JP2015075693A - 冷却装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置を提供する。【解決手段】用紙Pを搬送するベルト搬送機構70と、用紙Pの熱を直接吸熱して冷却する空冷ヒートシンク111aと、用紙Pから熱を吸熱する空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させる冷却制御部120とを冷却装置100備えた。また、用紙Pの表面及び裏面の温度を検出する温度検出手段として、表側センサ56a及び裏側センサ56bも備えた。また、冷却制御部120では、表側センサ56a及び裏側センサ56bの検出結果である用紙表面温度:Ta及び用紙裏面温度:Tbから、冷却後に厚さ方向の温度が均熱した時の記録材均熱温度であるスタック温度の予測値を求める。そして、求めた予測値に基づいて空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させるように構成した。【選択図】図2

Description

本発明は、記録材を搬送しつつ冷却する冷却装置、及び、この冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、用紙等の記録材上にトナー像を形成し、定着装置によって、トナー像が形成された記録材を加熱及び加圧を行うことで記録材上のトナー像を定着させる(以下、熱定着という)ものが知られている。このような画像形成装置では、排紙トレイ等に排出されて積み重ねられた時の各記録材間が軟化したトナーにより固着するブロッキングの発生を抑制したり、記録材上の画像の光沢度を所望の光沢度にしたりする冷却装置を備えたものが従来から知られている。
例えば、特許文献1には、熱定着された記録材である用紙を搬送しながら冷却する、次のような冷却装置が記載されている。空気の吸引力で無端ベルトであるエアーサクションベルト上に吸引した用紙を搬送しつつ、エアーサクションベルトの搬送面に対向して配置した4つの冷却部材であるヒートシンクで用紙から熱を吸熱して冷却するものである。4つのヒートシンクは、それぞれ複数の放熱フィンを有するとともに、用紙搬送方向に沿って上流側から下流側に並べて配置されている。また、個別に設けられた送風手段である送風ファンにより、それぞれ放熱フィンに接触する気流を生じさせ、用紙から吸熱した熱の放熱が促進されるとともに、送風ファンの回転数を制御することで、冷却部材の冷却能力(放熱量)が個別に調整される。
この冷却装置には、最上流側のヒートシンクの上流側近傍の入口温度センサと、最下流側のヒートシンクの下流側近傍の出口温度センサとが搬送される用紙の上面に対向するように設けられている。また、エアーサクションベルトの内周側には、エアーサクションベルトを介して4つのヒートシンクにそれぞれ対向するように、つまり、搬送される用紙の下面に対向するように4つの用紙温度センサ(以下、冷却領域内温度センサという)が設けられている。一方、この冷却装置を備えた画像形成装置には、周辺の環境温度を検出する環境温度センサが設けられている。
そして、入口温度センサで検出した定着後用紙表面温度と印刷条件とに基づいて、冷却装置で冷却される用紙温度の経時的な推移である温度勾配を、複数種類の画像光沢の内、所望の画像光沢が得られる目標温度勾配になるように各冷却ファンの回転数を制御する。この時に用いる各冷却ファンの回転数の制御値である冷却制御値及び目標温度勾配の設定は、定着後用紙温度及び印刷条件に基づいて、複数種類の画像光沢毎に事前に用意されたプロファイルを参照することで行われる。
ここで、印刷条件としては、環境温度センサで検出した周囲の環境温度、用紙Pの種別、定着温度、エアーサクションベルトの線速、用紙の印刷順序、用紙に対する印字率などのうちのいずれか一つまたはこれらの組み合わせが挙げられている。
また、目標温度勾配は、用紙の温度低下時において画像光沢に影響が生じ始める開始温度と、トナーのワックス成分が凝固する凝固温度(トナー軟化温度)までの間における、所望の画像光沢が得られる用紙温度の経時的な推移である。
また、用紙の下面に設けた4つの冷却領域内温度センサと出口温度センサにより、実際の用紙の温度勾配である実温度勾配を検出して、プロファイルを参照して設定した各冷却ファンの回転数を、適宜、修正して冷却中の用紙において所望の温度勾配を得る。そして、検出した実温度勾配により、プロファイルを修正し、次回の用紙の冷却時に用いる温度勾配制御の精度を高めるというものである。なお、実温度勾配を検出するのに出口温度センサを設けることにより、冷却後の用紙温度を検出することができ、プロファイルの修正を適切に実行することができると記載されている。
また、この冷却装置では、上記のように各送風ファンの回転数を設定するとともに、適宜、修正する制御を行うことで、冷却中の用紙上のトナーのワックス成分が凝固する凝固温度まで用紙を冷却する旨記載されている。
特許文献1の冷却装置は、冷却部材による冷却領域内を用紙が通過する際に、用紙表面温度をトナー軟化温度よりも低くするため、排紙トレイ等に積み重ねられた用紙間がトナーで固着するブロッキングの発生を、ある程度は抑制できるものと考えられる。
しかし、特許文献1に記載の冷却装置は、上記したように複数種類の画像光沢の内、所望の画像光沢が得られるように、送風ファンの回転数を制御するものであり、ブロッキングの発生を防止することを目的としたものではない。
このため、以下の理由により、用紙の種類や印刷条件によっては、ブロッキングの発生を防止できないおそれがある。
特許文献1には、上記したように冷却部材による用紙の冷却領域で、用紙表面温度がトナー軟化温度よりも低くなるまでの温度管理を行う旨は記載されているが、トナー軟化温度よりも低くなった以降の温度管理に関しては記載されていない。
そして、冷却後の用紙、特に厚紙等の熱容量が大きな用紙は表面と裏面で温度差が大きいため、排紙トレイ等に積載された後に厚さ方向で均熱化された用紙の温度(以下、記録材均熱温度という)が、冷却直後の用紙表面温度よりも高くなる場合がある。
これらのため、特許文献1に記載の冷却装置では、例え冷却装置が正常動作している間であっても、熱容量が大きな用紙を冷却した場合等に記録材均熱温度(用紙表面温度)がトナー軟化温度を超えてブロッキングが発生するおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、熱定着後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、記録材を搬送する搬送手段と、前記記録材の熱を直接、又は間接的に吸熱して冷却する冷却部材と、前記記録材から熱を吸熱する前記冷却部材の冷却能力を変化させる制御手段とを備えた冷却装置において、前記記録材の表面又はこれに接触する部材、及び前記記録材の裏面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段の検出結果から、冷却後に厚さ方向の温度が均熱した時の前記記録材の温度である記録材均熱温度の予測値を求め、前記予測値に基づいて前記冷却部材の冷却能力を変化させることを特徴とするものである。
本発明は、熱定着後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置を提供できる。
一実施形態に係る画像形成装置であるプリンタの概要説明図。 実施例1に係る冷却装置に、接触式の温度センサである表側センサ及び裏側センサを設けた例の説明図。 実施例1に係る冷却装置に、非接触式の温度センサである表側センサ及び裏側センサを設けた例の説明図。 従来の表側センサだけを設けた冷却装置での、表側センサの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図。 実施例1に係る冷却装置での、表側センサ及び裏側センサの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図。 実施例1に係る冷却装置の送風ファンの制御を説明するフロー図。 実施例1に係る冷却装置の冷却制御部のブロック図。 実施例2に係る冷却装置の説明図。 実施例2に係る冷却装置での、表側センサ及び裏側センサの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図。 実施例2に係る冷却装置の送風ファンの制御を説明するフロー図。 実施例2に係る冷却装置の表側センサ及び裏側センサの配置例の説明図。 実施例3に係る冷却装置の説明図。 実施例3に係る冷却装置の送液ポンプ及び送風ファンの制御を説明するフロー図。 実施例3に係る冷却装置の冷却制御部のブロック図。 実施例4に係る冷却装置の説明図。 実施例4に係る冷却装置の放熱促進手段の説明図。 実施例5に係る冷却装置の説明図。 実施例5に係る冷却装置の冷却制御部のブロック図。 実施例6に係る冷却装置の説明図。 実施例7に係る冷却装置の説明図。
以下、本発明を画像形成装置に備えた冷却装置に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。まず、各実施例に共通する本実施形態の画像形成装置であるプリンタ300の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ300の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ300は、装置本体200内に、複数のローラ(第一張架ローラ22、第二張架ローラ23、第三張架ローラ24等)によって中間転写媒体としての中間転写ベルト21を張架している。そして、中間転写ベルト21は、複数のローラのうちの1つが回転駆動することにより図中矢印a方向に回転する構成である。また、プリンタ300は、中間転写ベルト21のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。ここで、符号の後に付されたY,C,M,Bkという添字は、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラック用の仕様であることを示している。
中間転写ベルト21の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト21の上方であって第一張架ローラ22と第二張架ローラ23との間には、各色用の画像形成用のプロセス手段として4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が配置されている。そして、中間転写ベルト21の表面移動方向の上流側から順に、Y用画像ステーション10Y、C用画像ステーション10C、M用画像ステーション10M及びBk用画像ステーション10Bkが配置されている。
4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)は使用するトナーの色が異なる点以外は、略同一の構成となっている。各画像ステーション10は、ドラム状の感光体1の周囲に帯電装置5、光書き込み装置2、現像装置3、感光体クリーニング装置4が配置されている。さらに、中間転写ベルト21を挟んで感光体1の対向する位置には、中間転写ベルト21へのトナー像の転写手段としての一次転写ローラ11が設けられている。このような、4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が互いに所定のピッチ間隔となるように中間転写ベルト21の表面移動方向に沿って配置されている。
