JP2015073964A - 破砕機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】打撃板40の両長手側面には、打撃板40の軸心側の端部40a近傍に位置する第1の打撃板側突起43と、第1の打撃板側突起43よりも外周側に位置する第2の打撃板側突起44と、が設けられている。第1の打撃板側突起43は、各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所、および、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所のいずれにも配置され得るよう構成されている。また第2の打撃板側突起44は、第1の打撃板側突起43が各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置されるとき、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所に配置され得るよう構成されている。
【選択図】図5A
Description
以下、本発明の第1の実施形態による破砕機について、図1乃至図6(a)〜(d)を参照して説明する。
図1は、破砕機10を示す正面図である。なお図1においては、破砕機10の主軸18の軸方向に直交する面で破砕機10を切断した場合の断面が示されている。破砕機10は、ケーシング11に形成された投入口12からケーシング11の内部の破砕空間14内に投入される対象物13に衝撃力を加え、これによって対象物13を破砕するものである。
次に、図2乃至図4Aを参照して、ロータディスク20に取り付けられている一対のプロテクタ31,32および打撃板40についてさらに詳細に説明する。図2は、図1の矢印IIに沿って図1の一対のプロテクタ31,32および打撃板40を見た場合を示す図である。図2においては、図が煩雑になるのを防ぐため、ロータディスク20は簡略化され、かつ点線で示されている。また図3Aは、図1に示すロータディスク20を拡大して示す平面図である。また図4Aは、一対のプロテクタ31,32と、一対のプロテクタ31,32によって挟持される打撃板40との間の嵌合関係を説明するための図である。なお図2においては、図面の明確化のため、図1において上部に位置する一対のプロテクタ31,32および打撃板40を省略している。
なお上述の打撃板側突起は、遠心力に対応する力を各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起から受けるものであるため、打撃板側突起には所定の強度が求められる。これに対して、外周側突起にそのような大きな力が作用することはない。一方、打撃板側突起43,44および外周側突起45は通常、同一の材料から一体的に構成されている。すなわち打撃板側突起43,44と外周側突起45とは同一の硬度を有している。また通常は、打撃板40を構成する材料は、プロテクタ31,32を構成する材料よりも高い硬度を有している。すなわち、プロテクタ31,32は打撃板40よりも脆くなっている。ここで本実施の形態によれば、プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33よりも外周側に打撃板40の外周側突起45が配置される。このため、破砕機10の動作時に対象物13の破砕片などが各プロテクタ31,32に衝突して各プロテクタ31,32が損傷することを防ぐという機能を外周側突起45が果たすことができる。外周側突起45の高さが特に限られることはなく、その機能に応じて適宜設定される。なお各プロテクタ31,32のうち打撃板40の外周側突起45に対応する部分には、外周側突起45を受け入れるための切り欠き35が形成されていてもよい。
はじめに、各ロータディスク20に新品の打撃板40を、一対のプロテクタ31,32を介して固定する。図5A(a)は、一対のプロテクタ31,32によって挟持された新品の打撃板40を示す図である。図5A(a)に示すように、打撃板40は、第1の打撃板側突起43が軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置され、第2の打撃板側突起44が第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所に配置されるよう、一対のプロテクタ31,32によって挟持されている。図5A(a)に示すように、新品の打撃板40の外周側の端部40bはハンマー状の形状を有していてもよい。
次に、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すための方法について、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
