JP2015080780A - 水処理状況監視装置、水処理装置、水処理状況の監視方法、及び水処理方法 - Google Patents

水処理状況監視装置、水処理装置、水処理状況の監視方法、及び水処理方法 Download PDF

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信太郎 森
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Abstract

【課題】循環水系からのサンプル水の流量が変動しても、循環水系に対してなされた障害発生防止用の水処理の効果を精度よく監視できる水処理状況監視装置を提供する。【解決手段】循環水系から採られたサンプル水W1が所定の設定流量で流される通水部13と、通水部13内においてサンプル水W1と接触し、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害の発生を検出して、この障害に対応して、循環系に対してなされた水処理の効果を監視できるようにするセンサー14とを有した水処理状況監視装置1において、サンプル水W1の通水部13への通水量が設定流量から増減した場合に、この増減による影響分だけ、センサー14からの出力値を補正する演算手段15aを設けている。サンプル水W1に流量の変動が生じても、センサー14からの出力値が、補正されるので、水処理の効果を精度よく監視できる。【選択図】 図1

Description

この発明は、循環水系に対してなされた水処理の効果を監視する水処理状況監視装置、及び、このような水処理状況監視装置を備えた水処理装置等に関するものである。
工業用水系のうち、工業用水が循環して使用される循環水系においては、腐食、スケール、バイオファウリングといった3大障害が発生する。例えば、冷却水の循環水系において、腐食が進行すると、熱交換器や配管等の金属材料に貫通が生じて、設備の操業停止を招くという問題がある。また、同様な循環水系において、スケールやバイオファウリングが進行すると、熱交換器に、熱効率の低下や通水の悪化を引き起こすという問題も生じる。特に、開放タイプの系では、大気中からの微生物や塵埃等の取り込みも多くなるため、上記のような問題の発生が加速される。
また、発生した蒸気が復水として回収され、これが補給水とともに、再度ボイラー給水として使用されるボイラー給水の循環水系においても、ボイラ給水(循環水)中に、スライムや鉄さび等の汚染物質を含む場合も多く、腐食、スケール、バイオファウリングといった障害に起因して、上記のような問題を引き起こす場合も多い。
このため、循環水系において、腐食、スケール、バイオファウリングといった障害の発生を監視する各種のモニタリング装置が開発されてきた。引用文献1に記載のモニタリング装置は、例えば、冷却水の循環水系において、局部腐食の発生状況を監視するものであり、引用文献2に記載のモニタリング装置は、例えば、冷却水の循環水系において、スケールやバイオファウリングの発生状況を監視するものである。これらのモニタリング装置では、サンプリング配管を介して循環水(冷却水)がサンプル水として引き込まれる通水部において、サンプル水と、障害の発生を検出するセンサーとを接触させ、このセンサーからの出力値を基に、循環水系における障害の発生状況を監視している。
特願2012−065854号公報 特願2011−269613号公報
しかしながら、このような循環水系では、熱交換器の負荷の変動や、その他の要因によって、循環水の水圧が頻繁に変動するため、モニタリング装置側のサンプル水の圧力も変動してしまうという現象が生じていた。このため、かかるモニタリング装置では、通水部においてサンプル水の流量が変動してしまい、センサーからの出力に乱れが生じてしまうという問題があった。したがって、かかるモニタリング装置では、腐食、スケール、バイオファウリングといった障害の発生を正しく検出できず、かかる障害に対応して水処理がなされていても、この水処理の効果を充分に監視できないという問題があった。
また、ボイラー給水の循環水系においても、例えば、小型貫流ボイラの給水ポンプのON−OFF作動によって、ボイラ給水の圧力は頻繁に変動するため、上記従来のモニタリング装置を使用するに当たっても、同様の問題が生じる。
