JP2015076540A - 半導体素子およびダイオード - Google Patents

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俊成 渡邉
Toshinari Watanabe
俊成 渡邉
宮川 直通
Naomichi Miyagawa
直通 宮川
伊藤 和弘
Kazuhiro Ito
和弘 伊藤
暁 渡邉
Akira Watanabe
暁 渡邉
光井 彰
Akira Mitsui
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Abstract

【課題】従来に比べて、ソース電極、ドレイン電極と、半導体層との間における抵抗の低い半導体素子を提供する。【解決手段】基板、第1の電極、第2の電極、第3の電極、および半導体層を有する半導体素子であって、前記基板の厚さ方向において、前記基板、前記第1の電極、前記第3の電極がこの順に配置される構造を含み、前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記半導体層が存在し、前記第1の電極および前記第3の電極のいずれか一方または双方と前記半導体層との間に、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられている半導体素子により上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子およびダイオードに関する。
ソース、ドレインおよびゲート等の各電極、ならびに半導体より構成されたトランジスタ等の半導体素子がある(例えば、特許文献1)。そのような半導体素子は、例えば、電気光学装置のような各種電子デバイス等に適用することができる。
特開2007−123861号公報
前述のような半導体素子においては、さらなる高性能化や小型化が求められている。その対応策として、ソース電極と半導体層との間またはドレイン電極と半導体層との間における接触抵抗の低減が求められている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、従来に比べて、高性能化が図られた半導体素子を提供することを目的とする。
本発明では、基板、第1の電極、第2の電極、第3の電極、および半導体層を有する半導体素子であって、前記基板の厚さ方向において、前記基板、前記第1の電極、前記第3の電極がこの順に配置される構造を含み、前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記半導体層が存在し、前記第1の電極および前記第3の電極のいずれか一方または双方と前記半導体層との間に、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられていることを特徴とする半導体素子が提供される。
なお、本願において、「基板の厚さ方向において、第1の電極、第3の電極がこの順に配置される構造を含む」とは、基板の厚さ方向において、第1の電極の有する表面のうち基板に平行な面、第3の電極の有する表面のうち基板に平行な面がこの順に位置する構造を含んでいればよく、第1の電極の存在する位置の上方に第3の電極が存在する構造だけに限る意味ではない。
前記第2の電極は、前記第1の電極と前記第3の電極との間に配置されていてもよい。
前記第2の電極は、前記半導体層の上に配置されていてもよい。
前記第1の電極はソース電極であり、前記第2の電極はゲート電極であり、前記第3の電極はドレイン電極であってもよい。前記第1の電極はコレクタであり、前記第2の電極はベースであり、前記第3の電極はエミッタであってもよい。
前記第2の電極に印加される電圧または電流を制御することにより、前記第1の電極と前記第3の電極との間に流れる電流を制御してもよい。
前記エレクトライド層と接する前記半導体層は、N型半導体層であってもよい。
前記エレクトライド層の厚さは、0.5nm〜100nmであってもよい。
前記エレクトライド層は、2.0×1017cm−3〜2.3×1021cm−3の電子密度を有してもよい。
前記半導体層は、酸化物半導体または有機半導体を含んでもよい。
また、本発明では、第1の電極、第2の電極、半導体層を有するダイオードであって、前記第1の電極と前記半導体層との間に、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられていることを特徴とするダイオードが提供される。
前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記半導体層が存在してもよい。
前記第1の電極および前記第2の電極は、前記半導体層の上に配置されてもよい。
前記第1の電極はカソード電極であり、前記第2の電極はアノード電極であってもよい。
なお、本願においては、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライド」を、単に「非晶質酸化物のエレクトライド」と記載する場合があり、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」を単に「非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」と記載する場合がある。
本発明では、従来に比べて、高性能化が図られた半導体素子を提供することができる。
第1の実施の形態における半導体素子の断面図 第2の実施の形態における半導体素子の断面図 第3の実施の形態における半導体素子の断面図 第4の実施の形態における半導体素子の断面図 第5の実施の形態における半導体素子の断面図 第6の実施の形態における半導体素子の断面図 第7の実施の形態における半導体素子の断面図 第8の実施の形態における半導体素子の断面図 第9の実施の形態における半導体素子の断面図 第10の実施の形態における半導体素子の断面図 第11の実施の形態における半導体素子の断面図 第12の実施の形態における半導体素子の断面図 第13の実施の形態における半導体素子の断面図 非晶質酸化物のエレクトライドの概念的な構造を示した模式図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子は、縦型のFET(Field effect transistor)具体的には、縦型の静電誘導型トランジスタ(SIT:Static Induction Transistor)素子である。
従来の半導体素子においては、さらなる高性能化のため、電極と半導体層との界面における接触抵抗の低減が求められている。例えば、ソース電極と半導体層との界面およびドレイン電極と半導体層との界面における接触抵抗が大きいと、半導体素子における動作特性が低下するためである。
一般に、半導体層がN型半導体の場合、金属製のソース電極およびドレイン電極と半導体層との界面での接触抵抗を抑制する際には、オーミック接合を利用することが効果的である。オーミック接合とは、半導体層側に空間電荷層が形成されないようにして、金属と半導体を接合させた状態を意味し、この場合、金属と半導体との界面において、整流性は生じなくなる。すなわち、電子は両方向に流れる。
金属製のソース電極およびドレイン電極と半導体層との界面に、そのようなオーミック接合を発現させるためには、ソース電極およびドレイン電極の仕事関数を、半導体層の仕事関数よりも小さくする必要がある。しかしながら、通常、そのような仕事関数を有する金属材料は、あまり多くはない。また、仕事関数の低い金属は活性であり反応性が高く、他の成分と容易に反応層を形成するため、低仕事関数の金属と半導体層とを直接接合させることが難しかった。このため、このような対応では、ソース電極およびドレイン電極の材質が大きく制限されるという問題が生じる。
一方、金属製のソース電極およびドレイン電極の仕事関数が、半導体層よりも大きい場合には、金属と半導体との界面に、ショットキー障壁が形成される。この場合、半導体側に生じる空間電荷層をできるだけ薄くして、トンネル効果によって接触抵抗を抑制することが考えられる。しかしながら、空間電荷層を薄くするためには、半導体層内のキャリア密度を著しく高める必要がある。従って、この方法も、現実的な対応策にはならない場合がある。これらの問題は、ソース電極およびドレイン電極がコレクタおよびエミッタである場合も同様である。
本実施の形態における半導体素子は、第1の電極、第2の電極、第3の電極、および半導体層を有する半導体素子である。本実施の形態における半導体素子は、前記基板の厚さ方向において、前記基板、前記第1の電極、前記第3の電極がこの順に配置される構造を含み、前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記半導体層が存在する。第1の電極および第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層の間には、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が設けられている。第1の電極はソース電極、第2の電極はゲート電極、第3の電極はドレイン電極であってもよい。第1の電極はドレイン電極、第2の電極はゲート電極、第3の電極はソース電極であってもよい。また、第1の電極はコレクタ、第2の電極はベース、第3の電極はエミッタであってもよい。第1の電極はエミッタ、第2の電極はベース、第3の電極はコレクタであってもよい。以下、本実施の形態では、第1の電極はソース電極、第2の電極はゲート電極、第3の電極はドレイン電極である例を説明する。
カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、半導体的な電気的特性を示し、仕事関数が比較的低いという特徴を有する。例えば、この薄膜の仕事関数は、2.4eV〜4.5eVの範囲(例えば2.8eV〜3.2eV)である。また、この薄膜は、電子密度が高いという特徴を有する。薄膜の電子密度は、例えば、2.0×1017cm−3〜2.3×1021cm−3の範囲である。なお、1.0×1019cm−3以上がより好ましく、5.0×1019cm−3以上がさらに好ましく、1×1020cm−3以上が特に好ましい。
本実施の形態における半導体素子では、このような非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の存在により、ソース電極となる第1の電極と半導体層との間の接触抵抗、または、ドレイン電極となる第3の電極と半導体層の間の接触抵抗を、低下させることができる。このため、本実施の形態においては、従来に比べて高い動作特性を有する半導体素子を提供することができる。
本実施の形態においては、半導体層がN型半導体の場合に、より効果を奏する。特に、半導体層の仕事関数よりソース電極となる第1の電極の仕事関数およびドレイン電極となる第3の電極の仕事関数が大きい場合に効果を奏する。
