及び線量測定装置401,402が測定した単位時間当たりの線量が格納されている。ここで、座標情報は、プラント内部の任意の一点を原点とする座標で示されるものである。
また、線量測定装置402は、X=100,Y=100,Z=300の座標位置に設置されており、0.1mSv/hの線量を測定したことを示している。
図5は、第1実施形態に係るプラント運転履歴データの例を示す図である。なお、プラント履歴データは、前記したように、プラント運転履歴DB21に格納されているデータである。
図5は、プラント運転データのデータ内容を分かりやすくするため、グラフの形式にしたものである。
図5のグラフでは、縦軸がプラントの出力(W)横軸が時間となっている。
プラントは、プラント運転開始から、廃炉にいたるまで、通常運転時は100%定格出力で、定期検査時は0%出力となっている。
つまり、図5において、時刻501がプラント運転開始時を示し、時刻502から時刻503の間が定期検査を示している。同様に、時刻504から時刻505の間も定期検査を示している。そして、時刻506は運転停止(廃炉)時を示している。
(空間線量分布算出処理)
図6は、第1実施形態に係る空間線量分布算出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ユーザは空間線量分布を算出する範囲(部屋番号、座標情報、通り芯情報等)を、入力装置40を介して入力し、空間線量分布算出処理部101が、入力された空間線量分布の算出範囲を設定する(S101)。
次に、空間線量分布算出処理部101は、プラント3DモデルDB23に格納されているプラント3DモデルデータからステップS101で設定された算出範囲内にある機器、配管、及び、躯体等といった対象物の情報を取得する(S102)。具体的には、空間線量分布算出処理部101は、プラント3Dモデルデータの属性情報から対象物の情報を取得する。
そして、ユーザは、配管、機器への放射性物質の付着範囲、線源強度について、プラント運転履歴データを基に、経験的知見あるいは理論的考察に基づいて、入力装置40を介して仮設定する(S103)。ステップS103は、例えば、シミュレーションの結果に基づいて、空間線量分布算出処理部101が設定してもよい。
そして、空間線量分布算出処理部101は、ステップS104で算出されたガンマ線放出の空間分布に、所定の係数を掛けることで放射線量(以下、適宜線量と称する)の空間分布に変換することで、変換結果を仮の空間線量分布として算出し(S105)、処理部100は図7の処理へ処理を進める。
このようにして、空間線量分布算出処理部101は、算出範囲における放射線量の空間分布である仮の空間線量分布を生成する。
図7は、第1実施形態に係る線源分布算出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、線源分布算出処理部102が、空間線量分布算出処理部101によって算出された仮の線量空間分布を取得する(S201)。
次に、線源分布算出処理部102が、図6のステップS101で設定された算出範囲に配置されている線量測定装置401,402(図4)で測定された実測線量を取得する(S202)。
具体的には、線源分布算出処理部102は、以下の式(1)に基づいて線源強度を補正する。
そして、空間線量分布算出処理部101が、ステップS203で補正した線源強度を基に、再度、図6のステップS104及びステップS105の処理を行って、空間線量分布を再算出する(S204)。
次に、線源分布算出処理部102は、ステップS204で再算出した結果である空間線量分布を基に、線量測定装置401,402(図4)が設置されている計測点における推測線量を算出する(S205)。
ステップS206の結果、誤差値が微小値ε以上である場合(S206→No)、線源分布算出処理部102は、ステップS203へ処理を戻し、線源強度を再補正して(S203)、空間線量分布を再算出する(S204)。
ステップS206の結果、誤差値が微小値ε未満である場合(S206→Yes)、線源分布算出処理部102は、現在の線源強度を推測線源強度として決定する(S207)。
さらに、線源分布算出処理部102は、ステップS207で決定された推測線源強度を基に、放射線源の分布状態である推測線源分布を算出し(S208)、処理部100は図8の処理へ処理を進める。線源分布の推定は、既知の手法で可能なので、ここでは説明を省略する。
このようにして、線源分布算出処理部102は、推測線源強度を決定する。
図8は、第1実施形態に係る切断モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
切断モデル生成処理部103は、実測線量DB22、プラント3DモデルDB23と、廃棄物収納容器3DモデルDB24における各データを取得する(S301)。
次に、切断モデル生成処理部103は、図7のステップS208で決定した推測線源分布を取得する(S302)。
そして、切断モデル生成処理部103はプラント3DモデルDB23から、プラント3Dモデルデータを取得する(S303)。このとき、取得されるプラント3Dモデルデータは、ステップS101で設定された算出範囲に該当するデータである。
そして、切断モデル生成処理部103は、ステップS304でプラント3Dモデルに重ね合わされた推測線源分布を基に、プラント3Dモデルデータにおける線源の位置を推定する(S305)。
以降、ステップS306で切断モデルが指定されたプラント3Dモデルを切断モデルと称する。
