JP2015077604A - 溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エジェクタ機構、又はエジェクタ機構及びヒュームコレクタ機構の組合せを有しながらシンプルかつ小型化可能である溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接ヘッドに取付けられた中空のノズルの内部空間における圧力を減少可能とする溶接装置であって、内部空間を画定するノズルの周壁の内面が、ノズルの基端部からその先端部に向かって広がるようにスカート形状に形成され、周壁の内面に吸引口が形成され、吸引口が吸引用ガス通過経路に接続され、吸引用ガス通過経路が、吸引口に対してガス流上流寄り及び下流寄りのそれぞれに位置する吸引用流入口及び吸引用流出口を有し、吸引用流入口から吸引用ガス通過経路を通って吸引用流出口に向かってガスを流すことによって、ノズルの内部空間のガスが吸引口から吸引されるように構成されている、溶接装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶接に用いられる熱を発するように構成された溶接ヘッドに中空のノズルを取付けて、そのノズルの内部空間の圧力を減少させた状態で溶接を行うことができる溶接装置に関する。
溶接の技術分野においては、真空環境下で溶接を行った場合に溶接箇所の溶込み深さが増えることが知られている。例えば、電子ビーム溶接(EBW)は、溶込み深さを増やすべく、−101.3kPaG程度、詳細には、1.3×10−3Pa〜1.3×10−2Paの高真空環境下にて行われており、電子ビーム溶接では、高真空環境を実現するための加工室を有する溶接装置が用いられている。しかしながら、高真空環境を実現するための加工室は複雑かつ大掛かりなものであり、このような加工室を有する溶接装置もまた複雑かつ大掛かりなものとなる。そこで、高真空環境下で溶接された溶接箇所のような大きな溶込み深さを必要としないが、溶接箇所の溶込み深さを増やそうとする場合には、高真空環境下の圧力よりも高い圧力である低真空環境下にて、電子ビーム溶接及びレーザ溶接が行われている。
例えば、低真空環境下のレーザ溶接に用いられる局所真空式レーザ溶接装置においては、レーザビームを出射する溶接ヘッド(出射光部)と、開口を形成した先端部及び基端部を有する共に基端部を溶接ヘッドに取付けた中空のノズルとを備え、このノズルが基端部から先端部に向かって先細り形状に形成されている。さらに、ノズルの内部空間を画定する周壁にはこの周壁を貫通するように排気孔が形成され、排気孔は、排気管を介して排気ポンプ、コンプレッサ等の排気機構(排気装置)に接続されている。このような構造において、排気装置によってノズルの内部空間が真空引きされた低真空状態で、溶接ヘッドから出射するレーザビームが、ノズルの基端部の開口から内部空間を通って先端部の開口に向かうようになっている。(例えば、特許文献1を参照)
特開平9−271979号公報
しかしながら、真空引きに用いられる排気ポンプ、コンプレッサ等の排気機構は複雑かつ大掛かりであるので、排気機構を有する溶接装置が複雑かつ大型化して、ひいては、溶接装置の製造コストが増加するという問題がある。そのため、ノズルの内部空間の圧力を減少させるための機構(以下、「エジェクタ機構」という)を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することが望まれている。さらに、局所真空式レーザ溶接装置では、溶接時に発生するヒュームを収集するための機構(以下、「ヒュームコレクタ機構」という)を設けることが要求されることがある。そこで、ヒュームコレクタ機構を別途設けた場合、溶接装置がさらに複雑かつ大型化してひいては、溶接装置の製造コストがさらに増加するという問題がある。そのため、エジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することもまた望まれている。
そこで、本発明の目的は、エジェクタ機構、又はエジェクタ機構及びヒュームコレクタ機構の組合せを有しながらシンプルかつ小型化可能である溶接装置を提供することにある。
課題を解決するために、本発明の第1態様、第2態様、及び第3態様に係る溶接装置は、溶接に用いられる熱を発するように構成された溶接ヘッドと、開口を形成した先端部及び基端部を有すると共に前記基端部を前記溶接ヘッドに取付けた中空のノズルとを備え、前記ノズルの内部空間の圧力を減少させた状態で、前記溶接ヘッドから発せられる熱を前記ノズルの基端部の開口から前記内部空間を通って前記先端部の開口に向けることができるように構成されている溶接装置であって、前記内部空間を画定する前記ノズルの周壁の内面が、前記ノズルの基端部から前記先端部に向かって広がるようにスカート形状に形成され、前記ノズルの周壁の内面に吸引口が形成され、前記吸引口が、ガスを通過可能とするように構成された吸引用ガス通過経路に接続され、前記吸引用ガス通過経路が、前記吸引口に対してガス流上流寄り及び下流寄りのそれぞれに位置する吸引用流入口及び吸引用流出口を有し、前記吸引用流入口から前記吸引用ガス通過経路を通って前記吸引用流出口に向かってガスを流すことによって、前記ノズルの内部空間のガスが前記吸引口から吸引されるように構成されている。そのため、吸引口に接続される吸引用ガス通過経路にガスを流すというシンプルな構造によって、ノズルの内部空間のガスを吸引口から吸引してノズルの内部空間の圧力を減少させることができる。特に、ガスを吸引用ガス通過経路に供給する機構は、従来の排気ポンプ、コンプレッサ等のような排気機構と比較してシンプルかつ小型化可能であるので、エジェクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。
