JP2015075608A - 音響放射装置 - Google Patents

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Ryuji Hashimoto
隆二 橋本
善彦 保田
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善彦 保田
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Abstract

【課題】1以上の孔部が形成された音源部材の振動に基づく音響の放射をより適切に実現する音響放射装置を提供する。【解決手段】音響放射装置30が、外部からの物理的作用に基づいて振動する、1以上の孔部が形成された音源部材10と、音源部材10に装着される1以上の音響放射部材20とを備える。音響放射部材20が音源部材10の振動に基づいて振動することにより、音響放射部材20から音が放射される。音響放射部材20は、不織布により構成される本体部と、粘着力を有する部材により構成される粘着層とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、音響放射装置に関する。
従来より、外部からの物理的作用(例えば、打撃)を受けて振動することにより音を発生する音源部材(例えば、体鳴楽器)が知られている。また、騒音の許容レベルが低い環境において以上の音源部材を使用するために、振動時に発生する音の大きさを低減させる技術(弱音化技術)が提案されている。例えば、特許文献1には、金属製の体鳴楽器の一種であるシンバルに形成された多数の小孔(孔部)により、外部からの打撃エネルギーを吸収して音を抑制する弱音化技術が提案されている。
特開平11−184459号公報
特許文献1には、さらに、多数の孔部が形成された音源部材(シンバル)の振動を、振動ピックアップを用いて検出して電気的に増幅することにより、音を増大させる技術が開示されている。しかしながら、以上の技術においては、処理回路(拡声装置)を介して増大された音がスピーカから放射されるに過ぎず、音源部材から放射される音は依然として弱音化されたままである。また、電気的な処理を必要とするので、実現するための技術的構成が複雑である上、電力の供給が必須とならざるを得ない。
以上の事情を考慮して、本発明は、孔部が形成された音源部材の振動に基づく音の放射をより適切に実現することを目的とする。
本発明の音響放射装置は、外部からの物理的作用に基づいて振動する、1以上の孔部が形成された音源部材と、前記音源部材に装着される1以上の音響放射部材とを備える。前記音響放射部材が前記音源部材の振動に基づいて振動することにより、当該音響放射部材から音が放射される。
本発明の音響放射装置において、「孔部」の形状および構成は任意である。例えば、平板状の部材に形成された貫通孔が「孔部」に相当する他、網状の部材に存在する線材間の間隙も「孔部」に相当する。
以上の構成によれば、孔部が形成された(すなわち、弱音化された)音源部材に音響放射部材を装着させることにより、音源部材への物理的作用に基づいて音響放射部材(音響放射装置)から音を放射させることが可能である。
本発明の好適な態様において、前記音源部材は、打撃されて振動する部材であり、前記音響放射部材は、前記音源部材に着脱可能なシート状の部材である。
以上の構成によれば、音源部材への音響放射部材の着脱により、音響放射装置から放射される音の大きさを調整することが可能である。
本発明の好適な態様において、前記音響放射部材は、粘着層を備え、前記粘着層を介して前記音響放射部材と前記音源部材とが互いに密着する。
以上の構成によれば、音響放射部材と音源部材とが互いに密着するので、音源部材の振動を音響放射部材に効率的に伝達することが可能である。
本発明の好適な態様において、前記音源部材が第1取付手段を有し、前記音響放射部材が第2取付手段を有し、前記第1取付手段と前記第2取付手段とが嵌まり合うことにより、前記音響放射部材が前記音源部材に装着される。
以上の構成によれば、音響放射部材を音源部材に簡易に装着することが可能である。
本発明の好適な態様において、前記音響放射部材が磁性部を有し、前記磁性部が有する磁力により、前記音響放射部材が前記音源部材に装着される。
以上の構成によれば、音響放射部材を音源部材に簡易に装着することが可能である。
本発明の好適な態様において、前記音源部材に第1取付孔が形成され、前記音響放射部材に第2取付孔が形成され、前記第1取付孔と前記第2取付孔とを貫通する取付手段により、前記音響放射部材が前記音源部材に装着される。
