JP2015073658A - 画像表示装置及び距離算出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医用画像に付帯されている情報に基づいて、正しい計測情報を提供する。
【解決手段】表示部に医用画像が表示された状態で(ステップS2)、指定された医用画像上の異なる2点の座標を取得する(ステップS3,S4)。医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合には(ステップS6;YES)、当該イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて、指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択し(ステップS7)、2点間の実際の距離を算出する(ステップS8)。医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合には(ステップS6;NO)、医用画像に付帯されている画素間隔に基づいて、指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択し(ステップS9)、2点間の実際の距離を算出する(ステップS10)。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像表示装置及び距離算出方法に関する。
近年、PACS(Picture Archiving and Communication System:医療用画像保管・転送システム)の普及により、CR(Computed Radiography)、CT(Computed Tomography)、MR(Magnetic Resonance)、MG(Mammography)等のモダリティーで撮影された医用画像は、デジタル画像として画像サーバーに保存されている。
CRやMGのようにX線を利用した撮影方法では、検出器上で検出される画像は、実際の被写体(実物)よりも拡大されたものとなっている。そこで、画像上の病変の大きさを正確に計測したい場合には、長さが知られた物(物差し等)を被写体と一緒に撮影し、画像内の長さが知られた物に基づいて、病変の実際の大きさを算出することが一般的である(特許文献1参照)。
ただし、MGの場合は、物差し等を一緒に撮影するという方法は一般的でないため、モダリティー側で線源と被写体の距離、被写体と検出器の距離から拡大率を求め、拡大率の情報を医用画像とともにPACS側に送信するという方法が広がりつつある。
ここで、放射線画像撮影における通常撮影と拡大撮影との違いについて説明する。通常撮影(接触撮影)は、通常の検査における撮影方法であり、被写体と検出器とが接触した状態で行われる(図4(a)参照)。拡大撮影では、通常撮影と異なり、エアギャップ法と呼ばれる手法により、被写体と検出器との距離をあけた状態で撮影される(図4(b)参照)。すなわち、通常撮影と拡大撮影とでは、同じ被写体でも検出器上における大きさが異なる。拡大撮影は、通常撮影の結果、病変が疑われる部分があった場合に、追加で行われるものであり、拡大撮影時の拡大率は、1.5倍〜2.0倍が一般的である。拡大撮影では、被写体における散乱線の影響が軽減されることで微小石灰化の検出能力がよくなる。
画像上の距離を算出する際、従来は、画像の付帯情報に含まれる「Pixel Spacing(画素間隔)」と呼ばれる1画素あたりの距離を表すパラメーターを使用していた。しかし、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格の画像ファイルのヘッダーに含まれるPixel Spacing(0028,0030)というタグの値は、真に信頼できる値ではない。そのため、「Pixel Spacing」の値を使用するよりも、画像の付帯情報に含まれる「Imager Pixel Spacing(イメージャー画素間隔)」及び「Estimated Radiographic Magnification Factor(推定放射線拡大率)」を使用しようという動きがある。イメージャー画素間隔は、検出器上の1画素あたりの距離である。推定放射線拡大率は、撮影により得られた画像の被写体(実物)に対する拡大率として推定される値である。
特開平5−300900号公報
しかし、イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率を使用する方法は、モダリティー側が医用画像の付帯情報として、適切な値を入れてくることを前提としたものであるが、実際には、モダリティー側がイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率の適切な値を入れてくるとは限らない。そのため、画像サーバーが同一施設内に存在する複数のモダリティーから画像を受ける場合や、他の施設から画像を取り込む場合には、画像サーバーに保存されている各医用画像に対して、画像に付帯されているイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率の値を信用していいのか、従来の方式(画素間隔)を用いるべきかを判断する必要がある。
画像上の距離を算出する際に、いずれの方法を用いるべきかという判断を誤ると、間違った計測値による誤診や、計算のやり直しによる読影診断効率の低下を招く結果となる。