JP2015077028A - 異常判定装置、充放電情報提示装置、二次電池モジュール、異常判定方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
《第1の実施形態》
図1は、少なくとも1つの実施形態に係る二次電池モジュール1の構成を示す概略図である。
二次電池モジュール1は、外殻をなす筐体11、複数のセル電池12、複数のCMU13(Cell Monitoring Unit:セル監視回路)、送風ファン14、雰囲気温度センサ15、BMU16(Battery Management Unit:電池制御回路)とを備える。
CMU13は、セル電池12毎に設けられ、セル電池12の電圧値、電流値、セル温度を測定する。つまり、CMU13は、セル電池12毎に設けられた図示しない電流センサ、電圧センサ、温度センサから、センサ値を取得する。なお、本実施形態においてCMU13が測定するセル温度は、実測温度の一例である。また、CMU13は、セル電池12毎ではなく、複数のセル電池について1個設けて、その1個から計測ケーブルを各セル電池12まで延長して、各セル電池12の電圧値、電流値、セル温度を計測しても良い。セル電池12が直列に接続してあれば、セル電池12の電流値は全て同じになるので、電流値の計測は直列に接続された複数のセル電池12のどこか一か所で行えば良い。
送風ファン14は、筐体11の内部から筐体内部で発生した熱で温められた空気を強制移動させる機能を有する。本実施形態において空気は冷媒の一例である。
雰囲気温度センサ15は、二次電池モジュール1の雰囲気温度を計測する。つまり、雰囲気温度センサ15は、筐体11の外部の温度を計測する。
BMU16は、センサ値取得部101、充電率推定部102、内部抵抗記憶部103、内部抵抗特定部104、温度範囲特定部105、判定時間特定部106、温度算出部107、算出温度記憶部108、差分算出部109、判定部110、計時部111を備える。
なお、本実施形態において時刻tは、第1時刻の一例であり、時刻t+ΔTは、第2時刻の一例である。
計時部111は、差分算出部109が算出した差分絶対値が、温度範囲特定部105が特定した温度範囲を超える状態の継続時間を計時する。
図3は、セル電池12の充電率を固定した場合におけるセル温度と内部抵抗値との関係の一例を示す図である。
図3に示すように、セル温度が低いほど、セル電池12の内部抵抗値は高い値となる。また、図3に示すように、セル温度が低いほど、つまり内部抵抗値が高いほど、内部抵抗値の変化率は高い値となる。つまり、内部抵抗値が高いほど、温度センサの誤差による内部抵抗値のバラツキが大きくなる。そのため、内部抵抗値に対して単調非減少する温度範囲及び判定時間を用いることで、当該バラツキによって異常が誤検出されることを防ぐことができる。
なお、内部抵抗値に対して単調非減少であることと、セル温度に対する内部抵抗値の変化率に対して単調非減少であることとが等価であることは、上述した説明から明らかである。
図4に示すように、セル電池12の充電率が所定の充電率(例えば、50%)から離れるほど、セル電池12の内部抵抗値は高い値となる。また、図4に示すように、セル電池12の充電率が所定の充電率から離れるほど、つまり内部抵抗値が高いほど、内部抵抗値の変化率は高い値となる。つまり、内部抵抗値が高いほど、電圧センサや電流センサの誤差等により生じる充電率推定誤差のため、内部抵抗値のバラツキが大きくなる。そのため、内部抵抗値に対して単調非減少する温度範囲及び判定時間を用いることで、当該バラツキによって異常が誤検出されることを防ぐことができる。なお、充電率と内部抵抗値の関係は、図4に示す例に限られない。例えば、二次電池の設計によっては、セル電池12の充電率が低いほど内部抵抗が高い値になることもある。
なお、内部抵抗値に対して単調非減少であることと、充電率に対する内部抵抗値の変化率に対して単調非減少であることとが等価であることは、上述した説明から明らかである。
図5は、第1の実施形態に係る二次電池モジュール1の異常判定方法を示すフローチャートである。
次に、温度範囲特定部105は、内部抵抗特定部104が特定した内部抵抗に対して単調非減少する温度範囲を特定する(ステップS4)。
また、判定時間特定部106は、内部抵抗特定部104が特定した内部抵抗に対して単調非減少する判定時間を特定する(ステップS5)。
他方、判定部110は、計時部111が計時する継続時間が、判定時間特定部106が特定した判定時間以上であると判定した場合(ステップS13:YES)、二次電池モジュール1に異常があると判定し(ステップS14)、処理を終了する。
二次電池モジュール1が正常である場合、セル温度と電流値と雰囲気温度と内部抵抗との関係は、式(1)を満たす。そのため、センサの計測誤差があったとしても、セル温度の実測値と理論値との差は小さい値となる。他方、セル電池12に異常発熱があった場合、セル温度の実測値は、理論値より大きくなる。セル電池12の異常発熱とは、例えばセル電池12同士を接続するバスバーの接触不良によって生じるアーク放電による発熱や、セル電池12の劣化による発熱などが挙げられる。また、セル電池12に設けられる充放電に係る物理量を計測するセンサ(電流センサ、電圧センサ)や雰囲気温度センサ15が故障した場合、温度算出部107が算出したセル温度が正確な値でなくなるため、セル温度の理論値とセル温度の実測値との差は大きくなる。また、セル電池12に設けられた温度センサが故障した場合、セル温度の実測値が正確な値でなくなるため、セル温度の理論値と実測値との差は大きくなる。
