JP2015076849A - スピーカー - Google Patents

スピーカー Download PDF

Info

Publication number
JP2015076849A
JP2015076849A JP2013213898A JP2013213898A JP2015076849A JP 2015076849 A JP2015076849 A JP 2015076849A JP 2013213898 A JP2013213898 A JP 2013213898A JP 2013213898 A JP2013213898 A JP 2013213898A JP 2015076849 A JP2015076849 A JP 2015076849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation plate
vibration
plate
transmission member
wood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013213898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5457600B1 (ja
Inventor
金平 横濱
Kinpei Yokohama
金平 横濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2013213898A priority Critical patent/JP5457600B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5457600B1 publication Critical patent/JP5457600B1/ja
Publication of JP2015076849A publication Critical patent/JP2015076849A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

【課題】音質が低下しにくいスピーカーを提供する。
【解決手段】本発明のスピーカー1は放射板2の裏面側に振動装置3を設けられる。前記振動装置3で発生した振動が前記放射板2に伝達される。前記振動が前記放射板2から音として放射される。前記放射板2は気乾材で形成される平板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカーに関するものである。
従来、パネル状のスピーカーとして各種のものが提案されている。例えば、特許文献1には、発泡プラスチック製の板材にスピーカーを取り付けた発泡プラスチック共鳴装置が記載されている。この装置では、スピーカーから発生した音で板材を振動させ、さらに振動させた板材から音を放射しようとするものである。
特開2002−64898号公報
しかし、上記の発泡プラスチック共鳴装置では、振動がスピーカーから板材に伝わった後、板材に均一に広がりにくく、音質が低下しやすいという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、音質が低下しにくいスピーカーを提供することを目的とするものである。
本発明に係るスピーカーは、放射板の裏面側に振動装置が設けられ、前記振動装置で発生した振動が前記放射板に伝達され、前記振動が前記放射板から音として放射されるスピーカーであって、前記放射板は気乾材で形成される平板であることを特徴とする。
本発明にあっては、前記放射板は矩形に形成され、前記振動を前記振動装置から前記放射板に伝達するための伝達部材が前記振動装置と前記放射板との間に設けられ、前記伝達部材は前記放射板の繊維方向と直交する方向で前記放射板の年輪方向の全長にわたって形成されることが好ましい。
本発明にあっては、前記伝達部材は前記放射板の中心からずれた位置に設けられていることが好ましい。
本発明にあっては、前記振動を前記振動装置から前記伝達部材の一点に伝達するための伝達棒が前記振動装置と前記伝達部材との間に設けられることが好ましい。
本発明にあっては、前記振動装置は前記振動が増幅される増幅板を備えることが好ましい。
本発明にあっては、前記放射板はその裏面が凹凸面に形成されていることが好ましい。
本発明は、放射板が気乾材で形成される平板であるので、振動が気乾材の平板に存在する空気層などを通じて放射板の全体に伝達しやすくなり、放射板からの音の放射が短時間で安定しやすくなって、音質が低下しにくいものである。
