JP2015083286A - 脱イオン水製造システム及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換体が充填された脱塩室と脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備える少なくとも1つのセルが陰極と陽極との間に配置され、直流電源から陰極及び陽極に電圧が印加される電気式脱イオン水製造装置30と、この電気式脱イオン水製造装置30に対してその被処理水として逆浸透膜透過水を供給する逆浸透膜分離装置20と、を有する脱イオン水製造システムにおいて、システムを停止したのち運転を再開した際の立ち上げ時間を短縮する。【解決手段】脱イオン水製造システムの運転を停止しようとする際に、例えば、フラッシングなどによって、逆浸透膜分離装置20内で逆浸透膜21の1次側に存在する不純物の量を減少させる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気式脱イオン水製造装置(EDI(Electro Deionization)装置)を用いた脱イオン水製造システムに関し、特に、運転を停止したのちに再開する際の立ち上げ時間を短縮した脱イオン水製造システムの運転方法と、そのような運転方法に適した脱イオン水製造システムとに関する。
イオン交換樹脂などのイオン交換体に被処理水を通水させてイオン交換反応により脱イオンを行う脱イオン水製造装置が知られているが、このような装置は、イオン交換体のイオン交換基が飽和した場合に酸やアルカリなどの薬剤によってイオン交換体の再生を行う再生処理を行う必要があるので、連続運転を行えず、薬剤補充の手間もかかる、という課題を有する。そこで近年、これらの課題を解決するものとして、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置が開発され、実用化されている。
電気式脱イオン水製造装置では、カチオン(陽イオン)のみを透過させるカチオン交換膜とアニオン(陰イオン)のみを透過させるアニオン交換膜との間にイオン交換体(アニオン交換体及び/またはカチオン交換体)を充填して脱塩室を構成し、カチオン交換膜及びアニオン交換膜の外側に濃縮室を配置し、脱塩室とその両側の濃縮室とからなるものを基本構成としてこれを陽極と陰極との間に配置している。このとき、脱塩室から見て、脱塩室と陽極との間にアニオン交換膜が配置され、脱塩室と陰極との間にカチオン交換膜が配置される。陽極と陰極との間に直流電圧を印加した状態で脱塩室に被処理水を通水すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室内のイオン交換体に捕捉される。同時に、イオン交換膜とイオン交換体との界面あるいはイオン交換体とイオン交換体との界面において生じる電位差により水の解離反応が進行して水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)が生成し、この生成した水素イオンと水酸化物イオンとによって、先に捕捉されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分のうちカチオンは、直流電流によって駆動されてイオン交換体内を移動し、さらにカチオン交換膜を通過して陰極側の濃縮室に移動する。同様に、遊離したイオン成分のうちアニオンは、直流電流によって駆動されてイオン交換体内を移動し、さらにアニオン交換膜を通過して陽極側の濃縮室に移動する。これらの結果、脱塩室に供給された被処理水中のイオン成分は濃縮室に移行して脱塩室から処理水として脱イオン水が得られることとなり、同時に、脱塩室のイオン交換体も再生されることになる。濃縮室にはイオン成分が濃縮することとなるが、濃縮室に水を流すことによって、イオン成分を装置外に排出することができる。
上記では、[濃縮室(C)|アニオン交換膜(AEM)|脱塩室(D)|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室(C)]からなる基本構成(すなわちセル)が陽極と陰極との間に配置されているものとしたが、電極間にこのようなセルを複数個並置し、電気的には複数個のセルが一端を陽極とし他端を陰極として直列接続されるようにして処理能力の増大を図ることも可能である。この場合、隣接するセル間で隣り合う濃縮室を共有することができるから、電気式脱イオン水製造装置の構成としては、[陽極|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|C|AEM|D|CEM|…|C|陰極]の構成となる。このように1または複数のセルが配置されたものをEDIスタックと呼ぶ。EDIスタックの一端には陽極が配置され、他端には陰極が配置される。
電気式脱イオン水製造装置では、イオン交換体への不純物イオンの吸着とそのイオン交換体の電気的な再生、不純物イオンの濃縮室への移動という複数の過程によってイオンを除去する。このため、一般的なイオン交換樹脂を用いた吸着装置に比べ、装置を起動した時の水質の立ち上がりに時間がかかる傾向がある。特に、装置を一定時間運転したのちに装置を停止した場合に、運転再開時の水質の立ち上がりに長時間がかかることがある。これは、電気式脱イオン水製造装置は、その構成として、イオンが除去されイオン濃度が低減された脱塩室と、この脱塩室から移動してきたイオンによってイオン濃度が高められている濃縮室とが、イオン交換膜を挟んで配置しており、装置を停止したことによって陽極と陰極との間に電圧が印加されていないとすると、濃縮室と脱塩室とのイオン濃度の勾配に基づいてイオン成分が脱塩室に拡散して脱塩室内のイオン交換体に吸着してしまうからである。このため電気式脱イオン水製造装置では、その起動時に、脱塩室内のイオン交換体に吸着されている不純物イオンを再び濃縮室まで移動させる工程が必要となり、装置の運転停止前の状態に戻るまでに数時間から数十時間の時間を要するケースもあった。