本発明の第1態様及び第2態様に係る溶接装置では、前記吸引用ガス通過経路が前記ノズルの周壁の内部に位置している。そのため、エジェクタ機構をノズル内に集約することができるので、エジェクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。
本発明の第1態様に係る溶接装置では、前記吸引用流出口が、前記ノズルの先端部における開口の周縁領域に位置している。そのため、溶接時にノズルの先端部をワークピースに向けた状態で、吸引用流出口からガスを放出して、ノズルの先端部とワークピースとの間における隙間にシールドを形成することができる。その結果、ノズルの内部空間がノズルの外部に対して効率的に遮断されて、ノズルの内部空間の圧力を効率的に減少させることができる。よって、ノズルの内部空間の圧力を効率的に減少可能とするエジェクタ機構を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することができる。
本発明の第2態様に係る溶接装置では、前記ノズルの周壁の内部に、ガスを通過可能とするように構成されたシールド用ガス通過経路がさらに設けられ、前記シールド用ガス通過経路は、前記吸引用ガス通過経路に対して前記ノズルの周方向に間隔を空けて位置しており、前記シールド用ガス通過経路が、前記ノズルの先端部における開口の周縁領域に位置するシールド用流出口と、前記シールド用流出口に対してガス流上流に位置するシールド用流入口とを有し、前記吸引用ガス通過経路の吸引用流出口が、ガスを通過可能とするように構成された吸引経路に接続されており、前記シールド用流入口から前記シールド用ガス通過経路を通って前記シールド用流出口に向かって流されたガスが、前記シールド用流出口から前記ノズルの外部に放出されように構成され、その一方で、前記吸引用ガス通過経路の吸引用流出口を通過したガスが、前記吸引経路に送られて収集されるように構成されている。そのため、溶接時にノズルの先端部をワークピースに向けた状態で、シールド用ガス通過経路のシールド用流出口からガスを放出して、ノズルの先端部とワークピースとの間における隙間にシールドを形成することができる。その結果、ノズルの内部空間がノズルの外部に対して効率的に遮断されて、ノズルの内部空間の圧力を効率的に減少させることができる。また、溶接時に発生するヒュームが、吸引口から吸引されると共に吸引用ガス通過経路の吸引用流出口を通過した後に、吸引経路を通って収集されることとなる。よって、ノズルの内部空間の圧力を効率的に減少可能とするエジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することができる。
本発明の第3態様に係る溶接装置は、前記ノズルの周壁の外面に取付けられるエジェクタユニットをさらに備え、前記吸引口が前記ノズルの周壁を貫通しており、前記吸引用ガス通過経路が前記エジェクタユニットの内部に位置している。そのため、ノズルの内部空間の圧力を減少させるために、吸引用ガス通過経路を有するエジェクタユニットをノズルに取付ければよいので、エジェクタ機構を有する溶接装置の構造をシンプルにすることができる。
本発明の第1態様、第2態様、及び第3態様に係る溶接装置は、エジェクタ機構、又はエジェクタ機構及びヒュームコレクタ機構の組合せを有しながらシンプルかつ小型化可能になっている。
本発明の第1実施形態に係る溶接装置のノズル及びその周辺部分を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る溶接装置のノズルを、図1のA−A線に沿って切断した状態で示す斜視断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る溶接装置のノズルを、図2のB部にて拡大すると共に図3のC−C線に沿って切断した状態で示す拡大斜視断面図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置のノズル及びその周辺部分を示す概略斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置のノズルを、図5のD−D線に沿って切断した状態で示す斜視断面図である。 図5のD−D線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置のノズルを、図6のE部にて拡大すると共に図7のF−F線に沿って切断した状態で示す拡大斜視断面図である。 本発明の第2実施形態に係る溶接装置のノズルを、図6の矢印Gから見ると共に図7のH−H線に沿って切断した状態で示す拡大矢視断面図である。 本発明の第3実施形態に係る溶接装置のノズル及びその周辺部分を示す概略正面図である。 図10のI−I線断面図である。 本発明の第4実施形態に係る溶接装置のノズル及びその周辺部分を、図1のA−A線と同様の線に沿って切断した状態で示す概略断面図である。
