JP2015083313A - Bi基はんだ合金、並びにそれを用いた電子部品のボンディング方法および電子部品実装基板 - Google Patents

Bi基はんだ合金、並びにそれを用いた電子部品のボンディング方法および電子部品実装基板 Download PDF

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Abstract

【課題】Pbを実質的に含まず、固相線温度265℃以上、液相線温度390℃以下を有し、機械加工性、機械的強度および接合信頼性に優れ、ベアCuフレーム基板に電子部品をボンディングするのに適したBi基はんだ合金の提供。
【解決手段】AgとAlを含有し、実質的にPbを含まずBiの含有率が80質量%以上、かつ融点の固相線が265℃以上、液相線が390℃以下のBi基はんだ合金であって、Agの含有量が0.6〜18質量%、また、Alの含有量が0.1〜3質量%、かつAgの含有量の1/20〜1/2であり、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む粒子を分散させてなり、さらにPまたはGeの1種以上を0.001〜0.3質量%含有することを特徴とするBi基はんだ合金などにより提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、Bi基はんだ合金、並びにそれを用いた電子部品のボンディング方法および電子部品実装基板に関し、さらに詳しくは、Pbを実質的に含まず、固相線温度が265℃以上、液相線温度が390℃以下であり、機械加工性、機械的強度および接合信頼性に優れたBiはんだ合金、並びに、それを用いた接合表面がCu面となっているベアCuフレーム電子部品へのボンディング方法および電子部品実装基板に関する。
電子部品を接合する際、まず半導体素子チップなどの電子部品をリードフレームへはんだで接合(ダイボンディング)し、次に、はんだを再溶融(リフロー)して半導体パッケージなどのプリント基板へ実装することが一般に行われている。
従来から、電子部品の基板への実装には、中低温用はんだとしてSn/37質量%Pbの共晶はんだ(融点183℃)が広く用いられ、実装時、220〜230℃でリフローが行われていた。一方、電子部品内部における接合には、実装時のリフロー温度(220〜230℃)での再溶融による接続不良を防ぐため、実装時のリフロー温度よりも高い温度の固相線温度を有する高温用はんだ、Pb/5質量%Sn(固相線温度305℃)、Pb/3質量%Sn(固相線温度315℃)が用いられてきた。
しかし、鉛(Pb)入りはんだを用いた製品は、廃棄処分後、製品からPbが流出して土壌に浸透し、農作物等に蓄積して人間に健康被害を及ぼす危険性が指摘され、さらに、酸性雨による廃棄処分された製品からのPbの流出の加速が指摘されていることから、近年、Pbを含まない無鉛はんだの開発が盛んに行われている。
中低温用のPb入りはんだの代替品としては、Sn−Ag−Cu等のPbを含まない無鉛はんだが実用化されている。
しかしながら、Sn−Ag−Cu等の無鉛はんだの融点は、従来のSn/Pb共晶はんだより高く約220℃前後であり、実装時のリフロー温度は250〜260℃付近となる。このため、リフロー温度260℃で10秒間保持するサイクルを5回程度繰り返した後でも、電子部品内部の接合信頼性等に問題が生じない高温用の無鉛はんだが必要とされる(特許文献1)。
すなわち、高温用の無鉛はんだには、熱放散性、応力緩和性、耐熱疲労特性、電気伝導性等の特性以外に、実装時のリフロ−温度(すなわち、250〜260℃)での再溶融による接続不良を防ぐため、少なくとも260℃以上の固相線を有することが必要であり、リフロー時の温度のばらつき(5℃程度)を考慮すると、265℃以上の固相線温度が要求される。
また、無鉛はんだの液相線温度が400℃以上の場合、ダイボンディング時の作業温度を400℃以上に上げる必要があり、チップ特性の変化、部材酸化の促進等の悪影響が生じる可能性がある。したがって、液相線温度は、400℃未満である必要があり、実際の生産工程を考慮すると390℃以下が望ましく、さらには350℃以下であることが望ましい。
260℃〜350℃の融点を持つ無鉛はんだとして、Au−Snはんだ、Bi−Agはんだ等が提案されている。このAu−Snはんだは、融点が280℃であり、実装時の再溶融の問題はないが、高価であり、コスト上実用的でないために、Bi−Agはんだのほうが数多く提案されている。
Bi−AgはんだでもBi/2.5質量%Ag共晶はんだ(融点262℃)は、代表的なものであるが、固相線温度が265℃未満であるため、実装時に再溶融の問題が発生する場合がある。また、Biはんだに特有の脆弱な機械的特性を有し、そのまま適用した場合、接合信頼性、機械加工性及び装置による連続供給性に悪影響を及ぼす。