なお、電気式脱イオン水製造装置では、再起動時の水質立ち上がり時間を短縮するために、装置を停止する際に電極への直流電圧の印加を停止した後も濃縮室への水の供給を続けることによって、濃縮室内に滞留して不純物イオンを多く含む水を装置外に排出する(ブローする)ようにすることがある。このブローは、再起動時の水質立ち上がりが遅くなる影響を極力抑えるように、濃縮室から排出される水の導電率が濃縮室に供給される水の導電率と同程度にまで低下するまで行われる。
脱イオン水に含まれるイオン濃度を可能な限り低くし、また電気式脱イオン水製造装置内でのスケールの発生を防止するためには、脱塩室に供給される被処理水におけるイオン濃度をあらかじめ低下させておくことが望ましい。そこで、電気式脱イオン水製造装置に対する前段装置として逆浸透膜分離装置を設け、逆浸透膜分離装置からの透過水が被処理水として電気式脱イオン水製造装置に供給されるようにすることが一般的であり、逆浸透膜分離装置と電気式脱イオン水製造装置とが組み合わされて脱イオン水製造システムが構成される。電気式脱イオン水製造装置自体は非イオン性不純物を除去できないが、逆浸透膜分離装置を設けることによって、微粒子状の非イオン性不純物を除去することも可能になる。
逆浸透膜分離装置では、その運転中に、逆浸透膜を挟んで1次側(原水が供給される側)と2次側(逆浸透膜を透過してきた透過水が得られる側)との間での不純物濃度の差が例えば数十倍となる。運転によってこのような不純物濃度差が生じたとして装置の運転を停止すると、逆浸透膜を介して1次側のイオンが2次側に濃度拡散する現象が発生し、その結果、次に逆浸透膜分離装置の運転を再開したときに、再開直後の透過水における不純物濃度が一時的に上昇する。このように不純物濃度が上昇した透過水が電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に被処理水として与えられると、電気式脱イオン水製造装置において十分な脱イオンがなされず、結果として、脱イオン水における不純物濃度が上昇することとなる。
上述したように、電気式脱イオン水製造装置では再起動時の水質立ち上がりに時間がかかり、また、逆浸透膜分離装置においても再起動時に透過水における不純物濃度が一時的に上昇するから、結局、逆浸透膜分離装置と電気式脱イオン水製造装置とを組み合わせた脱イオン水製造システムでは、システムの再起動時に水質立ち上がりに時間がかかることになる。電気式脱イオン水製造装置において装置の停止中にも濃縮室への水の供給を継続して濃縮室中の不純物イオン濃度を低減したとしても、再起動時に逆浸透膜分離装置から電気式脱イオン水製造装置に供給される透過水における不純物濃度が高いため、脱イオン水製造システムから得られる脱イオン水の水質立ち上がりに時間がかかることになる。
特許文献1には、脱イオン水製造システムにおいて再起動時に水質立ち上がりに時間がかかるという問題を解決するために、脱イオン水の需要がないときには生成した脱イオン水を逆浸透膜分離装置及び電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に循環させることにより脱イオン水製造システムを継続して運転させることや、あるいは、運転を停止する場合に、脱塩室や濃縮室への水の供給を停止した後も電気式脱イオン水製造装置の電極間に電圧を印加することが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、循環運転を行うことや直流電源を常時作動させることによる電力消費が無視できず、また、それに伴う循環水や脱塩室内の水の温度上昇が無視できなくなるなどの問題点がある。
電気式脱イオン水製造装置において濃縮室でのスケールの発生を防止し、運転電圧を低減するために、特許文献2には、濃縮室にイオン交換樹脂を充填することが開示されている。本発明者らの研究によると、このような濃縮室にもイオン交換樹脂が充填されている種類の電気式脱イオン水製造装置では、装置の運転の停止の際に直流電源の停止後も引き続いて濃縮室に対するブロー運転を行ったとしても、濃縮室内のイオン交換樹脂に吸着しているイオンを装置外に排出することは不可能であり、かつ、イオン交換樹脂に吸着しているイオンが徐々に脱塩室に拡散するので、運転再開時の水質立ち上がりの遅延を回避することができないことが明らかになった。
特開平9−57271号公報 特開2001−259646号公報
脱イオン水に対する需要の時間的変動やエネルギーコストの削減などのために、逆浸透膜分離装置及び電気式脱イオン水製造装置からなる脱イオン水製造システムを間欠的に運転することが要請される。しかしながら、脱イオン水製造システムの運転と停止とを繰り返した場合、上述したように、停止状態から運転を再開した場合における水質の立ち上がりに時間がかかるという問題が生じる。