この発明は、以上の点に鑑み、循環水系からのサンプル水の流量が変動しても、腐食、スケール、バイオファウリングといった障害の発生を正しく検出して、この障害に対応してなされた水処理の効果を精度よく監視できる水処理状況監視装置、及び、この水処理状況監視装置を備えた水処理装置等を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の発明は、循環水系から採られたサンプル水が所定の設定流量で流される通水部と、前記通水部内において前記サンプル水と接触し、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害の発生を検出して、前記障害に対応して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視できるようにするセンサーとを有した水処理状況監視装置であって、前記サンプル水の前記通水部への通水量が前記設定流量から増減した場合に、この増減による影響分だけ、前記センサーからの出力値を補正する演算手段を有していることを特徴とする。
この発明では、循環水系から採られたサンプル水は、サンプリング配管内に引き込まれた後、所定の設定流量で通水部内を通過して、センサーと接触する。サンプル水と接触したセンサーは、例えば、障害の1つであるスケールの発生の有無を検出する信号を出力する。そして、この検出信号の出力値を基にして、循環水系に対してなされたスケール発生防止用の水処理の効果がでているか否かについての監視がなされる。
一方、循環水系において、例えば、循環水の圧力が変動すると、サンプリング配管内のサンプル水の圧力も変動し、この圧力変動によって、通水部内のサンプル水の通水量が変動する。そして、この通水量の変動によって、通水部内でサンプル水と接触するセンサーからの出力値に乱れが生じる。ところが、この発明では、演算手段により、通水部への通水量が設定流量から増減した場合に、この増減による影響分だけ、センサーからの出力値を補正している。このため、この発明では、センサーから発せられる出力値に乱れが生じても、この乱れが、スケールの発生の検出に影響を及ぼすことはない。
通水部への通水量が設定流量から増減した場合の、この増減による影響分は、例えば、クリーンな水を用いて、通水部への通水量を設定流量を基準として増減させ、この場合のセンサーからの出力値が、設定流量を基準として、どのように変化するかを調べることにより、求めることができる。すなわち、上記影響分を、例えば、設定流量時のセンサーからの出力値から、各流量時のセンサーからの出力値を減じた値(以下補正値という)と考えた場合には、付着物の発生にかかわらず、各流量時のセンサーからの出力値に、各流量毎の上記補正値を加算(補正値が負の値のときは減算となる)することにより、センサーからの出力値を補正することができる。
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記通水部の上流側に、前記通水部内の前記サンプル水の通水量が前記設定流量から変動するのを抑える通水量安定機構を設けていることを特徴とする。
この発明では、通水量安定機構を有しているので、循環水系内の循環水の圧力変動に対して、通水部内における通水量の変動をできるだけ抑えることができる。したがって、この発明では、通水部内における通水量の設定流量からの小さな変動に対して、演算手段により、センサーからの出力値の補正がなされることとなる。
この発明の請求項3記載の水処理装置の発明は、請求項1又は2記載の水処理状況監視装置と、前記循環水系に前記水処理薬剤を添加する薬剤添加手段と、前記水処理状況監視装置からの出力値に応じて、前記水処理薬剤の添加量を算出し、この添加量だけ、前記薬剤添加手段に前記水処理薬剤を添加させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
この発明の請求項4記載の水処理状況の監視方法の発明は、請求項1又は2記載の水処理状況監視装置を使用して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視することを特徴とする。
この発明の請求項5記載の水処理方法の発明は、請求項3記載の水処理装置を使用して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視しつつ、前記循環水系に対して水処理を行うことを特徴とする。
この発明の請求項1記載の発明では、センサーからの出力値が、サンプル水の設定流量からの増減による影響分だけ補正されるので、腐食、スケール、又はバイオファウリングといった障害の発生を検出するに当たって、検出結果が、通水量の影響を受けてしまうことはない。したがって、この発明では、通水量の変動に起因した、センサーからの出力値の乱れによる影響を無くすことができ、上記障害に対応してなされた水処理の効果を精度よく監視することができる。
この発明の請求項2記載の発明では、循環水の圧力変動に対して、通水部内の通水量の変動が小さくなり、その分、演算手段によるセンサーからの出力値の補正を精度よく行うことができる。