本発明の第1実施形態〜第4実施形態に係る溶接装置を以下に説明する。第1実施形態〜第4実施形態においては、溶接装置はレーザ溶接を行うように構成されている。すなわち、溶接装置はレーザ溶接装置となっている。しかしながら、溶接装置は、これに限定されず、溶接に用いられる熱を発するように構成されていればよい。例えば、溶接装置が、レーザ溶接の代わりに、電子ビーム溶接を行うように構成されていてもよい。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る溶接装置を以下に説明する。図1に示すように、溶接装置は、溶接に用いられる熱としてレーザビームL(仮想線により示す)を発するように構成された溶接ヘッド1を備えている。また、溶接装置は、中空に形成されたノズル2を備えている。
図2〜図4を参照してノズル2の詳細を説明する。図2及び図3に示すように、ノズル2の基端部2aには開口(以下、「基端部開口」という)2bが形成されている。基端部2aに対向するノズル2の先端部2cにもまた開口(以下、「先端部開口」という)2dが形成されている。このような基端部開口2bと先端部開口2dとの間に内部空間2eが形成されている。図3に示すように、ノズル2の基端部2aは溶接ヘッド1に取付けられている。溶接ヘッド1から発せられるレーザビームLは、ノズル2の基端部開口2bから内部空間2eを通過して先端部開口2dに向かうようになっている。先端部開口2dを通過したレーザビームLはノズル2の外部に向けて発せられることとなる。
図2及び図3に示すように、ノズル2は、その内部空間2eを画定する周壁3を有している。周壁3は、内部空間2eに面する内面3aを有している。この内面3aは、ノズル2の基端部2aからその先端部2cに向かって広がるようにスカート形状に形成されている。周壁3はまた、内面3aに対向するようにノズル2の外周に位置する外面3bを有している。この外面3bもまた、ノズル2の基端部2aからその先端部2cに向かって広がるようにスカート形状に形成されている。本実施形態において、周壁3は、内面3a及び外面3bを円形状に形成した横断面を有している。しかしながら、周壁3は、これに限定されず、内面3a及び外面3bをそれぞれ円形状、楕円形状、多角形状等に形成した横断面を有していればよい。
また、図2〜図4に示すように、ノズル2の周壁3の内部には、ノズル2の内部空間2eの圧力を減少させる作用(以下、「減圧作用」という)と、ノズル2の先端部2c及び溶接対象のワークピースWの間における隙間をシールドする作用(以下、「シールド作用」という)とをもたらすためにガスを通過可能とするように構成された吸引用ガス通過経路4が設けられている。ノズル2の半分のみが示された図4においては、3個の吸引用ガス通過経路4の全部と、2個の吸引用ガス通過経路4の半分とが示されているに過ぎないが、本実施形態においては、8個の吸引用ガス通過経路4がノズル2の周壁3の内部に設けられている。しかしながら、吸引用ガス通過経路4の数はこれに限定されず、ノズル2の周壁3の内部に少なくとも1つの吸引用ガス通過経路4が設けられていればよい。
図2及び図3に示すように、吸引用ガス通過経路4は、周壁3の内面3aに沿ってノズル2の基端部2aからその先端部2cに向かうように配置されている。図4に示すように、隣り合う吸引用ガス通過経路4間には、吸引用ガス通過経路4の長手方向に沿って延びるように仕切部5が設けられている。この仕切部5によって隣り合う吸引用ガス通過経路4は互いに分離されている。そのため、複数の吸引用ガス通過経路4はノズル2の周方向に互いに間隔を空けて位置することとなる。
図2及び図3に示すように、各吸引用ガス通過経路4は、ノズル2の基端部2aにおける周壁3の内部に位置する吸引用流入口6と、吸引用ガス通過経路4の長手方向中間部分に位置する吸引口7と、ノズル2の先端部2cにおける先端部開口2dの周縁領域に位置する吸引用流出口8とを有している。このような吸引用流入口7及び吸引用流出口8のそれぞれは、吸引口7に対してガス流上流寄り及び下流寄りに位置することとなる。吸引口7は、吸引用ガス通過経路4と接続するようにノズル2の周壁3の内面3aに形成されている。この吸引口7が、内部空間2eと吸引用ガス通過経路4との間に連通をもたらすこととなる。吸引口7は、ノズル2の長手方向中央に対して基端部2a寄りに位置していると好ましい。
図3及び図4に示すように、ノズル2の基端部2aにおける周壁3の内部には、ノズル2の周方向に延びるように供給経路9が形成されている。供給経路9は8個の吸引用流入口6同士を接続している。ノズル2の基端部2aにおける周壁3の外面3bには、供給経路9と接続する供給口10が形成されている。供給口10には、アシストガスが供給されるようになっている。アシストガスは、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム等を含むとよく、例えば、アシストガスとして、空気、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、これらの混合ガス等が用いられるとよい。
ここで、図3を参照して吸引用ガス通過経路4の詳細を説明する。図3に示すように、吸引用ガス通過経路4は、吸引用流入口6のガス流下流寄りに位置する上流側ラバル部4aと、上流側ラバル部4aのガス流下流寄りに位置する下流側ラバル部4bと、下流側ラバル部4bのガス流下流寄りに位置する吸引口接続部4cと、吸引口接続部4cのガス流下流寄りに位置する上流側ディフューザ部4dと、上流側ディフューザ部4dのガス流下流寄りに位置する中間ディフューザ部4eと、中間ディフューザ部4eのガス流下流寄りに位置する下流側ディフューザ部4fとを有している。