本発明の目的は、停止状態から運転を再開したときの水質の立ち上がりを速くするための脱イオン水製造システムの運転方法と、このような運転方法に適した脱イオン水製造システムとを提供することにある。
本発明の脱イオン水製造システムの運転方法は、イオン交換体が充填された脱塩室と脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備える少なくとも1つのセルが陰極と陽極との間に配置され、直流電源から陰極及び陽極に電圧が印加される電気式脱イオン水製造装置と、電気式脱イオン水製造装置の被処理水として電気式脱イオン水製造装置に逆浸透膜透過水を供給する逆浸透膜分離装置と、を有する脱イオン水製造システムの運転方法において、脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、逆浸透膜分離装置内で逆浸透膜の1次側に存在する不純物の量を減少させる不純物除去工程を実行することを特徴とする。
本発明の脱イオン水製造システムは、イオン交換体が充填された脱塩室と脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備える少なくとも1つのセルが陰極と陽極との間に配置され、直流電源から陰極及び陽極に電圧が印加される電気式脱イオン水製造装置と、電気式脱イオン水製造装置の被処理水として電気式脱イオン水製造装置に逆浸透膜透過水を供給する逆浸透膜分離装置と、を有する脱イオン水製造システムにおいて、逆浸透膜分離装置内で逆浸透膜の1次側に存在する不純物を除去する不純物除去手段を備え、脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、不純物除去手段によって、逆浸透膜分離装置内で逆浸透膜の1次側に存在する不純物の量を減少させることを特徴とする。
本発明によれば、脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、電気式脱イオン水製造装置の前段に設けられる逆浸透膜分離装置内でその逆浸透膜の1次側に存在する不純物の量を減少させることにより、運転停止期間中での逆浸透膜の1次側から2次側への不純物の濃度拡散を防止でき、これによって、運転再開時に逆浸透膜分離装置から電気式脱イオン水製造装置に被処理水として供給される逆浸透膜透過水における不純物濃度の上昇を防止できる。その結果、電気式脱イオン水製造装置での大きな課題であった運転再開時の水質立ち上がりの遅さを解消することが可能となり、脱イオン水製造システムの立上げ時間の大幅な短縮が可能となる。運転再開時における水質の立ち上がりが良くなることにより、水質を維持するための無駄な循環運転、ならびに装置起動時の立上げ運転に要する時間や電力、水などを削減することが可能となり、省エネルギーでの運転が可能となる。
本発明の実施の一形態の脱イオン水製造システムの構成を示すブロック図である。 電気式脱イオン水製造装置の構成の一例を示す図である。 本発明の別の実施形態の脱イオン水製造システムの構成を示すブロック図である。 図3に示す脱イオン水製造システムにおいて用いられる電気式脱イオン水製造装置の構成を示す図である。 電気式脱イオン水製造装置に設けられるEDIスタックの構成の一例を示す図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施の一形態の脱イオン水製造システムは、図1に示すように、電気式脱イオン水製造装置30と、電気式脱イオン水製造装置30の前段に設けられた逆浸透膜分離装置20と、原水を逆浸透膜分離装置20に供給するポンプ10と、を備えている。逆浸透膜分離装置20の内部には逆浸透膜21が設けられている。逆浸透膜分離装置20において、逆浸透膜21を挟んで原水が供給される側を1次側、逆浸透膜21を透過してきた透過水が得られる側を2次側と呼ぶ。図1は、本発明に基づき脱イオン水製造システムを概略的に示すものであって、ポンプ10に接続する原水ラインや、逆浸透膜分離装置20からの透過水のライン、電気式脱イオン水製造装置30からの処理水のラインに、適宜、タンク、ポンプ、弁などを設置してもよい。
逆浸透膜分離装置20の1次側には、背圧弁22と逆浸透膜21のフラッシングを行うためのフラッシング弁23とが接続している。通常の運転時にはフラッシング弁23は完全に閉じられており、ポンプ10によって原水を加圧して逆浸透膜分離装置20に供給すると、背圧弁22の作用によって逆浸透膜分離装置20の1次側が一定の圧力に保たれるので、原水の一部が逆浸透膜21を透過し、そのときに不純物が除去され、逆浸透膜分離装置20の2次側から不純物が除去された逆浸透膜透過水が得られる。この逆浸透膜透過水は、電気式脱イオン水製造装置30の脱塩室に被処理水として送られる。原水のうち逆浸透膜21を透過しなかった分は、不純物が濃縮されている濃縮水として背圧弁22を介して外部に排出される。
図2は、電気式脱イオン水製造装置30の構成の一例を示している。電気式脱イオン水製造装置30は、陽極31と陰極32とEDIスタック33とを備えており、ここでEDIスタック33はイオン交換樹脂などのイオン交換体が充填された脱塩室とこの脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備えるセルを有するものであり、直流電源35から陽極31及び陰極32に対して電圧が印加されるようにしたものである。EDIスタック33において、脱塩室と接して陽極側に配置されるイオン交換膜はアニオン交換膜であり、脱塩室と接して陰極側に配置されるイオン交換膜はカチオン交換膜である。1対の濃縮室の少なくとも一方の内部には、イオン交換樹脂などのイオン交換体が充填されていてもよい。背景技術の欄で述べたように、陽極と陰極との間で複数のセルが並置されるようにEDIスタック33を構成してもよく、その場合、隣接するセル間で隣り合う濃縮室はそれらセル間で共通のものとして構成される。