プリンタ300では、光書き込み装置2をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、各感光体1に対して画像情報に応じた露光を行う。
中間転写ベルト21の下方には、シート状部材の記録材である用紙Pの給紙カセット31及び給紙コロ41、レジストローラ対42が配置されている。また、中間転写ベルト21を張架する第三張架ローラ24に対して中間転写ベルト21を介して対向するように、中間転写ベルト21から用紙Pへのトナー像の転写手段としての二次転写ローラ25が配置されている。さらに、中間転写ベルト21の裏面に接するクリーニング対向ローラ26が中間転写ベルト21に接触する位置で中間転写ベルト21の外周面に接するように、中間転写ベルト21の外周面をクリーニングするベルトクリーニング装置27が設けられている。
なお、図1図中、レジストローラ対42の右側には、手差し給紙を行う場合の給紙路35、給紙コロ43、及び手差しトレイ34が配置されている。
給紙カセット31から排紙トレイ33へ至る用紙搬送路32が延びており、用紙搬送路32における二次転写ローラ25の用紙搬送方向下流側(以下、単に下流側という)には、加熱ローラと加圧ローラとを有した定着装置15が配置されている。この定着装置15の用紙搬送路32における下流側には、その表面上に担持するトナー像が定着装置15で加熱及び加圧されて定着(以下、熱定着という)されて温度が上昇した用紙Pを冷却する冷却装置100が配置されることとなる。そして、冷却装置100のさらに下流側の装置本体200の外部には、熱定着後の用紙Pの排出部である排紙トレイ33が配置されている。また、両面画像形成時に用紙Pの裏面への画像形成を行う際に、冷却装置100を一度通過した用紙Pの表裏を反転させ、再度、レジストローラ対42へ搬送する両面画像形成用の反転用紙搬送路36も備えている。
画像の形成プロセスは、1つの画像ステーション10について説明すると、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電装置5により一様に帯電された感光体1上に光書き込み装置2により露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置3によりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ11により感光体1上から中間転写ベルト21に転写される。転写後の感光体1の表面は感光体クリーニング装置4によりクリーニングされる。このような画像形成プロセスが4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)のそれぞれにおいて行われる。
4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)における各現像装置3(Y,C,M,Bk)は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有している。このため、各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)でイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラーのトナー像を形成することができる。また、各画像ステーション10は、中間転写ベルト21を挟むようにして各感光体1とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ11を備え、この一次転写ローラ11には転写バイアスが印加され、一次転写部を構成する。
上記の構成により、中間転写ベルト21の同一画像形成領域が4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)を順次通過する。この順次通過する間に、一次転写ローラ11に印加された転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト21上で重ね合わせるように転写する。これにより、上述した同一画像形成領域が各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)の1次転写部を1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラーのトナー像を得ることができる。
このようにして中間転写ベルト21上に形成されてフルカラーのトナー像は、給紙カセット31又は手差しトレイ34から搬送された用紙Pに転写され、転写後の中間転写ベルト21はベルトクリーニング装置27によりクリーニングされる。ここで、中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラーのトナー像の転写は、次のようにして行われる。転写時において二次転写ローラ25に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト21を介して二次転写ローラ25と第三張架ローラ24との間に転写電界を形成し、二次転写ローラ25と中間転写ベルト21とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。なお、給紙カセット31又は手差しトレイ34から搬送された用紙Pは、転写ニップ部の用紙搬送方向上流側に配置されたレジストローラ対42により、転写ニップ部に搬送される中間転写ベルト21上のトナー像のタイミングに合わせ、転写ニップ部に搬送される。
中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラーのトナー像の転写後、用紙P上に担持されたフルカラーのトナー像を定着装置15で熱定着することで用紙P上に定着し、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成される。その後、用紙Pは冷却装置100に設けられた冷却部材110により、片面又は両面から冷却され、排紙トレイ33上に積載される。
次に本実施形態のプリンタ300の特徴部である、熱体客後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを、適切な電力消費で防止可能な冷却装置100の構成について、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例1について、図を用いて説明する。
図2は、本実施例に係る冷却装置100に、接触式の温度センサである表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けた例の説明図である。図3は、本実施例に係る冷却装置100に、非接触式の温度センサである表側センサ57a及び裏側センサ57bを設けた例の説明図である。図4は、従来の表側センサ56aだけを設けた冷却装置100での、表側センサ56aの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図である。
図5は、本実施例に係る冷却装置100での、表側センサ56a及び裏側センサ56bの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図である。図6は、本実施例に係る冷却装置100の送風ファン55の制御を説明するフロー図、図7は、本実施例に係る冷却装置100の冷却制御部120のブロック図である。
図2、図3に示すように、本実施例の冷却装置100は、用紙Pの搬送手段として、定着装置15でトナー像が熱定着された用紙Pを、図中上側の上側ベルトユニット71と図中下側の下側ベルトユニット76で挟持搬送するベルト搬送機構70を備えている。
上側ベルトユニット71は無端ベルトである上側ベルト72を、下側ベルトユニット76は無端ベルトである下側ベルト77を有しており、各ベルトを図中、矢印方向に無端移動させて定着装置15側から排紙トレイ33側へ用紙Pを挟持搬送する。
上側ベルトユニット71の上側ベルト72は、4つの従動回転する上側架張ローラ73に架け回されており、直接又は用紙Pを介して接触する下側ベルトユニット76の下側ベルト77の無端移動に従動して図中、時計回りに無端移動する。また、上側ベルト72の用紙搬送路32側の内周面には、冷却装置100の冷却部材110である空冷ヒートシンク111aが配置されており、上側ベルト72を介して間接的に挟持搬送している用紙Pの熱を吸熱して冷却する。
下側ベルトユニット76の下側ベルト77は、3つの従動回転する下側架張ローラ78と、下側架張ローラでもある駆動ローラ79に架け回されており、駆動モータ75に接続された駆動ローラ79の回転駆動により、図中、反時計回りに無端移動する。また、上記したように、この下側ベルト77を反時計回りに無端移動させる駆動ローラ79の回転駆動力が、直接又は用紙Pを介して下側ベルト77に接触する上側ベルト72に伝達されて、上側ベルト72が時計回りに無端移動することになる。
駆動ローラ79を回転駆動する駆動モータ75は、冷却装置100の制御手段である冷却制御部120にベルトコントローラ123を介して接続されている(図7参照)。
上記のように本実施例の冷却装置100は、ベルト搬送機構70に上側ベルト72と下側ベルト77の無端移動する2つの無端ベルトを有し、上側ベルト72の用紙Pを挟持する側の内周面に接触するように空冷ヒートシンク111aを配置している。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、次のように空冷ヒートシンク111aを配置することもできる。冷却部材110を下側ベルト77の用紙Pを挟持する側の内周面に接触するように設けたり、上側ベルト72及び下側ベルト77の用紙Pを挟持する側の内周面に接触するように、それぞれ冷却部材110を設けたりすることができる。すなわち、上側ベルト72及び下側ベルト77の内、少なくとも一方の用紙Pを挟持する側の内周面に冷却部材110が接触するように配置されている構成に、本発明は適用可能である。
また、上側ベルト72及び下側ベルト77の内、少なくとも一方の用紙Pを挟持する側の内周面に冷却部材110が接触するように配置することで、次のような効果を奏することができる。空冷ヒートシンク111a等の冷却部材110が直接、用紙Pに接触しないように構成でき、冷却部材110に用紙Pが擦動することによる画像面のキズが発生することを確実に回避できる。
空冷ヒートシンク111aは、上側ベルト72に接触する接触面の用紙搬送方向の中心近傍が下方に緩やかに湾曲したプレート状の部材であり、上側ベルト72とは反対側の面である上面に複数の放熱フィン111bが設けられている。そして、用紙搬送方向に垂直な方向の一端側に設けられた回転数を調整可能な送風ファン55により、放熱フィン111bの表面に接触する気流を生じさせることで、空冷ヒートシンク111aの放熱効果を高めている。
ベルト搬送機構70の用紙搬送方向下流側近傍には、冷却直後の用紙Pの温度を検出する(以下、センシングするという)温度検出手段として、用紙Pの用紙表面温度をセンシングする表側温度センサが用紙搬送路32の上方に配置されている。また、用紙Pの用紙裏面温度をセンシングする裏側温度センサが用紙搬送路32の下方に配置されている。そして、表側温度センサと裏側温度センサとで、冷却直後の用紙Pの両面の温度をセンシング可能に構成されている。