特許文献2には、Bi30〜80質量%のBi/Agはんだが開示されているが、固相線は262℃であり、再溶融の可能性がある。また、液相線温度が400〜700℃と高いため、チップ特性の変化、部材酸化の促進等の悪影響が生じる恐れがある。
また、特許文献3には、Biを含む多元系はんだの製造方法が開示され、液相線温度のばらつきが減少し、融点を250〜300℃とすることが記載されている。しかし、Bi系はんだ特有の脆弱な機械的特性の改善については記載されていない。
また、特許文献4には、BiにAl、Cuを含み、さらにSn含むはんだ合金が提案されている。しかしSnを加えることで、合金組成によっては139℃の低融点層が出現し、260℃でのリフロー時に再溶融が発生してしまう恐れがある。
さらに、高温用の無鉛はんだには、パワーデバイス等での大電流・大量発熱によるはんだ接続部への熱応力に対する十分な信頼性や、はんだワイヤー等のプリフォーム形状のはんだ(プリフォームはんだ)への機械加工性、ダイボンダー等の電子部品組立機器による連続供給の使用可能性が実用上要求されるが、従来のBi−Agはんだは、機械的特性の脆弱性から、ペースト状でしか供給が出来ず、プリフォームはんだの代替としては不十分な面が多かった。
また、はんだ合金が塗布されるリードフレームアイランド部には、予めAgメッキが施されていることもあるが、Agの代わりにNiメッキ処理されることもあり、車載関係のデバイスで近年多用されている。それは信頼性試験での温度サイクル試験等で接合界面反応層の成長が抑制されることもあり、長期信頼性が高いメッキとされているからである。一方、費用を低減させるために、これらAgメッキやNiメッキなどの処理がなされない場合があり、ベアCuフレームと称されている。このベアCuフレームは、トランジスタ等の汎用デバイスで多用されているが、このベアCuフレームでの濡れ広がりが重要とされている。
ところが、はんだ合金がリードフレームアイランド部に塗布されると、Cuがはんだ中の特定元素、例えばSnと優先的に反応を始めるが、その表面に酸化膜があるために濡れ広がりの低下に影響を及ぼしやすい。しかもCuはBi系はんだ合金やPb系はんだ合金には殆ど溶け込まないために、濡れ広がりはAgメッキよりも低下する傾向にある。すなわち、ベアCuフレームでは、表面の酸化が進行しやすく、表面粗さの影響ではんだ濡れ広がりが悪くなりやすいという課題があった。このように、はんだ合金には、ベアCuフレームへのボンディング時に濡れ広がりを低下させないようにする改良が要請されていた。
特開2002−321084号公報 特開2002−160089号公報 特開2006−167790号公報 特開2012−066270号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、Pbを実質的に含まず、固相線温度が265℃以上、液相線温度が390℃以下であり、機械加工性、機械的強度および接合信頼性に優れたBiはんだ合金、並びにそれを用いた接合表面がCu面となっているベアCuフレーム電子部品へのボンディング方法および電子部品実装基板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、従来のBi−Agはんだにおいて、さらに特定量のAlを混合し合金化し、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む粒子が分散するようにすると、ボンディングの際、熱による電子部品の劣化・損傷が発生したり、はんだリフロー時の熱による再溶融の不具合が発生したりせず、接合信頼性の高いBi基はんだ合金が得られ、この合金にさらにP又はGeを添加すると、ベアCuフレームへのボンディング時に濡れ広がりを低下させることなく電子部品を接合しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、AgとAlを含有し、実質的にPbを含まずBiの含有率が80質量%以上、かつ融点の固相線が265℃以上、液相線が390℃以下のBi基はんだ合金であって、Agの含有量が0.6〜18質量%、また、Alの含有量が0.1〜3質量%、かつAgの含有量の1/20〜1/2であり、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む粒子を分散させてなり、さらにPまたはGeの1種以上を0.001〜0.3質量%含有することを特徴とするBi基はんだ合金が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記粒子全体の総体積に対して、97体積%以上の粒子が粒径50μm未満であることを特徴とするBi基はんだ合金が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、