JP2015084026A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニングウェブなどを必要とせずとも定着装置から発生する離型剤の微粒子(ワックスダスト)を回収し、定着装置周辺のシート搬送手段に対する付着堆積を緩和して離型剤の微粒子に起因する画像不良の発生を抑える定着装置を提供すること。
【解決手段】プリントジョブ中の調整時などの用紙の間隔が開く場合や、最終紙が定着装置を通過した後から画像形成装置がスタンバイ状態に戻るまでの間で、定着部材を冷却するための送風装置と定着装置で発生する暖気を排出する排熱装置を動作させる。
【選択図】図7A
【解決手段】プリントジョブ中の調整時などの用紙の間隔が開く場合や、最終紙が定着装置を通過した後から画像形成装置がスタンバイ状態に戻るまでの間で、定着部材を冷却するための送風装置と定着装置で発生する暖気を排出する排熱装置を動作させる。
【選択図】図7A
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置においては、離型剤(ワックス)が含有されたトナーを用いてシート(記録媒体:以下、用紙と記す)にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱加圧することにより定着処理を行なっている。
即ち、低温定着性の向上や高品質画像出力を実現させるために、定着部材にオイルを塗布することなく定着部材や加圧部材に対する用紙の分離性(離型性)を高める必要がある。そのため、加熱定着時に瞬時に溶融してトナー像と定着部材の界面に染み出す離型ワックスをトナーに内包させている。
離型ワックスは長鎖分子成分から構成されているため、その長さは均一でなく鎖が短く沸点の低い低分子成分は気化してしまう特徴がある。気化した離型ワックスは空気中で冷やされて凝縮し、数nm〜数百nm程度の微粒子(離型剤の微粒子(塵芥):以下、ワックスダストあるいはダストと呼ぶ)に変化する。定着装置における用紙搬送中はダストが用紙に付着するが目視不可能のため問題にはならない。
しかし、用紙搬送後の作像プロセス部の調整時などで順次に搬送される用紙の間隔が大きい場合にはダストは定着装置周辺に浮遊することになる。そして、それが、定着装置周辺の用紙搬送手段に経時的に付着し堆積する。そうすると、その用紙搬送手段に付着堆積したワックスダストが用紙に移行して画像に良くない影響を与えてしまう恐れがある。
そこで、特許文献1においては、定着部材の表面にクリーニングウェブを接触させて、定着部材を清掃するクリーニング装置を定着装置内に備えることで、空気中で冷やされて凝縮したワックスダストを回収している。
上記先行技術においては、ワックスダストを回収できるが、クリーニングウェブは消耗部品であるためにコストが高くなってしまったり、メンテナンスを要したりしてしまう。加えて、クリーニングウェブを搭載するために装置本体が拡大してしまうという課題がある。
本発明の目的は、クリーニングウェブなどを必要とせずとも定着装置から発生する離型剤の微粒子(ワックスダスト)を回収し、定着装置周辺のシート搬送手段に対する付着堆積を緩和して離型剤の微粒子に起因する画像不良の発生を解決することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
離型剤を含有するトナーを用いてシートに未定着トナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部からのシートを挟持搬送して前記未定着トナー像を熱定着するニップ部を形成する定着部材を備えた定着装置と、
前記定着部材を冷却するための送風装置と、
前記送風装置よりも風量が大きく、前記定着装置で発生する暖気を排出する排熱装置と、
画像形成装置の動作シーケンスに関する情報に応じて前記送風装置と前記排熱装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とする。
離型剤を含有するトナーを用いてシートに未定着トナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部からのシートを挟持搬送して前記未定着トナー像を熱定着するニップ部を形成する定着部材を備えた定着装置と、
前記定着部材を冷却するための送風装置と、
前記送風装置よりも風量が大きく、前記定着装置で発生する暖気を排出する排熱装置と、
画像形成装置の動作シーケンスに関する情報に応じて前記送風装置と前記排熱装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、クリーニングウェブなどを必要とせずとも定着装置で生じる離型剤に起因する粒子が送風装置の動作によるエアフローと排熱装置の動作によるエアフローとに導かれて回収される。これにより、定着装置周辺のシート搬送手段に対する付着堆積が緩和されて離型剤の微粒子に起因する画像不良の発生が解決される。
[実施例]
(画像形成装置の全体構成)
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(画像形成装置の全体構成)
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1に本発明の実施形態の一例である画像形成装置1の概略断面図を示す。図5は制御系統のブロック図である。本実施形態の画像形成装置1は、電子写真方式を用いたカラープリンタ(カラーカラー画像形成装置)である。即ち、パーソナルコンピュータやイメージリーダ等の外部ホスト装置2から制御手段(制御部)30に入力される電気的画像信号に基づいて、シートPに画像形成を行う。
制御手段30はCPUとRAMやROMのメモリを有し、メモリには画像形成のための動作シーケンスや画像形成に必要な各種テーブルなどが記憶されている。制御手段30はプリント指令に基づいて動作シーケンス情報に応じた画像形成動作制御を実行する。5は画像形成装置1の操作部(コンソール部)であり、電源スイッチ、各種制御情報の入力手段、情報表示手段等が設けられている。