表側温度センサ及び裏側温度センサとしては、図2に示すように用紙Pの表面及び裏面に用紙搬送路32の上方及び下方から接触する接触方式の温度センサである、表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けることができる。また、図3に示すように、用紙Pに接触しない非接触方式の温度センサである、表側センサ57a及び裏側センサ57bを設けることもできる。
各温度センサは、冷却制御部120にセンサコントローラ121を介して接続され、送風ファンも冷却制御部120にファンコントローラ122を介して接続されている(図7参照)。そして、冷却制御部120は、各温度センサによって得られた冷却直後の用紙Pの両面温度に応じて、送風ファン55の回転数(出力)を変更する制御を行うことで、空冷ヒートシンク111aによる用紙Pの冷却能力を調整可能に構成している。
ここで、本実施例で奏することができる効果を明確にするために、冷却後の用紙Pのトナー像を担持した用紙表面温度をセンシングする表側センサ56aのみを設けた従来の冷却装置100の構成に関して説明する。
表側センサ56aのみを設けた構成では、次の理由により、用紙Pの種類や画像形成条件によっては、ブロッキングの発生を防止できないおそれがある。また、ブロッキングの発生を幅広い用紙Pにおいて防止しようとすると、送風ファン55の回転数を過剰に高く設定してしまい、用紙Pを冷却する際の電力消費が大きくなるおそれもある。
厚紙等の熱容量が大きな用紙は表面と裏面で温度差が大きいため、このような用紙Pを通紙した際に、表面側(片側)から冷却直後の用紙表面温度のセンシングを行うと、得られるのは図4における点Aの位置での用紙温度の値である。このセンシングして得た用紙温度の値は、冷却直後で低温になっている用紙表面温度であり、搬送されて排紙トレイ33等に積載される(以下、スタックという)までの間に、用紙Pの裏面側に残った熱が拡散して均熱化されることで用紙表面温度は再度上昇する。
ここで、以下の説明では、熱定着された用紙Pが冷却された後に均熱化された際の用紙表面温度及び用紙裏面温度である記録材均熱温度をスタック温度という。
このように用紙表面温度が再度上昇することで、センシングした用紙表面温度:Ta[℃]とスタックされた際の用紙P(以下、スタック用紙という)の用紙表面温度(以下、スタック温度という)の間には、図4に示すように差異ΔTが生じる。このため、例えばブロッキングを防止するためにスタック用紙をトナー軟化温度:T1[℃]未満まで冷却したい場合に、A点での用紙表面温度をトナー軟化温度:T1[℃]に制御してもスタック時には温度が再上昇してしまう。そして、スタック温度がトナー軟化温度:T1[℃]を超えて(スタック温度>トナー軟化温度:T1[℃])、軟化したトナーによってブロッキングが発生してしまう。
このため、ブロッキングを防ぐためには、上記ΔTを見積って、A点における用紙表面温度がトナー軟化温度:T1[℃]からΔTを引いた温度(T1−ΔT)以下となるような冷却部材110の冷却能力の制御をしなければならない。
ここで、上記ΔTは用紙Pの坪量や紙種によって異なるだけでなく、周囲の環境温湿度、画像形成前の用紙の温度、及び用紙内の含水率等の要因によっても変化する。そして、上記したようにブロッキングはスタック後に均熱された用紙温度がトナー軟化温度:T1[℃]を超えるときに発生するため、スタック温度をトナー軟化温度:T1[℃]未満にする必要がある。
しかし、上記した理由により冷却直後の用紙表面温度をセンシングしてもスタック後のスタック温度の予測が困難である。このため、この従来の構成のように、表面側(片側)から冷却直後の用紙表面温度のセンシングを行う構成では、冷却不足によるブロッキングが発生するおそれがある。
一方、冷却不足によるブロッキングの発生を確実に防ぐためには、センシングした用紙表面温度に対してスタック後に均熱されたスタック温度との差を考慮し、大きめのマージンを与えた冷却能力で冷却を行わなければならない。このように冷却するためには、空冷ヒートシンク111aの放熱効果を高める放熱促進手段である送風ファン55の回転数を大幅に上げて放熱フィン111bに接触する気流の風量を増やす必要が生じて、過剰な電力消費が生じてしまう。
そこで、本実施例では、上記したように冷却直後の用紙Pの両面の温度である用紙表面温度:Ta[℃]及び用紙裏面温度:Tb[℃]をセンシングするように構成した。そして、これらの検知結果から記録材均熱温度であるスタック温度の予測値を求め、求めた予測値に基づいて冷却部材である空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させるように構成した。
具体的には、スタック温度の予測値として、用紙両面の検知結果である用紙表面温度:Ta[℃]及び用紙裏面温度:Tb[℃]の温度の平均値を求める。そして、この平均値に基づいて、空冷ヒートシンク111aの放熱フィン111bに接触する気流を生じさせる放熱促進部材である送風ファン55の回転数(以下、出力という)を制御して空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させるように構成した。
上記のように構成することで、記録材均熱温度であるスタック温度の予測値に基づいて空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させる。したがって、このように冷却能力を変化させない特許文献1のような従来の冷却装置と異なり、厚紙等の熱容量の大きな記録材であっても、ブロッキングを防止できる。
よって、熱定着後の用紙Pが積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置100を提供できる。
また、本実施例では、図2、3、5に示すように、温度検出手段である表側センサ56a(57a)及び裏側センサ56b(57b)を、冷却部材である空冷ヒートシンク111a(ベルト搬送機構70)の用紙搬送方向下流側に設けている。つまり、用紙Pの表面及び裏面からセンシングする2つの検出温度である用紙表面温度:Ta及び用紙裏面温度:Tbが、いずれも冷却部材の冷却領域を通過した冷却後のものである。
このため、特許文献1の検出位置が冷却部材による冷却領域の内外で異なる構成や、冷却後の表面温度及び裏面温度の一方しかセンシングしない構成よりも、記録材均熱温度であるスタック温度の予測値を容易に、且つ、精度良く算出できる。そして、予測値である用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均値に基づいて空冷ヒートシンク111aによる用紙Pの冷却能力を、適切に変化させることができる。
したがって、冷却後の表面温度及び裏面温度の一方しかセンシングしない構成のように、冷却部材による用紙Pの冷却能力に大きめのマージンを与える必要がなく、適切な冷却能力で用紙Pを冷却することができる。このため、冷却部材による冷却効果を左右する放熱促進手段である送風ファン55で消費する消費電力も適切にできる。
よって、熱定着後の用紙Pが積み重ねられた時にブロッキングが発生することを、適切な電力消費で防止可能な冷却装置100を提供できる。
さらに、用紙表面温度:Ta[℃]及び用紙裏面温度:Tb[℃]の温度の平均値は、図5に示すようにスタック時の均熱化された用紙温度であるスタック温度にほぼ一致する。このため、冷却直後の用紙Pでも両面をセンシングすれば、スタック温度の予測が容易になる。そして、空冷ヒートシンク111aの冷却領域を通過後の用紙両面の温度平均値が、所定の温度の値のトナー軟化温度:T1[℃]未満となるように空冷ヒートシンク111aの冷却能力を制御すれば、スタック温度はトナー軟化温度:T1[℃]以下に制御される。
すなわち、冷却制御部120で、冷却後の用紙Pが積み重ねられた時にブロッキングを起こさないトナー軟化温度などの所定の温度の値と、スタック温度の予測値との差に応じて送風ファン55を制御して空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させる。
上記のように空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させることで、次のような効果を奏することができる。空冷ヒートシンク111aの冷却性能をあげるために必要以上のマージンを与えたり、あるいは見積もったマージンが不足してスタック時の用紙温度がトナー軟化温度:T1を超えてブロッキングが発生したりするといった問題を回避することができる。
また、本実施例の冷却装置100では、上記のように、冷却部材として空冷ヒートシンク111aを有しており、放熱促進手段として空冷ヒートシンク111aの放熱フィン111bに接触する気流を生じさせる送風手段である送風ファン55を有している。そして、冷却制御部120は、空冷ヒートシンク111aによる用紙Pの冷却能力の変更を送風ファン55の回転数(動作)を変更する制御により行っている。このように構成することで、冷却装置100を簡易な構成にでき、冷却装置100の低コスト化、及びこの冷却装置100を備えるプリンタ300の低コスト化にも貢献できる。
次に、図6のフローチャートを用いて空冷ヒートシンク111aの放熱フィン111bに接触する気流を生じさせて、空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させる放熱促進手段である送風ファン55の出力制御について説明する。
印刷(画像形成)を開始したら(S101)、用紙Pの両面温度である用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbを測定(計測)する(S102)。そして、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、送風ファン55の動作を開始するファン動作開始温度:T2[℃](<トナー軟化温度:T1[℃])以上になったか否か判断する(S103)。この時、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S103のYES)、送風ファン55を動作させる(S104)。
一方、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]未満であれば(S103のNO)、前のステップ(S102)に移行する。そして、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上となるまで、送風ファン55を動作させない。
上記のように構成することで、例えば、数枚程度の短時間の印刷ジョブで、空冷ヒートシンク111aが温まる前に印刷ジョブが終わるようであれば、送風ファン55を動作させずに印刷(画像形成)を行うことで、消費電力の低減に繋がる。すなわち、用紙Pのスタック温度の予測値が所定の値未満である場合に放熱促進手段である送風ファン55の動作を停止させることで、より消費電力を低減した用紙Pの冷却が行える。
なお、長時間の印刷を行った場合等に、空冷ヒートシンク111aに熱が蓄熱され、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]に達したら、上記のように送風ファン55を動作させ始める(S104)。
そして、送風ファン55を動作開始後(S104)、次の用紙P以降で、再度、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbを測定する(S105)。そして、送風ファン55の動作を開始するファン動作開始温度:T2[℃]以上であるか否か判断する(S106)。
