JP2015081856A - 車両の固定装置及び車両の固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャシダイナモメータ上で前輪及び後輪とローラとの接触位置がずれにくい四輪駆動車両の固定装置及び固定方法を提供する。【解決手段】シャシダイナモメータ1のローラ4上に前輪5及び後輪6を載置し、2以上の前側固定ポイント7に前側固定装置8を介して車両2の前部を連結すると共に、2以上の後側固定ポイント9に後側固定装置10を介して車両2の後部を連結する。後側固定装置10は、車両の後部から車両後方へ延び、剛性部材からなる連結部材12、連結部材12の車両後方側端部に連結される車軸13、車軸13の両端部に配置される車輪14、車輪14を後側固定ポイント9に固定する車輪固定装置15を備える。これら連結部材12、車軸13、車輪14、車輪固定装置15によって車両2の後部を後側固定ポイント9に固定し、前側固定装置8の牽引部材11によって車両2の前部を前側固定ポイント7に連結する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の固定装置及び車両の固定方法に関し、特にシャシダイナモメータのローラ上に車輪を載置した状態で車両を固定する場合に好適なものである。
車両の走行性能試験は、シャシダイナモメータのローラ上に駆動輪を載置した状態で行う。従って、車両が四輪(全輪)駆動である場合、前輪と後輪を夫々シャシダイナモメータに連結された一対のローラ上に載置し、その状態で車両を固定して台上試験を行う。このように四輪駆動車両の前後輪をシャシダイナモメータのローラ上に載置した状態で車両を固定する方法としては、例えば下記特許文献1や特許文献2に記載されるものがある。このうち、下記特許文献1に記載される車両の固定方法では、車両の前部及び後部を床面の固定部材に固定する際、両者を連結するチェンに流体圧シリンダを介装する。この流体圧シリンダは、車両前部及び後部と固定部材とを接近させる付勢部材を有し、ピストンによって区画される二室をバイパス路で連絡し、そのバイパス路に可変絞り弁を介装する。例えば、車両の前部と固定部材との間に介装した流体圧シリンダのピストン位置と、車両の後部と固定部材との間に介装した流体圧シリンダのピストン位置を同じにしておき、その状態から車両がローラ上で擬似的に加減速すると、その加減速に応じた制駆動力でピストンが移動して車両が安定状態になるとしている。また、可変絞り弁によってバイパス路が遮断された状態にすると、ピストンの移動が規制され、車両を固定することができるとしている。また、下記特許文献2では、ベルトを介して車両の前部及び後部を夫々固定装置に固定するにあたり、車両を牽引する牽引角度に基づいて車両を牽引する最適な牽引力を決定し、その牽引力で固定装置がベルトを巻き取る。例えば、車両の前部二カ所を車両前方の二カ所の固定装置に固定し、車両の後部二カ所を車両後方の二カ所の固定装置に固定する場合、各固定装置が決定された最適な牽引力でベルトを巻き取ることにより、車両を安定した姿勢に固定できるとしている。
実公平6−7355号公報 特開2009−128319号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されるように、車両をチェンで固定する場合、チェンには僅かではあっても弛みやがたつきがあり、前記特許文献2に記載されるように、車両をベルトで固定する場合、ベルトには伸縮性がある。そのため、車両がローラ上で擬似的に加減速すると、前輪及び後輪とローラとの接触位置がずれ、場合によっては車両が傾き、予め設定された走行抵抗状態から外れる。このようにシャシダイナモメータ上での走行抵抗状態が予め設定された状態から外れてしまうと、試験で得られる性能結果も本来の性能と異なるものとなってしまう。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、シャシダイナモメータ上で前輪及び後輪とローラとの接触位置がずれにくく、その結果、車両の位置ずれによる走行抵抗状態が変動しにくく、台上試験の精度を向上することが可能な車両の固定装置及び車両の固定方法を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様は、シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、前記車両より車両前側の床面に配置される少なくとも2つの前側固定ポイントに前側固定装置を介して前記車両の前部を連結すると共に、前記車両より車両後側の床面に配置される少なくとも2つの後側固定ポイントに後側固定装置を介して前記車両の後部を連結する車両の固定装置であって、前記前側固定装置は、前記車両の前部と前記前側固定ポイントとの間を個別に連結すると共に全長が調整可能な複数