JP2015076733A - サンプルホールド回路およびa/d変換器 - Google Patents

サンプルホールド回路およびa/d変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプルホールド回路の、より高いゲイン特性を実現する。【解決手段】パイプライン型A/D変換器1のMDAC(乗算型デジタルアナログコンバータ)110として、サンプリングキャパシタCsIとサンプリングキャパシタCsIが入力端に接続されるMDAC−AMP11と、MDAC−AMP11に接続されるSPM(Summing Point Monitoring)部12とを備え、SPM部12は、入力端がサミングポイントに接続されるADC12aとADC12aの出力端に接続されるDAC12bとを備える。SPM部12は、ホールドフェーズにサミングポイントの電圧をモニタし、モニタ結果を次段のサンプルホールド回路に含まれるサンプリングキャパシタCsI+1に供給する。パイプライン型A/D変換器1の出力Voutから得られるエラー信号が0となるように、SPM部12のゲインを調整する。【選択図】 図7

Description

本発明は、サンプルホールド回路およびA/D変換器、サンプルホールド回路のキャリブレーション方法およびキャリブレーション装置に関し、より詳細には、オペアンプによる増幅を利用して入力信号を出力変換するための回路、すなわち、例えば、パイプライン型A/D変換器やΔΣA/D変換器など、また、それらに含まれるサンプルホールド回路やMultiple DAC(MDAC:乗算型デジタルアナログコンバータなど)、さらにサンプルホールド回路のキャリブレーション方法およびキャリブレーション装置に関する。
サンプルホールド回路の一例としてパイプライン型A/D変換器が挙げられる。このパイプライン型A/D変換器10として、例えば図16に示す回路が知られている(例えば特許文献1参照)。
図16は、パイプライン型A/D変換器10の一例を示す概略構成図である。
このパイプライン型A/D変換器10は、図16に示すように、Stage1からStageNまで、N段の単位ブロック100(1)〜100(N)が縦続接続されてなる。
各単位ブロック100(1)〜100(N)は同一構成を有するので、ここでは、StageI(単位ブロック100(I))の構成について説明する。
図16に示すように、StageIは、SSH(サブサンプルホールド)回路101と、SADC(サブADコンバータ)回路102と、DAC(D/Aコンバータ)回路103と、加算器104と、を含んで構成される。
StageIのSSH回路101は、前段の単位ブロックStageI−1から出力されるアナログ出力信号ResidueI−1を取り込む。
SADC回路102はSSH回路101で取り込んだアナログ出力信号ResidueI−1をデジタル信号DigitalIにA/D変換するものである。このデジタル信号DigitalIは、StageIの出力信号(DigitalI)として出力される。なお、このSADC回路102から出力されるデジタル信号DigitalIは、各Stage1〜StageNのSADC回路102から出力されるデジタル信号DigitalIとともに、所定の規則で足し合わされ、その結果がA/D変換の結果を表すデジタル出力信号として出力される。
DAC回路103はSADC回路102からのデジタル信号DigitalIに対応するアナログ信号を生成し、加算器104に出力する。
加算器104はSSH回路101で取り込んだアナログ信号からDAC回路103で生成されたアナログ信号を差し引き、その減算結果であるアナログ信号を、残余信号であるResidueIとして次段の単位ブロックStageI+1に出力するようになっている。この際、加算器104で差し引いて得た残余信号としてのアナログ信号(ResidueI)を、所定倍に増幅することで、次段の単位ブロックStageI+1の要求精度を上げずに、同一の単位ブロック(Stage)構成によりA/D変換することが可能となり、高精度のA/D変換を実現する。
ところで、一般的にSSH回路101、DAC回路103および加算器104は、一つのオペアンプと容量CAPとの組み合わせで構成される。このオペアンプと容量CAPとを組み合わせて構成される回路を、Multiple DAC(MDAC:乗算型デジタルアナログコンバータ)105と呼ぶ。
図17は、MDAC105の一例を示す概略構成図である。
図17において、(a)は、サンプルフェーズ(SamplingPhase)における回路構成を示し、(b)は、ホールドフェーズ(HoldingPhase)における回路構成を示す。MDAC105は、変換クロック信号CLKに応じて図示しないスイッチなどを切り替えることによって、サンプルフェーズには図17(a)の回路を実現し、ホールドフェーズには図17(b)の回路を実現する。なお、図17(a)中のCsIの変数Iは、StageIを構成するCsであることを意味する。
図17に示すように、MDAC105は、同じ大きさの単位容量が並列に組み合わされてなるサンプリングキャパシタCsIと、オペアンプからなるMDAC−AMP11とMDAC−AMP11の入力端に存在する寄生容量Cpとから構成される。MDAC105は、入力される変換クロック信号CLKに応じてサンプルフェーズ(図17(a))およびホールドフェーズ(図17(b))を交互に実現するように動作する。
サンプルフェーズ(図17(a))では、前段の単位ブロックStageI−1のアナログ出力信号ResidueI−1をサンプリングキャパシタCsIに充電する。すなわち、サンプリングキャパシタCsIの一端にアナログ出力信号ResidueI−1を入力し、他端は、MDAC−AMP11の反転入力端子に接続する。このとき、MDAC−AMP11の入力端および出力端はグランドレベルにショートしておく。寄生容量Cpも同様にグランドレベルにショートされることになる。
一方、ホールドフェーズ(図17(b))ではMDAC−AMP11の出力端と反転入力端とを容量Cfを介して接続する。また、容量Crは、図16のSADC回路102から出力されたデジタル信号DigitalIに応じて、容量Crを構成する複数の単位容量それぞれを、「+Vr」、「0」、「−Vr」のいずれかに接続する。すなわち、容量Crの一端は「+Vr」、「0」、「−Vr」のいずれかに接続し、他端はMDAC−AMP11の反転入力端に接続する。前記容量Cfおよび容量Crはそれぞれ前記サンプリングキャパシタCsIを構成する複数の単位容量のうちの一部で構成される。すなわちサンプリングキャパシタCsIは、ホールドフェーズでは、サンプリングキャパシタCsIを構成する単位容量の一部がMDAC−AMP11の出力端および反転入力端間を接続する容量Cfとして用いられ、残りの単位容量が容量Crとして用いられる。なお、ここでは、サンプリングキャパシタCsIを構成する複数の単位容量の一部を、容量Cfおよび容量Crとして用いる場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、サンプリングキャパシタCsIを構成する複数の単位容量をそのまま容量Crとして用い、容量Cfは別途設けるように構成してもよい。
MDAC−AMP11の出力は、次段の単位ブロックStageI+1を構成するMDAC105のサンプリングキャパシタCsI+1に接続され、StageIのMDAC−AMP11の出力が、アナログ出力信号ResidueIとして、次段のサンプリングキャパシタCsI+1に出力される。また、MDAC−AMP11の非反転入力端はグランドレベルに維持される。
このとき、MDAC−AMP11のDC(直流)ゲインを「a0」とすると、MDAC−AMP11の反転入力端の電圧Vaは、MDAC−AMP11の出力端の電圧Voutを用いて、次式(1)で表すことができる。
Va=−(1/a0)×Vout ……(1)
例えば、容量Crを構成する単位容量につながる電圧が全て零の場合、サンプルフェーズとホールドフェーズとにおける容量に蓄えられた電荷保存則から次式(2)が成り立つ。
CsI×Vin
=Cf(Vout−Va)+Cr(0−Va)+Cp(0−Va) ……(2)
前記(1)および(2)式から、ホールドフェーズにおける、MDAC−AMP11の出力ResidueIすなわち、MDAC105の出力Voutは、次式(3)で表すことができる。
