JP2015083709A - ディファレンシャル装置部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディファレンシャルギヤ機構を収容可能に形成されたデフケースと、このデフケースと一体的に回転するように設けられたリングギヤと、を備えたディファレンシャル装置部品において、リングギヤとして必要とされる強度特性を良好に確保しつつ、鋳造によるデフケースとリングギヤとの一体化が可能な構成を提供すること。
【解決手段】本発明のディファレンシャル装置部品(リングギヤ一体型デフケース12)においては、デフケースとリングギヤとが、鋳鋼により継ぎ目なく一体に形成されている。鋳鋼は、珪素(Si)0.3〜1.0質量%,マンガン(Mn)0.5〜1.2質量%,バナジウム(V)0.1〜0.5質量%,スズ(Sn)0.01〜0.05質量%,クロム(Cr)0.1〜1.5質量%,銅(Cu)0.2〜1.0質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディファレンシャルギヤ機構を収容可能に形成されたデフケースと、このデフケースと一体的に回転するように設けられたリングギヤと、を備えた、ディファレンシャル装置部品に関する。
この種の部品として、例えば、下記特許文献1に開示されたものが知られている。この文献に開示された「車両用ディファレンシャル部材」は、球状黒鉛鋳鉄を用いて、デフケースとリングギヤとを、鋳造により一体化したものである。かかる構成によれば、ボルト等の締結手段や溶接を用いなくても、デフケースとリングギヤとを一体化することができ、以て組立工数削減や軽量化等が達成可能となる。
特開昭59−43844号公報
ところで、周知の通り、鋳鉄は、リングギヤ材(リングギヤ用材料)として通常用いられる浸炭鋼等に比べて、疲労強度等が低い。よって、球状黒鉛鋳鉄を用いた一体鋳造品においては、そのままでは、リングギヤとして必要とされる強度特性が満足されない。
このため、上述した従来技術においては、球状黒鉛鋳鉄を用いた一体鋳造品に対して、まず、チルの分解及び球状パーライト化のための第1段の熱処理が行われ、次に、球状パーライト化率を所定値にコントロールして加工性(被削性)を担保するための第2段の熱処理が行われる。そして、このような2段階熱処理が行われた後、リングギヤを形成するための歯切り加工が行われ、さらにその後、リングギヤの表面硬化焼入れ(例えば高周波焼入れ)やショットピーニング等が行われる。
このように、上述した従来技術においては、リングギヤとして必要とされる強度特性を確保するために、(通常行われるリングギヤの表面硬化焼入れ(例えば高周波焼入れ)やショットピーニング等に先立って)2段階熱処理が必要となっていた。また、この2段階熱処理に加えて、表面硬化焼入れやショットピーニング等を行ったとしても、強度が浸炭鋼に比べてまだまだ低いものであるため、リングギヤにおける欠け等の不具合が発生しやすかった。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、リングギヤとして必要とされる強度特性を良好に確保しつつ、鋳造によるデフケースとリングギヤとの一体化が可能な構成を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ディファレンシャルギヤ機構を収容可能に形成されたデフケースと、このデフケースと一体的に回転するように設けられたリングギヤと、を備えたディファレンシャル装置部品であって、鋳鋼によりデフケースとリングギヤとが継ぎ目なく一体に形成されたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、鋳鋼(典型的には炭素(C)0.1〜0.8質量%を含む)が、珪素(Si)0.3〜1.0質量%,マンガン(Mn)0.5〜1.2質量%,バナジウム(V)0.1〜0.5質量%,スズ(Sn)0.01〜0.05質量%,クロム(Cr)0.1〜1.5質量%,銅(Cu)0.2〜1.0質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、鋳鋼が下記の式(1)を満たす組成を有することを特徴としている。
2.3<(Mn+5・V)<2.7・・・(1)
(式(1)中、「Mn」はマンガン(Mn)の質量%,「V」はバナジウム(V)の質量%)