上述の通り、N型半導体の場合は半導体層よりもソース電極およびドレイン電極の仕事関数を低くすることでオーミック接合を発現させることができる。しかし、仕事関数の低い金属は活性であり反応性が高く、他の成分と容易に反応層を形成するため、オーミック接合を発現させることが難しかった。本実施の形態に用いられる非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、低い仕事関数を有しているにも関わらず、高い化学的耐久性を有しており、さらに高いキャリア密度(電子密度)を有している。そのため、半導体層(N型半導体)と非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜との間にオーミック接合を発現させることができ、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極との間にトンネル効果を発現させることができる。その結果、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層との間における接触抵抗を有意に低下させることができ、従来に比べて高性能な半導体素子を提供することができる。
エレクトライドの仕事関数は、半導体層の仕事関数よりも小さいことが好ましい。半導体層の仕事関数とエレクトライドの仕事関数の差は、0超eV〜3.0eVが好ましく、0.1eV〜2.5eVがより好ましく、0.5eV〜2.0eVがさらに好ましい。このような仕事関数の差を有することで、容易にオーミック接合を発現させることができ、接触抵抗を有意に低減させることができる。
また、本実施の形態においては、半導体層が酸化物半導体の場合により効果を奏し、N型の酸化物半導体の場合に特に効果を奏する。例えば、半導体層として、酸化物半導体の一例であるIGZO(In−Ga−Zn−O)からなる層を適用する。IGZOの仕事関数は、4.3eV〜4.5eVである。ソース電極およびドレイン電極としてアルミニウム(Al)を適用するとき、Alの仕事関数は4.1eVである。この場合、ソース電極およびドレイン電極のいずれか一方または双方と半導体層とを直接接合させると、反応層を生じオーミック接合は発現させにくい。これに対して、本実施の形態においては、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層との間に、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が配置される。この薄膜の仕事関数は、2.4eV〜4.5eVの範囲であり、例えば2.8eV〜3.2eVの範囲とすることができ、IGZOの仕事関数と比較して充分低くすることができる。しかも、この薄膜は化学的に安定なため反応層を形成しにくい。また、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極と非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜との界面においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の電子密度が高いため、トンネル効果により接触抵抗が低下される。このため、オーミック接合を発現させることが容易となり、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層との間の接触抵抗を低下させることができる。その結果、従来のものと比べて、高性能な半導体素子を提供することができる。
また、本実施の形態においては、半導体層が有機物半導体の場合により効果を奏する。有機半導体はキャリア密度が1010cm−1〜1017cm−1未満と一般的に低く、金属と接触抵抗が発生しやすい。有機半導体においてキャリアタイプは、有機半導体のHOMO、LUMOと、電極金属の仕事関数の相対関係に影響をうけることが知られ、有機半導体のHOMOと電極の仕事関数の差、もしくは有機半導体のLUMOと電極の仕事関数の差において、前者が後者より小さい場合はP型、前者が後者より大きい場合はN型となる傾向がある。非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、低い仕事関数を有するため、有機半導体に電子を注入することができる。すなわち、有機半導体をN型として用いることができる。
例えば、半導体層として、有機物半導体の一種であるC60フラーレンからなる層を用いることができる。C60フラーレンの仕事関数は、4.6eVである。ソース電極およびドレイン電極として金(Au)を適用するとき、Auの仕事関数は5.0eVである。この場合、ソース電極およびドレイン電極のいずれか一方または双方と半導体層とを直接接合させると、Auの仕事関数が大きいため、オーミック接合は発現させにくい。これに対して、本実施の形態においては、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層との間に、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が配置される。この薄膜の仕事関数は、2.4eV〜4.5eVの範囲であり、例えば2.8eV〜3.2eVの範囲とすることができ、C60フラーレンの仕事関数と比較して充分低くすることができる。しかも、この薄膜は化学的に安定なため反応層を形成しにくい。また、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極と非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜との界面においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の電子濃度が高いため、トンネル効果により接触抵抗が低下される。このため、オーミック接合を発現させることが容易となり、ソース電極となる第1の電極およびドレイン電極となる第3の電極のいずれか一方または双方と半導体層との間の接触抵抗を低下させることができる。その結果、従来のものと比べて、高性能な半導体素子を提供することができる。
なお、本実施の形態は、第1の電極がコレクタ、第3の電極がエミッタであっても同様である。
(非晶質酸化物のエレクトライド)
本願において、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライド」、すなわち「非晶質酸化物のエレクトライド」は、カルシウム原子、アルミニウム原子および酸素原子から構成される非晶質を溶媒とし、電子を溶質とする溶媒和からなる非晶質固体物質を意味する。非晶質酸化物中の電子は、陰イオンとして働く。電子はバイポーラロンとして存在してもよい。
図14には、非晶質酸化物のエレクトライドの構造を概念的に示す。
図14に示すように、非晶質酸化物のエレクトライド70は、カルシウム原子、アルミニウム原子および酸素原子から構成される非晶質からなる溶媒72中に、バイポーラロン74と呼ばれる特徴的な部分構造が分散された状態で存在する。バイポーラロン74は、2つのケージ76が隣接し、さらにそれぞれのケージ76に、電子(溶質)78が包摂されて構成されている。ただし、非晶質酸化物の状態は上記に限られず、ひとつのケージ76に2つの電子(溶質)78が包接されてもよい。また、これらのケージが複数凝集した状態でもよく、凝集したケージは微結晶とみなすこともできるため、非晶質中に微結晶が含まれた状態も本発明において非晶質とみなす。
本実施の形態において、非晶質酸化物のエレクトライドは、バイポーラロンのケージ構造が保持される範囲で、カルシウム原子、アルミニウム原子、酸素原子のほかに、Sr、Mg、Ba、Si、Ge、Ga、In、およびBからなる群から選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、およびCuからなる群から選択される1以上の原子、Li、Na、およびKからなる群から選択される1以上の原子、またはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群から選択される1以上の原子を含んでいてもよい。
また、本実施の形態において、非晶質酸化物のエレクトライドは、2つのケージに包接されている2つの電子が、他の陰イオンに置換された化合物であってもよい。他の陰イオンとしては、例えば、H、H 、H2−、O、O 、OH、F、Cl、およびS2−からなる群から選択される1以上の陰イオンが挙げられる。
また、非晶質酸化物のエレクトライドは、半導体的な電気的特性を示し、低い仕事関数を有する。仕事関数は2.4eV〜4.5eVであってもよく、2.8eV〜3.2eVであることが好ましい。
(非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜)
バイポーラロンは、光子エネルギーが1.55eV〜3.10eVの可視光の範囲では光吸収がほとんどなく、4.6eV付近で光吸収を示す。従って、本実施の形態において用いられる非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、可視光において透明である。また、薄膜サンプルの光吸収特性を測定し、4.6eV付近の光吸収係数を測定することにより、薄膜サンプル中にバイポーラロンが存在するかどうか、すなわち薄膜サンプルが非晶質酸化物のエレクトライドを有するかどうかを確認することができる。
本実施の形態においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜において、前記4.6eVの位置での光吸収値は、100cm−1以上であってもよく、200cm−1以上であってもよい。非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜において、4.6eVの光子エネルギー位置における光吸収係数に対する、3.3eVの位置における光吸収係数の比は、0.35以下であってもよい。
本実施の形態においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜におけるアルミニウム原子とカルシウム原子のモル比(Ca/Al)は、0.3〜5.0の範囲が好ましい。0.3以上であると、高い電子密度を保持できる。また、5.0以下であると、薄膜の耐久性に優れる。0.5〜1.6の範囲がより好ましく、0.6〜1.2の範囲が特に好ましい。薄膜の組成分析は、XPS法、EPMA法またはEDX法等により行うことができる。膜厚が100nm以下の場合はXPS法、50nm以上の場合はEPMA法、3μm以上の場合はEDX法による分析が可能である。
本実施の形態においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、微結晶を含んでいてもよい。薄膜内に微結晶が含有されているか否かは、例えば薄膜の断面TEM(透過型電子顕微鏡)写真などから判断される。結晶状態における組成は、Ca12Al14(33−X)(x=0〜1)で表される。