Vout
=(CsI/Cf)×{1/(1+1/(a0×f))}×Vin
……(3)
ここで、(3)式中の、「a0」は前述のようにMDAC−AMP11のDC(直流)ゲインを表す。また、「f」は、MDAC−AMP11のフィードバックファクタと呼ばれ、各容量Cr、Cf、Cpを用いて、次式(4)で表すことができる。
f=Cf/(Cr+Cf+Cp) ……(4)
式(3)で表される伝達関数において、入出力特性が理想的な場合には、式(3)は次式(5)と表すことができる。
Vout=(CsI/Cf)×Vin ……(5)
(3)および(5)式から、理想的な入出力特性を得るためには、MDAC−AMP11のDCGain「a0」は無限大まで大きい必要があることがわかる。
実際には、DCGain「a0」は必要な精度に応じて大きくすることになる。
一般的にAMPのDCGainを上げるためには多段化やカスコード化する必要がある。そのため、良好な安定性を保つことが難しくなったり出力振幅に制限を受けたりすることが問題となる。
この問題を解決するため、DCGain「a0」を大きくしなくても高いゲイン特性を有するMADC−AMP11を得る方法として、Summing Point Monitoring(以下、SPMという。)という手法が考案されている。
図18は、図16の乗算型DA変換器の具体的回路の一例である。
図18(a)および(b)は、SPMを実現するための具体的な回路の一例であって、(a)はサンプルフェーズにおける回路構成、(b)はホールドフェーズにおける回路構成である。
この回路は、図18(b)のMDAC−AMP11のサミングポイントPsumをGain−AMP12で取り出すことにより、MDAC−AMP11で発生するエラーを補正する。
図18(c)は、SPMを実現するための具体的な回路の別の一例である(例えば、非特許文献1参照)。
この回路は、容量Ce1でサンプリングした後に、容量Ce2で「Gain+ADC部」に転送し、低速のAD変換器12でサミングポイントの出力電圧の平均値をAD変換した後に、メインパスのAD変換器11の結果を補正する離散型SC(switched capacitor)回路である。
特開2012−60519号公報
「A 16−bit 250−MS/s IF Sampling Pipelined ADC With Background Calibration」,IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS,VOL.45,NO.12,DECEMBER 2010,p.2602−p.2612
しかしながら、このように、平均値を補正した場合、メインパスの線形的な歪成分は補正することが可能であるが、高次の歪については補正できないため高精度な変換を行うことができない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、DA変換用アンプのゲイン特性が高次の歪を発生するようなサンプルホールド回路において、より高いゲイン特性を実現することの可能なサンプルホールド回路およびA/D変換器、サンプルホールド回路のキャリブレーション方法およびキャリブレーション装置を提供することにある。
本発明の一態様は、サンプリングキャパシタ(例えば図2に示す、サンプリングキャパシタCsI)および当該サンプリングキャパシタが入力端に接続されるアンプ(例えば図2に示す、MDAC−AMP11)を有するとともに、前記アンプに接続される演算部(例えば図2に示す、SPM部12)を備え、前記アンプの出力を次段のサンプルホールド回路に供給するサンプルホールド回路であって、前記演算部は、AD変換器(例えば図3に示す、ADC12a)と当該AD変換器の出力端に接続されるDA変換器(例えば図3に示す、DAC12b)とを有し、ホールドフェーズに、前記アンプの入力端における前記サンプリングキャパシタの接続点であるサミングポイントの電圧をモニタし、前記サミングポイントの電圧のモニタ結果を次段のサンプルホールド回路に含まれるサンプリングキャパシタ(例えば図2に示す、サンプリングキャパシタCsI+1)に供給することを特徴とするサンプルホールド回路、である。
前記AD変換器は、入力端が前記サミングポイントに接続され、前記DA変換器は、出力端が前記次段のサンプルホールド回路に含まれるサンプリングキャパシタに接続されていてよい。
前記演算部はゲインを変化させることが可能に構成されていてよい。
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様に記載のサンプルホールド回路を用いてなることを特徴とするA/D変換器、である。
本発明の他の態様は、変換対象のアナログ信号の振幅をランダム変数で変動させ、変動させたアナログ信号を、演算部を有するサンプルホールド回路によりデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号に前記ランダム変数を乗算してその乗算信号を積算し、当該積算結果を、前記変換対象のアナログ信号をデジタル信号に変換する際のエラー信号とし、前記演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整することを特徴とするサンプルホールド回路のキャリブレーション方法、である。
前記変換対象のアナログ信号が予め設定したエラー積算領域内の値であるか否かを判定し、前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値でないと判定した場合は前記乗算信号を積算せず、前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値であると判定したときにのみ、前記乗算信号を積算するものであってよい。
前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値であるか否かは、前記変換対象のアナログ信号または当該変換対象のアナログ信号を変換したデジタル信号に基づき判定するようになっていてよい。
前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値ではないと判定された場合は、前回の積算結果を保持するようになっていてよい。
前記演算部はAD変換器及びDA変換器を含むものであってよい。
前記サンプルホールド回路は、演算部を有する乗算型デジタルアナログコンバータを含み、前記乗算型デジタルアナログコンバータに含まれる演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整するものであってよい。
本発明の他の態様は、変換対象のアナログ信号の振幅をランダム変数で変動させるランダム変動部(例えば図7に示す、SADC回路102)と、前記ランダム変動部により振幅が変動されたアナログ信号をサンプルホールド回路でデジタル信号に変換した変換結果に前記ランダム変数を乗算する乗算部(例えば図7に示す、乗算器35)と、前記乗算部での乗算結果を積算する積算部(例えば図7に示すアキュームレータ21)と、を備え、前記サンプルホールド回路は演算部(例えば図7に示す、SPM部12)を有し、前記積算部の積算結果を前記サンプルホールド回路でのエラー信号として、前記演算部のゲインを前記積算結果に基づき調整する調整部(例えば図7に示す、アップダウンカウンタ22およびDAC23)を備えることを特徴とするキャリブレーション装置、である。
前記積算部は、前記変換対象のアナログ信号が、予め設定したエラー積算領域内の値であるか否かを判定し、前記アナログ信号が前記エラー領域内の値でないと判定された場合は前記乗算部での乗算結果を積算せず、前記アナログ信号が前記エラー積算領域内の値であると判定された場合にのみ前記乗算部での乗算結果を積算するものであってよい。
前記演算部は、AD変換器(例えば図3に示す、ADC12a)及びDA変換器(例えば図3に示す、DAC12b)を含むものであってよい。
前記サンプルホールド回路は、演算部を有する乗算型デジタルアナログコンバータを含み、前記調整部は、前記乗算型デジタルアナログコンバータに含まれる演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整するようになっていてよい。