の牽引部材を備え、前記後側固定装置は、剛性部材からなり、前記車両の後部から車両後方へ延びる連結部材と、前記連結部材の車両後方側端部に連結されると共に前記車両の左右方向へ延びる車軸と、前記車軸の両端部に配置される一対の車輪と、前記車輪を前記後側固定ポイントに固定する車輪固定部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、前記車両より車両前側の床面に配置される少なくとも2つの前側固定ポイントに前側固定装置を介して前記車両の前部を連結すると共に、前記車両より車両後側の床面に配置される少なくとも2つの後側固定ポイントに後側固定装置を介して前記車両の後部を連結する車両の固定方法であって、前記前側固定装置は、全長が調整可能な複数の牽引部材を備え、前記牽引部材によって前記車両の前部と前記前側固定ポイントとの間を個別に連結し、前記後側固定装置は、剛性部材からなり、前記車両の後部から車両後方へ延びる連結部材と、前記連結部材の車両後方側端部に連結されると共に前記車両の左右方向へ延びる車軸と、前記車軸の両端部に配置される一対の車輪と、前記車輪を前記後側固定ポイントに固定する車輪固定部材とを備え、前記連結部材、前記車軸、前記車輪、前記車輪固定部材によって前記車両の後部を前記後側固定ポイントに固定することを特徴とする。
このように、前記の第1の態様によれば、シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、車両前側の床面に配置される2以上の前側固定ポイントに前側固定装置を介して車両の前部を連結すると共に、車両後側の床面に配置される2以上の後側固定ポイントに後側固定装置を介して車両の後部を連結する。前側固定装置は、車両の前部と前側固定ポイントとの間を個別に連結するために、全長が調整可能な複数の牽引部材を備える。一方、後側固定装置は、剛性部材からなり、車両の後部から車両後方へ延びる連結部材、連結部材の車両後方側端部に連結されると共に車両の左右方向へ延びる車軸、車軸の両端部に配置される一対の車輪、車輪を後側固定ポイントに固定する車輪固定部材を備える。そのため、後側固定装置の車軸と車両の後部とは、少なくとも車両前後方向に対して剛的に結合されており、その車軸の両端部に配置されている車輪によって後側固定装置の車軸を車両前後方向に移動することで、車両の前輪及び後輪を一対のローラの夫々に対して最適な位置に配置することができる。そして、後側固定装置の連結部材、車軸、車輪、車輪固定部材によって車両の後部を後側固定ポイントに固定し、前側固定装置の牽引部材によって車両の前部を前側固定ポイントに連結することで、車両を適正な位置に位置決めすることができる。このとき、車両の後部は後側固定ポイントに対して、少なくとも車両前後方向に剛的に固定されている。従って、車両がシャシダイナモメータのローラ上で擬似的に加減速しても前輪及び後輪とローラとの接触位置がずれにくい。そのため、車両の位置ずれによる走行抵抗状態が変動しにくく、台上試験の制度を向上することができる。
また、前記の第2の態様によれば、シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、車両前側の床面に配置される2以上の前側固定ポイントに前側固定装置を介して車両の前部を連結すると共に、車両後側の床面に配置される2以上の後側固定ポイントに後側固定装置を介して車両の後部を連結する。前側固定装置は、車両の前部と前側固定ポイントとの間を個別に連結するために、全長が調整可能な複数の牽引部材を備える。一方、後側固定装置は、剛性部材からなり、車両の後部から車両後方へ延びる連結部材、連結部材の車両後方側端部に連結されると共に車両の左右方向へ延びる車軸、車軸の両端部に配置される一対の車輪、車輪を後側固定ポイントに固定する車輪固定部材を備える。そのため、後側固定装置の車軸と車両の後部とは、少なくとも車両前後方向に対して剛的に結合されており、その車軸の両端部に配置されている車輪によって後側固定装置の車軸を車両前後方向に移動することで、車両の前輪及び後輪を一対のローラの夫々に対して最適な位置に配置することができる。そして、後側固定装置の連結部材、車軸、車輪、車輪固定部材によって車両の後部を後側固定ポイントに固定し、前側固定装置の牽引部材によって車両の前部を前側固定ポイントに連結することで、車両を適正な位置に位置決めすることができる。このとき、車両の後部は後側固定ポイントに対して、少なくとも車両前後方向に剛的に固定されている。従って、車両がシャシダイナモメータのローラ上で擬似的に加減速しても前輪及び後輪とローラとの接触位置がずれにくい。そのため、車両の位置ずれによる走行抵抗状態が変動しにくく、台上試験の制度を向上することができる。
