JP2015080933A - 多層押出成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィードブロック方式で溶融樹脂を共押出によって、ダイから多層フィルムを製造する際に、簡便な方法で各層の厚みを制御し、短時間に各層の幅方向の膜厚を均一にする装置を提供する。【解決手段】流量調整手段を有する多層フィルムの製膜工程、該フィルムの各層の膜厚測定工程、測定した膜厚値を多層フィルムの製膜工程にフィードバックして流量調整手段を制御する膜厚制御装置を含み、膜厚制御装置は該フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行うことを特徴とする多層押出成形装置。【選択図】図9

Description

本発明は多層フィルムの押出成形装置、特に複数の溶融樹脂をフィードブロックで合流させて単層用ダイから吐出するフィードブロック方式の共押出法による多層押出成形装置に関する。
熱可塑性樹脂フィルムは種々の分野で用いられているが、その際用途に適した複数の特性が付与される。そして、これら特性を付与する手段の1つとして、フィルムを多層にする方法が用いられている。
熱可塑性樹脂を多層フィルムとして製造する共押出法には、マルチマニホールド方式やフィードブロック方式がある。マルチマニホールド方式は、複数の溶融樹脂がダイ内のそれぞれの独立したマニホールドで幅方向(幅方向とは製造された多層フィルムの幅方向を指す、以下同じ)に展開され、ダイの出口直前で合流してフィルムを生成する。マルチマニホールドダイは、構造が複雑で製造価格が高いうえ、層構成やフィルムの厚みや幅ごとにダイを用意しなければならない。
図1は従来のフィードブロック方式による共押出法を示す。図1に示すフィードブロック方式による共押出法では、3種類の熱可塑性樹脂A、B、Cがフロープレート10のそれぞれの導入路11a〜11cから供給され、連絡路12a〜12cを経て合流点Pで合流されるビーク20と、合流された溶融樹脂をダイ接続部30の合流路32を経て、単層フィルムを生成するものと同一のダイ31によって押出幅方向(紙面に対して直角方向)に広げスリット状出口34から押出して多層フィルム(図示せず)を形成するものである。
このように、フィードブロック方式は、複数の溶融樹脂をフィードブロック内で合流させてから、ダイ内の単一のマニホールドで幅方向に展開してフィルムを生成する。ダイは単層で用いているものを利用でき、フィードブロックの組み合わせを換えることによって、層構成を容易に変更できる。その反面、一般的に、複数の樹脂をフィードブロックにおいて合流させる場合、それぞれの樹脂の粘度の比や流速の比、断面積の比が大きい程、合流後の樹脂の界面の乱れ偏肉が起き易いことが知られている。また、フィードブロックで合流後、マニホールドで約10倍の幅に大きく展開しなければならないうえ、ダイの吐出口までの距離が長いため、各層の幅方向の厚みを均一にすることが難しい。合流後の流路が長いほど、流量や溶融粘度の差によって各層が偏肉する包み込み現象が起きることが知られている。
特許文献1では、フィードブロック内に設けた層厚調整具の切り欠きで樹脂の流路幅を調整することで、流量に分布をつけて多層フィルムの各層の幅方向の厚み分布を均一にする押出成形装置が示されている。この方法では、樹脂や吐出条件に合わせて層厚調整具の形状を変更する必要がある上、4層以上の多層成形時は各層の層厚調整具の形状を変えなければならず、現実的に困難である。
特許文献2では、フィードブロックにおいて、異なる熱可塑性樹脂の流路間にベーンブレードを設け、ベーンブレードを所定角度回動することによって樹脂流路の断面積を調整し、各層の流れを等しくし、多層フィルムの各層厚みを制御する押出成形装置が示されている。この方法では、各熱可塑性樹脂流路の断面の形状を調整することができないため、幅方向の各層厚みを制御することができない。
特許文献3ではフィードブロック内の温度を制御して各樹脂の粘度を均一化し、偏肉を低減する装置が示されている。温度の調整で流動特性を制御するものであるが、温度の調整による流動特性の調整には限界があり、粘度差や流量比が大きい場合には温度調整のみで各層の流量プロファイルを均一にすることは困難である。
特開平7−241897号公報 特開昭64−36427号公報 特開平11−309770号公報
そこで本発明は上記の問題点に鑑みて、フィードブロック方式で溶融樹脂を共押出によって、ダイから多層フィルムを製造する際に、簡便な方法で各層の厚みを制御し、短時間に各層の幅方向の膜厚を均一にする装置を提供することを課題とする。なお、本発明において、ダイとは、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイ、ストレートマニホールドダイといった、主にフラットTダイを指すものとする。
