JP2015075423A - 地図データ書き換え装置および地図データ書き換えプログラム - Google Patents

地図データ書き換え装置および地図データ書き換えプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】車両の実際の走行軌跡に基づいて地図データを書き換える技術において、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減する。【解決手段】地図データに記載された1つのカーブC1−C2を車両が実際に通過した走行軌跡P1〜P14に基づいて、地図データに記載されたカーブC1−C2の情報を書き換える地図データ書き換え装置において、走行軌跡P1〜P14に基づいて、地図データに記載されたのカーブC1−C2内で、向きが交互に変わる3個のカーブ検出した場合、カーブの情報を書き換えることを禁止する。【選択図】図7

Description

本発明は、地図データ書き換え装置および地図データ書き換えプログラムに関するものである。
従来、車両が実際に走行して得た走行軌跡に基づいて、地図データの情報を書き換える技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2011−203240号公報 特開2011−2466号公報 特開2009−156783号公報
しかし、従来の技術は、車両が車線を逸脱せず、正しく走行していることが前提となっている。車両が車線を逸脱するように走行した場合にまで、走行軌跡に基づいて地図データの情報を書き換えてしまっては、地図データの内容が却って不正確になってしまう可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、車両の実際の走行軌跡に基づいて地図データを書き換える技術において、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、地図データに記載された1つのカーブ(C1−C2)を車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、前記禁止手段は、前記走行軌跡に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブ内で、第1のカーブ、前記第1のカーブの後に発生して前記第1のカーブと向きが異なる第2のカーブ、および、前記第2のカーブの後に発生して前記第2のカーブと向きが異なる第3のカーブを検出した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置である。
地図データでは1つのカーブとなっているところで、車両の実際の走行軌跡に基づいて上記のような第1〜第3のカーブが検出された場合は、カーブ上に障害物があり、やむを得ず車線逸脱を行うような場合である可能性が高い。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。
また、上記目的を達成するための請求項3に記載の発明は、地図データに記載された、左側車線地域における右カーブまたは右側車線地域における左カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡をイン側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアおよび出口エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を通っていると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置である。
レース模擬走法としてアウトインアウト走法およびS字ショートカット走法がある。これらの走法では、左側車線地域における右カーブまたは右側車線地域における左カーブでは、当該1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで走行軌跡が想定軌跡をイン側車線に逸脱し、更に、当該1つのカーブの入口エリアおよび出口エリアで走行軌跡が想定軌跡と同じ車線(アウト)を通る。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。
また、上記目的を達成するための請求項5に記載の発明は、地図データに記載された、左側車線地域における左カーブまたは右側車線地域における右カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記1つのカーブの手前で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの出口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの後で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線に復帰したと判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置である。
左側車線地域における左カーブまたは右側車線地域における右カーブにおけるレース模擬走法としてアウトインアウト走法がある。この走法では、カーブに入る前にアウトに膨らみ、その後カーブ内でインに切り込み、カーブの出口付近で再度アウトに膨らみ、カーブを出た後にインに復帰する。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。
また、請求項1、3、5に係る発明の特徴は、請求項7、8、9に記載のように、プログラムの発明の特徴として捉えることもできる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本発明の実施形態に係る車載システムの構成図である。 道路形状学習処理のフローチャートである。 地図カーブ情報に含まれるデータを表す図である。 第1走行内容判定処理のフローチャートである。 直前のカーブC1−C2およびその前後を走行した走行軌跡P1〜P14の例を表す図である。 直前のカーブC1−C2およびその前後を走行した走行軌跡P1〜P14の別例(右カーブ)を表す図である。 直前のカーブC1−C2およびその前後を走行した走行軌跡P1〜P14の別例(左カーブ)を表す図である。

レース模擬走法(右カーブアウトインアウト走法)を行った場合の走行軌跡P1〜P14の例を表す図である。 レース模擬走法(右カーブアウトインアウト走法)を行った場合の走行軌跡P1〜P14の別例を表す図である。 レース模擬走法(右カーブアウトインアウト走法)を行った場合の走行軌跡P1〜P14の別例を表す図である。 レース模擬走法(S字ショートカット走法)を行った場合の走行軌跡P1〜P14の例を表す図である。 レース模擬走法(左カーブアウトインアウト走法)を行った場合の走行軌跡P1〜P14の例を表す図である。 第2走行内容判定処理の一部を表すフローチャートである。 第2走行内容判定処理の他の一部を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る車載システムは、車両に搭載され、道路形状学習演算装置1(以下、単に演算装置という)、GNSS受信機2、ジャイロセンサ3、加速度センサ4、車両通信コントローラ5、および、地図データ記憶部6を有している。
演算装置1(地図データ書き換え装置の一例に相当する)は、CPU、RAM、ROM等を備えた周知のマイクロコンピュータを用いて実現できる。上記CPUが上記RAMを作業領域として上記ROMに記録されたプログラムを実行することにより、演算装置1が後述する道路学習処理等を実行する。
GNSS受信機2は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System、略してGNSS)を用いて自車両の位置を特定する装置である。具体的には、GNSS受信機2は、複数の航法衛星から信号を受信することで、自車両の位置を特定することができる。演算装置1は、後述する衛星航法で、このGNSS受信機2を用いる。
ジャイロセンサ3、加速度センサ4は、いずれも周知であり、本実施形態では、演算装置1によって後述する自律航法で用いられる。
車両通信コントローラ5は、CAN(Controller Area Network)等の車両通信ネットワーク(車内LANともいう)を介して、同じ車両内に搭載された他の車載機と通信するための通信インターフェースである。演算装置1は、この車両通信コントローラ5を用いて、車両通信ネットワークから車両速度情報およびハンドル舵角情報を取得し、後述する自律航法に用いる。
地図データ記憶部6は、ノード、リンク等の情報を含む周知の地図データが記録された記憶媒体である。本実施形態では、この記憶媒体は書き換え可能となっているので、地図データの内容は演算装置1によって修正可能となっている。
本実施形態では、この地図データを、地図表示、目的地までの経路探索等に加え、地図連携ADAS(Advanced Driving Assistance System、先進運転支援システム)にも使用するようになっている。地図連携ADASは、地図データに記録されている走路情報(例えば、走路の道路形状)に基づいて車両の挙動(舵角、加速、制動)を制御することで、ドライバーによる車両の運転を支援する周知のシステムである。
なお、地図表示、目的地までの経路探索、地図連携ADASのための制御を行う装置は、上記演算装置1でもよいし、演算装置1とは別に同じ車両内に搭載された装置(例えば車両用ナビゲーション装置)が行うようになっていてもよい。
地図データ記憶部6の地図データは、地図連携ADASに用いられるので、走路形状情報が高精度であることが望ましい。このため、本実施形態では、演算装置1が、自車両の走行軌跡に応じて地図データ中の走路形状情報を修正する。
特に、走路形状情報のうち、カーブにおける走路形状情報(以下、地図カーブ情報という)を修正するために、演算装置1は、図2にフローチャートで示す道路学習処理を実行する。演算装置1は、自車両の走行中(例えば、車速が時速1km以上の場合)に、所定の演算周期TT毎に(例えば、100ミリ秒に1回でもよいし、30ミリ秒に1回でもよい)繰り返し、この道路学習処理を実行するようになっている。