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様に記載のキャリブレーション装置を有することを特徴とするサンプルホールド回路、である。
本発明の一態様によれば、DA変換用アンプが高次の歪を発生するような場合であっても、より精度よくアナログデジタル変換を行うことができる。また、比較的簡易な構成で実現することができるため、消費電力を低減することができるとともに、DA変換用アンプのゲイン特性を低く抑えることができ、すなわちDA変換用アンプも簡単な構成とすることができるため、電源電圧を小さくすることができ、その分消費電力を抑制することができる。
また、サミングポイントを取り出す回路を、単純な構成で実現した場合であっても、動作環境や製造工程時のばらつきによらず精度の良いゲインが実現できる。
パイプライン型A/D変換器の一例を示す概略構成図である。 本発明におけるSPMを用いた乗算型DA変換器の一例を示す構成図である。 SPM部の一例を示す概念図である。 SPM部の具体例を示す概念図である。 ランダム信号加算方式のキャリブレーション装置の一例を示す概略構成図である。 閾値変動方式のキャリブレーション装置の一例を示す概略構成図である。 閾値変動方式のキャリブレーション装置の一例を示す詳細な構成図である。 閾値変動方式のキャリブレーション装置のSADC回路に含まれるADCの一部を模式的に示す図である。 ランダム信号を加算しない場合のSADC回路の伝達関数(入出力特性)の一例を示す図である。 2.5BitのMDACである場合の、Stage1のSADC回路に含まれるADCの一部を模式的に示す図である。 ランダム信号を加算する場合のSADC回路の伝達関数(入出力特性)の一例を示す図である。 (a)は、SADC回路のコンパレータにOffsetがない理想的な場合の、Stage1およびStage2の伝達関数(入出力特性)を示す図であり、(b)は、SADC回路のコンパレータにOffsetがある場合の、Stage1およびStage2の伝達関数(入出力特性)を示す図である。 ランダム信号加算方式のキャリブレーション装置の一例を示す詳細な構成図である。 ランダム信号を加算する時のSADC回路の入力信号および伝達関数(入出力特性)の一例を示す図である。 ランダム信号加算方式のキャリブレーション装置のその他の適用例を示す詳細な構成図である。 パイプライン型A/D変換器の一例を示す概略構成図である。 乗算型DA変換器の一例を示す概略構成図である。 乗算型DA変換器の具体的回路の一例である。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では各ステージが2.5bit構成のパイプライン型A/D変換器を例に説明するが、これに限るものではなく、2.5bitでなくても良いし、パイプライン型A/D変換器でなくても良い。
<パイプライン型A/D変換器の構成>
図1は、本発明を適用したパイプライン型A/D変換器1の一例を示す概念図である。
パイプライン型A/D変換器1は、図16に示したパイプライン型A/D変換器10と比較して、MDAC105の代わりにMDAC110を備えるところが異なる。なお、図16に示したパイプライン型A/D変換器10と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
次に、本発明におけるSPMの概念を説明する。
図2は、SPMを用いたMDAC110の一例を示す概略構成図である。
SPMは、図2に示すように、通常のDACに対してサミングポイント(Summing Point:加算点)Psumと呼ばれるMDAC−AMP11の入力端の電圧Vaをモニタして所望のゲインに調整するためのSPM部12を使用する。
SPM部12の入力端はサンプルフェーズにおいてはグランドレベルにショートされ、ホールドフェーズではサミングポイントPsumに接続され、SPM部12の出力端は、サンプルフェーズにおいてはグランドレベルにショートされ、ホールドフェーズでは次段の単位ブロックStageI+1を構成するMDAC110のサンプリングキャパシタCsI+1に接続される点に特徴がある。つまり、サンプルフェーズ(図2(a))およびホールドフェーズ(図2(b))を交互に繰り返すことにより、サミングポイントPsumの電圧VaをSPM部12で検出し増幅した信号、すなわち(1/f′)×Vaを次段のサンプリングキャパシタCsI+1で蓄積する。
この図2に示すSPMを用いたMDAC110におけるMDAC−AMP11の出力Vout(MDAC)は、SPM部12をもたない図17に示すMDAC105におけるMDAC−AMP11の出力Voutと同一となるため、前記(3)式から次式(6)で表すことができる。
Vout(MDAC)
=(CsI/Cf)×{1/(1+1/(a0×f))}×Vin
……(6)
一方で、SPM部12の出力Vout(SPM)は、このSPM部12のゲインを1/f′とすると、次式(7)で表すことができる。
Vout(SPM)
=(1/f′)×Va
=−1/(a0×f′)×Vout(MDAC) ……(7)
図2に示すSPMを用いたMDAC110において、MDAC−AMP11の出力Vout(MDAC)とSPM部12の出力Vout(SPM)との差が、この単位ブロックStageIのトータルの出力となるため、単位ブロックStageIの出力Voutは、次式(8)で表すことができる。
Vout
=Vout(MDAC)−Vout(SPM)
=Vout(MDAC)+1/(a0×f′)×Vout(MDAC)
=(CsI/Cf)×{1/(1+1/(a0×f))}
×{1+1/(a0×f′)}×Vin ……(8)
ここで、「f′」が「f」に等しいときには、(8)式は次式(9)と表すことができる。
Vout=(CsI/Cf)×Vin ……(9)
式(9)から、SPMにおける単位ブロックStageIの出力Voutは、MDAC−AMP11のDCGain「a0」によらないことがわかる。すなわち、DCGain「a0」が高次の歪成分を持つような場合であっても高いゲイン特性を保つことが可能となる。
<SPM部12の概念図>
図3は、本発明におけるパイプライン型A/D変換器1(図1)を構成するSPM部12の一例を示す概念図である。本発明におけるSPM部12は、AD変換を行なうADC12aとADC12aの出力をDA変換するDAC12bとを備える。
図4は図3のSPM部12を構成するADC12aおよびDAC12bのより具体的な一例を示す概念図である。
本発明におけるパイプライン型A/D変換器1は、Stage1(100(1))については、MDACとして、図2に示すMDAC110を搭載し、且つそのSPM部12として、図3に示すADC12aとDAC12bとを用いている。Stage2(100(2))〜StageN(100(N))については、図17に示す、SPM部12を持たないMDAC105を搭載している。
つまり、パイプライン型A/D変換器1では、Stage1(100(1))が最も高いDCGain「a0」を要求される。そのため、本実施形態では、Stage1(100(1))についてのみ、MDACとして図2に示すMDAC110を搭載し、且つそのSPM部12として図3に示すADCとDACとを用いている。これに限るものではなく、全てのStage1(100(1))〜StageN(100(N))またはいずれか複数のStageについて、MDACとして図2に示すMDAC110を搭載し、且つそのSPM部12として図3に示すADCおよびDACを用いることも可能である。
本発明におけるSPM部12を構成するADC12aおよびDAC12bは、図4に示すように、サミングポイントPsumに接続され、そのサミングポイントPsumの電圧Vaをそれぞれ異なる電圧と比較するための複数のコンパレータ(Comp.1〜Comp.n)を有するとともに、それぞれのコンパレータ(Comp.1〜Comp.n)の比較結果に応じて、+Vr/0/−Vrのいずれかに一端が接続されそれぞれの電圧にチャージされる容量C1〜Cnとを有する。コンパレータ(Comp.1〜Comp.n)がADC12aに対応し、容量C1〜CnがDAC12bに対応している。
これらの容量C1〜Cnは、図2(b)における次のステージのサンプリングキャパシタCsI+1と同様、ホールドフェーズにおいてサミングポイントPsumに現れるエラーを蓄え、次のステージに転送する。
