JP2015080943A - 加熱装置および加熱装置を備えたプリント装置 - Google Patents

加熱装置および加熱装置を備えたプリント装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 加熱装置で使用されるヒータの昇温時間を短縮化する。【解決手段】 ヒータと、前記ヒータの一部を覆う形状を備え、前記ヒータが発する熱線を反射して加熱すべき物体に指向させる反射部と、前記ヒータおよび前記反射部から前記物体に向かう前記ヒータの熱線を遮断する開閉可能なシャッタ部と、を有し、前記物体に熱線を照射する前に、前記シャッタ部を閉じた状態で前記ヒータを昇温させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、インクを定着させるために加熱を行う加熱装置および加熱装置を備えたプリント装置に関する。
インクジェットプリント装置において、シートに付与されたインクを短時間に乾燥させるために、ヒータを搭載したものが知られている。例えば、特許文献1には、加熱時間の短縮のために出力の大きなハロゲンヒータを用いたプリント装置が開示されている。ヒータ出力が大きいとシートへの熱ダメージが懸念されるので、特許文献1では、異常を検知したときはシャッタによりヒータとシートの間を遮断する構成としている。
特開2003−170573号公報
装置の使用前に、冷えているヒータを昇温させて所定温度にする必要があるが、ヒータが大型になるほどヒータが昇温して安定化するまで時間を要する。例えば、大判プリンタで使用される長さ1m以上の大型のヒータでは、ヒータに電力を投入し始めてから昇温して所望の温度で安定するまで、5分以上の時間を要することがある。この初期時間をいかに短縮化するかが課題である。
本発明はこのような課題の認識に基づいてなされたもので、加熱装置で使用されるヒータを昇温させる時間を短縮化することを目的とする。
ヒータと、前記ヒータの一部を覆う形状を備え、前記ヒータが発する熱線を反射して加熱すべき物体に指向させる反射部と、前記ヒータおよび前記反射部から前記物体に向かう前記ヒータの熱線を遮断する開閉可能なシャッタ部と、を有し、前記物体に熱線を照射する前に、前記シャッタ部を閉じた状態で前記ヒータを昇温させることを特徴とする。
本発明によれば、加熱装置で使用されるヒータを昇温させる時間を従来よりも短縮化することができる。
プリント装置の外観図。 加熱部の詳細図。 ヒータ昇温動作に関するフローチャート。 ヒータ昇温動作に関する別のフローチャート 図2の変形例。 インクの水分量とシャッタ部の動作に関する図。 インクの水分量とシャッタ部の動作に関するタイミングチャート。 図2の別の変形例。
以下、インクジェットプリント装置を例に挙げて説明するが、本発明はプリント装置に限らず物体にインクジェット方式でインクを付与する様々な用途のインクジェット装置にも適用可能である。
図1はインクジェットプリント装置の外観図を示す。インクジェットプリント装置1(以下、装置1)は、シートS(物体)にインクを吐出するプリント部7と、プリントされたシートSに熱を与えてインクを定着させる加熱部8(加熱装置)とを有する。さらにシートSを搬送する搬送部50を有する。搬送部50の構成要素であるシート供給部2には、連続シートをロール芯に巻き付けたロール状のシートSが装着される。本実施形態で用いるロール状のシートSは、シート幅が数mに及ぶ大きなサイズとする。シート供給部2から供給されたシートSは、回転駆動力が与えられた搬送ローラ3と従動回転するピンチローラ4からなる搬送ローラ対によって挟持される。搬送ローラ3とピンチローラ4は、使用が想定される最大のシートSの幅に対応した長さであり、図1の紙面垂直方向にむかって延びている。搬送ローラ3またはピンチローラ4は、複数に分割もしくは一体となっている。
シートSは搬送ローラ3の回転によって搬送方向Fに搬送され、プリント部7の下方を通過する。搬送ローラ3の近傍には、搬送ローラ3の回転を検出するロータリエンコーダが設けられている。プリント部7は、ヘッド10を保持して搬送方向Fと交差する方向(図1の紙面垂直方向)に往復移動するキャリッジ5と、ヘッド10と対向しシートSを下方から支持するプラテン11とから構成される。往復移動するキャリッジ5の位置を検出するためにリニアエンコーダが設けられている。シートSの搬送方向Fに対して、以下、シート供給部2の側を搬送方向上流、シートSが排出される側を搬送方向下流と定義する。搬送方向下流にはシートSを排出するための排出ローラ9が設けられている。排出ローラ9を通過したシートSは図1中の下方向(重力方向)に向かう。