Alの含有量がAgの含有量の1/15〜1/4であることを特徴とすることを特徴とするBi基はんだ合金が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3の発明において、さらに、Cuを0.01〜1質量%含有することを特徴とするBi基はんだ合金が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜3の発明において、はんだ合金の溶湯を鋳型に流し込んだ後、260℃まで3℃/sec以上の冷却速度で速やかに冷却固化させることで、AgとAlとの金属間化合物を含む粒子が合金内で分散されることを特徴とするBi基はんだ合金が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明に係るBi基はんだ合金を使用して、Cu材表面にメッキによるAg層やNi層が形成されていないベアCuフレーム基板に電子部品をボンディングすることを特徴する電子部品のボンディング方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明に係るBi基はんだ合金を用いて、リフロー作業ピーク温度を260〜265℃として電子部品を実装した電子部品実装基板が提供される。
本発明のBi基はんだ合金は、Pbを実質的に含まず、固相線温度が265℃以上、液相線温度が390℃以下であり、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む微細な粒子が分散しているので、ボンディングの際、熱による電子部品の劣化・損傷が発生したり、はんだリフロー時の熱による再溶融の不具合が発生したりせず、接合信頼性の高いBi基はんだ合金を提供することができ、電子部品内部の接合であるダイボンディング等に好適に用いることができる。また、機械的強度および機械加工性の向上により、ワイヤー状のプリフォームはんだの成形・巻取りが可能となり、特にダイボンディング用高温はんだ合金のプリフォーム材として適している。
また、添加元素として上記Ag、Alのほか、さらに、PまたはGeのいずれか一種以上を含んでいるので、はんだの濡れ性を改善し、接合時のボイド発生を低減させることができベアCuフレームに対する接合強度を低下させることがない。
さらに、本発明のBi基はんだ合金を用いた電子部品や、基板への電子部品のボンディング方法により、チップ特性の変化や部材酸化が発生せず、機械的強度が高い電子部品実装基板を提供することができる。
本発明のBi基はんだ合金を用いた半導体パッケージの一例を示す断面図である。 従来のBi基はんだ合金(Bi/2.5Ag)の融点測定結果を示すチャートである。 本発明のベースとなるBi基はんだ合金(Bi/5Ag/1Al)の融点測定結果を示すチャートである。 従来のBi基はんだ合金(Bi/2.5Ag)の引張試験結果を示すチャートである。 本発明のベースとなるBi基はんだ合金(Bi/5Ag/1Al)の引張試験結果を示すチャートである。
本発明は、Bi−Agに特定量のAlを含有し、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む粒子を分散させてなるBi基はんだ合金、並びにそれを用いた電子部品のベアCuフレームへのボンディング方法および電子部品実装基板に関する。
1.Bi−Ag
本発明のBi基はんだ合金は、周期表のVa族元素に属し、結晶構造が対称性の低い三方晶(菱面体晶)で非常に脆弱な金属のBiを主成分とする。
従来のBi−Agはんだは、前記のとおり、鉛を含まず、電子部品の基板実装時のリフロー温度上限260℃より高い固相線を有する高温はんだとして知られている。例えば、Bi−2.5質量%Agはんだは、共晶型合金であり、固相線温度が262℃で、純Biの融点271℃より約9℃低いものである。
また、従来のBi−Agはんだにおいては、図5から明らかなように、Bi/2.5Agの共晶型はんだ合金でも8%程度の伸び率しか示さない。この脆弱性のため、従来のBi−Agはんだでは、接合時やその後の信頼性試験で不具合が発生しやすく、またプリフォームはんだへの機械加工性・ダイボンダー等の電子部品組立機器による連続供給性を確保することができなかった。
そこで、本出願人は、Bi−Agはんだの固相線温度を上昇させるため、Biと組み合わせた場合、Bi−Ag共晶より融点の降下が少ないかまたは降下しない元素のAlに着目した結果、Agに対して特定の割合でAlを含有させることで、高い固相線温度と適度な液相線温度を有し、機械的強度、機械加工性等を向上させることができた。
すなわち、本発明では、Bi−Agはんだをベースとして、AgとAlの割合を特定範囲にすることにより、265℃以上の固相線温度が得られるようにした。また、本発明のBi基はんだ合金は、基板に実装後も再溶融することなく、電子部品内部のはんだの初期状態を保つことができ、かつ、機械的強度、機械加工性等に優れるものである。