この発明の請求項3の発明では、水処理装置が水処理状況監視装置を有しているので、腐食、スケール、又はバイオファウリングといった障害の発生の検出と、この障害の発生を防止するための、水処理薬剤の注入とを連動して迅速に行うことができる。
この発明の請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載の発明と同様な効果を達成することができる。
この発明の請求項5記載の発明では、請求項3記載の発明と同様な効果を達成することができる。
薬注装置が設けられている冷却水システムに、この発明の一実施の形態に係る水処理状況監視装置を設置した場合の系統図である。 水処理状況監視装置に使用されている具体的なセンサーの断面図である。 このセンサーに供給される加熱電流の電流値の変化と、加熱電流に対応した検出部内の温度の変化とを示すグラフである。 このセンサーの検出部の断面周りの温度を説明する図であり、(a)は付着物の付着前の状態を示し、(b)は付着物の付着後の状態を示す。 このセンサーからの出力値の補正方法を示す図である。 このセンサーからの出力値を補正した場合と、補正しない場合の、算出された温度差ΔTの変化の状態を示す図である。
以下、この発明の好適な実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る水処理状況監視装置が設置されている冷却水システム等を示している。
まず、循環水系と冷却水システムC等について説明する。
この実施形態における循環水系は、工業用水が冷却水として循環使用される、開放型の冷却水系である。この冷却水系、すなわち循環水系では、図1で示されるように、冷却塔100と、熱交換器101と、循環ポンプ102と、配管103と、調整弁104とを有する冷却水システムCにおいて、冷却水Wが、冷却塔100で冷却された後、循環ポンプ102で加圧されて熱交換器101に送られ、この熱交換器101で暖められて、再び冷却塔100送られるように循環している。ここで、調整弁104は、負荷に応じて、熱交換器101に流れる冷却水Wの流量を調整するものである。また、図1中、符号100aは、冷却塔100の水溜であり、符号100bは、冷却水Wと空気Rとを気液接触させる充填材である。
この冷却水システムCの冷却塔100側には、水処理装置である薬注装置50が設置されている。薬注装置50は、薬注タンク51と、薬剤添加手段である薬注ポンプ52と、ポンプコントローラ53と、薬液配管54とを有している。この薬注装置50は、ポンプコントローラ53によって制御される薬注ポンプ52を用いて、薬注タンク51内の、腐食、スケール、又はバイオファウリングといった障害の発生を防止する薬剤を、必要量だけ、冷却塔100内の冷却水W中に添加している。
水処理状況監視装置1は、冷却水システムC内の冷却水Wによって生じる、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害の発生を検出して、これらの障害に対応してなされた水処理の効果を監視するものである。
この水処理状況監視装置1は、図1で示されるように、冷却水システムCの循環ポンプ102下流側の循環配管103から、調査用のサンプル水W1を導くサンプリング配管11と、このサンプリング配管11中に下流側に向かって配置される、流量計12及び通水部13と、通水部13に設置されるセンサー14と、出力ユニット15とから構成されている。なお、サンプリング配管11の端部は、冷却塔100の水溜100aに連結されている。
流量計12は、通水部13中を流れるサンプル水W1の流量を測定するものであり、測定した流量信号P1を出力ユニット15に伝達する。
通水部13は、内部にサンプル水W1が通過するように流されるものである。この通水部13には、センサー14が、その検出部Kをサンプル水W1と接触させるように取り付けられている。
センサー14は、検出部Kがサンプル水W1と接触して、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害について、その発生の有無を検出する検出信号P2を発して、これらの障害に対応してなされた水処理の効果を監視できるようにするものである。
出力ユニット15は、センサー14からの検出信号P2を基に、冷却水システムCに、腐食、スケール、又はバイオファウリングといった障害が生じているか否かを判定し、その結果を、例えばディスプレイ等に表示するとともに、これらの障害の有無に応じて、薬注装置50のポンプコントローラ53に、薬剤の添加量を指示する信号P3を発する。
また、この出力ユニット15は、通水部13へのサンプル水W1の流量が定められた一定値(以下設定流量という)から増減した場合に、この増減による影響分だけ、センサー14からの検出信号P2の値(以下出力値という)を補正する演算手段15aを有している。演算手段15aは、流量計12で測定された流量信号P1に基づく流量値(以下流量値という)から設定流量を減じて、流量計12からの流量値の、設定流量からの増減分を算出し、この流量の増減による影響分だけ、センサー14からの出力値を補正する。