ヘッド10は、ヒータを用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式、いずれのインクジェット吐出方式であってもよい。本実施形態のインクは、エマルションインク(分散系インク)を使用した形態を想定しているが、限定するものではない。エマルションインクを用いた場合、シート上に吐出されたインクに熱が与えられると膜が形成されシート表面にインクが定着する。インクに熱を与えるために、シートSを加熱する加熱部8がプリント部7の上方に設けられている。
シートSの温度は、シート温度計13(第2検出部)で検出される。シート温度計13は、非接触で検出する赤外線温度計や、接触式で温度検出する温度計等、いずれでもよい。検出された温度情報は制御部14に入力され、シート温度計の値が所定温度となるようにヒータ81の出力にフィードバック制御(以下、FB制御)される。具体的な制御方法としては例えばPID制御などが考えられるが、これに限らない。ここでいう出力とはヒータ81へ投入される電力のことである。加熱部8はプリント部7の上方に限らず複数箇所に追加してもよい。たとえば、シートSを予め加熱するために搬送方向上流に配置してもよいし、プリント後のインク乾燥を促進させるために搬送方向下流に配置しても良い。
プリント画像は、キャリッジ5の移動とシート搬送とを交互に繰り返すシリアル方式によって形成される。加えて本実施形態は、キャリッジ5が往復移動しながらシートの同一箇所に複数回に分けてインクを与える重ね打ちの方式で画像を完成させる。重ね打ち回数はパス数と呼ばれ、例えば8回の重ね打ちをする印刷方法を「8パス」という。エマルションインクを使用する場合には、nパス目にヘッド10からインクが与えられた箇所の上に、さらにn+1パス目にインクが与えられるまでの間にインクを乾燥させ膜化させる必要がある。仮に、nパス目に与えられたインクが膜化されないまま、n+1パス目のインクが重ね打ちされるとインクが混じり合い、にじみや凝集による画像劣化が生じる。したがって、キャリッジ5が往復移動しプリントを行う際にも加熱部8によってシートSを加熱する必要がある。
インク増減モニター16は、プリントされる画像データをもとに時系列でのインク増減量を演算し制御部14に入力する。インク増減モニター16についての詳細は後述する。
図2は、加熱部8の詳細を示した断面図である。図2(a)はシャッタ部が閉じた状態を示し、図2(b)はシャッタ部が開状態を示す。加熱部8はシートSを加熱するため、シートSの幅に対応した長さとする。加熱部8は、ヒータ81と、ヒータ81が発する熱線をシートS方向に向かわせる反射部82と、シャッタ部83とから構成される。また、ヒータ81の温度を検出するためのヒータ温度計20(第1検出部)がヒータ81に固定されている。ヒータ81は電源に接続された棒状のハロゲンヒータやシーズヒータなどの発熱体で構成され、反射部82とともに装置1に固定されている。
反射部82は、ヒータ81の一部を覆う形状を備え、ヒータ81が発する熱線を反射して加熱すべきシートSに指向させる。ヒータ81との相対位置が変わらないように、反射部82はヒータ81近傍で固定されている。反射部82の内面の反射面82aは、ヒータ81を焦点とする放物線断面とし、鏡面のように平滑である。熱線をシートSに向かわせることができれば、このような構成に限定されない。反射面82aは高温に耐えうる材質で構成され、例えばステンレス、アルミ等の金属が好ましい。さらに反射部82は断熱層82b(図2の斜線領域)を備えていることが好ましい。断熱層82bは高温となる反射面82aからの熱伝導を妨げるように構成されている。具体的には真空層や、空気、グラスウール等の充填物を封入した層である。なお、熱伝導を妨げることができればこれらに限らない。このように、断熱層82bによって反射面82aの熱が外部へ逃げることを防止できる。
シャッタ部83は、制御部14によって制御される駆動源と駆動力伝達手段を含む駆動部15によって、回転軸83cを中心に回動する。シャッタ部83は、ヒータ81および反射部82からシートSに向かうヒータ81の熱線を遮断する開閉可能な構成となっている。