演算装置1は、各回の道路学習処理では、まずステップ110で、走行軌跡を更新する。具体的には、自律航法(相対位置の算出)および衛星航法(絶対位置の算出)を相補的に用いて(ただし、マップマッチングは行わず)、自車両の現在の車両位置を特定し、特定した車両位置を、RAM内の走行軌跡データに追加する。したがって、上記演算周期毎に、RAM内の走行軌跡データに、自車両の最新の位置が追加されていくので、走行軌跡データは、演算周期毎の自車両の実際の走行軌跡を時系列順に表す点列データになる。
続いてステップ120では、RAM内の走行軌跡データによって表される走行軌跡に対応する地図データを取得する。具体的には、まず、走行軌跡中の車両位置から、新しく追加された順に(すなわち、最新の車両位置、最新よりも1回前の車両位置、最新よりも2回前の車両位置といった風に)規定個数だけ、選び出す。この規定個数は、複数であり、2個でも、3個以上でもよいが、本実施形態では、5個とする。そして、走行軌跡から抽出した規定個数の車両位置のそれぞれについて、当該車両位置からの最短距離が最も短いリンクを、当該車両位置に対応する走行リンクとして、地図データから選んで取得する。ここで取得するリンクの数は、重複がなければ規定個数であり重複があれば規定個数未満である。
続いてステップ130では、上記のように抽出したリンクに基づいて、自車両が地図データ上のカーブを通過した後の所定の判定タイミングであるか否かを判定する。この際、演算装置1は、地図データに含まれる上述の地図カーブ情報を利用する。
地図カーブ情報は、カーブ毎に設定される情報である。そして地図カーブ情報は、図3に示すように、対象とするカーブ21の曲率半径R、当該カーブの始点から終点までの曲がり角度θ、当該カーブの向き(右カーブか左カーブか)、および、当該カーブが含むリンク22a〜22fのリストを含んでいる。
演算装置1は、この地図カーブ情報に基づいて、
(A)抽出した規定個数の車両位置のうち最も古い車両位置に対応する走行リンクが、いずれか1つのカーブに含まれる。
(B)抽出した規定個数の車両位置のうち最も古い車両位置以外に対応する走行リンクのすべてが、上記1つのカーブに含まれない。
という2つの条件(A)、(B)の両方が満たされる場合に、自車両が地図データ上のカーブを通過した後の所定の判定タイミングであると判定し、それ以外の場合には、当該判定タイミングでないと判定する。
つまり、カーブを通過した後の所定の判定タイミングは、カーブを通過してある程度車両が走行した時点のタイミングに相当する。
そして、自車両が地図データ上のカーブを通過した後の所定の判定タイミングであると判定した場合は、ステップ140に進み、当該判定タイミングでないと判定した場合は、今回の道路学習処理を終了する。
したがって、演算装置1は、当該判定タイミングでないとステップ130で判定する状況(例えば、直線道路を長く走行している状況)では、ステップ110、120、130を繰り返すことで、RAM内の走行軌跡データに、自車両の位置を順次追加蓄積していく。
一方、演算装置1は、自車両が地図データ上のカーブを通過した後の所定の判定タイミングが到来した時点で、ステップ130からステップ140に進み、第1走行内容判定処理を実行する。
第1走行内容判定処理では、自車両が直前のカーブで障害物回避走行をしたか否かを判定して判定結果を障害物回避走行フラグに反映させる。なお、ここおよびこれ以降で言及される直前のカーブとは、ステップ130で地図カーブ情報に基づいて直前リンクが含まれると判定した1つのカーブである。
この第1走行内容判定処理の詳細を、図4に示す。演算装置1は、まずステップ205で、RAM内の走行軌跡データのうち、直前のカーブを走行した走行軌跡を抽出する。具体的には、図5に例示するように、走行履歴データに含まれる複数の車両位置P1〜P14のそれぞれについて、当該車両位置からの最短距離が最も短いリンクを特定して走行リンクとする。例えば、リンクL1〜L7のうち、車両位置P1の走行リンクは、リンクL1であり、車両位置P7の走行リンクは、リンクL4である。
なお、図5において、実線S1、S2は、道路境界を表しており、破線C1、C2は、それぞれカーブの入口および出口を表している。
そして、地図カーブ情報によれば直前のカーブに含まれるリンク(すなわち、リンクL2〜L6)のいずれかを走行リンクとする複数の車両位置P3〜P9を、直前のカーブを走行した走行軌跡として、RAM内の走行軌跡データから抽出する。
続いてステップ210では、ステップ205で抽出した走行軌跡P3〜P9に基づいて、カーブの検出を行う。走行軌跡に基づいてカーブの検出を行う技術は周知であるが、ここでは、その一例を説明する。
まず、抽出した走行軌跡中の車両位置P3〜P9のそれぞれにおけるカーブ曲率半径およびカーブの向き(すなわち、右カーブか左カーブか)を算出する。ある車両位置におけるカーブ曲率半径およびカーブの向きは、その車両位置およびその車両位置の近傍にある2個以上の他の車両位置に基づいて算出する。例えば、車両位置P6におけるカーブ曲率半径およびカーブの向きは、車両位置P5、P6、P7の3つの位置を用いて算出してもよい。
次に、抽出した走行軌跡中の車両位置P3〜P9から、カーブ曲率半径が所定長さ以上となっている車両位置、すなわち、実質的に直進しているときの車両位置を、取り除く。図5のように自車両が走行した例では、車両位置P3〜P9のうち実質的に直進しているときの車両位置はないので、1個も取り除かれない。
ここで、車両位置P1〜P14が、図5(通常のカーブ走行に相当する)とは異なる図6のようになった場合について説明する。なお、図6中の各符号が指し示すものの意味は、図5と同じである。
車両位置P1〜P14が図6のように蛇行する場合は、カーブ上に障害物X(落下物、工事現場、駐車車両等)があり、やむを得ず車線逸脱を行うような場合である。すなわち、外的要因Xによる正しくない走行が発生した場合である。このような場合の走行軌跡P3〜P9は、地図カーブ情報の修正に用いたくない。
図6のように自車両が走行した例の場合、ステップ205で抽出した走行軌跡中の車両位置P3〜P9のうち、車両位置P7が、カーブ曲率半径が所定長さ以上となっている車両位置なので、取り除かれる。
ここで更に、車両位置P1〜P14が、右カーブにおける図5や図6とは異なり、左カーブにおける図7のようになった場合について説明する。なお、図7中の各符号が指し示すものの意味は、図5と同じである。
車両位置P1〜P14が図7のように蛇行する場合は、カーブ上に障害物X(落下物、工事、駐車車両等)があり、やむを得ず車線逸脱を行うような場合である。すなわち、外的要因Xによる正しくない走行が発生した場合である。このような場合の直前のカーブの走行軌跡P3〜P9も、地図カーブ情報の修正に用いたくない。
図7のように自車両が走行した例の場合、ステップ205で抽出した走行軌跡中の車両位置P3〜P9のうち、車両位置P3、P9が、カーブ曲率半径が所定長さ以上となっている車両位置なので、取り除かれる。
そして、取り除いた後に残った走行軌跡、すなわち、実質的に曲がっているときの車両位置の群を、カーブの向きでグルーピングする。より具体的には、走行順に1つだけ孤立したカーブの向きとなっている車両位置、および走行順に2つ以上連続してカーブの向きが同じになっている車両位置の群を、1つのカーブとしてグルーピングする。このような処理により、走行軌跡に基づくカーブが検出される。
図5の例の場合、車両位置の群P3〜P9のうちすべてが、右カーブとなっているので、抽出された車両位置の群P3〜P9のすべてが、1個の右カーブとしてグルーピングされる。
これに対し、図6の例の場合、車両位置P7が取り除かれた後に残った車両位置の群P3〜P6、P8、P9のうち、車両位置P3、P4は連続して右カーブとなっている。そして、車両位置P5、P6は連続して左カーブとなっており、車両位置P8、P9は連続して右カーブになっている。
したがって、車両位置P3、P4が1個の右カーブとしてグルーピングされ、車両位置P5、P6が1個の左カーブとしてグルーピングされ、車両位置P8、P9が1個の右カーブとしてグルーピングされる。
また、図7の例の場合、車両位置P3、P9が取り除かれた後に残った車両位置の群P4〜P8のうち、車両位置P4は1個で孤立して右カーブとなっており、車両位置P5、P6は連続して左カーブとなっている。また、車両位置P7は1個1個で孤立して右カーブになっており、車両位置P8は1個1個で孤立して連続して左カーブになっている。
したがって、車両位置P3が1個の右カーブとしてグルーピングされ、車両位置P5、P6が1個の左カーブとしてグルーピングされ、車両位置P7が1個の右カーブとしてグルーピングされ、車両位置P9が1個の左カーブとしてグルーピングされる。
このようにしてグルーピングされた個々のカーブを、1個のカーブとして検出する。したがって、図5の例では、1個の右カーブのみが検出され、図6の例では、右、左、右と向きが交互に変わる3つのカーブ(順に第1のカーブ、第2のカーブ、第3のカーブの一例に相当する)が検出される。また、図7の例では、右、左、右、左と向きが交互に変わる4つのカーブ(最初の3つのカーブが、順に第1のカーブ、第2のカーブ、第3のカーブの一例に相当する)が検出される。
続いてステップ215では、ステップ210において、向きが交互(右、左、右の順でもよいし、左、右、左の順でもよい)に変わる3つのカーブを検出したか否かを判定する。
図5の例では、1個しかカーブを検出していないので、検出していないと判定される。また、図6、図7の例では、検出したと判定される。なお、図7の例について補足説明すると、右、左、右、左と向きが交互に変わる4つのカーブが検出されたということは、当然のことながら、右、左、右と向きが交互に変わる3つのカーブ(最初の3つのカーブ)が検出されたことにもなる。
ステップ215で検出していると判定した場合は、ステップ220に進む。検出していないと判定した場合は、ステップ235に進み、障害物回避走行フラグをオフに設定し、第1走行内容判定処理を終了する。
