JP2015084279A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部短絡の発生を防止しつつ電解液の液回り性が改善された二次電池の提供。【解決手段】二次電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して巻回されてなる巻回電極体と、正極板に接続される正極端子と、負極板に接続される負極端子とを備える。正極板は、正極端子が接続される第1正極端部とは反対側に位置する第2正極端部を構成する正極端面を有する。負極板は、負極端子が接続される第1負極端部とは反対側に位置する第2負極端部を構成する負極端面を有する。二次電池は、セパレータの幅が正極板および負極板の少なくとも一方の幅よりも大きいという構成、ならびに、正極端面および負極端面の少なくとも一方が巻回電極体の径方向に対して傾斜するという構成の少なくとも一方の構成を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、正極板と負極板とがセパレータを介して巻回されてなる巻回電極体と、正極板に接続される正極端子と、負極板に接続される負極端子とを備えた二次電池に関する。
二次電池内の温度が高温になると、セパレータが収縮して正極板と負極板との接触を招き、その結果、内部短絡の発生を引き起こすことがある。これを防止する方法として、たとえば特開2008−27867号公報(特許文献1)には、一軸延伸された樹脂材料をセパレータとして用い、負極を包むようにして2枚のセパレータの延伸方向の両端を互いに接着させることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のように負極を包むようにして2枚のセパレータの延伸方向の両端を互いに接着させると、電解液の液回り性の低下を招き、二次電池の抵抗の増加を引き起こすことがある。本発明は、内部短絡の発生を防止しつつ電解液の液回り性が改善された二次電池の提供を目的とする。
本発明の二次電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して巻回されてなる巻回電極体と、正極板に接続される正極端子と、負極板に接続される負極端子とを備える。正極板は、正極端子が接続される第1正極端部とは反対側に位置する第2正極端部を構成する正極端面を有する。負極板は、負極端子が接続される第1負極端部とは反対側に位置する第2負極端部を構成する負極端面を有する。本発明の二次電池は、下記構成Aおよび下記構成Bの少なくとも一方を有する。
構成A:セパレータの幅が正極板および負極板の少なくとも一方の幅よりも大きい。
構成B:正極端面および負極端面の少なくとも一方が巻回電極体の径方向に対して傾斜する。
構成A:セパレータの幅が正極板および負極板の少なくとも一方の幅よりも大きい。
構成B:正極端面および負極端面の少なくとも一方が巻回電極体の径方向に対して傾斜する。
本発明の二次電池が上記構成Aを有するが上記構成Bを有さない場合、セパレータには、正極端面のうち巻回電極体の軸方向最も内側に位置する部分よりも巻回電極体の軸方向外側に位置する部分(以下では「第1突出部」と記す。)および負極端面のうち巻回電極体の軸方向最も内側に位置する部分よりも巻回電極体の軸方向外側に位置する部分(以下では「第2突出部」と記す。)の少なくとも一方が形成される。一般に、電池ケース内では、巻回電極体の外周面が電池ケースの内周面に接触することにより、巻回電極体の外周側からその内周側へ向かう力が当該巻回電極体へ与えられる。かかる力によって、セパレータの第1突出部が巻回電極体の内周側へ曲がって正極端面の少なくとも一部を覆う、または、セパレータの第2突出部が巻回電極体の内周側へ曲がって負極端面の少なくとも一部を覆う。
セパレータの第1突出部は、正極端面の少なくとも一部を覆うことにより、その正極端面を含む正極板の部分を挟んで巻回電極体の径方向隣りに位置するセパレータの部分(以下では「セパレータの第1被接触部」と記す。)に接触し易くなる。よって、二次電池内の温度が上昇すると、セパレータの第1突出部とセパレータの第1被接触部とが熱溶着される。また、上記熱溶着が解除された場合には正極端面が障害となってセパレータの更なる熱収縮が防止される。セパレータの第2突出部も同様の作用を奏する。