図3に示すように、上流側ラバル部4aは、吸引用流入口6を介して供給経路9に接続されている。上流側ラバル部4aは、吸引用流入口6から下流側ラバル部4bに向かって略直線状に延びるように形成されている。上流側ラバル部4aの幅は、供給経路9の太さよりも小さくなっている。下流側ラバル部4bの幅は、上流側ラバル部4aから吸引口接続部4cに向かうに従って大きくなっている。吸引口接続部4cは吸引口7に接続されている。吸引口接続部4cの幅は、下流側ラバル部4bのガス流下流側端における最大幅よりも大きくなっており、下流側ラバル部4bと吸引口接続部4cとの間には段差が形成されている。上流側ディフューザ部4dの幅は、吸引口接続部4cから中間ディフューザ部4eに向かうに従って小さくなっている。上流側ディフューザ部4dのガス流上流側端における最大幅は、吸引口接続部4cの幅より小さくなっており、吸引口接続部4cと上流側ディフューザ部4dとの間には段差が形成されている。中間ディフューザ部4eは、上流側ディフューザ部4dから下流側ディフューザ部4fに向かって略直線状に延びるように形成されている。下流側ディフューザ部4fは、吸引用流出口8に接続されている。下流側ディフューザ部4fの幅は、中間ディフューザ部4eから吸引用流出口8に向かうに従って大きくなっている。
本実施形態において、減圧作用及びシールド作用をもたらすための方法について説明する。図3に示すように、溶接装置を、そのノズル2の先端部2cと溶接対象のワークピースWとの間に隙間を形成するように配置した状態で、アシストガスを供給口10に供給する。図4に示すように、供給されたアシストガスは、供給口10を通過して供給経路9に送られる。このアシストガスは各吸引用流入口6に送られる。
図3に示すように、吸引用流入口6に送られたアシストガスは、吸引用ガス通過経路4の上流側ラバル部4aを通過することによって加速される。加速されたアシストガスは、下流側ラバル部4bを通過することによって膨張し、かつこの膨張に伴って減圧される。減圧されたアシストガスが吸引口接続部4cに到達した際に、ノズル2の内部空間2eのガス(以下、「内部ガス」という)が吸引口7から吸引されることとなる。さらに、吸引用ガス通過経路4の吸引口接続部4cを通過したアシストガス及び内部ガスは、上流側ディフューザ部4d及び中間ディフューザ部4eを通過することによって加速される。加速されたアシストガス及び内部ガスが、下流側ディフューザ部4fを通って吸引用流出口8からノズル2の外部に放出される。このように吸引用流出口8からノズル2の外部に放出されたガスが、ノズル2の先端部2cとワークピースWとの間における隙間にシールドを形成することとなる。
このような方法によってノズル2の内部空間2eの圧力を減少させた低真空状態で、溶接ヘッド1からレーザビームLが発せられ、このレーザビームLが低真空状態の内部空間2eを通過した後にワークピースWに照射されて、ワークピースWが溶接されることとなる。なお、一例として、低真空状態におけるノズル2の内部空間2aの圧力は、−85kPaG以上であるとよい。
以上、本実施形態によれば、ノズル2の内部空間2eの圧力を減少可能とする機構(以下、「エジェクタ機構」という)を有する溶接装置において、吸引口7に接続される吸引用ガス通過経路4にアシストガスを流すというシンプルな構造によって、ノズル2の内部ガスを吸引口7から吸引してノズル2の内部空間2eの圧力を減少させることができる。特に、アシストガスを吸引用ガス通過経路4に供給する機構は、従来の排気ポンプ、コンプレッサ等のような排気機構と比較してシンプルかつ小型化可能であるので、エジェクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。ひいては、エジェクタ機構を有する溶接装置の製造コストを低減することができる。
本実施形態によれば、吸引用ガス通過経路4がノズル2の周壁3の内部に位置している。そのため、エジェクタ機構をノズル2内に集約することができるので、エジェクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。なお、付随的効果として、ノズル2の周壁3の内部にアシストガスが流れるので、ノズル2を効率的に冷却することができる。
本実施形態によれば、吸引用流出口8がノズル2の先端部2cにおける先端部開口2dの周縁領域に位置しており、吸引用ガス通過経路4を通過したアシストガス及び内部ガスが、吸引用流出口8からノズル2の外部に放出されるように構成されている。そのため、溶接時にノズル2の先端部2cをワークピースWに向けた状態で、吸引用流出口4からアシストガス及び内部ガスを放出して、ノズル2の先端部2cとワークピースWとの間にシールドを形成することができる。その結果、ノズル2の内部空間2eがノズル2の外部に対して効率的に遮断されて、ノズル2の内部空間2eの圧力を効率的に減少させることができる。よって、ノズル2の内部空間2eの圧力を効率的に減少可能とするエジェクタ機構を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る溶接装置について以下に説明する。図5に示すように、溶接装置は、第1実施形態と同様に構成された溶接ヘッド1を備えている。また、溶接装置は、中空に形成されたノズル21を備えている。
