JP2015080282A - 回転子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、発電機または電動機に用いられる回転子であって、簡易な構成にして発電効率または回転効率を向上させることができる回転子を提供することを目的とする。【解決手段】発電機または電動機に用いられる回転子1である。中央部に回転軸3が固着される回転盤11と、該回転盤11の周縁部に等間隔で交互に設けられた異極性の磁石12とを備える。前記磁石12は、回転盤11の径方向Kの外側の端面12cの中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤11の径方向Kに対して回転方向に所定角度θで傾斜する態様で回転盤11に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、発電機または電動機に用いられる回転子に関するものである。
従来より、回転子および固定子を用いた発電機または電動機が知られている。この回転子は、中央部に回転軸が固着される回転盤と、該回転盤の周縁部に等間隔で交互に設けられた異極性の磁石とを備える。一方、固定子は、該回転子の周囲に等間隔に設けられた複数の鉄心と該鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを備える。
これにより、例えば発電機として使用した場合、回転子を回転軸を中心に回転させると、固定子の各鉄心の前で回転子の磁石のN極またはS極が順次移り変わっていき、そのときに固定子に生じる磁界の変化によりコイルに電流が流れることになる。一方、電動機として使用した場合、各コイルに単相交流や三相交流などの電流を流すと固定子に磁界の変化が生じ、その磁界の変化に伴って固定子の鉄心の極性は順次変わっていき、そのときに回転子の各磁石と固定子の鉄心が互いに引き合ったり反発し合うことにより回転子が回転軸を中心に回転することになる。
そして、発電機にとっては小さい回転力(または回転速度)でより大きな電力を得るという発電効率が重要であり、また電動機にとってはより少ない電力で大きな回転力(または回転速度)を得るという回転効率が重要であるため、従来より回転子や固定子に種々改良がなされてきた(特許文献1,2参照)
例えば、特許文献1には、継鉄の外周に複数対の異極性の永久磁石を固着し、各永久磁石を外周から非磁性の締付け環で保持し、隣接する異極性の永久磁石の平面形状を、底辺から軸方向に正弦波状、又は台形状にしていて、周囲方向に対し底辺を交互に反対側にした配置にした回転子が開示されている。
また、特許文献2には、永久磁石4a〜4dが回転子鉄心2に填め込まれた4極回転子1において、回転子鉄心2の各極において、回転子1の回転方向と逆側に、永久磁石4a〜4dと対向するように、空隙5a〜5dを設ける。永久磁石がこの空隙5a〜5dに対向する部分より発生する磁束が、この空隙5a〜5dを回り込むようにして誘導されるため、永久磁石4a〜4dより発生する磁束が回転子1の回転方向側に集中する回転子が開示されている。
しかしながら、従来の回転子は、いずれも回転盤の周縁部に設けられる磁石自体の磁束は回転盤の径方向と同一方向を向いているため、発電効率または回転効率を向上させるためには永久磁石を特殊な形状にしたり(特許文献1)、あるいは空隙を設けるなどしたり(特許文献2)と複雑な構成となるため、発電機または電動機の製造コストが高くなるという問題があった。また、発電機または電動機を組み立てる時の調整も煩雑になる場合もあった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、発電機または電動機に用いられる回転子であって、簡易な構成にして発電効率または回転効率を向上させることができる回転子を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、発電機または電動機に用いられる回転子であって、中央部に回転軸が固着される回転盤と、該回転盤の周縁部に等間隔で交互に設けられた異極性の磁石とを備え、前記磁石は、回転盤の径方向外側の端面の中央部における磁力線の接戦方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けられていることを特徴とする。
これによれば、磁石を磁束方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けるという簡易な構成にして、発電効率または回転効率を向上させることができる。
また、前記磁石は、回転盤の径方向外側の端面の中央部における磁力線の接戦方向が回転盤の径方向に対して回転方向に3度〜45度の傾斜角度の範囲内で傾斜する態様で回転盤に設けられているのが好ましい。これによれば、発電効率または回転効率をより一層向上させることができる。
また、前記磁石は、略直方体に形成され、径方向外側の端面の垂線方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で設けられているのが好ましい。これによれば直方体の磁石を回転盤に所定角度傾斜して設けるだけで良いため、本回転子を容易に組み立てることができる。