本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。 (a)は樹木の一分を示す断面図、(b)は年輪を示す模式図、(c)は導管を示す模式図である。 本発明に用いる振動装置の一例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明に用いる振動装置の増幅板の他例を示す平面図である。 本発明に用いる振動装置の他例を示す平面図である。 本発明に用いる伝達部材と振動装置と伝達棒の一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は振動の伝わり方を示す模式図である。 (a)及び(b)は振動の伝達位置を示す説明図である。 本発明の放射板の一例を示す一部の斜視図である。 本発明の他の実施の形態の一例を示す裏面図である。 本発明で用いる放射板の他例を示し、(a)及び(b)は一部の斜視図である。 本発明で用いる放射板の他例を示す一部の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本実施の形態のスピーカー1の一例である。このスピーカー1は放射板2と振動装置3と伝達部材4と伝達棒5とを備えている。
放射板2としては、その全体にスムーズに振動を伝達させるために、気乾材で形成される木製の平板を用いる。木製の平板としては、無垢材、複数の無垢材の薄板が積層された合板、複数の無垢材を組合せた集成材などが例示される。これらの中でも、放射板2は無垢材で形成されることが好ましい。この場合、放射板2の製造時のエネルギーの消費が少なく、環境への負荷を少なくすることができる。さらに好ましくは、放射板2は国産木材の杉や桧の無垢材で形成されることが好ましい。この場合、森林環境の保全や森林の整備に貢献することができる。また放射板2は完全に平らな板である必要はなく、多少反っていたり、表面に小さな凹凸があったりしても良い。
放射板2は気乾材で形成されている。気乾材とは、大気中(空気中)で乾燥させた木材(製材)であって、大気の温度や湿度に応じた一定の含水率で平衡状態になっているものである。さらに、放射板2は気乾材の中でも平衡木材を用いるのが好ましい。平衡木材とは、室内空気環境が機械設備(暖房装置・冷房装置)によって快適な温度・湿度に制御された室内空気環境下で所定の含水率で平衡状態なった気乾材である。
一般的な気乾材は、大気中の相対湿度で刻々と含水率が変化し平衡含水率の状態なった木材であって、地域や12ヶ月毎に平均平衡含水率は異なる。日本木材学会の公知の資料では、大気中での木材の年間平均平衡含水率は、東京都内では12%程度、紀伊半島から瀬戸内海の山陽地区では12%程度、北関東から名古屋〜山陰地区、四国、九州では13%程度とされている。即ち、気乾材の平均的な平衡含水率は大気中の温度・湿度に平衡した12%〜13%程度ということになる。木材は伐採直後で100%以上の含水率であるが、木材の強さや機能が含水率によって変わる。これは、水が単に吸着されているのではなく、水分子が細胞構造(水素結合)に取り込まれ、細胞構造(水素結合)は紐状(後述の晩材102に形成される導管104や早材103に形成される導管106)の親水性が高い多糖質(セルロース、ヘミセルロース)で緊密なかご状に形成されているからである。細胞全体は水(自由水)を通す役割(後述の空気層105)を持ち、水分子は水素結合(結合水)によって細胞の一部を構成している。木材の含水率の基準は日本農林規格(JAS)によって定められている。例示すれば、製材品(針葉樹)の仕上げ材(人工乾燥処理)はSD15=15%、SD20=20%であり、集成材は平均値15%以下であり、フローリング(床板)の天然乾燥の針葉樹は20%、広葉樹は17%であり、フローリング(床板)の人工乾燥(機械乾燥)の針葉樹は15%、広葉樹は13%である。
出願人は、これまで乾燥木材として流通している日本農林規格(JAS)で示された乾燥基準や日本木材学会の公知の資料による気乾材(平衡含水率12%〜13%)は、気密度が高く機械設備(暖房装置・冷房装置)が完備された室内空気環境下においては、木材の乾燥はさらに進行して含水率は低下し、収縮して割れたり反ったりすることに着目し、木材の含水率変化を計測する実験を繰り返し行った。その結果、気密度が高く、機械設備(暖房装置・冷房装置)が完備された室内空気環境下では、日本農林規格(JAS)で示された乾燥基準や日本木材学会の公知の資料による気乾材(平衡含水率12%〜13%)とは大幅に異なる平衡含水率の状態であることを見出した。例示すれば、室内温度21℃〜27℃、室内湿度30%程度の機械設備(暖房装置・冷房装置)によって空気環境が制御された室内空気環境下では木材の平衡含水率は6.1%〜6.2%、室内温度21℃〜27℃、室内湿度50%程度の室内空気環境下では木材の平衡含水率は7.6%〜9.1%である。
