JP2015073938A - 旋回渦流式分級機および分級方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力差を利用して、粒度分布を有する粉体が気体に混合された混合物を搬送する気体輸送の輸送経路の上流側が混合物入口に接続され、下流側が排気管に接続されている旋回渦流式分級機で、混合物が気体輸送されて供給され粉体を粗粉と微粉とに分級する。混合物入口での気体の流入量、排気管での気体の流出量、混合物入口と排気管との圧力差、分級場の温度および分級場の圧力のうち、少なくとも1つを計測する計測部を有する。計測部による各計測値と、各計測値に対して予め設定された目標値とを比較し、計測値が目標値から外れる場合、計測値を目標値に近づけるように制御する制御部を有する。
【選択図】図1
Description
特許文献1の粉体分級機においては、上面中央に粉体投入口を有し、粉体投入口の直下に設けられた円錐体の頂部から広がる円錐面に沿って粉体通路を形成し、粉体通路の下端が周縁部から軸心方向に向かって所定の角度で伸びるように配置された複数のガイドベーンの略中央に位置し、円錐体下方軸心部に排気管に接続された中央開口を有し、かつガイドベーンの外側周縁部に空気導入口を有する。排気管に接続されたファンにより接続管内が負圧にされると、空気導入口から外部の空気が導入され、空気導入口から導入される外部の空気がガイドベーン間を通過する際、旋回流となり、この旋回流により粉体通路からガイドベーン間に落下する粉体に与えられる遠心力と抗力とのバランスにより粉体を分級する。
また、何らかの外的変化により、装置内の状態が変化した場合でも把握することができず、装置自体で何らかの対処をすることができない。
また、本発明の他の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、装置の状態を計測し、その計測結果に基づいて種々のパラメータを制御して粒度分布を持つ粉体を所望の粒径(分級点)において分級する旋回渦流式分級機および分級方法を提供することにある。
計測部による各計測値と、各計測値に対して予め設定された目標値とを比較し、計測値が目標値から外れる場合、計測値を目標値に近づけるように制御する制御部を有することが好ましい。
混合物入口の上流側から輸送補助気体を供給する第1の気体供給部を備え、制御部は、計測値を目標値に近づけるように、第1の気体供給部により輸送補助気体を混合物入口に導入することが好ましい。
さらに、分級場の近傍に分級補助気体を供給する第2の気体供給部を備え、制御部は、計測値を目標値に近づけるように、第2の気体供給部により分級場の近傍に分級補助気体を供給することが好ましい。
各計測値と、各計測値に対して予め設定された目標値とを比較し、計測値が目標値から外れる場合、計測値を目標値に近づけるように制御する工程を有することが好ましい。
本発明の旋回渦流式分級機は、例えば、圧力差を利用して、粒度分布を有する粉体が気体に混合された混合物を搬送する気体輸送路中に挿入して用いることができる。しかも、この場合、前後に設けられる機器の圧力変動および流量変動等の影響を受けても、その影響を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態の旋回渦流式分級機を備えた分級システムを示す模式図である。
システム10では、吸引部18を用いて吸引排気することにより、圧力差が生じ、この圧力差により粉体が気体に混合された混合物が気体輸送されて分級機14に供給され、分級機14では旋回空気流が形成され、粉体に旋回運動を与えて粗粉と微粉とに分離する。分級機14にはシステム10の系外の空気等の気体は取り入られておらず、分級機14は気体輸送路中に挿入される形で接続されている。なお、分級機14の設置方法は、気体輸送路中に挿入される形で接続される形態に限定されるものではない。
また、分級機14の上流側の配管、および分級機14に気体を供給する気体供給部30と、分級機14の上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの角度を調整するアクチュエータ32とを有する。