この際、容量C1〜CnとサンプリングキャパシタCsI+1との比を調整することにより、式(7)で示される1/f′のゲインを形成する。1/f′のゲインは式(4)で表される1/fと等しい時に式(9)のようにMDAC−AMP11のDCGain「a0」に依らないゲイン特性を示すことができるが、式(4)からわかるように、1/fは容量の比で算出されるため、容量C1〜Cnをメインパスと相似な比で形成することで容易に形成することが可能である。
なお、ここでは1/f′のゲインを容量の比で形成するものとしたが、これに限らず、例えば、蓄える電圧+Vr/0/−Vrを調整しても良い。また、容量C1〜Cnは固定せずに後に述べるキャリブレーションによって可変できるようにしていても良い。
<キャリブレーション装置>
<ランダム信号加算方式のキャリブレーション装置の一例>
図5は、図3に示すSPM部12を有するMDAC110を備えたパイプライン型A/D変換器1における、SPM部12のゲイン1/f′の調整を行う回路、すなわち、パイプライン型A/D変換器1のゲイン調整を行なう、キャリブレーション装置の一例を示す概略構成図である。図5に示すキャリブレーション装置は、ランダム信号を入力信号Vinに加算してキャリブレーションを行なうものである。このように、ランダム信号を入力信号Vinに加算してキャリブレーションを行なう方式を、ランダム信号加算方式という。
図5に示す、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置において、パイプライン型A/D変換器1は、前述のように、図1に示すパイプライン型A/D変換器1を構成するMADC110においてStage1では、MADC110として図2に示すMDACを搭載し、そのSPM部12として図3に示す単純な構成のGain−AMPを用いている。
図3においてSPM部12のゲイン(1/f′)がMDAC11のフィードバックファクタの逆数「1/f」と異なっており、そのため、パイプライン型A/D変換器1の入出力特性が非線形であるとすると、この場合の入出力特性は、次式(12)に示すように仮定することができる。
Vout(ADC)=(1−α)×Vin(ADC) ……(12)
(12)式中のαはSPM部12のゲイン(1/f′)とMDAC110のフィードバックファクタの逆数「1/f」を使って以下の通り表すことができる。
α=Cf/Cs×(1/a0)×(1/f−1/f′) ……(13)
ここで、「1」か「−1」からなるランダム変数PNを、ある電圧Vcalに乗じた信号(PN×Vcal)を入力信号Vinに加算し、加算したアナログ信号Vin(ADC)をパイプライン型A/D変換器1に入力する。電圧Vcalは、例えば必要な入力振幅や補正にかかる時間に基づいて設定すればよい。
なお、ここでは、ランダム変数PNを、「1」か「−1」としているが、これに限定されるものではなく、0を基準に、プラス方向およびマイナス方向にある値だけ変動させた値であって、ランダム変数の平均値が零となる値であればよい。
パイプライン型A/D変換器1を通してアナログデジタル変換された後、パイプライン型A/D変換器1から出力されるアナログ信号Vin(ADC)相当のデジタル信号Vout(ADC)から、入力信号Vinに加算したアナログ信号(PN×Vcal)相当のデジタル信号を差し引くと、差し引いた結果、すなわち、出力Voutは次式(14)で表すことができる。
Vout=Vin−α×(Vin+PN×Vcal) ……(14)
ここで、入力信号Vinに加算したアナログ信号PN×Vcalを演算する際に用いたランダム変数PNを、(14)式で表される出力Voutに乗じると、前述のように、ランダム変数PNは「1」または「−1」であってPN×PN=1であるため、次式(15)で表すことができる。
PN×Vout
=PN×Vin(1−α)−αVcal ……(15)
入力信号Vinにランダム変数PNを乗じたPN×Vinは、長期的に平均化してみると、零となるため、結局、(15)式は、(16)式と表すことができる。
PN×Vout=−αVcal ……(16)
ここで、アキュームレータ(accumulator)21と、長期的に信号PN×Vout(=−α×Vcal=Verr)を検出するアップダウンカウンタ(up/dn counter)22と、DAC(D/Aコンバータ)23と、を使って、Verr(エラー信号)がゼロになるように、パイプライン型A/D変換器1を構成する各MDAC110のSPM部12のゲインを調整する。
すなわち、アキュームレータ21では、入力したエラー信号Verrを積算し、アップダウンカウンタ22では、積算値がゼロより小さい時、式(13)から1/f′が1/fより大きいとみなすことができるのでSPM部12のゲインを小さくする指令信号を出力する。逆にアキュームレータ21での積算値がゼロより大きい時、式(13)から1/f′が1/fより小さいとみなすことができるのでSPM部12のゲインを大きくする指令信号を出力する。DAC23では、アップダウンカウンタ22の指令信号に応じて電流源I1〜I3の電流値を調整する。例えば、1/f′を低下させる場合には、電流源I1、I2およびI3の電流量を減少させ、MOSトランジスタMx1およびMx2の相互コンダクタンスgmxを減少させることにより1/f′を低下させる。逆に、電流源I1、I2およびI3の電流量を増加させ、MOSトランジスタMx1およびMx2の相互コンダクタンスgmxを増加させることにより1/f′を増加させる。
以上のようにSPM部12のゲインを調整すると、α=0となる。
したがって、α=0を、(14)式に代入すると、(14)式はVout=Vinとなる。すなわち、入力信号Vinを理想的にアナログデジタル変換したことと等価になる。
なお、図5に示す、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置において、31は、図示しないランダム信号発生回路などで発生されるランダム変数PNと、予め設定された電圧Vcalとを乗算する演算器、32は、パイプライン型A/D変換器1への入力信号Vinと、乗算器31の演算結果(PN×Vcal)とを加算し加算結果Vin′をパイプライン型A/D変換器1に出力する加算器、33は、前記ランダム信号発生回路などで発生されるランダム変数PNの負値(−PN)と予め設定された電圧Vcalと乗算する乗算器、34は、乗算器33の演算結果(−PN×Vcal)とパイプライン型A/D変換器1の出力Vout(ADC)とを加算し、出力Voutとして出力する加算器、35は、前記ランダム信号発生回路などで発生されるランダム変数PNと加算器34から出力される出力Voutとを乗算する乗算器である。
また、図5のキャリブレーション装置においては、SPM部12のゲインを調整したが、これに限るものではなく、例えば、図2のMDAC−AMP11のゲインを調整しても良い。この場合には、SPM部12のゲイン調整を行なう場合と同様の手順でMDAC−AMP11のゲインを調整すればよい。
以上説明したように、パイプライン型A/D変換器1のMDAC110を図2に示す構成とし、SPM部12を図3および図4に示すADC12aとADC12bとで構成し、図5に示す、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置を用いてキャリブレーションを行なうことによって、パイプライン型A/D変換器1では、新たに容量を追加することなく、正確なアナログデジタル変換を行うことができる。また、Stage毎にゲイン調整を行なうようにしているため、MDAC−AMP11のDCgain「a0」が高次の歪成分を持つような場合であっても、正確なアナログデジタル変換を行うことができる。したがって、ノイズの増加を抑制しつつ、精度のよいアナログデジタル変換を実現することができる。
また、例えば、図18のSPMを実現する乗算型DA変換器の回路のように、MDAC−AMP11の出力をフィードバックすることによりゲインを調整してSPM部12のゲイン「1/f′」を作る方法に比較して、本実施形態におけるSPM部12は図3に示すように、回路構成が単純である。そのため、消費電力を小さく抑えることができる。