用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S106のYES)、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上であるか否かの判断(S108)に移行する。
一方、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]未満であれば(S106のNO)、送風ファン55の出力を低下させた後(S107)、前のステップ(S105)に移行する。
用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上である場合には(S108のYES)、送風ファン55の出力を上昇させ(S109)た後、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの測定(S105)に戻る。
一方、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]未満である場合には(S108のNO)、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの測定(S105)に戻る。
上記のように送風ファン55の出力を制御することで、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均温度、すなわち、スタック温度をトナー軟化温度:T1[℃]未満に制御して、ブロッキングの発生を防止することができる。
なお、オーバーシュートにより用紙Pの両面の平均温度がT1を越えることを確実に防ぐために、ファン出力上昇の閾値を、用紙両面の平均温度がトナー軟化温度:T1−1[℃]に達した瞬間などにしても構わないし、上記以外のフローの制御であっても構わない。
また、用紙Pの用紙搬送方向のサイズや線速に応じて、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの1回目の測定(S102)と2回目の測定(S105)とを同じ用紙Pで行ったり、2回目以降の測定(S105)を複数回、同じ用紙Pで回行ったりしても良い。
ここで、本実施例の制御手段である冷却制御部120について、図7のブロック図を用いて簡単に説明しておく。
図7に示すように、冷却制御部120は、本体制御部210と接続されており、操作パネル220から入力された印刷開始タイミングや、印刷条件等を信号を受信するとともに、冷却装置100の動作を本体制御部210に送信する。そして、冷却制御部120には、表側センサ56a(57a)及び裏側センサ56b(57b)が接続され、これらをコントロールするセンサコントローラ121が接続されおり、適時、各温度センサの検出値を取得する。
また、放熱促進手段である送風ファン55が接続され、送風ファン55の出力(回転数)をコントロールするファンコントローラ122が接続されており、各温度センサの検出値に応じて、送風ファン55の出力を調整する。
また、ベルト搬送機構70に有した駆動ローラ79を回転駆動する駆動モータ75が接続され、駆動モータ75の出力(回転数)をコントロールするベルトコントローラ123が接続されており、上側ベルト72及び下側ベルト77の線速を調整する。
(実施例2)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例2について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例1の冷却装置とでは、温度検出手段である表側センサ56a及び裏側センサ56bを設ける位置に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例1と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図8は、本実施例に係る冷却装置100の説明図であり、図8(a)の概要説明図であり、図8(b)が各温度センサを設けた部分の説明図である。図9は、本実施例に係る冷却装置100での、表側センサ56a及び裏側センサ56bの検出温度と記録材均熱温度との関係の説明図である。図10は、本実施例に係る冷却装置100の送風ファン55の制御を説明するフロー図である。図11は、本実施例に係る冷却装置100の表側センサ56a及び裏側センサ56bの配置例の説明図である。そして、図11(a)が表側センサ56a及び裏側センサ56bで、上側ベルト72及び下側ベルト77の表裏から同一の箇所を測定する例である。また、図11(b)が用紙搬送方向と直交する方向に表側センサ56aと裏側センサ56bの測定箇所をずらした例である。
上記した実施例1の冷却装置では、図2、3、5に示したようにベルト搬送機構70の用紙搬送方向下流側の位置に温度検出手段である表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けていた。これに対し、本実施例の冷却装置100では、図8(a)、(b)に示すように、空冷ヒートシンク111aの用紙搬送方向下流側の上側ベルト72及び下側ベルト77の用紙Pを挟持する側の内周面内に表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けている。
このように構成することで、温度検出手段に用いる温度センサとして、接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bを用いても、各温度センサが直接、用紙Pに接触しないように構成できる。したがって、各温度センサに用紙Pが擦動することによる画像面のキズが発生することを確実に回避できる。
次に、図8(a)、(b)を用いて、各構成部材のより具体的な構成について説明する。
図8(a)、(b)に示すように本実施例の冷却装置100では、空冷ヒートシンク111aを通過した後、上側ベルト72及び下側ベルト77の用紙Pを挟持する側の内周面に接触するよう、表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けて各温度を計測している。
そして、上側ベルト72及び下側ベルト77としては、例えばポリイミド製の100[μm]以下の薄型ベルト等で構成された低熱容量の無端ベルトを用いている。このような低熱容量の無端ベルトを用いることで、表側センサ56a及び裏側センサ56bで得られる、上側ベルト内周面温度:Tc及び下側ベルト内周面温度:Tdの平均値は、図9に示すようにスタック温度にほぼ一致する
上記のように、上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面の温度の平均値がスタック温度にほぼ一致するのは、次の2つの理由による。
1つ目の理由は、上側ベルト72及び下側ベルト77が厚紙等と比較して低熱容量の場合、空冷ヒートシンク111aを通過後すぐに上側ベルト72は用紙表面温度:Taと、下側ベルト77は用紙裏面温度:Tbとほぼ同温になるためである。2つ目の理由は、用紙Pは冷却終了後(冷却領域通過後)からスタックされるまでの間に用紙裏面と用紙表面の平均温度付近に収束するためである。
これらのため、空冷ヒートシンク111aを通過直後の上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面の温度平均値がトナー軟化温度:T1[℃]未満になるように空冷ヒートシンク111aの冷却能力の制御を行うことで、上記のような効果が得られる。すなわち、結果的にスタック温度がトナー軟化温度:T1[℃]未満に制御されるというものである。
なお、用いる温度センサとしては、接触式の温度センサである表側センサ56a及び裏側センサ56bだけでなく、非接触式の温度センサである表側センサ57a及び裏側センサ57bを使用しても構わない。
したがって、本実施例の冷却装置100においても、スタック温度の予測値に基づいて空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させるので、実施例1の冷却装置と同様に、厚紙等の熱容量の大きな用紙Pであっても、ブロッキングを防止できる。
よって、熱定着後の用紙Pが積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置100を提供できる。
次に、図10のフローチャートを用いて空冷ヒートシンク111aの放熱フィン111bに接触する気流を生じさせて、空冷ヒートシンク111aの冷却能力を変化させる放熱促進手段である送風ファン55の出力制御について説明する。
印刷(画像形成)を開始したら(S201)、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdを測定(計測)する(S202)。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、送風ファン55の動作を開始するファン動作開始温度:T2[℃](<トナー軟化温度:T1[℃])以上になったか否か判断する(S203)。この時、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S203のYES)、送風ファン55を動作させる(S204)。
一方、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]未満であれば(S203のNO)、前のステップ(S202)に移行する。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上となるまで、送風ファン55を動作させない。
上記のように構成することで、例えば、数枚程度の短時間の印刷ジョブで、空冷ヒートシンク111aが温まる前に印刷ジョブが終わるようであれば、送風ファン55を動作させずに印刷(画像形成)を行うことで、消費電力の低減に繋がる。すなわち、用紙Pのスタック温度の予測値が所定の値未満である場合に放熱促進手段である送風ファン55の動作を停止させることで、より消費電力を低減した用紙Pの冷却が行える。
なお、長時間の印刷を行った場合等、空冷ヒートシンク111aに熱が蓄熱され、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度がファン動作開始温度:T2[℃]に達したら、上記のように送風ファン55を動作させ始める(S204)。
そして、送風ファン55を動作開始後(S204)、次の用紙P以降で、再度、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdを測定する(S205)。そして、送風ファン55の動作を開始するファン動作開始温度:T2[℃]以上であるか否か判断する(S206)。
上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S206のYES)、次のステップ(S208)に移行する。そして、次のステップでは、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上であるか否かの判断を行う(S208)。
一方、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]未満の場合(S206のNO)、送風ファン55の出力を低下させた後(S207)、前のステップ(S205)に移行する。