図1は、本発明の車両の固定装置及び車両の固定方法の一実施形態を示す全体構成の側面図である。 図2は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の斜視図である。 図3は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の後側面図である。 図4は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の斜視図である。 図5は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図6は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図7は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図8は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図9は、従来の二輪駆動車両の固定装置及び固定方法の一例を示す全体構成の側面図である。 図10は、従来の四輪駆動車両の固定装置及び固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図11は、従来の四輪駆動車両の固定装置及び固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図12は、従来の四輪駆動車両の固定装置及び固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。 図13は、従来の四輪駆動車両の固定装置及び固定方法の作用を説明する概略構成平面図である。
次に、本発明に係る車両の固定装置及び車両の固定方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の車両の固定装置及び車両の固定方法の全体構成を示す側面図、図2〜図4は、図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の斜視図および後側面図である。本実施形態の車両の固定装置及び車両の固定方法は、例えば四輪(全輪)駆動車両2の性能試験をシャシダイナモメータ1で行う場合に好適なものである。本実施形態のシャシダイナモメータ1は、床面を構成するフロア3を有し、そのフロア3の車両前後方向二カ所には、車両2のホイールベースに応じた開口部が形成され、夫々の開口部にはローラ4の外周面の上端部が夫々露呈している。各ローラ4は、軸線が車両幅方向と平行で且つ水平になるようにして、その外周面の最も高い部分が、フロア3の床面と同等になるように配置されている。なお、少なくとも何れか一方の開口部とそこに露呈するローラ4は、車両の前後方向に移動可能としている。
四輪(全輪)駆動車両の台上試験では、車両2の前輪5を車両前方のローラ4上に載置し、後輪6を車両後方のローラ4上に載置して行う。このとき、前輪5及び後輪6には予め設定された走行抵抗が付加されるように、前輪5及び後輪6がローラ4の外周面の予め設定された部分、例えばローラ4の外周面の最も高い部分に接触している状態を維持するのが望ましい。即ち、前輪5又は後輪6のローラ4に対する接触部分がローラ4の予め設定された部分からずれてしまうと、前輪5及び後輪6に付加される走行抵抗の状態が予め設定された状態からずれてしまう。前輪5及び後輪6に付加される走行抵抗状態が予め設定された状態からずれてしまうと、性能試験の結果そのものが本来の結果と異なるものになり、性能試験の精度が低下する。従って、四輪(全輪)駆動車両の台上試験では、車両2の前輪5及び後輪6がローラ4の外周面の予め設定された部分に接触している状態で車両2を固定して行う。
本実施形態では、車両2より車両前側のフロア3上に配置される前側固定ポイント7に前側固定装置8を介して車両2の前部を連結すると共に、車両2より車両後側のフロア3上に配置される後側固定ポイント9に後側固定装置10を介して車両2の後部を連結する。四輪(全輪)駆動車両の台上試験では、前輪5及び後輪6に制駆動力を付与して車両を擬似的に加減速する。その際、車両2が前後方向に移動したり、上下方向軸(車両垂直軸)周りに回転したりしないように、前側固定ポイント7及び後側固定ポイント9は、夫々、2つ以上設定するのが一般的である。このうち、前側固定装置8は、図2に示すように、前側固定ポイント7に車両2の前部を連結するための牽引部材11を複数備え、それらの牽引部材11で車両2の前部を各前側固定ポイント7に連結する。これらの牽引部材11は、例えばターンバックルなどによって、何れも全長を調整することができる。従って、後述するように後側固定装置10を用いて車両2の位置を位置決めした後、牽引部材11の全長を調整することで、車両2の前部を前側固定ポイント7に緊密に連結することが可能となる。本実施形態では、主として車両2が車両前後方向に移動しないために、車両前左部を車両前方で且つやや左寄りの前側固定ポイント7に牽引部材11で連結すると共に、車両前右部を車両前方で且つやや右寄りの前側固定ポイント7に牽引部材11で連結する。また、主として車両が上下方向軸周りに回転しないために、車両前左部を車両前方で且つ車両の右側の前側固定ポイント7に牽引部材11で連結すると共に、車両前右部を車両前方で且つ車両の左側の前側固定ポイント7に牽引部材11で連結する。