本発明の二次電池が上記構成Aを有さないが上記構成Bを有する場合においても、セパレータには第1突出部および第2突出部の少なくとも一方が形成される。よって、本発明の二次電池が上記構成Aを有するが上記構成Bを有さない場合と同様の効果が得られる。
「第1正極端部」は巻回電極体の軸方向の一端側における正極板の端部を意味し、「正極端面」は巻回電極体の軸方向の他端側において巻回電極体の径方向に延びる正極板の端面を意味する。「第1負極端部」および「負極端面」についても同様である。「巻回電極体の軸方向」は巻回電極体の製造時に用いた巻回軸の長手方向に対して平行な方向を意味し、「巻回電極体の径方向」は巻回電極体の軸方向に対して垂直な方向を意味する。「巻回電極体の径方向に延びる」には、巻回電極体の径方向に対して平行な方向に延びる場合だけでなく、巻回電極体の径方向に対して傾斜する方向(傾斜角度は10°以下であることが好ましい)に延びる場合も含まれる。
「セパレータの幅」、「正極板の幅」および「負極板の幅」はそれぞれ巻回電極体の軸方向におけるセパレータの大きさ、正極板の大きさおよび負極板の大きさを意味する。
「正極端面が巻回電極体の径方向に対して傾斜する」は、巻回電極体の軸方向における正極板の長さが巻回電極体の外周側からその内周側へ向かうにつれて長くなるように、正極端面が傾斜する場合を意味する。「負極端面が巻回電極体の径方向に対して傾斜する」についても同様である。
「熱溶着」は、二次電池内の温度が上昇することによりセパレータが溶融され、溶融されたセパレータ同士が接着されることを意味する。
本発明では、二次電池内の温度が上昇したときにセパレータの一部分同士が熱溶着されるに過ぎないので、電解液の液回り性を高く維持できる。また、上記熱溶着が解除された場合であってもセパレータの熱収縮が防止されるので、内部短絡の発生を防止できる。
以下、本発明の二次電池について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
[二次電池の構成]
図1は、本発明の実施形態の二次電池の斜視図である。図1では、電池ケース1の一部を透視して巻回電極体11を図示している。本実施形態の二次電池では、電池ケース1内には、巻回電極体11と電解液(不図示)とが配置されており、電池ケース1の上面には、正極端子3と負極端子7とが設けられている。正極端子3は、第1正極端部31(図2参照)における正極集電体13Aに接続されており、負極端子7は、第1負極端部71(図2参照)における負極集電体17Aに接続されている。
図1は、本発明の実施形態の二次電池の斜視図である。図1では、電池ケース1の一部を透視して巻回電極体11を図示している。本実施形態の二次電池では、電池ケース1内には、巻回電極体11と電解液(不図示)とが配置されており、電池ケース1の上面には、正極端子3と負極端子7とが設けられている。正極端子3は、第1正極端部31(図2参照)における正極集電体13Aに接続されており、負極端子7は、第1負極端部71(図2参照)における負極集電体17Aに接続されている。
図2は、巻回電極体11の要部断面図である。図3は、セパレータ15で熱溶着が起こったときの巻回電極体11の要部断面図である。巻回電極体11では、正極板13と負極板17とがセパレータ15を介して巻回されている。正極板13は、正極集電体13Aと、正極集電体13A上に設けられた正極合剤層13Bとを備える。正極板13は、巻回電極体11の軸方向の一端側に第1正極端部31を有し、巻回電極体11の軸方向の他端側に第2正極端部33を有する。第1正極端部31では正極集電体13Aが正極合剤層13Bから露出しており、第1正極端部31には正極端子3が接続される。第2正極端部33では正極集電体13Aが正極合剤層13Bに被覆されている。
同様に、負極板17は、負極集電体17Aと、負極集電体17A上に設けられた負極合剤層17Bとを備える。負極板17は、巻回電極体11の軸方向の一端側に第1負極端部71を有し、巻回電極体11の軸方向の他端側に第2負極端部73を有する。第1負極端部71では負極集電体17Aが負極合剤層17Bから露出しており、第1負極端部71には負極端子7が接続される。第2負極端部73では負極集電体17Aが負極合剤層17Bに被覆されている。第1負極端部71は巻回電極体11の軸方向において第1正極端部31とは反対側に配置されていることが好ましく、第2負極端部73は巻回電極体11の軸方向において第2正極端部33とは反対側に配置されていることが好ましい。