請求項1に記載のディファレンシャル装置部品においては、デフケースとリングギヤとが、鋳鋼により、継ぎ目なく一体に形成されている。ここで、かかるディファレンシャル装置部品における鋳鋼製のリングギヤは、上述した従来技術における球状黒鉛鋳鉄製のリングギヤよりも、強度(引張強度や疲労強度)が高いため、上述した従来技術において必要であった2段階熱処理を用いなくても、リングギヤとして必要とされる強度特性が充分に得られる。また、かかるディファレンシャル装置部品における鋳鋼製のリングギヤは、上述した従来技術における球状黒鉛鋳鉄製のリングギヤよりも、炭素量が少ないために、欠けも発生しにくい。
請求項2に記載のディファレンシャル装置部品においては、珪素(Si)0.3〜1.0質量%,マンガン(Mn)0.5〜1.2質量%,バナジウム(V)0.1〜0.5質量%,スズ(Sn)0.01〜0.05質量%,クロム(Cr)0.1〜1.5質量%,銅(Cu)0.2〜1.0質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなる鋳鋼により、デフケースとリングギヤとが継ぎ目なく一体に形成されている。このため、請求項2に記載の発明によれば、鋳造によるデフケースとリングギヤとの一体化を行う場合に、きわめて良好な生産性(鋳造性や鋳造後の被削性)及び強度特性が実現される。
請求項3に記載のディファレンシャル装置部品においては、上記の組成条件を満たし、且つ上記の式(1)を満たす組成を有する鋳鋼により、デフケースとリングギヤとが継ぎ目なく一体に形成されている。このため、請求項3に記載の発明によれば、鋳造によるデフケースとリングギヤとの一体化を行う場合に、きわめて良好な機械的特性(具体的には引張強度や伸び)が実現される。
このように、本発明によれば、リングギヤとして必要とされる強度特性を良好に確保しつつ、鋳造によるデフケースとリングギヤとの一体化が可能な構成を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るディファレンシャル装置部品を備えたディファレンシャル装置の概略構成を示す断面図。 図1に示されたリングギヤ一体型デフケースを構成する鋳鋼におけるマンガン及びバナジウムの含有量の影響を検討するためのグラフ。 図1に示されたリングギヤ一体型デフケースを構成する鋳鋼におけるマンガン及びバナジウムの含有量の影響を検討するためのグラフ。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、変形例は、当該実施形態の説明中に挿入されると首尾一貫した一実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<構成>
図1を参照すると、ディファレンシャル装置10は、ディファレンシャルギヤ機構11と、リングギヤ一体型デフケース12と、を備えている。なお、ディファレンシャルギヤ機構11については周知であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の「ディファレンシャル装置部品」に相当する、リングギヤ一体型デフケース12は、ディファレンシャルギヤ機構11を収容可能に形成されたデフケース21と、このデフケース21と一体的に回転するように設けられたリングギヤ22と、を備えている。
ここで、本実施形態のリングギヤ一体型デフケース12においては、デフケース21とリングギヤ22とが、鋳鋼により、継ぎ目なく一体に形成されている。具体的には、本実施形態においては、このリングギヤ一体型デフケース12は、以下の組成を有する鋳鋼を用いた鋳造により一体成形されている。
鋳鋼の組成:炭素(C)0.1〜0.8質量%,珪素(Si)0.3〜1.0質量%,マンガン(Mn)0.5〜1.2質量%,バナジウム(V)0.1〜0.5質量%,スズ(Sn)0.01〜0.05質量%,クロム(Cr)0.1〜1.5質量%,銅(Cu)0.2〜1.0質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなる。
<製造方法の概要>
次に、本実施形態のリングギヤ一体型デフケース12の製造方法の概要について説明する。まず、上述の組成の鋳鋼を用いた鋳造により、リングギヤ一体型デフケース12の元となる鋳造品を製造する。
次に、この鋳造品に対して、鋳鋼による鋳造品に対して通常行われる、組織調質のための熱処理(偏析・粗大組織の分解や内部応力緩和等)を行う。この熱処理は、700〜950℃で1〜3時間保持した後に、空冷又は炉冷することによって行われる。この熱処理によって、リングギヤ22として必要とされる強度特性が確保される。