陽極31が正、陰極32が負となるように直流電源35から陽極31及び陰極32に直流電圧を印加し、この状態で脱塩室に対して被処理水として逆浸透膜透過水を供給すると、背景技術の欄で説明した処理原理に基づいて被処理水中のイオン成分が除去され、脱塩室から処理水として脱イオン水が得られることになる。
図2に示した電気式脱イオン水製造装置30では、直流電源35の正側出力端子は陽極31に直接接続しているものの、直流電源35の負側出力端子と陰極32とを結ぶ配線には、電気式脱イオン水製造装置30の停止時間中にEDIスタック33から陽極31及び陰極32を介して流れる逆電流を防止するためのダイオードDが、そのアノードが陰極32と接続するように、挿入されている。本発明者らの得た知見によれば、電気式脱イオン水製造装置を停止してその電極に対する直流電圧の印加を停止すると濃縮室に移動したイオン成分が脱塩室に拡散するが、その際、電極間に微弱な逆電流が流れていることが分かった。この逆電流は、停止状態の直流電源を介して陽極から陰極に向かって流れると考えられる。逆電流はイオン成分の拡散に伴うものであり、逆に言えば、逆電流を阻止することによって、濃縮室から脱塩室へのイオン成分の拡散を抑制することができ、運転再開時の水質の立ち上がりを速くできると考えられる。
次に、本実施形態の脱イオン水製造システムの運転方法について説明する。
この脱イオン水製造システムにより脱イオン水を電気式脱イオン水製造装置30からの処理水として生成する場合、フラッシング弁23を閉じた状態でポンプ10を作動させて逆浸透膜分離装置20の運転を開始するとともに、逆浸透膜分離装置20からの逆浸透膜透過水を被処理水として脱塩室に供給しつつ直流電源35によって陽極31及び陰極32に直流電圧を印加して電気式脱イオン水製造装置30の運転を開始する。
運転中の脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、すなわちこの脱イオン水製造システムの運転を停止しようとする際には、直流電源35を停止して電気式脱イオン水製造装置30の運転を停止するとともに、その後の運転再開時における水質立ち上がりを速くするために、逆浸透膜分離装置20内において逆浸透膜21の1次側に存在する不純物の量を減少させる不純物除去工程を実施してから、システム全体を停止状態とする。ここで示す例では、逆浸透膜21のフラッシングを行うことにより、フラッシング排水として逆浸透膜21の1次側に存在する不純物を外部に排出し、逆浸透膜分離装置20内で1次側に存在する不純物の量を減少させる。
逆浸透膜分離装置における逆浸透膜のフラッシングとは、一般に、逆浸透膜を透過させることなく逆浸透膜分離装置に供給される水のほとんどを逆浸透膜の1次側に流すことによって、逆浸透膜に付着しているものを代表とする不純物を逆浸透膜分離装置の外部に排出する処理である。このとき不純物は、逆浸透膜分離装置に供給された水とともに、1次側に接続する配管を介してフラッシング排水として外部に排出される。
本実施形態の脱イオン水製造システムの場合、ポンプ10を動作させたままフラッシング弁23を開けることにより、フラッシングを実行することができる。このとき、フラッシング排水はフラッシング弁23を介して外部に流出する。フラッシングは例えば数十秒にわたって実行し、その後、ポンプ10を停止させフラッシング弁23を閉じることによって、逆浸透膜分離装置20を完全に停止させる。
本実施形態の脱イオン水製造システムでは、その運転を停止しようとする際に逆浸透膜分離装置20においてフラッシング処理を行い、逆浸透膜21の1次側に存在する不純物を外部に排出することにより、運転停止期間中での逆浸透膜21の1次側から2次側への不純物の濃度拡散を防止でき、これによって、運転再開時に逆浸透膜分離装置20から電気式脱イオン水製造装置30に被処理水として供給される逆浸透膜透過水における不純物濃度の上昇を防止できる。その結果、後述の実施例からも明らかになるように、電気式脱イオン水製造装置30からの処理水における運転再開時の水質立ち上がりが速くなり、脱イオン水製造システムとしても運転再開時に早期に不純物濃度が低い脱イオン水が得られるようになる。
なお、フラッシングを行う方法としては、本実施形態に示すもののほかに、給水用のポンプ(ポンプ10等)の吐出圧力を下げたり濃縮水の出口の弁(背圧弁)を開放したりするなどして逆浸透膜21の1次側の圧力を下げることによって、給水の全量を逆浸透膜21を透過させずに1次側から排出する方法などがある。