本実施形態の二次電池は、下記構成Aおよび下記構成Bのうちの少なくとも一方を有する。これにより、電解液の液回り性を高く維持でき、内部短絡の発生を防止できる。
構成A:セパレータ15の幅は、正極板13および負極板17の少なくとも一方の幅よりも大きい。「セパレータ15の幅が正極板13の幅よりも大きい」とは、セパレータ15の幅が正極合剤層13Bの幅よりも大きいことを意味する。「セパレータ15の幅が負極板17の幅よりも大きい」とは、セパレータ15の幅が負極合剤層17Bの幅よりも大きいことを意味する。「正極合剤層13Bの幅」は、巻回電極体11の軸方向における正極合剤層13Bの大きさを意味し、「負極合剤層17Bの幅」は、巻回電極体11の軸方向における負極合剤層17Bの大きさを意味する。
構成B:正極端面33aおよび負極端面73aの少なくとも一方が巻回電極体11の径方向に対して傾斜する。
構成A:セパレータ15の幅は、正極板13および負極板17の少なくとも一方の幅よりも大きい。「セパレータ15の幅が正極板13の幅よりも大きい」とは、セパレータ15の幅が正極合剤層13Bの幅よりも大きいことを意味する。「セパレータ15の幅が負極板17の幅よりも大きい」とは、セパレータ15の幅が負極合剤層17Bの幅よりも大きいことを意味する。「正極合剤層13Bの幅」は、巻回電極体11の軸方向における正極合剤層13Bの大きさを意味し、「負極合剤層17Bの幅」は、巻回電極体11の軸方向における負極合剤層17Bの大きさを意味する。
構成B:正極端面33aおよび負極端面73aの少なくとも一方が巻回電極体11の径方向に対して傾斜する。
本実施形態の二次電池が上記構成Aを有するが上記構成Bを有さない場合、たとえばセパレータ15の幅が正極板13の幅よりも大きいが正極端面33aが巻回電極体11の径方向に対して平行に延びている場合、セパレータ15には、正極端面33aのうち巻回電極体11の軸方向最も内側に位置する部分Xよりも巻回電極体11の軸方向外側に位置する部分(以下では「第1突出部15a」と記す。)が形成される。一般に、電池ケース1内では、巻回電極体11の外周面が電池ケース1の内周面に接触することにより、巻回電極体11の外周側からその内周側へ向かう力が当該巻回電極体11へ与えられる。かかる力によって、セパレータ15の第1突出部15aが巻回電極体11の内周側へ曲がって正極端面33aの少なくとも一部を覆う。
セパレータ15の第1突出部15aは、正極端面33aの少なくとも一部を覆うことにより、その正極端面33aを含む正極板13の部分を挟んで巻回電極体11の径方向隣り(具体的には内周側)に位置するセパレータの部分(以下では「セパレータの第1被接触部」と記す。)に接触し易くなる。セパレータ15が溶融、収縮または消失する程度にまで二次電池内の温度が上昇すると、セパレータ15の第1突出部15aとセパレータ15の第1被接触部とが熱溶着されて熱溶着部16が形成される。
セパレータ15の幅が負極板17の幅よりも大きいが負極端面73aが巻回電極体11の径方向に対して平行に延びている場合にも同様のことが言える。詳細には、セパレータ15には、負極端面73aのうち巻回電極体11の軸方向最も内側に位置する部分Yよりも巻回電極体11の軸方向外側に位置する部分(以下では「第2突出部15b」と記す。)が形成される。電池ケース1内では、巻回電極体11の外周側からその内周側へ向かう力が当該巻回電極体11へ与えられるので、セパレータ15の第2突出部15bは、巻回電極体11の内周側へ曲がって負極端面73aの少なくとも一部を覆う。これにより、セパレータ15の第2突出部15bは、その負極端面73aを含む負極板17の部分を挟んで巻回電極体11の径方向隣り(具体的には内周側)に位置するセパレータの部分(以下では「セパレータの第2被接触部」と記す。)に接触し易くなる。セパレータ15が溶融、収縮または消失する程度にまで二次電池内の温度が上昇すると、セパレータ15の第2突出部15bとセパレータ15の第2被接触部とが熱溶着されて熱溶着部16が形成される。
このように、二次電池の温度が上昇したときに、セパレータ15の第1突出部15aとセパレータ15の第1被接触部とが熱溶着されるに過ぎず、セパレータ15の第2突出部15bとセパレータ15の第2被接触部とが熱溶着されるに過ぎない。よって、電解液の液回り性を高く維持できるので、二次電池の抵抗の増加を防止できる。たとえば二次電池のハイレート充放電特性の向上または二次電池の安全性の確保などを図ることができる。また、二次電池の温度が上昇したときに熱溶着部16が形成されるので、セパレータ15の熱収縮が防止され、よって、内部短絡の発生が防止される。