シートPは画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の記録材(記録媒体)であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHTシート、光沢紙等が含まれる。以下、用紙と記す。また、以下の説明では、便宜上、シートの扱いを通紙、排紙、給紙、通紙部、非通紙部などの用語を用いて説明するが、シートは紙に限定されるものではない。
近年は多種多様なシートPへの適応性やプリント生産性に優れるという利点から、画像形成部の構成は4色の作像部3(3Y、3M、3C、3K)を中間転写ベルト31上に並べて配置した、中間転写タンデム方式が主流となっている。本実施形態でも中間転写タンデム方式を採用している。
用紙Pは複数の用紙収納庫61〜64にそれぞれ積載される形で収納されており、給紙部61a〜64aによりプリント指令に基づく所定の画像形成タイミングに合わせて、選択指定された用紙収納庫61〜64の何れかから用紙Pが一枚分離給送される。送り出された用紙Pは搬送経路70〜75のどれかかを通過し、転写前搬送部であるレジストロール対76へと搬送される。
レジストロール対76は搬送されてくる用紙Pを突き当ててループを作成することにより用紙Pの先端を倣わせ斜行を修正する機能を有する。また、用紙Pへの画像形成タイミング、即ち、中間転写ベルト(可撓性を有するエンドレスベルト)31上に形成されたトナー像に合わせて、所定のタイミングにて用紙Pを二次転写部T2へ搬送する機能を有している。即ち、レジストロール対76は用紙Pの斜行の修正を行った後に、所定の制御タイミングにて二次転写部T2へ用紙Pを送りだす。
二次転写部T2は、中間転写ベルト31を挟んで対向する二次転写内ロール32および二次転写外ロール41により形成される、用紙Pへのトナー像転写ニップ部である。用紙Pは中間転写ベルト31と二次転写外ロール41の間に導入されて挟持搬送される。そして、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで用紙P上に中間転写ベルト31側のトナー像を転写させる。
以上説明した二次転写部T2までの用紙Pの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部T2まで送られて来る中間転写ベルト31上のトナー像の形成プロセスについて説明する。
即ち、4色の作像部3(3Y、3M、3C、3K)は、それぞれ、ドラム型の電子写真感光体11(11Y、11M、11C、11K)、帯電装置12(12Y、12M、12C、12K)、露光装置13(13Y、13M、13C、13K)を有する。また、現像装置14(14Y、14M、14C、14K)、一次転写装置35(35Y、35M、35C、35K)、感光体クリーナ15(15Y、15M、15C、15K)を有する。
各作像部3において、予め帯電手段12により表面を一様に帯電され、矢印の反時計方向に回転する感光体11に対し、ホスト装置2から制御手段30へ送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置13が駆動されて潜像が形成される。感光体11上に形成された静電潜像は、現像装置14によるトナー現像を経て、感光体11上にトナー像として顕在化する。
作像部3Yでは感光体11Y上にY(イエロー)色トナー像が形成される。作像部3Mでは感光体11M上にM(マゼンタ)色トナー像が形成される。作像部3Cでは感光体11C上にC(シアン)色トナー像が形成される。作像部3Kでは感光体11KにK(ブラック)色トナー像が形成される。
中間転写ベルト31は駆動ロール33、テンションロール34および二次転写内ロール32によって張架され、矢印の時計方向へ感光体11の回転周速度に対応した速度で循環移動駆動される。
上記作像部3Y、3M、3C、3Kにおいて並列処理されるY色、M色、C色、K色の各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト31上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはY色+M色+C色+K色のフルカラーのトナー像が中間転写ベルト31上に形成され、二次転写部T2へと搬送される。
各作像部3において感光体11から中間転写ベルト31へのトナー像の一次転写は各作像部3において一次転写装置35により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられることでなされる。各作像部3において感光体11上に僅かに残った一次転写残トナーは感光体クリーナ15により回収される。そして、感光体11は繰り返して画像形成に供される。
以上説明した作像部3は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)の4セットが存在する。勿論、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
二次転写部T2においてフルカラーの未定着トナー像の二次転写を受けた用紙Pは中間転写ベルト31から分離して吸着搬送手段42により定着装置(定着器)100へと搬送される。また、中間転写ベルト31に僅かに残った二次転写残トナーはベルトクリーナ36により回収される。そして、中間転写ベルト31は繰り返して画像形成に供される。
吸着搬送手段42はファン等によって用紙Pをエアー吸着して搬送する。定着装置100は吸着搬送手段42で搬送されてきた用紙Pを挟持搬送して未定着トナー像を固着像として熱定着するニップ部を形成する定着部材を備えている。この定着装置100の詳細については後述する。