図3は、本発明の別の実施形態の脱イオン水製造システムの構成を示している。この脱イオン水製造システムは、図1に示したものにおいて、逆浸透膜透過水及び処理水を逆浸透膜分離装置20の1次側に循環して逆浸透膜分離装置20に通水できるようにしたものである。そのために図3に示す脱イオン水製造システムでは、図1に示す脱イオン水製造システムに対し、電気式脱イオン水製造装置30の処理水出口に設けられた流量計60と、ポンプ10の入口側に設けられた弁61と、弁61とポンプ10との接続点に対して流量計60の出口から分岐して接続し逆浸透膜分離装置20の1次側に水を循環させる配管62と、配管62に設けられた弁63と、逆浸透膜分離装置20の2次側の出口から分岐して弁63の出口側に接続する配管64と、配管64に設けられた弁65とが追加されている。図3は本発明に基づく脱イオン水製造システムを概略的に示すものであって、弁61とポンプ10を接続する原水ラインや、逆浸透膜透過水のライン、処理水のラインに、適宜、タンク、ポンプ、弁などを設置してもよい。
流量計60は、そこを流れる処理水の流量を計測することにより、電気式脱イオン水製造装置30が通常の運転状態にあるかどうかを判別するものであり、その判別結果を示す制御信号を出力する。電気式脱イオン水製造装置30が通常の運転状態にあるかどうかが分かればよいので、流量計60の代わりに圧力センサを設けてもよく、その設置場所も、電気式脱イオン水製造装置30の入口側である被処理水側でもよく、あるいは、濃縮室に接続するライン上でも、電極室に接続するライン上でもよい。さらには、流量計も圧力センサも設けずに電気式脱イオン水製造装置30の直流電源35を制御する制御装置等から制御信号が出力されるようにしてもよい。
図4は、図3に示す脱イオン水製造システムにおいて用いられる電気式脱イオン水製造装置を示している。図4に示す電気式脱イオン水製造装置が図2に示すものと異なっているところは、逆電流阻止用のダイオードDに対し、このダイオードDのアノードとカソードとの間を短絡するスイッチSWが設けられ、スイッチSWのオン/オフが制御信号によって制御されるようになっている点である。スイッチSWが設けられていないとして直流電源35が動作して電気式脱イオン水製造装置が運転状態にあるとき、ダイオードDには順方向電流が流れることになるが、そのときダイオードの両端には順方向電圧降下が生じてダイオードDが発熱する。そこで図4に示す電気式脱イオン水製造装置では、ダイオードDの発熱を防止するために、運転状態にある時には制御信号によってスイッチSWを導通状態としてスイッチSWによりダイオードDを短絡し、電流がこのスイッチSWを経由して流れるようにする。ダイオードDに流れる電流が極めて小さくなるので、ダイオードDは発熱しない。運転状態にないときにはスイッチSWは遮断状態となるので、スイッチSWには電流は流れず、逆電流はダイオードDによって阻止される。なお、ダイオードDに対して並列にスイッチSWを設け、電気式脱イオン水製造装置30の運転時にはスイッチSWによってダイオードDの両端を短絡したとしても、電気式脱イオン水製造装置30の運転状態には大きな影響は及ばない。
次に、図3に示した脱イオン水製造システムの運転方法について説明する。
この脱イオン水製造システムにより脱イオン水を電気式脱イオン水製造装置30からの処理水として生成する場合、弁61を開け、フラッシング弁23及び弁63,65を閉じた状態でポンプ10を作動させて逆浸透膜分離装置20の運転を開始するとともに、逆浸透膜分離装置20からの逆浸透膜透過水を被処理水として脱塩室に供給しつつ直流電源35によって陽極31及び陰極32に直流電圧を印加して電気式脱イオン水製造装置30の運転を開始する。
運転中の脱イオン水製造システムの運転を停止しようとする際には、直流電源35を停止して電気式脱イオン水製造装置30の運転を停止するとともに、その後の運転再開時における水質立ち上がりを速くするために、逆浸透膜分離装置20内において逆浸透膜21の1次側に存在する不純物の量を減少させる不純物除去工程を実施してから、システム全体を停止状態とする。ここで示す例では、不純物除去工程として、いくつかの態様がある。
不純物除去工程として、図1に示したものと同様に、逆浸透膜分離装置20においてフラッシングを行うことが挙げられる。図3に示した脱イオン水製造システムでは、逆浸透膜透過水及び処理水を循環させる配管62,64が設けられていることにより、フラッシングを行う際に、原水のほかにも逆浸透膜透過水あるいは処理水を逆浸透膜分離装置20に通水してフラッシングに用いることができる。フラッシングに原水を用いる場合には、弁61を開き、弁63,65を閉じた状態で、図1に示した脱イオン水製造システムの場合と同様の手順でフラッシングを行えばよい。
逆浸透膜透過水を用いてフラッシングを行う場合には、脱イオン水製造システムの運転時に逆浸透膜透過水の一部を配管62上のポンプ10付近に設けられたタンク(不図示)に溜めておき、フラッシング時にポンプ10を動作させたまま逆浸透膜透過水フラッシング弁23と弁65とを開け、弁61を閉じればよい。フラッシングは例えば数十秒にわたって実行し、その後、ポンプ10を停止させフラッシング弁23と弁65とを閉じることによって、逆浸透膜分離装置20を完全に停止させる。フラッシングに逆浸透膜透過水を用いた場合には、原水を用いる場合に比べ、逆浸透膜分離装置20内で逆浸透膜21の1次側における不純物の量をより低減できるので、運転停止期間中に1次側から2次側に濃度拡散する不純物イオンも低減でき、後述する実施例から明らかになるように、運転再開時に、電気式脱イオン水製造装置30から得られる処理水での水質立ち上がりがより速くなる。