続いて、切断モデル生成処理部103は、指定された切断箇所を基に、プラントの切断モデルを生成し(S307)、生成した切断モデルを表示装置50に表示させる(S308)。
ステップS309の結果、切断箇所を追加する旨の情報の情報が入力されなかった場合(S309→No)、切断モデルのデータ(切断モデルデータ)を切断モデルDB29に格納し(S310)、処理部100は図10の処理へ処理を進める。
図9は、第1実施形態に係る切断モデルデータに格納されている切断モデルの例を示す図である。
符号901〜905は、切断モデル生成処理部103によって設定された切断箇所である。切断モデル生成処理部103は、線源の分布から、各切断ブロックにおいて線源がなるべく分散するよう、切断箇所901〜905を設定する。具体的には、切断モデル生成処理部103は、機器ノズルからのフランジ取外し箇所や、弁や配管等の溶接面や、配管が直管である場合、定尺となり、かつ、線源が各解体部品中で1つとなるよう切断箇所を設定する。
なお、符号911は、作業者の作業の都合に基づいて、ユーザが入力装置40を介して追加した切断箇所である。
なお、切断モデルデータには、解体部品毎に線源強度が属性情報として付加される。
図10は、第1実施形態に係る収納モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、収納モデル生成処理部104は、切断モデルDB29から切断モデルデータを取得する(S401)。
次に、収納モデル生成処理部104は、切断モデルデータにおける切断モデルから解体部品毎に線源強度を算出する(S402)。解体部品は、前記した切断ブロックのことである。
そして、収納モデル生成処理部104は、解体部品を線源強度順にソートする(S403)。
次に、収納モデル生成処理部104は、解体部品を選択する(S405)。このとき、選択される解体部品は、選択可能な解体部品のうち、最も線源強度の高いものである。
ステップS407の結果、収納モデルにおける線源強度が収納容器の線源強度上限未満である場合(S407→Yes)、収納モデル生成処理部104は、現在の収納モデルにおける収納容器充填率が、処理対象となっている収納容器の充填上限未満であるか否かを判定する(S408)。収納容器充填率は、収納モデル生成処理部104が、収納容器の収容体積に対する解体部品の体積(ただし、解体部品の中は詰まっているものとする)の比を算出することによって容易に算出できる。
ステップS409の結果、すべての解体部品について収納モデル生成処理が完了している場合(S409→Yes)、処理部100は図11の処理へ処理を進める。
図11は、第1実施形態に係る解体工数算出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、解体工数算出処理部105は、図8で生成された切断モデルデータを切断モデルDB29から取得する(S501)。
次に、解体工数算出処理部105は、取得した切断モデルデータにおける切断モデルの切断箇所の数から、切断回数を算出する(S502)。
そして、解体工数算出処理部105は、切断回数から切断時間(日にち)の総和である総切断工数を算出する(S503)。このとき、解体工数算出処理部105は、切断箇所の大きさや、切断工具のスペック等を基に、総切断工数を算出する。
そして、解体工数算出処理部105は、生成した各工程パターンのデータ(解体工程パターンデータ)を解体工程DB26に格納する(S506)。このとき、解体工数算出処理部105は生成した工程パターンに工程IDを付すとよい。
図12は、第1実施形態に係る総被ばく線量算出処理の手順を示すフローチャートである。
総被ばく線量算出処理部106は、図11で生成した工程パターンのデータ(工程パターンデータ)を解体工程DB26から取得する(S601)。
次に、総被ばく線量算出処理部106は、取得した工程パターンについて、総解体工数[h]×線量当量[mSv/h]×作業人数[人]を算出し、算出した結果を総被ばく線量[人・mSv]として算出する(S602)。ここで、総解体工数はステップS504で算出されるものである。線量当量は図7の処理で算出される推測線源強度を基に算出されるものである。作業人数は、総解体工数を基に算出されるものである。例えば、総被ばく線量算出処理部106は、総解体工数がN時間であれば作業人数はn人、総解体工数M時間であれば、m人というように、総解体工数に対する作業人数を算出する。
そして、総被ばく線量算出処理部106は、算出した解体工程パターンごとの総被ばく線量を、工程パターンと対応付けて総被ばく線量見積結果DB27に格納する(S603)。
次に、総被ばく線量算出処理部106は処理を終了するか否かの判定を促す表示を表示装置50にさせ、ユーザに処理を終了するか否かを判定させる(S604)。
ステップS604の結果、終了しない場合(S604→No)、処理部100は図8のステップS306へ処理を戻し、ユーザが新たな切断箇所を追加・編集することで新たな工程パターンの生成が行われる。
ステップS604の結果、終了する場合(S604→Yes)、処理部100は、作業評価指数レーダチャート(図13)や、解体作業工程ガントチャート(図14)や、総被ばく線量グラフ(図15)や、空間線量分布画面(図16)や、部品表面線量表示画面(図17)や、解体物量集計結果(図18)を表示装置50に表示させ(S605)、処理を終了する。なお、各画面に必要な計算は処理部100がステップS605のタイミングで行う。
図13は、第1実施形態に係る作業評価指数レーダチャートの例を示す図である。