放射板2として使用される気乾材は、これまでの日本農林規格(JAS)や公共建築木造工事標準仕様書の乾燥品質基準を遵守しながら、前述の含水率6.1%〜12%程度の急激な含水率の変化に追従できるものであることが好ましい。すなわち、機械設備(暖房装置・冷房装置)によって空気環境が制御された室内空気環境下において平衡状態に達した含水率の乾燥履歴をもつ気乾材(すなわち平衡木材)を放射板2として使用することが好ましい。木材には乾燥履歴現象(ヒステリシス)が存在することは広く知られており含水率が6%以下の乾燥履歴を持った木材は、含水率6.1%〜12%程度の急激な含水率の変化にたいして、収縮して割れたり反ったりすることはほとんど無い。放射板2に形成される気乾材は、水分をほとんど含まない過乾燥状態の木材(全乾材)から徐々に吸湿させて平衡状態に達した乾燥履歴を持つ気乾材がより好ましい。前述の過乾燥状態の木材(全乾材)から徐々に吸湿させて平衡状態に達した木材は、室内の空気環境(温度や湿度)の急激な変化に対して収縮して割れたり反ったりしにくく、音響効果(音の振動伝播)は、振動装置3から発生した振動が、自由水や過度な水分子に影響されることが少ない。従って、このような気乾材を放射板2として用いると、図2(c)に示した通り、振動が効率よく伝播し、音として放射されやすい。このような放射板2はバイオリンなどの楽器に類似した音響特性を有するものである。放射板2が気乾材でない場合は放射される音の放射が安定しにくいが、気乾材の放射板2であれば、短時間で音の放射が安定しやすくなる。また、気乾材で形成される放射板2は調湿機能を高めながら寸法安定性を高めることができて好ましいものである。
放射板2として用いる気乾材を得るための乾燥方法は、大気中で乾燥させる天然乾燥方法であっても良いし、各種の乾燥機械を使用した人工乾燥方法でも良い。乾燥機械を使用した乾燥方法では、乾燥後に大気中(空気中)に晒して含水率が平衡状態になるまで養生する必要がある。気乾材を得る方法は、天然乾燥方法及び人工乾燥方法のいずれにも限定されない。
放射板2は柾目と板目のいずれの木材(製材)であっても良いが、柾目の方が好ましい。柾目の木材では木目が比較的規則正しく連続している。板目の木材では木目がランダムに現れている。放射板2に伝わった振動は、年輪方向よりも木目方向(繊維方向)の方が伝達しやすい。また放射板2は、年輪方向よりも木目方向において、比ヤング率は高く、内部摩擦は低く、音の早い立ち上がりと安定した振動を得ることができる。図2のように、年輪100は樹木101の横断面(木口面)に現れる輪である。年輪方向Xとは複数の年輪100が並ぶ方向であって、樹木101の半径方向である。木目方向(繊維方向)Yとは、年輪方向Xと直交する方向であり、樹木101の軸方向である。図2(b)のように、一年分の年輪100は晩材102と早材103とが連続して形成されている。晩材102は密度が高くて硬い部分である。早材103は密度が低くて柔らかい部分である。図2(c)のように、早材103に形成される導管106は、晩材102に形成される導管104よりも空気層105の断面積(口径)が大きい。従って、晩材102は早材103よりも密度が高い。導管104、106は木目方向Yに長く形成されている。また複数の導管104,106が年輪方向Xに並んている。放射板2に伝達された振動(音)は、年輪方向Xよりも木目方向Yの方が伝達されやすい。また放射板2に伝達された高音領域の振動は、主に、密度の高い晩材102の導管104を通じて伝達されて放射される。また放射板2に伝達された低音領域の振動は、主に、密度の低い早材103の導管106を通じて伝達されて放射される。このように木製の放射板2は、高音と低音とがミックスされた振動が発生しやすい。また木製の放射板2は、分割振動や固有振動が少なく、振動が音に効率よく変換される。また木製の放射板2は、適度な粘性を有しており、表面の反発係数は金属製のものより低い。このため、瞬間的な外力による加振と、継続的な外力による励振とのいずれによって放射板2を振動させた場合でも、放射される音は高周波成分の少ない「柔らかい音」になる。
放射板2は適宜の形状に形成されるが、例えば、矩形に形成されている。また、放射板2の大きさは適宜に形成される。矩形の放射板2の場合は、例えば、長手方向の寸法が420〜4000mm、短手方向の寸法が210〜2000mm、厚みが3〜30mmに形成されている。更に具体的には、放射板2は、長手方向の寸法が3000mm、短手方向の寸法が1000mm、厚みが30mmに形成される。放射板2の長手方向は繊維方向(木目方向Y)と平行であることが好ましい。また放射板2の短手方向は年輪方向Xと平行であることが好ましい。尚、ここでいう平行は厳密な意味での平行でなく、多少、ずれていても良い。放射板2の長手方向は繊維方向と平行であると、放射板2の長手方向に振動が伝わりやすくなり、放射板2の全体に均一に振動が伝わりやすくなる。また、放射板2の比重は、0.3〜0.65であることが好ましい。