上記の各作像部3、ベルト31、用紙収納庫61〜64、給紙部61a〜64a、搬送経路70〜76、二次転写部T2、吸着搬送手段42等で構成される機構部がトナーを用いて用紙Pに未定着トナー像を形成する画像形成部(作像プロセス部)4である。
定着装置100を出た画像定着済みの用紙Pは排紙部80へと搬送される。ここで、用紙Pをそのまま排紙トレイ66上に排出する排紙搬送パス82か、もしくは両面画像形成を要する場合には反転パス83のいずれかに搬送されるべく経路選択が行われる。
両面画像形成を要する場合、制御手段30はソレノイド(図示せず)の作用で揺動する切換え部材81を上側に切換える。これにより、定着装置100を出た、表面(1面目)に画像形成済みの用紙Pが反転パス83からスイッチバック経路84へと引き込まれる。そして、反転ロール対79の回転方向を正逆転させること(スイッチバック動作)を行って先後端を入れ替え、両面搬送パス85へと搬送される。
その後、用紙収納庫61〜64より搬送されてくる後続ジョブの用紙Pとのタイミングを合わせて再合流し、同様にレジストロール対76を経て二次転写部T2へと送られる。裏面(2面目)の画像形成プロセスに関しては、先述の表面(1面目)の場合と同様なので説明は省略する。
一方、両面画像形成されて定着装置100を出た用紙Pを反転排紙させる場合には、切換え部材81を上側に切換えることで定着装置100を出た両面画像形成済みの用紙Pは前記反転パス83からスイッチバックパス84へと引き込まれる。そして、反転ロール対79及び反転ロール対78の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、排紙トレイ66に排紙される。
(定着装置の構成)
図2に定着装置100の断面図を示す。この定着装置100は電磁誘導加熱方式の定着器である。この定着装置100は、用紙導入口102と用紙排出口103を具備させた筐体101を有する。この筐体101の内部に、画像形成部4から搬送されてくる未定着トナー像が形成された用紙Pを挟持搬送して未定着トナー像を熱定着する定着部材としての定着ベルト(第1の回転体)105と加圧ベルト(第2の回転体)120を有する。
図2に定着装置100の断面図を示す。この定着装置100は電磁誘導加熱方式の定着器である。この定着装置100は、用紙導入口102と用紙排出口103を具備させた筐体101を有する。この筐体101の内部に、画像形成部4から搬送されてくる未定着トナー像が形成された用紙Pを挟持搬送して未定着トナー像を熱定着する定着部材としての定着ベルト(第1の回転体)105と加圧ベルト(第2の回転体)120を有する。
定着ベルト105は電磁誘導により発熱する可撓性を有するエンドレスベルトであり、交番磁界により誘導発熱させられるとともに耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。本実施例においては、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層もしくはステンレス層などの磁性金属層に例えば厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングし、表層にPFAチューブを被覆したものである。
定着ベルト105は、駆動ロール131とテンションロール132とパッドステー137の3つの部材間に循環回転可能に、且つ、所定の張力(例えば200N)で掛け渡されている。
駆動ロール131は例えば中実スレンレスによって外径がφ18に形成された芯金の外周に耐熱シリコンゴム弾性層をロール状に一体成型により形成したロールであり、両端部が筐体101の側板間に軸受を介して回転可能に支持されている。
テンションロール132は駆動ロール131よりも用紙搬送方向の上流側に配設されており、例えばステンレスによって外径がφ20、内径φ18程度に形成された中空ロールである。テンションロール132は両端部が筐体101の側板間にスライド移動可能な可動軸受を介して回転可能に支持されている。可動軸受は定着ベルト105にテンションをかける方向にテンションバネによって移動付勢されている。本実施例では20kgfのテンションを定着ベルト105にかける。
テンションロール132は上記のように定着ベルト105にテンションを掛けると共に、定着ベルト105の移動方向に直交する幅方向の蛇行を調整するロールとして働く。
パッドステー137は例えばステンレス鋼(SUS材)で形成されており、駆動ロール131とテンションロール132との間において駆動ロール131に対して近接させて配設されている。パッドステー137は両端部が上側板を介して筐体101の側板間に固定して支持されている。パッドステー137の下向き面が定着ベルト105の下行側のベルト部分の内面に接触している。
定着ベルト105の上側にはベルト105を電磁誘導発熱させるための磁束発生手段であるIHヒータ170がベルト105に近接対向させて筐体101の側板間に固定して支持されて配設されている。IHヒータ170は、励磁コイルと磁性体コアとそれらを保持するホルダから構成されている。
定着ベルト105の下側には加圧ベルト120が配設されている。加圧ベルト120は可撓性を有するエンドレスベルトである。加圧ベルト120としては耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。本実施例では、厚さ50μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層に例えば厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングし、表層にPFAチューブを被覆したものが用いられる。
加圧ベルト120は、加圧ロール121とテンションロール122と加圧パッド125の3つの部材間に循環回転可能に、且つ、所定の張力(例えば200N)で掛け渡されている。
加圧ロール121は例えば中実スレンレスによって外径がφ20に形成されたロールであり、両端部が筐体101の側板間にヒンジ軸303を中心に揺動可能に配設された揺動フレーム304の側板間に軸受を介して回転可能に支持されている。
