JP2015074008A - アルミニウム合金の注湯方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶湯に超音波振動を伝えつつ、連続的に注湯することのできる注湯方法の提供。【解決手段】注湯工程(S1)と、第1超音波加振工程(S2)と、第2超音波加振工程(S3)とを含む注湯方法である。注湯工程(S1)では、超音波ホーン(1)を溶湯(M1)の流れる方向(D1)に沿うように注湯口(3)近傍に設置し、溶湯(M1)を液相線温度よりも5〜15℃高い温度で注湯する。第1超音波加振工程(S2)では、超音波振動を超音波ホーン(1)から溶湯(M1)の一部に与える。第2超音波加振工程(S3)では、注湯工程(S1)の後に、超音波ホーン(1)から超音波振動の発生を停止させて、超音波ホーン(1)を注湯口(3)から離脱させて、超音波振動を超音波ホーン(1)から発生させる。【選択図】図1
Description
本発明はアルミニウム合金の注湯方法に関する。
アルミニウム合金からなる溶湯に超音波振動を与えながら、注湯を行う注湯方法がある。
例えば、特許文献1では、超音波振動をラドル内の溶湯にホーンから伝達しつつ、注湯を行う注湯方法が開示されている。
ところで、溶湯に超音波振動を加えつつ、連続的に注湯を行うことが求められている。特許文献1で開示される注湯方法では、溶湯が超音波振動ホーンに付着して凝固してしまい、厚みのある凝固体が形成することがあった。このような凝固体は連続的に注湯を行うことを困難にさせる。つまり、特許文献1で開示される注湯方法では、連続的に注湯することが難しかった。
そこで、本発明は、上記した事情を背景としてなされたものであり、溶湯に超音波振動を伝えつつ、連続的に注湯することのできる注湯方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる注湯方法は、
アルミニウム合金からなる溶湯を型の注湯口に注ぐ注湯方法であって、
超音波ホーンを前記溶湯の流れる方向に沿うように前記注湯口近傍に設置し、前記溶湯を液相線温度よりも5〜15℃高い温度で注湯する注湯工程と、
超音波振動を前記超音波ホーンから前記溶湯の一部に伝達して、
キャビテーションを前記溶湯の一部に発生させ、又は、前記溶湯の一部を霧状化させて、
さらに、前記溶湯の一部を前記溶湯の残りと混ぜて再溶融させる第1超音波加振工程と、
前記注湯工程の後に、前記超音波ホーンから超音波振動の伝達を停止させて、
前記超音波ホーンを前記注湯口から離脱させて、
超音波振動を前記超音波ホーンから伝える第2超音波加振工程と、を含む。
アルミニウム合金からなる溶湯を型の注湯口に注ぐ注湯方法であって、
超音波ホーンを前記溶湯の流れる方向に沿うように前記注湯口近傍に設置し、前記溶湯を液相線温度よりも5〜15℃高い温度で注湯する注湯工程と、
超音波振動を前記超音波ホーンから前記溶湯の一部に伝達して、
キャビテーションを前記溶湯の一部に発生させ、又は、前記溶湯の一部を霧状化させて、
さらに、前記溶湯の一部を前記溶湯の残りと混ぜて再溶融させる第1超音波加振工程と、
前記注湯工程の後に、前記超音波ホーンから超音波振動の伝達を停止させて、
前記超音波ホーンを前記注湯口から離脱させて、
超音波振動を前記超音波ホーンから伝える第2超音波加振工程と、を含む。
このような構成によれば、溶湯に超音波振動を伝えつつ、溶湯を連続的に注湯することができる。
本発明によれば、溶湯に超音波振動を伝えつつ、連続的に注湯することのできるアルミニウム合金の注湯方法を提供することができる。
実施の形態1.