そこで本発明の請求項1の発明は、
複数の溶融樹脂をフィードブロックで合流させて単層ダイから押出して多層フィルムを生成する多層押出成形装置であって、流量調整手段を有する多層フィルムの製膜工程、該フィルムの各層の膜厚測定工程、測定した膜厚値を多層フィルムの製膜工程にフィードバックして流量調整手段を制御する膜厚制御装置を含み、
前記フィードブロックは、フロープレートと、ビークと、ダイ接続部から構成され、
フロープレートは、複数の溶融樹脂を投入する複数開口部を有し、
ビークは、前記複数開口部に投入された複数の溶融樹脂の流路である内層流路と、外層流路と、合流路とを有し、
前記内層流路は矩形状断面の流路であり、
前記外層流路は前記内層流路に対して側面から合流する矩形状断面の流路であり、
前記合流路は前記内層流路と外層流路が合流した矩形状断面の流路であり、
膜厚測定工程は該フィルムの幅方向に複数の膜厚測定装置を配置し、
流量調整手段は前記ビークの幅方向(ここで、幅方向とは成形されるフィルムの幅方向を指す。以下同じである。)に複数の流量調整装置を配置し、
膜厚制御装置は該フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行うことを特徴とする多層押出成形装置である。
請求項2の発明は、ダイリップ幅調整手段として、前記単層ダイの全幅に亘って複数のダイリップ幅調整装置を配置し、
前記膜厚制御装置は、膜厚測定工程の測定位置に対応するダイリップ幅調整装置にフィードバックしてダイリップ幅調整手段を制御する機能も有し、
前記フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行った後、リップ幅調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層押出成形装置である。
請求項3の発明は、前記各層の流量調整手段として、前記内層流路と前記外層流路間には、幅方向に複数の発熱体を有する隔壁が備えられており、該複数の発熱体の温度制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の多層押出成形装置である。
請求項4の発明は、前記内層または外層を構成する樹脂のうち、高粘度或いはMFRの低い樹脂に対し、ビークの発熱体を作動させ、特に幅方向端部の発熱体で加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多層押出成形装置である。
請求項5の発明は、前記内層または外層を構成する樹脂のうち、低粘度或いはMFRの高い樹脂に対し、ビークの発熱体のうち、幅方向中央の発熱体で加熱することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多層押出成形装置である。
請求項6の発明は、前記各層の膜厚調整手段として、前記内層流路と前記外層流路間には、移動可能な複数の隔壁が幅方向に備えられており、該複数の隔壁を個別に内層流路の厚み方向に移動する第一の移動機構が設けられ、第一の移動機構によって内層流路の断面の大きさと断面形状が調整され、
前記外層流路の前記隔壁に対向する位置には、移動可能な複数の側壁部材が幅方向に備えられており、該複数の側壁部材を個別に外層流路の厚み方向に移動する第二の移動機構が設けられ、第二の移動機構によって外層流路の断面の大きさと断面形状が調整されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の多層押出成形装置である。
請求項7の発明は、前記ビーク部を複数備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の多層押出成形装置である。
本発明における各層の流量調整手段として、隔壁及び外装流路の対向側に発熱体を配置することで、内層流路、外層流路の樹脂の温度を個別に制御可能である。一般に熱可塑性の溶融樹脂は、温度上昇により粘度が低くなり流動性が高まる。従って、幅方向で薄くなる部位の層の温度を上げると樹脂の流量が増えるため、層厚が均一化する。また、粘度或いはMFRの異なる樹脂の共押出は、粘度の高い樹脂を粘度の低い樹脂が包み込むように膜厚が不均一になる。つまり、高粘度の樹脂は幅方向端部が薄くなるため、ビークの流路端部を温度上昇させて流量を増やすことで、包み込みを抑えることができる。同様に、低粘度の樹脂は幅方向中央が薄くなるため、ビークの流路中央を温度上昇させて流量を増やすことで、包み込みを抑えることができる。ただし、ビークで個別に樹脂の層の温度を変化させても、合流後のダイリップに至る多層流れにおいて、熱伝導によって隣接する層の樹脂の温度が変化するため、粘度差は十分縮まらない場合がある。