熱処理後の鋳造品は、切削等によって、リングギヤ一体型デフケース12に相当する形状に加工される。その後、リングギヤ22に対応する部分に対して、浸炭処理、ショットピーニング、表面硬化焼入れ、等の表面硬化処理が施される。最後に、研磨等の最終加工が施されることで、リングギヤ一体型デフケース12が完成する。
なお、本実施形態においては、鋳鋼の組成が上述の通りであるため、きわめて良好な生産性(鋳造性や鋳造後の被削性)及び強度特性が実現される。これについて以下詳述する。
具体的には、例えば、炭素には、強度及び鋳造性(鋳造時の湯流れ性)を向上させる効果がある。このため、含有量が上述の範囲を下回ると、炭素による鋳造性の向上効果が充分には得られなくなる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、パーライト量の増加に伴う靭性や被削性の低下につながる可能性がある。
珪素の含有量が上述の範囲を下回ると、珪素の固溶量の低下に伴う強度低下につながる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、非金属介在物としての偏析の量の増大に伴う靭性や被削性の低下につながる可能性がある。
マンガンは、パーライト化促進元素であり、含有量が上述の範囲を下回ると、強度の低下につながる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、靭性の低下や熱処理時の脆化につながる可能性がある。
バナジウムには、析出硬化による強度向上の効果がある。このため、含有量が上述の範囲を下回ると、引張強度の向上効果が充分には得られなくなる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、靭性の低下につながる可能性がある。
スズの含有量についても、上述の範囲を下回ると、引張強度の向上効果が充分には得られなくなる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、靭性の低下につながる可能性がある。
クロムには、炭化物の生成による強度向上の効果がある。このため、含有量が上述の範囲を下回ると、引張強度の向上効果が充分には得られなくなる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、靭性の低下につながる可能性がある。
銅の含有量については、上述の範囲を下回ると、引張強度の向上効果が充分には得られなくなる可能性がある。一方、含有量が上述の範囲を上回ると、被削性や靭性の低下につながる可能性がある。
したがって、各元素の含有量を上述の範囲内とすることで、鋳鋼を用いた鋳造により継ぎ目なく一体に形成されたリングギヤ一体型デフケース12において、良好な強度特性に加えて、鋳造性や鋳造後の被削性が非常に良好となることによる優れた生産性という、顕著な効果が得られる。
特に、マンガン及びバナジウムについては、以下の式を満たすように含有されていることが好ましい。これにより、きわめて良好な機械的特性(引張強度及び伸び)が実現される。
2.3<(Mn+5・V)<2.7・・・(1)
(式(1)中、「Mn」はマンガン(Mn)の質量%,「V」はバナジウム(V)の質量%)
<効果>
以下、本実施形態の構成によって得られる効果について、具体的な実施例と比較例との対比を用いつつ説明する。
表1は、引張強度、伸び及び疲労強度について評価した結果を示す。表中、「実施例」は、以下の組成の鋳鋼である:炭素(C)0.48質量%,珪素(Si)0.42質量%,マンガン(Mn)1.00質量%,バナジウム(V)0.27質量%,スズ(Sn)0.02質量%,クロム(Cr)0.38質量%,銅(Cu)0.35質量%,リン(P)0.02質量%,硫黄(S)0.01質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなる。
また、比較例のうち、「FCD450」、「FCD600」及び「S50C」は、デフケースとリングギヤとを別体に形成して後から締結や溶接等で接合する構成における、デフケース材として用いられるものであり(FCDは球状黒鉛鋳鉄を示す)、「SCM420」は、このような構成における、リングギヤ材として用いられるものである(SCMはクロムモリブデン鋼を示す)。なお、「S50C」は、窒化後のものであり、「SCM420」は、浸炭後のものである。