図1〜5を参照して実施の形態1にかかる製造方法について説明する。図1〜4は、実施の形態1にかかる注湯方法の模式図を示す。図5は、状態図を示す。
図1〜5を参照して実施の形態1にかかる製造方法について説明する。図1〜4は、実施の形態1にかかる注湯方法の模式図を示す。図5は、状態図を示す。
図1に示すように、溶湯M1を鋳型2に注湯しつつ、ホーン1から超音波振動を伝える(注湯加振工程S1)。詳細には、まず、ホーン1を鋳型2の注湯口3近傍に設置する。さらに詳細には、ホーン1は、例えば、ラドル4から注湯口3までの経路内に配置する。また、ホーン1の向きは、溶湯の流れる方向D1に沿うように固定される。ホーン1は、例えば、窒化ケイ素からなる略円柱状体である。ホーン1は、図示しない超音波振動子により超音波振動を与えられて、超音波振動を伝える。
溶湯M1は、液相線温度よりも5〜15度高い温度まで加熱されて、注湯される。なお、溶湯M1の注湯温度は、液相線温度よりも8〜12度高い温度であると好ましい。溶湯M1は、アルミニウム合金からなる。このようなアルミニウム合金としては、例えば、亜共晶合金、共晶合金、過共晶合金が挙げられる。亜共晶合金としては、例えば、JIS規格に定めるAC4W、AC4E、AC2C、AC8Rが挙げられる。また、共晶合金としては、例えば、JIS規格に定めるADC12が挙げられる。また、過共晶合金としては、例えば、Al−17Si−2Cu、すなわち、質量%で、Siを16.5〜17.4%、Cuを1.5〜2.4%含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる合金などが挙げられる。
溶湯M1は、ラドル4から注湯口3に向かって落下する。落下の途中で、溶湯M1はホーン1と接触する。ホーン1は超音波振動している。ホーン1に接触した溶湯M1の一部は、超音波振動を受けて、霧状体A1となる。霧状体A1がホーン1から溶湯M1に向かって放出され、再び溶融する。これにより、溶湯M1の流れが促進される。また、ガスG1が、溶湯M1から放出される。なお、霧状体とは、溶湯が多数の小さな粒子となって、空気中に浮かんだ状態を意味する。この霧状体に含まれる粒子の直径の範囲は、例えば、0.5mm以下である。また、ホーン1による超音波振動の強さは、溶湯M1にキャビテーションを発生させる、又は、溶湯M1を霧状化させる程度の大きさを有する。
ここで、図5は、詳細には、Al−Si系合金からなる溶湯に超音波振動を与えることで圧力2.8GPaをかけた場合と、溶湯に大気圧と同等の圧力、例えば0.1MPaをかけた場合と、における状態図を示す。図5に示すように、溶湯に超音波振動を与えると、溶湯に圧力が加わり、液相線温度、固相線温度、共晶点などが変化する。ここで、溶湯M1の材料として、図5に示す組成を有する亜共晶合金HE1、すなわち、Al−7%Si合金を用いる。すると、液相線温度、固相線温度等が変化するものの、凝固過程が、大気圧と同等の圧力をかけた場合の亜共晶合金と同じであるため、特異組織が出にくくて好ましい。一方、溶湯M1の材料として、共晶合金を用いると、凝固過程が大気圧と同等の圧力、例えば0.1MPaをかけた場合の亜共晶合金と同様の過程に変化する。また、溶湯M1の材料として、過共晶合金を用いると、大気圧と同等の圧力をかけた場合の共晶合金と同様の過程に変化する。
続いて、図2に示すように、注湯が完了した後、超音波加振を停止して、注湯口3から上方に引き上げる(加振停止引上工程S2)。すると、溶湯M1の一部、すなわち残存溶湯M2がホーン1の先端に付着する。必要に応じて、本工程の前にラドル4を移動させておいてもよい。
続いて、図3に示すように、再びホーン1から超音波振動を発する(加振霧状化工程S3)。すると、残存溶湯M2の一部が霧状化し、霧状体A2がホーン1から放出される。図4に示すように、ホーン1の先端に残存する溶湯M3は凝固して、薄膜F1が形成する。加振霧状化工程S3においてホーン1が伝達する超音波振動は、注湯加振工程S1においてホーン1が伝達する超音波振動よりも強いと好ましい。加振霧状化工程S3においてホーン1が伝達する超音波振動は、注湯加振工程S1においてホーン1が伝達する超音波振動よりも強いと、残存溶湯M2がより確実に霧状化するからである。
以上の工程を経ると、薄膜F1を先端に有するホーン1が得られる。これにより、ホーン1の先端には、薄膜F1が付着しているだけなので、再び、溶湯を注湯させることができる。また、上記した工程を繰り返すことで、超音波振動を与えられた溶湯を連続的に注湯することができる。
また、実施の形態1にかかる注湯方法によれば、ホーンが注湯口近傍に設置されており、さらにホーンの長手方向が、溶湯の流れる方向に沿う。これらにより、溶湯の流れを妨げることが無い、又は、ホーンからの超音波振動を与えることで、溶湯の流れを促進させ得る。また、ダイカスト鋳造法や重力鋳造法において、溶湯との接触による損傷がホーンに発生しにくくさせる。
また、実施の形態1にかかる注湯方法によれば、溶湯中に残存するガスを溶湯の外部へ放出させて、溶湯の品質を高める。また、結晶核を生成し、鋳造品の結晶組織を微細化させる。