また、本発明における別の各層の流量調整手段として、複数の隔壁及び側壁部材の位置を移動機構によって個別に幅方向に隔壁と側壁部材の位置を調整することによって、内層流路と外層流路の溶融樹脂の断面形状と断面積とが調節可能であり、その結果、包み込みを低減することができる。ただし、層が多いと、隔壁と側壁部材の位置調整する部位が多くなり、層同士の相互作用が大きくて全ての層を均一化することは困難である。
そこで、本発明における膜厚制御装置は、該フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行うことによって、早く膜厚均一となるフィルムが得られる。一般に、粘度が高い樹脂は流動性が低いため、近接する粘度の低い樹脂の流速や流量ばらつきの影響を受けにくい。従って、その後粘度の低い樹脂の流量調整を行っても、既に流量調整を行った層の膜厚は変化が少なく、再び流量調整しなければならないとしても微調整で済む。
本発明における膜厚制御装置は、該フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行った後、リップ幅調整を行うことによって、総膜厚を均一化するとともに、最も粘度が低い層の膜厚が調整される。
従来のフィードブロック方式による共押出法を示す図である。 本発明の一つの実施形態を例示した3層フィルムの押出成形装置のフィードブロック概略図である。 図2のフロープレートを上流側から流れ方向に見た概略図である。 ビークの構造を表す図2のA−A’の断面図である。 本発明の第2の実施形態を例示した3層フィルムの押出成形装置のフィードブロック概略図である。 図5のビークを上流側から流れ方向に見た概略図である。 支持体の構造を表す図6のB−B’の断面図である。 支持体の構造を表す図6のA−A’の断面図である。 本発明の製造装置の構成を示す概略図である。 生成された3層フィルムの断面模式図である。 本発明の一つの実施形態における流路の温度分布である。 本発明の一つの実施形態における合流路の樹脂分布である。 せん断粘度の温度依存性を示す図である。
以下に、本発明に係る多層押出成形装置の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図9に、本発明の製造装置の構成を示す概略図を示す。
製膜工程530のダイ31から吐出された多層フィルム510は、ニップロール5、延伸工程8、膜厚測定工程9を経て巻き取り装置520によって巻き取られる。膜厚測定工程9において、延伸された多層フィルム510の総膜厚は、放射線透過型等の厚み計で測定し、多層フィルム510の表層からの各層膜厚は、光干渉型等の厚み計で測定する。総膜厚と各層膜厚の測定位置を同期して走査し、差を求めることによって内層の膜厚を求める。
測定された各層の膜厚値はフィルムの幅方向の測定位置と共に膜厚制御装置500に入力され、後述の流量調整手段6、ダイリップ幅調整手段7にフィードバックされる。膜厚制御装置500は、まず成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行ってから、総膜厚を対象としたダイリップ幅調整を行うものとし、多層フィルム510の表層と全層の膜厚測定値とその測定位置を入力し、流量調整手段6の各層毎に各流量調整装置に対応する測定位置での膜厚測定値と目標膜厚を比較してその差がゼロになるように公知のPID制御等の所定の制御アルゴリズムによって各操作出力を演算する演算装置と、成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行う処理手順、演算結果等の必要データを記憶するメモリと、演算装置からの出力に従って膜厚を調整する流量調整手段6とダイリップ幅調整手段7から構成される。ダイリップ幅調整手段7は、ヒートボルト等によって開度を変化させることによって樹脂流量を変化させる。
第一実施形態として、3種類の樹脂を用いた3層フィルムの押出成形装置のフィードブロックを図2〜図4に示す。図2は本発明の多層押出成形装置に備えられたフィードブロックの断面を示す図で、フィードブロックはフロープレート10と、ビーク20と、ダイ接続部30で構成される。フロープレート10は、複数の溶融樹脂を投入する複数開口部である丸穴状断面の導入路11a〜11cを有する。ビーク20は、内層流路25と、外層流路26、27と、合流路28とを有する。ダイ接続部30は、前記合流路28と図示しない単層ダイに繋がる流路32を有する。