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、医用画像に付帯されている情報に基づいて、正しい計測情報を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、医用画像を表示する表示手段と、前記表示された医用画像上の異なる2点を指定する指定手段と、前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合に、当該イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択し、前記医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合に、前記医用画像に付帯されている画素間隔に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された方法を用いて、前記指定された2点間の実際の距離を算出する算出手段と、を備える画像表示装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記算出手段は、前記選択手段により前記第1の方法が選択された場合に、前記指定された2点間に対応する画素数にイメージャー画素間隔を掛けた値を推定放射線拡大率で割った値を、前記指定された2点間の実際の距離として算出し、前記選択手段により前記第2の方法が選択された場合に、前記指定された2点間に対応する画素数に画素間隔を掛けた値を、前記指定された2点間の実際の距離として算出する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像表示装置において、前記選択手段は、前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合であっても、前記医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔、推定放射線拡大率及び画素間隔が所定の条件を満たす場合には、前記第2の方法を選択する。
請求項4に記載の発明は、医用画像を表示する表示工程と、前記表示された医用画像上の異なる2点を指定する指定工程と、前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合に、当該イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択し、前記医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合に、前記医用画像に付帯されている画素間隔に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択する選択工程と、前記選択工程において選択された方法を用いて、前記指定された2点間の実際の距離を算出する算出工程と、を含む距離算出方法である。
本発明によれば、医用画像に付帯されている情報に基づいて、正しい計測情報を提供することができる。
医用画像表示システムのシステム構成図である。 画像サーバーの機能的構成を示すブロック図である。 クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。 (a)は、通常撮影を説明するための模式図である。(b)は、拡大撮影を説明するための模式図である。 クライアント端末において実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。 判定処理を示すフローチャートである。 マンモグラフィー装置により撮影された乳房画像に付帯されている画素間隔、イメージャー画素間隔、推定放射線拡大率の値の例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1に、医用画像表示システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像サーバー10と、画像表示装置としてのクライアント端末20と、モダリティー30とが、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。通信ネットワークNは、DICOM規格が適用されている。
画像サーバー10は、PACSにより構成され、各種モダリティー30により生成された医用画像の画像データのファイル(以下、画像ファイルという。)等を保存し、クライアント端末20等の外部機器からの要求に応じて画像ファイル等を提供する。画像ファイルは、DICOM規格に則った形式で生成されており、医用画像の画像データとヘッダーとから構成される。ヘッダーには、医用画像に関する付帯情報が格納されている。
図2に、画像サーバー10の機能的構成を示す。図2に示すように、画像サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備えて構成され、各部はバス18により接続されている。
CPU11は、画像サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、ROM15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM16内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
通信部14は、クライアント端末20等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
ROM15は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
RAM16は、CPU11により実行制御される各種処理において、ROM15から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部17は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的に、記憶部17には、画像DB(Data Base)171が記憶されている。画像DB171には、複数の医用画像の画像ファイルが格納されている。
画像ファイルは、各種モダリティー30から送信されたものである。画像ファイルとして、例えば、乳房をX線撮影して得られた乳房画像の画像ファイル等が挙げられる。また、乳房画像の画像ファイルには、位相コントラスト技術を用いて乳房をX線撮影して得られたPCM(Phase Contrast Mammography)(登録商標)画像の画像ファイルが含まれる。
CPU11は、クライアント端末20から医用画像の画像ファイルの取得要求があった場合に、要求された医用画像の画像ファイルを記憶部17の画像DB171から読み出し、クライアント端末20に送信する。
クライアント端末20は、画像サーバー10から取得した画像ファイルに基づいて医用画像を表示させ、当該医用画像の読影を行うための装置であって、PC(Personal Computer)等から構成される。