その後、チェーンブロックやホイストクレーンなどの吊り上げ手段を用いることによって、打撃板40が各プロテクタ31,32から浮いている状態を実現する。次に図6(b)に示すように、主軸18の軸方向において、打撃板40を、ロータディスクの半径方向に沿って見た場合に打撃板40の各突起43,44,45と各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33とが重ならないようになる場所まで、移動させる。その後、図6(c)に示すように、吊り上げ手段を用いて打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出す。次に図6(d)に示すように、主軸18の軸方向において、打撃板40を、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間に打撃板40の第1の打撃板側突起43が配置されるようになるまで、移動させる。
その後、変位防止機構37の支持体37cを打撃板40の孔40cと嵌合させ、また支持体37cの孔37eに固定ピン37dを挿入する。これによって、主軸18の軸方向において打撃板40を固定する。
このようにして、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すことができる。
一方、打撃板の上下を反転させることによって打撃板の突き出し長さを回復させる従来の破砕機においては、上下反転のために吊り上げ手段の吊り具を掛け替える作業が必要になる。しかしながら、打撃板の重量は大きく、このため、打撃板が吊り上げ手段によって吊り上げられている状態で吊り具の掛け替え作業を実施することは危険である。従って、吊り具の掛け替え作業は、打撃板を所定の平面上にいったん置いたうえで実施されることになる。このため、作業に要する時間や工数が大きくなってしまう。
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、打撃板40が吊り上げ手段によって吊り上げられている状態で作業を実施することができるので、短い時間で打撃板40の突き出し長さを容易に回復させることができる。
図5B(a)に示すように、新品の打撃板40においては、打撃板40の外周側の端部40bはハンマー状の形状を有するため、対象物13はロータディスク20の円周方向Rにほぼ沿った方向へ飛翔することになる。一方、図5B(b)に示すように、摩耗したために湾曲した形状を有する打撃板40においては、対象物13は、ロータディスク20の円周方向Rよりも外周側に傾いた方向へ飛翔することになる。ここで、打撃板40からの衝撃力を受けた対象物13が衝突板15やライナー16に到達するまでの時間は、一般に、図5B(a)の場合よりも図5B(b)の場合の方が短くなる。このため、図5B(b)の場合の方が、対象物13が衝突板15やライナー16に衝突する際の衝突力を高くすることができる。
ここで本実施の形態によれば、新品の打撃板40の外周側の端部40bが一旦摩耗した後は、外周側の端部40bが常に湾曲した形状を有することになる。このため、対象物13が衝突板15やライナー16に衝突する際の衝突力を、上下反転方式の打撃板の場合に比べて平均的に高くすることができる。従って、より効率的に対象物13を破砕することができる。
次に図8および図9(a)〜(d)を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
次に図10および図11(a)〜(f)を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
例えば図10に示すように、本実施の形態において、打撃板40の両長手側面41,42には、第2の打撃板側突起44よりも外周側に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる第3の打撃板側突起46がさらに設けられている。この場合、打撃板40の第3の打撃板側突起46は、第2の打撃板側突起44が各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置されるとき、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間に配置され得るよう、構成されている。
次に図12(a)〜(d)を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図13に示すように、打撃板40には、軸心側の端部40aに至る中空部47が形成されていてもよい。このような中空部47を打撃板40に形成することにより、打撃板40を作製するための使用される材料の量を低減することができる。なお、このような中空部47は、繰り出し方式が採用されている打撃板40においては形成可能であるが、上下反転方式が採用されている打撃板40では形成され得ないものである。
錘48の材料が打撃板40を構成する材料よりも高い密度を有する限りにおいて、図14に示す例で用いられる錘48の材料が特に限られることはない。例えば打撃板40がクロム鋼から構成されている場合、錘48を構成する材料として、鉛、鉛合金や銅合金等が用いられ得る。