また、前記磁石は、回転盤の周縁部に4個以上の偶数個設けられているのが好ましい。これによれば、発電効率または回転効率をより一層向上させることができる。
また、本発明に係る発電機は、請求項1から請求項4に記載の回転子と、該回転子の周囲に等間隔に設けられた複数の鉄心と該鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを備える固定子とから構成されることを特徴とする。これによれば磁石を磁束方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けるという簡易な構成にして、発電効率を向上させることができる。
また、本発明に係る電動機は、請求項1から請求項4に記載の回転子と、該回転子の周囲に等間隔に設けられた複数の鉄心と該鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを備える固定子とから構成されることを特徴とするこれによれば、磁石を磁束方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けるという簡易な構成にして、回転効率を向上させることができる。
本発明によれば、磁石を磁束方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けるという簡易な構成にして、発電効率または回転効率を向上させることができる。このため発電機または電動機の製造コストを低く抑えることが可能となり、しかも発電機または電動機を簡単に組み立てることが可能となる。
次に、本発明の一実施形態について図1〜図4を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では回転子1を発電機に適用した場合について説明する。
本実施形態に係る発電機は、図1に示すように、回転軸を中心に回転する回転子1と、該回転子1の周囲に配置された固定子2とを備えてなる。
前記回転子1は、中央部に回転軸3が固着される薄板状の回転盤11と、該回転盤11の周縁部に設けられた磁石12とを備えてなる。
前記回転盤11は、非磁性材料からなり、中央部に形成された回転孔111に回転軸3が固着されている。また、この回転盤11は、周縁部が周方向に沿って均等な鋸状に形成されており、磁石12を取り付けるための8個の取付凹部112を周方向に等間隔で有している。この取付凹部112は、図4に示すように、垂線が回転盤11の径方向Kに対して回転方向に15度傾斜した底面112aと、該底面112aから径方向Kの外側に約90度の角度で延びる側面112bとを有している。
前記磁石12は、図2および図3に示すように、幅Wが60mm、長さLが30mm、高さHが70mmの略直方体に形成されたN極またはS極の各4個の永久磁石である。これら異極性の各磁石12は、回転盤11の周縁部に等間隔で交互に設けられるように回転盤11の取付凹部112に取り付けられている。具体的には、各磁石12は、図4に示すように、底面12aが回転盤11の取付凹部112の底面112aに接し、かつ回転盤11の進行方向側の側面12bが回転盤11の取付凹部112の側面112bに接するとともに、磁石12の高さ方向の中央部が回転盤11の位置となる態様でL字状の取付金具13、14により取付凹部112に取り付けられている。このため各磁石12は、径方向外側の端面12cの垂線方向(Gと一致)が回転盤11の径方向Kに対して回転方向に15度の傾斜角度θで傾斜する態様で設けらることになる。
なお、回転盤11の径方向Kとは、図4に示すように、回転盤の中心点Oから磁石12の中央部に向けた方向である。
前記固定子2は、回転子1の周囲に設けられた環状部材20と、該環状部材20に等間隔に設けられた8個の鉄心21と、該鉄心21の周囲に巻き付けられたコイル22とを備えてなる。
前記鉄心21は、直方体に形成された鉄製の部材であり、環状部材20から回転盤11の径方向Kの内側および外側にそれぞれ突出する態様で設けられている。鉄心21と磁石12との最接近時の距離は、例えば1mmに設定されている。
前記コイル22は、鉄心21における環状部材20から径方向外側に突出した部分に金属製巻線が複数回巻きつけられたものであり。コイルボックス23の内部に収容されている。
而して、回転子1を回転軸3を中心に右回りに回転させると、固定子2の各鉄心21の前で回転子1の磁石12のN極またはS極が順次移り変わっていき、そのときに固定子2に生じる磁界の変化によりコイル22に電流が流れることになる。このとき各磁石12は、図4に示すように、径方向外側の端面12cの垂線方向(Gと一致)が回転盤11の径方向Kに対して回転方向に15度の傾斜角度θで傾斜する態様で設けらているため、その結果として回転盤11の径方向Kの外側の端面12cの中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤11の径方向Kに対して回転方向に15度の傾斜角度θで傾斜する。このため回転子1を小さいモーメントで回転させることができる。