図3に、クライアント端末20の機能的構成を示す。図3に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM25、RAM26、記憶部27を備え、各部はバス28により接続されている。
CPU21は、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM26内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
操作部22は、ユーザーによる操作指示を受け付ける機能部である。操作部22は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。例えば、操作部22は、表示部23に表示された医用画像上の異なる2点を指定する際に用いられる。すなわち、操作部22は、指定手段として機能する。
表示部23は、LCDにより構成される高精細モニター装置であり、CPU21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。例えば、表示部23は、読影対象となる医用画像を表示する。
通信部24は、画像サーバー10等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
ROM25は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
RAM26は、CPU21により実行制御される各種処理において、ROM25から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。具体的には、RAM26には、画像サーバー10から取得した画像ファイル等が記憶される。
記憶部27は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。
CPU21は、通信部24を介して、画像サーバー10に対して、記憶部17に記憶されている医用画像の画像ファイルの取得要求を送信し、画像サーバー10から医用画像の画像ファイルを取得する。
CPU21は、表示対象の医用画像にイメージャー画素間隔(Imager Pixel Spacing)及び推定放射線拡大率(Estimated Radiographic Magnification Factor)が付帯されているか否かを判断する。CPU21は、医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合に、医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて、指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択する。CPU21は、医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合に、医用画像に付帯されている画素間隔(Pixel Spacing)に基づいて、指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択する。すなわち、CPU21は、選択手段として機能する。
なお、CPU21は、医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合であっても、医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔、推定放射線拡大率及び画素間隔が所定の条件を満たす場合には、第2の方法を選択する。
CPU21は、選択された方法を用いて、指定された2点間の実際の距離を算出する。すなわち、CPU21は、算出手段として機能する。
具体的は、CPU21は、第1の方法が選択された場合に、指定された2点間に対応する画素数にイメージャー画素間隔を掛けた値を推定放射線拡大率で割った値を、指定された2点間の実際の距離として算出する。
イメージャー画素間隔は、検出器上の1画素あたりの距離であり、医用画像の画像ファイルのヘッダーに含まれ得るImager Pixel Spacing(0018,1164)タグに入っている値である。推定放射線拡大率は、医用画像の画像ファイルのヘッダーに含まれ得るEstimated Radiographic Magnification Factor(0018,1114)タグに入っている値である。
2点間の実際の距離(mm)=2点間に対応する画素数(pixel)
×イメージャー画素間隔(mm/pixel)/推定放射線拡大率 (1)
一方、CPU21は、第2の方法が選択された場合に、指定された2点間に対応する画素数に画素間隔を掛けた値を、指定された2点間の実際の距離として算出する。
画素間隔は、1画素あたりの距離であり、医用画像の画像ファイルのヘッダーに含まれ得るPixel Spacing(0028,0030)タグに入っている値である。
2点間の実際の距離(mm)
=2点間に対応する画素数(pixel)×画素間隔(mm/pixel) (2)
モダリティー30は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する。モダリティー30は、例えば、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)等によって構成される。モダリティー30は、DICOM規格に則って、患者情報(患者ID、患者名、性別、生年月日、年齢等)、画像属性情報(UID、撮影日時、検査ID、検査部位等)、撮影条件(イメージャー画素間隔、推定放射線拡大率、画素間隔等)等の付帯情報を医用画像の画像ファイルのヘッダーに書き込むことにより、医用画像に付帯情報を付帯させる。
図4(a)は、モダリティー30において、通常撮影(接触撮影)が行われる場合の模式図である。線源31から照射されたX線は、圧迫板32と被写体台33との間で圧迫された被写体40を透過し、検出器34に到達する。被写体40内で散乱された散乱線は、検出器34により検出される画像上のノイズとして現れる。