熱溶着部16は、正極端面33aまたは負極端面73aよりも巻回電極体11の軸方向外側で形成される。これにより、熱溶着部16は、巻回電極体11の軸方向において、第1正極端部31または第1負極端部71とは反対側に位置することとなる。つまり、熱溶着部16は、巻回電極体11の軸方向の一端側の一部分に形成されるに過ぎず、巻回電極体11の軸方向の他端側の一部分に形成されるに過ぎない。よって、熱溶着部16が形成された場合であっても、電解液は、熱溶着部16が形成されていない部分から巻回電極体11内へ供給され易く、熱溶着部16が形成されていない部分から巻回電極体11の外へ放出され易い。このことによっても、電解液の液回り性を高く維持できる。
また、熱溶着部16が正極端面33aまたは負極端面73aよりも巻回電極体11の軸方向外側で形成されるので、熱溶着が解除されたときには、熱溶着が解除されたことにより形成されたセパレータ15の先端部が正極端面33aまたは負極端面73aに接触する。これにより、セパレータ15の更なる熱収縮を防止できるので、内部短絡の発生を防止できる。かかる効果は、本実施形態の二次電池が上記構成Bを有する場合に顕著となる。
本実施形態の二次電池が上記構成Aを有しないが上記構成Bを有する場合であっても、たとえばセパレータ15の幅は正極板13の幅と同じであるが正極端面33aが巻回電極体11の径方向に対して傾斜する場合であっても、セパレータ15には第1突出部15aが形成される。同様に、セパレータ15の幅は負極板17の幅と同じであるが負極端面73aが巻回電極体11の径方向に対して傾斜する場合であっても、セパレータ15には第2突出部15bが形成される。これにより、本実施形態の二次電池が上記構成Aを有するが上記構成Bを有さない場合と同様の効果が得られる。
本実施形態の二次電池が上記構成Aおよび上記構成Bを有する場合(図2)、本実施形態の二次電池が上記構成Aを有するが上記構成Bを有さない場合と同様の効果が得られる。それだけでなく、セパレータ15の第1突出部15aまたはセパレータ15の第2突出部15bが曲がるときに発生する立体障害を低く抑えることができる。これにより、セパレータ15の第1突出部15aは、巻回電極体11の内周側に曲がり易くなるので、正極端面33aを覆い易くなる。また、セパレータ15の第2突出部15bは、巻回電極体11の内周側に曲がり易くなるので、負極端面73aを覆い易くなる。よって、二次電池の温度が上昇したときには熱溶着部16が形成され易くなるので、セパレータ15の熱収縮がさらに防止される。したがって、内部短絡の発生がさらに防止される。
[二次電池の製造]
図2に示す巻回電極体11を備えた二次電池の製造方法を以下に示す。まず、正極集電体13Aの幅方向の一端側が露出するように、正極合剤層13Bを正極集電体13A上に形成する。同様に、負極集電体17Aの幅方向の一端側が露出するように負極合剤層17Bを負極集電体17A上に形成する。
図2に示す巻回電極体11を備えた二次電池の製造方法を以下に示す。まず、正極集電体13Aの幅方向の一端側が露出するように、正極合剤層13Bを正極集電体13A上に形成する。同様に、負極集電体17Aの幅方向の一端側が露出するように負極合剤層17Bを負極集電体17A上に形成する。
次に、正極板13の厚さ方向に対して傾斜する正極端面33aおよび負極板17の厚さ方向に対して傾斜する負極端面73aを形成する。図4(a)、(b)は、かかる正極端面33aおよび負極端面73aの形成方法を示す断面図である。第1正極端部31とは反対側に位置する正極合剤層13Bの上面に刃91を当てる(図4(a))。刃91を正極板13の厚さ方向から所定の角度θ傾けて配置し、その刃91で正極合剤層13Bおよび正極集電体13Aを削り落とす。これにより、正極板13の厚さ方向に対して所定の角度θだけ傾斜した正極端面33aが形成される(図4(b))。同様の方法により、負極板17の厚さ方向に対して所定の角度θだけ傾斜した負極端面73aを形成する。
