JP2015087244A - 画像処理装置、画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 それぞれの対象物に対する距離計測をより高精度に実施するための技術を提供すること。【解決手段】 投影手段によってパターンが投影された対象物を撮像手段によって撮像した撮像画像を取得する。撮像画像を用いて、撮像手段から対象物までの距離を導出する。導出された距離に応じて、投影手段から投影されるパターンの明暗を制御するための第1のパラメータ、及び撮像手段の露光量を制御するための第2のパラメータ、のうち少なくともいずれか一方を調整する。【選択図】 図1

Description

本発明は、距離計測技術に関するものである。
対象物に対してプロジェクタなどの投影部を用いてパターン光を投影し、カメラなどの撮像部で撮像した画像をもとに、対象物に対する距離計測を行う距離計測装置が知られている。さらに、この距離計測装置による距離計測結果をもとに、山積みされた複数の対象物の位置・姿勢を推定する認識処理装置が知られている。認識処理装置による対象物の位置・姿勢の推定結果をロボット制御装置に出力することで、山積みされた対象物をロボットで自動的にピッキングするシステムを構築することができる。
多くの対象物が山積みされているシーンを想定すると、山積みの高さに応じて装置から対象物までの距離は変化する。装置から対象物までの距離が変化すると、投影パターン光の照度、および、撮影画像の明るさは変化する。具体的には、装置から対象物までの距離の2乗に比例して撮影画像の明るさは暗くなる。
さらに、対象物の撮影画像内における位置、および、投影範囲における位置に応じて周辺光量落ちが発生し、撮影画像の明るさは変化する。すなわち、画面の中央付近ほど明るく、周辺に行くに従って暗くなる。例えば、コサイン4乗則に基づいて撮影画像は暗くなる。
このように、対象物に対する距離や撮影画像内の位置に応じて、投影部から投影されるパターン光の撮影画像内における画像輝度階調値は様々に変化する。撮影画像が暗くなると、撮像素子のノイズの影響が増大し、距離計測の精度は低下する。距離計測精度の低下は、認識処理装置による対象物の位置・姿勢の推定精度をも低下させるため、ピッキングシステムにおいては、ロボットで対象物をピッキングし損ねるなどの失敗も招きかねない。
距離や撮影画像内の位置に依らずに精度よく距離計測を実施するためには、パターン光の明るさ調整と、撮像部の露光量調整を、距離や画面内の位置に応じて適切に行う必要がある。これらの調整が不適切だと、撮像画像におけるパターン光が飽和、あるいは、黒つぶれし、距離計測が不可能となる。また、調整が不十分だと、距離計測は可能であっても、その計測精度が低下する。
特許文献1では、周辺光量落ちの影響をキャンセルするように、中央部の透過率が低く、周辺にいくほど透過率が高くなる素子を配置する方法が開示されている。また、特許文献2では、概略距離の測定結果に基づいて、光源部の光出力を制御するレンジファインダ装置が開示されている。
特開2000−292133号公報 特開2000−241131号公報
特許文献1で開示されている方法では、同一距離に置かれた対象物に対し、照明の照度が一定となるため、周辺光量落ちによる精度劣化を抑えることができる。一方、奥行きの異なる対象物に対しては照度が一定にはならない。そのため、特許文献1に開示されている方法では、精度劣化を招く。
特許文献2で開示されている方法では、概略距離に基づいて画面全体の露光量は調整されるものの、投影エリアの特定位置に置かれた対象物に対して最適な露光量調整が実現できているとはいえない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、それぞれの対象物に対する距離計測をより高精度に実施するための技術を提供する。
本発明の一様態は、投影手段によってパターンが投影された対象物を撮像手段によって撮像した撮像画像を取得する取得手段と、前記撮像画像を用いて、前記撮像手段から前記対象物までの距離を導出する導出手段と、前記導出された距離に応じて、前記投影手段から投影されるパターンの明暗を制御するための第1のパラメータ、及び前記撮像手段の露光量を制御するための第2のパラメータ、のうち少なくともいずれか一方を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
本発明の構成によれば、それぞれの対象物に対する距離計測をより高精度に実施することができる。
対象物ピッキングシステム8の機能構成例を示すブロック図。 4ビットの空間符号化法における投影パターン(パターン光)を示す図。 4ビットグレイコードを示す図。 撮像部20、投影部30、対象物5の関係を示す模式図。 パターン位置の特定精度について説明する図。 山積みにされた複数部品の高さの変化について説明する図。 撮像画像中の輝度値と撮像対象までの距離との関係について説明する図。 画像処理部40が行う処理のフローチャート。 ステップS106の処理を説明する図。 画像処理部40が行う処理のフローチャート。 三角測量補正量Cztについて説明する図。 対象物ピッキングシステム8の機能構成例を示すブロック図。 対象物の位置姿勢と、該対象物に対する画角θと、の関係について説明する図。 画像処理部40が行う処理のフローチャート。 ステップS300における処理の詳細を示すフローチャート。 ステップS310における処理の詳細を示すフローチャート。 ステップS102における処理の詳細を示すフローチャート。 画像処理部40に適用可能な装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
[第1の実施形態]
先ず、本実施形態に係る対象物ピッキングシステム8の機能構成例について、図1のブロック図を用いて説明する。対象物ピッキングシステム8は、画像処理装置(距離計測装置)1、画像処理装置1による距離計測結果を用いて対象物5の位置姿勢を認識する対象物位置姿勢認識部7、該認識の結果を用いてロボット61を制御するロボット制御部62、ロボット61を有する。ロボット61は、対象物5をピッキングするためのものである。
画像処理装置1は、対象物5にパターン光を投影する投影部30と、パターン光が投影された対象物5を撮像する撮像部20と、投影部30及び撮像部20を制御し、空間符号化法に基づいて対象物5に対する距離計測を行う画像処理部40と、を有する。
先ず、投影部30について説明する。投影部30は、図1に示す如く、光源31と、照明光学系32と、表示素子33と、投影絞り34と、投影光学系35と、を備える。
光源31は、例えばハロゲンランプ、LEDなどの各種の発光素子である。照明光学系32は、光源31から照射された光を表示素子33へと導く機能を持つ光学系であり、例えば、ケーラー照明や拡散板などの輝度の均一化に適した光学系が用いられる。表示素子33は、供給されたパターンに応じて、照明光学系32からの光の透過率、または、反射率を空間的に制御する機能を有する素子であり、例えば、透過型LCD、反射型LCOS、DMDなどが用いられる。表示素子33へのパターンの供給については、投影部30内に保持されている複数種のパターンを順次表示素子33に供給しても良いし、外部装置(例えば画像処理部40)に保持されている複数種のパターンを順次取得して表示素子33に供給しても良い。投影光学系35は、表示素子33から導かれた光(パターン光)を対象物5の特定位置に結像させるように構成された光学系である。投影絞り34は、投影光学系35のFナンバーを制御するために用いられる。