なお、外的要因Xによる車線逸脱が発生する場合であっても、図6の例に対して、車両位置P6位置がカーブのアウト側にずれ、その結果、車両位置P5、P6、P7が一直線に並ぶ可能性がある。この場合は、車線を逸脱するためのステアリング操作が発生し、さらにカーブの形状に沿った経路を辿るためのステアリング操作が発生し、その後車線逸脱した分をキャンセルするだけの前述と逆方向のステアリング操作が発生し、計4箇所のカーブが地図データに基づくカーブ中に発生する。
その場合、図6の例に対して、車両位置P6のカーブ曲率半径が所定長さ以上に変わり、車両位置P7のカーブ曲率半径が所定長さ未満に変わると共にカーブの方向が左カーブになる。つまり、進行順に、右カーブ、左カーブ、左カーブ、右カーブという4つのカーブ走行が発生する。
このような場合、演算装置1は、ステップ210で、まず、車両位置の群P3〜P9から、カーブ曲率半径が所定長さ以上である車両位置P6を取り除く。そして、グルーピングにおいて、車両位置P3、P4が1個の右カーブとしてグルーピングされ、車両位置P5、P7が1個の左カーブとしてグルーピングされ、車両位置P8、P9が1個の右カーブとしてグルーピングされる。なお、車両位置P5と車両位置P7は、車両位置P6が取り除かれているので、連続した車両位置とみなされる。その結果、図6の例と同様に、右、左、右と向きが交互に変わる3つのカーブが検出され、ステップ215では、向きが交互に変わる3つのカーブを検出したと判定し、ステップ220に進む。
ステップ220では、直前のカーブC1−C2に含まれるリンクL2〜L6に接続するノードN1〜N6の位置に基づいて、当該カーブC1−C2を正常に走行した場合の想定軌跡を決定する。本実施形態の演算装置1は、左側車線地域(左側通行地域ともいう)の道路を対象としているので、図6に例示するように、ノードN1〜N6を自車両の進行方向左側にずらしたオフセット位置Nd1〜Nd6を設定する。そして、それらオフセット位置Nd1〜Nd6を直線で繋いだ経路Tdを、想定軌跡とする。
ここで、ノードN1〜N6とオフセット位置Nd1〜Nd6の位置関係について更に説明する。ノードNi(ただしi=1〜6)からオフセット位置Ndi(ただしi=1〜6)への位置ずれの距離は、例えば、あらかじめ定められた平均的な車線幅の1/2程度の距離として、あらかじめ設定しておく。ノードNiからオフセット位置Ndiへの位置ずれの方向は、当該ノードの前のノードから次のノードまで引いた直線に垂直で、かつ、自車両の進行方向に対して左側となる方向に設定する。なお、自車両の進行方向は、走行軌跡P3〜P9に基づいて設定する。
想定軌跡Tdを決定した後は、ステップ225に進み、決定した想定軌跡Tdを、ステップ210で抽出した走行軌跡P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9と比較し、走行軌跡P3〜P9の想定軌跡Tdに対する逸脱量が、基準値以上であるか否かを判定する。
ここで、逸脱量としては、走行軌跡に含まれるすべての車両位置P3〜P9の各々について、当該車両位置から想定軌跡Tdまでの最短距離を算出し、それら最短距離のうち最大値を逸脱量としてもよい。あるいは、それら最短距離のうち大きい方から順に3個の最短距離の平均値を逸脱量としてもよい。
また、逸脱量と比較する基準値は、例えば、あらかじめ定められた平均的な車線幅の1倍以下かつ2/3倍以上に相当する距離として、あらかじめ設定しておく。外的要因によって車線逸脱が発生する場合は、多くの場合、上記逸脱量が車線幅の2/3に相当する距離より大きくなると考えられる。
図6、図7の例では、外的要因によって車線逸脱が発生した例なので、逸脱量が基準値以上であったと判定されるような逸脱量となる。その場合は、ステップ225では、直前のカーブの走行軌跡が想定軌跡を大きく逸脱したと判定し、ステップ230に進み、障害物回避走行フラグをオンに設定し、その後第1走行内容判定処理を終了する。
なお、図6、図7の例と異なり、逸脱量が基準値未満であった場合は、ステップ225では、直前のカーブの走行軌跡が想定軌跡を大きく逸脱していないと判定し、ステップ235に進み、障害物回避走行フラグをオフに設定し、第1走行内容判定処理を終了する。
このように、走行軌跡の想定軌跡に対する逸脱量に応じて、障害物回避走行フラグのオン、オフを切り替える。このようにするのは、走行軌跡に基づいて3個の交互カーブを検出したとしても、走行軌跡の想定軌跡に対する逸脱量が小さい場合は、走行軌跡に基づいて地図データ(具体的には地図カーブ情報)を書き換えても大きな間違いに至らないと考えられるからである。
第1走行内容判定処理が終了した後、演算装置1は、図2のステップ150に進み、直前のカーブの走法が障害物回避走法であったか否かを、障害物回避走行フラグがオンか否かで判定する。
図5の例では、障害物回避走行フラグがオフなので、ステップ155に進む。一方、図6、図7の例では、障害物回避走行フラグがオンなので、直前のカーブの走法が障害物回避走法であったと判定し、ステップ155、160、170、180をバイパスして、ステップ190に進む。ステップ180をバイパスすることにより、直前のカーブの地図カーブ情報の書き換えを禁止する。
ステップ190では、RAM内の走行軌跡データ、すなわち、RAM中のP14以前の走行軌跡データを破棄する。その後、今回の道路学習処理を終了する。
このように、地図データの地図カーブ情報において1つのカーブであると記録されているカーブ(直前のカーブ)において(ステップ130参照)、走行軌跡に基づいて右、左、右と向きが交互に変わる3つのカーブが検出される場合がある。そしてその場合(ステップ215参照)、当該直前のカーブの想定軌跡が当該直前のカーブの走行軌跡を大きく逸脱していれば(ステップ225参照)、障害物回避走行フラグをオンに設定することで(ステップ230参照)、地図カーブ情報の書き換えを禁止する(ステップ150参照)。したがって、直前のカーブの走行規制は、地図カーブ情報の修正に用いられない。
ここで、ステップ150で障害物回避走行フラグがオフであると演算装置1が判定した場合について説明する。図5〜図7の例のうち、ステップ150で障害物回避走行フラグがオフであると判定するのは、図5の例のみである。
また、図8〜図12のように自車両が走行した例でも、演算装置1は、ステップ150で障害物回避走行フラグがオフであると判定する。図8の例は、右カーブの初期にアウトコースを維持し、中期にイン(反対車線)に切り込んでカーブ出口でアウトに復帰する走法で走行した場合の例である。また、図9の例は、右カーブの初期にイン(反対車線)に切り込んでカーブ中期にアウトに復帰する走法で走行した場合の例である。また、図10の例は、右カーブの初期にイン(反対車線)に切り込んでカーブ出口でアウトに復帰する走法で走行した場合の例である。
また、図11の例は、左右に連続するコーナーを直線的にショートカットする(一部反対車線を通る)走法で走行した場合の例である。また、図12の例は、左カーブにおいて、カーブに入る前にアウト(対向車線)に膨らみ、その後カーブ内でイン(元の車線)に切り込み、カーブの出口付近で再度アウトに膨らみ、カーブを出た後にインに復帰する走法で走行した場合の例である。
図8〜図12のいずれで行われる走法も、レースでよく使用されるレース模擬走法である。図8〜図10、図12の例は、アウトインアウト走法であり、図11の例はS字ショートカット走法である。
より具体的には、図8〜図12の例では、図5〜図7の例と同様に、図2の道路学習処理において、ステップ110で走行軌跡データに車両位置P14を追加した場合、ステップ120で地図データを取得する。そして更に、図5〜図7の例と同様に、ステップ130で、地図データ上のカーブを通過した後の所定の判定タイミングであると判定し、ステップ140の第1走行内容判定処理に進む。
そして、図8〜図13の例では、第1走行内容判定処理において、ステップ205で直前のカーブを走行した走行軌跡P3〜P9を抽出し、ステップ210で、当該走行軌跡P3〜P9からカーブを検出する。この点は、図5〜図7の例と同じである。
ただし、ステップ210では、図8〜図10の例においては、車両位置P3〜P9はすべて、カーブの向きが右であると判定されるか、そうでなくても、カーブ曲率半径が所定長さ以上であるとして取り除かれる。また、図11の例においては、車両位置P3〜P9はすべて、カーブ曲率半径が所定長さ以上であるとして取り除かれる。また、図12の例においては、車両位置P3〜P9はすべて、カーブの向きが左か、そうでなくても、カーブ曲率半径が所定長さ以上であるとして取り除かれる。
したがって、図8〜図12の例のいずれにおいても、演算装置1は、ステップ215で3個の交互カーブを検出していないと判定し、ステップ235に進み、障害物回避走行フラグをオフにする。したがって、ステップ150では、直前のカーブの走法が障害物回避走法でないと判定し、ステップ155に進む。
ステップ155では、演算装置1は、第2走行内容判定処理を実行する。第2走行内容判定処理では、自車両が直前のカーブでレース模擬走行したか否かを判定して判定結果をレース模擬走行フラグに反映させる。
以下、図5、図8〜図12の例を対象として、この第2走行内容判定処理の詳細を説明する。第2走行内容判定処理のフローチャートを図13、図14に示す。まずステップ305では、直前のカーブC1−C2に含まれるリンクL2〜L6に接続するノードN1〜N6の位置に基づいて、当該カーブC1−C2を正常に走行した場合の想定軌跡を決定する。この処理内容は、図4で示した第1走行内容判定処理のステップ220と同じである。これにより、想定軌跡Td(図8〜図12参照)が算出される。なお、図5の例でも、図示はしていないが、想定軌跡Tdが算出される。
続いてステップ310では、直前のカーブにおける入口リンク、出口リンク、頂点リンクを決定する。具体的には、入口リンクとしては、地図カーブ情報によれば当該直前のカーブに含まれるリンクのうち、最も入口側のリンクL2を選ぶ。また、出口リンクとしては、地図カーブ情報によれば当該直前のカーブに含まれるリンクのうち、最も出口側のリンクL6を選ぶ。
また、地図カーブ情報によれば当該直前のカーブに含まれるリンクL2〜L6を辿って、入口リンクの入口側端点N1および出口リンクの出口側端点N6から等距離にある地点(すなわち、カーブの中央地点)を含むリンクL4を、頂点リンクとして選ぶ。あるいは、当該リンクL4およびその前後それぞれ1個のリンクL3、L5から成るリンク群L3〜L5を、頂点リンクとしてもよい。この頂点リンクは、当該直前のカーブの頂点部分のリンクに相当する。