以上の構成によれば、音響放射部材を音源部材に簡易に装着することが可能である。また、音響放射部材および音源部材に予め何らかの部材を取り付けなくてよいという利点がある。
本発明の好適な態様において、複数の前記音響放射部材が前記音源部材に装着される。
本発明の音響放射部材は、外部からの物理的作用に基づいて振動する、1以上の孔部が形成された音源部材に装着され、前記音源部材の振動に基づいて振動することにより音を放射する。
本発明の音源部材は、外部からの物理的作用に基づいて振動する、1以上の孔部が形成された本体部と、前記本体部の振動に基づいて振動することにより音を放射する音響放射部材が取り付けられる取付部とを備える。
本発明の音響放射方法は、1以上の孔部が形成された音源部材に1以上の音響放射部材を装着すること、外部から物理的作用を付与することにより前記音源部材を振動させること、および前記音源部材の振動によって前記音響放射部材が振動させられ音を放射することを含む。
第1実施形態に係る音源部材を示す図である。 第1実施形態に係るシート状の音響放射部材を示す図である。 音源部材に音響放射部材が着脱される様子を示す図である。 音響放射部材が装着された音源部材を示す図である。 音源部材への打撃により発生した音圧レベルを示す図である。 相対音圧レベル(音響放射部材無し)の時間的推移を示す図である。 相対音圧レベル(第1サイズ)の時間的推移を示す図である。 相対音圧レベル(第2サイズ)の時間的推移を示す図である。 相対音圧レベル(第3サイズ)の時間的推移を示す図である。 相対音圧レベルの周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す図である。 図10の低周波数領域を拡大した図である。 第2実施形態に係る体鳴楽器であるシンバルを示す図である。 カップ部に音響放射部材が装着されたシンバルを示す図である。 エッジ部に音響放射部材が装着されたシンバルを示す図である。 相対音圧レベルの周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す図である。 4枚の音響放射部材が装着された音源部材を示す図である。 相対音圧レベルの周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す図である。 相対音圧レベルの周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す図である。 低周波数の音波に対応する振動モードを示す図である。 高周波数の音波に対応する振動モードを示す図である。 第4実施形態のスナップボタンによる装着の様子を示す図である。 第4実施形態のマグネットシートによる装着の様子を示す図である。 第4実施形態のリベットによる装着の様子を示す図である。 第4実施形態のリベットによる装着の様子を示す図である。
1. 第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る音源部材10を示す図である。音源部材10は、円盤状の金属板により構成される。音源部材10の中心部には、音源部材10を把持するためのストラップや音源部材10を支持するためのスタンド等の部材を取付可能な設置孔IHが形成される。音源部材10には円状の孔部Hが多数形成される。孔部Hの形状は任意である。例えば、図1に示されるような円状の孔部Hの他、楕円状の孔部Hまたは多角形状の孔部Hが採用され得る。
音源部材10は、外部からの物理的作用に基づいて振動する。例えば、打奏用のスティックにより打撃されて(加振されて)音源部材10の振動が励起され、所定期間にわたり振動状態が維持される。以上の振動により音源部材10から放射される音の大きさは、多数の孔部Hが形成されていない音源部材が同じ力の打撃によって振動する際に放射される音の大きさと比較して小さい。換言すると、本実施形態の音源部材10の音圧放射効率は、多数の孔部Hが形成されていない音源部材の音圧放射効率よりも低い。ここで、「音圧放射効率」とは、打撃の度合い(打撃対象への衝突速度)に対する音圧(音の大きさ)の比を意味する。
以上の現象に関して、音源部材10が有する音を放射させるための表面積(音圧放射面積)が、孔部Hが形成されていない音源部材の音圧放射面積よりも小さいことが、少なくとも一因であると理解される。