以下、本発明のBi基はんだ合金に用いられる各成分、得られるはんだ合金を用いた電子部品のボンディング方法、実装基板等について詳細に説明する。
本発明においてBiの含有量は、他の必須添加元素であるAg、Alなどの添加量に応じて決まるが、はんだ合金の全量に対して、80質量%以上でなければならない。Biの含有量が80質量%未満になると、液相線の上昇が大きくなり、チップ特性の変化・部材酸化の促進等の悪影響を生じる恐れがある。
本発明のはんだ合金において、Agは、Alとともに、後述するAg−Al金属間化合物を形成し、その粒子がBi中に分散することで、Biマトリックスの脆弱性を分散強化として改善する。
Agの含有量は、0.6〜18質量%とする。Ag含有量が0.6質量%未満であると、Ag−Al化合物が十分に発生せずBiマトリックスの脆弱な機械的特性が支配的になり、伸びが十分改善されずに接合信頼性、はんだの機械加工性、組立機器による連続供給性を確保することが出来ない。また、Agの含有量が18質量%を超えると液相線が上昇し、390℃での組立時にはんだの濡れ広がりが不良となるため接合信頼性が低下する。
2.Al
本発明のBi基はんだ合金において、Alは、Bi−Agはんだの固相線温度を上昇させ、さらに、Bi系はんだ特有の脆弱な機械的特性を改善する。
Alの含有量は、0.1質量%以上、3質量%以下である。Alの含有量が0.1質量%未満であると、Bi−Ag固相線温度上昇が不十分で265℃以上にならず、再溶融による接合信頼性不良を発生する可能性があり、一方、3%超であると、液相線温度が上昇し、390℃以下の接合作業温度では濡れ不良が出現する。
Alの量は、Agの含有量に応じて決まり、すなわち、Ag−Al状態図では、5〜33wt%Alの比率で、中間層ζ相のAgAl金属間化合物、中間層μ相のAgAl金属間化合物が存在することから、Agの含有量の1/20〜1/2とする。この範囲を外れると、はんだの濡れ性が不良で接合信頼性がなくなる。好ましいAlの量は、Agの含有量の1/15〜1/4である。
本発明のBi−Ag−Al合金では、はんだ合金内にAg−Al金属間化合物が粒子状で存在する。このAg−Al金属間化合物粒子がBi中に分散することで、Biマトリックスの脆弱性を分散強化して改善する事ができる。ここで、Ag−Al金属間化合物とは、AgとAlを含む金属間化合物を指すが、AgまたはAl金属のいずれかの量が極めて少ない化合物や必須元素のP又はGeも包含し、さらには後述する任意成分のCu金属との化合物をも含むものとする。
Ag−Al金属間化合物を含む粒子は、粒径が50μmよりも小さいことが好ましい。また、粒径50μm未満のものが、粒子総体積に対して、97体積%以上であることが好ましく、98体積%以上であることがより好ましく、99体積%以上であることが特に好ましい。粒径50μm以上の粒子が3体積%以上になると、局所的に化合物による分散強化されずBiマトリックスの脆弱性が残り、その部分から破壊が起こり全体として脆弱性が改善されない恐れがあるからである。この場合には、接合信頼性不足や取扱い不良の原因になる。Ag−Al金属間化合物を含む粒子の粒径は、40μmよりも小さいことがより好ましく、30μmよりも小さいことが特に好ましい。
なお、Ag−Al金属間化合物を含む粒子は、光学顕微鏡観察によって析出粒子の大きさや分布状態を容易に判別することができる。粒径の測定は、各試片を200倍の光学顕微鏡で観察し、視野中の全金属間化合物を含む粒子の数を計数すると共に、粒子の断面径を測定し、その測定値を1.12倍して求められる。この粒径をもとにすべての金属間化合物粒子を真球として各金属間化合物粒子の体積を計算し、すべての粒子中の粒径50μm未満の粒子割合が体積%で算出される。
3.P、Ge
本発明のBi基はんだ合金は、添加元素として上記のほか、さらに、PまたはGeのいずれか一種以上を含んでいる。PまたはGeは、はんだの濡れ性を改善し、接合時のボイド発生を低減させるために添加する。P、Geを添加すると、P、Geが優先的に酸化され、はんだの表面の酸化が抑制されるため、はんだの濡れ性を改善し、接合時のボイド発生を低減できる。
P、Geの添加量は0.001〜0.3質量%である。P、Geの添加量が0.3質量%を超えると、P、Geが多くの酸化物を形成することになり、濡れ性に悪影響を及ぼすことになる。また、P、Geの添加量が0.001質量%を下回ると、添加効果が不十分になる。PまたはGeの含有量は、0.003〜0.08質量%が好ましく、0.005〜0.05質量%がより好ましい。
4.Cu
本発明のBi基はんだ合金は、添加元素として上記のほか、さらに任意成分としてCuを含むことができる。CuはベアCuフレームとの反応を促進し、濡れ広がりを改善する効果がある。