図4(b)は、モダリティー30において、拡大撮影が行われる場合の模式図である。線源31から照射されたX線は、圧迫板32と被写体台33との間で圧迫された被写体40を透過し、検出器34に到達する。被写体40と検出器34との間にエアギャップが設けられていることにより、散乱線の影響が軽減される。線源31と被写体40との距離をR1、被写体40と検出器34との距離をR2とすると、推定放射線拡大率は、式(3)により求められる。
推定放射線拡大率=(R1+R2)/R1 (3)
検出器34は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置されており、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として出力する。
モダリティー30は、医用画像に画素間隔を付帯させて、画像サーバー10に送信する。ただし、医用画像に付帯されている画素間隔は、正確な値でない場合もある。
ある種のモダリティー30は、医用画像にイメージャー画素間隔を付帯させて、画像サーバー10に送信する。イメージャー画素間隔は、モダリティー30において使用される検出器34における変換素子の間隔である。
ある種のモダリティー30は、医用画像に推定放射線拡大率を付帯させて、画像サーバー10に送信する。推定放射線拡大率は、モダリティー30において、線源31と被写体40との距離R1、及び、被写体40と検出器34との距離R2に基づいて、式(3)により求められる。
本実施の形態では、モダリティー30としてマンモグラフィー装置を用い、乳房画像を撮影する場合を例にして説明する。
モダリティー30が位相コントラスト技術を用いて拡大撮影を行うPCM装置である場合には、被写体が拡大された状態で0.04375(mm/pixel)の画素間隔の検出器34により画像を生成する。そして、モダリティー30において、元々の画素間隔0.04375(mm/pixel)から0.025(mm/pixel)の画素間隔に画像を縮小し、画像サーバー10に出力する。このとき、PCM装置では、医用画像に、画素間隔として0.025(mm/pixel)が付帯され、イメージャー画素間隔として補正後の値である0.025(mm/pixel)が付帯され、推定放射線拡大率として1.75(=0.04375/0.025)が付帯される。
次に、動作について説明する。
図5は、クライアント端末20において実行される医用画像表示処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21とROM25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
まず、ユーザー(読影医)による操作部22からの操作により、読影対象となる患者及び検査等が指定され、CPU21により、画像サーバー10に対して、指定された患者及び検査等に対応する医用画像の画像ファイルの取得要求が通信部24を介して送信される。
画像サーバー10では、通信部14により医用画像の画像ファイルの取得要求が受信されると、CPU11により、当該取得要求に応じた医用画像の画像ファイルが画像DB171から読み出され、読み出された医用画像の画像ファイルが通信部14を介してクライアント端末20に送信される。
クライアント端末20では、CPU21により、画像サーバー10から、通信部24を介して医用画像の画像ファイルが取得される(ステップS1)。取得された画像ファイルは、CPU21により、RAM26に格納される。
次に、CPU21により、取得された画像ファイルに基づいて、表示部23に医用画像が表示される(ステップS2)。
次に、ユーザーによる操作部22からの操作により、表示部23に表示された医用画像上の点が指定され、CPU21により、指定された点に対応する第1の座標(X1,Y1)が取得される(ステップS3)。取得された第1の座標は、CPU21により、RAM26に格納される。ステップS3で指定される点は、計測対象となる距離を表す線分の一方の端点(始点)である。
次に、ユーザーによる操作部22からの操作により、表示部23に表示された医用画像上から先の点とは異なる点が指定され、CPU21により、指定された点に対応する第2の座標(X2,Y2)が取得される(ステップS4)。取得された第2の座標は、CPU21により、RAM26に格納される。ステップS4で指定される点は、計測対象となる距離を表す線分の他方の端点(終点)である。
なお、第1の座標(X1,Y1)及び第2の座標(X2,Y2)は、医用画像に対して設けられた互いに直交する2軸(X軸及びY軸)における座標であり、1画素の大きさが座標上の「1」に対応している。
次に、CPU21により、ステップS1において取得された画像ファイルの付帯情報(DICOM規格に基づいて画像ファイルのヘッダーに格納されている情報)に基づいて、判定処理が行われる(ステップS5)。
ここで、図6を参照して、判定処理について説明する。
CPU21により、医用画像に推定放射線拡大率が付帯されているか否かが判断される(ステップS21)。具体的には、CPU21により、画像ファイルのヘッダーに推定放射線拡大率を示すタグが存在し、そのタグに値が入っている場合には、医用画像に推定放射線拡大率が付帯されていると判断される。一方、CPU21により、画像ファイルのヘッダーに推定放射線拡大率を示すタグが存在しない場合、又は、タグが存在してもそのタグに値が入っていない場合には、医用画像に推定放射線拡大率が付帯されていないと判断される。
医用画像に推定放射線拡大率が付帯されている場合には(ステップS21;YES)、CPU21により、推定放射線拡大率が1以上であるか否かが判断される(ステップS22)。X線の照射による撮影では、推定放射線拡大率が1未満となることはあり得ないので、ステップS22は、推定放射線拡大率に異常値が入っている場合に、推定放射線拡大率が付帯されていないものとみなすための処理である。
推定放射線拡大率が1以上である場合には(ステップS22;YES)、CPU21により、医用画像にイメージャー画素間隔が付帯されているか否かが判断される(ステップS23)。具体的には、CPU21により、画像ファイルのヘッダーにイメージャー画素間隔を示すタグが存在し、そのタグに値が入っている場合には、医用画像にイメージャー画素間隔が付帯されていると判断される。一方、CPU21により、画像ファイルのヘッダーにイメージャー画素間隔を示すタグが存在しない場合、又は、タグが存在してもそのタグに値が入っていない場合には、医用画像にイメージャー画素間隔が付帯されていないと判断される。