図2は、本発明の第1実施形態に係るシート状の音響放射部材20を示す図である。音響放射部材20は、不織布により構成される本体部Bと、粘着力を有する部材により構成される粘着層Aとを含む。音響放射部材20の剛性は、音源部材10の剛性よりも低い。一方で、孔部Hが形成されていない音響放射部材20の音圧放射効率は、多数の孔部Hが形成された音源部材10の音圧放射効率よりも高い。
図3に示すように、音響放射部材20は粘着層Aを介して音源部材10に着脱可能に装着される。両矢印の左側が離脱状態を示し、両矢印の右側が装着状態を示す。以上の装着状態においては、粘着層Aを介して音響放射部材20と音源部材10とが互いに密着し、音源部材10に形成された複数の孔部Hの一部が塞がれる。以下、音源部材10に装着された音響放射部材20と音源部材10とを併せて、音響放射装置30と称呼する場合がある。
音響放射装置30においては、音響放射部材20が音源部材10の振動に基づいて振動することにより、打撃された位置に関わらず、音響放射部材20から特異的に(局所的に)音が放射される。音響放射部材20が装着された箇所の音圧放射効率が、それ以外の箇所の音圧放射効率よりも高いからである。換言すると、音響放射装置30は、音響放射装置30全体が振動すると音響放射部材20から音が特異的に(局所的に)放射されるという放射特異性(放射指向性)を有する。
1−1. 実施例1
第1実施形態についての1つの実施例(実施例1)を以下に説明する。実施例1では、音響放射部材20のサイズによって音響放射装置30から放射される音の大きさ(音圧)がどのように変化するかについての実験が行われた。実施例1の実験では、以下に示す音源部材10および音響放射部材20が使用された。
音源部材10:直径300mm,厚さ1mmの円盤状ステンレス平板
音響放射部材20:厚さ0.17mmの不織布シート
音源部材10に形成された円状の各孔部Hの直径は2mmであった。音源部材10の開口率(全ての孔部Hが占める表面積/孔部Hが存在しない場合の音源部材10の表面積)は40%であった。第1サイズ(30mm×30mm)、第2サイズ(50mm×50mm)、および第3サイズ(70mm×70mm)を含む複数サイズの音響放射部材20が用いられた。
図4に示すように、音響放射部材20は、音響放射部材20の中心が音源部材10の半径r1の中点に一致するように装着された。図4では1つのサイズの音響放射部材20のみが示されているが、全てのサイズの音響放射部材20が以上のように装着された。なお、図4では、描画の簡単のため、各孔部Hおよび設置孔IHが省略されている。
本実施例の実験において、音響放射部材20が装着された音源部材10は、自然落下する木製スティックによって打撃された。打撃位置は、音源部材10の中心である半径r2の端点Pと円周上に位置する半径r2の端点Qとを結ぶ線分PQを2:1に内分する点であった。なお、半径r2は、音響放射部材20の中心を通過する半径r1に直交する線分であった。以上の打撃位置は、図4において「×」で示されている。以上の打撃によって発生した音の大きさ(音圧)は、音響放射部材20の直上30mmに設置されたマイクロフォンを利用して測定された。
図5に、音源部材10への打撃により発生した音圧レベルを示す。図5において、各サイズの音響放射部材20を用いた音響放射装置30からの音圧レベルは、音響放射部材20を装着しない音源部材10から放射された音圧レベルを基準(0dB)とした相対音圧レベルとして示される。図示の通り、音響放射部材20のサイズが大きい程、音響放射装置30から放射される音圧レベルが大きくなった。
図6から図9に、相対音圧レベル(マイクロフォンからの出力電圧)の時間的推移を示す。図6は、音響放射部材20を装着しない音源部材10から放射された音圧レベルを示す。図7から図9は、それぞれ、第1サイズから第3サイズの音響放射部材20が装着された音源部材10から放射された音圧レベルを示す。図5と同様、図6から図9においても、音響放射部材20のサイズが大きい程、音響放射装置30から放射される音圧レベルが大きくなったことが明らかである。
図10は、相対音圧レベルの時間波形をフーリエ変換して得られた周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す。図11は、図10の低周波数領域(0Hz〜1000Hz)を拡大した図である。第1サイズの音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(実線)と、第3サイズの音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(点線)とが、図10および図11に描かれている。