フロープレート10を説明する。図3はフロープレート10を上流側から流れ方向に見た概略図を示す。図3(a)は、3台の押出機1〜3(図2)を接続する場合のフロープレート10である。押出機1〜3がそれぞれ接続する丸穴状に開口した導入路11a〜11cは、矩形に変化しながら連絡路12a〜12cに接続され、ビーク側に開口する。なお、押出機は3台に限るものではなく、図3(b)に2台の押出機を接続する場合のフロープレートを示す。押出機1〜2が接続する導入路11a、11bは丸穴状に開口し、前記導入路11aはフロープレート10の内部で2分岐して矩形に変化しながら連絡路12a、12cに接続され、前記導入路11bは矩形に変化しながら連絡路12bに接続され、ビーク側に開口する。
ビーク20を説明する。ビーク20は図2に示すように、連絡路12bに連結された矩形状断面の内層流路25と、連絡路12aに連結された矩形状断面の外層流路26と、連絡路12cに連結された矩形状断面の外層流路27と、前記内層流路25と外層流路26と外層流路27が合流した矩形状断面の合流路28を備える。内層流路25は矩形状断面の流路であって、外層流路26、27は内層流路25に対して側面から合流する矩形状断面の流路であり、合流路28は内層流路25と外層流路26、27が合流した矩形状断面の流路であり、内層流路25と外層流路26、27間の隔壁21、23は、幅方向に複数の発熱体43、44を有することによって、内層流路25の樹脂の幅方向に温度分布を与え、粘度の差が生じることで流量を調整することが出来る。外層流路26、27に対し、隔壁21、23に対向する位置の幅方向に複数の発熱体41、42を有することによって、外層流路26、27の樹脂の幅方向に温度分布を与え、粘度の差が生じることで流量を調整することが出来る。このように、流量調整手段6は、発熱体41〜44に与える通電量を変化させることで実現する。
図4に図2のA−A’における断面図を示す。隔壁21、隔壁23、及びビーク筐体29に配置した発熱体41〜44は矢印53で示す各流路の幅方向に5つ配列されており、その各発熱体を個別に発熱することが出来る。ここで、発熱体41〜44の配列数は5つに限らず複数であれば良く、ペルティエ素子の様に吸熱機能を有するものでも良い。
各発熱体41〜42に対し、外層流路26、27側に温度計81、82を配置、各発熱体43〜44に対し、内層流路25側に温度計83、84を配置することで発熱量をフィードバックできる。
ダイ接続部30は、上記図2に示すように矩形状断面の流路32を有し、ビーク20の合流路28とダイ31の流路を接続する。
第二実施形態として、3種類の樹脂を用いた3層フィルムの押出成形装置のフィードブロックを図5〜図6に示す。図5は本発明の多層押出成形装置に備えられたフィードブロックの断面を示す図で、フィードブロック4はフロープレート部10と、ビーク部20と、ダイ接続部30で構成される。フロープレート部10は、複数の溶融樹脂を投入する複数開口部である丸穴状断面の導入路11a〜11cを有する。ビーク部20は、内層流路25と、外層流路26、27と、合流路28とを有する。ダイ接続部30は、前記合流路28と図示しない単層ダイに繋がる流路32を有する。
内層流路25は矩形状断面の流路であって、外層流路26、27は内層流路25に対して側面から合流する矩形状断面の流路であり、合流路28は内層流路25と外層流路26,27が合流した矩形状断面の流路であり、内層流路25と外層流路26、27間の隔壁21、23は、第一の移動機構によって移動可能な複数の隔壁で構成されており、更に該複数の隔壁を個別に矢印52で示す内層流路の厚み方向に第一の移動機構によって移動することによって、内層流路の断面の大きさと断面形状を調整することが出来る。
隔壁21、23に対向する外層流路の位置に設けられた複数からなる側壁部材22、24を矢印52で示す外層流路の厚み方向に第二の移動機構によって移動することによって、外層流路26、27の断面の大きさと断面形状を調整することが出来る。流量調整手段6は、発熱体41〜44に与える通電量を変化させることで実現する。
フロープレート部10は、第一実施形態と同じである。
ビーク部20を説明する。ビーク部20は上記図5に示すように、連絡路12bに連結された矩形状断面の内層流路25と、連絡路12aに連結された矩形状断面の外層流路26と、連絡路12cに連結された矩形状断面の外層流路27と、前記内層流路25と外層流路26と外層流路27が合流した矩形状断面の合流路28を備える。また、ビーク部20は、ビーク筐体29の中に、内層流路25と外層流路26の間には内層流路の厚み方向52に移動可能な隔壁21と、内層流路25に対向する外層流路26の壁面と前記側面と接する合流路32の壁面が内層流路25の流路の厚み方向52に移動可能な側壁部材22と、内層流路25と外層流路27を隔壁し内層流路の厚み方向52に移動可能な隔壁23と、内層流路25に対向する外層流路27の壁面と前記側面と接する合流路32の壁面が内層流路25の流路の厚み方向52に移動可能な側壁部材24と、を有する。隔壁21、隔壁23はそれぞれ第一の移動機構である支持体93、94によって移動調整され、側壁部材22、側壁部材24は第二の移動機構である支持体91、92によって移動調節され上記のように矢印52に示す流路の厚み方向に移動される。