テンションロール122は加圧ロール121よりも用紙搬送方向の上流側に配設されており、例えばステンレスによって外径がφ20、内径φ18程度に形成された中空ロールである。テンションロール122は両端部が上記の揺動フレーム304の側板間にスライド移動可能な可動軸受を介して回転可能に支持されている。可動軸受は加圧ベルト120にテンションをかける方向にテンションバネによって移動付勢されている。本実施例では20kgfのテンションを加圧ベルト120にかける。
加圧パッド125は例えばシリコンゴムで形成されている弾性パッド部材であり、加圧ロール121とテンションロール122との間において加圧ロール121に近接させて配設されている。加圧パッド125は両端部が上記の揺動フレーム304の側板間に固定支持されている。加圧パッド125の上向き面が加圧ベルト105の上行側のベルト部分の内面に接触している。
上記のように、加圧ベルト120、加圧ロール121、テンションロール122、加圧パッド125を搭載している揺動フレーム304はシフト機構306によりヒンジ軸303を中心に上下方向に移動制御される。本例におけるシフト機構306は、加圧カム軸307と、この軸307の両端側に同じ位相で固着されている偏芯加圧カム308と、軸307を駆動する駆動部(不図示)と、加圧バネ(不図示)と、を有する。
大隆起部が上向きの回転角となるように偏芯加圧カム308が駆動されることで揺動フレーム304がヒンジ軸303を中心に加圧バネを圧縮しながら加圧位置に持ち上げられる。図2は揺動フレーム304が加圧位置にシフトされている状態時を示している。この状態時においては、加圧ロール120が駆動ロール131に対して加圧ベルト120と定着ベルト105を挟んで押圧する。また、加圧パッド125がパッドステー137に対して加圧ベルト120と定着ベルト105を挟んで押圧する。
この押圧は揺動フレーム304が加圧バネの圧縮反力で所定の圧(例えば400N)で付勢されることでなされる。駆動ロール131においては加圧ロール120の圧接により弾性層が所定量弾性的に歪ませられる。この状態において定着ベルト105と加圧ベルト120との当接部に用紙搬送方向に関して幅広の定着ニップ部Nが形成される。
一方、小隆起部が上向きの回転角となるように偏芯加圧カム308が駆動されることで揺動フレーム304がヒンジ軸303を中心に加圧位置から下方に移動して離間位置に持ち下げられる。この状態においては、加圧ロール120と加圧パッド125の駆動ロール131とパッドステー137に対する押圧が解除されて加圧ベルト120が定着ベルト105から離間する。即ちニップ部Nの形成が解除される。揺動フレーム304は常時は離間位置にシフトされている。
図6は定着装置100の基本的な制御フロー図である。制御手段30は、画像形成装置1の電源が投入(S1)されると、画像形成装置1の立ち上げシーケンスにおける定着装置100の立ち上げ指令に基づいて定着装置100を立ち上げ動作させる(S2)。
即ち、駆動モータM(図5)を所定の第1の制御回転数mbで駆動させて駆動ロール131を所定の制御速度Vbにて回転駆動させる。駆動モータMの駆動力は駆動入力ギア(不図示)を介して駆動ロール131に伝達される。この駆動ロール131の回転により定着ベルト105が矢印の時計方向に所定の制御周速度Vbで回転駆動される。
また、IHヒータ170の励磁コイルに交流電流を通電する(ヒータ−ON)。励磁コイルは交流電流によって交流磁束を発生し、交流磁束はコア磁性体に導かれて定着ベルト105の誘導発熱体である金属層に渦電流を発生させる。その渦電流は金属層の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。これにより定着ベルト105が電磁誘導加熱される。
そして、定着ベルト105の表面温度が温度検知部材としてのサーミスタTHにより検知されて温度情報が制御手段30にフィードバックされる。制御手段30はその温度情報をもとにベルト105の表面温度が所定の目標温度Tf(定着温度;本実施例においては150℃程度)に立ち上がりその温度が維持されるようにIHヒータ170に対する供給電力を制御して定着ベルト105を温調する(S3)。定着装置100は画像形成動作開始指令(画像形成ジョブ(プリントジョブ)開始指令)が入力するまでこの温調状態で待機状態に入る(S4・S5)。
制御手段30は、画像形成ジョブ開始指令の入力(S5)に基づいて、上記の待機状態にある定着装置100の駆動モータMの回転数を前記第1の制御回転数mbよりも回転数が大きい所定の第2の制御回転数maに上げる。シフト機構306を制御して揺動フレーム304を離間位置から加圧位置にシフトする(S6)。
駆動モータMの回転数が第2の制御回転数maに上げられることで定着ベルト105は画像形成工程時のプロセススピードに対応した周速度Vaで回転駆動される。また、揺動フレーム304が加圧位置にシフトしたことで、定着ベルト105に対して加圧ベルト120が当接して定着ニップ部Nが形成されると共に加圧ベルト120が定着ベルト105の回転駆動に従動して矢印の反時計方向に回転する。
この状態において定着装置100に画像形成部4から未定着トナー像が形成された用紙Pが搬送されて定着装置100の筐体101の内部に用紙導入口102から入り定着ニップ部Nに導入される(画像形成実行:S7)。そして、定着ベルト105が用紙Pの未定着トナー像が形成された面と接触して用紙Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において定着ベルト105の熱とニップ部Nの加圧力により未定着トナー像が用紙Pに対して溶融固着される。
ニップ部Nを出た用紙Pは定着ベルト105から分離されて定着排紙ロール対104で中継ぎされて用紙排出口103から筐体101の外に送り出され、前述したように排紙部80へ搬送される。