電気式脱イオン水製造装置30からの処理水を用いてフラッシングを行う場合には、脱イオン水製造システムの運転時に処理水の一部を配管62上のポンプ10付近に設けられたタンク(不図示)に溜めておき、フラッシング時にポンプ10を動作させたままフラッシング弁23と弁63とを開け、弁61を閉じればよい。フラッシングは例えば数十秒にわたって実行し、その後、ポンプ10を停止させフラッシング弁23と弁63とを閉じることによって、逆浸透膜分離装置20を完全に停止させる。処理水は逆浸透膜透過水に比べてさらに不純物含有量が小さいので、フラッシングに処理水を用いる場合には、原水を使用する場合に比べてはもちろんのこと、逆浸透膜透過水を使用する場合に比べても、運転再開時における処理水の水質立ち上がりが速くなる。
図3に示した脱イオン水製造システムにおける不純物除去工程の別の態様としては、フラッシングを行う代わりに、逆浸透膜透過水または処理水を逆浸透膜分離装置20に対する供給水として通水し、逆浸透膜分離装置20を通常と同様に動作させるというものがある。逆浸透膜透過水を供給水として逆浸透膜分離装置20を動作させることにより不純物除去工程を実行する場合には、脱イオン水製造システムの運転時に処理水の一部を配管62上のポンプ10付近に設けられたタンク(不図示)に溜めておき、フラッシング時に電気式脱イオン水製造装置30を停止させるとともにポンプ10を動作させたまま弁65を開けて弁61を閉じ、逆浸透膜透過水が配管64,62を介して逆浸透膜分離装置20に供給されるようにする。フラッシング弁23は閉じたままとする。この状態を例えば数十秒間維持することによって、逆浸透膜分離装置20内で逆浸透膜21の1次側に存在していた不純物は濃縮水として外部に排出されることになる。その後、ポンプ10を停止して弁65を閉じ、システム全体を停止状態とする。
一方、処理水を供給水として逆浸透膜分離装置20を動作させることにより不純物除去工程を実行する場合には、脱イオン水製造システムの運転時に処理水の一部を配管62上のポンプ10付近に設けられたタンク(不図示)に溜めておき、フラッシング時にポンプ10を動作させたまま弁63を開けて弁61を閉じ、処理水が配管62を介して逆浸透膜分離装置20に供給されるようにする。フラッシング弁23は閉じたままとする。このとき、逆浸透膜分離装置20の2次側から逆浸透膜透過水が流出して電気式脱イオン水製造装置30の脱塩室に流入するので、直流電源35も動作させ続けて電気式脱イオン水製造装置30を動作状態としておく。この状態を例えば数十秒間維持することによって、逆浸透膜分離装置20内で逆浸透膜21の1次側に存在していた不純物は濃縮水として外部に排出されることになる。その後、直流電源35とポンプ10を停止し弁63も閉じて、システム全体を停止状態とする。
なお、脱イオン水製造システムの運転時に逆浸透膜透過水や処理水の一部を溜めるタンクは、弁61の上流側に設けられる原水タンクと兼用してもよい。
本発明に基づく脱イオン水製造システムでは、運転停止期間中における逆浸透膜分離装置の2次側での不純物濃度の上昇を防止することによって、運転再開時に処理水の水質立ち上がりを速くするものである。したがって、図1や図3に示した脱イオン水製造システムにおいて、例えば逆浸透膜分離装置20と電気式脱イオン水製造装置30とを接続する配管に遮断弁を設けるなどして逆浸透膜分離装置20を単独で動作させることができるようにした上で、脱イオン水製造システムの運転停止期間中に、定期的に、逆浸透膜分離装置20に通水して逆浸透膜分離装置20を運転し、逆浸透膜分離装置20の2次側における不純物濃度を低下させるようにしてもよい。このとき、遮断弁などによって、逆浸透膜分離装置20からの逆浸透膜透過水が電気式脱イオン水製造装置30には流れ込まないようにする。逆浸透膜分離装置20には原水を通水しても、逆浸透膜透過水を通水してもよい。
次に、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
図1に示した脱イオン水製造システムを組み立てた。逆浸透膜分離装置20としては、超低圧膜である逆浸透膜(RO膜)を有するものを用いた。逆浸透膜分離装置20からの逆浸透膜透過水の温度が20±2℃となるように制御を行った。
電気式脱イオン水製造装置30としては図2に示すものを用いた。EDIスタック33としては、単一のセルを有するものを使用した。図5は、組み立てた電気式脱イオン水製造装置における陽極31、陰極32及びEDIスタック33の部分の構成を示している。図5において、陽極31及び陰極32を除いた部分がEDIスタック33に該当する。陽極31は陽極室41に設けられており、陰極32は陰極室51に設けられている。陽極室41と陰極室51の間には、陽極室41側から、濃縮室43、脱塩室40、濃縮室49が配置し、陽極室41と濃縮室43との間、脱塩室40と濃縮室49との間には、それぞれ、カチオン交換膜42,48が設けられている。濃縮室43と脱塩室40の間、濃縮室49と陰極室51との間には、それぞれ、アニオン交換膜44,50が設けられている。
脱塩室40は、陽極31側の第1小脱塩室45と陰極32側の第2小脱塩室47とに分けれており、第1小脱塩室45と第2小脱塩室47の間にはアニオン交換膜46が設けられている。逆浸透膜透過水である被処理水は、図示上側からまず第1小脱塩室45に供給され、第1小脱塩室45の下端から第2小脱塩室47の下端に入り、処理水すなわち脱イオン水として第2小脱塩室の上端から排出されるようになっている。