錘48を中空部47に埋め込む方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられ得る。例えば図14に示すように、締結具49を用いることによって錘48が中空部47内に固定されていてもよい。
また上述の各実施の形態および変形例においては、打撃板40の各打撃板側突起がいずれも同一の形状を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、各打撃板側突起の形状をそれぞれ独立に設定することができる。例えば図16に示すように、各打撃板側突起43,44,46は、ロータディスク20の半径方向における寸法が軸心側の打撃板側突起ほど小さくなるよう、構成されていてもよい。なぜなら、軸心側の打撃板側突起、例えば第1の打撃板側突起43がプロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33に係合するときには、摩耗のため打撃板40の重量が減少しており、このため、外周側の打撃板側突起、例えば打撃板側突起46に比べて、第1の打撃板側突起43に求められる強度は低いからである。従って、位置に応じて各打撃板側突起43,44,46の強度、すなわち寸法を適切に設定することができ、このことにより、打撃板40全体としての材料の使用量を可能な限り少なくすることができる。
まず本発明の実施例と比較するため、上述の図7(a)に示すような上下反転可能な打撃板60を用いて、打撃板60の使用率を評価した。ここで「使用率」は、新品の打撃板の重量に対する、打撃板の摩耗量の比を意味している。「摩耗量」は、新品の打撃板の重量と、交換時の打撃板の重量との差を意味している。
上述の図5(a)に示すような、二段にわたって係合用突起が設けられた打撃板40を用いて、打撃板40の使用率を評価した。まず、250mmの長さを有する新品の打撃板40を準備した。本実施例における新品の打撃板40の重量を、比較例における新品の打撃板60の100という重量に対する相対値で表すと、72であった。次に、打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さLに到達するまで、打撃板40を用いた破砕工程を実施した。打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さLに到達した時の、打撃板40の重量は52であった。
上述の図9(a)に示すような、三段にわたって係合用突起が設けられた打撃板40を用いて、打撃板40の使用率を評価した。まず、313mmの長さを有する新品の打撃板40を準備した。本実施例における新品の打撃板40の重量を、比較例における新品の打撃板60の100という重量に対する相対値で表すと、88,5であった。次に、打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さLに到達するまで、打撃板40を用いた破砕工程を実施した。その後、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出した。次に、打撃板40の突き出し長さが再び限界突き出し長さLに到達するまで、打撃板40を用いた破砕工程を実施した。その後、打撃板40をさらに外周側に一段階だけ繰り出した。次に、打撃板40の突き出し長さが再び限界突き出し長さLに到達するまで、打撃板40を用いた破砕工程を実施した。打撃板40の突き出し長さが再び限界突き出し長さLに到達した時の、打撃板40の重量は34であった。この場合、実施例2における摩耗量は、88.5−34=54.5になる。また実施例2における使用率は、54.5/88.5×100=61.6%になる。
18 主軸
20 ロータディスク
21 溝
31 第1プロテクタ
32 第2プロテクタ
33 第1のプロテクタ側突起
34 軸心側突起
36 第2のプロテクタ側突起
37 変位防止機構
40 打撃板
43 第1の打撃板側突起
44 第2の打撃板側突起
45 外周側突起
46 第3の打撃板側突起
Claims (12)
- 対象物を破砕する破砕機であって、
主軸と、
前記主軸に固定され、前記主軸を回転軸として回転するロータディスクであって、その外周に複数の溝が形成されている、ロータディスクと、
前記ロータディスクの前記溝に取り付けられ、互いに対向する一対のプロテクタと、
前記対象物に衝突する打撃板であって、その両長手側面が前記一対のプロテクタによって挟持される、打撃板と、を備え、
各プロテクタは、前記主軸の軸方向に沿って延びる第1のプロテクタ側突起と、前記第1のプロテクタ側突起よりも軸心側に設けられ、前記主軸の軸方向に沿って延びる軸心側突起と、を有し、
前記打撃板の両長手側面には、前記打撃板の軸心側の端部近傍に位置し、前記主軸の軸方向に沿って延びる第1の打撃板側突起と、前記第1の打撃板側突起よりも外周側に位置し、前記主軸の軸方向に沿って延びる第2の打撃板側突起と、が設けられており、