角度θは、0°よりも大きく10°以下であることが好ましい。角度θが10°以下であれば、正極活物質または負極活物質の担持量の大幅な減少を招くことなく本実施形態の効果が得られる。角度θが0°よりも大きければΔd3およびΔd7は0mmよりも大きくなり、角度θが大きくなるにつれてΔd3およびΔd7は大きくなる。「Δd3」は、正極端面33aが正極板13の厚さ方向に対して傾斜することにより生じた、巻回電極体11の軸方向における正極板13の長さの差である。「Δd7」は、負極端面73aが負極板17の厚さ方向に対して傾斜することにより生じた、巻回電極体11の軸方向における負極板17の長さの差である。
続いて、正極板13および負極板17よりも幅広のセパレータ15を用意して、そのセパレータ15を正極板13と負極板17とで挟む。このとき、セパレータ15の幅方向の一端側を正極板13の正極端面33aから突出させ、セパレータ15の幅方向の他端側を負極板17の負極端面73aから突出させる。これにより、セパレータ15には第1突出部と第2突出部とが形成される。また、正極端面33aが巻回電極体11の径方向となる方向に対して傾斜するように正極板13を配置し、負極端面73aが巻回電極体11の径方向となる方向に対して傾斜するように負極板17を配置する。正極集電体13Aの幅方向に対して平行となるように巻回軸を配置し、その巻回軸を用いて正極板13、セパレータ15および負極板17を巻回させる。このようにして巻回電極体11が得られる。
得られた巻回電極体11を電池ケース1内に配置する。巻回電極体11の外周面が電池ケース1の内周面に接触することにより、セパレータ15の第1突出部が巻回電極体11の内周側へ曲がって正極端面33aの少なくとも一部を覆い、セパレータ15の第2突出部が巻回電極体11の内周側へ曲がって負極端面73aの少なくとも一部を覆う。その後、第1正極端部31を正極端子3に接続し、第1負極端部71を負極端子7に接続する。電解液を電池ケース1に入れてから電池ケース1を密閉すれば、図2に示す巻回電極体11を備えた二次電池が製造される。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例では、セパレータの第2突出部の長さ、Δd3およびΔd7を変更してリチウムイオン二次電池を製造し、得られたリチウムイオン二次電池の過充電時の挙動を調べた。
<実施例1>
(正極板の作製)
正極活物質として、Liと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)とを含むリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる粉末を準備した。質量比で90:8:2となるように正極活物質とアセチレンブラック(導電剤)とポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを混ぜ、NMP(N-methylpyrrolidone)で希釈して、正極合剤ペーストを得た。
(正極板の作製)
正極活物質として、Liと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)とを含むリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる粉末を準備した。質量比で90:8:2となるように正極活物質とアセチレンブラック(導電剤)とポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを混ぜ、NMP(N-methylpyrrolidone)で希釈して、正極合剤ペーストを得た。
Al箔(正極集電体)の幅方向の一端側が露出するように、正極合剤ペーストをAl箔の両面に塗布してから乾燥させた。これにより、正極合剤層がAl箔の両面に形成された。その後、ロール圧延機を用いて、正極合剤層およびAl箔を圧延した。Δd3が表1に示す値となるようにAl箔の幅方向の他端側において正極合剤層およびAl箔を削り落して、正極板の厚さ方向に対して傾斜する正極端面を形成した。このようにして正極板が形成された。
(負極板の作製)
負極活物質として、天然黒鉛を核材とする炭素材料を準備した。質量比で98:1:1となるように負極活物質とCMC(carboxymethylcellulose)(増粘剤)とポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを混ぜ、水で希釈して、負極合剤ペーストを得た。
負極活物質として、天然黒鉛を核材とする炭素材料を準備した。質量比で98:1:1となるように負極活物質とCMC(carboxymethylcellulose)(増粘剤)とポリフッ化ビニリデン(結着剤)とを混ぜ、水で希釈して、負極合剤ペーストを得た。