次に、撮像部20について説明する。撮像部20は、図1に示す如く、撮像光学系23と、撮像絞り22と、撮像素子21と、を備える。撮像光学系23は、対象物5の特定位置を撮像素子21上に結像させるよう構成された光学系である。撮像絞り22は、撮像光学系23のFナンバーを制御するために用いられる。撮像素子21は、例えばCMOSセンサ、CCDセンサなどの各種の光電変換素子である。なお、撮像素子21で光電変換されたアナログ信号は、撮像部20内の不図示の制御部により標本化ならびに量子化され、デジタル画像信号に変換される。更にこの制御部は、このデジタル画像信号から、各画素が輝度階調値(濃度値、画素値)を有する画像(撮像画像)を生成し、この撮像画像を適宜撮像部20内のメモリや画像処理部40に対して送出する。
なお、撮像部20は、投影部30が異なるパターン光を投影する度に対象物5を撮像する。すなわち、撮像部20と投影部30とは同期して動作しており、結果として撮像部20は、それぞれ異なるパターン光が投影された対象物5の画像を撮像することができる。
次に、画像処理部40について説明する。図1に示す如く、画像処理部40は、調整部41、概略距離算出部42、距離算出部43、パターン光明るさ制御部44、撮像画像露光量制御部45、を備える。
調整部41は、撮像部20が次回撮像する撮像画像の明暗を制御するためのパラメータを決定する。「撮像部20が次回撮像する撮像画像の明暗を制御するためのパラメータ」には、撮像部20に対するパラメータや、投影部30に対するパラメータがあり、両方を決定しても良いし、一方を決定しても良い。
距離算出部43は、投影部30が複数種類のパターン光のそれぞれを投影するたびに撮像部20が撮像した撮像画像を取得する。そして距離算出部43は、該取得した撮像画像からデコードした空間コードと、該取得した撮像画像について特定したパターン位置と、を用いて、三角測量の原理で、撮像部20(撮像光学系23)から対象物5までの距離を計測(導出)する。概略距離算出部42は、距離算出部43が算出した距離から概略の距離を求める。
パターン光明るさ制御部44は、調整部41が「投影部30に対するパラメータ」を決定した場合には、投影部30から投影されるパターン光の明るさを、該パラメータに応じて制御する。パターン光の明るさを制御する方法は、例えば以下の3つの方法がある。
1つ目の方法は、光源31の発光輝度を制御することである。ハロゲンランプの場合には、印加電圧を高くすると発光輝度は高くなる。LEDの場合には、流す電流を大きくすると発光輝度は高くなる。然るにこのような場合、「投影部30に対するパラメータ」とは、光源31の発光輝度を制御するためのパラメータ、となる。
2つ目の方法は、表示素子33の表示階調値を制御することである。LCDの場合には、表示階調値を大きくすると透過率が高くなり、結果として、パターン光は明るくなる。LCOSの場合には、表示階調値を大きくすると反射率が高くなり、結果として、パターン光は明るくなる。DMDの場合には、表示階調値を大きくすると、フレームあたりのONの回数が増加するため、結果として、パターン光は明るくなる。然るにこのような場合、「投影部30に対するパラメータ」とは、表示素子33の表示階調値を制御するためのパラメータ、となる。
3つ目の方法は、投影絞り34を制御することである。絞りを開けることで、パターン光は明るくなる。逆に絞りを絞ることで、パターン光は暗くなる。投影絞り34を制御する場合には、投影光学系の被写界深度も変化するため、その影響を考慮する必要がある。具体的には、各投影絞りにおいて、パターン光の解像力を画像輝度波形のコントラストなどの指標をもとに評価し、距離計測を行う上で著しい精度劣化を生じないかの確認を行うとよい。然るにこのような場合、「投影部30に対するパラメータ」とは、投影絞り34を制御するためのパラメータ、となる。
撮像画像露光量制御部45は、調整部41が「撮像部20に対するパラメータ」を決定した場合には、撮像部20における撮像時の露光量を、該パラメータに応じて制御し、これにより、撮像画像の輝度階調値を制御する。撮像部20の露光量を制御する方法は、例えば以下の3つの方法がある。
1つ目の方法は、撮像素子21の露光時間(シャッタースピード)を制御することである。露光時間を長くすると、撮像画像の輝度階調値は高くなり、逆に露光時間を短くすると、輝度階調値は低くなる。然るにこのような場合、「撮像部20に対するパラメータ」とは、撮像素子21の露光時間(シャッタースピード)を制御するためのパラメータ、となる。
2つ目の方法は、撮像絞り22を制御することである。絞りを開けることで、撮像画像の輝度階調値は高くなり、逆に絞りを絞ることで、撮像画像の輝度階調値は低くなる。撮像絞り22を制御する場合には、撮像光学系の被写界深度も変化するため、その影響を考慮する必要がある。具体的には、各撮像絞りにおいて、パターン光の解像力を画像輝度波形のコントラストなどの指標をもとに評価し、距離計測を行う上で著しい精度劣化を生じないかの確認を行うとよい。然るにこのような場合、「撮像部20に対するパラメータ」とは、撮像絞り22を制御するためのパラメータ、となる。
3つ目の方法は、複数回同一パターンを投影して画像撮像を行い、その画像輝度値を加算する(パターンを投影する度に撮像した画像を合成する)方法である。露光時間を長くする方法の場合、センサのダイナミックレンジの関係で画像飽和が生じる。一方、上記のように、同一パターンを複数回投影し、該投影の度に撮像して得られるそれぞれの画像を加算して1つの合成画像を生成する方法であれば、画像飽和を防ぎつつ、露光量を増加させることができる。このような方法により得られる合成画像では、撮像素子のノイズ成分は低減する。具体的には、1枚撮像時の撮像素子のノイズ量をσbとすると、N回撮影して加算した場合のノイズ量はσb/√Nとなる。複数回撮像して加算すると述べたが、複数回撮像した画像の平均画像を計算する方法でも同様の効果が得られる。
対象物5は、ランダムに山積みされた対象物の集合である。
対象物位置姿勢認識部7は、画像処理装置1による距離計測結果を用いて、ロボット61が取り扱う座標系(ロボット座標系)における対象物5の位置姿勢(実際には、対象物5のうち撮像部20から観察可能なそれぞれの対象物)を認識する。位置姿勢の認識方法には様々な周知の認識方法を採用することができる。例えば、距離計測結果に基づく3D点群データとCADモデルとのマッチング処理により、対象物の位置姿勢を認識する方法を採用しても良い。
なお、対象物位置姿勢認識部7は、画像処理装置1内のユニットとしても良いし、画像処理装置1とは別個の装置としても良い。何れにせよ、画像処理装置1による距離計測結果から対象物5の位置姿勢を認識し、該認識した位置姿勢をロボット制御部62に送出することができるのであれば、如何なる形態を採用しても良い。
ロボット制御部62は、対象物位置姿勢認識部7によって認識された位置姿勢に従ってロボット61を制御し、該ロボット61に位置姿勢を認識した対象物をピッキングさせる。ピッキングされた対象物は次の工程に運ばれる。対象物がピッキングされていくにつれて、山積みの高さは段々と低くなる。そのため、撮像部20からの距離も大きくなる。
本実施形態では上記の通り、空間符号化法に基づいて距離計測を行うが、この空間符号化法には派生形が複数存在する。本実施形態では、特開2011−47931号公報で開示されている方法を用いる。以下にその原理を簡単に説明する。
図2に、4ビットの空間符号化法における投影パターン(パターン光)を示す。図2(a)に示されている投影パターン(全点灯パターン)と図2(b)に示されている投影パターン(全消灯パターン)は、影領域の検出と明暗判定閾値を決めるために使われる。図2(c)〜(f)の投影パターン(それぞれ1〜4ビットポジティブパターン)は、空間コードを決定するために使用される。図2(g)の投影パターン(4ビットネガティブパターン)は、4ビットポジティブパターンとともにパターン位置の特定を高精度に行うために使用される。