用紙導入口102には定着装置100に搬送されてきた用紙Pを検出するための用紙検出手段としての入口センサ130が配設されている。入口センサ130は定着装置100に進入した用紙の先端で蹴られてオンとなり、用紙後端の通過によりオフとなる。また、定着ニップ部Nの用紙出口部と定着排紙ロール対104との間の用紙通路には定着ニップ部Nの用紙出口部から出てきた用紙Pを検出するための用紙検出手段としての出口センサ140が配設されている。出口センサ140は定着ニップ部Nの用紙出口部から出た用紙の先端で蹴られてオンとなり、用紙後端の通過によりオフとなる。
制御手段30は入口センサ130と出口センサ140とから入力する上記のオンとオフの信号に基づいて定着装置100における用紙Pの進入と通過の検知と、定着装置100における用紙ジャム検知を行う。
用紙を1枚だけ搬送して画像形成を実行するモノプリントモードにおけるその1枚の用紙あるいは複数の用紙を順次に搬送して画像形成を実行するマルチプリントモードにおける最後の用紙が定着装置100を通過する(S8)。その検知がなされると制御手段30は定着装置100を次のように制御する。
即ち、シフト機構306を制御して揺動フレーム304を加圧位置から離間位置にシフトすることで加圧ベルト120を定着ベルト105から離間させて定着ニップ部Nの形成を解除する。また、駆動モータMの回転数を第2の制御回転数maから第1の制御回転数mbに下げる制御をする。これにより、定着ベルト105は画像形成動作時のプロセススピードに対応した所定の高速の周速度Vaから待機時の所定の低速の周速度Vbの回転駆動状態にされる。定着ベルト105の温調は続行される(S9)。
この定着装置状態において制御手段30は次の画像形成ジョブの指令が入力するまで画像形成装置を待機状態(スタンバイ状態)にする(S10)。
本実施例における定着装置100は、上記のように駆動モータMの回転数をmaとmbの2速もっている。回転数maは画像形成時すなわち用紙Pを搬送しトナー像を用紙Pに定着させる速度Vaである。回転数mbは、画像形成装置1の立ち上げ時、すなわち定着装置100の定着ベルト105の温度が目標温度である約150℃よりも低い状態や、目標温度に到達した状態で、作像を待機している状態での速度Vbである。
速度Vbは定着ベルト105の温度を均一にするために回転させている。定着ベルト105の温度を均一に保てれば、定着ベルト105や他の動作部の総回転数が少なくなるため、速度Vbは遅ければ遅いほど良い。本実施例における駆動モータMの回転数は、速度Va時は3000rpm、速度Vb時は300rpmとしている。
(定着ベルトの冷却)
画像形成装置1は、高い生産性を極力維持するために、使用する用紙Pの種類(例えば坪量、表面性)に応じた数段階の定着装置温調温度を備え制御していることが多い。一般的には、非コート紙に関しては、搬送性(しわ、分離性等)と画像性(定着性、トナーオフセット、表面光沢等)の両立する温度に設定し、用紙の坪量が大きいほど温調温度を高くするようにしている。一方、表面に樹脂層を有するコート紙については、これらの基本性能(搬送性、画像性)に加えて、特殊な搬送不良や画像不良を防止するために温調温度を設定することがある。
画像形成装置1は、高い生産性を極力維持するために、使用する用紙Pの種類(例えば坪量、表面性)に応じた数段階の定着装置温調温度を備え制御していることが多い。一般的には、非コート紙に関しては、搬送性(しわ、分離性等)と画像性(定着性、トナーオフセット、表面光沢等)の両立する温度に設定し、用紙の坪量が大きいほど温調温度を高くするようにしている。一方、表面に樹脂層を有するコート紙については、これらの基本性能(搬送性、画像性)に加えて、特殊な搬送不良や画像不良を防止するために温調温度を設定することがある。
以上述べたような数段階の温調温度を備えている画像形成装置において、定着装置100の温調温度切替え時にはプリント待機時間が発生するといった課題がある。すなわち、定着装置100のスタンバイ温調状態から温調温度の最も低い超薄紙をプリントするケースや、メディア混載ジョブ(例えば薄紙と厚紙を交互に連続通紙する)のケースにおいては、温調切替え待機によるダウンタイムが長く発生する。そのため、著しく生産性が低下し、ユーザビリティ性の観点から好ましくない。そこで、従来から定着部材を冷却することで温調切替え待機によるダウンタイムを短くしている。
本実施例の画像形成装置1においては、定着部材としての定着ベルト105を冷却するための送風装置500を具備させている。また、定着装置100で発生する暖気(定着装置周囲の温度の高い雰囲気)を画像形成装置外に排出する排熱装置600を具備させている。
本実施例においての送風装置500は、図2のように、定着装置100の用紙排出口103の側に配設してある。図3は送風装置500の外観斜視図である。送風装置500は定着装置100の長手方向(定着ベルト105の幅方向)に沿って配列されている複数個の送風ダクト501a〜501eと、その各送風ダクトにそれぞれ連結して配置された送風手段(ファン)502a〜502eとを有する。
送風ダクト501a〜501eは定着装置100の用紙排出口103の側において定着装置100の筐体101の内部に進入させて配設されており、それぞれ送風口503a〜503eが定着ベルト105の上面に向けられている。送風手段502a〜502eはそれぞれ制御手段30で動作(オン)制御/動作停止(オフ)制御される。
送風手段502a〜502eの動作により送風ダクト501a〜501eの送風口503a〜503eから風が出る(エアが吹き出る)。その風は、主として定着ベルト105とIHヒータ170の間の風路Aに導入されて定着装置100の筐体101の内部を駆動ロール131の側からテンションロール132の側に流れることで、定着ベルト105が冷却される。