このように、本実施形態によれば、BMU16は、セル電池12及び周辺機器を含む二次電池モジュール1の異常の有無を判定することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る二次電池モジュール1は、第1の実施形態とBMU26の動作が異なる。
第2の実施形態に係るBMU26は、第1の実施形態の構成に加えて、送風判定部212と熱伝達係数決定部213とをさらに備える。また、第2の実施形態に係るBMU26は、第1の実施形態と温度算出部207の動作が異なる。
なお、熱交換の効率は流速によって異なるため、送風ファン14が動作しているか否かによって空気による熱交換の効率が変化する。
これにより、本実施形態に係るBMU26は、より正確にセル電池12の温度を予測することができる。そのため、BMU26は、精度よく二次電池モジュール1の故障を判定することができる。
図7は、第3の実施形態に係るBMU36の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態に係るBMU36は、第1の実施形態の構成に加えて、内部抵抗算出部314と、抵抗劣化係数算出部315とをさらに備える。また、第3の実施形態に係るBMU36は、第1の実施形態と内部抵抗特定部304の動作が異なる。
しかし、本実施形態によれば、抵抗劣化係数算出部315が算出した抵抗劣化係数γを用いることで、内部抵抗特定部304は、セル電池12が特定の運用状態であるか否かに関わらず、内部抵抗値を、劣化も考慮してDCR×γの値として特定することができる。
このように、抵抗劣化係数γが分かる場合、式(1)のDCR(t)は、DCR(t)×γに、式(2)のDCRはDCR×γに修正することができる。これにより、本実施形態に係るBMU36は、より正確にセル電池12の温度を予測することができる。そのため、BMU36は、精度よく二次電池モジュール1の故障を判定することができる。
なお、劣化をセル電池12の異常とみなさない場合は、上述した補正を行うが、劣化を異常とみなす場合、内部抵抗特定部204は、上記補正を行わなくても良い。
図8は、第4の実施形態に係るBMU46の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態に係るBMU46は、第1の実施形態の構成に加えて、許容電流算出部416と提示部417とをさらに備える。なお、第4の実施形態に係るBMU46は、異常判定装置の一例であり、充放電情報提示装置の一例でもある。
許容電流算出部416は、具体的には、式(3)に基づいて許容電流値を算出する。
なお、異常判定温度Tsinhが雰囲気温度T∞以下である場合(Tsinh−T∞≦0)、許容電流算出部416は、式(3)によらず許容電流を0Aとする。本実施形態において許容電流算出部416は、物理量算出部の一例である。
なお、本実施形態では、許容電流算出部416が異常判定温度となる電流である許容電流値を算出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、許容電流算出部416に代えて、異常判定温度となる電圧である許容電圧値を算出する許容電圧算出部を備えても良い。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述のBMUは、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902に確保する。
Claims (16)
- 二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量に基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する温度算出部と、
前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が所定の温度範囲を超える場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する判定部と、
を備える異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールの実測温度または前記二次電池モジュールの充電率に基づいて、前記二次電池モジュールの実測温度または前記二次電池モジュールの充電率に対する前記二次電池モジュールの内部抵抗値の変化率が大きいほど広くなる前記温度範囲を特定する温度範囲特定部を備え、
前記判定部は、前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が前記温度範囲特定部が特定した温度範囲を超える場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する
請求項1に記載の異常判定装置。 - 前記判定部は、前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が所定の温度範囲を超える状態が所定の判定時間以上継続した場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する
請求項1または請求項2に記載の異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールの実測温度または前記二次電池モジュールの充電率に基づいて、前記二次電池モジュールの実測温度または前記二次電池モジュールの充電率に対する前記二次電池モジュールの内部抵抗値の変化率が大きいほど長くなる前記判定時間を特定する判定時間特定部を備え、