本実施の形態においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、電子密度が2.0×1017cm−3以上2.3×1021cm−3以下の範囲で電子を含むことが好ましい。電子密度は、1.0×1018cm−3以上がより好ましく、1×1019cm−3以上がさらに好ましく、1×1020cm−3以上が特に好ましい。
なお、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の電子密度は、ヨウ素滴定法により測定することができる。ちなみに、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜におけるバイポーラロンの密度は、測定された電子密度を1/2倍することにより算定することができる。
このヨウ素滴定法は、5mol/lのヨウ素水溶液中に非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜のサンプルを浸漬し、塩酸を加えて溶解させた後、この溶液中に含まれる未反応ヨウ素の量を、チオ硫酸ナトリウムで滴定検出する方法である。この場合、サンプルの溶解により、ヨウ素水溶液中のヨウ素は、下記の(1)に示す式の反応によりイオン化する。

+e→2I (1)

また、チオ硫酸ナトリウムでヨウ素水溶液を滴定した場合、下記の(2)に示す式の反応により、未反応のヨウ素がヨウ化ナトリウムに変化する。

2Na+I→2NaI+Na (2)

最初の溶液中に存在するヨウ素量から、(2)式で滴定検出されたヨウ素量を差し引くことにより、(1)式の反応で消費されたヨウ素量が算定される。これにより、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜のサンプル中の電子密度を測定することができる。ヨウ素滴定法は、薄膜が非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜または後述する結晶質C12A7エレクトライドの薄膜のいずれにおいても適用可能である。
本実施の形態においては、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の膜厚は、これに限られるものではないが、例えば、100nm以下であってもよく、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。0.5nm以上であってもよい。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、ケージ中の電子のホッピング伝導により、導電性を有する。本実施の形態において用いられる非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の室温における直流電気伝導率は、10−11S・cm−1〜10−1S・cm−1であってもよく、また、10−7S・cm−1〜10−3S・cm−1であってもよい。
また、この薄膜のイオン化ポテンシャルは7.0eV〜9.0eVであってもよく、7.5eV〜8.5eVであってもよい。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、バイポーラロン74のほかに、部分構造として、酸素欠損に電子が一つ捕獲された、Fセンターを有することがある。Fセンターは複数のCa2+イオンに1つの電子が取り囲まれて構成されており、ケージは有さない。Fセンターの性質としては、3.3eVを中心として、1.55eV〜3.10eVの可視光の範囲で光吸収を有するものである。
センターの濃度が5×1018cm−3未満であると、薄膜の透明性が高まるため、好ましい。Fセンターの濃度が、1×1018cm−3以下であるとより好ましく、1×1017cm−3以下であるとさらに好ましい。なお、Fセンターの濃度は、ESRにおける、g値1.998の信号強度により測定できる。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、多結晶薄膜と比較して、結晶粒界を有さないため、平坦性に優れている。本実施の形態において用いられる非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の表面の自乗平均面粗さ(RMS)は、0.1nm〜10nmであってもよく、また、0.2nm〜5nmであってもよい。RMSが2nm以下であると、素子の特性が向上するため、より好ましい。また、RMSが10nm以上であると素子の特性が低下するおそれがあるため、研磨工程などを追加する必要が生じる。上記のRMSは、たとえば、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の組成は、12CaO・7Alの化学量論比と異なっていてもよく、製造の際に用いたターゲットの組成比と異なっていてもよい。
図1に基づき本実施の形態における半導体素子であるSIT素子について説明する。
図1に示す半導体素子は、基板110、第1の電極121、第2の電極122、第3の電極123、および半導体層130を有する。本実施の形態における半導体素子は、基板110の厚さ方向において、基板110、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含む。
第1の電極121と第3の電極123との間に半導体層130が存在する。第1の電極121および第3の電極123のいずれか一方または双方と半導体層130との間には、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられる。図1では、第1の電極121と半導体層130との間に第1のエレクトライド層141が設けられ、半導体層130と第3の電極123との間に第2のエレクトライド層142が設けられている例を示している。
図1における半導体素子は、第2の電極122に印加される電圧または電流を制御することにより、第1の電極121と第3の電極123との間に半導体層130を通って流れる電流が制御される。第2の電極122は、前述の第1の電極121と第3の電極123との間に半導体層130を通って流れる電流を制御でき、該電流の経路(チャネル)を阻害しない位置に配置すればよい。例えば、基板の厚さ方向において、第1の電極121と第3の電極123との間に第2の電極122を配置すればよい。基板110の厚さ方向において、第1の電極121の上面、第2の電極122の下面、第2の電極の上面、第3の電極123の下面が、この順に位置するように配置されることが好ましい。図1では、2つの第2の電極122が、半導体層130の内部に配置された例を示している。第2の電極122の個数は特に限定されず、複数でも単数でもよい。
図1では、基板の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、第2の電極122で分断されない領域の(第2の電極122が設けられていない領域の)半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。第2の電極122にゲート電圧を印加することにより、第1の電極121と第3の電極123との間における半導体層130にチャネルが形成される。このように、半導体層130にチャネルが形成されることにより、第1の電極121と第3の電極123との間に電流を流すことができる。第1の電極121と第3の電極123との間に流れる電流は、第2の電極122に印加されるゲート電圧により制御することができる。尚、本実施の形態においては、ソース電極が形成される部分とドレイン電極が形成される部分とを入れ換えて、第1の電極121をドレイン電極とし、第3の電極123をソース電極としてもよい。
また、本実施の形態は、第1の電極121をコレクタ、第2の電極122をベース、第3の電極123をエミッタとした半導体素子であってもよい。この場合、第2の電極122であるベースと第3の電極123であるエミッタとの間に電流を流すことにより、第1の電極121であるコレクタと第3の電極123であるエミッタとの間に電流を流すことができる。
尚、図1における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。
前述したように、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142を構成している非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、仕事関数が小さく、電子密度が高いという特徴を有している。よって、第1の電極121と半導体層130との間に、第1のエレクトライド層141を設けた場合には、第1の電極121と半導体層130との界面における接触抵抗を低くすることができる。同様に、第3の電極123と半導体層130との間に、第2のエレクトライド層142を設けた場合には、第3の電極123と半導体層130との界面における接触抵抗を低くすることができる。このため、本実施の形態における半導体素子は、従来の半導体素子と比べて、動作特性を向上させることができる。
(基板110)
基板110を構成している材料は、特に限定されるものではない。基板110は、例えば、ガラス基板、セラミック基板、プラスチック基板、および樹脂基板等の絶縁基板であってもよい。あるいは、基板110は、半導体基板および金属基板であり、表面に絶縁層が形成されていてもよい。
(半導体層130)
半導体層130を構成している材料は、半導体としての性質を示すものであれば、特に限定されない。半導体層130は、N型半導体材料により構成されてもよい。また、半導体層130は、例えば、酸化物半導体および有機半導体など、一般的な半導体材料で構成されてもよい。
酸化物半導体としては、例えばIn、Ti、Nb、Sn、Zn、Gd、Cd、Zr、Y、La、およびTa等の遷移金属の酸化物や、SrTiO、CaTiO、ZnO・Rh、CuGaO、およびSrCu等の酸化物が挙げられる。例えば、酸化物半導体は、In、Sn、Zn、Ga、およびCdのうちの少なくとも1種の酸化物を含んでもよい。酸化物半導体は、In、Sn、Zn、およびGaのうちの少なくとも1種の酸化物を含むことが好ましく、In、Ga、およびZnのうちの少なくとも1種を含む酸化物(例えばIn−O系)を含むことがより好ましい。
例えば、酸化物半導体は、In、Ga、およびZnのうちの少なくとも2種、例えば全ての酸化物を含んでもよい。そのような酸化物半導体の一例は、IGZO(In−Ga−Zn−O)、ITO(In−Sn−O)、ISZO(In−Si−Zn−O)、IGO(In−Ga−O)、ITZO(In−Sn−Zn−O)、IZO(In−Zn−O)、およびIHZO(In−Hf−Zn−O)等である。このような酸化物半導体で構成される膜は、非晶質であってもよく、結晶質であってもよく、非晶質と結晶質とを含む状態であってもよい。