Cu箔(負極集電体)の幅方向の一端側が露出するように、負極合剤ペーストをCu箔の両面に塗布してから乾燥させた。これにより、負極合剤層がCu箔の両面に形成された。その後、ロール圧延機を用いて、負極合剤層およびCu箔を圧延した。Δd7が表1に示す値となるようにCu箔の幅方向の他端側において負極合剤層およびCu箔を削り落して、負極板の厚さ方向に対して傾斜する負極端面を形成した。このようにして負極板が形成された。
(巻回電極体の作製)
ポリオレフィンからなるセパレータを準備した。準備したセパレータの幅は、正極板の幅よりも大きかったが、負極板の幅と同一であった。かかるセパレータを正極板と負極板とで挟んだ。このとき、セパレータの幅方向の一端側が正極端面から突出するように、且つ、正極端面が巻回電極体の径方向となる方向に対して傾斜するように、正極板を配置した。また、負極端面が正極端面とは反対側に配置されるように、且つ、負極端面が巻回電極体の径方向となる方向に対して傾斜するように、負極板を配置した。Al箔の幅方向に対して平行となるように巻回軸(不図示)を配置し、その巻回軸を用いて正極板、セパレータおよび負極板を巻回させた。このようにして巻回電極体を得た。
ポリオレフィンからなるセパレータを準備した。準備したセパレータの幅は、正極板の幅よりも大きかったが、負極板の幅と同一であった。かかるセパレータを正極板と負極板とで挟んだ。このとき、セパレータの幅方向の一端側が正極端面から突出するように、且つ、正極端面が巻回電極体の径方向となる方向に対して傾斜するように、正極板を配置した。また、負極端面が正極端面とは反対側に配置されるように、且つ、負極端面が巻回電極体の径方向となる方向に対して傾斜するように、負極板を配置した。Al箔の幅方向に対して平行となるように巻回軸(不図示)を配置し、その巻回軸を用いて正極板、セパレータおよび負極板を巻回させた。このようにして巻回電極体を得た。
(封止)
得られた巻回電極体をAl缶(電池ケース)内に挿入した。これにより、セパレータの第1突出部が曲がって正極端面の一部を覆い、セパレータの第2突出部が曲がって負極端面の一部を覆った。第1正極端部を正極端子に接続し、第1負極端部を負極端子に接続した。その後、電解液をAl缶に供給してから、そのAl缶を密閉した。このようにして、電池容量が20Ahであるリチウムイオン二次電池が得られた。
得られた巻回電極体をAl缶(電池ケース)内に挿入した。これにより、セパレータの第1突出部が曲がって正極端面の一部を覆い、セパレータの第2突出部が曲がって負極端面の一部を覆った。第1正極端部を正極端子に接続し、第1負極端部を負極端子に接続した。その後、電解液をAl缶に供給してから、そのAl缶を密閉した。このようにして、電池容量が20Ahであるリチウムイオン二次電池が得られた。
用いた電解液は次に示す方法にしたがって調製された。体積比で3:4:3となるようにエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネイトとを混合して、混合溶媒を得た。濃度が1.0mol/LとなるようにLiPF6を上記混合溶媒に入れた。このようにして電解液を調製した。
(過充電時の挙動)
電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)を正極集電体と正極端子との間または負極集電体と負極端子との間に設け、Al缶の外周面に熱電対を取り付けた。20V、25Aの条件でリチウムイオン二次電池を充電し、CIDが作動した時点で充電を停止した。CIDが作動するまで、Al缶の外周面の温度を上記熱電対で測定した。結果を表1および図5に示す。表1において、「第2突出部の長さ」には、曲がる前の状態でのセパレータの第2突出部の長さを記す。
電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)を正極集電体と正極端子との間または負極集電体と負極端子との間に設け、Al缶の外周面に熱電対を取り付けた。20V、25Aの条件でリチウムイオン二次電池を充電し、CIDが作動した時点で充電を停止した。CIDが作動するまで、Al缶の外周面の温度を上記熱電対で測定した。結果を表1および図5に示す。表1において、「第2突出部の長さ」には、曲がる前の状態でのセパレータの第2突出部の長さを記す。
<実施例2〜11、比較例1>