上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上である場合には(S208のYES)、送風ファン55の出力を上昇させる(S209)。その後、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの測定(S205)に戻る。
一方、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]未満である場合には(S208のNO)、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの測定(S205)に戻る。
上記のように送風ファン55の出力を制御することで、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度、すなわち、スタック温度をトナー軟化温度:T1[℃]未満に制御して、ブロッキングの発生を防止することができる。
なお、オーバーシュートにより上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度がT1を越えることを確実に防ぐために、ファン出力上昇の閾値を、用紙両面の平均温度がトナー軟化温度:T1−1[℃]に達した瞬間などにしても構わない。また、上記以外のフローの制御であっても構わない。つまり、オーバーシュートにより用紙Pの両面の平均温度がT1を越えることを確実に防ぐために、ファン出力上昇の閾値を用紙両面の平均温度がトナー軟化温度:T1−1[℃]に達した瞬間などにしても構わないし、上記以外のフローの制御であっても構わない。
また、用紙Pの用紙搬送方向のサイズや線速に応じて、各ベルト内周面温度(Tc,Td)の1回目測定(S202)と2回目の測定(S205)とを同じ用紙Pで行ったり、2回目以降の測定(S205)を複数回、同じ用紙Pで回行ったりしても良い。
ここで、各温度センサは、図11(a)に示すように上側ベルト72及び下側ベルト77を表裏から同一の箇所を測定してもよい。しかし、各温度センサを、それぞれ上側ベルト72及び下側ベルト77を同一の箇所で挟むように設けると、上側ベルト72及び下側ベルト77の搬送抵抗が大きくなり、用紙Pの搬送不良を起こす場合がある。
このように搬送不良を起こす場合には、図11(b)に示すのように用紙搬送方向と直交する方向に表側センサ56aと裏側センサ56bの測定箇所をずらして配置してもよい。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。各温度センサとして接触式の温度センサを用いた場合であっても、上側ベルト72及び下側ベルト77が各温度センサで挟持されて、上側ベルト72及び下側ベルト77の搬送抵抗が大きくなることを回避することができる。
また、図示は省略しているが、用紙搬送方向に表側センサ56aと裏側センサ56bの測定箇所をずらして配置してもよい。
但し、用紙搬送方向にずらし、ずらした距離が大きい場合には、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度とスタック温度の間に差が発生する。このため、平均値をとる以外の演算を行ってスタック後用紙温度を予測してもよい。例えば、重み付け係数A及びBを用いて、上側ベルト内周面温度:Tc及び下側ベルト内周面温度:Tdに、それぞれ重み付け係数A及びBを乗じて(スタック温度≒A×Ta+B×Tb)、スタック温度を予測する演算を行ってでも良い。また、他の演算を行ってもよい。
なお、本実施例では、用紙Pの表面に接触する上側ベルト72、及び用紙Pの裏面に接触する下側ベルト77の温度を検知する構成で、各温度センサをずらす例について説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。
例えば、上記した実施例1の構成のように、用紙Pの用紙表面温度:Ta及び用紙裏面温度:Tbを、表側センサ56a及び裏側センサ56bでセンシングする構成で、各温度センサをずらすように構成しても良い。
(実施例3)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例3について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例2の冷却装置とでは、冷却部材110の冷却方式に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例2と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図12は、本実施例に係る冷却装置100の説明図、図13は、本実施例に係る冷却装置100の送液ポンプ63及び送風ファン55の制御を説明するフロー図、図14は、本実施例に係る冷却装置100の冷却制御部120のブロック図である。
上記した実施例2の冷却装置では、図8、9等に示したようにベルト搬送機構70に設けた上側ベルト72の内周面に接触するように設けた冷却部材は、空冷方式の空冷ヒートシンク111aであった。これに対し、本実施例の冷却装置100では、図12に示すように、ベルト搬送機構70に設けた上側ベルト72の内周面に接触するように設けた冷却部材110は、液冷方式の液冷プレート112aである。つまり、上記したように、実施例1、2の冷却装置が空冷方式の冷却装置であったのに対し、本実施例の冷却装置100が液冷方式であることに係る点のみが異なる。
本実施例の冷却装置は、図12に示すように冷却部材110である液冷プレート112aからの放熱を促進する放熱促進手段として液冷システム60を備えている。
液冷プレート112aは、その内部に冷却液が流れる流路である、図中、破線で示した内部流路112bを有している。
液冷システム60は、次のようなものを有している。液冷プレート112aの内部流路112b、冷却液が流れる流路部を有した放熱手段であるラジエータ64、冷却液を送液する送液手段である送液ポンプ63、冷却液を貯留するタンク65、及びこれらを接続する管路形成部材である管路66である。また、ラジエータ64に接触する気流を生じさせる送風手段である送風ファン55も有している。
そして、制御手段である冷却制御部120は、液冷プレート112aによる用紙Pの冷却能力の変更を、送風ファン55及び送液ポンプ63の少なくとも一方の動作を変更する制御により行うように構成されている。
すなわち、冷却部材110が内部に内部流路112bを有した液冷プレート112aであり、上側ベルト72の内周面に接触する接触面が液冷プレート112aの冷却面として機能する。また、上側ベルト72を介して冷却面で、用紙Pの用紙表面から吸熱することで得た熱を、送液ポンプ63によって送液されたタンク65からの冷却液を用いて輸送し、ラジエータ64及び送風ファン55によって、外気への放熱を行う液冷システム60である。
そして、液冷プレート112aによる用紙Pの冷却性能は送風ファン55及び送液ポンプ63の少なくとも一方の出力によって変化させることが可能である。
上記のように冷却装置100を液冷方式とすることで、他の方式の冷却装置よりも同等のサイズで、より高い冷却能力を得ることができ、同等のサイズで、他の方式の冷却装置よりも速い画像形成速度に対応可能となる。
また、用紙Pを搬送する搬送手段であるベルト搬送機構70の周辺からラジエータ64、送液ポンプ63、及び送風ファン55を離間させて、この冷却装置100を備えるプリンタ300のデッドスペース等を活用することができる。したがって、この冷却装置100を備えるプリンタ300の小型化に貢献することも可能となる。
なお、本実施例の冷却装置100では、液冷プレート112aの冷却性能を制御するための上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面の温度をセンシングする表側センサ56a及び裏側センサ56bを、液冷プレート112aの用紙搬送方向下流側に設けている。
そして、接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bでセンシングした上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度に応じ、送風ファン55及び送液ポンプ63の少なくとも一方の出力制御を行い、用紙Pを所定の温度でスタックする。
次に、図13のフローチャートを用いて冷却液を送液する送液ポンプ63、及びラジエータ64に接触する気流を生じさせる送風手段である送風ファン55の出力制御について説明する。
印刷(画像形成)を開始したら(S301)、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdを測定(計測)する(S302)。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、送液ポンプ63の動作を開始するポンプ動作開始温度:T2[℃](<トナー軟化温度:T1[℃])以上になったか否か判断する(S303)。この時、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ポンプ動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S303のYES)、送液ポンプ63を動作させる(S304)。
一方、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ポンプ動作開始温度:T2[℃]未満の場合(S303のNO)、前のステップ(S302)に移行する。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ポンプ動作開始温度:T2[℃]以上となるまで、送液ポンプ63を動作させない。
上記のように構成することで、例えば、数枚程度の短時間の印刷ジョブで、液冷プレート112aが温まる前に印刷ジョブが終わるようであれば、送液ポンプ63及び送風ファン55を動作させずに印刷(画像形成)を行うことで、消費電力の低減に繋がる。すなわち、用紙Pのスタック温度の予測値が所定の値未満である場合に放熱促進手段である送液ポンプ63及び送風ファン55の動作を停止させることで、より消費電力を低減した用紙Pの冷却が行える。
なお、印刷部数が多い場合等には、液冷プレート112aが徐々に温まり、液冷プレート112aの冷却性能が低下するため、表側センサ56a及び裏側センサ56bで検知している上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面の平均温度が徐々に昇温し始める。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ポンプ動作開始温度:T2[℃]に達したら、上記のように送液ポンプ63を動作させ始める(S304)。
そして、送液ポンプ63を動作開始後(S304)、次の用紙P以降で、再度、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdを測定する(S305)。そして、送風ファン55の動作を開始するファン動作開始温度:T2[℃]以上であるか否か判断する(S306)。
上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上の場合(S306のYES)、送風ファン55の動作を開始する(S307)。このように送風ファン55の動作を開始することで、冷却液に蓄熱された熱の外気への放熱を開始して液冷プレート112aを低温に保つ。
一方、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]未満であれば(S306のNO)、前のステップ(S305)に移行する。