一方、有機半導体としては、例えば、多環芳香族化合物、共役二重結合化合物、マクロ環化合物、金属フタロシアニン錯体、電荷移動錯体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、オリゴチオフェン類、フラーレン類、カーボンナノチューブ、などが挙げられる。例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチエニレンビニレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリ(p−フェニレン)、ポリインドール、ポリビリダジン、ナフタセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、トリフェノジオキサジン、トリフェノジリアジン、ヘキサセン−6,15−キノン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィド、ポリビニルピリジン、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、アントラセンテトラカルボン酸ジイミド、C60、C70、C76、C78、C84、およびこれらの誘導体を用いることができる。また、これらの具体例としては、一般的にP型半導体とされるペンタセン、テトラセン、α−セキシチオフェン(6T)、銅フタロシアニン、ビス(1,2,5−チアジアゾロ)−p−キノビス(1,3−ジチオール)、ルブレン、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)(略称:PTV)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:P3HT)、(ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−ビチオフェン])(略称:F8T2)等がある。また、一般にN型半導体とされる7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物(略称:PTCDA)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(略称:NTCDA)、N,N'−ジオクチル−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:PTCDI−C8H)、銅(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−フキサデカフルオロ−29H,31H−フタロシアニン(略称:F16CuPc)、3',4'−ジブチル−5,5''−ビス(ジシアノメチレン)−5,5''−ジヒドロ−2,2':5',2''−テルチオフェン)(略称: DCMT)等がある。なお、有機半導体においてP型やN型の特性は、その物質固有のものではなく、キャリアを注入する電極との関係や注入の際の電界の強度に依存する。
(第1の電極121、第3の電極123)
第1の電極121および第3の電極123を構成する材料は、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。第1の電極121および第3の電極123は、例えば、金属で構成されてもよい。具体的には、第1の電極121および第3の電極123は、例えば、Al、Ag、Au、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、およびWから選ばれた少なくとも一つの元素を含む合金であってもよい。
また、第1の電極121および第3の電極123は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、アンチモン酸化物(Sb)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、スズ酸化物(SnO)、亜鉛酸化物(ZnO)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(ZnO−Al:アルミニウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、GZO(ZnO−Ga:ガリウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、NbドープTiO、TaドープTiO、およびIWZO(In−WO−ZnO:三酸化タングステンおよび酸化亜鉛がドーピングされたインジウム酸化物)等の金属酸化物材料であってもよい。
半導体層130が有機半導体で構成される場合、第1の電極121および第3の電極123は、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、およびナトリウムなどの金属およびそれらを含む合金で構成されてもよい。
半導体層130は、仕事関数が3.5eV〜7.0eVであってもよく、4.0eV〜5.0eVであることが好ましい。また、半導体層130は、キャリア密度が1011cm−3〜1017cm−3未満であってもよく、1014cm−3〜1016cm−3であることが好ましい。
(第2の電極122)
第2の電極122を構成する材料は、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
第2の電極122は、例えば、Al、Ag、Au、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、およびWから選ばれた元素を成分とする金属もしくは合金、または上述した元素から選ばれた2つ以上の元素を成分とする合金であってもよい。また、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、アンチモン酸化物(Sb)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、スズ酸化物(SnO)、亜鉛酸化物(ZnO)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(ZnO−Al:アルミニウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、GZO(ZnO−Ga:ガリウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、NbドープTiO、TaドープTiO、およびIWZO(In−WO−ZnO:三酸化タングステンおよび酸化亜鉛がドーピングされたインジウム酸化物)等の金属酸化物材料であってもよい。
尚、第1の電極121、第2の電極122および第3の電極123等を金属により形成する場合には、可視光を透過する程度に薄くすることで、透明電極として使用することも可能である。
(半導体層130の形成方法)
半導体層130の形成方法は、従来から実施されている方法により成膜することにより形成してもよい。半導体層130が酸化物半導体の場合、半導体層130は、スパッタリング等により成膜することができる。また、半導体層130が有機半導体の場合、半導体層130は、蒸着法、スピンコート法、または液滴吐出法等により成膜することができる。
成膜された半導体層130は、所望の形状やパターンとなるように形成してもよい。例えば、半導体層130は、フォトリソグラフィー等を行うことにより、所望の形状やパターンとなるように形成することができる。また、有機半導体の場合は、液滴吐出法などにより、半導体層130を所望の形状やパターンとなるように直接形成することも可能である。
(非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の形成方法)
第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142を構成している非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、例えば、スパッタリング等により成膜することにより形成することが可能である。
一例として、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の成膜方法としては、電子密度が2.0×1017cm−3〜2.3×1021cm−3の結晶質C12A7エレクトライドのターゲットを作製し、作製された結晶質C12A7エレクトライドのターゲットを用いて、酸素分圧が0.1Pa未満の雰囲気下で、スパッタリング等を行なうことにより、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜することができる。尚、結晶質C12A7エレクトライドのターゲットは、結晶質C12A7エレクトライドにより形成されている。
(結晶質C12A7)
本願において、「結晶質C12A7」とは、12CaO・7Alの結晶、およびこれと同等の結晶構造を有する同型化合物を意味する。本化合物の鉱物名は、「マイエナイト」である。
本実施の形態において用いられる結晶質C12A7は、結晶格子の骨格により形成されるケージ構造が保持される範囲で、C12A7結晶骨格のCa原子および/またはAl原子の一部乃至全部が他の原子に置換された化合物、ならびにケージ中のフリー酸素イオンの一部乃至全部が他の陰イオンに置換された同型化合物であってもよい。なお、C12A7は、Ca12Al1433またはCa24Al2866と表記されることがある。
同型化合物としては、これに限られるものではないが、例えば、下記の(1)〜(5)の化合物が例示される。
(1)結晶中のCa原子の一部乃至全部が、Sr、Mg、およびBaからなる群から選択される一以上の金属原子に置換された同型化合物。例えば、Ca原子の一部乃至全部がSrに置換された化合物としては、ストロンチウムアルミネートSr12Al1433があり、CaとSrの混合比が任意に変化された混晶として、カルシウムストロンチウムアルミネートCa12−xSrAl1433(xは1〜11の整数;平均値の場合は0超12未満の数)などがある。
(2)結晶中のAl原子の一部乃至全部が、Si、Ge、Ga、In、およびBからなる群から選択される一以上の原子に置換された同型化合物。例えば、Ca12Al10Si35などが挙げられる。
(3)12CaO・7Alの結晶(上記(1)、(2)の化合物を含む)中の金属原子および/または非金属原子(ただし、酸素原子を除く)の一部が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、およびCuからなる群から選択される一以上の原子、Li、Na、およびKからなる群から選択される一以上のアルカリ金属原子、またはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群から選択される一以上の希土類原子と置換された同型化合物。