サンプル水W1の流量が設定流量から増減した場合の、センサー14からの出力値の影響分は、事前に算出しておく。すなわち、クリーンなサンプル水W1を、設定流量と、他の複数の流量で、通水部13に流して、流量毎に、センサー14からの出力値を記録しておく。この場合、サンプル水W1は、何れの障害も生じさせないのであるから、センサー14からの出力値は一定値とならなければならないが、サンプル水W1の流量の設定流量からの増減によって、この出力値が変動している場合、これらを一定値、例えば、設定流量時におけるセンサー14からの出力値にする必要がある。そこで、サンプル水W1の流量の設定流量からの増減分毎に、センサー14からの出力値を設定流量時の値にするための補正値を定めておく。この補正値が、サンプル水W1の流量の設定値からの増減による、センサー14からの出力値の影響分となる。
つぎに、水処理状況監視装置1の作用効果を、冷却水システムCや薬注装置50の作用と共に説明する。なお、冷却水システムCの冷却水Wには、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害、例えば、腐食の発生を防止する薬剤が添加されるとともに、水処理状況監視装置1は、冷却水システムCにおける腐食の発生の有無を検出するものとする。
循環ポンプ102の起動によって、冷却塔100内の冷却水Wは、熱交換器101に送られて、熱交換器101中のプロセス流体を冷却した後、再び冷却塔100に戻され、この冷却塔100内で、大気中の空気Rと接触して冷却される。また、循環ポンプ102の起動によって、循環配管103内の冷却水Wの一部は、水処理状況監視装置1のサンプリング配管11内にサンプル水W1として引き込まれ、流量計12により流量が測定された後、通水部13を通ってセンサー14の検出部Kと接触して、冷却塔100側に戻される。
センサー14は、検出部Kがサンプル水W1と接触することにより、冷却水システムCにおける腐食速度を検出し、その検出信号P2を出力ユニット15に伝達する。出力ユニット15は、センサー14により検出された腐食速度が、その閾値を超過していると判定すると、薬注装置50のポンプコントローラ53に、腐食の発生を防止する薬剤の添加量を増加させる信号P3を発する。そして、ポンプコントローラ53の指示を受けた薬注ポンプ52が、薬注タンク51内の腐食の発生を防止する薬剤を、冷却塔100内の冷却水W中に増量添加する。また、出力ユニット15は、センサー14により検出された腐食速度が、その閾値以下であると判定すると、ポンプコントローラ53に、薬剤の添加量を減少させる信号P3を発する。
すなわち、水処理状況監視装置1は、センサー14が、腐食速度を継続的に検出し、この検出信号P2に基づいて、出力ユニット15が、腐食速度が閾値を超えているか否かを判定することにより、腐食に対応してなされた冷却水Wに対する水処理、すなわち、薬剤の添加の効果を監視している。また、水処理状況監視装置1は、出力ユニット15が、腐食発生の有無の判定に基づいて、薬注装置50を制御することにより、積極的に、冷却水システムCに対する腐食の発生防止を図っている。
一方、冷却水システムCの熱交換器101の冷却負荷は、プロセス側の要求によって変更されるので、例えば、熱交換器101の冷却負荷が小さくなると、調整弁104がやや閉じられて、熱交換器101側に流れる冷却水Wの流量が絞られることとなる。この結果、循環ポンプ102の出口側の冷却水Wの圧力は変動し、この圧力変動が水処理状況監視装置1側にも伝わって、通水部13を通過するサンプル水W1の圧力を変動させようとする。この場合、センサー14は、サンプル水W1の圧力変動による流量変動によって、検出信号P2に乱れを生じる。この状態では、出力ユニット15は、センサー14からの誤った検出信号P2を基に、冷却水Wにより腐食が発生しているか否かを判定してしまうこととなる。
ところが、水処理状況監視装置1では、流量計12によりサンプル水W1の流量を計測しているとともに、出力ユニット15に演算手段15aを設けて、サンプル水W1の流量が設定流量から増減した場合に、この増減による影響分だけ、センサー14からの出力値を補正するようにしている。したがって、この水処理状況監視装置1では、冷却水Wの圧力変動によって、通水部13を通過するサンプル水W1の流量が変動した場合でも、センサー14からの出力値を、最終的に、サンプル水W1の流量が設定流量時の値に補正することができ、通水部13を通過するサンプル水W1の流量変動に起因して、出力ユニット15が、センサー14からの誤った出力値を基に、冷却水Wにより腐食が発生するか否かを判定してしまうことはない。