シャッタ部83を閉じた状態にすると、反射部82とともに前記ヒータを覆うことができる(図2(a)の状態)。シャッタ部83を閉じた状態でヒータ81から熱線を発すると、反射部82とシャッタ部83との間で反射が繰り返される。そのため、ヒータ81の加熱が促進され短時間でヒータ81を昇温させることができる。シャッタ部83は開状態にすることも可能である(図2(b)の状態)。開状態とすることで、ヒータ81が発する熱線をシートSに与えることができる。
シャッタ部83の反射面83a(ヒータ81に向いた面)は、熱線を反射する反射面であることが好ましい。例えばステンレス、アルミ等の金属などがよい。反射面83aの形状は平面、曲面、多角面等でもよく、ヒータ81の熱線を反射できればよい。反射面83aの表面は鏡面のように平滑に形成されることが理想的であるがそれらに限定されない。反射面83には断熱層83bが備えられていることが好ましい。また、断熱層83bは高温となる反射面83aからの熱伝導を妨げるように真空層、空気、グラスウール等の充填物を封入した層であるとよい。これにより反射面83aの熱が外部へ逃げることを防止できる。
次に図3を用いて、冷えている状態のヒータの昇温動作を説明する。電源を入力し装置を立ち上げる場合にヒータ81は周囲温度(常温、例えば25℃)であることが多く、所望のヒータ温度(例えば300℃)に比べて低い。このように冷えた状態のヒータ81を昇温させて、シートを加熱するまでの動作を行うまでを以下で説明する。
図3(a)はフローチャートであり、図3(b)は図3(a)のステップS102〜S104の区間A、ステップS105〜S106の区間B、それ以降の区間Cに対応するタイミングチャートである。図3(b)の実線は本実施形態を用いた場合を示しており、点線は本実施形態を用いなかった場合を示している。横軸は時間を示しており、縦軸はシャッタ部の開閉状態および温度を示している。温度は、ヒータ温度計20の検出値とシート温度計13の検出値とをそれぞれ示す。
ステップS101において、装置1の電源が入力され起動処理が行われる。その後、ステップS110においてオンライン(待機状態)となる。このとき、シャッタ部83は開状態でも閉じた状態のどちらでもよいが、本実施形態では閉じた状態とする。次に、ステップS102においてネットワークやUSBケーブル等で接続されたホストコンピュータより送信されたプリントジョブを受信する。ステップS103でシャッタ部83が閉じた状態にあることを確認(もしくは移動)するとともに、ヒータ81に給電しヒータ昇温を開始する。この時点では、図3(b)に示すようにシートSおよびヒータ81は常温である。ヒータ81は、ヒータ温度計20の検出に基づいて所定の温度にむけて駆動制御される。所定の温度は、ヒータ81の飽和温度とする。なお、ヒータ温度計20の検出に基づかず、所定の出力でヒータ81を駆動してもよい。所定の出力とは例えばヒータ81の最大出力であるが、短時間でヒータ81を昇温できれば最大出力でなくともよい。ステップS104ではヒータ81が所定の温度まで昇温したかを判定する。ヒータ温度計20を用いない場合は、予め把握された給電時間とヒータ温度との関係、またはヒータ81の電流値とヒータ温度との関係で判定すればよい。ヒータ81が飽和温度に到達したと判定されると、ステップS105でシャッタ部83が開状態となり、シートSに熱線が与えられシート昇温を開始する。シャッタ部83が開状態になった後、ヒータ81はシート温度計13の検出に基づいて駆動制御される。シートSの温度が昇温し過ぎた場合は、ヒータ81の出力を下げるFB制御が行われる。ステップS106においてシートが目標温度(たとえば60℃)に到達したと判定されると、ステップS107においてプリントが開始される。
本実施形態を用いれば図3(b)の実線が示すように、プリントジョブを受信してからプリント開始するまでにT1時間で済む。一方、本実施形態を用いないと図3(b)の点線が示すように、シートが目標温度に到達するまでにT2時間を費やすこととなりプリント開始が遅くなる。すなわち、本実施形態によりdT時間の短縮を実現することができる。