(4)ケージに包接されているフリー酸素イオンの一部乃至全部が、他の陰イオンに置換された化合物。他の陰イオンとしては、例えば、H、H 、H2−、O、O 、OH、F、Cl、およびS2−からなる群から選択される一以上の陰イオンや、窒素(N)の陰イオンなどがある。
(5)ケージの骨格の酸素の一部が、窒素(N)などで置換された化合物。
(結晶質C12A7エレクトライド)
本願において、「結晶質C12A7エレクトライド」とは、前述の「結晶質C12A7」において、ケージに包接されたフリー酸素イオン(ケージに包接された他の陰イオンを有する場合は、当該陰イオン)の一部乃至全部が電子に置換された化合物を意味する。
結晶質C12A7エレクトライドにおいて、ケージに包接された電子は、ケージに緩く束縛され、結晶中を自由に動くことができる。このため、結晶質C12A7エレクトライドは、導電性を示す。特に、全てのフリー酸素イオンが電子で置き換えられた結晶質C12A7は、[Ca24Al28644+(4e)と表記されることがある。
「結晶質C12A7エレクトライド」は、Ca原子、Al原子、およびO原子を含み、Ca:Alのモル比が13:13〜11:15の範囲であり、Ca:Alのモル比は、12.5:13.5〜11.5:14.5の範囲であることが好ましく、12.2:13.8〜11.8:14.2の範囲であることがより好ましい。
結晶質C12A7エレクトライドのターゲットの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、従来のバルク状の結晶質C12A7エレクトライドの製造方法を用いて製造してもよい。具体的には、結晶質C12A7の焼結体を、Ti、Al、CaまたはCなどの還元剤の存在下で、1150℃〜1460℃程度、好ましくは、1200℃〜1400℃程度に加熱処理することにより、結晶質C12A7エレクトライド製のターゲットを製造してもよい。結晶質C12A7の粉体を圧縮して成形した圧粉体をターゲットとして用いてもよい。結晶質C12A7の焼結体を、カーボンおよび金属アルミニウムの存在下で、焼結体と金属アルミニウムが接触しない状態に保ちながら、1230℃〜1415℃で加熱処理することにより、効率的に大面積の結晶質C12A7エレクトライド製のターゲットを作製できる。
ここで、このターゲットである結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、2.0×1017cm−3〜2.3×1021cm−3の範囲となるように形成されている。尚、結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、1×1018cm−3以上であることが好ましく、1×1019cm−3以上であることが好ましく、1×1020cm−3以上がより好ましく、5×1020cm−3以上がさらに好ましく、1×1021cm−3以上が特に好ましい。ターゲットを構成する結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が高いほど、低い仕事関数を有する非晶質C12A7エレクトライドが得られやすくなる。特に、仕事関数が3.0eV以下である非晶質C12A7エレクトライドを得るには、結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、1.4×1021cm−3以上がより好ましく、1.7×1021cm−3以上がさらに好ましく、2×1021cm−3以上が特に好ましい。特に、すべてのフリー酸素イオン(他の陰イオンを有する場合は当該陰イオン)が電子で置換された場合、結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、2.3×1021cm−3となる。結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が2.0×1017cm−3を下回ると、成膜によって得られる非晶質C12A7エレクトライド薄膜の電子密度が小さくなる。
なお、C12A7エレクトライドの電子密度は、上述したヨウ素滴定法により、測定することができる。
結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、光吸収測定法により、測定することができる。結晶質C12A7エレクトライドは、2.8eV付近に特有の光吸収を有するので、その吸収係数を測定することにより、電子密度を求めることができる。特に、試料が焼結体である場合は、焼結体を粉砕して、粉末としたのち、拡散反射法を用いると簡便である。
得られたターゲットは、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜する際の原料ソースとして使用される。
なお、ターゲットの表面は、使用前に、機械的手段等により研磨されてもよい。一般に、従来の方法で得られた結晶質C12A7エレクトライドのバルク体は、表面に、ごく薄い被膜(異物)を有する場合がある。表面にこのような被膜が形成されたターゲットをそのまま使用して、成膜処理を実施した場合、得られる薄膜の組成が所望の組成比から逸脱する可能性がある。しかしながら、ターゲット表面の研磨処理を実施しておくことにより、このような問題を有意に抑制することができる。
このように作製された結晶質C12A7エレクトライドのターゲットを用いて、気相蒸着法により成膜が行われる。
本願において、「気相蒸着法」とは、物理気相成膜(PVD)法、PLD法、スパッタリング法、および真空蒸着法を含む、ターゲット原料を気化させてからこの原料を基板上に堆積させる成膜方法の総称を意味する。「気相蒸着法」の中でも、特に、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法では、大面積領域に、比較的均一に薄膜を成膜することができる。なお、スパッタリング法には、DC(直流)スパッタリング法、高周波スパッタリング法、ヘリコン波スパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、およびマグネトロンスパッタリング法等が含まれる。
以下、スパッタリング法により非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の成膜を行う場合を例として説明する。
基板等に非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜する際の基板温度は、特に限定されるものではなく、室温〜例えば700℃までの範囲の、いかなる温度に設定してもよい。なお、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜する際に、基板を必ずしも「積極的に」加熱する必要はない。ただし、蒸着源の輻射熱によって、被成膜基板の温度が「付随的に」上昇する場合はあり得る。尚、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜する際の基板の温度は、500℃以下であってもよく、200℃以下であってもよい。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が成膜される基板等を「積極的に」加熱しない場合、基板の材料として、例えばガラスやプラスチックのような、700℃を超える高温側で耐熱性が低下する材料を使用することが可能になる。
成膜時における成膜チャンバー内の酸素分圧は、0.1Pa未満であることが好ましい。酸素分圧は、0.01Pa以下であることが好ましく、1×10−3Pa以下であることがより好ましく、1×10−4Pa以下であることがさらに好ましく、1×10−5Pa以下であることが特に好ましい。酸素分圧が0.1Pa以上になると、成膜された薄膜に酸素が取り込まれ、電子密度が低下するおそれがある。
また、成膜時における成膜チャンバー内の水素分圧は、0.004Pa未満であることが好ましい。0.004Pa以上であると、成膜された薄膜中に水素またはOH成分が取り込まれ、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の電子密度が低下する可能性がある。
スパッタリングによる成膜に用いられるスパッタガスは、特に限定されるものではないが、不活性ガスまたは希ガスであってもよい。不活性ガスとしては、例えば、Nガスが挙げられる。また、希ガスとしては、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、およびXe(キセノン)が挙げられる。これらは、単独で使用しても、他のガスと併用してもよい。あるいは、スパッタガスは、NO(一酸化窒素)のような還元性ガスであってもよい。
成膜チャンバー内におけるスパッタガス(チャンバー内の圧力)の圧力は、特に限られず、所望の薄膜が得られるように、自由に選定することができる。特に、スパッタガス(チャンバー内の圧力)の圧力P(Pa)は、基板とターゲットの間の距離をt(m)とし、ガス分子の直径をd(m)としたとき、下記(3)に示す式を満たすように設定してもよい。

8.9×10−22/(td)<P<4.5×10−20/(td) (3)

この場合、スパッタ粒子の平均自由行程が、ターゲット〜被成膜基板間の距離とほぼ等しくなり、スパッタ粒子が残存酸素と反応することが抑制される。また、この場合、スパッタリング装置として、背圧が比較的高く、安価で簡易的な真空装置を用いることが可能となる。
以上、スパッタリング法を例に、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜する方法について、簡単に説明した。しかしながら、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の成膜方法は、これに限定されるものではなく、工程を適宜変更してもよく、また、各種工程を追加してもよい。
例えば、スパッタリング法により、非晶質酸化物のエレクトライドの成膜を開始する前に、ターゲットに対して、プレスパッタリング処理(ターゲットの表面のエッチング処理)が実施されてもよい。プレスパッタリング処理を実施することにより、ターゲットの表面が清浄化され、その後の成膜処理(本成膜)において、所望の組成の薄膜を形成することが容易となる。
即ち、ターゲットを長時間使用すると、ターゲットの表面に酸素が取り込まれ、ターゲットを構成する結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が低下する場合がある。このようなターゲットを使用した場合、成膜された薄膜においても、電子密度が低下するおそれがある。また、ターゲットを長時間使用すると、ターゲット(すなわち結晶質C12A7エレクトライド)を構成する各成分のスパッタ速度の違いにより、ターゲットの組成が、最初の組成から逸脱するおそれがある。このようなターゲットを使用した場合、成膜された薄膜においても、組成が所望の値から逸脱するおそれがある。しかしながら、プレスパッタリング処理を実施することにより、このような問題が抑制される。