4ビットの場合、空間コードの数は16となる。投影パターンのビット数をNとすると、空間コードの数は2となる。図2に示した1ビットから4ビットの投影パターンは、グレイコード(GrayCode)と呼ばれる符号に基づいて、パターンの明暗(白黒)の配置を決定している。図3に4ビットグレイコードを示す。グレイコードは隣合うコードとのハミング距離が1となるパターンであるため、コードの判定を誤ったとしても誤差が最小に抑えられる。そのため、空間符号化法の投影パターンとして用いられることが多い。
次に、撮像画像から空間コードをデコードする方法について述べる。図2に示した1ビットから4ビットの投影パターンを計測対象物に対して投影し、それぞれの投影パターンが投影された計測対象物の画像を撮像する。そして、この撮像により得られたそれぞれの撮像画像中の各画素の輝度階調値から、該画素が投影パターンの明部が照射されている箇所であるのか、それとも暗部が照射されている箇所であるのかを判定する。この判定のための判定基準は、全点灯パターンと全消灯パターンの輝度階調値の平均値を用いることができる。すなわち、撮像画像中の各画素について、該画素の輝度階調値が平均値以上であれば、該画素を明部、平均値未満であれば該画素を暗部と判定する。明部と判定された画素にはビット値「1」を割り当て、暗部と判定された画素にはビット値「0」を割り当てる。このような処理を、1ビットから4ビットの投影パターンの撮像画像のそれぞれに対して行うことで、該撮像画像中の各画素に対して4ビット分のビット値(4ビット分のグレイコード)が与えられることになる。この4ビット分のグレイコードを空間コードに変換することで、投影部からの出射方向を一意に特定することができる。図3に示すように、例えばある画素に「0110」というコードが割り振られた場合、グレイコードは6となる。このグレイコードを空間コードに変換すると4となる。
図4に示すように、撮像画像の画素位置から撮像部(より詳しくは撮像部の主点位置)への光の入射方向が決まる。また、その画素位置の空間コードが決まると、投影部からの出射方向が特定される。2つの方向が決まると、三角測量の原理に基づき、計測対象物に対する距離計測が可能となる。以上が空間符号化法に基づく距離計測の原理である。
空間符号化法では、投影パターンの明暗を反転させたパターン光(図2の場合、(g)の4ビットネガティブパターン)を併用することで、誤差を低減することができる。その誤差の低減方法について、引き続き図4を用いて説明する。
投影部からの出射方向は空間コード1つ分の幅だけ広がりを持つため、ΔZで示した分だけ距離計測誤差を生む。その誤差を低減するために、最下位のビット(図2では4ビット目のビット)の投影パターン(図2の場合、(f)の4ビットポジティブパターン)の明暗を反転させたネガティブパターン(図2の場合、(g)の4ビットネガティブパターン)をさらに投影する。そして、ポジティブパターンを投影した対象物の撮像画像を構成する各画素の輝度値から成る輝度値波形と、ネガティブパターンを投影した対象物の撮像画像を構成する各画素の輝度値から成る輝度値波形と、の交点位置をパターン位置とする。このパターン位置は、上記の距離計測に使用する。交点位置は隣合う空間コードとの境界位置であるため、理想的には幅を持たない。現実には、デジタル画像信号として取り込む際に量子化と標本化を実施するとともに、撮像画像の輝度階調値に撮像素子ノイズが含まれるため、幅は0にはならないが、距離計測誤差を大きく低減できる。以上が距離計測誤差を低減させる方法の説明である。
次に、パターン位置の特定精度について、図5を用いて説明する。図5(a)は横軸に画像座標、縦軸に輝度階調値をとったグラフである。横軸の画像座標は、撮像画像中の投影パターンの縞の方向に対して垂直な方向における座標とした。実線は、ポジティブパターンを投影した対象物の撮像画像において、該ポジティブパターンの縞の方向に対して垂直な方向に沿った1ライン上の各画素の輝度値から成る輝度値波形(ポジティブパターン波形)を示す。点線は、ネガティブパターンを投影した対象物の撮像画像において、該ネガティブパターンの縞の方向に対して垂直な方向に沿った1ライン上の各画素の輝度値から成る輝度値波形(ネガティブパターン波形)を示す。なお、それぞれの波形は、それぞれの撮像画像で同じ位置のライン上の各画素の輝度値から成る輝度値波形である。太い実線で囲まれた領域のそれぞれの波形を拡大したものを図5(b)に示す。
図5(b)では、ポジティブパターン波形とネガティブパターン波形との交点近傍の4点(何れもポジティブパターン波形上若しくはネガティブパターン波形上)に着目している。交点位置から左側にある2点(何れも画像座標(横軸の値)は同じ)のうちポジティブパターン波形上の点における輝度階調値をPL、ネガティブパターン波形上の点における輝度階調値をNLとしている。また、交点位置から右側にある2点(何れも画像座標(横軸の値)は同じ)のうちポジティブパターン波形上の点における輝度階調値をPR、ネガティブパターン波形上の点における輝度階調値をNRとしている。また、輝度階調値の差分(PL−NL)の絶対値をDLとし、輝度階調値の差分(PR−NR)の絶対値をDRとする。
そして、交点近傍の輝度波形を直線近似する(輝度階調値PLの点と輝度階調値PRの点との間、輝度階調値NLの点と輝度階調値NRの点との間、のそれぞれを直線で近似する)と、それぞれの直線の交点位置C(画像座標)は、以下の(式1)で表される。
C=L+DL/(DL+DR) (式1)
ここで、Lは、輝度階調値PLの点(輝度階調値NLの点)の画像座標(横軸の値)である。以下では説明を簡単にするために、交点位置Cを、輝度階調値PLの点(輝度階調値NLの点)の画像座標を基準とした相対位置で説明するため、C=DL/(DL+DR)とする。
ここで、輝度階調値PL、PR、NL、NRは撮像素子ノイズσだけ揺らぎを持つとする。このとき、交点位置も幅ΔCだけ揺らぎをもつことになる。この幅が交点のサブピクセル位置推定誤差である。サブピクセル位置推定誤差ΔCは下記式で求めることができる。
ΔC=σ/(DL+DR) (式2)
交点のサブピクセル位置推定誤差ΔCが小さいほど、距離計測誤差は小さくなる。(式2)から、サブピクセル位置推定誤差ΔCを低減するためには、分母(輝度階調値の差分であるDLやDRの値)を大きくすればよいことがわかる。輝度階調値の差分DL(DR)は、輝度階調値に比例して大きくなる。さらに、撮像素子ノイズσのうち、ショットノイズ成分は輝度階調値の平方根の値に比例する特性を示すことが多いので、輝度階調値の大きさを大きくすると相対的にノイズσの影響は小さくなる。輝度階調値を大きくするためには、撮像部20における露光量を大きくする、または、パターン光の明るさを明るくする、という2通りの方法がある。
この2通りの方法の両方を実行しても構わないし一方のみを実行しても構わない。本実施形態では一例として、撮像部20における露光量を制御する(露光量を調整対象とする)方法のみを実行する。さらに、露光量の制御方法のうち、露光時間のみを制御することとする。しかし、露光量の制御は、露光時間の制御以外の方法によっても実現可能であり、特定の方法に限るものではない。露光量の制御方法のうち、撮像絞り22を制御する方法にも適用できる。また、パターン光の明るさを制御する方法にも適用できる、光源31の発光輝度の制御、表示素子33の表示階調値の制御、投影絞り34の制御にも適用できる。また、単一の制御量のみを制御する方法に限られるものでなく、複数の制御量を同時に制御することも可能である。