はんだ中のベアCuフレームへの拡散元素として、Alが優先的に移動し反応する事が多いが、はんだ中に添加されたCuが存在すると、ベアCuフレーム表面との間でCu原子同士での拡散移動が起こり、結果として濡れ広がりを改善する効果が得られる。
またCuはBi−Ag−Al合金の液相線温度より高い温度で析出する元素のため最初に析出する初晶成分となり、後から析出するAg−Al化合物やマトリックスの結晶粒を微細に析出させる効果があり、全体として凝固組織の粗大化を抑制することができる。その結果、はんだの組織はCuを添加しない場合に比べて微細な凝固組織となり、クラックが発生しにくくなる。
Cuの添加量は0〜1質量%である。Cuの添加量が1質量%を超えると、粗大な初晶成分として、生成されることがある。また、Cuの添加量が0.01質量%を下回ると、凝固組織の微細化に十分に寄与しなくなることがあるため、Cuの含有量は、0.01〜1質量%がより好ましく、0.03〜0.8質量%がさらに好ましい。
本発明のはんだ合金は、実質的にPbを含まず、Bi、Ag、Alのほかに、P又はGeを必須添加成分とし、さらに任意の添加成分として、Cuを含むことができる。ここで実質的にとは、不可避的な不純物として含みうることをいう。はんだ合金中には、PbやSb、Te等の不可避不純物を、本発明のはんだ合金の性質に影響を及ぼすことのない範囲で含むことができる。
不可避不純物を含む場合、固相線温度や濡れ性、接合信頼性への影響を考慮して、総計が100ppm未満であることが望ましい。
4.Bi基はんだ合金の製造
本発明のBi基はんだ合金の製造方法は、特に限定されず、上記した各成分を用いて、従来公知の方法により製造することができる。
原料としては、はんだ合金内に粒径50μm未満の粒子(AgとAlとの金属間化合物)を形成するために、ショット形状または個片加工品の直径が5mm以下、特に3mm以下の微細なものを用いることが好ましい。
この原料を溶解炉に入れ、原料の酸化を抑制するために窒素や不活性ガス雰囲気とし、500〜600℃、好ましくは500〜550℃で加熱溶融させる。このとき、溶解温度500℃以上の溶湯を鋳造する際に、例えば、内径が30mm以下で肉厚が10mm程度の円筒状の黒鉛製鋳型を使用することができる。金属が溶融しはじめたらよく攪拌し、局所的な組成のばらつきが起きないように十分に攪拌を続ける。攪拌時間は、装置や原料の量などによっても異なるが、1〜5分間とすることが好ましい。
その後、この鋳型の外側に熱伝導性の良い材料、例えばCuからなる冷やし金を密着させるか、望ましくは中空構造として冷却水を通水した冷やし金を密着させ、この鋳型に溶湯を流し込んだ後、組成にもよるが260℃程度まで3℃/sec以上、より好ましくは20℃/sec以上の冷却速度で速やかに冷却固化させることが望ましい。このような方法によって、ほとんどの析出粒子の粒径が50μm未満であるはんだ材の鋳塊を、確実に安定して作製することができる。
また、生産性を考慮して連続鋳造法を用いる場合には、連続鋳造してできる鋳塊の断面積が小さくなる形状とすることが好ましい。例えば、内径が30mm以下のダイスを用い、且つ溶湯を短時間で冷却固化させるために、ダイスを水冷ジャケットで覆って50℃/sec以上の冷却速度で冷却することが望ましい。
こうして得られる本発明のBi基はんだ合金は、Pbを実質的に含まず、固相線温度265℃以上、液相線温度390℃以下であることにより、基板に実装後も再溶融することなく電子部品内部のはんだの初期形状を保つことができる。
固相線温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定され、好ましくは265℃以上、より好ましくは267℃以上である。また、液相線温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)測定及び溶融試験を用いて確認され、好ましくは、390℃以下、より好ましくは380℃以下である。
また、本発明のBi基はんだ合金は、機械的強度、機械加工性および接合信頼性に優れるものである。
本発明のBi基はんだ合金は、伸び率が、好ましくは15〜50%、より好ましくは20〜45%である。なお、伸び率及び引張強度は、例えば0.75mmφに押し出し加工を行い、ワイヤー形状のプリフォームはんだを作製した後、引張試験機(テンシロン万能試験機)により測定される。
5.電子部品のボンディング方法および電子部品実装基板
本発明のBi基はんだ合金は、電子部品のボンディング方法に使用され、電子部品実装基板を容易に製造することができる。
一例として、図1に、本発明のBi基はんだ合金を用いた電子部品の半導体パッケージの断面図を示した。この半導体パッケージは、リードフレームアイランド部4中央の表面に本発明のBi基はんだ合金3を塗布し半導体チップ1を載せ、はんだ付け(ダイボンディング)された後、半導体チップ1上の電極2がボンディングワイヤ6を介してリードフレーム5に接続され、そして、それらの全体がリードフレーム5の外周部を除きモールド樹脂7で覆われる。