なお、プレスパッタリング処理に使用されるガスは、本成膜の際に使用されるスパッタガスと同一であっても異なっていてもよい。特に、プレスパッタリング処理に使用されるガスは、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、N(窒素)、Ar(アルゴン)、および/またはNO(一酸化窒素)であることが好ましい。
このような方法により、第1の電極121、または、半導体層130の上に、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が成膜される。
尚、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を所望の形状となるように形成する場合には、フォトリソグラフィー処理等により、所望の形状やパターンとなるようにパターン化等して形成してもよい。
非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、パターン化した後に熱処理することが好ましい。熱処理温度は、300℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましい。熱処理温度の上限は、基板や成膜された膜が耐えられる温度以下である、700℃以下が好ましい。所定の温度における保持時間は、1分〜2時間であってもよく、10分〜1時間であってもよい。また、熱処理するタイミングは、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜をパターン化した後でもよいし、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜上に第3の電極123を形成した後でもよいし、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜上に半導体層130を形成した後でもよい。熱処理することにより、パターン化する際に非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜がダメージを受けた場合、ダメージの回復を図ることができる。
(第1の電極121、第3の電極123の形成方法)
第1の電極121および第3の電極123は、従来から実施されているソース電極およびドレイン電極またはコレクタおよびエミッタを形成する各種方法により形成することができる。
第1の電極121および第3の電極123を形成する導電層を成膜後に、膜のフォトリソグラフィー処理等を行うことにより、第1の電極121および第3の電極123を形成してもよい。
尚、本実施の形態においては、第1の電極121の上に、第1のエレクトライド層141が形成されており、第1のエレクトライド層141の上に、半導体層130が形成されている。また、半導体層130の上に、第2のエレクトライド層142が形成されており、第2のエレクトライド層142の上に、第3の電極123が形成されている。これにより、第1の電極121と半導体層130との間、また、第3の電極123と半導体層130との間における接触抵抗が低減される。
(第2の電極122の形成方法)
本実施の形態における半導体素子においては、半導体層130の内部に、第2の電極122が形成される。第2の電極122は、従来から実施されているゲート電極またはベースを形成する各種方法により形成することができる。例えば、第2の電極122は、スパッタリング法および蒸着法等により形成してもよい。第2の電極122は、第2の電極122を形成する導電層を成膜後に、膜のフォトリソグラフィー処理等を行うことにより、第2の電極122が所望の形状となるように形成してもよい。
尚、本実施の形態においては、本実施の形態における半導体素子に用いられる基板、電極、半導体のすべてを透明な材料とすることにより、透明な半導体素子を作製することが可能である。
〔第2の実施の形態〕
本実施の形態では、上記図1のSIT素子とは異なる構成のSIT素子について、図2に基づき説明する。
図2に示すSIT素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
第1の電極121は、絶縁膜151によって複数の電極に分離されていてもよい。複数の第3の電極123は、半導体層130を間に介して、個々の第1の電極121に対向する位置に配置されていればよい。第1の電極121および第3の電極123との間のいずれか一方または双方と半導体層130との間には、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられる。図2では、第1の電極121と半導体層130との間に第1のエレクトライド層141が設けられ、半導体層130と第3の電極123との間に第2のエレクトライド層142が設けられる例を示している。また、図2の場合、第1のエレクトライド層141は、絶縁膜151によって第1の電極121と同じように複数に分離されればよい。
絶縁膜151は、第1の電極121および第1のエレクトライド層141を複数に分離するように設ければよい。そのために、絶縁膜151は、第1の電極121の膜厚と第1のエレクトライド層141の膜厚の和よりも厚く設ければよい。
第2の電極122は、絶縁膜151の上に配置すればよい。また、絶縁膜151の膜厚を調整することによって、基板110の厚さ方向において、第1の電極121と第3の電極123との間に第2の電極122を配置すればよい。第1の電極121、第2の電極122、および第3の電極123の個数は特に限定されず、単数でも複数でもよい。
図2における半導体素子は、基板の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間の半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図2における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第3の実施の形態〕
本実施の形態では、上記図1のSIT素子とは異なる構成のSIT素子について、図3に基づき説明する。
図3に示すSIT素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
第2の電極122は、半導体層130の上に配置される。つまり、図3では、半導体層130の上に、第2の電極122および第3の電極123が配置される。
図3では、第2の電極122が、第3の電極123の両側方に配置された例を示している。第2の電極122の個数は特に限定されず、複数でも単数でもよい。
図3では、基板110の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間の半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図3における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。
第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第4の実施の形態〕
本実施の形態では、図4に基づき、パーミアブルベーストランジスタ(PBT:permeable base transistor)について説明する。
図4に示す半導体素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
第1の電極121と第3の電極123との間に半導体層130が存在する。半導体層130の内部に、第2の電極122が配置されている。第2の電極122は、基板110の厚さ方向において、第1の電極121と第3の電極123との間に配置されている。
第1の電極121と第2の電極122との間に、半導体層130の一部となる下部半導体層が存在している。第2の電極122と第3の電極123との間に、半導体層130の一部となる上部半導体層が存在している。半導体層130は、上述した下部半導体層と上部半導体層により構成される。
図4では、第2の電極122が配置されていない領域で、下部半導体層と上部半導体層が連続している。図4において、基板の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、第2の電極122で分断されない領域の(第2の電極122が設けられていない領域の)半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図4における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。第1の電極121はコレクタ、第2の電極122はベース、第3の電極123はエミッタであってもよい。
第4の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第5の実施の形態〕
本実施の形態では、図5に示す半導体素子について説明する。
図5に示す半導体素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
基板110の上に、第2の電極122が配置され、第2の電極122の上に、第1の絶縁膜160が設けられている。第1の絶縁膜160の上に、第1の電極121が配置されている。第1の電極121の側方に、第1のエレクトライド層141が設けられている。第1の電極121および第1のエレクトライド層141の上に、第2の絶縁膜152が設けられている。
第2の絶縁膜152および第1の絶縁膜160の上に、半導体層130が配置されている。半導体層130の一部は、第1の電極121の側方に存在している。第1の電極121の側方と半導体層130との間に、第1のエレクトライド層141が配置されている。
半導体層130の上に、第2のエレクトライド層142が設けられ、第2のエレクトライド層142の上に、第3の電極123が配置されている。つまり、半導体層130と第3の電極123との間に、第2のエレクトライド層142が配置されている。
図5では、基板110の厚さ方向において、第1の電極121と第3の電極123との間を、半導体層130を通って電流が流れることが可能である。具体的には、基板110の厚さ方向に沿って、第1の電極121の側方と第3の電極123との間を、電流が流れてよい。
尚、図5における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。また、第1の電極121は、複数でも単数でもよい。
また、第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。第1の絶縁膜160はゲート絶縁膜であってよい。本実施の形態における半導体素子は、縦MIS(metal insulator semiconductor)型FETと呼ばれる場合がある。