送風ファン55の動作開始後(S307)、次の用紙P以降で、再度、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdを測定する(S308)。そして、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、ファン動作開始温度:T2[℃]以上であるか否かの判断(S309)に移行する。
ここで、ファン動作開始温度:T2[℃]以上である場合には(S309のYES)、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上であるか否かの判断に移行する(S311)。
一方、ファン動作開始温度:T2[℃]未満の場合には(S309のNO)、送風ファン55の出力を低下させた後(S310)、前のステップ(S308)に移行する。
上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度が、トナー軟化温度:T1[℃]以上であるか否かの判断で(S311)、トナー軟化温度:T1[℃]以上にの場合(S311のYES)、送風ファン55の出力を上昇させる(S311)。その後、送風ファン55の動作開始した(S307)後の上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの測定に移行する(S308)。
一方、トナー軟化温度:T1[℃]未満であると判断した場合(S311のNO)、送風ファン55の動作開始した(S307)後の上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの測定に移行する(S308)。
このように制御することで、送風ファン55の出力の制御により、上側ベルト内周面温度:Tcと下側ベルト内周面温度:Tdの平均温度を、トナー軟化温度:T1[℃]未満に制御する。
上記のように、送液ポンプ63及び送風ファン55の出力を冷却制御部120で制御することにより、特に、冷却装置100の立ち上がり時において、送液ポンプ63及び送風ファン55の消費電力を削減可能である。
なお、オーバーシュートにより用紙Pの両面の平均温度がT1を越えることを確実に防ぐために、ファン出力上昇の閾値を、用紙両面の平均温度がトナー軟化温度:T1−1[℃]に達した瞬間などにしても構わないし、上記以外のフローの制御であっても構わない。
また、用紙Pの用紙搬送方向のサイズや線速に応じて、各ベルト内周面温度(Tc,Td)の1回目測定(S302)と2回目以降の測定(S305、S308)とを同じ用紙Pで行ったり、2回目以降の測定を複数回、同じ用紙Pで回行ったりしても良い。
ここで、本実施例の制御手段である冷却制御部120について、図14のブロック図を用いて簡単に説明しておく。
図14に示すように、冷却制御部120は、本体制御部210と接続されており、操作パネル220から入力された印刷開始タイミングや、印刷条件等を信号を受信するとともに、冷却装置100の動作を本体制御部210に送信する。そして、冷却制御部120には、表側センサ56a及び裏側センサ56bが接続され、これらをコントロールするセンサコントローラ121が接続されおり、適時、各温度センサの検出値を取得する。
また、ベルト搬送機構70に有した駆動ローラ79を回転駆動する駆動モータ75が接続され、駆動モータ75の出力(回転数)をコントロールするベルトコントローラ123が接続されており、上側ベルト72及び下側ベルト77の線速を調整する。
そして、液冷システム60の放熱促進手段の1つである送液ポンプ63が接続され、送液ポンプ63の出力(回転数)をコントロールするポンプコントローラ124が接続されており、各温度センサの検出値に応じて、送液ポンプ63の出力を調整する。
また、液冷システム60の放熱促進手段の1つである送風ファン55が接続され、送風ファン55の出力(回転数)をコントロールするファンコントローラ122が接続されており、各温度センサの検出値に応じて、送風ファン55の出力を調整する。
(実施例4)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例4について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例2の冷却装置とでは、冷却部材110の構成に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例2と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図15は、本実施例に係る冷却装置100の説明図、図16は、本実施例に係る冷却装置100の放熱促進手段である冷却部材110の説明図である。
上記した実施例2の冷却装置では、図8、9等に示したようにベルト搬送機構70に設けた上側ベルト72の内周面に接触するように設けた冷却部材は、放熱フィン111bを有した空冷ヒートシンク111aであった。これに対し、本実施例の冷却装置100の冷却部材110は、図15、16に示すように、一方の放熱端に放熱フィン113cが形成された4本のヒートパイプ113bを設けた冷却プレート113aである。
また、4本のヒートパイプ113bの一端部に形成された放熱フィン113cに接触する気流を生じさせる送風ファン55を、図中、用紙搬送方向下流側に設けている。
そして、冷却プレート113aによる用紙Pの冷却能力の変更を、送風ファン55の出力(回転数)の制御により行っている。
このように構成することで、実施例1、2のように、放熱フィン111b等が直接、設けられた空冷ヒートシンク111aを備えた冷却装置に比べて、冷却装置100の用紙搬送面に直交する方向のサイズを小さくできる。また、この冷却装置100を備えるプリンタ300の用紙搬送面に直交する方向のサイズの小型化にも貢献できる。
(実施例5)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例5について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例2、4の冷却装置とでは、冷却部材110の構成に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例2、4と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図17は、本実施例に係る冷却装置100の説明図、図18は、本実施例に係る冷却装置100の冷却制御部120のブロック図である。
上記した実施例2の冷却装置では、図8、9等に示したようにベルト搬送機構70に設けた上側ベルト72の内周面に接触するように設けた冷却部材は、放熱フィン111bを有した空冷ヒートシンク111aであった。また、実施例4の冷却装置の冷却部材は、図15、16に示すように、一方の放熱端に放熱フィン113cが形成された4本のヒートパイプ113bを設けた冷却プレート113aであった。
一方、本実施例の冷却装置100に設けた冷却部材110には、図17に示すように、ペルチェ素子114bを有している。
より具体的には、上側ベルト72の内周面に接触する接触面が形成された冷却プレート114aと、その図中上方に設けられた放熱フィン114dが形成された放熱プレート114cとの間に、ペルチェ素子114bを有している。
そして、このペルチェ素子114bが、主に放熱促進手段として機能するとともに、冷却制御部120は、冷却プレート113aによる用紙Pの冷却能力の変更を、ペルチェ素子114bに印加する電圧を変更する制御により行うように構成されている。つまり、冷却制御部120は、冷却プレート113aによる用紙Pの冷却能力の変更を、ペルチェ素子114bの出力を制御することで行うように構成されている。
このように構成することで、冷却制御部120による制御に対して応答性の良い冷却装置100を提供できる。
ここで、本実施例の制御手段である冷却制御部120について、図18のブロック図を用いて簡単に説明しておく。
図18に示すように、冷却制御部120は、本体制御部210と接続されており、操作パネル220から入力された印刷開始タイミングや、印刷条件等を信号を受信するとともに、冷却装置100の動作を本体制御部210に送信する。そして、冷却制御部120には、表側センサ56a及び裏側センサ56bが接続され、これらをコントロールするセンサコントローラ121が接続されおり、適時、各温度センサの検出値を取得する。
また、ベルト搬送機構70に有した駆動ローラ79を回転駆動する駆動モータ75が接続され、駆動モータ75の出力(回転数)をコントロールするベルトコントローラ123が接続されており、上側ベルト72及び下側ベルト77の線速を調整する。
そして、液冷システム60の放熱促進手段であるペルチェ素子114bが接続され、ペルチェ素子114bへ印加する電圧をコントロールする素子コントローラ125が接続されており、各温度センサの検出値に応じて、ペルチェ素子114bの出力を調整する。
なお、本実施例の冷却装置100では、ペルチェ素子114bにより、冷却プレート114a側から強制的に移動した熱量は、放熱プレート114c及び放熱フィン114dから自然放熱により、大気中へ放熱している。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、放熱フィン114dに接触する気流を生じさせる送風ファン55を設け、放熱プレート114cから放熱フィン114dに移動した熱量を強制的に大気中に放熱させても良い。
なお、このように送風ファン55を設ける場合には、ペルチェ素子114bの出力に応じて、送風ファン55の出力も変化させるように構成することが望ましい。
(実施例6)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例6について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例3の冷却装置とでは、冷却部材110の構成、及び各温度センサの配置位置に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例3と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図19は、本実施例に係る冷却装置100の説明図である。
上記した実施例3の冷却装置では、図8、9等に示したように上側ベルトの内周面に接触するように液冷プレートを1個、配置しただけであった。また、各温度センサを設けたのは、冷却部材の用紙搬送方向下流側であって、上側ベルト及び下側ベルトを挟むように配置していた。
一方、本実施例の冷却装置100では、図17に示すように、上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面に、それぞれ1個づつ接触するように計2個の冷却部材110である第一液冷プレート115a及び第二液冷プレート116aを設けている。なお、第一液冷プレート115a及び第二液冷プレート116aには、それぞれ第一内部流路115b及び第二内部流路116bが設けられている。また、温度検出手段である接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bをベルト搬送機構70の用紙搬送方向下流側に設けている。
上記のように複数の冷却部材110である第一液冷プレート115a及び第二液冷プレート116aを設けた冷却装置100にも、本発明は適用可能であり、記録材均熱温度であるスタック温度を、容易に求めることができる。