本発明のはんだ合金3が塗布されるリードフレームアイランド部4には、予めAgメッキや、Agの代わりにNiメッキが施されることもあるが、前記のように、費用を低減させるために、これらAgメッキやNiメッキなどの処理がなされない場合があり、ベアCuフレームと称されている。ベアCuフレームでは、このベアCuフレームでの濡れ広がりが重要とされているが、はんだ合金3がリードフレームアイランド部4に塗布されると、Cuがはんだ中の特定元素、例えばSnと優先的に反応を始めるが、その表面に酸化膜があるために濡れ広がりの低下に影響を及ぼしやすい。しかもCuはBiやPbには殆ど溶け込まないために、濡れ広がりはAgメッキよりも低下する傾向にある。すなわち、ベアCuフレームでは、表面の酸化が進行しやすく、表面粗さの影響ではんだ濡れ広がりが悪くなりやすいという課題があった。
ところが、本発明では、はんだ合金にP又はGeが添加されているために、濡れ性の低下が抑制される。すなわち、AgはAlと金属間化合物をつくりながら金属反応をおこし、さらに溶融したBiとも共晶組成となり、はんだ中に溶け込んでいく。このとき、はんだ合金中のP,Geによって金属間化合物の組織が微細になり、さらにベアCuフレームでの濡れ広がりが向上する。また、P、Geが優先的に酸化され、はんだの表面の酸化が抑制されるため、はんだの濡れ性を改善し、接合時のボイド発生を低減される。
すなわち、本発明の電子部品のボンディング方法では、Bi基はんだ合金を使用して、Cu材表面にAg層やNi層が形成されていないベアCuフレームの実装基板に電子部品をボンディングすることが好ましい。
はんだ付け(ダイボンディング)された半導体チップ1は、基板へ実装される際、リフロー温度の260℃付近に加熱されるが、本発明のBi基はんだ合金の固相線温度が265℃以上なので、電子部品は、チップ特性の変化や部材酸化が発生せず、機械的強度を維持することができる。
すなわち、本発明の電子部品実装基板は、前記Bi基はんだ合金を用いて、リフロー作業ピーク温度を260〜265℃として電子部品を実装したものである。なお、電子部品実装用の基板としては、従来公知の基板を用いることができ、セラミックが一般的であるが、プリント基板やSi基板を用いることもできる。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた測定方法、評価方法は、以下の通りである。
1.測定方法、評価方法
(1)固相線温度、液相線温度
示差走査熱量測定装置(DSC)測定及び溶融試験を行い確認した。
(2)引張強度、伸び率
まず、表1に示される各成分組成のBi合金を後述する方法により大気溶解炉を用いて溶製し、0.75mmφに押し出し加工を行い、ワイヤー形状のプリフォームはんだサンプルを作製した。
得られたはんだワイヤー0.75mmφを所定の長さに切断して引張強度測定用の試験サンプルとした。これを引張試験機(装置名:テンシロン万能試験機)にセットし、自動測定で引張強度及び伸び率を測定した。
(3)Ag−Al金属間化合物の観察と粒子径
まず、表1に示される各成分組成のBi合金を用意し大気溶解炉を用いて溶製し、0.75mmφに押し出し加工を行い、ワイヤー形状のプリフォームはんだサンプルを作製した。
得られた0.75mmφワイヤーを樹脂に埋め込み、断面研磨を行った。これを常温の硝酸水溶液(硝酸濃度20%)に5秒間浸漬してエッチングすることにより、断面の合金組織観察を行うための試片とした。
この試片は、主元素のBi母相は腐食して黒く見える一方、金属間化合物等の析出粒子は白く光って見えるため、光学顕微鏡観察によって析出粒子の大きさや分布状態を容易に判別することができる。各試片を200倍の光学顕微鏡で観察し、視野中の全金属間化合物を含む粒子の数を計数すると共に、粒子の断面径を測定し、その測定値を1.12倍したものを粒径とした。この粒径をもとにすべての金属間化合物粒子を真球として各金属間化合物粒子の体積を計算し、全粒子中の粒径50μm未満の粒子割合を体積%で算出した。
(4)濡れ性
ダイボンダー(NECマシナリー製、CPS−400)を窒素雰囲気中・350℃または390℃に設定し、前記(2)で得られた0.75mmφサンプルをセットし、Cu製リードフレームに供給した。その後、シリコンチップのダイボンディング面にAuを蒸着して作成したダミーチップをCu製リードフレームにダイボンディングした。
その際、はんだ濡れ性評価として、チップ辺からのはんだのはみ出しが無かった場合を「不良」、はみ出しがある場合を「良」と評価した。
(5)接合信頼性