送風手段502a〜502eは制御手段30で各々が独立して動作可能となっている。即ち、制御手段30は、定着ベルト105の非通紙部昇温状態の程度などによる必要な冷却モードに応じて、送風装置500の全ての送風手段502a〜502eを動作させて定着ベルトの長手方向のほぼ全長域に送風することが可能である。また、送風手段502a〜502eを選択的に動作させて定着ベルト105の長手方向中央部と長手方向端部に対してそれぞれ選択的に送風することが可能である。
図4は定着装置100と排熱装置600の外観斜視図である。排熱装置600は定着装置100の長手方向の一端側においてその側の画像形成装置側板に対して配設された排熱手段(ファン)601と、この排熱手段601と連結されて配置された第1の排熱ダクト602とを有する。第1の排熱ダクト602は画像形成装置1の内部の空気、主として定着装置周囲の温度の高い雰囲気(暖気)を吸引する吸気口部602aを有する。
また、定着装置100の筐体101の長手方向の一端側において用紙導入口102の近傍に吸気口部602bを臨ませて上記の第1の排熱ダクト602に連絡させた第2の排熱ダクト602cを有する。
したがって、送風装置500の動作によって定着装置100内の風路Aに導入された風は定着装置100の用紙導入口102から出て第2の排熱ダクト602cの吸気口部602aによる風路Bに導入される。そして、第2の排熱ダクト602cを通り、第1の排熱ダクト602においてこの第1の排熱ダクト602の吸気口部602aから吸引された風(定着装置周囲の温度の高い雰囲気)と合流する。そして排熱装置600のフィルター(不図示)を通して機外(画像形成装置の外)へと排出される。
ここで、送風装置500の送風手段502a〜502eの合計風量Q1は排熱装置600の排熱手段601の風量Q2よりも小さく設定されている。
(ダスト対策)
前述したように、定着部材に対する用紙の分離性を高めるためにワックス(離型剤)が含有されたトナーを用いて用紙にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱加圧して定着処理を行なう画像形成装置においては定着装置内にワックスダストが発生する。
前述したように、定着部材に対する用紙の分離性を高めるためにワックス(離型剤)が含有されたトナーを用いて用紙にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱加圧して定着処理を行なう画像形成装置においては定着装置内にワックスダストが発生する。
定着装置における用紙搬送中はダストが用紙に付着するが目視不可能のため問題にはならない。しかし、用紙搬送後の作像プロセス部の調整時などで順次に搬送される用紙の間隔が大きい場合にはダストは定着装置周辺に浮遊することになる。そして、それが、定着装置周辺の用紙搬送手段に経時的に付着し堆積する。そうすると、その用紙搬送手段に付着堆積したワックスダストが用紙に移行して画像に良くない影響を与えてしまう恐れがある。
本実施例においては、画像形成装置1の動作シーケンスに関する情報に応じて上記の送風装置500と排熱装置600の動作を制御する。これにより、クリーニングウェブなどを必要とせずとも定着装置で生じるワックス(離型剤)に起因する粒子が送風装置500の動作によるエアフローと排熱装置600の動作によるエアフローとに導かれて排熱装置600のフィルタ回収される。これにより、定着装置周辺の用紙搬送手段に対する付着堆積が緩和されてワックスの微粒子に起因する画像不良の発生が解消される。
1)ダスト対策制御1
図7Aはダスト対策制御1の制御フローチャート(作像プロセス調整時のフローチャート)である。
図7Aはダスト対策制御1の制御フローチャート(作像プロセス調整時のフローチャート)である。
制御手段30は、画像形成装置1の待機状態(S1:図6のS10に対応)において、画像形成ジョブ開始指令が入力すると(S2)、排熱装置600を動作させる(S4)。この排熱装置600の動作により、定着装置100によって生じた熱によって作像プロセス部4の温度上昇を防止される。定着装置100の駆動モータMの回転数を第1の制御回転数mbから第2の制御回転数maに切換える。また、シフト機構306を制御して揺動フレーム304を離間位置から加圧位置にシフトする(S4:図6のS6に対応)。
また、制御手段30は、画像形成ジョブ(マルチプリントジョブ)において選択された用紙Pの種類やサイズにおける所定の間隔(紙間:シート間隔)Tpを算出し用紙Pの搬送を始める。即ち、画像形成を開始する(S5)。
制御手段30は画像形成ジョブ実行途中において、作像プロセス部4の調整時や、用紙Pを給紙する用紙収納庫61〜64の切り替え時などのプロセス調整が入る場合(S6)においてはその調整時用紙間隔Taを算出する(S7)。即ち、そのプロセス調整に要する時間(調整時間)に対応する調整時用紙間隔Taを算出する。
そして、TpとTaを比較して(S8)、Ta>Tp(シート間隔拡大情報)のときには作像プロセス部4の調整時に画像形成ジョブを一時中断すると共に(S9)、送風装置500の動作を開始する(S10)。これにより、プロセス調整時間中における定着装置100内のワックスダスト(離型剤に起因する粒子)は送風装置500の動作によるエアフローAと排熱装置600の動作によるエアフローBとに導かれて排熱装置600のフィルタに回収される。
所定の調整時間が経過したら(S11)、一時中断している画像形成ジョブが再開されると共に(S12)、送風装置500の動作が停止される(S13)。
このダスト対策制御1をまとめると次のとおりである。画像形成装置1の動作シーケンスに関する情報が画像形成装置1の待機状態時における定着装置100の立ち上げ開始の情報である場合には、制御手段30は、送風装置500は停止させたままで排熱装置600の動作を開始させる。
画像形成装置1の動作シーケンスに関する情報がマルチプリントモードにおいてプリントジョブ中に紙間が所定の間隔Tpよりも大きくなる情報である場合には、制御手段30は排熱装置500を動作させている状態において送風装置500を動作させる。そして、制御手段30は、送風装置500を動作させた後に、紙間が所定の間隔Tpに戻る情報により送風装置500の動作を停止させる。