ノイズσの多くの成分がショットノイズだとすると、誤差を1/nにするためには、パターン光の明るさ、あるいは、撮像部20における露光量をn倍にする必要がある。例えば、誤差を1/2にするためには、パターン光の明るさ、あるいは、撮像部20における露光量を4倍にする。露光量を4倍にすると、分母の(DL+DR)は4倍になる。露光量を4倍にすると、分子のノイズσは画像輝度階調値の平方根の値に比例するので、√4、すなわち2倍になる。分子が2倍、分母が4倍となるため、誤差は1/2倍になることがわかる。
図6(a)〜(c)に示すように、山積みにされた複数部品(対象物5)のうち、位置姿勢が認識された部品をピッキングするというケースでは、部品が取り除かれるとともに山積みの高さが変化する。山積みの高さが高い場合には、図6(a)に示す如く、撮像部20から撮像対象までの距離は近く、山積みの高さが低い場合には、図6(c)に示す如く、撮像部20から撮影対象までの距離は遠くなる。ここで、撮像部20による撮像画像中に写っている部品の輝度値は、撮像部20から撮像対象までの距離の2乗に比例して低下する。
ここで、撮像部20による撮像画像中の輝度値と、撮像部20から撮像対象までの距離と、の関係について、図7を用いて説明する。ここでは、図7(b)に示す如く、撮像部20の露光量が、撮像部20から撮像対象までの距離Zm(中距離)で最適となるように設定されているものとする。図7(b)においては、全点灯パターンの波形やポジティブパターン、ネガティブパターンの波形において一部飽和レベルを超えているが、パターン位置の特定に使用する交点位置近傍の輝度階調値は飽和レベルを超えていない。そのため、交点位置の特定も可能であるし、交点近傍の輝度階調値も高い値となるため、サブピクセル位置推定誤差を低減することができる。
ここで、撮像部20から撮像対象までの距離が、Zmよりも小さいZn(近距離)における輝度階調値の波形を図7(a)示す。この波形の中央部では、飽和レベルを超えている。図7(a)では便宜上、飽和レベルを超えた波形を図示したが、実際には飽和レベルを超えた波形は飽和レベルの輝度階調値に頭打ちされて出力される。図7(a)では、交点位置が飽和レベルの輝度階調値に頭打ちされるため、交点位置の特定が不可能となる。
次に、撮像部20から撮像対象までの距離が、Zmよりも大きいZf(遠距離)における輝度階調値の波形を図7(c)示す。図7(c)の状態では、輝度階調値の波形がすべて飽和レベルには達しておらず、距離計測精度が低精度であるといえる。
すなわち、以上の説明から、近距離〜中距離〜遠距離において距離計測を確実且つ高精度に行うためには、「撮像部20が次回撮像する撮像画像の明暗を制御するためのパラメータ」を、距離に応じて調整することが必要であることが分かる。
次に、画像処理部40が、撮像部20の露光量(露光時間)を調整するために行う処理について、同処理のフローチャートを示す図8を用いて説明する。図8のフローチャートに従った処理は、基準となる露光量(基準露光量)及び該基準露光量で撮像した撮像画像を用いて計測した距離(基準距離)を求める処理(ステップS100)と、該露光量を調整する処理(ステップS110)と、を有する。
先ず、ステップS100における処理について説明する。先ず、ステップS101では、撮像画像露光量制御部45は、現在設定されている露光量のパラメータに応じて、撮像部20の露光量を制御する。また、パターン光明るさ制御部44は、現在設定されているパターン光の明るさのパラメータに応じて、投影部30から投影されるパターン光の明るさを制御する。
そして更に、ステップS101では、投影部30は、上記の複数枚の投影パターンから1つずつ順次選択し、該選択した投影パターンを対象物5に対して照射し、撮像部20は、該対象物5を撮像する。投影パターンの種別は、全点灯パターン、全消灯パターン、ポジティブパターン(図2の場合、(c)〜(f)の4つのポジティブパターン)、ネガティブパターン(図2の場合、(g)のネガティブパターン)の4種類である。4ビットの空間符号化法の場合、ポジティブパターンとして4ビットポジティブパターンを、ネガティブパターンとして4ビットネガティブパターンを使用する。撮像部20は、選択されたパターン光が投影される度に対象物5を撮像する。
ステップS102では、調整部41は、撮像部20が撮像した撮像画像を用いた明暗判定を行う。ここで、ステップS102における処理の詳細について、図17のフローチャートを用いて説明する。調整部41は、4枚の撮像画像In1〜In4を使用して明暗判定を行い、Out1:暗判定、Out2:明判定、の何れか一方を、明暗判定の結果として出力する。ここで、撮像画像In1は、全点灯パターンが投影された対象物5の撮像画像、撮像画像In2は、全消灯パターンが投影された対象物5の撮像画像である。また、撮像画像In3は、ポジティブパターンが投影された対象物5の撮像画像、撮像画像In4は、ネガティブパターンが投影された対象物5の撮像画像である。
また、明暗判定は2段階で実施される。第1段階目では、撮像画像In1と撮像画像In2とを使用して大まかな明暗判定を行う。第2段階目では、撮像画像In3と撮像画像In4とを用いて、詳細な明暗判定を行う。なお、本実施形態では、このように、第1段階及び第2段階の2段階構成で明暗判定を行うものとして説明するが、第1段階目の明暗判定を省略し、第2段階目の明暗判定のみを行うようにしても構わない。
先ず、第1段階目の明暗判定について説明する。
ステップS4201では、調整部41は、撮像画像In1若しくは撮像画像In2に対して調整領域を設定する。例えば、撮像画像In1若しくは撮像画像In2の何れか一方を表示対象画像として不図示の表示部に表示させ、ユーザが不図示の操作部を操作して、表示対象画像中に写っている対象物5の領域を調整領域として指定(設定)するようにしても構わない。もちろん、調整領域の設定方法はこれに限るものではなく、撮像画像In1若しくは撮像画像In2中の対象物5の領域が予め決まっている若しくは認識処理により決定した場合は、ユーザ操作を介することなく、対象物5の領域を調整領域として設定しても良い。なお、一方の撮像画像に対して調整領域を設定すると、他方の撮像画像中の同位置にも調整領域が設定されたものとする。次に、ステップS4202では、調整部41は、調整領域内の画素数を、「調整領域画素数X」としてカウントする。
次に、ステップS4203では、調整部41は、撮像画像In1中の調整領域若しくは撮像画像In2中の調整領域から、影とおぼしき領域(影領域)を検出する。影領域の検出方法には、例えば、次のような方法がある。即ち、撮像画像In1中の調整領域内の各画素と撮像画像In2中の調整領域内の各画素とで位置的に対応する画素間の輝度階調値の差分値を計算し、差分値が予め設定された閾値(影領域閾値)を下回る画素位置における画素から成る領域を影領域と判定する。ただし、この判定方法だけでは、撮像画像In2中の調整領域内の輝度階調値が飽和レベルに近い、あるいは、飽和レベルに達しているケースにおいても、上記の差分値は小さくなるので、影領域と判定してしまう。このようなケースに対処するために、撮像画像In2の輝度階調値に影領域閾値の値を加算した値が飽和レベルを超える場合には、影領域から除外するという判定式をさらに導入するとよい。もちろん、画像から影領域を特定する方法は上記の方法に限るものではない。
ステップS4204では、調整部41は、ステップS4202でカウントした調整領域画素数から、ステップS4203で検出した影領域内の画素数を差し引いた残りの画素数を、非影領域の画素数Yとして求める。非影領域の画素数とは、調整領域から影領域を除いた残りの領域内の画素数である。
ステップS4205では、調整部41は、非影領域の画素数Yを調整領域内の画素数Xで割った値(調整領域内の画素数Xに対する非影領域の画素数Yの割合)が、予め設定されている閾値Aを超えているか否かを判断する。調整領域内に影領域が多く占めている場合には、Y/Xは比較的小さな値をとることになる。然るに、Y/X≦閾値A(閾値以下)であれば、調整領域内には影領域が多く占めていることになり、その結果、調整部41は、明暗判定の結果として「暗判定(Out1)」を出力する。