表1に示す条件にしたがってリチウムイオン二次電池を製造した。得られたリチウムイン二次電池に対して、上記実施例1に記載の方法にしたがって過充電時の挙動を調べた。
表1に示す条件にしたがってリチウムイオン二次電池を製造した。得られたリチウムイン二次電池に対して、上記実施例1に記載の方法にしたがって過充電時の挙動を調べた。
<考察>
比較例1と実施例1〜3とを比較すると、比較例1では最高温度が170℃であったのに対し、実施例1〜3では最高温度が140℃台に抑えられた。かかる結果から、セパレータの第2突出部の長さが0mmであってもΔd3およびΔd7が0.1mm以上であれば過充電時におけるリチウムイオン二次電池の安全性を確保できることが分かった。
比較例1と実施例1〜3とを比較すると、比較例1では最高温度が170℃であったのに対し、実施例1〜3では最高温度が140℃台に抑えられた。かかる結果から、セパレータの第2突出部の長さが0mmであってもΔd3およびΔd7が0.1mm以上であれば過充電時におけるリチウムイオン二次電池の安全性を確保できることが分かった。
比較例1と実施例4、8とを比較すると、比較例1では最高温度が170℃であったのに対し、実施例4、8では最高温度が140℃台に抑えられた。かかる結果から、Δd3およびΔd7が0mmであってもセパレータの第2突出部の長さが0.4mm以上であれば、過充電時におけるリチウムイオン二次電池の安全性を確保できることが分かった。
実施例4〜7と実施例8〜11とを比較すると、最高温度は、実施例4〜7の方が実施例8〜11よりも高かった。かかる結果から、セパレータの第2突出部が長い方が過充電時におけるリチウムイオン二次電池の安全性をより確保できることが分かった。
図6(a)は比較例1の巻回電極体の要部断面図であり、図6(b)は比較例1の二次電池内の温度が上昇したときの巻回電極体の要部断面図である。比較例1では、セパレータの第2突出部の長さが0mmでありΔd3およびΔd7が0mmであったので、セパレータ115には第1突出部および第2突出部が形成されなかった。そのため、二次電池内の温度が上昇すると、セパレータ115が熱収縮した(図6(b))。その結果、正極板13と負極板17とが接触したために内部短絡が発生し、よって、最高温度が高くなった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電池ケース、3 正極端子、7 負極端子、11 巻回電極体、13 正極板、13A 正極集電体、13B 正極合剤層、15,115 セパレータ、15a 第1突出部、15b 第2突出部、16 熱溶着部、17 負極板、17A 負極集電体、17B 負極合剤層、31 第1正極端部、33 第2正極端部、33a 正極端面、71 第1負極端部、73 第2負極端部、73a 負極端面、91 刃。
Claims (1)
- 正極板と負極板とがセパレータを介して巻回されてなる巻回電極体と、
前記正極板に接続される正極端子と、
前記負極板に接続される負極端子とを備え、
前記正極板は、前記正極端子が接続される第1正極端部とは反対側に位置する第2正極端部を構成する正極端面を有し、
前記負極板は、前記負極端子が接続される第1負極端部とは反対側に位置する第2負極端部を構成する負極端面を有し、
前記セパレータの幅が前記正極板および前記負極板の少なくとも一方の幅よりも大きいという構成、ならびに、前記正極端面および前記負極端面の少なくとも一方が前記巻回電極体の径方向に対して傾斜するという構成の少なくとも一方の構成を有する、二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013221840A JP2015084279A (ja) | 2013-10-25 | 2013-10-25 | 二次電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2018230029A1 (ja) * | 2017-06-14 | 2018-12-20 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 二次電池 |
-
2013
- 2013-10-25 JP JP2013221840A patent/JP2015084279A/ja active Pending
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