図5〜図9を参照してノズル21の詳細を説明する。図6及び図7に示すように、ノズル21は、第1実施形態と同様に構成された基端部21a、基端部開口21b、先端部21c、先端部開口21d、及び内部空間21eを有している。図7に示すように、ノズル21の基端部21aは溶接ヘッド1に取付けられている。図6及び図7に示すように、ノズル21は、内部空間21eを画定する周壁22を有している。この周壁22は、第1実施形態と同様に構成された内面22a及び外面22bを有している。
図6〜図9に示すように、周壁22の内部には、減圧作用、及びヒュームを収集する作用(以下、「ヒュームコレクタ作用」という)をもたらすためにガスを通過可能とするように構成された吸引用ガス通過経路23と、シールド作用をもたらすためにガスを通過可能とするように構成されたシールド用ガス通過経路24とが設けられている。ノズル21の半分のみが示された図8及び図9においては、4個の吸引用ガス通過経路23の全部と、1個の吸引用ガス通過経路23の一部と、4個のシールド用ガス通過経路24の全部と、1個のシールド用ガス通過経路24の一部とが示されているに過ぎないが、本実施形態においては、8個の吸引用ガス通過経路23と8個のシールド用ガス通過経路24とがノズル21の周壁22の内部に設けられている。しかしながら、吸引用ガス通過経路23及びシールド用ガス通過経路24の数はこれに限定されず、ノズル21の周壁22の内部に少なくとも1つの吸引用ガス通過経路23及び少なくとも1つのシールド用ガス通過経路24が設けられていればよい。
図6及び図7に示すように、吸引用ガス通過経路23及びシールド用ガス通過経路24は、周壁22の内面22aに沿ってノズル21の基端部21aからその先端部21cに向かうように配置されている。吸引用ガス通過経路23とシールド用ガス通過経路24とは、ノズル21の周方向に交互に並んで位置している。図8及び図9に示すように、隣り合う吸引用ガス通過経路23とシールド用ガス通過経路24との間には、それらの長手方向に沿って延びるように仕切部25が設けられている。この仕切部25によって、隣り合う吸引用ガス通過経路23とシールド用ガス通過経路24とは互いに分離されている。そのため、吸引用ガス通過経路23とシールド用ガス通過経路24とは、ノズル21の周方向に互いに間隔を空けて配置されることとなる。なお、吸引用ガス通過経路23におけるノズル21の周方向の長さは、シールド用ガス通過経路24におけるノズル21の周方向の長さより短くなっていると好ましい。
図6及び図7に示すように、各吸引用ガス通過経路23は、ノズル21の基端部21aにおける周壁22の内部に位置する吸引用流入口26と、吸引用ガス通過経路23の長手方向中間部分に位置する吸引口27と、ノズル21の先端部21cにおける周壁22の外面22bに位置する吸引用流出口28とを有している。このような吸引用流入口26及び吸引用流出口28のそれぞれは、吸引口27に対してガス流上流寄り及び下流寄りに位置することとなる。吸引口27は、吸引用ガス通過経路23と接続するようにノズル21の周壁22の内面22aに形成されている。この吸引口27が、内部空間21eと吸引用ガス通過経路23との間に連通をもたらすこととなる。吸引口27は、ノズル21の長手方向中央に対して基端部21a寄りに位置していると好ましい。さらに、図9に示すように、複数の吸引用ガス通過経路23の吸引用流出口28は、ガスを通過可能とするように構成された吸引経路29に接続されている。吸引経路29は、ノズル21の周壁22の外面22bにてノズル21の周方向に沿って延びるように形成されている。吸引経路29には、この吸引経路29を通過するガスを排出可能とする排出口30が形成されている。
図7に示すように、吸引用ガス通過経路23は、第1実施形態と同様に構成された上流側ラバル部23a、下流側ラバル部23b、吸引口接続部23c、上流側ディフューザ部23d、及び中間ディフューザ部23eを有している。吸引用ガス通過経路23に設けられた下流側ディフューザ部23fは、周壁22の外面22bに位置する吸引用流出口28に接続されていることを除いて、第1実施形態と同様に構成されている。
図6及び図7に示すように、各シールド用ガス通過経路24は、ノズル21の基端部21aにおける周壁22の内部に位置するシールド用流入口31と、ノズル21の先端部21cにおける先端部開口21dの周縁領域に位置するシールド用流出口32とを有している。このようなシールド用流入口31は、シールド用流出口32に対してガス流上流寄りに位置している。
図7及び図8に示すように、ノズル21の基端部21aにおける周壁22の内部には、ノズル21の周方向に延びるように供給経路33が形成されている。供給経路33は8個の吸引用流入口26及び8個のシールド用流入口31同士を接続している。ノズル21の基端部21aにおける周壁22の外面22bには、供給経路33と接続する供給口34が形成されている。供給口34にはアシストガスが供給されるようになっている。
本実施形態において、減圧作用、ヒュームコレクタ作用、及びシールド作用をもたらすための方法について説明する。図7に示すように、溶接装置を、そのノズル21の先端部21cと溶接対象のワークピースWとの間に隙間を形成するように配置した状態で、アシストガスを供給口34に供給する。図8に示すように、供給されたアシストガスは、供給口34を通過して供給経路33に送られる。このアシストガスは各吸引用流入口26及び各シールド用流入口31に送られる。