一方、後側固定装置10は、図3、図4に示すように、剛性部材からなり、車両2の後部から車両後方へ延びる連結部材12、その連結部材12の車両後方側端部に連結されると共に車両2の左右方向へ延びる車軸13、その車軸13の両端部に配置される一対の車輪14、それらの車輪14を後側固定ポイント9に固定する車輪固定装置15を備えて構成される。更に、本実施形態では、連結部材12と車軸13の連結部を図示しない後側固定ポイントに全長調整可能な牽引部材16で連結している。この牽引部材16による後側固定装置10の後側固定ポイントへの連結は、車両2が車両前後方向に移動するのを規制する副次的な措置であり、主として車両2の後部を後側固定ポイント9に固定しているのは後側固定装置10である。
連結部材12は、例えばトレーラーヒッチのように剛性部材で構成され、車両後方向きに延びる本体部17の車両前方部が車両2の後部の強度部材、例えばリヤクロスメンバやリヤサスペンションメンバに剛的に取付けられている。車軸13は、前記連結部材12の本体部の車両後方端部に対し、軸線を車両幅方向に向けて剛的に取付けられている。車輪14は、車軸13の軸線方向両端部に回転自在に取付けられている。なお、車輪14を車軸13に対して必ずしも回転自在に取付ける必要はないが、後述するように車輪14が車軸13に対して回転自在であると、車両2の適正な位置への位置決めがし易い。車輪固定装置15は、所謂輪止め装置であり、車輪14の車両前後方向から車輪14の下部とフロア3との間に差し込まれるようにしてフロア3に固定される楔部材18と、各車輪14の車両前後の楔部材18間を車輪14の上方で連結し、且つ全長を短くすることによって車輪14を後側固定ポイント9に押し付ける帯状部材19とを備えて構成される。
図5〜図8は、本実施形態の図1の車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明するための概略構成平面図である。前述のように、本実施形態では、車両2の後部が後側固定装置10の連結部材12に剛的に取付けられ、連結部材12は剛性部材からなり、連結部材12の車両後方端部に車軸13が取付けられ、車軸13の両端部に車輪14が取付けられている。そのため、車軸13に対して車輪14を回転させれば、車両2を車両前後方向に移動させることができる。従って、車輪14を回転させて車両2を車両前後方向に移動させることで、前述のように車両2の前輪5及び後輪6をローラ4上の適正な位置に載置することができる。このように車両2をシャシダイナモメータ1の適正な位置に位置決めできたら、図5に示すように、後側固定装置10の車輪固定装置15で車輪14を後側固定ポイント9に固定すると共に、前側固定装置8の牽引部材11の全長を調整して車両2の前部を前側固定ポイント7に連結し、車両2を固定することができる。このとき、前述のように、牽引部材16によって後側固定装置10を後側固定ポイント9に連結するようにしてもよい。
この状態から前輪5及び後輪6に駆動力を付与して車両2を擬似的に加速する場合、前輪5及び後輪6にはローラ4から走行抵抗が付与されているが、その走行抵抗は一般的な路面反力よりも小さいため、図6に示すように、車両2には車両2を車両後方に移動しようとする力が作用する。このとき、後側固定装置10の車輪14が後側固定ポイント9に固定され、その車輪14を支持する車軸13及び連結部材12は車両2の後部に剛的に取付けられているため、車両2が車両後方に移動することはない。従って、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化することがなく、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化しない。そのため、台上試験では本来の走行性能が得られ、台上試験の精度が向上する。
同様に、車両2が擬似的に走行している状態から前輪5及び後輪6に制動力を付与して車両2を擬似的に減速する場合には、図7に示すように、車両2には車両2を車両前方に移動しようとする力が作用する。このときも、後側固定装置10の車輪14が後側固定ポイント9に固定され、その車輪14を支持する車軸13及び連結部材12は車両2の後部に剛的に取付けられているため、車両2が車両前方に移動することはない。従って、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化することがなく、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化しない。そのため、台上試験では本来の走行性能が得られ、台上試験の精度が向上する。