システム10の各部は図示されていない場合であっても制御部34に接続されており、システム10の各部は制御部34で制御される。
吸引部18は、上述の気体輸送および分級ができれば、その構成は特に限定されるものではなく、ターボ式ブロア等を用いることができる。
図2に示すように、分級機14では、カバー43の混合物入口40のすぐ下に頂部42aが位置するように粉体分散用の円錐体42が設けられている。この円錐体42を覆うように円錐体42の円錐面からわずかに離間して円錐状のカバー43が設けられる。カバー43と円錐体42の円錐面との間の隙間が粉体の分散経路44になり、円錐体42の頂部42aから広がる円錐面に沿って混合物の分散経路44が形成される。分散経路44は下端でくの字状に内側に曲げてある。すなわち、分散経路44は下端で内側に折曲っている。なお、前段装置12が配管を介して混合物入口40に接続されており、混合物入口40から混合物が供給される。
ケーシング45の上段リング45a、下段リング45bとの間にはリング状の仕切板48が設けられており、この仕切板48で上下2段に分割された多数の上段ガイドベーン49aおよび下段ガイドベーン49bが円周方向に沿って略平行に配置されている。上段ガイドベーン49aおよび下段ガイドベーン49bは、円錐体42の中心軸D方向に向かって所定の角度で伸びている。
分散経路44のくの字状下端が上段ガイドベーン49aの略中央に開口している。仕切板48の外周近くには円周方向に沿って等間隔に半径方向に延びる長孔48aが形成された上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの外側端部に設けられたピン50がそれぞれ長孔48aに係合している。
一方、上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの内側端部に設けられたピン51は、ケーシング45の上段リング45aに枢着されている。上段ガイドベーン49aおよび下段ガイドベーン49bは、仕切板48を回動させることで、その角度を調整することができる。
ケーシング45の下側には分級された粗粉を収集する粗粉回収管60(回収管)が設けられている。粗粉回収管60は、排気管53と二重配管状に設けられている。
この粗粉回収管60の下端にはロータリーバルブ(図示せず)を介してホッパー62が設けられている。なお、ガイドベーンは2段構成としたが、1段構成であってもよい。また、混合物入口40の上流側にサイトグラスを設けてもよい。
混合物入口40での気体の流入量、排気管53での気体の流出量、混合物入口40と排気管53との圧力差、分級場Bの温度、および分級場Bの圧力のうち、少なくとも1つを計測すればよいため、流量計測部20、圧力計測部22、温度センサ24および圧力センサ26のうち、少なくとも1つを設ければよい。
圧力計測部22は、混合物入口40の圧力と排気管53の圧力を計測し、混合物入口40と排気管53との圧力差を求めることができれば、その構成および計測位置は、特に限定されるものではない。圧力計測部22の計測位置は、混合物や、特にそれに含まれる微粉の影響が少ない位置であることが好ましい。
圧力センサ26は、分級場Bの圧力を計測できれば、その構成および計測位置は、特に限定されるものではない。例えば、歪みゲージを用いたもの等を用いることができる。
なお、気体供給部30は、混合物入口40への輸送補助気体の供給、および分級場の近傍への分級補助気体の供給をするものを兼ねるものとしたが、これに限定されるものではなく、それぞれ別々の気体供給部を設ける構成でもよい。
気体供給部30の構成としては、空気等の気体を供給でき、かつ空気等の気体の温度を変えることができる機能を有するものであれば、特に限定されるものではなく、公知のものを適宜用いることができる。
アクチュエータ32は仕切板48に接続されており、アクチュエータ32により仕切板48が回動される。アクチュエータ32は、仕切板48を回動させることができれば、その構成は、特に限定されるものではない。例えば、サーボモータ、ステッピングモータ等を用いることができる。
以下、上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの角度調整について説明する。