一方、調整領域内に非影領域が多く占めている場合には、Y/Xは比較的大きな値をとることになる。然るに、Y/X>閾値Aであれば、第2段階目の明暗判定を実行すべく、処理はステップS4206に進む。
続いて、第2段階目の明暗判定について説明する。第2段階目の明暗判定では、上記の如く、撮像画像In3と撮像画像In4とを用いる。ステップS4206では、調整部41は、撮像画像In3(撮像画像In4)における調整領域内で、上記の交点位置を、パターン位置として推定する処理を行う。例えば、撮像画像In3内の画素位置(x−1,y)における輝度階調値をP1、撮像画像In3内の画素位置(x+1,y)における輝度階調値をP2とする。また、撮像画像In4内の画素位置(x−1,y)における輝度階調値をQ1、撮像画像In4内の画素位置(x+1,y)における輝度階調値をQ2とする。このとき、「P1>Q1ならばP2<Q2」(条件1)若しくは「P1<Q1ならばP2>Q2」(条件2)が満たされていれば、画素位置(x、y)は交点位置と判断する。一方、条件1及び条件2の何れも満たされていない場合には、画素位置(x、y)は交点位置ではないと判断する。このようにして、撮像画像In3(撮像画像In4)における調整領域内の全ての画素位置(x、y)についてこのような条件判定を行うことで、各画素位置が交点位置か否かを判断することができる。ステップS4207では、調整部41は、ステップS4206で推定した交点位置(計測画素)の数を、「計測画素数Z」としてカウントする。
ステップS4208では、調整部41は、計数画素数Zを非影領域の画素数Yで割った値(非影領域の画素数Yに対する計数画素数Zの割合、即ち、計測画素の検出量に相当)が、予め設定されている閾値Bを超えているか否かを判断する。非影領域の画素数に対する交点位置の数の割合が低い場合、調整領域内の多くの画素の輝度階調値が飽和レベルに達しているために、交点位置があまり多く得られていないと考えられる。例えば、図7(a)の中央付近では、交点位置における画素の輝度階調値は何れも飽和レベルを超えており、結果としてこれら交点位置を求めることはできないために、Z/Yの値は比較的小さな値となる。然るに、Z/Y≦閾値Bであれば、調整部41は、明暗判定の結果として「明判定(Out2)」を出力する。一方、Z/Y>閾値Bであれば、交点位置の多くが算出可能であるために、処理はステップS4209に進む。
ステップS4209では、調整部41は、各交点位置について、該交点位置の近傍位置にある画素の輝度階調値が飽和しているか否かを判断する。より詳しくは、先ず、交点位置に近接する、ポジティブパターン波形上の2点及びネガティブパターン波形上の2点の計4点(図5(b)の場合、PR,PL,NR,NLのそれぞれの輝度階調値を有する4点)の輝度階調値を参照する。そしてこの4点のうち、輝度階調値が飽和レベル以上となる点が1以上あれば、交点位置における画素を、飽和計測画素と判定する。このような処理を、求めたそれぞれの交点位置について行う。ステップS4210では、調整部41は、ステップS4209で飽和計測画素として判定された画素の個数を、「飽和計測画素数g」としてカウントする。
ステップS4211では、調整部41は、「飽和計測画素数g」を「計測画素数Z」で割った値(計測画素数Zに対する飽和計測画素数gの割合)が、予め設定されている閾値Cを超えているか否かを判断する。そして調整部41は、g/Z>閾値Cの場合には、明暗判定の結果として「明判定(Out2)」を出力し、g/Z≦閾値Cの場合には、明暗判定の結果として「暗判定(Out1)」を出力する。
なお、ステップS102において行う撮像画像の明暗判定処理は、図17のフローチャートに従った処理に限るものではなく、他の方法を採用しても構わない。
ステップS103では、調整部41は、ステップS102での判定結果が「明」の場合には、撮像部20の現在の露光量をより小さい露光量に調整すべく(現在の露光時間をより短い露光時間に調整すべく)、撮像部20のパラメータを調整する。一方、調整部41は、ステップS102での判定結果が「暗」の場合には、撮像部20の現在の露光量をより大きい露光量に調整すべく(現在の露光時間をより長い露光時間に調整すべく)、撮像部20のパラメータを調整する。露光時間は、例えば、2分探索法などで調整するとよい。そして調整部41は、調整した撮像部20のパラメータを、撮像画像露光量制御部45に設定するので、撮像画像露光量制御部45は次回から、この調整されたパラメータに従って撮像部20を制御することになる。
そして、処理はステップS101に戻り、ステップS101では、ステップS103で調整された露光時間に基づいた撮像が行われる。このようにして、ステップS101〜ステップS103の処理を複数回繰り返して行い、ステップS104では、調整部41は、該繰り返しの結果として得られる露光量(ここでは露光時間)を、基準露光量Exbとして得る。
ステップS105では、撮像画像露光量制御部45は、基準露光量Exbに応じて、撮像部20の露光量を制御する。また、パターン光明るさ制御部44は、現在設定されているパターン光の明るさのパラメータに応じて、投影部30から投影されるパターン光の明るさを制御する。そして、投影部30は、上記の複数枚の投影パターンから1つずつ順次選択し、該選択した投影パターンを対象物5に対して照射し、撮像部20は、該対象物5を撮像する。そして、距離算出部43は、撮像部20によって撮像されたそれぞれの撮像画像を用いて上記の処理を行うことで、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離を計測する。
ステップS106では、概略距離算出部42は、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離の代表的な距離である基準距離(基準概略距離)Zbを求める。撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離から基準距離Zbを求めるための処理について、図9を用いて説明する。図9(a)は、山積み高さが高い場合における基準距離Zbの一例を示しており、図9(b)は、山積み高さが中程度の場合における基準距離Zbの一例を示している。例えば、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離の平均距離を基準距離としても良いし、最大値、最小値、若しくは中央値等を基準距離として採用しても構わない。
次に、ステップS110における処理について説明する。ステップS111で撮像画像露光量制御部45は、現在設定されている露光量(1回目のステップS111では基準露光量Exb、2回目以降のステップS111では前回のステップS116で調整した露光量Ext)に応じて、撮像部20の露光量を制御する。また、パターン光明るさ制御部44は、現在設定されているパターン光の明るさのパラメータに応じて、投影部30から投影されるパターン光の明るさを制御する。そして、投影部30は、上記の複数枚の投影パターンから1つずつ順次選択し、該選択した投影パターンを対象物5に対して照射し、撮像部20は、該対象物5を撮像する。
ステップS112では、距離算出部43は、撮像部20によって撮像されたそれぞれの撮像画像を用いて上記の処理を行うことで、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離を計測する。
ステップS113では、概略距離算出部42は、上記のステップS106と同様の処理を行うことで、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離の代表的な距離(概略距離)Ztを求める。