図7に示すように、吸引用流入口26に送られたアシストガスは、吸引用ガス通過経路23の上流側ラバル部23aを通過することによって加速される。加速されたアシストガスは、下流側ラバル部23bを通過することによって膨張し、かつこの膨張に伴って減圧される。減圧されたアシストガスが吸引口接続部23cに到達した際に、ノズル21の内部ガスが吸引口27から吸引されることとなる。さらに、吸引用ガス通過経路23の吸引口接続部23cを通過したアシストガス、内部ガス、及びヒュームは、上流側ディフューザ部23d及び中間ディフューザ部23eを通過することによって加速される。加速されたアシストガス、内部ガス、及びヒュームが、下流側ディフューザ部23fを通って吸引用流出口28に送られる。その後、吸引用流出口28を通過したアシストガス、内部ガス、及びヒュームが吸引経路29に送られる。このように吸引経路29に送られたヒュームが、排出口30を通ってアシストガス及び内部ガスと共に収集される。
その一方で、図7に示すように、シールド用ガス通過経路24に送られたアシストガスは、シールド用流出口32に送られる。その後、アシストガスは、シールド用流出口32からノズル21の外部に放出される。このようにシールド用流出口32からノズル21の外部に放出されたアシストガスが、ノズル21の先端部21cとワークピースWとの間の隙間にシールドを形成することとなる。
このような方法によってノズル21の内部空間21eの圧力を減少させた低真空状態で、溶接ヘッド1からレーザビームLが発せられ、このレーザビームLが低真空状態の内部空間21eを通過した後にワークピースWに照射されて、ワークピースWが溶接されることとなる。また、このような溶接時に発生するヒュームが、ノズル21の吸引口27から吸引された後に、吸引経路29を通って排出口30から収集されることとなる。
以上、本実施形態によれば、エジェクタ機構と、溶接時に発生するヒュームを収集する機構(以下、「ヒュームコレクタ機構」という)とを有する溶接装置において、吸引口27に接続される吸引用ガス通過経路23にアシストガスを流すというシンプルな構造によって、ノズル21の内部ガスを吸引口27から吸引してノズル21の内部空間21eの圧力を減少させることができる。特に、アシストガスを吸引用ガス通過経路23に供給する機構は、従来の排気ポンプ、コンプレッサ等のような排気機構と比較してシンプルかつ小型化可能であるので、エジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。ひいては、エジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置の製造コストを低減することができる。
本実施形態によれば、吸引用ガス通過経路23がノズル21の周壁22の内部に位置している。そのため、エジェクタ機構をノズル21内に集約することができるので、エジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。なお、付随的効果として、ノズル21の周壁22の内部にアシストガスが流れるので、ノズル21を効率的に冷却することができる。
本実施形態によれば、ノズル21の周壁22の内部に、ガスを通過可能とするように構成されたシールド用ガス通過経路24がさらに設けられ、シールド用ガス通過経路24は、吸引用ガス通過経路23に対してノズル21の周方向に間隔を空けて位置しており、シールド用ガス通過経路24が、ノズル21の先端部21cにおける開口21dの周縁領域に位置するシールド用流出口32と、シールド用流出口32に対してガス流上流に位置するシールド用流入口31とを有し、吸引用ガス通過経路23の吸引用流出口28が、ガスを通過可能とするように構成された吸引経路29に接続されており、シールド用流入口31からシールド用ガス通過経路24を通ってシールド用流出口32に向かって流されたアシストガスが、シールド用流出口32からノズル21の外部に放出されように構成され、吸引用流出口28を通過したガスが、吸引経路29に送られて収集されるように構成されている。そのため、溶接時にノズル21の先端部21cをワークピースWに向けた状態で、シールド用流出口32からアシストガスを放出して、ノズル21の先端部21cとワークピースWとの間における隙間にシールドを形成することができる。その結果、ノズル21の内部空間21eがノズル21の外部に対して効率的に遮断されて、ノズル21の内部空間21eの圧力を効率的に減少させることができる。また、溶接時に発生するヒュームが、吸引口27から吸引された後に、吸引経路29を通って収集されることとなる。よって、ノズル21の内部空間21eの圧力を効率的に減少可能とするエジェクタ機構に加えて、ヒュームコレクタ機構を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することができる。ひいては、エジェクタ機構に加えてヒュームコレクタ機構を有する溶接装置の製造コストをさらに低減することができる。
なお、本実施形態において、吸引用ガス通過経路23におけるノズル21の周方向の長さが、シールド用ガス通過経路24におけるノズル21の周方向の長さより短くなっている場合には、ノズル21の先端部21cにてシールド用流出口32の占める範囲を大きくすることができる。その結果、ノズル21の先端部21cのより広い範囲からアシストガスを放出できて、より広い範囲にてノズル21の先端部21cとワークピースWとの間における隙間にシールドを形成することができる。よって、ノズル21の内部空間21eがノズル21の外部に対してさらに効率的に遮断されて、ノズル21の内部空間21eの圧力をさらに効率的に減少させることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る溶接装置について以下に説明する。図10に示すように、溶接装置は、第1実施形態と同様に構成された溶接ヘッド1を備えている。溶接装置は、中空に形成されたノズル41を備えている。さらに、溶接装置は、減圧作用をもたらすためのエジェクタユニット42を備えている。