なお、図1で示されるように、流量計12の上流側に、例えば、流量コントローラー付き流量計、定流量弁、又は、減圧弁と定流量弁の組合せといった流量安定機構10を設け、通水部13中を通過するサンプル水W1の流量が変動するのを抑えるようにしてもよい。
この場合、この水処理状況監視装置1は、サンプル水W1の流量変動に起因したセンサー14からの出力値の乱れを、ソフト的に解決する演算手段15a等とともに、サンプル水W1の流量をハード的に設定流量に保つ流量安定機構10をも有していることとなるので、流量安定機構10を通過後のサンプル水W1の流量が僅かに変動しても、この流量の変動による、センサー14からの出力値の乱れの影響を確実に無くすことができる。
また、水処理装置は、薬注装置50に水処理状況監視装置1を備えたものであってもよい。このことにより、水処理装置は、腐食、スケール、又はバイオファウリングといった障害の発生の検出と、この障害の発生を防止するための、水処理薬剤の注入とを連動して迅速に行うことができる。
さらに、循環水系は、冷却水系のみでなく、ボイラー給水の循環水系であってもよい。
つぎに、具体的な実施例について、図2〜図6を参照しつつ説明する。水処理状況監視装置1は、スケールやバイオファウリングといった付着物の発生を検出するものであり、流量安定機構10は設けられておらず、センサーとして、特願2011−269613号に記載されたものが使用されている。
センサー14は、図2で示されるように、一端側が閉じた金属管20と、金属管20内に挿入されている発熱体21及び測温体22と、発熱体21と測温体22とを囲むように金属管20内に充填されている、熱良導性と電気絶縁性とを有した粉状の充填材23と、金属管10の開口端部20a側を封止するエポキシ樹脂製の樹脂部24と、金属管20と一体化するように、樹脂部24周りに取り付けられ、金属管20の支持部となるように、金属管20より充分に大径に形成された、ケーシング部25とから構成されている。なお、検出部Kは、金属管20の突出部20bと、この突出部20b内の発熱体21、測温体22、及び充填材23とから構成され、この検出部Kの外面が付着物を付着させる検出面K1となる。
ここで、金属管20は、例えば、直径Dが3mm、肉厚が、0.1mm、突出部20bの長さLが、18mmの大きさに形成されている。発熱体21は、直径1.7mm、長さ4.0mmの大きさで、120Ωの金属被膜抵抗から形成され、検出面K1に向かってほぼ均一な熱流束を発生させる。この発熱体21は、リード線21aと金属管20を通して、不図示の電源ユニットからパルス状の方形波電流である加熱電流J(図3参照)の供給を受ける。測温体22は、金属管20の内面温度を計測するものであり、リード線22aを介して出力ユニット15に、付着物の検出信号である温度信号P2を伝達する。
出力ユニット15は、センサー14の発熱体21に、図3に示されるように、電流値J0を第1の時間帯t1だけ加えたときの測温体22から伝えられる温度(例えば、T0、TP)と、その後、発熱体21に、第2の時間帯t2だけ電流を加えないときの測温体22から伝えられる温度(サンプル水W1の温度であり、例えば、TW0、TWP)との温度差ΔT(例えば、T0−TW0、TP−TWP)を計算する。そして、出力ユニット15は、図4で示されるように、この温度差ΔTが、金属管壁による温度差ΔT1と水の伝熱境膜による温度差ΔT2の合計温度差Qに過ぎない場合は、センサー14への付着物の付着はなく、冷却水Wによるスケールやバイオファウリングの発生は無いと判断する。また、出力ユニット15は、この温度差ΔTが、大きくなって、合計温度差Qに付着物による温度差ΔT3が加算されたものであると判断すると、センサー14への付着物の付着があり、冷却水システムCにスケールやバイオファウリングが発生していると判断する。この判断は、(温度差ΔT)−(合計温度差Q)の値によってなされるが、この場合の合計温度差Qは、付着物の生じないサンプル水W1を通水部13に設定流量で流して得られたものである。
演算手段15aは、サンプル水W1の流量の変動に起因して、温度差ΔTが変動する場合でも、サンプル水W1の流量の設定流量からの増減値を基に、センサー14からの出力値(温度信号P2の値)を補正する。すなわち、演算手段15aは、温度差ΔTのうち、(金属管壁の温度差ΔT1)+(水の伝熱境膜による温度差ΔT2)の値を、サンプル水W1が設定流量で流される場合の合計温度差Qとなるように補正する。したがって、サンプル水W1の流量が変動しても、この変動に起因して、温度差ΔTに変化が生じることはなく、出力ユニット15は、温度差ΔTから合計温度差Qを引いた値に基づいて、センサー14への付着物の付着判定を正確に行うことができる。