第1の絶縁膜160および第2の絶縁膜152は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒素を含む酸化ケイ素および酸素を含む窒化ケイ素などの無機絶縁材料や、アクリルやポリイミドなどの有機絶縁材料で構成されてもよい。あるいは、第1の絶縁膜160および第2の絶縁膜152は、ケイ素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基として少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)、フルオロ基を有する材料、いわゆるシロキサン系の材料で構成されてもよい。
第1の絶縁膜160および第2の絶縁膜152は、単層であっても、2以上の層から構成されてもよい。第1の絶縁膜160および第2の絶縁膜152は、ディップ法、スピンコート法、液滴吐出法、キャスト法、スピナー法、印刷法などの塗布法や、CVD法、スパッタリング法などの方法によって成膜してもよい。
第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第6の実施の形態〕
本実施の形態では、図6に示す半導体素子について説明する。
図6に示す半導体素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
基板110の上に、第2の電極122が配置され、第2の電極122の上に、第1の絶縁膜160が設けられている。第1の絶縁膜160の上に、第1の電極121が配置されている。第1の電極121の上および側方に、第1の電極121を覆うように、第1のエレクトライド層141が設けられている。
第1の電極121および第1の絶縁膜160の上に、半導体層130が配置されている。半導体層130の一部は、第1の電極121の側方に存在している。第1の電極121の上と半導体層130との間、および、第1の電極121の側方と半導体層130との間に、第1のエレクトライド層141が設けられている。
第1の電極121が設けられていない領域の半導体層130の上に、第3の電極123が配置されている。第2のエレクトライド層142は、半導体層130と第3の電極123との間に配置される。図6では、第3の電極の下および側方に、第2のエレクトライド層142が設けられている。第3の電極123は、第1の電極121と対向しない位置に配置される。
図6では、基板の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図6における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。
また、第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。第1の絶縁膜160はゲート絶縁膜であってよい。本実施の形態における半導体素子の構造は、Top&Bottom型と呼ばれる場合がある。
第6の実施の形態において、第1および第5の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第7の実施の形態〕
本実施の形態では、図7に示す半導体素子について説明する。
図7に示す半導体素子は、図1のSIT素子と同様に、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含んでいる。
基板110の上に、第2の電極122が配置されている。第2の電極122の上および側方に、第2の電極122を覆うように、第1の絶縁膜160が設けられている。
基板110の上に、第2の電極122の一方の側方に第1の電極121が配置され、他方の側方に第3の電極123が配置されている。第3の電極123は、基板110の上から第2の電極122の上の第1の絶縁膜160の上の一部まで延在して配置されている。
第1の電極121の上に、第1のエレクトライド層141が設けられている。第3の電極123の側方に、第2のエレクトライド層142が設けられている。第3の電極123および第1の電極121の上に、半導体層130が配置されている。
図7では、基板の厚さ方向に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、半導体層130を通って電流を流れることが可能である。
尚、図7における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。
また、第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。第1の絶縁膜160はゲート絶縁膜であってよい。尚、本実施の形態における半導体素子は、SVC(Step−edge Vertical Channel Organic)型FETと呼ばれる場合がある。
第7の実施の形態において、第1および第5の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
上述した第1〜第7の実施の形態のように、基板110の厚さ方向において、第1の電極121、第3の電極123がこの順に配置される構造を含む半導体素子は、ソース電極とドレイン電極との間隔またはコレクタとエミッタとの間隔を短くしやすい。これにより、電流を流す経路(チャネル)を短くできるため、高い駆動能力を有する素子を得ることができる。
〔第8の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子はSBT素子である。図8に示すように、基板110の上に半導体層130が配置され、半導体層130の上に、第1の電極121、第2の電極122、第3の電極123が配置されている。第2の電極122の側方の一方に第1の電極121が配置され、側方の他方に第3の電極123が配置されればよい。また、半導体層130は開口部130aを有していてもよい。開口部130aは、半導体層130を一部除去することで形成すればよい。第2の電極122は、開口部130aの上に配置されてよい。
第1の電極121と半導体層130との間に、第1のエレクトライド層141が設けられている。第3の電極123と半導体層130との間に、第2のエレクトライド層142が設けられている。
図8では、基板に平行な面に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図8における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。また、第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。
第8の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第9の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子はPN−T素子である。図9に示すように、基板110の上に半導体層130(図示せず)が配置され、半導体層130の上に、第1の電極121、第2の電極122、第3の電極123が配置されている。半導体層130は、第1の半導体領域131であるN型半導体領域と、第2の半導体領域132であるP型半導体領域とを有している。基板110の上において、第1の半導体領域131は、第2の半導体領域132の側方に各々1つずつ配置されている。よって、第2の半導体領域132は、一対の第1の半導体領域131の間に配置されている。尚、第1の半導体領域131であるN型半導体領域は、第1の実施の形態において説明した半導体層130を構成している材料と同じ材料により構成してもよい。第2の半導体領域132であるP型半導体領域の上に、第2の電極122が配置されている。一対の第1の半導体領域131であるN型半導体領域の一方の上に、第1の電極121が配置され、他方の上に、第3の電極123が配置される。
第1の電極121と半導体層130が有する第1の半導体領域131との間に、第1のエレクトライド層141が設けられている。第3の電極123と半導体層130が有する第1の半導体領域131との間に、第2のエレクトライド層142が設けられている。
図9では、基板に平行な面に沿って、第1の電極121と第3の電極123との間を、半導体層130を通って電流が流れることが可能である。
尚、図9における半導体素子においては、第1のエレクトライド層141および第2のエレクトライド層142は、いずれか一方が形成されている構造のものであってもよく、双方が形成されている構造のものであってもよい。また、第1の電極121はソース電極、第2の電極122はゲート電極、第3の電極123はドレイン電極であってよい。
また、第1の半導体領域131と第2の半導体領域132とは、異なる導電型の半導体により形成されていればよい。例えば、第1の半導体領域131がP型半導体領域、第2の半導体領域132がN型半導体領域であってもよい。
第9の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第10の実施の形態〕
図10に示す半導体素子はダイオードであり、具体的にはSBD素子である。図10に示すように、基板110の上に、半導体層130が配置され、半導体層130の上に第1の電極221、第2の電極222が配置されている。第1の電極221と半導体層130との間に、エレクトライド層240が設けられている。エレクトライド層240は、第1の実施の形態で説明した第1のエレクトライド層141と同様の材料および方法を用いて、「非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」により構成されればよい。
第1の電極221はカソード電極、第2の電極222はアノード電極である。第1の電極221および第2の電極222は、第1の実施の形態で説明した第1の電極121と同様の材料および方法に形成すればよい。
本実施の形態におけるエレクトライド層240は、第1の実施の形態で説明した第1のエレクトライド層141と同様の効果を奏する。よって、第1の電極221と半導体層130との界面における接触抵抗を低くすることができ、従来のダイオードと比べて、動作特性を向上させることができる。
第10の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第11の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子はダイオードであり、具体的にはPN−D素子である。図11に示すように、基板110の上に、第1の半導体層231であるN型半導体層が配置され、第1の半導体層231の上の一部に、第2の半導体層232であるP型半導体層が配置されている。第1の半導体層231の上において、第2の半導体層232が配置されていない領域の上に、第1の電極221が配置されている。第1の電極221と第1の半導体層231との間に、エレクトライド層240が設けられている。第2の半導体層232の上に、第2の電極222が配置されている。第1の電極221はカソード電極、第2の電極222はアノード電極である。