作業評価指数レーダチャート1301は、作業人数、総被ばく線量、L1容器数、L2容器数、L3容器数、CL容器数、工数、総費用の各パラメータについて、工程パターン(工程パターンA,B,C)毎にレーダチャートとして表示している。図12のステップS604で「No」が判定されると、複数の工程パターンが生成される。
作業人数は、図12のステップS602で算出されるものである。総被ばく線量は図12のステップS603で算出されるものである。L1容器数、L2容器数、L3容器数、CL容器数は、図10の処理で算出されるものである。なお、L1、L2、L3、CLは容器の線源強度上限を示すものであり、L1は「Lebel1」、L2は「Lebel2」、L3は「Lebel3」、CLは「Clearance」を示す。それぞれの容器の線源強度上限はL1>L2>L3>CLである。
工期は、図11のステップS504で算出される総解体工数や、容器数等から処理部100が算出するものである。
総費用は、総解体工数や、容器数や、作業人数等から処理部100が算出するものである。
このように、工程パターンの特徴が作業評価指数レーダチャート1301として表示されることで、ユーザは各工程パターンの比較を行うことができ、プラントの解体工程計画を効率的に行うことができる。
図14は、第1実施形態に係る作業工程ガントチャートの例を示す図である。
作業工程ガントチャート1401では、実際に行われている作業の進捗状況を示す図である。作業工程ガントチャート1401は、作業進捗DB(不図示)に格納されている作業進捗データを用いて、処理部100が表示するものである。
このようにすることで、解体作業場所が離れているエリアで作業員を多く割り当てられる場合、並行して作業を進めることができるため、工期を短くすることができる。
図15は、第1実施形態に係る総被ばく線量グラフの例を示す図である。
図15において、縦軸は総被ばく線量(人・mSv)であり、横軸は時間である。
総被ばく線量は[人・mSv]を単位として表現され、作業時間とともに増加していく積分量として表現する。ここで表示されている総被ばく線量は、ある工程パターンにおいて、解体作業時間とともに1人あたりの総被ばく線量がどのように推移するかを示しているものである。
つまり、総被ばく線量算出処理部106は、工程パターンにおける1人あたりの作業時間と、図12のステップS602で算出した総被ばく線量とを基に時間経過に伴う総被ばく線量の変化を推定算出し、総被ばく線量グラフ1501として表示装置50に表示する。
また、総被ばく線量算出処理部106は、解体作業終了後に実際の総被ばく線量を総被ばく線量グラフとして表示装置50に表示させてもよい。
ユーザは、総被ばく線量グラフ1501を解体計画立案時の予測情報として使用したり、解体工事開始後の実績値として使用したりすることにより、作業の環境・安全の確認を行うことができる。
図16は、第1実施形態に係る空間線量分布表示画面の例を示す図である。
空間線量分布表示画面は、処理部100が、図7の処理で算出された空間線量分布を、プラント3Dモデルデータに重ね合わせて表示するものである。
空間線量分布表示画面1601では、空間線量分布が等高線の形式で表示されている。
このようにすることで、ユーザは空間線量の分布状態を視認することができ、作業者の配置等に役立てることができる。
図17は、第1実施形態に係る部品表面線量表示画面の例を示す図である。
部品表面線量表示画面1701は、処理部100が、図7の推測線源分布をプラント3Dモデルデータに重ね合わせて表示するものである。図17の例では、推測される線源の分布が符号1711として表示されている。
機器や配管の内部には放射性物質が付着し、主にガンマ線の発生源になる。機器や配管内部の線源の形状や分布を特定することは難しい。従って、図17に示すように、機器・配管の外観からわかる表面上の線量分布を可視化することにより、ユーザは解体作業時に注意すべき箇所や、切断箇所を決定する際の参考情報を表示することができる。
図18は、第1実施形態に係る解体物量集計結果画面の例を示す図である。
解体物量集計結果画面1801は、ある工程パターンにおける収納容器種類、収納容器の個数、収納される解体部品の総重量、総線源、切断数が表示されている。
収納容器種類や、収納容器の個数は、図10の処理によって算出されるものである。収納される解体部品の総重量、切断数は、図10の処理における収納モデルから処理部100が算出するものである。
総線源数は、収納モデルにおいて収納容器に格納されている解体部品における線源数を基に算出される。
また、本実施形態のプラント解体計画支援装置1は、複数の切断モデルに対応した工程パターンにおける線源強度上限のレベルに応じた収納容器の数を算出する。このようにすることで、ユーザは、複数の切断モデルに対応した工程パターンにおいて必要な収納容器の個数を工程パターン毎に比較することができる。
また、本実施形態のプラント解体計画支援装置1は、切断箇所の情報に基づいて、プラントを解体する工数を算出する。このようにすることで、ユーザは解体に必要な工数(時間)を把握して、解体工程の計画に反映することができる。
そして、本実施形態のプラント解体計画支援装置1は、作業員の総被ばく量と、工数を基に、プラントの解体期間中における作業員の総被ばく量の時間変化を算出する。このようにすることで、ユーザは、総被ばく線量の時間変化を把握することができ、作業員の安全を確保することができる。