アクチュエータ32により仕切板48が回動させると、その長孔48aにピン係合した上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bがピン51を中心に回動するので、上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの角度を変えることができる。
上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの先端が排気管53からより離れる方向に角度を変えたとき、分級点を小さくすることができる。
前段装置12から、粒度分布を有する粉体が気体に混合された混合物が分級機14の混合物入口40に供給される。このとき、吸引部18で吸引されることで、システム10の系内に圧力差が生じ、粉体が空気に混合された混合物として分級機14に空気輸送される。
混合物入口40から投入された粉体は、円錐体42の頂部42aに当って八方に分散され分散経路44を通って下方に落下する。そして、空気が粉体とともに分散経路44を通って導入され、くの字状の分散経路44下端から上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの略中央に流入する。上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49b間を流れる空気流は上段ガイドベーン49a、下段ガイドベーン49bの向きと円板52の中央開口の位置との関係により図3に示す矢印Aで示すような旋回流となり、渦流状となって中央開口に向かい排気管53に流れ込む。
制御部34では、各計測部の各計測値に対して、予め設定された目標値が記憶されている。なお、目標値は所定の範囲を有する。
例えば、混合物入口40と排気管53との圧力差が目標値よりも小さければ、制御部34が気体供給部30から輸送補助気体を所定の流量で混合物入口40に供給させる。また、分級場Bの温度が目標値よりも高ければ、制御部34が気体供給部30から温度が低い輸送補助気体を所定の流量で混合物入口40に供給させる。
分級場Bの圧力が目標値よりも低ければ、制御部34が気体供給部30から所定の流量で分級場Bの近傍に分級補助気体を供給させる。このように、装置の状態を計測し、その計測結果に基づいて種々のパラメータを制御することで、粒度分布を持つ粉体を所望の粒径(分級点)において分級することができる。
本発明では、例えば、分級機14を気体輸送路中に挿入される形で接続される形態で用いた場合、前後に設けられる機器、例えば、前段装置12または回収部16の圧力変動および流量変動等の影響を受けても、分級機14の状態を計測し、その計測結果に基づいて分級機14の種々のパラメータを制御することで、その影響を抑制することができる。このため、気体輸送路中に挿入される形で接続される形態で使用することができる。
ここで、例えば、分級機のような装置を気体輸送経路内に設置するためには、一度、粉体を回収して常圧に戻した後、分級機に投入し、分級処理をした後、新たに気体輸送をする必要がある。具体的には、粉体を回収するための回収装置、分級機に供給するための供給装置を設置し、さらに処理した後の粉体を気体輸送するための圧力源等を新たに設ける必要があり、工業的にはコストアップの要因となる。しかしながら、本発明の分級機14では気体輸送路中に挿入される形で接続される形態で使用することができるため、上述のような装置が不要であり、複雑な装置の設置の必要がなく、装置構成を簡素化できる。このため、コストアップを抑制することができる。
12 前段装置
14 旋回渦流式分級機(分級機)
16 回収部
18 吸引部
20 流量計測部
22 圧力計測部
24 温度センサ
26 圧力センサ
30 気体供給部
32 アクチュエータ
34 制御部
40 混合物入口
42 円錐体
43 カバー
44 分散通路
49a 上段ガイドベーン
49b 下段ガイドベーン
53 排気管
60 粗粉回収管
B 分級場
Claims (10)
- 粒度分布を有する粉体が気体に混合された混合物が気体輸送されて供給され、前記粉体を粗粉と微粉とに分級する旋回渦流式分級機であって、
円錐体と、