陽極室41の寸法を100×300×4mmとし、陽極室41内にはカチオン交換樹脂を充填した。陰極室51の寸法を100×300×4mmとし、陰極室51内にはアニオン交換樹脂を充填した。濃縮室43,49については、いずれも、アニオン交換樹脂が充填された100×300×4mmの寸法のものとした。第1小脱塩室45については、100×300×8mmの寸法としてアニオン交換樹脂を充填した。第2小脱塩室47については、100×300×8mmの寸法とし、その下部にはカチオン交換樹脂を充填し、上部にはアニオン交換樹脂を充填した。
脱イオン水製造システムの運転時において、逆浸透膜分離装置20から逆浸透膜透過水は、脱塩室40に供給されるほか、濃縮室43,49、陽極室41、陰極室51にも供給されるようにした。
最初に初期運転として、フラッシング弁23を閉じた状態でポンプ10を駆動して逆浸透膜分離装置20を動作させ、さらに、電気式脱イオン水製造装置30において直流電源35から陽極31及び陰極32に直流電圧を印加することによって電気式脱イオン水製造装置30を動作させた。このとき、脱塩室40での被処理水の通水流量を20L/hとし、濃縮室43,49での水の通水流量をそれぞれ5L/hとし、陽極室41及び陰極室51での水の通水流量をそれぞれ10L/hとした。この初期運転は2時間にわたって実行した。初期運転の開始時に原水の導電率を測定し、初期運転の終了時に、原水及び逆浸透膜透過水の導電率を測定し、処理水の水質の指標として処理水の抵抗率を測定した。
また初期運転の終了時に、直流電源35からの電圧印加を停止した後もポンプ10を駆動させ続け、同時にフラッシング弁23を全開とすることによって、30秒間にわたって逆浸透膜21のフラッシングを行い、逆浸透膜分離装置20内において逆浸透膜21の1次側に存在する不純物の量を減少させた。フラッシングが終了したら直ちにポンプ10を停止しフラッシング弁23も閉じて、脱イオン水製造システムの全体を停止状態とした。
48時間にわたって停止状態を維持し、その後、脱イオン水製造システムの運転を再開した。運転再開後の運転条件は初期運転時と同一である。運転再開時(すなわち、初期運転の開始時から50時間の経過時)に原水及び逆浸透膜透過水の導電率を測定し、さらに運転再開後の原水及び逆浸透膜透過水の導電率と処理水の抵抗率の時間変化を調べた。
導電率及び抵抗率の測定結果を表1に示す。
Figure 2015083286
[比較例]
初期運転終了時のフラッシングを行わないことを除いては実施例1と同条件で脱イオン水製造システムを動作させ、導電率及び抵抗率を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2015083286
実施例1と比較例とを比較すると、初期運転終了時に逆浸透膜のフラッシングを行った場合には、行わない場合に比べ、運転再開時での逆浸透膜透過水の導電率が小さく、その分、逆浸透膜透過水での不純物量が少ないことが分かる。また、運転再開後から0.1時間(経過時間では50.1時間)での処理水の抵抗率から、フラッシングを行った方が抵抗率が高くて処理水の水質が良好であり、運転停止時に逆浸透膜のフラッシングを行い逆浸透膜の1次側に存在する不純物を外部に排出して不純物量を減少させることによって、運転再開時の処理水の水質立ち上がりがよくなることが分かった。
[実施例2]
図3に示した脱イオン水製造システムを組み立てた。逆浸透膜分離装置20としては、超低圧膜である逆浸透膜(RO膜)を有するものを用いた。逆浸透膜分離装置20からの逆浸透膜透過水の温度が20±2℃となるように制御を行った。電気式脱イオン水製造装置30としては図4に示すものを用いた。EDIスタック33としては、実施例1で用いたものと同じものを使用した。脱イオン水製造システムの運転時において、逆浸透膜分離装置20から逆浸透膜透過水は、脱塩室40に供給されるほか、濃縮室43,49、陽極室41、陰極室51にも供給されるようにした。
最初に初期運転として、フラッシング弁23及び弁63,65を閉じた状態で原水供給用の弁61を開け、ポンプ10を駆動して逆浸透膜分離装置20を動作させ、さらに、電気式脱イオン水製造装置30において直流電源35から陽極31及び陰極32に直流電圧を印加することによって電気式脱イオン水製造装置30を動作させた。このとき、脱塩室40、濃縮室43,49、陽極室41及び陰極室51に対する通水流量は実施例1におけるものと同じにした。この初期運転は2時間にわたって実行した。初期運転の開始時に原水の導電率を測定し、初期運転の終了時に、原水及び逆浸透膜透過水の導電率を測定し、処理水の水質の指標として処理水の抵抗率を測定した。
また初期運転の終了時に、直流電源35からの電圧印加を停止した後もポンプ10を駆動させ続け、同時にフラッシング弁23及び弁65を開け、弁61を閉じることによって、30秒間にわたって逆浸透膜透過水による逆浸透膜21のフラッシングを行い、逆浸透膜21の1次側に存在する不純物の量を減少させた。フラッシングが終了したら直ちにポンプ10を停止しフラッシング弁23、弁65も閉じて、脱イオン水製造システムの全体を停止状態とした。
48時間にわたって停止状態を維持し、その後、脱イオン水製造システムの運転を再開した。運転再開後の運転条件は初期運転時と同一である。運転再開時(すなわち、初期運転の開始時から50時間の経過時)に原水及び逆浸透膜透過水の導電率を測定し、さらに運転再開後の原水及び逆浸透膜透過水の導電率と処理水の抵抗率の時間変化を調べた。
導電率及び抵抗率の測定結果を表3に示す。
Figure 2015083286