図6にビーク部20を上流側から矢印51で示す流れ方向に見た図を示す。側壁部材22、側壁部材24、隔壁21、隔壁23は矢印53で示す各流路の幅方向に7つに分割されており、その各分割片を矢印52で示す厚み方向に個別に移動することが出来る。ここで、側壁部材22、側壁部材24、隔壁21、隔壁23の分割数は7つに限らず複数であれば良く、合流部壁面を滑らかにするため、分割数が多いことが望ましい。第二の移動機構である支持体91、92はビーク筐体29を貫通して側壁部材22、24を固定し、ビーク筐体29から突出した部位を回転させることで、厚み方向52に各側壁部材22、24の位置を調節できる。
第一の移動機構である支持体93、94は同じ構造である。例として支持体94の移動機構を説明する。図7に図6のB−B’における断面図、図8に図6のA−A’における断面図を示す。支持体94は分割された隔壁231を隔壁231の上面から固定する上部支持体444と、上部支持体444の内部に回転可能に固着したねじ軸440からなる。上部支持体444は幅方向53に配置され、ビーク筐体29に設けられた切り欠き部290に屈曲させ、ねじ軸440を固着させる。ねじ軸440は雄ねじ部441を有し、ビーク筐体29に形成された雌ねじ部442に螺合されビーク筐体29の外側へ厚み方向52に突出する。ねじ軸440の捻回操作でねじ軸440が隔壁片231と一体に軸方向移動するようになっている。このようにして内層流路25の断面の大きさと断面形状を調整することが出来る。流量調整手段6は、支持体91〜94に電磁モーターを個別に接続し、通電量によって調節する。
ダイ接続部30は、上記図5に示すように矩形状断面の流路32を有し、ビーク部20の合流路28とダイ31の流路を接続する。
第一及び第二実施形態では、ビークを1つに限ることなく、2つ以上のビークを重ねて用いることによって、5層以上の多層フィルムを成形することができる。
<実施例1>
第一実施形態例として内層をEVOH15μmとし外層をLDPE20μmとした3層フィルムの製造を考える。フィルムの吐出幅800mm、ダイリップ幅初期値0.8mmとし、各樹脂の温度に対するせん断粘度を図13に示す。250℃で押し出した場合、ビーク20で合流した直後の合流路32では、図2のC−C’における断面である図12の(a)の様に均一厚みであるが、EVOHの粘度が高い為、下流に従って包み込みが起き、T−ダイから吐出したフィルムは、断面模式図である図10の(a)の様にEVOH層の端部、LDPE層の中央が薄くなる。本発明によれば、まず、発熱体43、44の幅方向端部、及び発熱体41、42の幅方向中央を高温にすることによって、図11(a)の様な内層流路の温度分布、図11(b)の様な外層流路の温度分布として、生成フィルムのEVOH層の薄い部位の流量を増やして膜厚を均一化し図10の(b)の様な分布になる。次に、ダイリップ幅調整手段7によって総膜厚を均一化し図10の(c)のような均一に近い膜厚のフィルムが得られた。
<実施例2>
第二実施形態例として第一実施形態例と同じフィルムを成形した。図5〜8で示される可動部を持つビーク20を流量調整手段6として電磁モーターで制御する点が異なる。
250℃で押し出した場合、ビーク20で合流した直後の合流路32では、図5のC−C’における断面である図12の(a)の様に均一厚みであるが、EVOHの粘度が高い為、下流に従って包み込みが起き、T−ダイから吐出したフィルムは、断面模式図である図10の(a)の様にEVOH層の端部、LDPE層の中央が薄くなる。本発明によれば、まず、支持体93、94の幅方向端部、及び支持体91、92の幅方向中央を開口方向に移動することによって、生成フィルムのEVOH層の薄い部位の流量を増やし、膜厚を均一化し図10の(b)と同等の分布になる。次に、ダイリップ幅調整手段7によって総膜厚を均一化し図10の(c)と同等の均一に近い膜厚のフィルムが得られた。
ただし、図10は、厚み分布を見やすくするため、幅方向と厚み方向の縮尺を変えている。
以上のように、本発明のフィードブロックを備えた多層押出成形装置によれば、各層のフィルムの流路の幅方向の粘度と流量を調整することが出来るため、各層の厚み分布を制御することが可能で、その結果、フィルムの幅方向の膜厚を均一化することが出来る。
1−3・・・押出機
4・・・フィードブロック
5・・・ニップロール
6・・・流量調整手段
7・・・ダイリップ幅調整手段