また、MDAC−AMP11のDCgain「a0」が高次の歪み成分を持つような場合であっても的確にアナログデジタル変換を行うことができるため、MDAC−AMP11のDCgain「a0」を高いゲイン特性を保つことができる。そのため、MDAC−AMP11の構成も単純な構成にすることができ、すなわち、電源電圧を小さくすることができるため、さらに消費電力を抑えることも可能である。
なお、図5のキャリブレーション装置では、パイプライン型A/D変換器1のStage1に含まれる、MDAC110のSPM部12を調整する場合について説明したが、パイプライン型A/D変換器1のその他のStageも、SPM部12を有するMDAC110を含む場合には、各Stageにおいて各SPM部12のゲインを調整するようにしてもよく、また、SPM部12を含むか含まないかに関係なく、各Stageに含まれるMDAC−AMP11のゲインを調整するようにしてもよい。
<閾値変動方式のキャリブレーション装置の一例>
図6は、図3に示すSPM部12を備えたパイプライン型A/D変換器1における、SPM部12のゲイン1/f′の調整を行うキャリブレーション装置のその他の例を示す概略構成図である。
この図6に示すキャリブレーション装置は、パイプライン型A/D変換器1に含まれるSADC回路102の閾値を変動させることによりキャリブレーションを行なうものである。このように、SADC回路102の閾値を変動させてキャリブレーションを行なう方式を、閾値変動方式という。
この閾値変動方式によるキャリブレーション装置では、図6に示すように、図5に示すランダム信号加算方式のキャリブレーション装置で有していた乗算器31および33、加算器32および34は不要である。
図5に示す、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置の場合、入力信号に無関係のランダム信号を加算してからAD変換するため、出力信号から加算したランダム信号相当の信号を減算する必要がある。これに対し、図6に示す閾値変動方式によるキャリブレーション装置の場合、SADC回路102の閾値を変動させるだけであって、ランダム信号を加算していないためこのランダム信号を減算する部分は不要となる。
つまり、閾値変動方式によるキャリブレーション装置は、図6に示すように、バイプライン型A/D変換器1から出力される出力Voutとランダム変数PNとを乗算する乗算器35と、乗算器35の出力を加算するアキュームレータ(accumulator)21と、長期的に信号PN×Vout(=−α×Vcal=Verr)を検出するアップダウンカウンタ(up/dn counter)22と、DAC(D/Aコンバータ)23と、を備え、DAC23の出力を使って、エラー信号Verr(エラー信号)がゼロになるように、パイプライン型A/D変換器1を構成する各MDAC110のSPM部12のゲインを調整する。
図3においてSPM部12のゲイン「1/f′」がMDAC11のフィードバックファクタの逆数「1/f」と異なっており、そのため、パイプライン型A/D変換器1の入出力特性が非線形であるとすると、この場合の入出力特性は、次式(17)に示すように仮定することができる。
Vout=(1−α)×Vin ……(17)
(17)式中のαはSPM部12のゲイン「1/f′」とMDAC110のフィードバックファクタの逆数「1/f」とを使って次式(18)の通り表すことができる。
α=Cf/Cs×(1/a0)×(1/f−1/f′) ……(18)
ここで、「1」か「−1」からなるランダム変数PNを、ある電圧Vcalに乗じた信号(PN×Vcal)をSADC回路102内のADCの出力に加算する。電圧Vcalは、例えば必要な入力振幅や補正にかかる時間に基づいて設定すればよい。
パイプライン型A/D変換器1を通してアナログデジタル変換された後、パイプライン型A/D変換器1から出力されるアナログ信号Vin相当のデジタル信号Voutは次式(19)で表すことができる。
Vout=Vin−α×(Vin+PN×Vcal)
=(1−α)Vin−α(PN×Vcal) ……(19)
ここで、ランダム変数PNを、(19)式で表される出力Voutに乗じると、前述のように、ランダム変数PNは「1」または「−1」であってPN×PN=1であるため、次式(20)で表すことができる。
PN×Vout
=PN×Vin(1−α)−αVcal ……(20)
入力信号Vinにランダム変数PNを乗じたPN×Vinは、長期的に平均化してみると、零となるため、結局、(20)式は、(21)式と表すことができる。
PN×Vout=−αVcal ……(21)
ここで、アキュームレータ21と、アップダウンカウンタ22と、DAC(D/Aコンバータ)23と、を使って、Verr(エラー信号)がゼロになるように、パイプライン型A/D変換器1に含まれるMDAC110のSPM部12のゲインを調整する。
すなわち、アキュームレータ21では入力したエラー信号Verrを積算し、アップダウンカウンタ22では積算値がゼロより小さい時、1/f′が1/fより大きいとみなすことができるのでSPM部12のゲインを小さくする指令信号を出力する。逆にアキュームレータ21での積算値がゼロより大きい時、1/f′が1/fより小さいとみなすことができるのでSPM部12のゲインを大きくする指令信号を出力する。DAC23では、アップダウンカウンタ22の指令信号に応じて電流源I1〜I3の電流値を調整する。例えば、1/f′を低下させる場合には、電流源I1、I2およびI3の電流量を減少させ、MOSトランジスタMx1およびMx2の相互コンダクタンスgmxを減少させることにより1/f′を低下させる。逆に、電流源I1、I2およびI3の電流量を増加させ、MOSトランジスタMx1およびMx2の相互コンダクタンスgmxを増加させることにより1/f′を増加させる。
以上のようにSPM部12のゲインを調整すると、α=0となる。
したがって、α=0を、(19)式に代入すると、(19)式はVout=Vinとなる。すなわち、入力信号Vinを理想的にアナログデジタル変換したことと等価になる。
なお、図6においては、SPM部12のゲインを調整したが、これに限るものではなく、例えば、図2のMDAC−AMP11のゲインを、上記と同様の手順で調整するようにしても良い。
また、この場合も、パイプライン型A/D変換器1が、Stage1だけではなく、その他のStageも、SPM部12を有するMDAC110を含む場合には、各Stageにおいて各SPM部12のゲインを調整するようにしてもよく、また、SPM部12を含むか含まないかに関係なく、各Stageに含まれるMDAC−AMP11のゲインを調整するようにしてもよい。
<閾値変動方式によるキャリブレーション装置の一例を示す詳細な構成図>
図7は、図6で説明したSADC回路102の閾値を変動させるキャリブレーション方法を用いて調整を行なう閾値変動方式によるキャリブレーション装置の詳細を示したものであり、Background Calibrationを行う場合の、キャリブレーション装置の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、パイプライン型A/D変換器1は、Stage1(単位ブロック100(1))を含むステージ部41と、Stage(Stage2からStageNまでの単位ブロック100(2)〜100(N))を含むBackend ADC42と、を備える。
ステージ部41は、MDAC110と、SADC回路102と、を含んで構成される。
SADC回路102は、入力信号Vinが入力されるADC102aとDAC102bとを含んで構成され、さらに、電圧Vcalとランダム変数PNとを乗算する乗算器102cと、ADC102aの出力と乗算器102cの出力とを加算する演算器102dと、を備える。
そして、図7に示すキャリブレーション装置は、前述のように、SADC回路102の閾値を変動させ入出力関数を変動させてキャリブレーションを行なう。
なお、MDAC110は、前述の図2に示すMDAC110と同一構成を有する。
また、Backend ADC42から出力される出力Voutとランダム変数PNとを乗算器35で乗算し、演算器43での演算結果をエラー信号Verrとして、エラー信号Verrをアキュームレータ21で積算し、アップダウンカウンタ22では、積算値がゼロより小さいか、すなわち、1/f′が1/fより大きいとみなすことができるかに応じて指令信号をDAC23に出力し、DAC23では、アップダウンカウンタ22の指令信号に応じてSPM部12の電流源I1〜I3の電流値を調整する。