同様に、車両2が上下方向軸周りに回転しようとするとき、つまり車両2が擬似的な走行中に前後左右方向に傾くような場合には、図8に示すように、車輪14が本来の車両前後方向に向き、車軸13が本来の車両幅方向に向いているため、ローラ4上で前輪5及び後輪6を駆動することによって車体が本来の車両前後方向にまっすぐに向こうとする力が作用し、車両2の傾きがなくなり、実質的に車両2が傾きことはない。従って、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化することがなく、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化しない。そのため、台上試験では本来の走行性能が得られ、台上試験の精度が向上する。
図9は、従来の後輪駆動車両の固定装置及び固定方法の一例を示す全体構成の側面図である。本実施形態と同様の構成には同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この例では、後輪6をローラ4上に載置した状態で前輪5を前輪固定装置101によってフロア3の床面の前側固定ポイント102に固定する。また、車両2の後部は牽引部材103によって後側固定ポイント9に連結する。前輪固定装置101は、前述した車輪固定装置15と同様の輪止め装置である。車両2が前輪駆動車両である場合、前輪5と後輪6が逆転するだけで、概要は同じである。このような二輪駆動車両の固定装置及び固定方法では、前輪5、即ち非駆動輪(従動輪ともいう)を直接的にフロア3の床面に固定することで、車両2そのものがリジットに固定され、後輪6、即ち駆動輪がローラ4に接触する接触部分が変化することがない。そのため、ローラ4から後輪6、即ち駆動輪に付与される走行抵抗が変化することがなく、台上試験では本来の走行性能が得られる。
図10〜図13は、従来の四輪駆動車両の固定装置及び車両の固定方法の作用を説明するための概略平面図である。従来の四輪駆動車両の固定装置及び固定方法では、車両2の前部を、前記実施形態と同様に、前側固定装置8の牽引部材11で床面上の2カ所の前側固定ポイント7に連結する。また、車両2の後部は、後側固定装置10を構成する牽引部材103で床面上の2カ所の後側固定ポイント9に連結する。前側固定装置8の牽引部材11も後側固定装置10の牽引部材103も、例えばターンバックルなどによって全長を調整することで、前記特許文献1や特許文献2のように、張力や荷重が一定になるように調整される。これによって、図10に示すように、前輪5及び後輪6をローラ4の予め設定された接触部分に載置することは可能であるが、牽引部材11、103の全長調整に伴って車両2が前後左右方向に移動するため、車両2を適正な位置に位置決めすること自体が難しい。
また、この状態から前輪5及び後輪6に駆動力を付与して車両2を擬似的に加速する場合、前述のように、車両2には車両2を車両後方に移動しようとする力が作用する。このとき、前側固定装置8を構成する牽引部材11が伸び、後側固定装置10を構成する牽引部材103が縮むため、図11に示すように、車両2が車両後方に移動する。そのため、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化し、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化してしまう。同様に、車両2が擬似的に走行している状態から前輪5及び後輪6に制動力を付与して車両2を擬似的に減速する場合には、前述のように、車両2には車両2を車両前方に移動しようとする力が作用する。このとき、後側固定装置10を構成する牽引部材103が伸び、前側固定装置8を構成する牽引部材11が縮むため、図12に示すように、車両2が車両前方に移動する。そのため、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化し、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化してしまう。また、車両2が上下方向軸周りに回転しようとするとき、つまり車両2が擬似的な走行中に前後左右方向に傾くような場合には、前側固定装置8を構成する牽引部材11や後側固定装置10を構成する牽引部材103が伸縮する。このように牽引部材11、103の張力のバランスが一旦ずれてしまうと、図13に示すように、車両2は傾いたままの状態になる。そのため、前輪5及び後輪6がローラ4に接触する接触部分が変化し、ローラ4から前輪5及び後輪6に付与される走行抵抗も変化してしまう。