引張強度及び伸びは、以下のようにして評価した。まず、所定の組成に調製した溶湯を、1インチYブロック形状のキャビティを有する砂型に注湯して固化・冷却後、砂型から1インチブロック形状の供試材を取り出した。この供試材から、切り出し加工により、JIS4号試験片(D=14mm、R=15mm、L〔標点距離〕=50mm、P〔平行部〕=60mm)を得た。この試験片を用いて、株式会社島津製作所製の精密万能試験機「オートグラフ」(登録商標)により、金属材料引張試験方法(JIS Z 2201−1980)に準じて試験を行い、応力−ひずみ線図から引張強度(最大応力)及び伸び(破断伸び)を求めた。なお、引張強度及び伸びは、主としてデフケース部分の機械的強度(薄肉化等による軽量化の可能性)に関するものであるため、リングギヤ材であるSCM420については、引張強度及び伸びの評価は省略した。
疲労強度は、以下のようにして評価した。まず、上述の供試材から、切り出し加工により、JIS1号試験片(d=8mm、R=24mm、L〔平行部〕=16mm)を得た。この試験片を用いて、回転曲げ疲れ試験方法(JIS Z 2274)に準じて試験を行うことにより、試験片の疲労強度(繰返し数が10回における繰返し応力)を求めた。
Figure 2015083709
表1の評価結果から明らかなように、本実施例によれば、比較例のデフケース材よりも高い引張強度が得られた。また、本実施例によれば、各比較例よりも高い疲労強度が得られた。特に、本実施例においては、浸炭前であるにもかかわらず、浸炭後の従来のリングギヤ材よりも疲労強度が高くなった。さらに、伸びについても、本実施例においては、FCD600よりも良好な値が得られるとともに、S50Cには及ばないものの、FCD450と同等の値が得られた。すなわち、本実施例においては、比較例とは異なり、高い引張強度及び疲労強度と、良好な伸び特性とが、両立している。したがって、本実施例によれば、リングギヤ22として必要とされる強度特性が良好に確保されるとともに、デフケース21における軽量化(薄肉化等)が可能となる。
表2は、マンガン及びバナジウムの含有量による、引張強度及び伸びの影響を評価するための実験データを示す。図2及び図3は、表2の実験データをグラフ化したものである。なお、表中の「合金係数」は、上記の式(1)における中辺(Mn+5・V)の計算値である。また、図2及び図3における破線の水平線は、引張強度及び伸びの目標値であり、それぞれ、850MPa以上,8%以上である。
Figure 2015083709
また、図2及び図3の評価結果から明らかなように、鋳鋼の組成が上記式(1)を満たすように調整されることで、上述のような引張強度及び伸びの目標値が達成され、きわめて良好な機械的特性(具体的には引張強度や伸び)が実現される。
<変形例>
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の一部、及び、複数の変形例の全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明は、上述した具体的な装置構成に限定されない。すなわち、ディファレンシャルギヤ機構11やリングギヤ一体型デフケース12の構造や形状は、図1に示された具体的な態様に限定されない。
上述した実施例における特定の鋳鋼組成は、あくまで一つの例示であって、各元素の含有量が上述の範囲内であることにより、上述のようなきわめて良好な特性が得られる。
10…ディファレンシャル装置、11…ディファレンシャルギヤ機構、12…リングギヤ一体型デフケース、21…デフケース、22…リングギヤ。

Claims (3)

  1. ディファレンシャルギヤ機構を収容可能に形成されたデフケースと、このデフケースと一体的に回転するように設けられたリングギヤと、を備えたディファレンシャル装置部品であって、
    前記デフケースと前記リングギヤとは、鋳鋼により継ぎ目なく一体に形成されたことを特徴とする、ディファレンシャル装置部品。
  2. 前記鋳鋼は、珪素(Si)0.3〜1.0質量%,マンガン(Mn)0.5〜1.2質量%,バナジウム(V)0.1〜0.5質量%,スズ(Sn)0.01〜0.05質量%,クロム(Cr)0.1〜1.5質量%,銅(Cu)0.2〜1.0質量%を含み、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1に記載のディファレンシャル装置部品。
  3. 前記鋳鋼は、下記の式(1)を満たす組成を有することを特徴とする、請求項2に記載のディファレンシャル装置部品。
    2.3<(Mn+5・V)<2.7・・・(1)
    (式(1)中、「Mn」はマンガン(Mn)の質量%,「V」はバナジウム(V)の質量%)
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