放射板2の表面(音が放射される面)には塗膜が形成されていても良い。これにより、放射板2から放射される音が変化する。例えば、放射板2の表面に木材よりも硬度の高い塗膜が形成されていると、硬くて高い音が放射されやすい。塗膜としては、漆やウレタン塗料などを例示することができる。塗膜は放射板2の全面にわたって設けられていても良いし、一部分に設けられていても良い。
振動装置3は、図3(a)及び(b)のように、アクチュエーター30と増幅板31とを備えて形成されている。
アクチュエーター30は、アンプ等から入力された音の電気信号を振動へと変換するものである。アクチュエーター30は、磁石301と、ボイスコイル302と、キャップ303と、駆動部材304とを備えて形成されている。磁石301は台座32の表面のほぼ中心に設けられている。磁石301にはその表面に開口する収容溝305が設けられている。収容溝305は平面視(磁石301の表面側から見て)で環状に形成されている。ボイスコイル302はリング状に形成されている。ボイスコイル302は収容溝305に収容されている。キャップ303はプラスチック製の厚みの薄い円盤で形成されている。キャップ303はボイスコイル302が収容溝305から脱落しないように保持するものである。キャップ303は収容溝305の開口を塞ぐように磁石301の表面に設けられている。駆動部材304はダンボール等の紙製で、円筒等に形成されている。駆動部材304の径はボイスコイル302の径とほぼ同等に形成されている。駆動部材304はキャップ303の表面に設けられている。このとき、ボイスコイル302の端部の位置と駆動部材304の端部の位置とが合致している。すなわち、ボイスコイル302の端部と駆動部材304の端部とは、キャップ303を挟んで対向して配置されている。
増幅板31はアクチュエーター30から伝達部材4へ振動をよりスムーズに伝達させるためのものである。増幅板31は矩形の平板で形成されている。増幅板31は木製の平板、金属製の平板、プラスチック製の平板などで形成されている。木製の平板としては、無垢材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード、合板、集成材などが例示される。これらの中でも、増幅板31は無垢材で形成されることが好ましい。また増幅板31は放射板2と同様に、気乾材で形成されるのが好ましく、平衡木材で形成されるのがさらに好ましい。また増幅板31の比重も0.3〜0.65であることが好ましい。さらに増幅板31は柾目と板目のいずれの木材(製材)であっても良いが、柾目の方が好ましい。また増幅板31の木目方向は増幅板31の長手方向と平行であることが好ましく、これにより、増幅板31の全体に振動が伝わりやすくなる。金属製の平板としては、アルミニウム板などを例示することができる。プラスチック製の平板としては、アクリル板などを例示することができる。また増幅板31は完全に平らな板である必要はなく、多少反っていたり、表面に小さな凹凸があったりしても良い。
増幅板31は台座32と対向して配置されている。振動装置3の長手方向の両端において、増幅板31の長手方向の端部と台座32の長手方向の端部とは連結部材34により連結されている。増幅板31と連結部材34、及び台座32と連結部材34とは接着等により連結されている。増幅板31と台座32の間にはアクチュエーター30が設けられている。アクチュエーター30の駆動部材304の先端は増幅板31の裏面(台座32と対向する面)と接触されている。駆動部材304の先端と増幅板31の裏面は接着していないが、接着されていても良い。尚、増幅板31は振動を増幅する作用の他に、アクチュエーター30を保護する働きもある。
増幅板31の表面には固定台33が設けられている。固定台33は木製、金属製、プラスチック製などであって、例えば、円柱状に形成されている。固定台33は増幅板31の表面の中心に設けられている。固定台33の円形の底面は増幅板31の表面に接着されている。
固定台33には伝達棒5が設けられている。伝達棒5は木製、金属製、プラスチック製などの棒材で形成されている。伝達棒5は固定台33の直径よりも小径に形成されており、例えば、直径5〜9mmに形成されている。伝達棒5は固定台33にその先端面の中心から差し込んで固定されている。伝達棒5の先端は固定台33の先端面の中心から突出している。