このように本実施形態の車両の固定装置及び車両の固定方法では、シャシダイナモメータ1に連結される一対のローラ4上に前輪5及び後輪6を載置した車両2に対し、車両前側のフロア(床面)3に配置される2以上の前側固定ポイント7に前側固定装置8を介して車両2の前部を連結すると共に、車両後側のフロア(床面)3に配置される2以上の後側固定ポイント9に後側固定装置10を介して車両2の後部を連結する。前側固定装置8は、車両2の前部と前側固定ポイント7との間を個別に連結するために、全長が調整可能な複数の牽引部材11を備える。一方、後側固定装置10は、剛性部材からなり、車両の後部から車両後方へ延びる連結部材12、連結部材12の車両後方側端部に連結されると共に車両の左右方向へ延びる車軸13、車軸13の両端部に配置される一対の車輪14、車輪14を後側固定ポイント9に固定する車輪固定装置15を備える。そのため、後側固定装置10の車軸13と車両2の後部とは、少なくとも車両前後方向に対して剛的に結合されており、その車軸13の両端部に配置されている車輪14によって後側固定装置10の車軸13を車両前後方向に移動することで、車両2の前輪5及び後輪6を一対のローラ4の夫々に対して最適な位置に配置することができる。そして、後側固定装置10の連結部材12、車軸13、車輪14、車輪固定装置15によって車両2の後部を後側固定ポイント9に固定し、前側固定装置8の牽引部材11によって車両2の前部を前側固定ポイント7に連結することで、車両2を適正な位置に位置決めすることができる。このとき、車両2の後部は後側固定ポイント9に対して、少なくとも車両前後方向に剛的に固定されている。従って、車両2がシャシダイナモメータ1のローラ4上で擬似的に加減速しても前輪5及び後輪6とローラ4との接触位置がずれにくい。そのため、車両2の位置ずれによる走行抵抗状態が変動しにくく、台上試験の制度を向上することができる。
以上、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられ得ることは明白である。全てのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 シャシダイナモメータ
2 車両
3 フロア(床面)
4 ローラ
5 前輪
6 後輪
7 前側固定ポイント
8 前側固定装置
9 後側固定ポイント
10 後側固定装置
11 牽引部材
12 連結部材
13 車軸
14 車輪
15 車輪固定装置
16 牽引部材
17 本体部
18 楔部材
19 帯状部材

Claims (2)

  1. シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、前記車両より車両前側の床面に配置される少なくとも2つの前側固定ポイントに前側固定装置を介して前記車両の前部を連結すると共に、前記車両より車両後側の床面に配置される少なくとも2つの後側固定ポイントに後側固定装置を介して前記車両の後部を連結する車両の固定装置であって、
    前記前側固定装置は、
    前記車両の前部と前記前側固定ポイントとの間を個別に連結すると共に全長が調整可能な複数の牽引部材を備え、
    前記後側固定装置は、
    剛性部材からなり、前記車両の後部から車両後方へ延びる連結部材と、
    前記連結部材の車両後方側端部に連結されると共に前記車両の左右方向へ延びる車軸と、
    前記車軸の両端部に配置される一対の車輪と、
    前記車輪を前記後側固定ポイントに固定する車輪固定部材と
    を備えたことを特徴とする車両の固定装置。
  2. シャシダイナモメータに連結される一対のローラ上に前輪及び後輪を載置した車両に対し、前記車両より車両前側の床面に配置される少なくとも2つの前側固定ポイントに前側固定装置を介して前記車両の前部を連結すると共に、前記車両より車両後側の床面に配置される少なくとも2つの後側固定ポイントに後側固定装置を介して前記車両の後部を連結する車両の固定方法であって、
    前記前側固定装置は、全長が調整可能な複数の牽引部材を備え、
    前記牽引部材によって前記車両の前部と前記前側固定ポイントとの間を個別に連結し、
    前記後側固定装置は、
    剛性部材からなり、前記車両の後部から車両後方へ延びる連結部材と、
    前記連結部材の車両後方側端部に連結されると共に前記車両の左右方向へ延びる車軸と、
    前記車軸の両端部に配置される一対の車輪と、
    前記車輪を前記後側固定ポイントに固定する車輪固定部材と
    を備え、
    前記連結部材、前記車軸、前記車輪、前記車輪固定部材によって前記車両の後部を前記後側固定ポイントに固定する
    ことを特徴とする車両の固定方法。
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