続いてステップ315では、地図カーブ情報に基づいて、当該直前のカーブが右カーブか左カーブかを判定する。図5、図8〜図11の例では、当該直前のカーブC1−C2は、地図カーブ情報によれば右カーブなので、右カーブであると判定してステップ320に進む。図12の例では、当該直前のカーブC1−C2は、地図カーブ情報によれば左カーブなので、左カーブであると判定してステップ345に進む。
ステップ320では、走行軌跡P3〜P9が、頂点エリアで想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱しているか否かを判定する。具体的には、まず、直前のカーブ内の車両位置P3〜P9のそれぞれについて、当該車両位置からの最短距離が最も短いリンクを、当該車両位置に対応する走行リンクとして選ぶ。そして、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した頂点リンクL4が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図5の例の場合、2個の車両位置P6、P7が選ばれ、図8〜図11の例の場合、1個の車両位置P6が選ばれる。
このようにして選ばれた車両位置が、頂点エリア中の車両位置に相当する。ステップ320では、このようにして選ばれた車両位置のうち少なくとも1つが、想定軌跡Tdをイン側に大きく逸脱していれば、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱していると判定する。具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdからのずれ方向および想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、ずれ方向が右方向(イン方向に相当する)であり、かつ、最短距離が頂点閾値距離以上である車両位置が1つでもあれば、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱していると判定する。なお、頂点閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅でもよいし、当該平均的な斜線幅の2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図5の例では、想定軌跡は図示していないが、左側通行の道路なのでリンクL2〜L6の左側に想定軌跡がある。したがって、車両位置P5もP6も想定軌跡までの最短距離が頂点閾値距離未満である。したがって、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱していないと判定する。更に、ステップ340に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
図8〜図11の例では、車両位置P6から想定軌跡Tdまでの最短距離が1車線分以上あるので、当該最短距離は頂点閾値距離以上であり、また、想定軌跡Tdから車両位置P6までのずれ方向が右方向(イン方向に相当する)である。したがって、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱していると判定する。更に、ステップ325に進む。
続いてステップ325では、走行軌跡P3〜P9が、出口エリアおよび入口エリアの両方で、想定軌跡Tdと同じ車線を通っているか否かを判定する。
具体的には、まず、ステップ320で選んだ各車両位置P3〜P9の走行リンクに基づいて、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した入口リンクL2が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図8〜図11の例の場合、2個の車両位置P3、P4が選ばれる。そして、このようにして選ばれた車両位置に基づいて、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っているか否かを判定する。具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、算出した最短距離のうち少なくとも1つが入口閾値距離未満であれば、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定する。なお、入口閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
更に、ステップ320で算出した各車両位置P3〜P9の走行リンクに基づいて、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した出口リンクL6が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図8〜図10の例の場合、2個の車両位置P8、P9が選ばれ、図11の例の場合、3個の車両位置P7、P8、P9が選ばれる。そして、このようにして選ばれた車両位置に基づいて、走行軌跡P3〜P9が出口エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っているか否かを判定する。具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、算出した最短距離のうち少なくとも1つが出口閾値距離未満であれば、走行軌跡P3〜P9が出口エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定する。なお、出口閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図8の例では、入口リンクL2を走行リンクとする車両位置P3、P4の両方で、想定軌跡Tdまでの最短距離が入口閾値未満であり、出口リンクL6を走行リンクとする車両位置P8、P9のうちP9で、想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値未満である。
図9の例では、入口リンクL2を走行リンクとする車両位置P3、P4のうちP3で、想定軌跡Tdまでの最短距離が入口閾値未満であり、出口リンクL6を走行リンクとする車両位置P8、P9の両方で、想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値未満である。図10の例では、入口リンクL2を走行リンクとする車両位置P3、P4のうちP3で、想定軌跡Tdまでの最短距離が入口閾値未満であり、出口リンクL6を走行リンクとする車両位置P8、P9のうちP9で、想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値未満である。図11の例では、入口リンクL2を走行リンクとする車両位置P3、P4のうちP3で、想定軌跡Tdまでの最短距離が入口閾値未満であり、出口リンクL6を走行リンクとする車両位置P7、P8、P9のうちP9で、想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値未満である。
したがって、図8〜図11の例のいずれにおいても演算装置1は、ステップ325で、走行軌跡P3〜P9が、出口エリアおよび入口エリアの両方で、想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定し、ステップ330に進む。
なお、図8〜図11の例とは異なり、例えば、図10において車両位置P1〜P3が、イン側の車線にある例では演算装置1は、走行軌跡P3〜P9が、入口エリアで、想定軌跡Tdと同じ車線を通っていないと判定され、ステップ340に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ステップ330では、直前のカーブ内の走行軌跡P3〜P9において大幅な速度超過があるか否かを判定する。大幅な速度超過があるということは、レース模擬走行である可能性が高いということである。これは、レース模擬走行は普通、より早くカーブを抜けるために行うものだからである。
以下、この判定の具体的方法を記載する。演算装置1は、まず、走行軌跡データ中の車両位置P3〜P9に基づいて、当該カーブ内の自車両の走行速度VVを算出し、当該直前のカーブにおける基準速度VTを算出する。車両位置は、道路学習処理の演算周期TT毎に1個追加されるので、例えば、車両位置P3〜P9を走行順に直線で繋いだ経路の長さをLL、車両位置P3〜P9の数をNNとすると、
VV=LL/{(NN−1)×TT}
という式で算出してもよい。基準速度VTは、当該カーブに含まれるリンクに対して地図データ中で付与されている制限速度を採用する。
そして、
VV≧VT+X
という式が満たされるか否かで、直前のカーブ内の走行軌跡P3〜P9において大幅な速度超過があるか否かを判定する。ここで、Xは、所定のオフセット速度(値は正)であり、例えば、30km/hでもよい。
図8〜図11の例のような場合でも、大幅な速度超過があると判定される場合もあれば、大幅な速度超過がないと判定される場合もある。大幅な速度超過があると判定した場合、ステップ335に進み、レース模擬走行フラグをオンに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。大幅な速度超過がないと判定した場合、ステップ340に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ここで、図13のステップ315で、当該直前のカーブが左カーブであると判定された場合について説明する。図12の例は、この場合に該当する。演算装置1は、左カーブであると判定した場合、図14のステップステップ345に進み、想定軌跡Tdを当該直前のカーブC1−C2の前後に延長する。
具体的には、カーブの始点にあるノードN1および当該ノードN1よりも進行方向手前側のノードN0の位置に基づいて、ノードN1に対応するオフセット位置Nd1から、ノードN0を自車両の進行方向左側にずらしたオフセット位置Nd0までの直線を、現在の想定軌跡Tdに追加する。