初期運転終了時のフラッシングについて、実施例1では原水を使用しているのに対し、実施例2では逆浸透膜透過水を使用している。実施例1と実施例2の結果を比較すると、フラッシングに逆浸透膜透過水を用いた方が、運転再開時における逆浸透膜透過水の不純物濃度が低く、また、経過時間50.1時間での処理水抵抗率が高く、運転再開時の処理水の水質立ち上がりがより速くなることが分かった。
[参考例]
逆電流阻止用のダイオードの有無による違いを検討した。電気式脱イオン水製造装置において逆電流阻止用のダイオードDを設けないで陰極32と直流電源35の負側出力端子とを直接接続した以外は比較例と同一にして脱イオン水製造システムを動作させ、導電率及び抵抗率を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2015083286
逆電流阻止用のダイオードを設けない参考例では、ダイオードを設けた比較例と比べ、運転再開後1時間(経過時間では51.0時間)を経過しても、処理水の抵抗率が14.1MΩ・cmと悪く、十分な水質立ち上がりが得られないことが分かった。
10 ポンプ
20 逆浸透膜分離装置
21 逆浸透膜
22 背圧弁
23 フラッシング弁
30 電気式脱イオン水製造装置
31 陰極
32 陽極
33 EDIスタック
35 直流電源
40 脱塩室
41 陽極室
42,48 カチオン交換膜
43,49 濃縮室
44,46,50 アニオン交換膜
45 第1小脱塩室
47 第2小脱塩室
51 陰極室
60 流量計
61,63,65 弁
62,64 配管
D ダイオード
SW スイッチ

Claims (8)

  1. イオン交換体が充填された脱塩室と該脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備える少なくとも1つのセルが陰極と陽極との間に配置され、直流電源から前記陰極及び前記陽極に電圧が印加される電気式脱イオン水製造装置と、前記電気式脱イオン水製造装置の被処理水として前記電気式脱イオン水製造装置に逆浸透膜透過水を供給する逆浸透膜分離装置と、を有する脱イオン水製造システムの運転方法において、
    前記脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、前記逆浸透膜分離装置内で逆浸透膜の1次側に存在する不純物の量を減少させる不純物除去工程を実行することを特徴とする、運転方法。
  2. 前記不純物除去工程は、前記逆浸透膜をフラッシングする工程である、請求項1に記載の運転方法。
  3. 前記不純物除去工程は、前記逆浸透膜透過水の一部及び前記電気式脱イオン水製造装置からの処理水の一部の少なくとも一方を前記逆浸透膜分離装置に通水する工程である、請求項1に記載の運転方法。
  4. 前記1対の濃縮室の少なくとも一方にイオン交換体が充填された電気式脱イオン水製造装置を用い、
    前記陽極及び前記陰極を前記直流電源に電気的に接続する経路に設けられた少なくとも1個のダイオードによって、前記電気式脱イオン水製造装置の停止時間中に、前記陰極及び前記陽極を介して流れる逆電流を防止する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運転方法。
  5. イオン交換体が充填された脱塩室と該脱塩室の両側にそれぞれイオン交換膜を介して配置された1対の濃縮室とを備える少なくとも1つのセルが陰極と陽極との間に配置され、直流電源から前記陰極及び前記陽極に電圧が印加される電気式脱イオン水製造装置と、前記電気式脱イオン水製造装置の被処理水として前記電気式脱イオン水製造装置に逆浸透膜透過水を供給する逆浸透膜分離装置と、を有する脱イオン水製造システムにおいて、
    前記逆浸透膜分離装置内で逆浸透膜の1次側に存在する不純物を除去する不純物除去手段を備え、
    前記脱イオン水製造システムの運転を停止する間に、前記不純物除去手段によって、前記逆浸透膜分離装置内で前記逆浸透膜の1次側に存在する不純物の量を減少させることを特徴とする、脱イオン水製造システム。
  6. 前記不純物除去手段は、前記逆浸透膜分離装置において前記逆浸透膜の1次側に接続するフラッシング弁であり、前記フラッシング弁を開放して前記逆浸透膜のフラッシングを行うことによって前記不純物を前記逆浸透膜分離装置から排出する、請求項5に記載の脱イオン水製造システム。
  7. 前記不純物除去手段は、前記逆浸透膜透過水の一部及び前記電気式脱イオン水製造装置からの処理水の一部の少なくとも一方を前記逆浸透膜分離装置に循環させる配管であり、前記配管を経てきた水を前記逆浸透膜分離装置に通水することよって前記不純物を前記逆浸透膜分離装置から排出する、請求項5に記載の脱イオン水製造システム。
  8. 前記電気式脱イオン水製造装置は、
    前記1対の濃縮室の少なくとも一方に充填されたイオン交換体と、
    前記陽極及び前記陰極を前記直流電源に電気的に接続する経路に設けられ、前記電気式脱イオン水製造装置の停止期間中に前記陰極及び前記陽極を介して流れる逆電流を阻止する少なくとも1個のダイオードと、
    さらに備える、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の脱イオン水製造システム。
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