上記のダミーチップをCu製リードフレームにダイボンディングしたサンプルをさらに、エポキシ樹脂でモールドした。モールドしたものを用いて、まず260℃リフロー試験し、その後−50℃/150℃の温度サイクル試験を500サイクル(あるいは700サイクル)実施した。その後に樹脂を開封してダイボンディングによる接合部の観察を行った。
信頼性評価として、チップおよび接合部に割れの発生がない場合を「良」としてサイクル数を示し、接合不良や割れが発生した場合を「不良」と評価した。
(実施例1〜13)
(1)はんだ合金(プリフォームはんだ)の製造
まず、原料として、Bi、Ag、Al、P、Ge、Cu(各元素の純度:99.99重量%以上)を準備した。原料は3mmφ以下のショット形状原料を用い、原料が大きな薄片やバルク状の場合は、溶解後の合金においてサンプリング場所による組成のバラツキがなく均一になるように留意しながら切断、粉砕等を行い、3mm以下の大きさに細かくした。次に、高周波溶解炉用グラファイト坩堝に、これら原料から所定量を秤量して入れた。
次に、原料の入った坩堝を高周波溶解炉に入れ、酸化を抑制するために窒素を原料1kg当たり0.7L/分以上の流量で流した。この状態で溶解炉の内部を500℃まで5℃/secの昇温速度で加熱し、原料を加熱溶融させた。金属が溶融しはじめたら撹拌棒でよく攪拌し、局所的な組成のばらつきが起きないように3分間撹拌を行った。十分溶融したことを確認した後、高周波電源を切り、速やかに坩堝を取り出し、坩堝内の溶湯をはんだ母合金の鋳型に流し込んだ。
鋳型には、内径が30mm以下で肉厚が10mm程度の円筒状の黒鉛製鋳型を使用し、この鋳型の外側に熱伝導性の良い材料(Cuからなり、中空構造として冷却水を通水した冷やし金)を密着させ、この鋳型に溶湯を流し込んだ後、組成にもよるが260℃程度まで5℃/secの冷却速度で速やかに冷却固化させた。
得られた固化物の一部をサンプルとして、はんだ合金内に形成された粒径50μm未満の粒子(AgとAlとの金属間化合物)の量を前記の方法で測定した。
その後、得られた固化物の残りを大気溶解炉に移して、下記条件で直径0.75mmに押出し加工を行いワイヤー形状のプリフォームはんだを製造した。なお、すべての実施例において、ワイヤー形状への加工・巻取りが可能であった。
(2)物性、性能試験
上記方法で得られたワイヤー形状のプリフォームはんだサンプルを用いて、固相線温度、液相線温度の測定、及び、Ag−Al金属間化合物を含む粒子径の観察及び測定を行った。
また、プリフォームはんだサンプルを、さらに、Cu製リードフレームにダイボンディングして、濡れ性評価をし、エポキシ樹脂でモールド後、温度サイクル試験及びリフロー試験を行い、接合信頼性を評価した。これらの結果を、表1に示す。
(比較例1〜12)
原料を表1に示す組成となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、はんだ合金を製造した。得られた固化物の一部をサンプルとして、はんだ合金内に形成された粒径50μm未満の粒子(AgとAlとの金属間化合物)の量を前記の方法で測定した。ワイヤー形状のプリフォームはんだを製造した。なお、すべての比較例において、ワイヤー形状への加工・巻取りが可能であった。
また、得られたワイヤー形状のプリフォームはんだサンプルを用いて、固相線温度、液相線温度の測定、及び、Ag−Al金属間化合物を含む粒子径の観察及び測定を行った。
また、プリフォームはんだサンプルを、さらに、リードフレームにダイボンディングして、濡れ性評価をし、エポキシ樹脂でモールド後、温度サイクル試験及びリフロー試験を行い、接合信頼性を評価した。これらの結果を、表1に示す。
Figure 2015083313
3.評価
実施例1〜13では、Al0.1〜3質量%、Agに対するAlの含有比(X)が、1/20≦X≦1/2の範囲であり、実施例3の図3の場合で代表されるように、それぞれ265℃以上の固相線温度が確認された。また、実施例1〜8については、断面観察により、はんだワイヤー中の添加物や金属間化合物化した粒子の97%以上が、粒径50μm未満になっていることを確認した。さらに、実施例1〜8では、実施例3の図5の場合で代表されるように、伸び率15%以上となり、脆弱性が改善されている事が確認できた。サイクル数の少ない500サイクルでチップおよび接合部に割れが発生せず、接合信頼性の評価結果は、「良」となった。これは、PやGeを含むため濡れ広がりが確保されて、信頼性が向上したためと考えられる。
実施例7〜8および実施例10〜11では、PまたはGeのほかにCuを含むため濡れ広がりが一層確保されて、サイクル数の多い700サイクルの温度サイクル試験によっても、チップおよび接合部に割れが発生せず、接合信頼性の評価結果が「良」となった。