図10及び図11を参照してノズル41の詳細を説明する。図11に示すように、ノズル41は、第1実施形態と同様に構成された基端部41a、基端部開口41b、先端部41c、先端部開口41d、及び内部空間41eを有している。図10及び図11に示すように、ノズル41の基端部41aは溶接ヘッド1に取付けられている。ノズル41は、内部空間41eを画定する周壁43を有している。図11に示すように、この周壁43は、第1実施形態と同様に構成された内面43a及び外面43bを有している。また、ノズル41には、周壁43を貫通する吸引口44が形成されている。
図11を参照してエジェクタユニット42の詳細を説明する。図11に示すように、エジェクタユニット42は、縦断面視で略T字形状に形成されている。このようなエジェクタユニット42は、ノズル41の周壁43の外面43bに取付けられる一方端部を有する取付部42aと、取付部42aにおける一方端部に対向する他方端部と交差するように延びる本体部42bとを有している。エジェクタユニット42の取付部42aの内部には、ガスを通過可能とするように構成された接続経路45が形成されている。エジェクタユニット42の本体部42bの内部には、ガスを通過可能とするように構成された吸引用ガス通過経路46が形成されている。
図11に示すように、接続経路45の一方端部は、ノズル41の吸引口44と接続している。接続経路45における一方端部に対向する他方端部は、吸引用ガス通過経路46の長手方向中間部分に接続されている。吸引用ガス通過経路46は、その一方端部に位置する吸引用流入口47と、吸引用ガス通過経路46における一方端部に対向する他方端部に位置する吸引用流出口48とを有している。このような吸引用流入口47及び吸引用流出口48のそれぞれは、接続経路45に接続された吸引口44に対してガス流上流寄り及び下流寄りに位置することとなる。吸引用ガス通過経路46は、ノズル41の内部ガスを吸引口44から吸引するために、接続経路45と接続する吸引用ガス通過経路46の吸引口接続部46aの圧力を減少可能とするように構成されている。なお、このような吸引用ガス通過経路46は、第1実施形態の吸引用ガス通過経路4と同様の形状を有していてもよい。
本実施形態において、減圧作用をもたらすための方法について説明する。図11に示すように、溶接装置を、そのノズル41の先端部41cと溶接対象のワークピースWとの間に隙間を形成するように配置した状態で、アシストガスを、エジェクタユニット42の吸引用流入口47に供給する。供給されたアシストガスが、エジェクタユニット42の吸引用ガス通過経路46を通過する際に、ノズル41の内部ガスが吸引口44から吸引されることとなる。さらに、吸引用ガス通過経路46の吸引口接続部46aを通過したアシストガス及び内部ガスは、エジェクタユニット42の吸引用流出口48からエジェクタユニット42の外部に放出されることとなる。
このような方法によってノズル41の内部空間41eの圧力を減少させた低真空状態で、溶接ヘッド1からレーザビームLが発せられ、このレーザビームLが低真空状態の内部空間41eを通過した後にワークピースWに照射されて、ワークピースWが溶接されることとなる。
以上、本実施形態によれば、エジェクタ機構を有する溶接装置において、吸引口44に接続される吸引用ガス通過経路46にアシストガスを流すというシンプルな構造によって、ノズル41の内部ガスを吸引口44から吸引してノズル41の内部空間41eの圧力を減少させることができる。特に、アシストガスを吸引用ガス通過経路46に供給する機構は、従来の排気ポンプ、コンプレッサ等のような排気機構と比較してシンプルかつ小型化可能であるので、エジェクタ機構を有する溶接装置をシンプルかつ小型化することができる。ひいては、エジェクタ機構を有する溶接装置の製造コストを低減することができる。
本実施形態によれば、溶接装置が、ノズル41の周壁43の外面43bに取付けられるエジェクタユニット42を備えており、吸引口44がノズル41の周壁43を貫通しており、吸引用ガス通過経路46がエジェクタユニット42の本体部42bの内部に位置している。そのため、ノズル41の内部空間41eの圧力を減少させるために、吸引用ガス通過経路46を有するエジェクタユニット42をノズル41に取付ければよいので、エジェクタ機構を有する溶接装置の構造をシンプルにすることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る溶接装置について以下に説明する。図12に示すように、本実施形態に係る溶接装置は、第1実施形態に係る溶接装置の構成に加えて、シールド部材61を備えている。なお、図12にて、シールド部材61は、ワークピースWに押し付けられることによって変形した状態で示されているが、以下においては、図12を参照しながら、変形していない状態のシールド部材61について説明する。