なお、冷却部材110を複数個使用する際の配置や個数に関しても特に制約は無い。また、本実施例では、接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bを設けた構成について説明したが、非接触式の表側センサ57a及び裏側センサ57bを用いても良い。また、各温度センサを上側ベルト72及び下側ベルト77の内周面に設置しても良い。
(実施例7)
本実施形態のプリンタ300に備えた冷却装置100の実施例7について、図を用いて説明する。
本実施例の冷却装置100と、上記した実施例3の冷却装置とでは、冷却部材110の構成、用紙Pを搬送する搬送手段の構成、及び各温度センサの配置位置に関わる点のみ異なる。したがって、上記した実施例3と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一構成の部材や同様な機能を果す構成部材については、特に区別する必要が無い限り、同一の名称で呼称をするとともに、同一の符号を付して説明する。
図20は、本実施例に係る冷却装置100の説明図である。
上記した実施例3の冷却装置では、図8、9等に示したように冷却部材が上側ベルトの内周面に接触する液冷プレートであり、用紙Pを搬送する搬送手段が、上側ベルトと下側ベルトとで用紙Pを挟持搬送するベルト搬送機構であった。そして、各温度センサを設けたのは、冷却部材の用紙搬送方向下流側であって、上側ベルト及び下側ベルトを挟むように配置していた。
一方、本実施例の冷却装置100では、図20に示すように冷却部材110が下側ベルト77とで用紙Pを挟持搬送する液冷方式の冷却ローラ118aである。また、用紙Pを搬送する搬送手段が、冷却ローラ118aとで用紙Pを挟持搬送する下側ベルト77を有したベルト搬送機構70である。そして、温度検出手段である接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bをベルト搬送機構70の用紙搬送方向下流側に設けている。
本発明を適用可能な搬送手段は、実施例3等の用紙Pを上側ベルトと下側ベルトで挟持搬送するベルト搬送機構に限られるものではなく、その内部に冷却液が通過する流路118bを有した冷却ローラ118aと下側ベルト77で挟持搬送するものであっても構わない。
なお、本実施例では冷却ローラ118aから得た熱を送液ポンプ63によって送液されたタンク65からの冷却液を用いて輸送し、ラジエータ64及び外気への放熱を行う液冷システム61であり、その他においては実施例3と同様である。
また、液冷システム61の代わりに放熱端に形成された放熱フィンと、その放熱フィンに接触する気流を生じさせる送風ファンを備えたヒートパイプローラのような空冷方式のものにも本発明は適用可能である。
上記した本実施形態のプリンタ300では、用紙Pを冷却する冷却装置として、上記した各実施例の冷却装置100を備えることで、各実施例の冷却装置100と同様な効果を奏することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
用紙Pなどの記録材を搬送するベルト搬送機構70などの搬送手段と、前記記録材の熱を直接、又は間接的に吸熱して冷却する空冷ヒートシンク111aなどの冷却部材と、前記記録材から熱を吸熱する前記冷却部材の冷却能力を変化させる冷却制御部120などの制御手段とを備えた冷却装置100などの冷却装置において、前記記録材の表面又はこれに接触する上側ベルト72などの部材、及び前記記録材の裏面又はこれに接触する下側ベルト77などの部材の温度をセンシングする表側センサ56a、及び裏側センサ56bなどの温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段の用紙表面温度:Ta及び用紙裏面温度:Tbなどの検出結果から、冷却後に厚さ方向の温度が均熱した時の前記記録材の温度であるスタック温度などの記録材均熱温度の予測値を求め、前記予測値に基づいて前記冷却部材の冷却能力を変化させることを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。記録材均熱温度の予測値に基づいて冷却部材の冷却能力を変化させるので、このように冷却能力を変化させない従来の冷却装置と異なり、厚紙等の熱容量の大きな記録材であっても、ブロッキングを防止できる。
よって、熱定着後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを防止可能な冷却装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、表側センサ56a及び裏側センサ56bなどの前記温度検出手段は、空冷ヒートシンク111aなどの前記冷却部材の記録材搬送方向下流側に設けられていることを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(乃至7)で説明したように、用紙Pなどの記録材の表面及び裏面、又はこれらに接触するいずれかの上側ベルト72や下側ベルト77などの部材から検出する2つの検出温度が、いずれも冷却部材の冷却領域を通過した冷却後のものである。このため、従来の検出位置が冷却部材による冷却領域の内外で異なる構成や、冷却後の表面温度及び裏面温度の一方しか検出しない構成よりも、スタック温度などの記録材均熱温度の予測値を容易に、且つ、精度良く算出できる。そして、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均値などの算出した予測値に基づいて冷却部材による記録材の冷却能力を、適切に変化させることができる。
したがって、従来のように冷却部材による記録材の冷却能力に大きめのマージンを与える必要がなく、適切な冷却能力で記録材を冷却することができ、冷却部材による冷却効果を左右する送風ファン55などの放熱促進手段で消費する消費電力も適切にできる。
よって、熱定着後の記録材が積み重ねられた時にブロッキングが発生することを、適切な電力消費で防止可能な冷却装置を提供できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、冷却制御部120などの前記制御手段は、冷却後の用紙Pなどの前記記録材が積み重ねられた時にブロッキングを起こさないトナー軟化温度:T1などの所定の温度の値と、用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均値などの前記予測値との差に応じて前記冷却部材の冷却能力を変化させることを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
冷却部材の冷却性能をあげるために必要以上のマージンを与えたり、あるいは見積もったマージンが不足してスタック時の用紙温度が所定の温度を超えてブロッキングがしたりするといった問題を回避することができる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、用紙Pなどの前記記録材の表面又はこれに接触する上側ベルト72などの部材の温度を検出する表側センサ56aなどの温度センサと、前記記録材の裏面又はこれに接触する下側ベルト77などの部材の温度を検出する裏側センサ56bなどの温度センサとを有し、各温度センサを記録材搬送方向に直交する方向にずらして配置していることを特徴とするものである。
これによれば、実施例2(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
各温度センサとして接触式の温度センサを用いた場合であっても、記録材、又は記録材に接触する部材がこれらの温度センサで挟持されて、記録材、又は記録材に接触する部材の搬送抵抗が大きくなることを回避することができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記温度検出手段は、用紙Pなどの前記記録材の表面又はこれに接触する上側ベルト72などの部材の温度を検出する表側センサ56aなどの温度センサと、前記記録材の裏面又はこれに接触する下側ベルト77などの部材の温度を検出する裏側センサ56bなどの温度センサとを有し、各温度センサを、記録材搬送方向にずらして配置していることを特徴とするものである。
これによれば、実施例2(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
各温度センサとして接触式の温度センサを用いた場合であっても、記録材、又は記録材に接触する部材がこれらの温度センサで挟持されて、記録材、又は記録材に接触する部材の搬送抵抗が大きくなることを回避することができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、ベルト搬送機構70などの前記搬送手段は、用紙Pなどの前記記録材を表裏から挟持搬送する、上側架張ローラ73、下側架張ローラ78、及び駆動ローラ79などの複数の架張ローラに張架されて無端移動する上側ベルト72及び下側ベルト77などの2つの無端ベルトを有し、前記2つの無端ベルトの内、上側ベルト72などの少なくとも一方の前記記録材を挟持する側の内周面に空冷ヒートシンク111aなどの前記冷却部材が接触するように配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(乃至6)で説明したように、冷却部材が直接、記録材に接触しないように構成でき、冷却部材に記録材が擦動することによる画像面のキズが発生することを確実に回避できる。
(態様G)
(態様F)において、前記温度検出手段は、前記2つの無端ベルトの内周面にそれぞれ接触する接触式の表側センサ56a及び裏側センサ56bなどの温度センサを有していることを特徴とするものである。
これによれば、実施例2(乃至5)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
温度検出手段に用いる温度センサとして、接触式の温度センサを用いても、温度センサが直接、用紙Pなどの記録材に接触しないように構成でき、温度センサに記録材が擦動することによる画像面のキズが発生することを確実に回避できる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、液冷プレート112aなどの前記冷却部材からの放熱を促進する液冷システム60などの放熱促進手段を備え、前記冷却部材は、その内部に冷却液が流れる流路を有し、前記放熱促進手段は、前記冷却部材の内部流路112bなどの流路、冷却液が流れる流路部などの流路を有したラジエータ64などの放熱手段、冷却液を送液する送液ポンプ63などの送液手段、及びこれらを接続する管路66などの管路形成部材と、前記放熱手段に接触する気流を生じさせる送風ファン55などの送風手段とを有し、冷却制御部120などの前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段及び前記送液手段の少なくとも一方の動作を変更する制御により行うことを特徴とするものである。
これによれば、実施例3(6、又は7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
冷却装置100などの冷却装置を液冷方式とすることで、他の方式の冷却装置よりも同等のサイズで、より高い冷却能力を得ることができ、同等のサイズで、他の方式の冷却装置よりも速い画像形成速度に対応可能となる。