ステップS114では、調整部41は、基準距離Zbと距離Ztと、を用いて、現在設定されている露光量の調整量(光学補正量)Czoを求める。ここでは、画像中の輝度値が距離の2乗に比例して暗くなるという光学特性をもとに、光学補正量Czoを算出する。具体的には以下の式(3)を計算することで、光学補正量Czoを求める。
Czo = (Zt/Zb) (式3)
ステップS115では、調整部41は、基準露光量Exbを、光学補正量Czoを用いて調整する。例えば、以下の(式4)に従って調整する。
Czo×Exb→Ext (式4)
そして、ステップS116では、調整部41は、ステップS115で調整した露光量Extを、撮像画像露光量制御部45に設定する。そして処理はステップS111に戻り、以降の処理が繰り返される。
このように、本実施形態によれば、山積みの高さが高いケースにおいては露光量が小さく設定され、山積みの高さが低いケースにおいては露光量が大きく設定されるため、山積みの高さに応じて適切な露光量を設定することができる。つまり、山積み高さの変化に対して、撮像画像の輝度値をほぼ一定に保つことができる。
なお、本実施形態では、空間符号化法に基づいて対象物5に対する距離計測を行ったが、対象物5に対する距離計測を他の方法で実施しても構わない。例えば、光切断法、位相シフト法など種々のパターン投影に基づく距離計測方法を採用しても構わない。
[第2の実施形態]
本実施形態では、光学補正量だけでなく、三角測量の誤差も加味して、露光量の調整を行う。以下では、第1の実施形態との相違点について重点的に説明し、以下で特に触れない限りは、第1の実施形態と同様であるものとする。
画像処理部40が、撮像部20の露光量を調整するために行う処理について、同処理のフローチャートを示す図10を用いて説明する。図10のフローチャートにおいて、図8に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
ステップS215では、調整部41は、基準距離Zbと距離Ztと、を用いて、三角測量の誤差の調整量(三角測量補正量)Cztを求める。ここでは、三角測量の誤差が距離の2乗に比例して大きくなるという特性に基づき補正量を算出する。なお、図11に示すように、距離がn倍になると、距離測定の誤差がn倍になるため、計測誤差を一定に保つためには、サブピクセル位置推定誤差ΔCを1/nにする必要がある。前述したが、サブピクセル推定誤差ΔCを1/n倍にするためには、パターン光の明るさ、若しくは露光量をn倍にする必要がある。Cztは以下の(式5)に従って求めることができる。
Czt=(Zt/Zb) (式5)
ステップS216では、調整部41は、基準露光量Exbを光学補正量Czo及び三角測量補正量Cztを用いて調整する。例えば、以下の(式6)に従って調整する。
Czo×Czt×Exb→Ext (式6)
そして、ステップS217では、調整部41は、ステップS216で調整した露光量Extを、撮像画像露光量制御部45に設定する。そして処理はステップS111に戻り、以降の処理が繰り返される。
なお、基準距離Zbと距離Ztとの比が大きい場合に、露光量Ext=露光時間とし、露光時間を(Czo×Czt)倍すると、撮像画像の飽和が発生するケースも起こる。このような場合には、Extのうち、露光時間を光学補正量Czo倍にし、撮像する画像の枚数をCzt倍にすると、撮像画像の飽和が発生せずに、計測誤差を低減することができる。
このように、本実施形態によれば、山積みの高さが高いケースにおいては露光量が小さく設定され、山積みの高さが低いケースにおいては露光量が大きく設定されるため、山積みの高さに応じて適切な露光量を設定することができる。つまり、山積み高さの変化に対して、撮像画像の輝度値をほぼ一定に保つことができる。また、三角測量の誤差も加味されているため、山積み高さの変化に対して、撮像画像の明るさと、計測誤差をほぼ一定に保つことができる
[第3の実施形態]
本実施形態に係る対象物ピッキングシステム8の機能構成例について、図12のブロック図を用いて説明する。図12において、図1に示した機能部と同じ機能部には同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。図12に示した構成は、対象物位置姿勢認識部7により認識された位置姿勢を、ロボット制御部62だけでなく、調整部41にも供給する点が、図1の構成と異なる。
本実施形態では、対象物に対する距離の変化による光量変化だけでなく、周辺の光量落ちによる光量変化についても考慮する。そのため、調整部41において、対象物が撮像画像内のどこに位置するのか(言い換えると、対象物が存在する範囲に対する画角が何度であるか)を把握する必要がある。従って、対象物が撮像画像内のどこに位置するのかを把握するために、対象物位置姿勢認識部7からの出力結果を用いる。
以下では、第1の実施形態との相違点について重点的に説明し、以下で特に触れない限りは、第1の実施形態と同様であるものとする。先ず、図13を用いて、対象物の位置姿勢と、該対象物に対する画角θと、の関係について述べる。ここで、対象物位置姿勢認識部7から出力された対象物の位置が(Xr,Yr,Zr)であるとする。座標原点Oは、画像処理部40が取り扱う座標系の原点と一致させた。奥行きZrにおけるXY平面内において、Z軸から対象物までの距離をrとするとrは以下の(式7)で算出される。
r=√(Xr+Yr) (式7)
画角θは、rとZrを用いて以下の(式8)で算出することができる。
θ=tan−1(r/Zr) (式8)
すなわち、対象物の位置(Xr,Yr,Zr)と、画角θと、の関係は、(式8)から把握することができる。
次に、画像処理部40が、撮像部20の露光量を調整するために行う処理について、同処理のフローチャートを示す図14を用いて説明する(一部、対象物位置姿勢認識部7が実行する処理も含まれている)。図14のフローチャートに従った処理は、基準露光量Exb、基準距離Zb、基準面内位置θbを求める処理(ステップS300)と、対象物毎に該露光量を調整する処理(ステップS310)と、を有する。
先ず、ステップS300における処理の詳細について、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、図15(a)に示したフローチャート及び図15(b)に示したフローチャートは何れも、ステップS300に適用可能な処理のフローチャートである。また、図15(a)及び図15(b)において、図8に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
先ず、図15(a)のフローチャートに従った処理について説明する。
ステップS306では、撮像画像露光量制御部45は、基準露光量Exbに応じて、撮像部20の露光量を制御する。また、パターン光明るさ制御部44は、現在設定されているパターン光の明るさのパラメータに応じて、投影部30から投影されるパターン光の明るさを制御する。そして、投影部30は、上記の複数枚の投影パターンから1つずつ順次選択し、該選択した投影パターンを対象物5に対して照射し、撮像部20は、該対象物5を撮像する。そして、距離算出部43は、撮像部20によって撮像されたそれぞれの撮像画像を用いて上記の処理を行うことで、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する距離を計測する。
対象物位置姿勢認識部7は、距離算出部43が算出したそれぞれの対象物に対する距離を用いて、該対象物の位置姿勢を認識するので、調整部41は、対象物位置姿勢認識部7が認識したそれぞれの対象物の位置(Xr,Yr,Zr)を取得する。