次に図4を用いて、温められた状態からのヒータの昇温動作を説明する。シートSへの熱線の照射が一時中断した際は、ヒータ81は予熱によって常温よりも高い温度(例えば150℃)を保持していることが想定される。このように温められた状態から再びヒータ81を昇温させて、シートを加熱するまでの動作について説明する。具体的には、プリント中にヘッド10がメンテナンス動作に入る場合や、複数のシートを連続プリントする場合にこのような動作が行われる。
図4(a)はフローチャートを示し、図4(b)は図4(a)の区間D〜G、それ以降の区間Hに対応するタイミングチャートである。図4(b)の実線は本実施形態を用いた場合を示し、点線は本実施形態を用いなかった場合を示している。横軸は時間を示しており、縦軸はシャッタ部の開閉状態および温度を示している。温度は、ヒータ温度計20の検出値とシート温度計13の検出値とをそれぞれ示す。
ステップS201で装置1はプリント中とする。プリント中は、図4(b)の区間Dに示すように、シート温度及びヒータ温度はそれぞれ安定している。ステップS202でプリントジョブ終了やヘッド10のメンテナンス等で待機指令を受信すると、S203でプリントが停止される。ステップS204では、シャッタ部83を閉じた状態に移動させ、ヒータ温度計20の検出に基づいてヒータ81は待機温度(保温)に制御される。もしくは、ヒータ温度計20の検出を用いずに、プリント中のヒータ出力よりも小さい出力で一定に制御するなどでもよい。この制御はヒータ81の保温を目的としたものであり、短時間でプリント動作を再開させるために行う。なお、シャッタ部83を閉じた状態に移動するのみでも保温効果はあるので、省電力を望む場合はヒータ81の給電をオフとしてもよい。ステップS205では、保温制御の開始から予め設定した待機時間が終了したかが判定される。保温制御の開始から待機時間が経過すると、ステップS212においてヒータ81の給電がオフになる。直前のプリントジョブから長時間経過しても次のプリントジョブを受信しない場合に、電力の浪費や部品劣化を避けるためである。ステップS206では待機終了の指令を受信したかどうか判定する。待機終了の指令は、ヘッドメンテナンス動作の終了後にプリントを再開する場合や、前のプリント動作が終了してから待機時間内に次のプリントジョブを受信した場合に行われる。待機終了の指令を受けると、ステップS207でヒータ81の昇温が開始される。ステップS208でヒータ81が所定の温度まで昇温したかを判定する。ヒータ温度計20を用いる場合は、ヒータ温度計20の検出に基づいて判定する。ヒータ温度計20を用いない場合は、予め把握された給電時間と温度との関係、予め把握されたヒータ81の電流値と温度との関係で判定すればよい。所定の温度は、ヒータ81の飽和温度とする。ヒータ81が飽和温度に到達したと判定されると、ステップS209でシャッタ部83が開状態となり、シートSの昇温が開始される。シートSの昇温が開始されると、シート温度計13の検出に基づいてヒータ81が駆動制御される。シートSの温度が昇温し過ぎた場合は、ヒータ81の出力を下げるFB制御が行われる。ステップS210においてシートが目標温度に到達したと判定されると、ステップS211においてプリントが再び開始される。本実施形態を用いれば図4(b)の実線が示すように、待機時間の終了を受信してからプリントを再開するまでにT3時間で済み、本実施形態を用いない場合に比べ短時間でプリントを再開できる。
本実施形態によれば、冷えている状態のヒータを昇温させるために費やす時間を従来よりも短縮化することができる。また、温められた状態のヒータを昇温させるために費やす時間を従来よりも短縮化することができる。また、シートSへ熱線を照射する時間が短縮化されたことで、熱エネルギの累積によるシートSへの熱ダメージを減らすことも期待できる。さらに、短時間でヒータを昇温させるために、ヒータの出力を急激に大きくする等の必要が無くなる。そのため省電力にも優れる。加えて、昇温性に比較的優れているが高コストのハロゲンヒータやカーボンヒータを用いなくとも、低コストだが昇温性に劣るシーズヒータ等を採用することも可能となる。
次に図5〜7を用いて、加熱部8の変形例について説明する。図5(a)は加熱部8の断面図を示し、図5(b)はシャッタ部84の開状態を示し、図5(c)はシャッタ部84の閉じた状態を示す。シートSは、図5(a)の右方向(搬送方向F)に搬送される。