更に、カーブの終点にあるノードN6および当該ノードN6よりも進行方向先側のノードN7の位置に基づいて、ノードN6に対応するオフセット位置Nd6から、ノードN7を自車両の進行方向左側にずらしたオフセット位置Nd7までの直線を算出する。そしてその直線を、現在の想定軌跡Tdに追加する。
続いてステップ350では、当該直前のカーブC1−C2の手前の所定範囲内で走行軌跡P1〜P14が想定軌跡と同じ車線を一度でも通ったか否かを判定する。具体的には、走行軌跡データ内でカーブ内のリンクL2〜L6を走行リンクとする車両位置P3〜P9よりも前に記録された車両位置であり、かつ、当該カーブの始点にあるノードN1からの距離が基準距離未満である車両位置を抽出する。この基準距離は、例えば、50mでもよいし、100mでもよい。図12の例では、この処理により、車両位置P1、P2が抽出される。抽出された車両位置は、カーブC1−C2の手前の所定範囲内にある車両位置に該当する。
そして、これら抽出された車両位置P1、P2のそれぞれについて、想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、算出した最短距離のうち、1個でも入口手前閾値距離未満のものがあれば、当該直前のカーブC1−C2の手前の所定範囲内で走行軌跡P1〜P10が想定軌跡Tdと同じ車線を一度でも通っていたと判定する。また、入口手前閾値距離未満のものが1個もなければ、当該直前のカーブC1−C2の手前の所定範囲内で走行軌跡P1〜P10が想定軌跡Tdと同じ車線を一度も通っていないと判定する。なお、入口手前閾値距離は、例えば、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図12の例では、車両位置P1から想定軌跡Tdへの最短距離が入口手前閾値距離未満であるから、カーブC1−C2の手前の所定範囲内で走行軌跡P1〜P10が想定軌跡Tdと同じ車線を通っていたと判定し、ステップ355に進む。
また、図5の例の道路において、進行方向が図5とは逆で自車両が終始イン側(左側)を走行している別例(正常な走行の例)となる場合がある。この場合、演算装置1は当然に、カーブC1−C2の手前の所定範囲内で自車両が想定軌跡Tdを走行していたと判定し、ステップ355に進む。
これに対し、例えば、図12において、カーブC1−C2の手前の所定範囲内で自車両が常に右側車線(反対車線)を走行してカーブC1−C2に入るような走行軌跡となっている場合には、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い。このような場合は、ステップ350で、カーブC1−C2の手前の所定範囲内で走行軌跡P1〜P10が想定軌跡Tdを一度も通っていないと判定し、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ステップ355では、走行軌跡P3〜P9が、入口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱しているか否かを判定する。
具体的には、まず、各車両位置P3〜P9の走行リンクをステップ320と同様に選ぶ。続いて、選んだ各車両位置P3〜P9の走行リンクに基づいて、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した入口リンクL2が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図12の例の場合、2個の車両位置P3、P4が選ばれる。
このようにして選ばれた車両位置が、入口エリア中の車両位置に相当する。ステップ355では、このようにして選ばれた車両位置のうち少なくとも1つが、想定軌跡Tdをアウト側に大きく逸脱していれば、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定する。
具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdからのずれ方向および想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、ずれ方向が右方向(アウト方向に相当する)であり、かつ、最短距離が入口閾値距離以上である車両位置が1つでもあれば、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定する。なお、入口閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図12の例では、車両位置P3、P4の両方が、想定軌跡Tdまでの最短距離が入口閾値距離以上なので、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定して、ステップ360に進む。
これに対し、例えば、図5の道路において、進行方向が図5とは逆で自車両が終始イン側(左側)を走行している別例(正常な走行の例)が考えられる。この別例の場合、演算装置1は当然に、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡(イン側走行の軌跡になる)をアウト側車線に逸脱していないと判定して、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
続いてステップ360では、走行軌跡P3〜P9が、頂点エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っているか否かを判定する。
具体的には、まず、ステップ355で選んだ各車両位置P3〜P9の走行リンクに基づいて、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した頂点リンクL4が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図12の例の場合、1個の車両位置P6が選ばれる。そして、このようにして選ばれた車両位置に基づいて、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っているか否か判定する。具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、算出した最短距離のうち少なくとも1つが頂点閾値距離未満であれば、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定する。なお、頂点閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図12の例では、車両位置P6から想定軌跡Tdまでの最短距離が頂点閾値距離よりも小さいので、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定し、ステップ365に進む。
これに対し、カーブC1−C2に入ってからは、入口エリアにおいて想定軌跡のアウト側に車線逸脱した後、頂点エリアにおいても常に車両位置から想定軌跡Tdまでの最短距離が頂点閾値距離よりも大きい場合がある。この場合は、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い。このような場合は、ステップ360で、走行軌跡P3〜P9が頂点エリアで想定軌跡Tdと同じ車線を通っていないと判定し、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ステップ365では、走行軌跡P3〜P9が、出口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱しているか否かを判定する。
具体的には、まず、ステップ355で選んだ各車両位置P3〜P9の走行リンクに基づいて、当該車両位置P3〜P9のうち、ステップ310で特定した出口リンクL6が走行リンクとなっている車両位置を選ぶ。図12の例の場合、2個の車両位置P8、P9が選ばれる。
このようにして選ばれた車両位置が、出口エリア中の車両位置に相当する。ステップ365では、このようにして選ばれた車両位置のうち少なくとも1つが、想定軌跡Tdをアウト側に大きく逸脱していれば、走行軌跡P3〜P9が入口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定する。
具体的には、このようにして選ばれた車両位置のそれぞれについて、想定軌跡Tdからのずれ方向および想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、ずれ方向が右方向(アウト方向に相当する)であり、かつ、最短距離が出口閾値距離以上である車両位置が1つでもあれば、走行軌跡P3〜P9が出口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定する。なお、出口閾値距離は、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図12の例では、車両位置P8、P9の両方が、想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値距離以上なので、走行軌跡P3〜P9が出口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定して、ステップ370に進む。
これに対し、カーブC1−C2に入ってからは、入口エリアにおいて想定軌跡のアウト側に車線逸脱した後、頂点エリアにおいて想定軌跡の車線に復帰したものの、その後、出口エリアにおいても常に想定軌跡Tdと同じ車線を走行する場合がある。このような場合は、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い。そして、このような場合は、出口エリアにおいても常に車両位置から想定軌跡Tdまでの最短距離が出口閾値距離未満となる。したがって、演算装置1は、ステップ365で、走行軌跡P3〜P9が出口エリアで想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していないと判定して、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ステップ370では、当該直前のカーブC1−C2の走行後、カーブC1−C2の直後の所定範囲内で、自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰したか否かを判定する。
具体的には、走行軌跡データ内でカーブ内のリンクL2〜L6を走行リンクとする車両位置P3〜P9よりも後に記録された車両位置であり、かつ、当該カーブの終点にあるノードN6からの距離が基準距離未満である車両位置を抽出する。この基準距離は、例えば、50mでもよいし、100mでもよい。図12の例では、この処理により、車両位置P10〜P13が抽出される。抽出された車両位置は、カーブC1−C2の直後の所定範囲内にある車両位置に該当する。
そして、これら抽出された車両位置P1、P2のそれぞれについて、想定軌跡Tdまでの最短距離を算出する。そして、算出した最短距離のうち、1個でも出口直後閾値距離未満のものがあれば、当該直前のカーブC1−C2の直後の所定範囲内で自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰したと判定する。また、出口直後閾値距離未満のものが1個もなければ、当該直前のカーブC1−C2の直後の所定範囲内で自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰していないと判定する。なお、出口直後閾値距離は、例えば、あらかじめ定められた平均的な斜線幅の1/2でもよいし、2/3でもよいし、それらの間の値でもよい。
図12の例では、車両位置P12、P13から想定軌跡Tdへの最短距離が出口直後閾値距離未満であるから、カーブC1−C2の直後の所定範囲内で自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰したと判定し、ステップ375に進む。
これに対し、車両位置P1〜P10と同じ位置を走行したものの、その後、右車線走行を維持し続けた場合は、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い。このような場合は、カーブC1−C2の直後の所定範囲内で自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰しないと判定して、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
ステップ375では、直前のカーブ内の走行軌跡P3〜P9において大幅な速度超過があるか否かを、ステップ330と同じ方法で判定する。このような判定を設ける意図も、ステップ330に関連して説明した通りである。
図12の例のような場合でも、大幅な速度超過があると判定される場合もあれば、大幅な速度超過がないと判定される場合もある。大幅な速度超過があると判定した場合、ステップ385に進み、レース模擬走行フラグをオンに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。大幅な速度超過がないと判定した場合、ステップ380に進み、レース模擬走行フラグをオフに設定し、第2走行内容判定処理を終了する。
以上が、第2走行内容判定処理の詳細である。このようになっていることで、図5の例の場合等の通常の走行の場合、あるいは、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い場合は、レース模擬走行フラグはオフになる。一方、図8〜図12の例では、ステップ330またはステップ375で大幅な速度超過があると判定された場合においては、レース模擬走行フラグがオンになり、そうでない場合は、レース模擬走行フラグがオフになる。
第2走行内容判定処理が終了すると、演算装置1は、図2のステップ160に進み、直前のカーブの走法がレース模擬走法であったか否かを、レース模擬走行フラグがオンか否かで判定する。
上述の通り、図5の例の場合等の通常の走行の場合、あるいは、地図データのリンクやノードの配置が間違っている可能性が高い場合、あるいは、ステップ330またはステップ375で大幅な速度超過がないと判定された場合が考えられる。これらの場合は、ステップ160ではレース模擬走法でなかったと判定し、ステップ170に進む。
また、図8〜図12の例で、ステップ330またはステップ375で大幅な速度超過があると判定された場合においては、レース模擬走法であったと判定し、ステップ180をバイパスしてステップ190に進む。ステップ180をバイパスすることにより、直前のカーブの地図カーブ情報の書き換えを禁止する。そしてステップ190では、RAM内の走行軌跡データ、すなわち、RAM中のP14以前の走行軌跡データを破棄する。その後、今回の道路学習処理を終了する。
ステップ170では、走行軌跡データ中の車両位置P1〜P10に基づいて、正常走行か否かを判定する。具体的には、車両位置P1〜P10に基づいて、車両の走行速度および加速度を算出する。そして、算出した走行速度に基づいて、車両が停止したか否かを判定し、停止したと判定した場合は、正常走行でないと判定し、ステップ180をバイパスしてステップ190に進む。また、算出した加速度に基づいて、車両が急減速したか否かを判定し、急減速したと判定した場合は、正常走行でないと判定し、ステップ180をバイパスしてステップ190に進む。また、停止も急減速もしていないと判定した場合は、正常走行であると判定し、ステップ180に進む。
ステップ180では、走行軌跡データ中で直前のカーブC1−C2内の車両位置P3〜P9に基づいて、当該カーブC1−C2の地図カーブ情報を書き換える。書き換えの方法は、周知のもの(例えば、特開2011−203240号公報に記載の方法)を採用すればよい。
例えば、車両位置P3〜P9を近似する円を算出し、その算出した円の半径を、当該カーブC1−C2の新たな曲率半径Rとして、当該地図カーブ情報を書き換え、更に、当該円の中心から車両位置P3(カーブ入口端の車両位置)に引いた線と、当該円の中心から車両位置P9(カーブ出口端の車両位置)に引いた線とが、当該中心において成す角度を、当該カーブC1−C2の新たな曲率半径Rとして、当該地図カーブ情報を書き換えるようになっていてもよい。なお、ステップ180では、当該地図カーブ情報のみならず、当該カーブC1−C2内のノードおよびリンクの情報も、車両位置P3〜P9に基づいて書き換えてもよいし、書き換えなくてもよい。
ステップ180に続いては、ステップ190に進み、RAM内の走行軌跡データ、すなわち、RAM中のP14以前の走行軌跡データを破棄する。その後、今回の道路学習処理を終了する。
以上説明した通り、本実施形態の演算装置1は、走行軌跡P1〜P14に基づいて、地図データに記載された1つのカーブC1−C2内で、第1のカーブ、第1のカーブの後に発生して第1のカーブと向きが異なる第2のカーブ、および、第2のカーブの後に発生して第2のカーブと向きが異なる第3のカーブを検出した場合(ステップ215)、当該カーブC1−C2の地図カーブ情報を書き換えることを禁止する(ステップ230)。
地図データでは1つのカーブとなっているところで、車両の実際の走行軌跡に基づいて上記のような第1〜第3のカーブが検出された場合は、カーブ上に障害物があり、やむを得ず車線逸脱を行うような場合である可能性が高い。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。
また、演算装置1は、カーブC1−C2の頂点エリアで、走行軌跡が想定軌跡Tdをイン側車線に逸脱していると判定し(ステップ320)、更に、カーブC1−C2の入口エリアおよび出口エリアで、走行軌跡が想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定した場合(ステップ325)、当該カーブC1−C2の地図カーブ情報を書き換えることを禁止する(ステップ335)。
レース模擬走法としてアウトインアウト走法およびS字ショートカット走法がある。これらの走法では、左側車線地域における右カーブまたは右側車線地域における左カーブでは、当該1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで走行軌跡が想定軌跡をイン側車線に逸脱し、更に、当該1つのカーブの入口エリアおよび出口エリアで走行軌跡が想定軌跡と同じ車線(アウト)を通る。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。

また、演算装置1は、カーブC1−C2の手前で前記走行軌跡が想定軌跡Tdと同じ車線を走行したと判定し(ステップ350)、更に、カーブC1−C2の入口エリアで走行軌跡が想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定し(ステップ355)、更に、カーブC1−C2の頂点エリアで走行軌跡が想定軌跡Tdと同じ車線を走行したと判定し(ステップ360)、更に、カーブC1−C2の出口エリアで走行軌跡が想定軌跡Tdをアウト側車線に逸脱していると判定し(ステップ365)、更に、カーブC1−C2の後で走行軌跡が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰したと判定した場合(ステップ370)、当該カーブC1−C2の地図カーブ情報を書き換えることを禁止する(ステップ385)。
左側車線地域における左カーブまたは右側車線地域における右カーブにおけるレース模擬走法としてアウトインアウト走法がある。この走法では、カーブに入る前にアウトに膨らみ、その後カーブ内でインに切り込み、カーブの出口付近で再度アウトに膨らみ、カーブを出た後にインに復帰する。このような場合の走行軌跡は、地図データの修正に用いたくないので、上記のように書き換えを禁止することで、車両が車線を逸脱するように走行した場合に地図データを書き換えてしまう可能性を低減することができる。