前記打撃板の前記第1の打撃板側突起は、前記プロテクタの前記軸心側突起よりも軸心側の場所、および、前記プロテクタの前記第1のプロテクタ側突起と前記軸心側突起との間の場所のいずれにも配置され得るよう構成されており、
前記打撃板の前記第2の打撃板側突起は、前記第1の打撃板側突起が前記プロテクタの前記軸心側突起よりも軸心側の場所に配置されるとき、前記プロテクタの前記第1のプロテクタ側突起と前記軸心側突起との間の場所に配置されるよう構成されている、破砕機。 - 前記打撃板の両長手側面には、前記第2の打撃板側突起よりも外周側に位置し、前記主軸の軸方向に沿って延びる1つまたは2つ以上の打撃板側突起がさらに設けられている、請求項1に記載の破砕機。
- 各打撃板側突起は、前記ロータディスクの半径方向において一定の配列ピッチで設けられている、請求項2に記載の破砕機。
- 前記ロータディスクの半径方向における各打撃板側突起の寸法は、軸心側の打撃板側突起ほど小さくなっている、請求項2または3に記載の破砕機。
- 対象物を破砕する破砕機であって、
主軸と、
前記主軸に固定され、前記主軸を回転軸として回転するロータディスクであって、その外周に複数の溝が形成されている、ロータディスクと、
前記ロータディスクの前記溝に取り付けられ、互いに対向する一対のプロテクタと、
前記対象物に衝突する打撃板であって、その両長手側面が前記一対のプロテクタによって挟持される、打撃板と、を備え、
各プロテクタは、前記主軸の軸方向に沿って延びる第1のプロテクタ側突起と、前記第1のプロテクタ側突起よりも外周側に設けられ、前記主軸の軸方向に沿って延びる第2のプロテクタ側突起と、前記第1のプロテクタ側突起よりも軸心側に設けられ、前記主軸の軸方向に沿って延びる軸心側突起と、を有し、
前記打撃板の両長手側面には、前記打撃板の軸心側の端部近傍に位置し、前記主軸の軸方向に沿って延びる第1の打撃板側突起が設けられており、
前記打撃板の前記第1の打撃板側突起は、前記プロテクタの前記第1のプロテクタ側突起と前記軸心側突起との間の場所、および、前記プロテクタの前記第2のプロテクタ側突起と前記第1のプロテクタ側突起との間の場所のいずれにも配置され得るよう構成されている、破砕機。 - 各プロテクタには、前記第2のプロテクタ側突起よりも外周側に位置し、前記主軸の軸方向に沿って延びる1つまたは2つ以上のプロテクタ側突起がさらに設けられている、請求項5に記載の破砕機。
- 各プロテクタ側突起は、前記ロータディスクの半径方向において一定の配列ピッチで設けられている、請求項6に記載の破砕機。
- 前記打撃板の軸心側の端部に錘が取り付けられている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の破砕機。
- 前記打撃板には、前記打撃板の軸心側の端部に至る中空部が形成されており、
前記中空部には、前記打撃板を構成する材料よりも高い密度を有する材料からなる錘が埋め込まれている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の破砕機。 - 前記主軸の軸方向に沿って延びる外周側突起であって、前記プロテクタの前記プロテクタ側突起のうち最も外周側に位置するプロテクタ側突起よりも外周側に配置される外周側突起が、前記打撃板の両長手側面にさらに設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の破砕機。
- 前記ロータディスクの周囲には、打撃板によって衝撃力を与えられた後の対象物を衝突させるための衝突板が配置されており、
前記衝突板は、ロータディスクの半径方向に沿って移動可能であるよう構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の破砕機。 - 前記主軸には、前記主軸の軸方向に沿って複数の前記ロータディスクが固定されており、
各ロータディスクの前記溝には、前記一対のプロテクタが取り付けられており、
前記主軸の軸方向における前記打撃板の各打撃板側突起の長さは、1つのロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの各プロテクタ側突起と、前記1つのロータディスクに隣り合う他のロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの各プロテクタ側突起との間の、前記主軸の軸方向における隙間よりも小さくなっており、このため、前記打撃板を前記主軸の軸方向において前記打撃板の前記打撃板側突起の長さに対応する距離にわたって移動させることにより、前記ロータディスクの半径方向における前記打撃板と前記プロテクタとの間の係合を解除することができる、打撃板側突起主軸請求項1乃至11のいずれか一項に記載の破砕機。
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