シャッタ部84が開状態のときは、開口を熱線Nが通過しシートSに熱線が照射される。ヒータ81の軸方向に延びるブレード状の複数の反射板84cが回転軸84eで回転可能に軸支されている。各々の反射板84cは端部でリンク84dに連結されている。駆動部15によってリンク84dを搬送方向Fに移動させると、反射板84cは回転軸84eを中心に方向Rへ回転し閉じた状態となる。閉じた状態においてヒータに向いた反射板84cの面は、熱線Nを反射する反射面とする。搬送方向Fの逆方向へリンク84dを移動させるとシャッタ部84は開状態となる。熱線Nとおおよそ平行になるまでシャッタ部84を回転させると全開の状態となる。その途中でシャッタ部84の回転を停止すれば開口面積を任意に変えることできる。開口面積を変えることで、ヒータ81からシートSへ発せられる熱線Nの量を調整することができる。このような熱線Nの量の調整は、プリント中において有効となる。
ここで、シャッタ部84の開口面積の制御を用いてプリントを行う例を図6、図7に示す。シートSに与えられたインクの水分量が多いときは、多くの熱量がインクの気化熱として使われる。そのため、シートSを加熱してもシート温度が上がりにくい。一方、シートSに与えられたインクの水分量が少ないときは、インクの気化熱として熱量が使われにくい。そのため、シートSの加熱を抑えてもシート温度が下がりにくい。そこで、シートSに与えられたインクの水分量に応じてシャッタ部84の開口面積を変える制御が有効となる。インクの水分量は、画像データをもとにインク増減モニター16によって事前に算出される。算出されたインクの水分量は制御部14に入力される。制御部14はこの算出データをもとに、インクの水分量の増減に対応するタイミングで駆動部15を駆動してシャッタ部84の開口面積を変える制御を行う。その他の方法としては、インクの水分量を算出せずシート温度計13から検出される温度変化に基づいてシャッタ部84の開口面積を変える方法もある。
制御部14は、図6のようなテーブルJを用いて、インクの水分量またはシートSの温度変化に対応したシャッタ部84の開口面積を決定する。テーブルJは、8パスのプリントに対応したテーブルJ8、6パスのプリントに対応したJ6のようにパス数ごとに用いてもよい。またシート種類(普通紙、合成紙、塩化ビニールなど)、周囲の温度や湿度などに対応したテーブルを用いてもよい。
図7は、インクの水分量に応じたシャッタ部84の開口面積の変化を具体的に示す。なお、本例においてはヒータ出力の省電力も考慮し、ヒータ出力の制御も併せて行う。図7(a)は横軸に時間、縦軸に上から順にヒータ81の出力値、シート温度計13の検出値、シャッタ部84の開口面積を示したタイミングチャートとなっている。ヒータ81の出力値は実線Th、シート温度計の検出値は実線Ts、シャッタ部84の開口面積は実線Taで示す。図7(b)〜図7(h)は、図7(a)の区間b〜hと対応したシャッタ部84の状態を時系列で順に示す。
図7(a)に示すようにシートSの目標温度はT0、許容温度の範囲はTAとする。仮に本変形例ではなく、シャッタ部84を設けない形態を用いたとする。この場合、ヒータ出力を切り替えてもヒータは所定の温度へ直ちに昇降することはできず、時間を費やすことになる。その結果、図7(a)の点線Cu、Coのようなシート温度となり許容温度TAを超えてしまう。許容温度TAを超えると、シートへの熱ダメージやインクの定着不良が発生する。本変形例では、ヒータ出力と併せてシャッタ部の開口面積を制御する。その結果、ヒータ温度の昇降時間を短縮化することができるためシート温度を安定させることができる。
ヘッド10によってインクが吐出されたシートSは、搬送方向Fへ搬送され加熱部8に向かう。インクが吐出されたシートSには、インクの水分量が小さいDl領域とインクの水分量が大きいDh領域とが存在する。区間bでは、水分量の小さいDl領域を加熱するため、シャッタ部84の開口面積は、全開に対してやや小さい開口率60%とする。一方で区間cでは、シートSが搬送されて水分量の大きいDh領域と加熱部8とが対向する。Dh領域ではインクを蒸発させるための気化熱が大きくなるので、シャッタ部84の開口面積を開口率100%とし熱線Nを大きくする。本変形例では、ヒータ81の出力は最大のHighとする。
なお、シート加熱中においてもシートSの温度はシート温度計13で検出されている。したがって、シート温度計13から検出された温度がTA以内ならば、区間dに示すように、ヒータ81の出力を小さくしシャッタ部84の開口率を60%にするなどの制御を行ってもよい。特にヒータ81の出力を小さくすることは、省電力につながるため好ましい。