前記判定部は、前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が所定の温度範囲を超える状態が、前記判定時間特定部が特定した判定時間以上継続した場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する
請求項3に記載の異常判定装置。 - 前記温度算出部は、第1時刻における前記電気に係る物理量に基づいて、前記第1時刻より所定時間経過後の時刻である第2時刻における前記二次電池モジュールの温度を算出し、
前記判定部は、前記第2時刻において計測された前記二次電池モジュールの実測温度と、前記温度算出部が算出した温度との差が所定の温度範囲を超えた場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールに冷媒を供給する送風ファンが動作しているか否かを判定する送風判定部を備え、
前記温度算出部は、前記送風ファンの動作の有無に応じて定まる前記二次電池モジュールの熱伝達係数と前記二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量とに基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールの温度及び前記二次電池モジュールの充電率と、前記二次電池モジュールの内部抵抗値とを関連付けて記憶する内部抵抗記憶部を備え、
前記温度算出部は、前記二次電池モジュールの実測温度及び前記二次電池モジュールの充電率に関連付けられた内部抵抗値と前記二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量とに基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールの電気に係る物理量が所定の変化率以下となった時の前記二次電池モジュールの電気に係る物理量に基づいて、前記二次電池モジュールの内部抵抗値を算出する内部抵抗算出部と、
前記内部抵抗算出部が算出した内部抵抗値と前記内部抵抗記憶部が記憶する内部抵抗値との比率を抵抗劣化係数として算出する抵抗劣化係数算出部と
を備え、
前記温度算出部は、前記二次電池モジュールの実測温度及び前記二次電池モジュールの充電率に関連付けられた内部抵抗値に前記抵抗劣化係数を乗じた値と前記二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量とに基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する
請求項7に記載の異常判定装置。 - 前記二次電池モジュールの雰囲気温度に基づいて、前記二次電池モジュールの温度が所定の異常判定温度になるような、前記充放電に係る物理量を算出する物理量算出部と、
前記物理量算出部が算出した物理量に基づいた情報を提示する提示部と、
を備える請求項1から請求項8の何れか1項に記載の異常判定装置。 - 前記提示部は、前記二次電池モジュールの充放電に係る物理量と前記物理量算出部が算出した物理量との差が所定の範囲を超える場合に、警告を提示する
請求項9に記載の異常判定装置。 - 前記温度算出部は、前記二次電池モジュールの温度変化量、前記二次電池モジュールの内部抵抗値及び前記二次電池モジュールの充放電に係る電気の物理量によって定まる発熱量と前記二次電池モジュールの雰囲気への放熱量の差との関係を示す式に基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の異常判定装置。 - 二次電池モジュールの雰囲気温度に基づいて、前記二次電池モジュールの雰囲気温度に基づいて、前記二次電池モジュールの温度が所定の異常判定温度になるような、前記充放電に係る物理量を算出する物理量算出部と、
前記物理量算出部が算出した物理量に基づいた情報を提示する提示部と、
を備える充放電情報提示装置。 - 前記物理量算出部は、前記二次電池モジュールの温度変化量と前記二次電池モジュールの内部抵抗値と充放電に係る電気の物理量によって定まる発熱量と前記二次電池モジュールの雰囲気への放熱量の差の関係を示す式に基づいて前記充放電に係る物理量を算出する
請求項12に記載の充放電情報提示装置。 - 複数のセル電池と、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の異常判定装置とを備える二次電池モジュール。
- 二次電池モジュールが異常であるか否かを判定する異常判定方法であって、
二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量に基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出するステップと、
前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が所定の温度範囲を超える場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定するステップと、
を有する異常判定方法。 - コンピュータを、
二次電池モジュールが充放電する電気に係る物理量に基づいて前記二次電池モジュールの温度を算出する温度算出部、
前記温度算出部が算出した温度と前記二次電池モジュールの実測温度との差が所定の温度範囲を超える場合に、前記二次電池モジュールが異常であると判定する判定部、
として機能させるためのプログラム。
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