図5は、演算手段15aによる、センサー14からの出力値の具体的な補正方法を示している。図中カーブaは、付着物が発生しないサンプル水W1を、設定流量時の流速(以下設定流速という)と、他の複数の流速で、通水部13に流したときの、温度差ΔTと、サンプル水W1の流速との関係を示している。この場合、設定流速は、0.5m/secであり、このときの温度差ΔTが合計温度差Qとなる。したがって、カーブaを使用して、各流速時の温度差ΔTから設定流速時の合計温度差Qを差し引いた補正値αを事前に求めておけば、補正後の温度差ΔTは、(各流速時の温度差ΔT)±(補正値α)として求めることができる。
図6は、水処理状況監視装置1と同様な装置を、図1で示される冷却水システムCの循環ポンプ102の下流側に設置した場合の、サンプル水W1の流速と、センサー14からの出力値で定まる温度差ΔTとが、時間の経過とともに変化する状況を示している。この場合、冷却水Wには、スライムの発生が懸念されており、スライム発生防止用の薬剤が添加されているが、センサー14の検出面K1へのスライムの付着は確認されていない。また、循環ポンプ102は、インバータ制御されており、冷却水Wの圧力が0.45〜0.55MPaの範囲で変動することが分かっている。なお、図中、5月14日のグラフの乱れは、メンテナンスのため一時的に測定を停止したためである。
図中カーブbは、サンプル水W1の流速を示しており、その値は、4月26日では、0.67m/secを示しているが、5月11日には、0.42m/secまで漸次減少した後、0.7m/secまで急上昇し、その後は、大きくは変動していない。図中カーブcは、センサー14からの出力値が演算手段15aにより補正されない場合(以下比較例という)の温度差ΔTを示しており、その値は、サンプル水W1の流速とともに変動し、特に、5月11日には、7.2℃であったものが、サンプル水W1の流速の急上昇に伴って、6.1℃まで急下降している。図中点線で示されるカーブdは、センサー14からの出力値が演算手段15aにより補正された場合(以下実施例という)の温度差ΔTを示しており、その値は、サンプル水W1の流速が変動しても、大きく変動していないことが分かる。すなわち、演算手段15aによりセンサー14からの信号値が補正される実施例の場合は、補正がなされない比較例の場合に比べて、温度差ΔTが、サンプル水W1の流速変動に影響されずに、安定して推移し、かかる演算手段15aを備えた水処理状況監視装置1では、スライム発生防止用の水処理の効果を精度良く監視できることが分かる。
1 水処理状況監視装置
10 流量安定機構
13 通水部
14 センサー
15a 演算手段
50 薬注装置(水処理装置)
C 冷却水システム
W 冷却水(循環水)
W1 サンプル水

Claims (5)

  1. 循環水系から採られたサンプル水が所定の設定流量で流される通水部と、前記通水部内において前記サンプル水と接触し、腐食、スケール、又はバイオファウリングの内の、少なくとも何れか1つの障害の発生を検出して、前記障害に対応して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視できるようにするセンサーとを有した水処理状況監視装置であって、
    前記サンプル水の前記通水部への通水量が前記設定流量から増減した場合に、この増減による影響分だけ、前記センサーからの出力値を補正する演算手段を有していることを特徴とする水処理状況監視装置。
  2. 前記通水部の上流側に、前記通水部内の前記サンプル水の通水量が前記設定流量から変動するのを抑える通水量安定機構を設けていることを特徴とする請求項1記載の水処理状況監視装置。
  3. 請求項1又は2記載の水処理状況監視装置と、前記循環水系に前記水処理薬剤を添加する薬剤添加手段と、前記水処理状況監視装置からの出力値に応じて、前記水処理薬剤の添加量を算出し、この添加量だけ、前記薬剤添加手段に前記水処理薬剤を添加させる制御手段とを備えたことを特徴とする水処理装置。
  4. 請求項1又は2記載の水処理状況監視装置を使用して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視することを特徴とする水処理状況の監視方法。
  5. 請求項3記載の水処理装置を使用して、前記循環水系に対してなされた水処理の効果を監視しつつ、前記循環水系に対して水処理を行うことを特徴とする水処理方法。
JP2013221561A 2013-10-24 2013-10-24 水処理状況監視装置、水処理装置、水処理状況の監視方法、及び水処理方法 Pending JP2015080780A (ja)

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