シールド部材61は弾性部材として構成されている。一例として、シールド部材61はゴム等を用いて作製されているとよい。シールド部材61は、ノズル2の先端部2cにおける周壁3の内面3aに沿って筒形状に形成されている。詳細には、シールド部材61は、シールド部材61の基端部61aからその先端部61bに向かって広がるようにスカート形状に形成されている。シールド部材61の基端部61aは、ノズル2の先端部2cにおける周壁3の内面3aに取付けられている。シールド部材61の先端部61bは、ノズル2の先端部開口2dからノズル2の外部に突出している。このようなシールド部材61をワークピースWに押し付けた状態で、溶接が実施されることとなる。また、シールド部材61は、弾性部材として構成されているので、溶接時における溶接ヘッド1の移動に追従可能となっている。
以上、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、溶接時に、シールド部材61をワークピースWに押し付けることによって、ノズル2の先端部2cとワークピースWとの間に確実にシールドを形成することができる。その結果、ノズル2の内部空間2eがノズル2の外部に対して効率的に遮断されて、ノズル2の内部空間2eの圧力を効率的に減少させることができる。よって、ノズル2の内部空間2eの圧力を効率的に減少可能とするエジェクタ機構を有する溶接装置を、シンプルかつ小型化することができる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、本発明の変形例として、第2実施形態及び第3実施形態の溶接装置が、第4実施形態と同様のシールド部材61を備えていてもよい。
[実施例]
本発明の実施例について説明する。本実施例では、第1実施形態と同様の溶接装置において、ノズル2の内部ガスを吸引することによってノズル2の内部空間2eの圧力を減少させた状態とする。このような状態の内部空間2eの圧力を測定すると、その圧力は約−50kPaGとなる。よって、本実施例の溶接装置においては、そのノズル2の内部空間2eの圧力が確実に減少可能であることが確認できる。
1 溶接ヘッド
2,21,41 ノズル
2a,21a,41a 基端部
2b,21b,41b 開口(基端部開口)
2c,21c,41c 先端部
2d,21d,41d 開口(先端部開口)
2e,21e,41e 内部空間
3,22,43 周壁
3a,22a,43a 内面
4,23,46 吸引用ガス通過経路
6,26,47 吸引用流入口
7,27,44 吸引口
8,28,48 吸引用流出口
24 シールド用ガス通過経路
29 吸引経路
31 シールド用流入口
32 シールド用流出口
42 エジェクタユニット
L レーザビーム
W ワークピース

Claims (5)

  1. 溶接に用いられる熱を発するように構成された溶接ヘッドと、
    開口を形成した先端部及び基端部を有すると共に前記基端部を前記溶接ヘッドに取付けた中空のノズルと
    を備え、
    前記ノズルの内部空間の圧力を減少させた状態で、前記溶接ヘッドから発せられる熱を前記ノズルの基端部の開口から前記内部空間を通って前記先端部の開口に向けることができるように構成されている溶接装置であって、
    前記内部空間を画定する前記ノズルの周壁の内面が、前記ノズルの基端部から前記先端部に向かって広がるようにスカート形状に形成され、
    前記ノズルの周壁の内面に吸引口が形成され、
    前記吸引口が、ガスを通過可能とするように構成された吸引用ガス通過経路に接続され、
    前記吸引用ガス通過経路が、前記吸引口に対してガス流上流寄り及び下流寄りのそれぞれに位置する吸引用流入口及び吸引用流出口を有し、
    前記吸引用流入口から前記吸引用ガス通過経路を通って前記吸引用流出口に向かってガスを流すことによって、前記ノズルの内部空間のガスが前記吸引口から吸引されるように構成されている、溶接装置。
  2. 前記吸引用ガス通過経路が前記ノズルの周壁の内部に位置している、請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記吸引用流出口が、前記ノズルの先端部における開口の周縁領域に位置している、請求項2に記載の溶接装置。
  4. 前記ノズルの周壁の内部に、ガスを通過可能とするように構成されたシールド用ガス通過経路がさらに設けられ、
    前記シールド用ガス通過経路は、前記吸引用ガス通過経路に対して前記ノズルの周方向に間隔を空けて位置しており、
    前記シールド用ガス通過経路が、前記ノズルの先端部における開口の周縁領域に位置するシールド用流出口と、前記シールド用流出口に対してガス流上流に位置するシールド用流入口とを有し、
    前記吸引用ガス通過経路の吸引用流出口が、ガスを通過可能とするように構成された吸引経路に接続されており、
    前記シールド用流入口から前記シールド用ガス通過経路を通って前記シールド用流出口に向かって流されたガスが、前記シールド用流出口から前記ノズルの外部に放出されように構成され、
    その一方で、前記吸引用ガス通過経路の吸引用流出口を通過したガスが、前記吸引経路に送られて収集されるように構成されている、請求項2に記載の溶接装置。
  5. 前記ノズルの周壁の外面に取付けられるエジェクタユニットをさらに備え、
    前記吸引口が前記ノズルの周壁を貫通しており、
    前記吸引用ガス通過経路が前記エジェクタユニットの内部に位置している、請求項1に記載の溶接装置。
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