ここで、SADC回路102の閾値を変動させてキャリブレーションを行なう手法は、Dither信号を挿入するための容量(CAP)を追加しないため、Feedback Gainを高く取れるというメリットがある。
また、この方式は入力信号にDither信号を重畳した信号を長周期的に積算するとゼロになることを前提としてAD変換により発生するエラーを取り出し、これをFeedbackして最適値を探索する。
なお、図7においては、SPM部12のゲインを調整しているが、これに限るものではなく、例えば、MDAC−AMP11のゲインを調整するものでも良いし、さらにサンプリングキャパシタCsIの容量値を調整するものでも良い。
<従来技術との比較>
次に、本実施形態のように、入力信号Vinにランダム信号を加算すること、或いは、SADC回路102の閾値を変動させる閾値変動方式により、パイプライン型A/D変換器1のゲイン調整を行なう方法と、従来技術との相違を明確にするため、従来のランダム信号を用いずに、ゲイン調整を行なう場合について説明する。
図8は、MDAC110が2.5BitのMDACである場合の、Stage1のSADC回路102に含まれるADC102aの一部を模式的に示す図である。
従来のSADCは、図8に示すように、コンパレータ151〜156を備えている。
コンパレータ151〜156は、入力信号Vinと基準電圧(5/8)・Vr、(3/8)・Vr、(1/8)・Vr、(−1/8)・Vr、(−3/8)・Vr、(−5/8)・Vrとをそれぞれ比較する。なお、Vrは、入力信号Vinの最大入力レンジである。
図9は、ランダム信号を加算しない従来のSADCの伝達関数(入出力特性)を示す図である。図9において、横軸は入力、縦軸は出力である。また、図9中の「△」で指し示す値は、ランダム信号を加算しないSADCの閾値を表す。
図9に示すように、ランダム信号を加算しないSADCの場合、比較する基準電圧の値が変わらないので、入力信号に対して伝達関数が適応された出力信号が出力される。
次に、本実施形態のようにSADC回路102においてランダム信号を加算する場合について説明する。
図10は、MDAC110が2.5BitのMDACである場合の、Stage1のSADC回路102に含まれるADCの一部を模式的に示す図である。
SADC回路102は、コンパレータ161〜168を備えている。
コンパレータ161〜168は、ランダム信号によって比較する電圧を入れ替える。すなわち、ランダム変数PN=1のときは、入力信号Vinと基準電圧(15/16)・Vr、(11/16)・Vr、(7/16)・Vr、(3/16)・Vr、(−1/16)・Vr、(−5/16)・Vr、(−9/16)・Vr、(−13/16)・Vrとをそれぞれ比較する。一方、ランダム変数PN=−1のときは、入力信号Vinと基準電圧(13/16)・Vr、(9/16)・Vr、(5/16)・Vr、(1/16)・Vr、(−3/16)・Vr、(−7/16)・Vr、(−11/16)・Vr、(−15/16)・Vrとをそれぞれ比較する。なお、Vrは、入力信号Vinの最大入力レンジである。
図11は、ランダム変数PNを加算する、本実施形態におけるSADC回路102の伝達関数(入出力特性)を示す図である。図11において、横軸はSADC回路102への入力を表し、縦軸は出力を表す。また、図11中の「△」で指し示す値は、ランダム変数PNを加算するSADC回路102の閾値を表す。
図11では、ランダム変数PN=1を加算する時のSADC回路102の伝達関数(入出力特性)と、ランダム変数PN=−1を加算する時のSADC回路102の伝達関数(入出力特性)とを併記している。
入力側からみて例1のような入力信号が入ってきたところでは、ランダム変数PNの値によって出力信号が変わる。例えばPN=1の場合、ランダム変数PN=1を加算する時のSADC回路102の伝達関数が適応され、例1の入力信号は例1に応じた出力信号(PN=1)となる。PN=−1の場合、ランダム変数PN=−1を加算する時のSADC回路102の伝達関数が適応され、例1の入力信号は例1に応じた出力信号(PN=−1)となる。その結果、図11に示すように、ランダム変数PNにより出力結果が変動することになる。
この場合、ランダム変数PNによって同じ入力でも出力が変わるため、長期的に加算していくと、結果としてエラー成分が残る。
一方、入力側からみて例2のような入力信号が入ってきたところでは、ランダム変数PNによって出力信号は変わらない。例えばPN=1の場合、ランダム変数PN=1を加算する時のSADC回路102の伝達関数が適応され、PN=−1の場合、ランダム変数PN=−1を加算する時のSADC回路102の伝達関数が適応されるが、両者の伝達関数は同じなので、例2の入力信号は例2に応じた出力信号(PN=1/−1)となる。
この場合、ランダム変数PNが変動しても出力がいつも同じであるため、長期的に加算しても相殺されてエラーが残らない。
ところで、エラーが積算されていようがいまいが、アキュームレータ21では全ての出力信号についてこれらを積算している。
キャリブレーション時間を短縮化するには、アキュームレータ21の積算時間を効率化すればよい。そのため、前述のように、入力信号Vinによって、乗算器35でのエラー信号が零となる場合とならない場合とが存在することから、このエラー信号が零とならないときの入力信号Vinの取り得る領域をエラー積算領域とし、入力信号Vinがエラー積算領域内の値であるかどうかを判定し効率的な積算を行う。
すなわち、例えば図7に示す後段のBackend ADC42を利用することで入力信号Vinを、エラー信号が積算される領域(時間)と、エラー信号が積算されない領域(時間)とに区別し、エラー信号が積算される領域の値、つまり、エラー積算領域内の値であるときにのみ、エラー信号をアキュームレータ21で積算する。
アキュームレータ21は、入力信号Vinが、エラー信号が積算されない領域(時間)の値である場合には、単に前回の積算結果を保持しても良いし、前回の積算結果に「0」を足しても良いし、または、アキュームレータ21の両端をバイパスしてもよい。
図12(a)は、図10に示す、ランダム変数PNを加算するSADC回路102のコンパレータ161〜168にOffsetがない理想的な場合の、Stage1およびStage2の伝達関数(入出力特性)を示す図である。Stage1の伝達関数を示す図(図12(a)の左側の図)において、横軸はSADC回路102への入力を表し、縦軸は出力を表し、横軸の「△」が指し示す値は、Stage1のSADC回路102の閾値を表す。
Stage2の伝達関数を示す図(図12(a)の右側の図)において、横軸は、Stage2のSADC回路102の出力を表し、縦軸は、Stage2のSADC回路102の入力を表し、縦軸の「△」が指し示す値は、Stage2のSADC回路102の閾値を表す。
図12(a)において、ランダム変数PNの影響を受けない領域はStage2入力(=Stage1出力)の(−1/4)・Vr〜(1/4)・Vrに該当する。図示しない判定回路は、この領域をエラー積算している領域(時間)を判定し、エラー積算している領域(時間)としていない領域(時間)とを区別することで、エラー積算している領域のみアキュームレータ21で積算する。
このように、エラーが積算される領域のみ積算するので、エラー積算にとって不要な入力信号を極力積算しなくてすむようになり、相対的に必要なエラー信号の積算比率が高くなる。つまり、積算した信号のうち、エラー成分の比率が高まるので相対的に積算時間が短くてもエラー成分を取り出しやすくなる。
ここで、Stage2入力(=Stage1出力)が(−1/4)・Vr〜(1/4)・Vrとなるのは、図12(a)に示すように、Stage2に入力される入力信号が複数に分割されてなる各Segmentにおいて、セグメントSeg.3とセグメントSeg.2の中で出力が0以上の時、セグメントSeg.4の中で出力が0以下の時である。
出力が0以上あるいは0以下というのは、後段のBackend ADC42のAD変換結果から判別することができ、これらに該当する場合はアキュームレータ21で積算しない。このように、判定には新たな判定回路を追加するのではなく後段のBackend ADC42におけるAD変換結果を利用することができる。