従来、車両の実際の走行軌跡に基づいて地図データを修正する技術は、種々あった。しかしながら、従来の技術は「走行軌跡上に道路情報が無ければ道路を追加する」、「カーブ走行経路が異常(停止、極端な回避行動)でなければ学習する」など、ドライバーが車線を逸脱せず、正しく走行していることが前提となっている。正しくない走行を行った場合はLKA(Lane Keep Assistance)で検出可能ではあるが、LKAは道路上の白線を認識して検出するものであり、白線が消えている道路も珍しくないため効果は限定的である。本実施形態では、ドライバーが外的要因(すなわち障害物回避)または内的要因(すなわちレース模擬走行)により、車線を逸脱して正しく走行できなかった又はしなかった場合に、地図データの書き換え制限し、正しくない倉庫軌跡を地図データに反映しない(道路学習をしない)ことを特徴とする。これにより、実際には無いカーブが追加されたり、実態と異なる走路形状に修正されたりすることを避け、安定した車両制御を行うことができる。
外的要因による正しくない走行とは、カーブ上に障害物(落下物、工事、駐車車両等)があり、やむを得ず車線逸脱を行うような場合の走行である。内的要因による正しくない走行とは、故意による蛇行運転や対向車線を利用した走行である。
外的要因による車線逸脱が発生する場合は、車線を逸脱するためのステアリング操作が発生し、さらに走路形状に沿った経路を辿るためのステアリング操作が発生し、その後車線逸脱した分をキャンセルするだけの前述と逆方向のステアリング操作が発生し、計4箇所の走路形状情報には無いカーブが短区間の間に新しく発生する。この場合には学習機能をキャンセルし、元の道路形状(地図カーブ情報)を書き換えない(ステップ215、220、225、230)。
内的要因による車線逸脱はドライバーの意思により車線逸脱を行った場合に発生する。例えば、山岳道路でのショートカット(図11参照)、レースを模擬した走法(図8〜図10、図12参照)が該当する。
ショートカットを行った場合、本来のカーブ形状よりも走行軌跡が直線に近くなる。このとき、左側走行地域では右カーブだけ走路軌跡が地図上の走路情報よりもおよそ1車線分だけ右を通り、右側車線地域では逆に左カーブだけ走路軌跡が地図上の走路情報よりもおよそ1車線分だけ左を通ることになる。また、わずかに曲がる箇所が本来のカーブで曲がるべき箇所と同じになるため、走路軌跡と地図情報を比較することで学習すべきか判断が可能となり、上記の条件と一致した場合は、学習機能をキャンセルし、元の道路形状(地図カーブ情報)を書き換えない。
なお、本実施形態では、単に走行軌跡C3〜C9が想定軌跡Tdを逸脱したのみを理由として、地図データの書き換えを禁止するということはない。つまり、走行軌跡C3〜C9が想定軌跡Tdの属する車線を逸脱しただけでは、必ずしも地図データの書き換えを禁止しない。このようになっているのは、道路学習処理は、あくまでも地図データを正確にするための修正処理なので、例えば地図データが大幅に間違っていた結果、走行軌跡C3〜C9が想定軌跡Tdの属する車線を逸脱した場合まで、地図データの書き換えを禁止してしまっては、本末転倒だからである。本実施形態は、あくまでも、車両が道路に沿った走行をしていない可能性が高い場面を検出して、その場合に地図データの書き換えを禁止するようになっている。
なお、本実施形態の演算装置1は、図2に示した道路学習処理において、ステップ130で地図データ上のカーブを通過した後の所定のタイミングが訪れた場合にのみ、当該カーブの走行軌跡に応じて、地図カーブ情報の書き換えを行う。これにより、直線道路上で障害物を回避した際に発生する新規カーブは学習対象外とすることができる。
なお、上記実施形態において、演算装置1は、図2のステップ180を実行することで、書き換え手段の一例として機能し、ステップ140、150、155、160を実行することで、禁止手段の一例として機能する。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。例えば、以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、図5〜図12の例では、カーブC1−C2およびその前後は、往路1車線かつ復路1車線の2車線道路となっている。しかし、道路学習処理は、このような道路に限らず、他の車線構成の道路に適用しても良い。例えば、往路2車線かつ復路2車線の4車線道路にも往路2車線のみの2車線道路にも、往路3車線のみの3車線道路にも、適用可能である。ただし、往路1車線のみの1車線道路には適用できない。
また、往路(自車両が走行する方向の)が2車線以上ある場合は、ステップ225、ステップ305で想定軌跡を算出する方法を修正する必要がある。
例えば、演算装置1は、ステップ220、305では、地図データに記録されている角リンクL1〜L7の車線情報に基づいて、カーブC1−C2およびその前後の道路に含まれる往路の車線数を特定してもよい。そして、特定した車線数が1である場合は、ステップ220、305で上記実施形態の通りの処理を行ってもよい。
そして、特定した車線数が2以上である場合は、ステップ220、305で、カーブC1−C2よりも手前(かつ、ステップ350で言及したカーブC1−C2の手前の所定範囲内よりも更に手前)における最後の(つまり、最も遅く走行履歴データに追加された)車両位置を特定する。そして、当該車両位置に最も近いリンク(例えばカーブC1−C2の手前のリンク)までの最短距離を算出し、算出した最短距離だけノードN1〜N6を自車両の進行方向左側にずらしたオフセット位置Nd1〜Nd6を設定する。ステップ345で想定軌跡Tdを延長する場合も同様である。このように、カーブC1−C2の手前(かつ、ステップ350で言及したカーブC1−C2の手前の所定範囲内よりも更に手前)で走行していた車線を、想定軌跡Tdの車線とする。
(変形例2)
なお、上記実施形態では、ステップ215で、向きが交互に変わる3つのカーブを検出したか否かを判定している。この際、カーブ曲率半径が所定長さ以上となっている車両位置(すなわち、実質的に直線走行している際の車両位置)は除外し、除外された車両位置の前後の車両位置を連続する車両位置として扱った上で、カーブを検出してカーブの個数を算出している。
このようになっていると、例えば図7の例で、走行履歴データにおいて、車両位置P5と車両位置P6の間にもう1個車両位置Pxがあり、車両位置P5、Px、P6がこの順に直線的に並んでいたとしても、車両位置Pxは除外されるので、結果に変化はない。
しかし、カーブ曲率半径が所定長さ以上となっている車両位置を除外しないままで、カーブの個数を算出するようになっていてもよい。この場合、図7の例において上記のような車両位置Pxが存在する場合、演算装置1は、右、左、左、右、左という5個のカーブを検出する。この場合、ステップ215では、検出されたカーブのうち、同じ方向に連続するカーブを1つのカーブと同定すればよい。同定の結果、検出されたカーブは、結局、右、左、右、左の4つとなる。
結局のところ、上記実施形態のように実質的に直進走行している際の車両位置を除外する場合も、実質的に直進走行している際の車両位置を除外しない場合も、演算装置1は、ステップ220で、第1のカーブ、当該第1のカーブの後に(当該第1のカーブに連続していてもしていなくても)発生して当該第1のカーブと向きが異なる第2のカーブ、および、当該第2のカーブの後に(当該第2のカーブに連続していてもしていなくても)発生して前記第2のカーブと向きが異なる第3のカーブが検出できれば、ステップ220に進むようになっている。
(変形例3)
上記実施形態では、演算装置1は、日本等の左側車線地域(左側通行地域ともいう)の道路を対象として道路学習処理を行っている。しかし、本発明の地図データ書き換え装置は、米国等の右側車線地域(右側通行地域ともいう)の道路を対象として道路学習処理を行うものとしても実現可能である。
上記実施形態において、演算装置1を右側車線地域(右側通行地域ともいう)の道路を対象とするように変更するためには、上記実施形態において左と右を入れ替えて読み替えればよい。ただしその場合、図5〜図12は、紙の裏面から見るように読み替える必要がある。そのようにした場合、カーブC1−C2は、図5、図6、図8〜図11は左カーブになり、図7、図12は左カーブになる。
(変形例4)
上記実施形態において、図4のステップ220および225の処理を廃してもよい。その場合演算装置1は、ステップ215で、3個の交互カーブを検出したと判定した場合は、直ちにステップ230に進む。
(変形例5)
上記実施形態においては、図13のステップ330の処理を廃してもよい。その場合演算装置1は、ステップ325で、走行軌跡が出口エリアおよび入口エリアの両方で、想定軌跡Tdと同じ車線を通っていると判定した場合、直ちにステップ335に進む。
(変形例6)
上記実施形態においては、図13のステップ375の処理を廃してもよい。その場合演算装置1は、ステップ370で、直前のカーブC1−C2の走行後、カーブC1−C2の直後の所定範囲内で、自車両が想定軌跡Tdと同じ車線に復帰したと判定した場合、直ちにステップ385に進む。
(変形例7)
図12の例のような走行軌跡で走行した場合、カーブC1−C2内における車両の総旋回角は、カーブC1−C2内でどのような走行経路を辿っても、地図カーブ情報に記録された当該カーブC1−C2の曲がり角度θと同じになるはずである。したがって、演算装置1は、第2走行内容判定処理(図14)において、ステップ370で復帰した(YES)と判定した後、ステップ375に進む前に、以下のような追加判定処理を行ってもよい。
追加判定処理で演算装置1は、走行軌跡データ中の車両位置P1〜P14に基づいて、自車両の実際の走行軌跡を表す線(以下、軌跡線という)を算出する。そして、この軌跡線上でカーブC1−C2の始点のノードN1から最も近い位置(以下、進入位置という)における自車両の向きを、軌跡線に基づいて算出する。また、この軌跡線上でカーブC1−C2の終点のノードN6から最も近い位置(脱出位置)における自車両の向きを、軌跡線に基づいて算出する。そして、進入位置における自車両の向きに対する、脱出位置における自車両の向きの変化角度を算出し、この変化角度と、地図カーブ情報に記録された当該カーブC1−C2の曲がり角度θの差の絶対値が、所定角度差(例えば10°)未満であるか否かを判定する。そして、所定角度差未満であれば、ステップ375に進み、所定角度差以上であれば、ステップ380に進む。
このような追加判定処理を追加することで、図12の例のようなレース模擬走行を、より高い精度で検出することができる。