尚、第1の半導体層231と第2の半導体層232とは、異なる導電型の半導体により構成されていればよい。例えば、第1の半導体層231がP型半導体層、第2の半導体層232がN型半導体層であってもよい。この場合、エレクトライド層240は、第2の半導体層232と第2の電極222との間に配置される。
第11の実施の形態において、第1および第10の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第12の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子はダイオードであり、具体的には縦型ダイオード素子である。
図12に示すように、基板110の上に、第1の電極221が配置され、第1の電極221の上に、半導体層130が配置され、半導体層130の上に、第2の電極222が配置されている。第1の電極221と第2の電極222との間に、半導体層130が存在している。第1の電極221と半導体層130との間に、エレクトライド層240が設けられる。第1の電極221はカソード電極、第2の電極222はアノード電極である。尚、基板110の上に、第2の電極222、半導体層130、エレクトライド層240および第1の電極221が順に積層された構成としてもよい。
第12の実施の形態において、第1および第10の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
〔第13の実施の形態〕
本実施の形態における半導体素子は抵抗素子である。
図13に示すように、基板110の上に、半導体層130が配置されている。半導体層130の上に、第1の電極321、第2の電極322が配置されている。第1の電極321と半導体層130との間に、第1のエレクトライド層141が設けられている。第2の電極322と半導体層130との間に、第2のエレクトライド層142が設けられている。第1の電極321および第2の電極322は、第1の実施の形態で説明した第1の電極121と同様の材料および方法により形成すればよい。
第13の実施の形態において、第1および第10の実施の形態と同じ構成については、説明を省略する。
上記第1〜第13の実施の形態で示した半導体素子は発光表示装置に利用できる。発光表示装置が備える有機エレクトロルミネッセンス素子は、以下のいずれかの構成であっても良い。
(1)基板、陽極、および陰極をこの順に有し、基板側を光取出し面とする構成であり、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が、陽極と陰極の間に存在するか、または陰極を構成する。
(2)基板、陽極、および陰極をこの順に有し、陰極側を光取出し面とする構成であり、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が、陽極と陰極の間に存在するか、または陰極を構成する。
(3)基板、陰極、および陽極をこの順に有し、基板側を光取出し面とする構成であり、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が、陽極と陰極の間に存在するか、または陰極を構成する。
(4)基板、陰極、および陽極をこの順に有し、陽極側を光取出し面とする構成であり、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が、陽極と陰極の間に存在するか、または陰極を構成する。
有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれる「非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」は、本発明における半導体素子に含まれる、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」であってもよい。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と陰極との間に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に有する構成であっても良い。ただし、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、および/または電子注入層は省略されても良い。非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、例えば電子注入層を構成することができる。電子注入層にエレクトライドの薄膜を利用する場合、発光層と電子注入層(エレクトライドの薄膜)の間には、金属酸化物で構成される電子輸送層が配置されてもよい。電子輸送層は、アモルファス、結晶質、またはアモルファスと結晶質の混合相の形態であってもよい。例えば、電子輸送層は、ZnO−SiO、In−SiO、SnO−SiO、ZnO、In−Ga−Zn−O、In−Zn−O、またはSnOで構成されても良い。
本発明の半導体素子は、縦型のFET(Field effect transistor)、トランジスタ、ダイオード、または抵抗素子である。具体的には、縦型の静電誘導型トランジスタ(SIT:Static Induction Transistor)素子、ショットキーバリアトランジスタ(SBT:Schottky Barrier Transistor)素子、PN接合トランジスタ(PN−T)素子、ショットキーバリアダイオード(SBD:Schottky diode)素子、PN接合ダイオード(PN−D)素子、抵抗素子等として利用できる。
また、本発明の半導体素子は、例えば、液晶パネルや電子ペーパーなどのような電気光学装置、または、有機ELパネルなどのような発光表示装置等のような各種電子デバイス等に使用される半導体素子として利用することができる。例えば、テレビなどのディスプレイ、洗濯機や冷蔵庫などの電化製品、携帯電話やコンピュータなどの情報処理機器などの電子機器に用いることができる。また、本発明の半導体素子は、自動車や各種産業機器などが具備する電子機器にも用いることができる。
70 非晶質酸化物のエレクトライド
72 溶媒(非晶質)
74 バイポーラロン
76 ケージ
78 電子(溶質)
110 基板
121 第1の電極(ソース電極)
122 第2の電極(ゲート電極)
123 第3の電極(ドレイン電極)
130 半導体層
131 第1の半導体領域
132 第2の半導体領域
141 第1のエレクトライド層
142 第2のエレクトライド層
150 絶縁膜
160 第1の絶縁膜
221 第1の電極
222 第2の電極
231 第1の半導体層
232 第2の半導体層
240 エレクトライド層
321 第1の電極
322 第2の電極

Claims (14)

  1. 基板、第1の電極、第2の電極、第3の電極、および半導体層を有する半導体素子であって、
    前記基板の厚さ方向において、前記基板、前記第1の電極、前記第3の電極がこの順に配置される構造を含み、
    前記第1の電極と前記第3の電極との間に前記半導体層が存在し、
    前記第1の電極および前記第3の電極のいずれか一方または双方と前記半導体層との間に、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられていることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記第2の電極は、前記第1の電極と前記第3の電極との間に配置されている請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第2の電極は、前記半導体層の上に配置されている請求項1に記載の半導体素子。
  4. 前記第1の電極はソース電極であり、
    前記第2の電極はゲート電極であり、
    前記第3の電極はドレイン電極である請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  5. 前記第1の電極はコレクタであり、
    前記第2の電極はベースであり、
    前記第3の電極はエミッタである請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  6. 前記第2の電極に印加される電圧または電流を制御することにより、前記第1の電極と前記第3の電極との間に流れる電流を制御する請求項1から5のいずれかに記載の半導体素子。
  7. 前記エレクトライド層と接する前記半導体層は、N型半導体層である請求項1から6のいずれかに記載の半導体素子。
  8. 前記エレクトライド層は、2.0×1017cm−3〜2.3×1021cm−3の電子密度を有する、請求項1から7のいずれかに記載の半導体素子。
  9. 前記エレクトライド層の厚さは、0.5nm〜100nmである、請求項1から8のいずれかに記載の半導体素子。
  10. 前記半導体層は、酸化物半導体または有機半導体を含む、請求項1から9のいずれかに記載の半導体素子。
  11. 第1の電極、第2の電極、半導体層を有するダイオードであって、
    前記第1の電極と前記半導体層との間に、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜により構成されるエレクトライド層が設けられていることを特徴とするダイオード。
  12. 前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記半導体層が存在する請求項11に記載のダイオード。
  13. 前記第1の電極および前記第2の電極は、前記半導体層の上に配置される請求項11に記載のダイオード。
  14. 前記第1の電極はカソード電極であり、
    前記第2の電極はアノード電極である請求項11から13のいずれかに記載のダイオード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101752267B1 (ko) 2015-11-11 2017-07-12 성균관대학교 산학협력단 전도성 고분자로 안정화된 전자화물 및 그 제조방법
WO2020254904A1 (ja) * 2019-06-21 2020-12-24 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置、および半導体装置の作製方法
WO2022091693A1 (ja) * 2020-10-26 2022-05-05 株式会社タムラ製作所 酸化ガリウムダイオード

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