さらに、本実施形態のプラント解体計画支援装置1は、入力装置40を介して仮設定された線量空間分布を、線量測定装置によって実測された実測線量に基づいて補正し、補正された線量空間分布に基づいて、線源分布を算出する。このようにすることで、線量空間分布を定量的に推測することができる。
次に、図19を参照して本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態では、解体部品の線源強度を基に収納モデルが生成されていたが、第2実施形態では、解体部品の発熱量も考慮された収納モデルが生成される。
(収納モデル生成処理)
図19は、第2実施形態に係る収納モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図19において、図10と同様の処理には、同一のステップ番号をふって説明を省略する。また、収納モデル生成処理以外の処理、及び、プラント解体計画支援装置1の構成は第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
ステップS402の後、収納モデル生成処理部104は、切断モデルデータにおける切断モデルから解体部品毎に発熱量を算出する(S701)。発熱量は、線源となっている放射性物質の種類に基づいて算出される。線源となっている放射性物質の種類は、例えば、解体部品が配管であれば、プラントの運転時にその配管内をどのような物質が流れていたかによって推定できる。線源となっている放射性物質の種類は、ユーザが入力装置40を介して入力してもよいし、プラント3Dモデルデータの属性として、予め入力されていてもよい。
発熱量は、例えば以下の式(3)によって算出される。
ステップS702の結果、収納モデルにおける発熱量が収納容器の発熱量上限未満である場合(S702→Yes)、収納モデル生成処理部104は、ステップS408の処理を行う。
ステップS702の結果、収納モデルにおける発熱量が収納容器の発熱量上限以上である場合(S702→No)、収納モデル生成処理部104は、解体部品を戻した後(S410)、ステップS404へ処理を戻す。このとき、収納モデル生成処理部104は、第1実施形態と同様に線源強度上限の高い収納容器から順に選択しているが、発熱量上限の高い順から収納容器を選択してもよい。あるいは、収納モデル生成処理部104は、発熱量上限の低い順から収納容器を選択してもよい。
次に、図20を参照して本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、解体部品にIDを付与することで、解体部品のトレースを可能にするものである。
図20は、第3実施形態に係る切断モデルデータの例を示す図である。
図20に示されるように、第3実施形態では、個々の解体部品に解体部品IDが付与されている。解体部品IDの付与は、切断モデル生成処理部103によって、例えば、図8のステップS310の前に行われる。
また、放射性物質の発熱量は半減期に従って減衰するので、本実施形態のプラント解体計画支援装置1によれば、解体部品を長期間保存する際における発熱の影響を事前に把握することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
10 メモリ
30 CPU
40 入力装置(入力部)
50 表示装置(表示部)
21 プラント運転履歴DB
22 実測線量DB
23 プラント3DモデルDB
24 収納容器3DモデルDB
25 解体物量集計結果DB
26 解体工程DB
27 総被ばく線量見積結果DB
28 空間線量分布DB
29 切断モデルDB
100 処理部(表示処理部、算出部)
101 空間線量分布算出処理部
102 線源分布算出処理部
103 切断モデル生成処理部
104 収納モデル生成処理部
105 解体工数算出処理部
106 総被ばく線量算出処理部
Claims (18)
- プラントにおける放射性物質の線源分布に基づいて、前記プラントの切断箇所に関するモデルである切断モデルを生成する切断モデル生成処理部と、
前記切断モデルに従って前記プラントを切断した結果、生じるプラントの部品である解体部品において、前記算出された線源分布から算出される前記解体部品の線源強度を基に、前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器に前記解体部品を収納した収納モデルを生成し、前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器毎に必要な前記収納容器の個数を算出する収納モデル生成処理部と、
前記線源強度上限毎における収納容器の個数を表示部に表示する表示処理部と、
を有することを特徴とするプラント解体計画支援装置。 - 前記切断モデル生成処理部は、
前記プラントにおける切断箇所を変更した前記切断モデルを複数生成し、
前記収納モデル生成処理部は、
生成された複数の前記切断モデルに対応した工程パターンにおける前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器の数を算出し、
前記表示処理部は、
前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器の数を前記工程パターン毎に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記線源強度を基に、作業員の総被ばく量を算出する総被ばく線量算出処理部を、さらに有し、
前記表示処理部は、