また、用紙Pなどの記録材を搬送するベルト搬送機構70などの搬送手段周辺から放熱手段、送液手段、及び送風手段を離間させて、この冷却装置を備える画像形成装置のデッドスペース等を活用することができる。したがって、この冷却装置を備えるプリンタ300などの画像形成装置の小型化に貢献することも可能となる。
(態様I)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、前記冷却部材は、空冷ヒートシンク111aなどの空冷ヒートシンクであり、前記放熱促進手段は、前記空冷ヒートシンクに接触する気流を生じさせる送風ファン55などの送風手段を有し、冷却制御部120などの前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段の動作を変更する制御により行うことを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(又は2)で説明したように、冷却装置100などの冷却装置を簡易な構成にでき、冷却装置の低コスト化、及びこの冷却装置を備えるプリンタ300などの画像形成装置の低コスト化にも貢献できる。
(態様J)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、冷却プレート113aなどの前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、前記放熱促進手段は、前記冷却部材に接続されるヒートパイプ113bなどのヒートパイプと、該ヒートパイプに形成された放熱フィン113cなどの放熱端に接触する気流を生じさせる送風ファン55などの送風手段とを有し、冷却制御部120などの前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段の動作を変更する制御により行うことを特徴とするものである。
これによれば、実施例4で説明したように、次のような効果を奏することができる。
放熱フィン111bなどの放熱フィン等が直接、設けられた空冷ヒートシンク111aなどのヒートシンクを備えた冷却装置に比べて、冷却装置100の用紙搬送面に直交する方向のサイズを小さくできる。また、この冷却装置を備えるプリンタ300などの画像形成装置の用紙搬送面に直交する方向のサイズの小型化にも貢献できる。
(態様K)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、冷却プレート114aなどの前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、前記放熱促進手段は、ペルチェ素子114bなどのペルチェ素子を有し、冷却制御部120などの前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記ペルチェ素子に印加する電圧を変更する制御により行うことを特徴とするものである。
これによれば、実施例5で説明したように、制御手段による制御に対して応答性の良い冷却装置を提供できる。
(態様L)
(態様H)乃至(態様K)のいずれかにおいて、冷却制御部120などの前記制御手段は、画像形成開始時に、スタック温度などの前記記録材均熱温度の用紙表面温度:Taと用紙裏面温度:Tbの平均値などの予測値がファン動作開始温度:T2などの所定の値未満である場合に、送風ファン55などの前記放熱促進手段の動作を停止させることを特徴とするものである。
これによれば、実施例1(乃至7)で説明したように、記録材の記録材均熱温度の予測値が所定の値未満である場合に放熱促進手段の動作を停止させることで、より消費電力を低減した記録材の冷却が行える。
(態様M)
用紙Pなどの記録材を冷却する冷却装置を備えたプリンタ300などの画像形成装置において、前記冷却装置として、(態様A)乃至(態様L)のいずれの冷却装置100などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様L)のいずれの冷却装置と同様な効果を奏することができる。
1 感光体
3 現像装置
4 感光体クリーニング装置
5 帯電装置
10 画像ステーション
11 一次転写ローラ
15 定着装置
21 中間転写ベルト
22 第一張架ローラ
23 第二張架ローラ
24 第三張架ローラ
25 二次転写ローラ
26 クリーニング対向ローラ
27 ベルトクリーニング装置
31 給紙カセット
32 用紙搬送路
33 排紙トレイ
34 手差しトレイ
35 給紙路
36 反転用紙搬送路
41 給紙コロ
42 レジストローラ対
43 給紙コロ(手差しトレイ)
55 送風ファン
56a 表側センサ(接触式)
56b 裏側センサ(接触式)
57a 表側センサ(非接触式)
57b 裏側センサ(非接触式)
60 液冷システム
61 液冷システム
63 送液ポンプ
64 ラジエータ
65 タンク
66 管路
70 ベルト搬送機構
71 上側ベルトユニット
72 上側ベルト
73 上側架張ローラ
75 駆動モータ
76 下側ベルトユニット
77 下側ベルト
78 下側架張ローラ
79 駆動ローラ
100 冷却装置
110 冷却部材
111a 空冷ヒートシンク
111b 放熱フィン
112a 液冷プレート
112b 内部流路
113a 冷却プレート
113b ヒートパイプ
113c 放熱フィン
114a 冷却プレート
114b ペルチェ素子
114d 放熱フィン
114c 放熱プレート
115a 第一液冷プレート
115b 第一内部流路
116a 第二液冷プレート
11bb 第二内部流路
118a 冷却ローラ
118b 流路
120 冷却制御部
121 センサコントローラ
122 ファンコントローラ
123 ベルトコントローラ
124 ポンプコントローラ
125 素子コントローラ
200 装置本体
210 本体制御部
220 操作パネル
300 プリンタ
P 用紙
特開2012−063479号公報

Claims (13)

  1. 記録材を搬送する搬送手段と、前記記録材の熱を直接、又は間接的に吸熱して冷却する冷却部材と、前記記録材から熱を吸熱する前記冷却部材の冷却能力を変化させる制御手段とを備えた冷却装置において、
    前記記録材の表面又はこれに接触する部材、及び前記記録材の裏面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出手段の検出結果から、冷却後に厚さ方向の温度が均熱した時の前記記録材の温度である記録材均熱温度の予測値を求め、前記予測値に基づいて前記冷却部材の冷却能力を変化させることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記温度検出手段は、前記冷却部材の記録材搬送方向下流側に設けられていることを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却装置において、
    前記制御手段は、冷却後の前記記録材が積み重ねられた時にブロッキングを起こさない所定の温度の値と、前記予測値との差に応じて前記冷却部材の冷却能力を変化させることを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記温度検出手段は、前記記録材の表面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度センサと、前記記録材の裏面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度センサとを有し、各温度センサを記録材搬送方向に直交する方向にずらして配置していることを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記温度検出手段は、前記記録材の表面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度センサと、前記記録材の裏面又はこれに接触する部材の温度を検出する温度センサとを有し、各温度センサを、記録材搬送方向にずらして配置していることを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記搬送手段は、前記記録材を表裏から挟持搬送する、複数の架張ローラに張架されて無端移動する2つの無端ベルトを有し、
    前記2つの無端ベルトの内、少なくとも一方の前記記録材を挟持する側の内周面に前記冷却部材が接触するように配置されていることを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項6に記載の冷却装置において、
    前記温度検出手段は、前記2つの無端ベルトの内周面にそれぞれ接触する接触式の温度センサを有していることを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、
    前記冷却部材は、その内部に冷却液が流れる流路を有し、
    前記放熱促進手段は、前記冷却部材の流路、冷却液が流れる流路を有した放熱手段、冷却液を送液する送液手段、及びこれらを接続する管路形成部材と、前記放熱手段に接触する気流を生じさせる送風手段とを有し、
    前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段及び前記送液手段の少なくとも一方の動作を変更する制御により行うことを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、
    前記冷却部材は、空冷ヒートシンクであり、
    前記放熱促進手段は、前記空冷ヒートシンクに接触する気流を生じさせる送風手段を有し、
    前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段の動作を変更する制御により行うことを特徴とする冷却装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、
    前記放熱促進手段は、前記冷却部材に接続されるヒートパイプと、該ヒートパイプに形成された放熱端に接触する気流を生じさせる送風手段とを有し、
    前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記送風手段の動作を変更する制御により行うことを特徴とする冷却装置。
  11. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記冷却部材からの放熱を促進する放熱促進手段を備え、
    前記放熱促進手段は、ペルチェ素子を有し、
    前記制御手段は、前記冷却部材による記録材の冷却能力の変更を、前記ペルチェ素子に印加する電圧を変更する制御により行うことを特徴とする冷却装置。
  12. 請求項8乃至11のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記制御手段は、画像形成開始時に、前記記録材均熱温度の予測値が所定の値未満である場合に、前記放熱促進手段の動作を停止させることを特徴とする冷却装置。
  13. 記録材を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置において、
    前記冷却装置として、請求項1乃至12のいずれか一に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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