医用画像にイメージャー画素間隔が付帯されている場合には(ステップS23;YES)、CPU21により、PCM条件を満たすか否かが判断される(ステップS24)。PCM条件とは、PCM装置により撮影された医用画像であるか否かを判断するための条件である。具体的には、CPU21により、医用画像に付帯されている画素間隔が0.025(mm/pixel)であり、医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔が0.025(mm/pixel)であり、医用画像に付帯されている推定放射線拡大率が1.75である場合に、PCM条件を満たすと判断される。一方、医用画像に付帯されている画素間隔が0.025(mm/pixel)でない場合、医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔が0.025(mm/pixel)でない場合、又は、医用画像に付帯されている推定放射線拡大率が1.75でない場合に、PCM条件を満たさないと判断される。
PCM条件を満たさない場合には(ステップS24;NO)、CPU21により、イメージャー画素間隔、画素間隔、推定放射線拡大率の値が下記条件式(4)を満たすか否かが判断される(ステップS25)。ステップS25は、イメージャー画素間隔、画素間隔、推定放射線拡大率に異常値が入っている場合に、イメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていないものとみなすための処理である。
0.99×(イメージャー画素間隔/画素間隔)<推定放射線拡大率
<1.01×(イメージャー画素間隔/画素間隔) (4)
条件式(4)を満たす場合には(ステップS25;YES)、CPU21により、戻り値にTRUEがセットされる(ステップS26)。
ステップS21において、医用画像に推定放射線拡大率が付帯されていない場合(ステップS21;NO)、ステップS22において、推定放射線拡大率が1未満である場合(ステップS22;NO)、ステップS23において、医用画像にイメージャー画素間隔が付帯されていない場合(ステップS23;NO)、ステップS24において、PCM条件を満たす場合(ステップS24;YES)、ステップS25において、条件式(4)を満たさない場合には(ステップS25;NO)、CPU21により、戻り値にFALSEがセットされる(ステップS27)。
ステップS26又はステップS27の後、図5に戻り、CPU21により、判定処理の戻り値がTRUEであるか否かが判断される(ステップS6)。
判定処理の戻り値がTRUEである場合には(ステップS6;YES)、CPU21により、イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づく第1の方法が選択される(ステップS7)。
次に、CPU21により、第1の座標(X1,Y1)及び第2の座標(X2,Y2)に基づいて、指定された2点間に対応する画素数が算出される。2点間に対応する画素数は、式(5)により求められる。
2点間に対応する画素数={(X2−X1)2+(Y2−Y1)21/2 (5)
そして、CPU21により、第1の方法を用いて、指定された2点間の実際の距離が算出される(ステップS8)。すなわち、CPU21により、指定された2点間に対応する画素数にイメージャー画素間隔を掛けた値を推定放射線拡大率で割った値が、指定された2点間の実際の距離として算出される(式(1)参照)。
一方、ステップS6において、判定処理の戻り値がTRUEでない場合、すなわち、FALSEであるには(ステップS6;NO)、CPU21により、画素間隔に基づく第2の方法が選択される(ステップS9)。
次に、CPU21により、第1の座標及び第2の座標に基づいて、指定された2点間に対応する画素数が算出される(式(5)参照)。そして、CPU21により、第2の方法を用いて、指定された2点間の実際の距離が算出される(ステップS10)。すなわち、CPU21により、指定された2点間に対応する画素数に画素間隔を掛けた値が、指定された2点間の実際の距離として算出される(式(2)参照)。
ステップS8又はステップS10の後、CPU21により、医用画像上に第1の座標と第2の座標とを結ぶ線分が描画されるとともに、算出された2点間の実際の距離(計測値)が表示部23に描画される(ステップS11)。
以上で、医用画像表示処理が終了する。
図7に、実際にマンモグラフィー装置により撮影された乳房画像に付帯されている画素間隔、イメージャー画素間隔、推定放射線拡大率の値の例を示す。ここでは、コニカミノルタ製PCM装置、コニカミノルタ製Cプレート、東芝メディカルシステムズ株式会社製Pe・ru・ru(登録商標)を用いた。なお、画素間隔、イメージャー画素間隔の単位は、(mm/pixel)である。
東芝メディカルシステムズ株式会社製Pe・ru・ruの場合、医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されており(ステップS23;YES、ステップS21;YES)、それらの値が異常値ではないと考えられる範囲であり(ステップS22;YES、ステップS25;YES)、かつ、PCM条件を満たさないので(ステップS24;NO)、判定処理(図6参照)の戻り値はTRUEとなり、イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率を用いた第1の方法が選択される。
コニカミノルタ製Cプレートの場合、推定放射線拡大率の値がないため、判定処理(図6参照)のステップS21において、医用画像に推定放射線拡大率が付帯されていないと判断される。したがって、判定処理の戻り値はFALSEとなり、画素間隔を用いた第2の方法が選択される。