8・・・延伸工程
9・・・膜厚測定工程
10・・・フロープレート
20・・・ビーク
30・・・ダイ接続部
11・・・導入路
12・・・連絡路
21、23・・・隔壁
22、24・・・側壁部材
25・・・内層流路
26、27・・・外層流路
28・・・合流路
29・・・ビーク筐体
31・・・ダイ
32・・・合流路
34・・・スリット状出口
41−44・・・発熱体
51・・・流れ方向
52・・・厚み方向
53・・・幅方向
60、62・・・連絡ブロック
61、63・・・連絡路
70・・・ビーク
71、73・・・隔壁
75・・・内層流路
76、77・・・外層流路
78・・・合流路
79・・・ビーク筐体
80・・・ビーク
81−88・・・温度計
91−94・・・支持体
231・・・隔壁
440・・・ねじ軸
441・・・雄ねじ部
442・・・雌ねじ部
443・・・固着部
444・・・上部支持体
500・・・膜厚制御装置
510・・・多層フィルム
520・・・巻き取りロール
530・・・製膜工程

Claims (7)

  1. 複数の溶融樹脂をフィードブロックで合流させて単層ダイから押出して多層フィルムを生成する多層押出成形装置であって、流量調整手段を有する多層フィルムの製膜工程、該フィルムの各層の膜厚測定工程、測定した膜厚値を多層フィルムの製膜工程にフィードバックして流量調整手段を制御する膜厚制御装置を含み、
    前記フィードブロックは、フロープレートと、ビークと、ダイ接続部から構成され、
    フロープレートは、複数の溶融樹脂を投入する複数開口部を有し、
    ビークは、前記複数開口部に投入された複数の溶融樹脂の流路である内層流路と、外層流路と、合流路とを有し、
    前記内層流路は矩形状断面の流路であり、
    前記外層流路は前記内層流路に対して側面から合流する矩形状断面の流路であり、
    前記合流路は前記内層流路と外層流路が合流した矩形状断面の流路であり、
    膜厚測定工程は該フィルムの幅方向に複数の膜厚測定装置を配置し、
    流量調整手段は前記ビークの幅方向に複数の流量調整装置を配置し、
    膜厚制御装置は該フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行うことを特徴とする多層押出成形装置。
  2. ダイリップ幅調整手段として、前記単層ダイの全幅に亘って複数のダイリップ幅調整装置を配置し、
    前記膜厚制御装置は、膜厚測定工程の測定位置に対応するダイリップ幅調整装置にフィードバックしてダイリップ幅調整手段を制御する機能も有し、
    前記フィルムのうち成形温度で最も高粘度の層から流量調整を行った後、リップ幅調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層押出成形装置。
  3. 前記各層の流量調整手段として、前記内層流路と前記外層流路間には、幅方向に複数の発熱体を有する隔壁が備えられており、該複数の発熱体の温度制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の多層押出成形装置。
  4. 前記内層または外層を構成する樹脂のうち、高粘度或いはMFRの低い樹脂に対し、ビークの発熱体を作動させ、特に幅方向端部の発熱体で加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多層押出成形装置。
  5. 前記内層または外層を構成する樹脂のうち、低粘度或いはMFRの高い樹脂に対し、ビークの発熱体のうち、幅方向中央の発熱体で加熱することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多層押出成形装置。
  6. 前記各層の膜厚調整手段として、前記内層流路と前記外層流路間には、移動可能な複数の隔壁が幅方向に備えられており、該複数の隔壁を個別に内層流路の厚み方向に移動する第一の移動機構が設けられ、第一の移動機構によって内層流路の断面の大きさと断面形状が調整され、
    前記外層流路の前記隔壁に対向する位置には、移動可能な複数の側壁部材が幅方向に備えられており、該複数の側壁部材を個別に外層流路の厚み方向に移動する第二の移動機構が設けられ、第二の移動機構によって外層流路の断面の大きさと断面形状が調整されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の多層押出成形装置。
  7. 前記ビーク部を複数備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の多層押出成形装置。
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