振動装置3は音の電気信号に基いて振動を発生させるものである。すなわち、アンプ等から電気信号がアクチュエーター30のボイスコイル302に入力されて電流が流れると、ボイスコイル302が磁石301の磁性の影響で振動する。ボイスコイル302はキャップ303を介して駆動部材304に接触しているので、ボイスコイル302の振動は駆動部材304に伝達される。駆動部材304は増幅板31に接触しているので、駆動部材304の振動は増幅板31に伝達される。そして増幅板31の振動とともに伝達棒5も振動する。このようにして振動装置3で振動が発生させることができる。
増幅板31の振動する部分の長手方向の寸法(振動幅)Hは、二つの連結部材33の間の寸法と同じである。この振動幅Hはボイスコイル302の直径Dよりも大きく形成されている。従って、ボイスコイル302の振動が増幅板31に伝達した場合に、増幅板31のほぼ全体が振動して、ボイスコイル302の振動の振動幅(直径Dと同じ)よりも大きくなる。このようにしてボイスコイル302の振動の振動幅が増幅板31で増幅される。
増幅板31は材質や寸法や振動幅H等によって、放射板2から放射される音量や音域が変更される。例えば、図4のように、増幅板31に設けられた複数のスリット312により音量や音域が変更される。そして、増幅板31は材質や板厚やスリット312の本数や大きさなどにより振動幅Hが変更され、放射板2から放射される音量や音域が調整可能となる。
上記の振動装置3は平面視で矩形状に形成されているが、これに限らない。例えば、図5のように、平面視で円形の振動装置3であってもよい。この場合、台座32が円板となり、増幅板31の長手方向の端部が円弧状になり、連結部材34が湾曲して形成されているが、その他の構成は図3に示す振動装置3と同じである。
伝達部材4は振動装置3から放射板2へ振動をよりスムーズに伝達させるためのものである。図6のように、伝達部材4は矩形の平板や角材などで形成されている。伝達部材4は木製、金属製、プラスチック製などで形成されている。木製の伝達部材4としては、無垢材、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード、合板、集成材などが例示される。これらの中でも、伝達部材4は無垢材で形成されることが好ましい。また伝達部材4は放射板2と同様に、気乾材で形成されるのが好ましく、平衡木材で形成されるのがさらに好ましい。また伝達部材4の比重も0.3〜0.65であることが好ましい。さらに伝達部材4は柾目と板目のいずれの木材(製材)であっても良いが、柾目の方が好ましい。また伝達部材4の木目方向Yは伝達部材4の長手方向と平行であることが好ましく、これにより、伝達部材4の全体に振動が伝わりやすくなる。金属製の伝達部材4としては、アルミニウム板などを例示することができる。プラスチック製の伝達部材4としては、アクリル板などを例示することができる。また伝達部材4は完全に平らな板である必要はなく、多少反っていたり、表面に小さな凹凸があったりしても良い。
伝達部材4の長手方向の寸法は、放射板2の短手方向の寸法と同等かやや短く形成することができる。また伝達部材4の短手方向の寸法は12〜100mm、好ましくは20mm、伝達部材4の厚さは9〜20mm、好ましくは15mmとすることができるが、これらに限定されるものではない。
そして、本実施の形態のスピーカー1は、放射板2と伝達部材4と振動装置3とを一体化することにより形成される。伝達部材4は放射板2の裏面に接着等により取り付けられる。この場合、伝達部材4はその長手方向が放射板2の長手方向、すなわち繊維方向(木目方向Y)と直交するように設けられる。また伝達部材4は放射板2の短手方向、すなわち年輪方向Xの全長にわたって設けられる。本明細書において、「直交」とは厳密な意味で用いられるものではなく、90°から多少ずれて交わっていても良い。また「平行」とは厳密な意味で用いられるものではなく、ほぼ平行であれば良い。また「全長」とは厳密な意味で用いられるものではなく、完全な全長から多少長かったり短かったりしても良い。振動装置3は伝達部材4の裏面側(放射板2と接着していない面の方)に設けられる。この場合、図6のように、伝達部材4の長手方向の略中央部には結合孔41が設けられており、結合孔41に振動装置3の伝達棒5を差し込むようにしている。伝達部材4と伝達棒5とは接着しても良いし、接着しなくても良い。
一枚の放射板2に対しては複数の振動装置3を設けることも可能ではあるが、一枚の放射板2に対しては一個の振動装置3を設けることが好ましい。複数の振動装置3を設けると、各振動装置3から生じる振動が相互に干渉しあって、放射板2の全体に音が均一に広がりにくくなったり、音質が低下したりする場合がある。