(変形例8)
上記実施形態で説明されているノードは、一部または全部を形状補完点に置き換えてもよい。また、上記実施形態で説明されているリンクは、一部または全部をセグメント(2つの隣り合う形状補完点を繋ぐ直線、または、隣り合うノードと形状補完点を繋ぐ直線)に置き換えてもよい。
(変形例9)
上記実施形態では、演算装置1が書き換える対象の地図データは、車両に搭載された地図データ記憶部6に記録されている。しかし、演算装置1が書き換える対象の地図データは、車両に搭載されず、遠隔地の地図サーバに記録されていてもよい。ただしこの場合、演算装置1は、周知の通信手段を用いて、当該地図サーバに記録された地図データに対して読み出しおよび書き換えを行えるようになっていることが必要である。
(変形例10)
上記実施形態では、演算装置1は車両に搭載されているが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、演算装置1は、車両外の遠隔地に設置された地図書き換えサーバとして実現されていてもよい。ただしこの場合、車両から地図書き換えサーバに対して、周知の通信手段を用いて、当該車両の走行履歴データが送信されるようになっている必要がある。
(変形例11)
上記の実施形態において、演算装置1がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
1 道路形状学習演算装置
6 地図データ記憶部
C1−C2 カーブ
N0〜N7 ノード
L1〜L7 リンク
P1〜P14 車両位置
X 障害物
Td 想定軌跡

Claims (9)

  1. 地図データに記載された1つのカーブ(C1−C2)を車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、
    前記禁止手段は、前記走行軌跡に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブ内で、第1のカーブ、前記第1のカーブの後に発生して前記第1のカーブと向きが異なる第2のカーブ、および、前記第2のカーブの後に発生して前記第2のカーブと向きが異なる第3のカーブを検出した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置。
  2. 前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記禁止手段は、前記走行軌跡に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブ内で、前記第1のカーブ、前記第2のカーブ、および、前記第3のカーブを検出し、更に、前記走行軌跡の前記想定軌跡に対する逸脱量が、基準値以上であると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする請求項1に記載の地図データ書き換え装置。
  3. 地図データに記載された、左側車線地域における右カーブまたは右側車線地域における左カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、
    前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡をイン側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアおよび出口エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を通っていると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置。
  4. 前記禁止手段は、前記頂点エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をイン側車線に逸脱していると判定し、更に、前記入口エリアおよび前記出口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を通っていると判定し、更に、前記1つのカーブ内の前記走行軌跡が、前記1つのカーブの制限速度に所定のオフセット速度を加算した速度以上であると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする請求項3に記載の地図データ書き換え装置。
  5. 地図データに記載された、左側車線地域における左カーブまたは右側車線地域における右カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)と、
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)と、を備え、
    前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記1つのカーブの手前で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの出口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの後で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線に復帰したと判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換え装置。
  6. 前記禁止手段は、前記1つのカーブの手前で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記入口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記頂点エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記出口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの後で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線に復帰したと判定し、更に、前記1つのカーブ内の前記走行軌跡が、前記1つのカーブの制限速度に所定のオフセット速度を加算した速度以上であると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする請求項5に記載の地図データ書き換え装置。
  7. コンピュータ(1)を、
    地図データに記載された1つのカーブ(C1−C2)を車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)、および
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)として機能させる地図データ書き換えプログラムであって、
    前記禁止手段は、前記走行軌跡に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブ内で、第1のカーブ、前記第1のカーブの後に発生して前記第1のカーブと向きが異なる第2のカーブ、および、前記第2のカーブの後に発生して前記第2のカーブと向きが異なる第3のカーブを検出した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換えプログラム。
  8. コンピュータ(1)を、
    地図データに記載された、左側車線地域における右カーブまたは右側車線地域における左カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)、および
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)として機能させる地図データ書き換えプログラムであって、
    前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡をイン側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアおよび出口エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を通っていると判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換えプログラム。
  9. コンピュータ(1)を、
    地図データに記載された、左側車線地域における左カーブまたは右側車線地域における右カーブである1つのカーブ(C1−C2)を、車両が実際に通過した走行軌跡(P1〜P14)に基づいて、前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換える書き換え手段(180)、および
    前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止する禁止手段(140、150、155、160)として機能させる地図データ書き換えプログラムであって、
    前記禁止手段は、前記地図データに基づいて、前記1つのカーブを正常に走行した場合の想定軌跡(Td)を算出し、更に、前記1つのカーブの手前で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの入口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記地図データによれば前記1つのカーブの中央地点を含む頂点エリアで、前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線を走行したと判定し、更に、前記1つのカーブの出口エリアで前記走行軌跡が前記想定軌跡をアウト側車線に逸脱していると判定し、更に、前記1つのカーブの後で前記走行軌跡が前記想定軌跡と同じ車線に復帰したと判定した場合、前記書き換え手段が前記地図データに記載された前記1つのカーブの情報を書き換えることを禁止することを特徴とする地図データ書き換えプログラム。
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