ステップS307では、調整部41は、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する基準距離Zbとして、該対象物のZrを設定する。
ステップS308では、調整部41は、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に対する基準面内位置θbを、上記の(式7)及び(式8)を元にして、以下の(式9)を計算する。
θb=tan−1(√(Xr+Yr)/Zr) (式9)
次に、図15(b)のフローチャートに従った処理について説明する。図15(b)では、山積み全体の概略距離を基準概略距離Zbとし、撮像画像の中心(画角0度の位置)を基準画角θbとする。然るに、ステップS308’では、調整部41は、撮像画像中に写っているそれぞれの対象物に共通の基準面内位置θbを0に設定する。
次に、ステップS310における処理の詳細について、同処理のフローチャートを示す図16を用いて説明する。なお、図16において、図8に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
ステップS313では、対象物位置姿勢認識部7は、ステップS111で撮像された撮像画像中のそれぞれの対象物について距離算出部43が算出した距離を用いて、該対象物の位置姿勢を認識する。このとき、対象物位置姿勢認識部7は、前回調整部41に出力した対象物(候補1)の位置をロボット制御部62に対して送出すると共に、まだ出力していない1つの対象物(候補2)の位置を調整部41に出力する。ロボット制御部62には、位置だけでなく姿勢も加えて出力しても良い。
なお、対象物位置姿勢認識部7による第1回目の出力では、候補1に該当する対象物がないので、認識したそれぞれの対象物の位置のうちZrが最も小さいものを候補1とすればよい。
例えば、対象物位置姿勢認識部7が、対象物1の位置姿勢、対象物2の位置姿勢、対象物3の位置姿勢、対象物4の位置姿勢を認識したとする。ここで、対象物1〜4のそれぞれのZrのうち対象物3のZrが最も小さいとする。このとき、対象物位置姿勢認識部7は、第1回目に、候補1としての対象物3の位置(姿勢を加えても良い)をロボット制御部62に出力すると共に、候補2としての対象物1の位置を調整部41に出力する。第2回目には、候補1としての対象物1の位置(姿勢を加えても良い)をロボット制御部62に出力すると共に、候補2としての対象物2の位置を調整部41に出力する。第3回目には、候補1としての対象物2の位置(姿勢を加えても良い)をロボット制御部62に出力すると共に、候補2としての対象物3の位置を調整部41に出力する。第4回目には、候補1としての対象物3の位置(姿勢を加えても良い)をロボット制御部62に出力すると共に、候補2としての対象物4の位置を調整部41に出力する。そして第5回目には、対象物4の位置をロボット制御部62に出力する。
このようにして、第2候補の位置を調整部41に出力し、前回第2候補だった対象物を今回の第1候補とし、該今回の第1候補の位置(姿勢を加えても良い)をロボット制御部62に出力する。
ステップS314では、調整部41は、第2候補の位置(Xr2,Yr2,Zr2)を受けると、概略距離ZtにZr2を設定する。
ステップS315では、調整部41は、基準距離Zbと概略距離Ztと、を用いて、上記の(式3)を計算することで、光学補正量Czoを求める。
ステップS316では、調整部41は、基準距離Zbと概略距離Ztと、を用いて、上記の(式5)を計算することで、三角測量補正量Cztを求める。
ステップS317では、調整部41は、第2候補の位置(Xr2,Yr2,Zr2)を用いて上記の(式9)を計算することで、第2候補に対する画角θrを求める。
ステップS319では、調整部41は、上記のステップS300(若しくはステップS300’)で計算した基準面内位置θbと、ステップS317で求めた画角θrと、を用いて以下の(式10)を計算することで、画角補正量Cθを求める。
Cθ=cosθb/cosθr (式10)
一般的なレンズでは、コサイン4乗則と呼ばれる法則に基づいて光量落ちすることが知られている。この法則では、画角のコサイン4乗に比例して光量落ちする。
ステップS319では、調整部41は、基準露光量Exbを、以下の(式11)を計算することで調整し、該調整の結果として、第2候補に対する露光量Extを求める。
Czo×Czt×Cθ×Exb→Ext (式11)
すなわち、調整部41は、第2候補の位置を受ける度に、該第2候補に対するExtを計算する。本実施形態では、山積みの高さに加えて、認識される対象物の画面内位置が変化しても、適切な露光量を設定することができる。画角の小さい画面中心付近では、露光量が小さく設定され、画角の大きい画面周辺部では露光量が大きく設定される。
なお、本実施形態においては、対象物の位置姿勢認識結果を元に撮像画像内の位置を把握する例を説明したが、必ずしも対象物の位置姿勢認識結果を用いる必要はない。例えば、撮像画像中の対象物が写っているエリアを複数のエリアに分割し、分割したエリアごとに概略距離を算出する。そして、分割したエリアの中で最も概略距離が小さいエリアの中心位置を対象物が存在する位置としてもよい。
また、上記のステップS318では、撮像画像内の位置(画角)による周辺光量落ちはコサイン4乗則に基づくものとして定式化をしたが、これに限られるものではない。光学系の特性がコサイン4乗則に基づかない場合には、それに合わせて適切な式を用いることができる。あるいは、多項式は用いずに実測データを元に画角と明るさの関係をテーブル化し、対象物の撮像画像内の位置に応じて、対応する画角の値を参照する方法も用いることができる。
[第4の実施形態]
画像処理部40を構成する各機能部は何れもハードウェアで構成しても良いが、ソフトウェア(コンピュータプログラム)で構成しても良い。このような場合、このコンピュータプログラムをインストールすると該コンピュータプログラムを実行する装置は、画像処理部40に適用可能である。画像処理部40に適用可能な装置のハードウェア構成例について、図18のブロック図を用いて説明する。
CPU1601は、RAM1602やROM1603に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて処理を実行することで、本装置全体の動作制御を行うと共に、画像処理部40が行うものとして上述した各処理を実行する。
RAM1602は、外部記憶装置1606からロードされたコンピュータプログラムやデータ、I/F(インターフェース)1607を介して外部から受信したデータなどを一時的に記憶するためのエリアを有する。更にRAM1602は、CPU1601が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。即ち、RAM1602は、各種のエリアを適宜提供することができる。ROM1603には、本装置の設定データやブートプログラムなどが格納されている。
操作部1604は、キーボードやマウスなどにより構成されており、本装置のユーザが操作することで、各種の指示をCPU1601に対して入力することができる。例えば、上記の調整領域の指定は、この操作部1604を操作することで指定することができる。
表示部1605は、CRTや液晶画面等により構成されており、CPU1601による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。例えば、撮像画像In1や撮像画像In2を含む、調整領域を指定するための画面を表示することができる。
