JP2015086169A - 多剤式毛髪処理剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、第1剤と、この第1剤の後に使用する第2剤とを備える多剤式毛髪処理剤であって、上記第1剤に、下記式(I)で表される第4級アンモニウム塩、高級アルコール、並びに水溶性多糖類及び水溶性の多糖類誘導体のうちの少なくとも一方が配合され、上記第2剤に、下記式(I)で表される第4級アンモニウム塩、高級アルコール及びアミノ変性シリコーンが配合されたことを特徴とする。下記式(I)中、R1は、炭素数12〜22のアルキル基である。R2は、メチル基又は炭素数12〜22のアルキル基である。Xは、ハロゲン原子である。
【選択図】なし
Description
第1剤は、第4級アンモニウム塩、高級アルコール、及び水溶性多糖類等が配合されたものである。当該第1剤は、アミノ変性シリコーンが配合されていてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含んでいてもよい。以下、これらの成分について詳説する。
第4級アンモニウム塩は、高級アルコールと共に配合されることで、第1剤の剤型をクリーム状とし、又はクリーム状に近づけるものである。この第4級アンモニウム塩は、下記式(I)で表される。
高級アルコールは、第4級アンモニウム塩と共に配合されることで、第1剤の剤型をクリーム状とし、又はクリーム状に近づけるものである。このような高級アルコールとしては、例えばミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の直鎖状飽和アルコール;オレイルアルコール等の直鎖状不飽和アルコール;オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール等の分岐状飽和アルコールなどが挙げられる。これらの高級アルコールは、単独で配合してもよいし、二種以上を配合してもよい。第1剤における高級アルコールの配合量としては、例えば0.5質量%以上5質量%以下である。
水溶性多糖類等は、当該多剤式毛髪処理剤により処理した毛髪に厚み感を与えるものである。
(アミノ変性シリコーン)
アミノ変性シリコーンは、主に毛髪にコンディショニング効果を付与するために配合される。ここで、アミノ変性シリコーンとは、直接又は置換基を介してシリコーン骨格にアミノ基が結合したシリコーンである。
他の任意成分としては、例えばノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、エステル油、油脂、炭化水素、ロウ、アミノ変性シリコーン以外のシリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
第1剤の25℃でのpHは、3以上7以下であると良い。第1剤のpHが7を超えると、第1剤を毛髪に塗布したときに毛髪が膨潤するために好ましくない。
第1剤の剤型としては、外相が水相のクリーム状であると良い。このように第1剤の剤型をクリーム状とすることで、第1剤を毛髪に塗布するときのハンドリング性に優れると共に第1剤を毛髪に馴染ませやすくなる。なお、「外相が水相」とは、最外相が水相である形態を意味し、例えばW/O、W/O/W等のエマルジョンを意味する。また、クリーム状とする場合の第1剤における水の配合量は、例えば70質量%以上95質量%以下とされる。
第2剤は、第4級アンモニウム塩、高級アルコール及びアミノ変性シリコーンが配合されたものである。第2剤は、カチオン化セルロースが配合されていてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分が配合されていてもよい。以下、これらの成分について詳説する。
第4級アンモニウム塩は、高級アルコールと配合することで、第2剤の剤型をクリーム状、又はクリーム状に近いものとするものである。第1剤に配合できる第4級アンモニウム塩を、第2剤に配合する第4級アンモニウム塩にできる。第2剤における第4級アンモニウム塩の配合量は、適宜設定されるものであるが、例えば1質量%以上7質量%以下である。
第1剤に配合できる高級アルコールを、第2剤に配合する高級アルコールにできる。第2剤における高級アルコールの配合量は、適宜設定されるものであるが、例えば5質量%以上15質量%以下である。
アミノ変性シリコーンは、主に毛髪にコンディショニング効果を付与するために配合される。ここで、アミノ変性シリコーンとは、上述のように直接又は置換基を介してシリコーン骨格にアミノ基が結合したシリコーンである。このアミノ変性シリコーンとしては、例えば下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
(カチオン化セルロース)