前記収納容器の個数とともに、前記作業員の総被ばく量を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記切断箇所の情報に基づいて、プラントを解体する工数を算出する解体工数算出処理部を、さらに有し、
前記総被ばく線量算出処理部は、前記作業員の総被ばく量と、前記工数を基に、前記プラントの解体期間中における前記作業員の総被ばく量の時間変化を算出し、
前記表示処理部は、
前記作業員の総被ばく量の時間変化を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記切断箇所の情報に基づいて、プラントを解体する工数を算出する解体工数算出処理部を、さらに有し、
前記表示処理部は、
前記収納容器の個数とともに、前記工数を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 入力部を介して仮設定された線量空間分布を、線量測定装置によって実測された実測線量に基づいて補正し、補正された前記線量空間分布に基づいて、前記線源分布を算出する線源分布算出処理部を、さらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記切断モデルに基づいて、解体に必要な作業人数及び総費用を算出する算出部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記収納モデル生成処理部は、
予め設定されている前記線源に関する情報を基に、前記解体部品における発熱量を算出し、前記算出された発熱量を基に、前記収納モデルを生成するとともに、前記必要な収納容器の数を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - 前記切断モデル生成処理部は、
個々の前記解体部品に対し、前記解体部品の識別子である解体部品IDを付与する
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント解体計画支援装置。 - プラントの解体計画を支援するプラント解体計画支援装置が、
プラントにおける放射性物質の線源分布に基づいて、前記プラントの切断箇所に関するモデルである切断モデルを生成し、
前記切断モデルに従って前記プラントを切断した結果、生じるプラントの部品である解体部品において、前記算出された線源分布から算出される前記解体部品の線源強度を基に、前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器に前記解体部品を収納した収納モデルを生成し、
前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器毎に必要な前記収納容器の個数を算出し、
前記線源強度上限毎における収納容器の個数を表示部に表示する
ことを特徴とするプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
前記プラントにおける切断箇所を変更した前記切断モデルを複数生成し、
生成された複数の前記切断モデルに対応した工程パターンにおける前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器の数を算出し、
前記線源強度上限のレベルに応じた収納容器の数を前記工程パターン毎に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
前記線源強度を基に、作業員の総被ばく量を算出し、
前記収納容器の個数とともに、前記作業員の総被ばく量を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
前記切断箇所の情報に基づいて、プラントを解体する工数を算出し、
前記作業員の総被ばく量と、前記工数を基に、前記プラントの解体期間中における前記作業員の総被ばく量の時間変化を算出し、
前記作業員の総被ばく量の時間変化を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項12に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
前記切断箇所の情報に基づいて、プラントを解体する工数を算出し、
前記収納容器の個数とともに、前記工数を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
入力部を介して仮設定された線量空間分布を、線量測定装置によって実測された実測線量に基づいて補正し、補正された前記線量空間分布に基づいて、前記線源分布を算出する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
前記切断モデルに基づいて、解体に必要な作業人数及び総費用を算出する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
予め設定されている前記線源に関する情報を基に、前記解体部品における発熱量を算出し、前記算出された発熱量を基に、前記収納モデルを生成するとともに、前記必要な収納容器の数を算出する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。 - 前記プラント解体計画支援装置が、
個々の前記解体部品に対し、前記解体部品の識別子である解体部品IDを付与する
ことを特徴とする請求項10に記載のプラント解体計画支援方法。
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