このようなスピーカー1は、振動装置3のアクチュエーター30で発生した振動が増幅板31と固定台33及び伝達棒5に伝達され、この振動が伝達棒5から伝達部材4に伝達され、さらに伝達部材4から放射板2へと伝達される。そして、放射板2に伝達された振動が音として空気中に放射され拡散されるものである。上記のように伝達棒5から伝達部材4に伝達される場合、点音源として、すなわち振動が一点に集中的に伝達されるものである。この場合、広い音域が広い指向性で均等に音が放射される。
ここで、スピーカー1は伝達部材4によって放射板2の全体に振動が均一に伝達しやすくなり、音質が低下しにくいものである。すなわち、図7(a)のように、伝達部材4がない場合では、放射板2と振動棒5が直接接続されるため、放射板2の一点に集中的に振動が供給され、ここから徐々に振動が放射板2の全体へと伝達していくことになる。従って、放射板2の木目方向(繊維方向)Yには振動は広がりやすいが、年輪方向Xには振動は広がりにくく、音の放射領域Sは小さくなる。一方、図7(b)のように、伝達部材4がある場合は、放射板2と振動棒5が伝達部材4を介して接続されるため、伝達部材4の一点に集中的に振動が供給された後、この振動が伝達部材4の全長にわたって伝達され、ここから徐々に振動が放射板2の全体へと伝達していくことになる。従って、伝達部材4により、放射板2の年輪方向Xに振動が伝わりやすくなって、音の放射領域Sが大きくなる。
また放射板2の平面視において、伝達棒5の位置は放射板2の中心Oよりもずれた位置に設定するのが好ましい。これにより、振動装置3から生じた振動が共振したり増強したりを回避され、音質が低下しにくくなる。
放射板2の平面視における伝達棒5の位置は、以下のようにして設定するのが好ましい。まず、図8(a)のように、放射板2の平面視において、放射板2を長手方向に1/3の部分に区分し、短手方向にも1/3の部分に区分する。このようにして形成される9個のブロックのうち、真ん中に位置するブロックBをさらに長手方向で1/3の部分に区分し、短手方向で1/3の部分に区分する。そして、ブロックBの9個に区分されたブロックのうち、真ん中のブロックCの短辺C1又はC2のいずれかの位置に伝達棒5が位置するのが好ましい。また図8(b)のように、伝達部材4は短辺C1又はC2の位置を通るようにして設けるのが好ましい。
そして、本実施の形態のスピーカー1は、次のような効果を奏する。放射板2や伝達部材4や増幅板31として、気乾材を用いることで、室内の空気環境の変化に順応し、割れや変形が起こりにくくなる。また木製の部材を主に用いることによって、静電気を帯電しないので、電気的なストレスが生じにくくなる。また放射板2の細胞構造(導管)に空気層105を多く含むことから、放射板2から放射された音には高周波成分の少ない「柔らかな音」になりやすい。また細胞構造に基づく微妙な凹凸が放射板2にあるため、光が乱反射を繰り返すことで、紫外線が吸収され、グレア(まぶしさ)を軽減することができ、目が疲れにくい。また親水性の高い細胞構造が常に保水状態が一定になるように分子レベルで平衡状態となる「調湿機能」があり、設置された室内が快適となりやすい。また木材には人の心を落ち着かせてくれる独特の香りがあるので、音ともに疲労やストレスの軽減になりやすく、リラックス感が得られやすい。木目には年輪があり、年輪幅は一定ではないので、自然環境により成育条件が異なる年輪の間隔に1/fゆらぎが存在すると考えられる。このゆらぎが人に自然な深みのあるイメージを与えやすい。また木材を利用することで、二酸化炭素の固定や森林環境の保全に貢献できる。またエンクロージャーが必要でなく、定常波が発生せず、音質の悪化を低減することができる。
図9に放射板2の他例が示されている。この放射板2は、種類の異なる複数の放射板部材21,22、23を組合せて形成されている。ここで、種類が異なるとは、塗膜の有無や材質が異なったり、厚みが異なっていたりすることを例示することができる。また板目材と柾目材との組合せても良い。このような放射板2では、単一の材料や厚みで形成された放射板2よりも多彩な音を放射することができる。
図10及び11には放射板2の異なる他のスピーカー1が示されている。この放射板2ではその裏面に複数の溝25が形成されている。これにより、溝25を設けた放射板は凹凸面として形成され、平板の放射板2に比べて、音の放射面が増えることになり、低音が放出しやすくなる。従って、ウーファー用のスピーカーとして好適に用いられるものである。溝25の幅寸法は3〜4mm、溝25の深さは3〜10mm、隣り合う溝25の間隔は12〜30mmとすることができるが、これらに限定されるものではない。また溝25はその長手方向が放射板2の長手方向、すなわち繊維方向(木目方向Y)と直交するように設けられる。また溝25は放射板2の短手方向、すなわち年輪方向Xの全長にわたって設けられる。