コニカミノルタ製PCM装置では、実際の検出器における画素間隔が0.04375(mm/pixel)であったのに対し、医用画像に付帯されるイメージャー画素間隔として、補正後の値である0.025(mm/pixel)が入った状態で出力される。したがって、PCM装置の場合、医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されているが(ステップS23;YES、ステップS21;YES)、画素間隔が0.025(mm/pixel)、イメージャー画素間隔が0.025(mm/pixel)、推定放射線拡大率が1.75であるため、判定処理(図6参照)のステップS24において、PCM条件を満たすと判断される。したがって、判定処理の戻り値はFALSEとなり、画素間隔を用いた第2の方法が選択される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、医用画像に付帯されている情報に基づいて、正しい計測情報を提供することができる。医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合には、これらの値を使用するので、画素間隔を使用した場合より正確な値を用いて実際の距離を算出することができ、読影効率及び診断精度を向上させることができる。
また、医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合であっても、医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔、推定放射線拡大率及び画素間隔が所定の条件(PCM条件)を満たす場合には、従来どおり、第2の方法を選択するので、PCM装置において補正されているイメージャー画素間隔を用いて、誤った計測値を算出してしまうことを防ぐことができる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像表示装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、計測対象の線分の端点(始点・終点)となる2点をユーザーが操作部22から指定する場合について説明したが、医用画像を解析することにより指定された2点を用いることとしてもよい。例えば、医用画像から病変部を検出する診断支援処理において、検出された病変部の大きさ(最大直径、平均直径等)を算出するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、PCM装置により撮影された医用画像であるか否かを判断するための条件として、画素間隔が0.025(mm/pixel)、イメージャー画素間隔が0.025(mm/pixel)、かつ、推定放射線拡大率が1.75である場合を例にして説明したが、画素間隔、イメージャー画素間隔、推定放射線拡大率のそれぞれの値は、適宜変更可能である。
また、上記実施の形態では、医用画像として乳房画像を用いた場合について説明したが、撮影部位は乳房に限定されず、他の部位であってもよい。
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
10 画像サーバー
11 CPU
14 通信部
15 ROM
17 記憶部
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 ROM
27 記憶部
30 モダリティー
100 医用画像表示システム
N 通信ネットワーク

Claims (4)

  1. 医用画像を表示する表示手段と、
    前記表示された医用画像上の異なる2点を指定する指定手段と、
    前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合に、当該イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択し、前記医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合に、前記医用画像に付帯されている画素間隔に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された方法を用いて、前記指定された2点間の実際の距離を算出する算出手段と、
    を備える画像表示装置。
  2. 前記算出手段は、前記選択手段により前記第1の方法が選択された場合に、前記指定された2点間に対応する画素数にイメージャー画素間隔を掛けた値を推定放射線拡大率で割った値を、前記指定された2点間の実際の距離として算出し、前記選択手段により前記第2の方法が選択された場合に、前記指定された2点間に対応する画素数に画素間隔を掛けた値を、前記指定された2点間の実際の距離として算出する請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記選択手段は、前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合であっても、前記医用画像に付帯されているイメージャー画素間隔、推定放射線拡大率及び画素間隔が所定の条件を満たす場合には、前記第2の方法を選択する請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 医用画像を表示する表示工程と、
    前記表示された医用画像上の異なる2点を指定する指定工程と、
    前記医用画像にイメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率が付帯されている場合に、当該イメージャー画素間隔及び推定放射線拡大率に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第1の方法を選択し、前記医用画像にイメージャー画素間隔又は推定放射線拡大率が付帯されていない場合に、前記医用画像に付帯されている画素間隔に基づいて前記指定された2点間の実際の距離を算出する第2の方法を選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択された方法を用いて、前記指定された2点間の実際の距離を算出する算出工程と、
    を含む距離算出方法。
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