前記円錐体を覆うように設けられ、前記円錐体の頂部から広がる円錐面に沿って前記混合物の通路を形成し、かつ前記円錐体の頂部に相当する位置に形成された、前記混合物が供給される混合物入口を備えるカバーと、
前記円錐体の下端に、前記円錐体の下端の周縁部から、その中心軸方向に向かって所定の角度で伸びるように、前記周縁部に沿って配置された複数のガイドベーンと、
前記複数のガイドベーンで囲まれる領域の略中央に設けられた排気管と、
前記排気管と二重配管状に配置された回収管とを有し、
前記複数のガイドベーンで囲まれる領域が前記粉体を前記粗粉と前記微粉とに分級する分級場であり、前記排気管で前記微粉が回収され、前記回収管で前記粗粉が回収され、
前記混合物入口での前記気体の流入量、前記排気管での前記気体の流出量、前記混合物入口と前記排気管との圧力差、前記分級場の温度、および前記分級場の圧力のうち、少なくとも1つを計測する計測部を有することを特徴とする旋回渦流式分級機。 - 圧力差を利用して前記粉体が前記気体に混合された前記混合物を搬送する気体輸送の輸送経路の上流側が前記混合物入口に接続され、下流側が前記排気管に接続されている請求項1に記載の旋回渦流式分級機。
- 前記計測部による各計測値と、前記各計測値に対して予め設定された目標値とを比較し、前記計測値が前記目標値から外れる場合、前記計測値を前記目標値に近づけるように制御する制御部を有する請求項1または2に記載の旋回渦流式分級機。
- 前記混合物入口の上流側から輸送補助気体を供給する第1の気体供給部を備え、
前記制御部は、前記計測値を前記目標値に近づけるように、前記第1の気体供給部により前記輸送補助気体を前記混合物入口に導入する請求項3に記載の旋回渦流式分級機。 - 前記第1の気体供給部は、輸送補助気体の温度を調整する機能を備え、
前記制御部は、前記計測値を前記目標値に近づけるように、前記第1の気体供給部で前記輸送補助気体の温度を調整させる請求項4に記載の旋回渦流式分級機。 - 前記分級場の近傍に分級補助気体を供給する第2の気体供給部を備え、
前記制御部は、前記計測値を前記目標値に近づけるように、前記第2の気体供給部により前記分級場の近傍に前記分級補助気体を供給する請求項3に記載の旋回渦流式分級機。 - 前記ガイドベーンは角度を調整可能に設けられており、前記ガイドベーンの角度を調整する調整部を備え、
前記制御部は、前記計測値を前記目標値に近づけるように、前記調整部により前記ガイドベーンの角度を調整する請求項3に記載の旋回渦流式分級機。 - 粒度分布を有する粉体が気体に混合された混合物が気体輸送されて供給され、前記粉体を粗粉と微粉とに分級する旋回渦流式分級機を用いた分級方法であって、
前記旋回渦流式分級機は、円錐体と、前記円錐体を覆うように設けられ、前記円錐体の頂部から広がる円錐面に沿って前記混合物の通路を形成し、かつ前記円錐体の頂部に相当する位置に形成された、前記混合物が供給される混合物入口を備えるカバーと、前記円錐体の下端に、前記円錐体の下端の周縁部から、その中心軸方向に向かって所定の角度で伸びるように、前記周縁部に沿って配置された複数のガイドベーンと、前記複数のガイドベーンで囲まれる領域の略中央に設けられた排気管と、前記排気管と二重配管状に配置された回収管とを有し、前記複数のガイドベーンで囲まれる領域が前記粉体を前記粗粉と前記微粉とに分級する分級場であり、前記排気管で前記微粉が回収され、前記回収管で前記粗粉が回収されるものであり、
前記混合物入口での前記気体の流入量、前記排気管での前記気体の流出量、前記混合物入口と前記排気管との圧力差、前記分級場の温度、および前記分級場の圧力のうち、少なくとも1つを計測して、前記粉体を前記粗粉と前記微粉とに分級することを特徴とする分級方法。 - 圧力差を利用して前記粉体が前記気体に混合された前記混合物を搬送する気体輸送の輸送経路の上流側が前記混合物入口に接続され、下流側が前記排気管に接続されている請求項8に記載の分級方法。
- 前記各計測値と、前記各計測値に対して予め設定された目標値とを比較し、前記計測値が前記目標値から外れる場合、前記計測値を前記目標値に近づけるように制御する工程を有する請求項8または9に記載の分級方法。
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