図10および図11に示されるように、第1サイズの音響放射部材20を用いた場合の周波数ピークの位置と、第3サイズの音響放射部材20を用いた場合の周波数ピークの位置とがそれぞれ一致した。一般的に、振動する音源部材からの音圧の周波数スペクトルに含まれる複数の周波数ピークは、それぞれ、その音源部材が有する複数の振動モードに対応する。したがって、異なるサイズの音響放射部材20を装着しても音源部材10(音響放射装置30)の振動モードは変化しなかったことが、図10および図11から理解される。
以上のように、実施例1の実験においては、音響放射部材20のサイズを変えることにより、音響放射部材20が装着された音源部材10(音響放射装置30)から放射される音の大きさが変化した。一方で、音響放射部材20の装着は、音源部材10(音響放射装置30)の振動特性(振動モード)に影響を与えなかった。
1−2. 本実施形態の効果
以上の本実施形態の構成によれば、多数の孔部Hが形成された(すなわち、弱音化された)音源部材10に音響放射部材20を装着させることにより、音源部材10への打撃に基づいて音響放射部材20(音響放射装置30)から音を放射させることができる。音響放射部材20の音圧放射効率は音源部材10の音圧放射効率を上回るので、音源部材10への打撃により音響放射部材20から音が特異的に放射される。
また、本実施形態の音響放射部材20は、音源部材10よりも剛性が極めて低いため、音源部材10へ装着しても、音源部材10の振動の振る舞い(振動特性、振動モード)を変えること無く、音圧放射効率のみを変えることができる。
放射される音の大きさ(音圧レベル)は、音源部材10に装着される音響放射部材20のサイズが大きい程に大きくなる。したがって、音響放射部材20のサイズを変えることで放射される音の大きさを変化させることができる。
2. 第2実施形態
本発明の第2実施形態を以下に説明する。以下に例示する各実施形態において、作用、機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の説明を適宜に省略する。
第1実施形態の音源部材10は、体鳴楽器に応用することが可能である。第2実施形態では、第1実施形態の構成を体鳴楽器であるシンバルに応用する。図12は、本発明の第2実施形態に係るシンバル100を示す図である。シンバル100は、カップ部110とボウ部120とエッジ部130とを有する。
カップ部110は、シンバル100の中心部に位置する半球状(ドーム状)に突出した部位である。ボウ部120は、カップ部110を取り囲むように位置する笠状(シェード状)の部位である。エッジ部130は、ボウ部120を更に取り囲むように位置する環状の部位である。カップ部110の中心には、ストラップやスタンド等の部材を取付可能な設置孔IHが形成される。描画の簡単のため図12では省略されているが、シンバル100には、第1実施形態と同様に円状の孔部Hが多数形成される。
2−1. 実施例2
第2実施形態についての1つの実施例(実施例2)を以下に説明する。実施例2では、音響放射部材20の装着位置によって音響放射装置30から放射される音の性質(振動特性)がどのように変化するかについての実験が行われた。実施例2の実験では、以下に示すシンバル100および音響放射部材20が使用された。
シンバル100:直径300mm,厚さ1mmのシンバル
音響放射部材20:厚さ0.17mmの不織布シート
各孔部Hの直径およびシンバル100の開口率は実施例1と同様であった。30mm×30mmサイズ(実施例1の第1サイズに相当)の音響放射部材20が用いられた。音響放射部材20は、図13および図14に示されるように、カップ部110およびエッジ部130のいずれかに装着された。本実施例の実験における打撃位置も実施例1と同様であり、図13および図14において「×」で示されている。打撃により発生した音は、実施例1と同様に測定された。
図15は、打撃により生じた相対音圧レベルの時間波形をフーリエ変換して得られた周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す。カップ部110に音響放射部材20が装着されたシンバル100からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(実線)と、エッジ部130に音響放射部材20が装着されたシンバル100からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(点線)とが描かれている。