図12(b)は、SADC回路102のコンパレータにOffsetがある場合の、Stage1およびStage2の伝達関数(入出力特性)を示す図である。Stage1の伝達関数を示す図(図12(b)の左側の図)において、横軸はSADC回路102への入力を表し、縦軸は出力を表し、横軸の「△」が指し示す値は、Stage1のSADC回路102の閾値を表す。また、Stage2の伝達関数を示す図(図12(b)の右側の図)において、横軸は、Stage2のSADC回路102の出力を表し、縦軸は、Stage2のSADC回路102の入力を表し、縦軸の「△」が指し示す値は、Stage2のSADC回路102の閾値を表す。
図12(b)に示すように、SADC回路102のコンパレータ161〜168にOffsetがある場合は、積算すべき領域は後段のBackend ADC42にとって広がる。このことからSADC回路102のコンパレータのOffsetも加味したうえで、エラー信号を積算しない領域を決めるとよい。例えば、Offsetが(1/32)・Vrであると仮定するとエラー信号を積算しない領域は後段のBackend ADC42にとって全体の1/8になりその分の時間短縮効果が見込まれる。
<ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置の一例を示す詳細な構成図>
図13は、図5で説明した入力信号にランダム信号を加算する、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置の一例を示す詳細な構成図である。
図13に示す、ランダム信号加算方式によるキャリブレーション装置は、図7に示す閾値変動方式によるキャリブレーション装置と比較して、乗算器31および33、加算器34、さらにランダム信号を加算するための加算器32としての容量を備えるところが異なる。なお、図7に示したキャリブレーション装置と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13に示すように、パイプライン型A/D変換器1は、Stage1(単位ブロック100(1))を含むステージ部51と、Stage2からStageNまでの単位ブロック(100(2)〜100(N))を含むBackend ADC52と、を備える。
ステージ部51は、MDAC110と、SADC回路102′と、を含んで構成される。
SADC回路102′は、入力信号Vinが入力されるADC102aとDAC102bとを含むとともに、電圧Vcalとランダム変数PNとを乗算する乗算器31と、乗算器31の乗算結果を、入力信号Vinに加算するための加算器32としての容量と、を含んで構成される。
そして、図13に示すキャリブレーション装置は、入力信号Vinにランダム信号を加算し、入力信号Vinの振幅を変動させてキャリブレーションを行なう。
なお、MDAC110は、前述の図2に示すMDAC110と同一構成を有する。
また、電圧Vcalとランダム変数「−PN」とを乗算する乗算器33での演算結果に、Backend ADC52から出力される出力Vout(ADC)を加算器34により加算し、加算結果とランダム変数PNとを乗算器35で乗算する。この乗算器35での演算結果をエラー信号Verrとして、エラー信号Verrをアキュームレータ21で積算し、アップダウンカウンタ22では、積算値がゼロより小さいか、すなわち、1/f′が1/fより大きいとみなすことができるかに応じて指令信号をDAC23に出力し、DAC23では、アップダウンカウンタ22の指令信号に応じてSPM部12の電流源I1〜I3の電流値を調整する。
なお、図13では、加算器32としての容量に(Vcal×PN)の電圧をチャージすることにより、アナログ部での加算を実現しているが、これに限るものではなく、容量に替えて加算器を用いても良い。
また、電圧Vcalの代わりに、SADC回路102に含まれるADCのコンパレータで用いる基準電圧Vrを用い、入力信号Vinの入力端につながる容量(CAP)CsIとの比で実現することもできる。たとえばVcal=(1/4)・Vrのとき、図13中の電圧Vcalを(1/4)・Vrにする代わりに、VcalをVrにし、CAP比を1:4にして実
現してもよい。
なお、図13において、SPM部12のゲインを調整したが、これに限るものではなく、例えば、MDAC−AMP11のゲインを調整するものでも良い。
図14は、ランダム変数PNを入力信号Vinに加算する場合の、入力信号とSADC回路102の伝達関数(入出力特性)とを示す図である。図14において横軸は、SADC回路102への入力信号、縦軸は出力を表す。
図14では、ランダム変数PN=1を加算する時の入力信号と、ランダム変数PN=−1を加算する時の入力信号とを、併記している。なお、図14中の「△」の指し示す位置は、SADC回路102の閾値を表し、PN=1およびPN=−1の場合とでは伝達関数は同一であって、閾値も同一である。
伝達関数が同じでもランダム変数PNによって出力が変わる場合は、長期的に加算していくと、結果としてエラー成分が残る。
一方、ランダム変数PNが変動したとしても出力が同じである場合は、長期的に加算しても相殺されてエラーが残らない。
図13に示すランダム変数加算方式のキャリブレーション装置においても、図7に示す閾値変動方式のキャリブレーション装置と同様に、後段のBackend ADC52を利用することでエラー信号を積算している領域(時間)とエラー信号を積算していない領域(時間)とを区別し、エラー信号を積算している領域のみアキュームレータ21で積算することで、キャリブレーション時間を短縮化することができる。
以上のように、本発明によれば、サミングポイントPsumの電圧を取り出す回路を単純な構成のSPM部12で実現しても、動作環境や製造工程時のばらつきによらず精度の良いゲインが実現できる。
<キャリブレーション装置の他の適用例を示す構成図>
図15は、ランダム変数加算方式のキャリブレーション装置の他の適用例を示す詳細な構成図である。
図15に示すキャリブレーション装置は、パイプライン型A/D変換器ではなく、A/D変換器のサンプルホールド回路において、ゲイン調整を行なうものであって、図15では、図13で説明した入力信号Vinにランダム信号を加算する、ランダム変数加算方式によりキャリブレーションを行なうものである。
すなわち、図15に示すキャリブレーション装置は、図13に示したStage1を含むステージ部51とそれ以降のStageを含むBackend ADC52とを含むパイプライン型A/D変換器1の代わりに、ADC(A/D変換器)212のサンプルホールド回路211のゲイン調整を行なうものであり、このキャリブレーション装置は、図13に示すキャリブレーション装置において、さらにレベル判定回路217を備える。
なお、図13に示したキャリブレーション装置と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図15は、サンプルホールド回路211に対して、Background Calibrationを行うためのキャリブレーション装置の一例を示すブロック図である。
図15に示すように、サンプルホールド回路211は、AMP221とSPM部12と、AMP221の出力端と反転入力端とを接続する容量222と、一端が入力信号Vinの入力端に接続され、他端が、AMP221の反転入力端とSPM部12の入力端とに接続されるサンプリング容量223と、を備えるとともに、さらに、電圧Vcalとランダム変数PNとを乗算する乗算器31と加算器32としての容量と、を備える。そして、AMP221の出力端とSPM部12の出力端との間に、サンプルホールド回路211とADC212とを接続するための容量213が接続される。
図15に示すキャリブレーション装置は、Backend ADCとしてのADC212の後段に、電圧Vcalとランダム変数「−PN」とを乗算する乗算器33と、Backend ADCとしてのADC212の出力Vout(ADC)と乗算器33の出力とを加算する加算器34と、を備える。