次いで、モールドしたものの一部を基板に260℃で5回実装し、実装後のチップおよび接合部の異常の有無を調べた結果、いずれも異常は見られず、目立ったボイドも確認できなかった。よって、本発明に係るはんだで接合された部位は、リフロ−温度260℃に10秒間保持されることを5回程度経ても、溶融することなく保たれることを確認した。
また、本発明の範囲から外れる比較例1〜5は、PやGeを含まないか、その含有量が必要含有量の上下限を外れており、390℃における濡れ性試験でベアCuフレームに対しては濡れ広がり不足となり、濡れ性試験・信頼性試験の評価結果は、「不良」となった。なお、従来のBi/2.5Ag共晶はんだ合金の固相線・液相線は、図2のように、Bi単体の融点271℃から下がり状態図通り262℃であり、濡れ性試験は「良」であっても、Alを含有しないため図4のように、8%程度の伸び率しか示さず、脆弱な特性のため接合信頼性は「不良」となった。
また、比較例6〜7では、本発明の範囲内でGeを添加することで濡れ性は良好となったが、AgまたはAlが本発明の範囲外であり、信頼性試験時にはんだ層に割れが発生してしまい500サイクルの評価で不合格となった。
比較例8〜9は、本発明の範囲内でBi、Ag、Al、および、PまたはGeを配合したが、比較例8では、Agに対するAlの配合量が1/20未満であり、信頼性試験時にはんだ層に割れが発生してしまい500サイクルの評価で不合格となり、比較例9では、Agに対するAlの配合量が1/2を超えていたため、Alの偏析による濡れ不良が接合部の一部に発生し、接合不足の部位から割れが発生してしまい500サイクルの評価で不合格となった。
比較例10では、比較例6のはんだ合金に、本発明の範囲内でCuを添加したが、はんだ層の割れは改善されず、500サイクルの評価で不合格となった。比較例11では、比較例9のはんだ合金に、本発明の範囲内でCuを添加したが、濡れ不良は改善されず、500サイクルの評価で不合格となった。比較例12では、液相線が400℃であり、390℃の接合温度では一部溶け残っている状態となり、濡れ広がり不足となった。しかも一部接合されていない面があり、500サイクルの評価で不合格となった。
以上により、本発明のBi基はんだ合金で接合された部位には、電子部品を基板に実装するためのリフローの際においても剥離及びボイド等は発生せず、電子部品の特性に問題は生じないといえる。
本発明のBi基はんだ合金は、Pb/5Sn等の高温はんだの代替として、ベアCuフレーム基板用のプリフォームはんだやペーストはんだとして好適に用いることができ、パワーデバイスやパワーモジュール等の半導体パッケージのチップ接合等に特に好適に用いることができる。
1 チップ
2 電極
3 はんだ
4 リードフレームアイランド部
5 リードフレーム
6 ボンディングワイヤ
7 モールド樹脂

Claims (7)

  1. AgとAlを含有し、実質的にPbを含まずBiの含有率が80質量%以上、かつ融点の固相線が265℃以上、液相線が390℃以下のBi基はんだ合金であって、
    Agの含有量が0.6〜18質量%、また、Alの含有量が0.1〜3質量%、かつAgの含有量の1/20〜1/2であり、はんだ合金内にAgとAlとの金属間化合物を含む粒子を分散させてなり、さらにPまたはGeの1種以上を0.001〜0.3質量%含有することを特徴とするBi基はんだ合金。
  2. 前記粒子全体の総体積に対して、97体積%以上の粒子が粒径50μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のBi基はんだ合金。
  3. Alの含有量がAgの含有量の1/15〜1/4であることを特徴とする請求項1または2に記載のBi基はんだ合金。
  4. さらに、Cuを0.01〜1質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のBi基はんだ合金。
  5. はんだ合金の溶湯を鋳型に流し込んだ後、260℃まで3℃/sec以上の冷却速度で速やかに冷却固化させることで、AgとAlとの金属間化合物を含む粒子が合金内で分散されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のBi基はんだ合金。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のBi基はんだ合金を使用して、Cu材表面にメッキによるAg層やNi層が形成されていないベアCuフレーム基板に電子部品をボンディングすることを特徴する電子部品のボンディング方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のBi基はんだ合金を用いて、リフロー作業ピーク温度を260〜265℃として電子部品を実装した電子部品実装基板。
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