図15に示されるように、低周波数領域(0Hz〜1000Hz)においては、エッジ部130に音響放射部材20が装着されたシンバル100からの音(音圧)の方が、カップ部110に音響放射部材20が装着されたシンバル100からの音よりも大きかった。一方で、中〜高周波領域(1000Hz以上)において両者に目立った差異は観察されなかった。
以上のように、実施例2の実験においては、シンバル100における音響放射部材20の装着位置を変えることにより、放射される相対音圧レベルの周波数特性が変化した。
2−2. 本実施形態の効果
以上の本実施形態の構成によれば、シンバル100(音源部材10)における音響放射部材20の装着位置を変化させることにより、シンバル100(音源部材10)の振動状態には実質的な変化を与えないにも関わらず、音響放射装置30から放射される音圧レベルの周波数特性を変化させることが可能であり、ひいては、音響放射装置30からの音の音色を変化させることが可能である。
3. 第3実施形態
第1実施形態および第2実施形態における音響放射部材20は正方形状である。第3実施形態では、様々なタイプの音響放射部材20が音源部材10に装着される。例えば、長方形状の音響放射部材20や、円状の音響放射部材20、十字架状の音響放射部材20が音源部材10に装着され得る。
3−1. 実施例3
第3実施形態についての1つの実施例(実施例3)を以下に説明する。実施例3では、音響放射部材20のタイプによって音響放射装置30から放射される音響の性質(振動特性)がどのように変化するかについての実験が行われた。実施例3の実験では、以下に示す音源部材10および音響放射部材20が使用された。
音源部材10:直径300mm,厚さ1mmの円盤状ステンレス平板
音響放射部材20:厚さ0.17mmの不織布シート
各孔部Hの直径および音源部材10の開口率は実施例1と同様であった。1枚の50mm×50mmサイズ(実施例1の第2サイズに相当)の音響放射部材20と、4枚の25mm×25mmサイズの音響放射部材20とが用いられた。当然ながら、1枚の50mm×50mmサイズの音響放射部材20の総面積と4枚の25mm×25mmサイズの音響放射部材20の総面積とは一致する。50mm×50mmサイズの音響放射部材20は、実施例1(図4)と同様に音源部材10に装着された。
一方、4枚の25mm×25mmサイズの音響放射部材20は、図16に示されるように、正方形状に並べられて音源部材10に装着された。これらの音響放射部材20は、互いに10mmずつ離隔するように配置された。さらに、4枚の音響放射部材20が成す正方形の中心が音源部材10の半径r1の中点に一致するように配置された。
本実施例の実験における打撃位置も実施例1と同様であり、図4および図16において「×」で示されている。打撃により発生した音は、実施例1と同様に測定された。
図17および図18は、打撃により生じた相対音圧レベルの時間波形をフーリエ変換して得られた周波数領域の波形(周波数スペクトル)を示す。4枚の25mm×25mmサイズの音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(実線)と、1枚の50mm×50mmサイズの音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの周波数スペクトル(点線)とが、図17および図18に描かれている。
図17は0Hzから500Hzの領域に対応し、図18は500Hzから2000Hzの領域に対応する。図17に示されるように、0Hzから80Hzまでの領域では、音響放射部材20の枚数は放射された相対音圧レベルに影響を与えなかった。また、80Hzから500Hzまでの領域では、1枚の音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの方が、4枚の音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルを僅かに(5dB程度)上回った。一方、500Hzから2000Hzまでの領域では、1枚の音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルの方が、4枚の音響放射部材20が装着された音源部材10からの相対音圧レベルを大幅に(20dB程度)上回った。
以上のように、音響放射部材20の総面積が同じであっても、音響放射部材20のタイプ(1枚であるか、4枚に分割されているか)に応じて、相対音圧レベルの周波数特性が変化した。以上の現象は、以下のように理解できる。