そして、電圧Vcalとランダム変数「−PN」とを乗算する乗算器33での演算結果に、ADC212から出力される出力を加算器34により加算し、加算結果とランダム変数PNとを乗算器35で乗算する。この乗算器35での演算結果をエラー信号Verrとしてアキュームレータ21で積算し、アップダウンカウンタ22では、積算値がゼロより小さいか、すなわち、1/f′が1/fより大きいとみなすことができるかに応じて指令信号をDAC23に出力し、DAC23では、アップダウンカウンタ22の指令信号に応じてSPM部12の電流源I1〜I3の電流値を調整する。
なお、図15においては、SPM部12のゲインを調整したが、これに限るものではなく、例えば、サンプルホールド回路211のAMP221のゲインを調整するものでも良いし、サンプルホールド回路211に含まれるキャパシタを調整するものでも良い。
また、レベル判定回路217は、例えばADCで構成され、図13の後段のBackend ADC52と同様に、エラー信号が積算される領域(時間)とエラー信号が積算されない領域(時間)とを区別する。
レベル判定回路217の判定結果から、入力信号Vinがエラー信号が積算されない領域(時間)に該当する場合はアキュームレータ21では積算しない。
このように、図15に示すキャリブレーション装置も、図13に示すキャリブレーション装置と同様に、レベル判定回路217を利用することでエラー信号が積算される領域(時間)と積算されない領域(時間)とを区別し、エラー信号が積算される領域のみアキュームレータ21で積算することで、キャリブレーション時間を短縮化することができる。
以上のように、サンプルホールド回路211に適用した場合であっても、動作環境や製造工程時のばらつきによらず精度の良いゲインが実現できる。
なお、上記実施形態では、本発明によるサンプルホールド回路のキャリブレーション方法を、パイプライン型A/D変換器や、A/D変換器のサンプルホールド回路に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、ΔΣA/D変換器などであっても適用することができる。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 パイプライン型A/D変換器
11 MDAC−AMP
12 SPM部
12a ADC
12b DAC
21 アキュームレータ(accumulator)
22 アップダウンカウンタ(up/dn counter)
23 DAC(DAコンバータ)
31、33、35 乗算器
32、34 加算器
211 サンプルホールド回路
212 A/D変換器
Mx1、Mx2、My1、My2 MOSトランジスタ
I1、I2、I3 電流源

Claims (15)

  1. サンプリングキャパシタおよび当該サンプリングキャパシタが入力端に接続されるアンプを有するとともに、前記アンプに接続される演算部を備え、前記アンプの出力を次段のサンプルホールド回路に供給するサンプルホールド回路であって、
    前記演算部は、
    AD変換器と当該AD変換器の出力端に接続されるDA変換器とを有し、
    ホールドフェーズに、前記アンプの入力端における前記サンプリングキャパシタの接続点であるサミングポイントの電圧をモニタし、
    前記サミングポイントの電圧のモニタ結果を次段のサンプルホールド回路に含まれるサンプリングキャパシタに供給することを特徴とするサンプルホールド回路。
  2. 前記AD変換器は、入力端が前記サミングポイントに接続され、
    前記DA変換器は、出力端が前記次段のサンプルホールド回路に含まれるサンプリングキャパシタに接続されることを特徴とする請求項1に記載のサンプルホールド回路。
  3. 前記演算部はゲインを変化させることが可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンプルホールド回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のサンプルホールド回路を用いてなることを特徴とするA/D変換器。
  5. 変換対象のアナログ信号の振幅をランダム変数で変動させ、変動させたアナログ信号を、演算部を有するサンプルホールド回路によりデジタル信号に変換し、
    変換後のデジタル信号に前記ランダム変数を乗算してその乗算信号を積算し、
    当該積算結果を、前記変換対象のアナログ信号をデジタル信号に変換する際のエラー信号とし、 前記演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整することを特徴とするサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  6. 前記変換対象のアナログ信号が予め設定したエラー積算領域内の値であるか否かを判定し、
    前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値でないと判定した場合は前記乗算信号を積算せず、前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値であると判定したときにのみ、前記乗算信号を積算することを特徴とする請求項5に記載のサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  7. 前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値であるか否かは、
    前記変換対象のアナログ信号または当該変換対象のアナログ信号を変換したデジタル信号に基づき判定することを特徴とする請求項6に記載のサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  8. 前記変換対象のアナログ信号が前記エラー積算領域内の値ではないと判定された場合は、前回の積算結果を保持することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  9. 前記演算部はAD変換器及びDA変換器を含むことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  10. 前記サンプルホールド回路は、演算部を有する乗算型デジタルアナログコンバータを含み、
    前記乗算型デジタルアナログコンバータに含まれる演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに1項に記載のサンプルホールド回路のキャリブレーション方法。
  11. 変換対象のアナログ信号の振幅をランダム変数で変動させるランダム変動部と、
    前記ランダム変動部により振幅が変動されたアナログ信号をサンプルホールド回路でデジタル信号に変換した変換結果に前記ランダム変数を乗算する乗算部と、
    前記乗算部での乗算結果を積算する積算部と、を備え、
    前記サンプルホールド回路は演算部を有し、
    前記積算部の積算結果を前記サンプルホールド回路でのエラー信号として、前記演算部のゲインを前記積算結果に基づき調整する調整部
    を備えることを特徴とするキャリブレーション装置。
  12. 前記積算部は、
    前記変換対象のアナログ信号が、予め設定したエラー積算領域内の値であるか否かを判定し、前記アナログ信号が前記エラー領域内の値でないと判定された場合は前記乗算部での乗算結果を積算せず、前記アナログ信号が前記エラー積算領域内の値であると判定された場合にのみ前記乗算部での乗算結果を積算することを特徴とする請求項11に記載のキャリブレーション装置。
  13. 前記演算部は、AD変換器及びDA変換器を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のキャリブレーション装置。
  14. 前記サンプルホールド回路は、演算部を有する乗算型デジタルアナログコンバータを含み、
    前記調整部は、前記乗算型デジタルアナログコンバータに含まれる演算部のゲインを、前記エラー信号に基づき調整することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のキャリブレーション装置。
  15. 請求項11から請求項14のいずれか1項に記載のキャリブレーション装置を有することを特徴とするサンプルホールド回路。
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