よって、回転子1のモーメントに対して大きな電力が得られるため、発電効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、回転盤11の径方向外側の端面12cの中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤11の径方向Kに対して回転方向に所定角度傾斜するものとして、直方体の磁石12を回転盤11に所定角度θで傾斜して設けるものとしたが、これに限られるものではない。要は、回転盤11の径方向Kの外側の端面12cの中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤11の径方向Kに対して回転方向に所定角度傾斜するものであれば、磁石12はどのような形状や配置であってもよい。
また、回転盤11の径方向外側の端面12cの中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤11の径方向Kに対して回転方向に15度の傾斜角度の範囲内で傾斜するものとしたが、その他の傾斜角度で傾斜してもよい。ただ、発電効率または回転効率を考慮すると、3度〜45度の範囲内の傾斜角度が好ましい。
また、磁石12を回転盤11に8個設けるものとしたが、その他の個数設けるものとしてもよい。ただ、発電効率または回転効率を考慮すると、磁石12は4個以上の偶数個とし、固定子2の鉄心21の個数を磁石の個数よりも1個多い奇数個とするのが好ましい。
また、磁石12は永久磁石としたが、電磁石であってもよい。
また、本回転子2を発電機に適用する場合について説明したが、電動機に適用してもよい。この場合、各コイル22に単相交流や三相交流などの電流を流すと固定子2に磁界の変化が生じ、その磁界の変化に伴って固定子2の鉄心21の極性は順次変わっていき、そのときに回転子1の各磁石12と固定子2の鉄心21が互いに引き合ったり反発し合うことにより回転子が回転軸を中心に回転することになる。このとき回転盤11の径方向外側の端面の中央部における磁力線の接戦方向Gが回転盤の径方向Kに対して回転方向に所定の傾斜角度で傾斜しているため、回転子1を小さいモーメントで回転させることができる。よって固定子2に流れる電流に対して小さなモーメントとなるため、回転効率を向上させることが可能となる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1…回転子
11…回転盤
111…回転孔
112…取付凹部
12…磁石
13,14…取付金具
2・・・固定子
20…環状部材
21…鉄心
22…コイル
23…コイルボックス
3・・・回転軸
11…回転盤
111…回転孔
112…取付凹部
12…磁石
13,14…取付金具
2・・・固定子
20…環状部材
21…鉄心
22…コイル
23…コイルボックス
3・・・回転軸
Claims (6)
- 発電機または電動機に用いられる回転子であって、
中央部に回転軸が固着される回転盤と、該回転盤の周縁部に等間隔で交互に設けられた異極性の磁石とを備え、前記磁石は、回転盤の径方向外側の端面の中央部における磁力線の接戦方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で回転盤に設けられていることを特徴とする回転子。 - 前記磁石は、回転盤の径方向外側の端面の中央部における磁力線の接戦方向が回転盤の径方向に対して回転方向に3度〜45度の傾斜角度の範囲内で傾斜する態様で回転盤に設けられている請求項1に記載の回転子。
- 前記磁石は、略直方体に形成され、径方向外側の端面の垂線方向が回転盤の径方向に対して回転方向に所定角度傾斜する態様で設けられている請求項1または請求項2に記載の回転子。
- 前記磁石は、回転盤の周縁部に4個以上の偶数個設けられている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回転子。
- 請求項1から請求項4に記載の回転子と、
該回転子の周囲に等間隔に設けられた複数の鉄心と該鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを備える固定子とから構成されることを特徴とする発電機。 - 請求項1から請求項4に記載の回転子と、
該回転子の周囲に等間隔に設けられた複数の鉄心と該鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを備える固定子とから構成されることを特徴とする電動機。
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JP2013214387A JP2015080282A (ja) | 2013-10-15 | 2013-10-15 | 回転子 |
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2013
- 2013-10-15 JP JP2013214387A patent/JP2015080282A/ja active Pending
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