カチオン化セルロースは、当該多剤式毛髪処理剤の塗布後の水洗時において、アミノ変性シリコーンによる油っぽい指通りの悪さを改善し、流し感を向上させる。このようなカチオン化セルロースとしては、例えばヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体である塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。当該カチオン化セルロースの市販品としては、例えば、ダウ・ケミカル日本社の「UCARE Polymer JR−30M」、東邦化学工業社の「カチナールHC−200」、東邦化学工業社の「カチナールLC−200」、東邦化学工業社の「カチナールLC−100」、KCI社の「POLYQUTA 3000KC」、花王社の「ポイズC−80M」が挙げられる。
第2剤の他の任意成分としては、例えばノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、エステル油、油脂、炭化水素、ロウ、アミノ変性シリコーン以外のシリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
第2剤の25℃でのpHは、3以上7以下であると良い。第2剤のpHが7を超えると、第2剤を毛髪に塗布したときに毛髪が膨潤するために好ましくない。
第2剤の剤型としては、外相が水相のクリーム状であると良い。このように第2剤の剤型がクリーム状であることで、第2剤を毛髪に塗布するときのハンドリング性に優れると共に第2剤を毛髪に馴染ませやすくなる。また、第1剤と第2剤とを共にクリーム状の剤型とする場合、第1剤と第2剤とが馴染みやすくなる。なお、「外相が水相」の定義は、第1剤の場合と同様である。また、クリーム状とする場合の第2剤における水の配合量は、例えば50質量%以上90質量%以下とされる。
当該多剤式毛髪処理剤は、ヘアケア剤などとして使用可能なものである。「ヘアケア剤」とは、毛髪の手入れ、手当て等を行うために用いられる毛髪処理剤である。ヘアケア剤としては、例えばコンディショナー、トリートメントが挙げられる。トリートメントとしては、例えばシャンプー後に使用するトリートメント、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、ブリーチの前処理のためのトリートメント、ブリーチの後処理のためのトリートメントが挙げられる。
当該多剤式毛髪処理剤は、第1剤を塗布した後に、この第1剤を洗い流し、又は第1剤を洗い流さずに第2剤を塗布して使用する。第2剤は、塗布後に洗い流してもよいし、洗い流さなくてもよい。
実施例1a,1b及び比較例1では、前処理剤、第1剤及び第2剤からなる3剤式毛髪処理剤を調製した。
実施例1a,1b及び比較例1の前処理剤は、水に対し、加水分解ケラチン1質量%、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム0.4質量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)2質量%、1,3−ブチレングリコール5質量%、コハク酸ジエトキシエチル0.05質量%、乳酸0.02質量%、防腐剤0.4質量%及び香料0.2質量%を配合し、流動性の高い液状剤型に調製した。
実施例1a,1b及び比較例1の第1剤は、下記表1に示す原料を水と配合し、クリーム状の剤型に調製した。これらの第1剤のpH(25℃)は、4.0〜5.0の範囲であった。
実施例1a,1b及び比較例1の第2剤として、下記濃度とした原料を水と配合したクリーム状のものを調製した。セタノール5質量%、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム3質量%、ベヘントリモニウムメトサルフェート0.1質量%、イソアルキル(C10−40)アミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート0.1質量%、1,3−ブチレングリコール3質量%、イソプロパノール0.7質量%、ヒマシ油3質量%、ホホバ油3質量%、シア脂0.5質量%、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アミノ変性シリコーン)3質量%、アミノプロピルフェニルトリメチコン3質量%、メチルフェニルポリシロキサン2質量%、ポリプロピルシルセスキオキサン0.3質量%、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸0.9質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン4質量%、(加水分解シルク/PG−プロピルメチルシランジオール)クロスポリマー0.2質量%、加水分解タンパク0.2質量%、防腐剤0.3質量%、乳酸0.2質量%及び香料0.4質量%
実施例1a,1b及び比較例1の3剤式毛髪処理剤について、厚み感、なめらかさ及びつやの評価を以下に説明する方法で行った。