外部記憶装置1606は、ハードディスクドライブ装置に代表される、大容量情報記憶装置である。この外部記憶装置1606には、OS(オペレーティングシステム)や、図1,12に示した画像処理部40内の各機能部が行うものとして上述した各処理をCPU1601に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。このデータには、上記の説明において既知の情報として説明した情報も含まれる。外部記憶装置1606に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU1601による制御に従って適宜RAM1602にロードされ、CPU1601による処理対象となる。
I/F1607は、本装置が外部機器と通信を行うためのものであり、例えば、このI/F1607には、上記の撮像部20、投影部30、対象物位置姿勢認識部7、を接続することができる。上記の各部は何れも、バス1608に接続されている。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (14)

  1. 投影手段によってパターンが投影された対象物を撮像手段によって撮像した撮像画像を取得する取得手段と、
    前記撮像画像を用いて、前記撮像手段から前記対象物までの距離を導出する導出手段と、
    前記導出された距離に応じて、前記投影手段から投影されるパターンの明暗を制御するための第1のパラメータ、及び前記撮像手段の露光量を制御するための第2のパラメータ、のうち少なくともいずれか一方を調整する調整手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 更に、
    前記撮像画像の輝度に応じて前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータのうち少なくともいずれか一方を調整する第1の手段と、
    前記第1の手段による調整の後、前記第1のパラメータが設定された前記投影手段によってパターンが投影された対象物を、前記第2のパラメータが設定された前記撮像手段が撮像した撮像画像を取得し、該取得した撮像画像を用いて、前記撮像手段から前記対象物までの距離を、基準距離として算出する第2の手段と
    を備え、
    前記調整手段は、前記基準距離に対する、前記導出手段が導出した距離の割合を用いて、前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータ、のうち少なくともいずれか一方を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記調整手段は、
    前記第1のパラメータ若しくは前記第2のパラメータのうち調整対象に、前記割合を2乗した値を乗じることで、該調整対象を調整することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記調整手段は、
    前記第2のパラメータに含まれている露光時間を制御するためのパラメータに、前記割合を2乗した値を乗じ、前記第2のパラメータに含まれている撮像の回数を制御するためのパラメータに、前記割合を4乗した値を乗じることで、該第2のパラメータを調整することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記調整手段は、
    前記距離と、前記対象物の位置と、に応じて、前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータのうち少なくともいずれか一方を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の手段は、
    第1のパターンが投影された前記対象物の第1の撮像画像を構成する各画素の輝度値から成る輝度値波形と、該第1のパターンにおける明暗を反転させた第2のパターンが投影された前記対象物の第2の撮像画像を構成する各画素の輝度値から成る輝度値波形と、の交点を求め、
    該交点の数に応じて、前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータのうち少なくともいずれか一方を調整する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値以下であれば、前記第1のパラメータをパターンがより暗くなるように調整する、若しくは前記第2のパラメータを露光量がより小さくなるように調整することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値以下であれば、前記第1のパラメータをパターンがより暗くなるように調整する、且つ前記第2のパラメータを露光量がより小さくなるように調整することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値を超えている場合には、前記交点の数に対する、画素値が飽和している画素を参照して求めた交点の数の割合を第2の割合として求め、
    該第2の割合が閾値を超えている場合には、前記第1のパラメータをパターンがより暗くなるように調整する、若しくは前記第2のパラメータを露光量がより小さくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値を超えている場合には、前記交点の数に対する、画素値が飽和している画素を参照して求めた交点の数の割合を第2の割合として求め、
    該第2の割合が閾値を超えている場合には、前記第1のパラメータをパターンがより暗くなるように調整する、且つ前記第2のパラメータを露光量がより小さくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値を超えている場合には、前記交点の数に対する、画素値が飽和している画素を参照して求めた交点の数の割合を第2の割合として求め、
    該第2の割合が閾値以下であれば、前記第1のパラメータをパターンがより明るくなるように調整する、若しくは前記第2のパラメータを露光量がより大きくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1の手段は、前記第1の撮像画像若しくは前記第2の撮像画像において非影領域として特定した領域内の画素数に対する前記交点の数の割合が閾値を超えている場合には、前記交点の数に対する、画素値が飽和している画素を参照して求めた交点の数の割合を第2の割合として求め、
    該第2の割合が閾値以下であれば、前記第1のパラメータをパターンがより明るくなるように調整する、且つ前記第2のパラメータを露光量がより大きくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 画像処理装置が行う画像処理方法であって、
    前記画像処理装置の取得手段が、投影手段によってパターンが投影された対象物を撮像手段によって撮像した撮像画像を取得する取得工程と、
    前記画像処理装置の導出手段が、前記撮像画像を用いて、前記撮像手段から前記対象物までの距離を導出する導出工程と、
    前記画像処理装置の調整手段が、前記導出された距離に応じて、前記投影手段から投影されるパターンの明暗を制御するための第1のパラメータ、及び前記撮像手段の露光量を制御するための第2のパラメータ、のうち少なくともいずれか一方を調整する調整工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  14. コンピュータを、請求項1乃至12の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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