一般的に、音源部材10は、複数の振動モードにおいて同時に振動し、複数の周波数の音(音圧)を放射する。図19は低周波数の音波に対応する振動モードを示し、図20は高周波数の音波に対応する振動モードを示す。図19および図20において「+」で示される領域(以下、「+領域」)と「−」で示される領域(以下、「−領域」)とは、音源部材10が振動する際、互いに反対方向に振動する。例えば、+領域が音源部材10の上面方向に振動する際には、−領域は音源部材10の下面方向に振動する。
図19および図20では、実施例3のように、複数の音響放射部材20が音源部材10に装着される。低周波数の音圧を発生する図19の振動モードにおいては、+領域および−領域が細分化されていないため、複数の音響放射部材20が同じ領域に位置する。結果として、各音響放射部材20から放射される音波の位相が揃って強め合うため、放射される音圧レベルが大きくなる。
一方、高周波数の音圧を発生する図20の振動モードにおいては、+領域および−領域が細分化されているため、一部の音響放射部材20が+領域に位置する一方で、他の一部の音響放射部材20が−領域に位置する。結果として、各音響放射部材20から放射される音波の位相が相反して打ち消し合うため、放射される音圧レベルが小さくなる。
3−2. 本実施形態の効果
以上の本実施形態の構成によれば、様々なタイプ(形状、枚数等)の音響放射部材20を装着することにより、音源部材10(音響放射装置30)から放射される音の大きさや音色(音圧レベルの周波数特性)を調整することが可能である。
4. 第4実施形態
以上の実施形態では、音響放射部材20が、粘着層Aを介して音源部材10に装着される。第4実施形態では、音響放射部材20が様々な手段で音源部材10に装着される。
4−1. スナップボタンによる装着
図21に示されるように、本構成では、音源部材10は凹状(雌)スナップボタンSa(第1取付手段)を有し、音響放射部材20は凸状(雄)スナップボタンSb(第2取付手段)を有する。図21では、音源部材10の一部が描かれており、孔部Hは省略されている。凹状スナップボタンSaと凸状スナップボタンSbとが嵌まり合うことにより、音響放射部材20が音源部材10に装着される。
図21のように、音響放射部材20側の凸状スナップボタンSbよりも、音源部材10側の凹状スナップボタンSaの方が多く設けられてもよい。以上の構成によれば、音響放射部材20が装着される位置を簡易に変化させることが可能である。
なお、以上の構成において、音源部材10が凸状スナップボタンSbを有し、音響放射部材20が凹状スナップボタンSaを有してもよい。
4−2. マグネットシートによる装着
図22に示されるように、本構成では、音響放射部材20がマグネットシートM(磁性部)を有する。本構成の音源部材10は、磁性を有する金属(合金)により構成される。音響放射部材20は、マグネットシートMが有する磁力により、音源部材10に装着される。
音響放射部材20が有するマグネットシートMの数が多い程、音源部材10に対する音響放射部材20の固定強度が高まる。なお、音源部材10が磁性を有さない場合には、音源部材10にもマグネットシートMを貼付することで、音響放射部材20と音源部材10とを装着することが可能となる。
4−3. リベットによる装着
図23に示されるように、本構成では、音源部材10には第1取付孔AH1が形成され、音響放射部材20には第2取付孔AH2が形成される。音源部材10においては、多数の孔部Hの一部として第1取付孔AH1が形成されてもよい。図24に示されるように、音響放射部材20は、第1取付孔AH1と第2取付孔AH2とを貫通するリベットR(取付手段)により、音源部材10に装着される。
また、以上の分離型のリベットRに代えて、頭部と脚部とを備えるプッシュリベットが採用されてもよい。プッシュリベットは、装着前から頭部と脚部とが組み合わされた部材であり、装着時の押込みにより頭部が脚部を押し広げることで貫通孔へ固定される。なお、プッシュリベットはプラスチック素材により構成されることが一般的である。
4−4. 本実施形態の効果
以上の構成によれば、容易に音響放射部材20を音源部材10に着脱できる。また、粘着層Aが音源部材10に密着しないので、粘着層Aが有する損失付与効果が抑制される。結果として、音響放射装置30から放射される音圧レベルが高く維持される。
リベットRにより装着する構成においては、音源部材10および音響放射部材20には取付孔AH(第1取付孔AH1、第2取付孔AH2)を形成しておけばよく、予め何らかの部材を音源部材10および音響放射部材20に取り付けておかなくてよいという利点がある。さらに、プッシュリベットにより装着する構成においては、音源部材10および音響放射部材20の一方のみからプッシュリベットを取付孔AH(第1取付孔AH1、第2取付孔AH2)に挿入することで容易に固定可能であり、他方からの装着動作を不要にできるという利点がある。