範囲TAで温度が安定している区間eを経過すると、区間fにおいて水分量の少ない領域Dlと加熱部8とが対向する。Dl領域ではインクを蒸発させるための気化熱が小さくなるので、シャッタ部84の開口面積を開口率0%に近付けヒータ81の出力も最小とし、周囲の予熱等を利用して加熱を行う。なお、シート加熱中においてもシートSの温度はシート温度計13で検出されている。したがって、予熱が足りなくなった場合等は、区間gに示すようにヒータ81の出力を大きくし、シャッタ部84の開口率を60%にする制御を行ってもよい。とくにヒータ81の出力は、早い段階からあらかじめ出力を大きくすることでヒータ81の昇温時間が稼げるため、加熱がより必要なDh領域が直後に存在する場合等に有効である。区間h以降も同様の制御を行うことで、インクをシートSに安定的に定着させることができる。
なお、本変形例ではヒータ出力を変化させる例を示したが、ヒータ出力は一定としシート温度計13からのFB制御でシャッタ部の開口面積を細かく制御する形態でもよい。また、本変形例の動作は本実施形態や後述する別の変形例にも適用できる。
図8は、加熱部8の別の変形例を示す。図8(a)は加熱部8の断面図を示し、図8(b)(c)はシャッタ部の拡大図を示す。シートの搬送方向Fは図8(a)の右方向とする。
シャッタ部85の開口から熱線Nが通過し、シートSに照射される。シャッタ部85は、ヒータ81の軸方向に延びる2枚の反射板851、852から構成される。反射板851は固定され、反射板852は搬送方向Fに移動可能とする。反射板851、852は、ヒータ81が発する熱線Nを反射する反射面851a、852aを持っている。反射板851には開口851bが設けられ、反射板852には開口852bが設けられている。反射板852が反射板851に対して搬送方向Fに相対移動することで、開口851b、852bの重なり方が変化し輻射熱Nが通過する開口の開口面積が変化する。すなわち、開口851b、852bが閉じた状態(開口率0%)から、開口851b、852bを一致させる開状態(開口率100%)まで任意に開口面積を変化させることができる。
8 加熱部(加熱装置)
20 ヒータ温度計(第1検出部)
13 シート温度計(第2検出部)
81 ヒータ
82 反射部
83、84、85 シャッタ部

Claims (6)

  1. ヒータと、
    前記ヒータの一部を覆う形状を備え、前記ヒータが発する熱線を反射して加熱すべき物体に指向させる反射部と、
    前記ヒータおよび前記反射部から前記物体に向かう前記ヒータの熱線を遮断する開閉可能なシャッタ部と、を有し、
    前記物体に熱線を照射する前に、前記シャッタ部を閉じた状態で前記ヒータを昇温させることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記シャッタ部の前記ヒータに向いた面は熱線を反射する反射面を持っていることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記物体への熱線の照射が一時中断した際には、前記シャッタ部を閉じた状態にすることを特徴とする、請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 前記ヒータの温度を検出する第1検出部と、
    シートの温度を検出する第2検出部と、
    前記ヒータを昇温させる際には前記第1検出部の検出に基づいて前記ヒータを駆動し、前記物体に熱線を照射する際には前記第2検出部の検出に基づいて前記ヒータを駆動するよう制御する制御部と
    を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 前記シャッタ部は開口面積を変えて開状態にすることが可能であり、前記物体に与えられた水分量に応じて前記開口面積を変えるよう制御する制御部を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱装置。
  6. インクを吐出して物体にプリントを行うプリント部と、前記プリント部でプリントされた物体を加熱する請求項1から5のいずれかに記載の加熱装置とを備えたプリント装置。
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