2)ダスト対策制御2
図7Bはダスト対策制御2の制御フローチャート(画像形成後のフローチャート)である。図7Aのダスト対策制御1の制御フローチャートにおいてマルチプリントモードの画像形成ジョブが進行して最後の用紙定着装置100を通過する。もしくは用紙を1枚だけ搬送して画像形成を実行するモノプリントモードの画像形成ジョブ場合はその1枚の用紙が定着装置100を通過する。その用紙の定着装置内通過が出口センサ140によって検知される(S14)。制御手段30はその検知情報に基づいて、作像プロセス部4などの作像後調整動作(後回転動作)を開始する(S15)。
図7Bはダスト対策制御2の制御フローチャート(画像形成後のフローチャート)である。図7Aのダスト対策制御1の制御フローチャートにおいてマルチプリントモードの画像形成ジョブが進行して最後の用紙定着装置100を通過する。もしくは用紙を1枚だけ搬送して画像形成を実行するモノプリントモードの画像形成ジョブ場合はその1枚の用紙が定着装置100を通過する。その用紙の定着装置内通過が出口センサ140によって検知される(S14)。制御手段30はその検知情報に基づいて、作像プロセス部4などの作像後調整動作(後回転動作)を開始する(S15)。
この時、ダスト対策制御1における用紙の間隔が大きい場合と同様に、制御手段30は送風装置500の動作を開始する(S16)。これにより、後回転動作時における定着装置100内のワックスダストは送風装置500の動作によるエアフローAと排熱装置600の動作によるエアフローBとに導かれて排熱装置600のフィルタに回収される。
定着装置100については、シフト機構306を制御して揺動フレーム304を加圧位置から離間位置にシフトすることで加圧ベルト120を定着ベルト105から離間させて定着ニップ部Nの形成を解除する。また、駆動モータMの回転数を第2の制御回転数maから第1の制御回転数mbに下げる制御をする。これにより、定着ベルト105は画像形成工程時のプロセススピードに対応した所定の高速の周速度Vaから待機時の所定の低速の周速度Vbの回転駆動状態にされる。定着ベルト105の温調は続行される(S17:図6におけるS9に対応)。
作像プロセス部4などの後回転動作が終了する(S18)。そして、送風装置500の動作を停止させる(S19)。これにより画像形成装置1の画像形成動作が終了する(S20)。排熱装置600の動作を停止させる(S21)。そして、制御手段30は次の画像形成ジョブの指令が入力するまで画像形成装置1を待機状態にする(S22:図6におけるS10に対応)。
このダスト対策制御2をまとめると次のとおりである。画像形成装置1の動作シーケンスに関する情報がモノプリントモードにおける用紙あるいはマルチプリントモードにおける最後の用紙が定着装置100を通過した用紙通過(シート通過)の情報である場合である。この場合には、制御手段30は、画像形成装置1が待機状態となるまでの間で排熱装置600を動作させている状態において送風装置500を動作させる。そして、その後に送風装置500と排熱装置600の動作を停止させる。
3)ダスト対策制御3
図7Cはダスト対策制御3の制御フローチャート(定着ベルト冷却時のフローチャート)である。図7Bの制御フローチャートにおいて一つの画像形成ジョブが終了して画像形成装置1が待機状態に入ってから(S21)、すぐに次の画像形成ジョブの開始指令が入力して、引き続き画像形成が行われる場合などにおいては次の制御がなされる。
図7Cはダスト対策制御3の制御フローチャート(定着ベルト冷却時のフローチャート)である。図7Bの制御フローチャートにおいて一つの画像形成ジョブが終了して画像形成装置1が待機状態に入ってから(S21)、すぐに次の画像形成ジョブの開始指令が入力して、引き続き画像形成が行われる場合などにおいては次の制御がなされる。
即ち、制御手段30は、次の画像形成ジョブの開始指令が入力したら(S23)、排熱装置600を動作させる(S24)。また、入力した画像形成ジョブにおいて選択された用紙Pの種類などに応じて、先の画像形成ジョブのときよりも定着装置100の温調温度を低くするか否かを判断(温調温度の切替え判断)する(S25)。定着温調を低くする場合には送風装置500の動作を開始する(S26)。即ち、未だ高温状態にある定着ベルト105を送風装置500を動作させて冷却することで定着温調切換えに要するダウンタイムを短縮化する。
その後、定着温調が目標温度まで到達したら(S27)、送風装置500の動作を停止させる(S28)。そして、定着装置100の駆動モータMの回転数を第1の制御回転数mbから第2の制御回転数maに切換える。また、シフト機構306を制御して揺動フレーム304を離間位置から加圧位置にシフトする(S29)。この状態において画像形成ジョブを開始する(S30)。
このダスト対策制御3をまとめると次のとおりである。画像形成装置の動作シーケンスに関する情報が画像形成装置の待機状態時における定着装置の立ち上げにおいて温調温度の設定を画像形成装置が前回実行した画像形成ジョブにおける定着装置の温調温度よりも低くする温調温度切換え情報である場合である。この場合には、制御手段30は、排熱装置600と送風装置500の動作を開始させ、定着装置100の温調温度が目標温度まで到達したら送風装置500の動作を停止させて画像形成を実行する。
図8の(a)は上記のダスト対策制御1乃至3を適用した画像形成装置の場合の時間とワックスダスト濃度の関係を示す。(b)は適用しない画像形成装置の場合の時間とワックスダスト濃度の関係を示す。測定には米TSI社の高速応答型パーティクルサイザーFMPSを用いた。
図8の(a)と(b)の対比により、(a)においては、定着装置100を通過するときに気化し、空気中で凝固したワックスダストが送風装置500の作り出す風路Aに導かれ、さらに排熱装置600によって風路Bに導かれて排熱装置600のフィルタに回収されている。そのため、定着装置100直後のワックスダストは著しく減少していることがわかる。