評価対象の毛髪としては、酸化染毛剤による染毛処理履歴があり、かつ肩よりも下まで伸びた頭髪を採用した。
まず、前処理剤、第1剤及び第2剤をこの順序で頭髪に塗布した後に水洗を行った。具体的には、頭髪の半分に比較例1の3剤式毛髪処理剤の塗布を行い、残りの半分の頭髪に実施例1a又は実施例1bの3剤式毛髪処理剤の塗布を行った後に水洗を行った。次いで、頭髪全体をシャンプーした後に再度水洗を行い、さらに頭髪の全体にトリートメントを行った後に水洗を行ってから乾燥させた。
厚み感、なめらかさ及びつや評価は、上述の方法により処理した頭髪を触診するにより、又は目視することにより行った。各評価は、評価者の人数を4名とし、比較例1の毛髪処理剤(基準)との比較として下記基準に従って行った。評価結果は、表1に示した。なお、「厚み感」は内部に詰まっているような厚みがある感触として、「なめらかさ」は毛髪表面が平滑で整っている感触として、「つや」は頭髪表面が整っていることにより生じるつやとして評価した。
△:評価者の2名が基準(比較例1)と同等と評価
×:評価者の3名以上が基準(比較例1)より悪いと評価
実施例2a,2bでは、前処理剤、第1剤及び第2剤からなる3剤式毛髪処理剤を調製し、上述と同様に厚み感、なめらかさ及びつやの評価を行った。ただし、比較の基準としては、実施例2bの3剤式毛髪処理剤を採用した。評価結果は表2に示した。
実施例2a,2b前処理剤としては、実施例1aの前処理剤と同様のものを使用した。
実施例2a,2bの第1剤は、下記表2に示す原料を水に配合し、クリーム状の剤型に調製した。これらの第1剤のpH(25℃)は、4.0〜5.0の範囲であった。
実施例2a,2bの第2剤として、下記濃度とした原料を水と配合したクリーム状のものを調製した。セタノール7質量%、ベヘニルアルコール1質量%、オクチルドデカノール3質量%、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム3質量%、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム0.1質量%、モノステアリン酸グリセリン1質量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(2E.O.)4質量%、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(60E.O.)2質量%、1,3−BG3質量%、イソプロパノール1質量%、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アミノ変性シリコーン)5質量%、デカメチルシクロペンタシロキサン2質量%、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.7質量%、トレハロース0.9質量%、防腐剤0.5質量%、乳酸0.4質量%及び香料0.3質量%
実施例3a〜3cでは、前処理剤、第1剤及び第2剤からなる3剤式毛髪処理剤を調製し、上述と同様に厚み感、なめらかさ及びつやの評価を行った。なお、比較の基準としては、実施例3cの3剤式毛髪処理剤を採用した。評価結果は表3に示した。
実施例3a〜3cの前処理剤としては実施例1aの前処理剤と同様のものを使用した。
実施例3a〜3cの第1剤は、下記表3に示す原料を水に配合し、クリーム状の剤型に調製した。これらの第1剤のpH(25℃)は、4.0〜5.0の範囲であった。
実施例3a〜3cの第2剤としては、実施例2a,2bの第2剤と同様のものを使用した。
Claims (9)
- 上記第1剤におけるアミノ変性シリコーンの配合量が、1質量%以下かつ上記第2剤におけるアミノ変性シリコーンの配合量よりも少ない請求項1に記載の多剤式毛髪処理剤。
- 上記水溶性多糖類又は水溶性の多糖類誘導体として、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カチオン化セルロース、又はカチオン化グァーガムが配合された請求項1又は請求項2に記載の多剤式毛髪処理剤。
- 上記第2剤におけるアミノ変性シリコーンの配合量が3質量%以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の多剤式毛髪処理剤。
- 上記第2剤にカチオン化セルロースが配合された請求項4に記載の多剤式毛髪処理剤。
- 上記第2剤におけるカチオン化セルロースの配合量が、上記第2剤のアミノ変性シリコーン100質量部に対して2質量部以上40質量部以下である請求項5に記載の多剤式毛髪処理剤。
- 上記第1剤及び上記第2剤の剤型がクリーム状である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多剤式毛髪処理剤。
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