図12には放射板2の他例が示されている。この放射板25は低音放射部26と高中音放射部27とから構成されている。低音放射部26は高中音放射部27に比べて板厚が大きく、上記と同様の複数の溝25が設けられている。高中音放射部27の長手端部の両側に低音放射部26が設けられている。伝達部材4は低音放射部26と高中音放射部27とにわたって配設される。例えば、低音放射部26は比重0.4〜0.6で杉板柾目の比較的密度の低い部分を多く含み、高中音放射部27は比重0.3〜0.65の木材、好ましくは桧材や杉板板目の比較的密度の高い部分を多く含むのが好ましい。
このように低音域と高中音領域との放射のバランスを考慮した放射板2を形成することができる。尚、上記のように、放射板25の裏面を凹凸面に形成するにあたって、複数の溝25を形成する場合の他に、複数の棒状部材を裏面に設けることによって、放射板25の裏面を凹凸面に形成することも考えられる。
1 スピーカー
2 放射板
3 振動装置
4 伝達部材
5 伝達棒
31 増幅板
本発明に係るスピーカーは、放射板の裏面側に振動装置が設けられ、前記振動装置で発生した振動が前記放射板に伝達され、前記振動が前記放射板から音として放射されるスピーカーであって、前記放射板は気乾材で形成される平板であり、前記振動を前記振動装置から前記放射板に伝達するための伝達部材が前記振動装置と前記放射板との間に設けられ、前記伝達部材は前記放射板の繊維方向と直交する方向で前記放射板の年輪方向の全長にわたって形成されることを特徴とする。
一般的な気乾材は、大気中の相対湿度で刻々と含水率が変化し平衡含水率の状態なった木材であって、地域や12ヶ月毎に平均平衡含水率は異なる。日本木材学会の公知の資料では、大気中での木材の年間平均平衡含水率は、東京都内では12%程度、紀伊半島から瀬戸内海の山陽地区では12%程度、北関東から名古屋〜山陰地区、四国、九州では13%程度とされている。即ち、気乾材の平均的な平衡含水率は大気中の温度・湿度に平衡した12%〜13%程度ということになる。木材は伐採直後で100%以上の含水率であるが、木材の強さや機能が含水率によって変わる。これは、水が単に吸着されているのではなく、水分子が細胞構造(水素結合)に取り込まれ、細胞構造(水素結合)は紐状(後述の晩材102に形成される導管104や早材103に形成される導管106)の親水性が高い多糖質(セルロース、ヘミセルロース)で緊密なかご状に形成されているからである。細胞全体は水(自由水)を通す役割(後述の空気層105)を持ち、水分子は水素結合(結合水)によって細胞の一部を構成している。木材の含水率の基準は日本農林規格(JAS)によって定められている。例示すれば、製材品(針葉樹)の仕上げ材(人工乾燥処理)はSD15=15%、SD20=20%であり、集成材は平均値15%以下であり、フローリング(床板)の天然乾燥の針葉樹は20%、広葉樹は17%であり、フローリング(床板)の人工乾燥(機械乾燥)の針葉樹は15%、広葉樹は13%である。

Claims (6)

  1. 放射板の裏面側に振動装置が設けられ、前記振動装置で発生した振動が前記放射板に伝達され、前記振動が前記放射板から音として放射されるスピーカーであって、前記放射板は気乾材で形成される平板であることを特徴とするスピーカー。
  2. 前記振動を前記振動装置から前記放射板に伝達するための伝達部材が前記振動装置と前記放射板との間に設けられ、前記伝達部材は前記放射板の繊維方向と直交する方向で前記放射板の年輪方向の全長にわたって形成されることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
  3. 前記伝達部材は前記放射板の中心からずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスピーカー。
  4. 前記振動を前記振動装置から前記伝達部材の一点に伝達するための伝達棒が前記振動装置と前記伝達部材との間に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のスピーカー。
  5. 前記振動装置は前記振動が増幅される増幅板を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピーカー。
  6. 前記放射板はその裏面が凹凸面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスピーカー。