以上の構成及び動作により、定着装置100を冷却するための送風装置500と、定着装置周囲の高温度の雰囲気を排出する排熱装置600により生み出されるエアフローによって、定着装置100から発生するワックスダストを回収することが可能となる。
そのため、クリーニングウェブなどを必要とせずに、ワックスダストを定着装置周辺の用紙搬送手段に付着を防止し、画像不良の発生を防止することができる。
[その他の事項]
1)定着装置100における定着部材105や加圧部材120はベルトの形態に限られない。スリーブやローラの形態の部材であっても構わない。
1)定着装置100における定着部材105や加圧部材120はベルトの形態に限られない。スリーブやローラの形態の部材であっても構わない。
2)定着部材105や加圧部材120の加熱手段は電磁誘導加熱手段に限られない。ハロゲンヒータ、赤外線ランプなど他の加熱手段を用いる構成としても構わない。
3)加圧部材は非回転の部材にした定着装置構成とすることもできる。
1・・画像形成装置、4・・画像形成部、30・・制御部、100・・定着装置、105・120・・定着部材、N・・ニップ部、P・・シート(用紙)、500・・送風装置、600・・排熱装置
Claims (11)
- 離型剤を含有するトナーを用いてシートに未定着トナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部からのシートを挟持搬送して前記未定着トナー像を熱定着するニップ部を形成する定着部材を備えた定着装置と、
前記定着部材を冷却するための送風装置と、
前記送風装置よりも風量が大きく、前記定着装置で発生する暖気を排出する排熱装置と、
画像形成装置の動作シーケンスに関する情報に応じて前記送風装置と前記排熱装置の動作を制御する制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記離型剤がワックスであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記情報が画像形成装置の待機状態時における前記定着装置の立ち上げ開始の情報である場合には、前記制御部は、前記送風装置は停止させたままで前記排熱装置の動作を開始させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記情報が複数のシートを順次に搬送して画像形成を実行するマルチプリントモードにおいてプリントジョブ中にシート間隔が所定の間隔よりも大きくなるシート間隔拡大情報である場合には、前記制御部は、前記排熱装置を動作させている状態において前記送風装置を動作させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記送風装置を動作させた後に、前記シート間隔が所定の間隔に戻る情報により前記送風装置の動作を停止させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記情報がシートを1枚だけ搬送して画像形成を実行するモノプリントモードにおけるシートあるいは複数のシートを順次に搬送して画像形成を実行するマルチプリントモードにおける最後のシートが前記定着装置を通過したシート通過の情報である場合には、前記制御部は、画像形成装置が待機状態となるまでの間で前記排熱装置を動作させている状態において前記送風装置を動作させ、その後に前記送風装置と前記排熱装置の動作を停止させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記情報が画像形成装置の待機状態時における前記定着装置の立ち上げにおいて温調温度の設定を画像形成装置が前回実行した画像形成ジョブにおける定着装置の温調温度よりも低くする温調温度切換え情報である場合には、前記制御部は、前記排熱装置と前記送風装置の動作を開始させ、定着装置の温調温度が目標温度まで到達したら前記送風装置の動作を停止させ、画像形成を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記定着装置における前記離型剤に起因する粒子が前記送風装置の動作によるエアフローと前記排熱装置の動作によるエアフローとに導かれて回収されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記送風装置は前記定着部材の長手方向のほぼ全長域に送風することが可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記送風装置は前記定着部材の長手方向中央部と長手方向端部に対してそれぞれ選択的に送風することが可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ニップ部を形成している定着部材が第1および第2の回転体であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018173484A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | シャープ株式会社 | 画像形成装置 |
JP2019060949A (ja) * | 2017-09-25 | 2019-04-18 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置および画像形成装置 |
JP2019117275A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | シャープ株式会社 | ダクト機構 |
-
2013
- 2013-10-25 JP JP2013222123A patent/JP2015084026A/ja active Pending
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