5. 変形例
以上の実施の形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
5−1. 変形例1
第1実施形態では、複数の貫通孔が孔部Hとして開けられた金属板が、弱音化された音源部材10として採用される。しかしながら、音源部材10において、孔部Hの形成手段および構成は任意である。例えば、金属製の網が弱音化された音源部材10として採用されてもよい。以上の構成においては、金属製の網を構成する線材同士の間に存在する間隙が、孔部Hに相当する。また、1つの孔部Hを有する枠状(環状、ドーナツ状)の音源部材10が採用されてもよい。
5−2. 変形例2
以上の実施形態では、音源部材10は打撃されて振動する。しかしながら、外部からの任意の物理的作用に基づいて音源部材10が振動してよい。例えば、人間の手指で擦って演奏されることにより(すなわち、擦奏されることにより)音源部材10が振動してもよい。
5−3. 変形例3
以上の実施形態では、音響放射部材20が音源部材10に着脱可能に装着される。しかしながら、音響放射部材20が、一度装着された後は脱離不可能であるように装着されてもよい。例えば、難剥離性の樹脂にて構成された音響放射部材20が音源部材10に装着されてもよい。
5−4. 変形例4
以上の実施形態では、シート状の不織布が音響放射部材20として採用される。しかしながら、様々な素材が音響放射部材20として採用されてもよい。例えば、シート状の樹脂が音響放射部材20として採用され得る。また、塗料にて塗装された不織布が音響放射部材20として採用されてもよい。
5−5. 変形例5
以上の実施形態では、平板状の音源部材10の片側に音響放射部材20が装着される。しかしながら、平板状の音源部材10の両側に(すなわち、音源部材10を挟み込むように)音響放射部材20が装着されてもよい。
5−6. 変形例6
第2実施形態のシンバル100に加え、様々な体鳴楽器を音源部材10として採用することが可能である。シンバル100(サスペンデッドシンバル)のような、スティックや、マレット、ビーター、ブラシ等での打奏によって振動する打楽器(例えば、カウベル、アゴゴ、銅鑼)が、音源部材10として採用され得る。合わせシンバル(クラッシュシンバル)やクラベス等、楽器同士を相互に打撃させる打楽器も音源部材として採用され得る。マリンバや、シロフォン、ヴィブラフォン、グロッケンシュピール等、打撃されることにより特定のピッチの音が明確に出力される鍵盤打楽器も音源部材10として採用され得る。ギロや、グラスハープ、ミュージカルソー等、擦奏される体鳴楽器も音源部材10として採用され得る。
10……音源部材、100……シンバル、110……カップ部、120……ボウ部、130……エッジ部、20……音響放射部材、30……音響放射装置、A……粘着層、AH1,AH2……取付孔、B……本体部、H……孔部、IH……設置孔、M……マグネットシート、P……端点、PQ……線分、Q……端点、R……リベット、Sa,Sb……スナップボタン、r1,r2……半径。

Claims (5)

  1. 外部からの物理的作用に基づいて振動する、1以上の孔部が形成された音源部材と、
    前記音源部材に装着される1以上の音響放射部材とを備え、
    前記音響放射部材が前記音源部材の振動に基づいて振動することにより、当該音響放射部材から音が放射される
    音響放射装置。
  2. 前記音源部材は、打撃されて振動する部材であり、
    前記音響放射部材は、前記音源部材に着脱可能なシート状の部材である
    請求項1の音響放射装置。
  3. 前記音響放射部材は、粘着層を備え、
    前記粘着層を介して前記音響放射部材と前記音源部材とが互いに密着する
    請求項2の音響放射装置。
  4. 前記音源部材が第1取付手段を有し、
    前記音響放射部材が第2取付手段を有し、
    前記第1取付手段と前記第2取付手段とが嵌まり合うことにより、前記音響放射部材が前記音源部材に装着される
    請求項2の音響放射装置。
  5. 複数の前記音響放射部材が、前記音源部材に装着される
    請求項1から請求項4のいずれかの音響放射装置。
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