また、実施の形態1にかかる注湯方法によれば、注湯温度は、液相線温度よりも5〜15度高い温度である。これにより、非平衡晶出した共晶が再び溶融することを抑制する。なお、注湯温度が液相線温度よりも50度高い温度であっても、初晶Siは再び溶融しない。
また、実施の形態1にかかる注湯方法によれば、加振停止引上工程S2では注湯が完了した後、超音波加振を停止して、注湯口3から上方に引き上げる。これにより、溶湯をホーンの先端から離れさせて、溶湯がホーンに大量に付着することを抑制することができる。
また、実施の形態1にかかる注湯方法によれば、加振霧状化工程S3では、再びホーン1から超音波を発する。これにより、ホーンの先端に残存する溶湯を霧状に変化させる。また、ホーンの先端に未だ残存する溶湯を薄膜に変化させる。
なお、実施の形態1にかかる注湯方法では、窒化ケイ素からなるホーンを用いたが、温調設備を有するホーンを用いてもよい。温調設備を有するホーンを用いると、ホーンの温度変化の幅を抑えて、ホーンへの損傷の発生を抑制し得る。
また、実施の形態1にかかる注湯方法では、加振停止引上工程S2を含むが、超音波振動の伝達を停止したままで、ホーン1を鋳型2から離れるように移動させる工程を加振停止引上工程S2の代わりに含めてもよい。
また、実施の形態1にかかる注湯方法では、ラドルを用いて注湯したが、ホッパーなどの他の注湯手段を用いてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、ダイカスト鋳造方法において、ラドルからスリーブへ給湯する場合にも応用することができる。
1 ホーン、 3 注湯口、
A1、A2 霧状体、 D1 方向、 F1 薄膜、 G1 ガス、
M1、M2、M3 溶湯、 HE1 亜共晶合金、
S1 注湯加振工程、 S2 加振停止引上工程、 S3 加振霧状化工程。
A1、A2 霧状体、 D1 方向、 F1 薄膜、 G1 ガス、
M1、M2、M3 溶湯、 HE1 亜共晶合金、
S1 注湯加振工程、 S2 加振停止引上工程、 S3 加振霧状化工程。
Claims (1)
- アルミニウム合金からなる溶湯を型の注湯口に注ぐ注湯方法であって、
超音波ホーンを前記溶湯の流れる方向に沿うように前記注湯口近傍に設置し、前記溶湯を液相線温度よりも5〜15℃高い温度で注湯する注湯工程と、
超音波振動を前記超音波ホーンから前記溶湯の一部に伝達して、
キャビテーションを前記溶湯の一部に発生させ、又は、前記溶湯の一部を霧状化させて、
さらに、前記溶湯の一部を前記溶湯の残りと混ぜて再溶融させる第1超音波加振工程と、
前記注湯工程の後に、前記超音波ホーンから超音波振動の伝達を停止させて、
前記超音波ホーンを前記注湯口から離脱させて、
超音波振動を前記超音波ホーンから伝える第2超音波加振工程と、を含むアルミニウム合金の注湯方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013210970A JP2015074008A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | アルミニウム合金の注湯方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013210970A JP2015074008A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | アルミニウム合金の注湯方法 |
Publications (1)
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JP2015074008A true JP2015074008A (ja) | 2015-04-20 |
Family
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JP2013210970A Pending JP2015074008A (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | アルミニウム合金の注湯方法 |
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JP (1) | JP2015074008A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105710350A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-06-29 | 浙江万丰摩轮有限公司 | 一种铝合金轮毂的超声波振动铸造工艺及其装置 |
-
2013
- 2013-10-08 JP JP2013210970A patent/JP2015074008A/ja active Pending
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