JP2013213898A 2013-10-11 2013-10-11 スピーカー Active JP5457600B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013213898A JP5457600B1 (ja) 2013-10-11 2013-10-11 スピーカー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013213898A JP5457600B1 (ja) 2013-10-11 2013-10-11 スピーカー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5457600B1 JP5457600B1 (ja) 2014-04-02
JP2015076849A true JP2015076849A (ja) 2015-04-20

Family

ID=50619242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013213898A Active JP5457600B1 (ja) 2013-10-11 2013-10-11 スピーカー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5457600B1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4226453B2 (ja) * 2003-12-11 2009-02-18 アルプス電気株式会社 音響再生装置
JP4524700B2 (ja) * 2007-11-26 2010-08-18 ソニー株式会社 スピーカ装置およびスピーカ駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5457600B1 (ja) 2014-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5232639B2 (ja) エレキ式とアコースティック式の複合打楽器
US4593404A (en) Method of improving the acoustics of a hall
JP5545083B2 (ja) スピーカ装置
US20120090449A1 (en) Acoustic and electric combined stringed instrument of violin group
ITBS20010073A1 (it) Altoparlante a guida d'onda a dispersione controllata e regolabile
JP2016058936A (ja) スピーカー装置
US8022281B2 (en) Shell for drum and drum using the same
JP2017003121A (ja) 除振器
US7507884B2 (en) Textured sound generating panels having increased efficiency in converting vibrational energy to sound waves
Carvalho et al. Acoustic characterization of sugarcane bagasse particleboard panels (Saccharum officinarum L)
JP5457600B1 (ja) スピーカー
JP5713303B1 (ja) スピーカー
JP4631653B2 (ja) 木質パネル
JPS6130900A (ja) 受音装置
US9711122B1 (en) Acoustic stomp box percussion device
FR2580886A1 (fr) Enceinte acoustique multivoie
US20130148835A1 (en) Speaker With Spheroidal Acoustic Emitter Housing
JP2016146537A (ja) スピーカー装置の振動装置
JP2018078410A (ja) スピーカー装置
JP2015198444A (ja) スピーカー
JP6810436B1 (ja) スピーカー装置
JP6883816B2 (ja) 筒状スピーカー構造、スピーカー装置、オーディオシステム、スピーカー装置製造方法、およびスピーカー装置改造方法
JP6268447B2 (ja) ヘッドフォン
JP2021078100A (ja) スピーカー装置
KR20210002027U (ko) 해금용 공명장치

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5457600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20131025

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250