JP2015073443A - 変異型L−リジンε−酸化酵素および変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子 - Google Patents
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(2) 上記(1)に規定されるアミノ酸配列において、上記第286位を除く領域中で1以上のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列を有し、且つ、L−リジンを基質とした場合に対するL−リジン以外のアミノ酸を基質とした場合の相対活性が5%以下である変異型L−リジンε−酸化酵素;または
(3) 上記(1)に規定されるアミノ酸配列に対して65%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ、L−リジンを基質とした場合に対するL−リジン以外のアミノ酸を基質とした場合の相対活性が5%以下である変異型L−リジンε−酸化酵素(但し、上記(1)に規定されるアミノ酸配列における第286位のアミノ酸の置換は、(3)においてさらに変異しないものとする)。
(2’) 上記(1’)に規定される塩基配列において、上記第276位、第675位、第857位、第1593位、第1650位、第1698位および第1938位を除く領域中で1以上の塩基が欠失、置換および/または付加された塩基配列を有し、且つ、少なくとも大腸菌BL21株に導入した場合に発現可能なものである変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子;または
(3’) 上記(1’)に規定される塩基配列に対して65%以上の配列同一性を有する塩基配列を有し、且つ、少なくとも大腸菌BL21株に導入した場合に発現可能なものである変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子(但し、上記(1’)に規定される塩基配列における第276位、第675位、第857位、第1593位、第1650位、第1698位および第1938位の置換は、(3’)においてさらに変異しないものとする)。
(A)水と酸素の存在下、上記の本発明に係る変異型L−リジンε−酸化酵素と検体とを混合する工程;および
(B)上記変異型L−リジンε−酸化酵素によるL−リジンの脱アミノ化反応により生成する2−アミノアジピン酸−6−セミアルデヒド、アンモニアまたは過酸化水素を測定する工程を含むことを特徴とする。
本工程では、水と酸素の存在下、本発明に係る変異型L−リジンε−酸化酵素と検体とを混合する。前記反応式に示すように、本発明に係る酵素反応においては、酸素を電子受容体としL−リジンのε位の脱アミノ化が進行し、(S)−2−アミノアジピン酸−6−ヘミアルデヒド、アンモニアおよび過酸化水素が生成する。従って本発明における測定方法では、溶媒である水の存在下、試料溶液に含まれるL−リジンの他、L−リジンε−酸化酵素と酸素が含まれていれば上記反応は進行する。
本工程(B)では、上記反応後の反応液中に存在する本発明のL−リジンε−酸化酵素の作用による反応生成物の少なくとも一種を測定する。かかる反応生成物としては、上記反応式のとおり、L−リジンの脱アミノ化生成物である(S)−アミノアジピン酸6−セミアルデヒド、アンモニア、過酸化水素を挙げることができる。
上記生成物である過酸化水素は、過酸化水素電極を用いた電流検出型センサを用いて測定することもできる。過酸化水素電極としては、例えば、ペルオキシダーゼをBSA(牛血清アルブミン)とともにグルタルアルデヒドに固定化した膜とフェロセンをカーボンペーストに含有させたものを電極として用いるセンサを挙げることができる。
(1) フレオマイシン耐性遺伝子(zeoR)の増幅
フレオマイシン耐性遺伝子(配列番号3)を増幅するためのPCR反応液として、滅菌水(MilliQ)34μL、プライマー1(配列番号5,100pmol)1μL、プライマー2(配列番号7,100pmol)1μL、ポリメラーゼ(TOYOBO社製,製品名「KOD−Plus−」,1U/μL水溶液)1μL、10×PCRバッファー、2mM dNTPs水溶液5μL、25mM塩化マグネシウム水溶液2μL、およびクローニングベクターとしてpCR−Blunt(Invitrogen社製)1μLを混合した。プライマー1とプライマー2には、それぞれ制限酵素SacIおよびEcoRIのための切断部位を設けた。PCR反応の条件は、(i)94℃で2分間、(ii)94℃で15秒間、(iii)55℃で30秒間、(iv)68℃で2分間とし、(i)と(ii)を30サイクル繰返した。増幅した遺伝子は、アガロースゲル電気泳動により確認した。増幅した遺伝子を、DNA精製キット(Promega社製,製品名「Wizard(登録商標) Genomic DNA Purification Kit)を用いて抽出した。
上記PCR反応で得られたPCR産物5μLに、制限酵素(SacI 0.5μLとEcoRI 0.5μL)を加え、37℃で1時間インキュベートし、制限酵素処理を行った。制限酵素処理した当該遺伝子5μLと、同様に制限処理したプラスミドベクターpUC19 1μL、およびライゲーションキット(ニッポン・ジーン社製,製品名「2×ライゲーションMix」)6μLを混合し、16℃で30分間インキュベートすることにより、プラスミドベクターpUC19にフレオマイシン耐性遺伝子を組み込んだ。大腸菌BL21(DE3)のコンピテントセル50μLに上記ライゲーション反応液5μLを加え、ヒートショック法で形質転換を行った。ヒートショック法の手順は以下の通りである。大腸菌コンピテントセル50μLに対し、プラスミド5μLを混合し、60分間氷上静置した。その後、42℃で90秒間のヒートショックを行った後、LB液体培地を1mL添加し、37℃で1時間インキュベートした。100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地(1.0%ポリペプトン,0.5%イースト抽出物、および1.0%塩化ナトリウム)に生育したコロニーから数株選抜してプラスミドを抽出し、0.7%アガロース電気泳動により、ゼオシン耐性遺伝子のインサートの有無を確認した。フレオマイシン耐性遺伝子を挿入したpUC19プラスミドベクターを、以下「pUC19zeoR」と示す。
L−リジンε−酸化酵素の産生能を有する海洋性細菌であるマリノモナス・メディテラネア(Marinomonas mediterranea)NBRC103028T株を、従属栄養培地(Difco社製,製品名「Marine broth 2216」)5mLに植菌し、25℃、170rpmで48時間培養した。培養後、5,000×gで20分間遠心分離し、菌体を得た。DNA精製キット(Promega社製,製品名「Wizard(登録商標) Genomic DNA Purification Kit)を用いて、目的とする染色体DNA(ゲノムDNA)を得た。
L−リジンε−酸化酵素遺伝子(lodA)を増幅するためのPCR反応液として、滅菌水(MilliQ)28.5μL、上記(3)で得た染色体DNA 1μL、プライマー3(配列番号8,100pmol)1μL、プライマー4(配列番号8,100pmol)1μL、ポリメラーゼ(タカラバイオ社製,製品名「TaKaRa LA Taq」,5units/μL)0.5μL、10×LA PCR BufferII(Mg2+free)5μL、25mM塩化マグネシウム水溶液5μL、およびdNTP Mixture 8μLを混合した。PCR反応の条件は、(i)98℃で5分間、(ii)96℃で10秒間、(iii)55℃で5秒間、(iv)68℃で3分間とし、(i)と(ii)を30サイクル繰返した。増幅した遺伝子を、DNA精製キット(Promega社製,製品名「Wizard(登録商標) Genomic DNA Purification Kit)を用いて抽出した。
制限酵素XbaIで処理した上記(2)のpUC19zeoR 1μL、上記(4)で得たL−リジンε−酸化酵素遺伝子のPCR産物3μL、およびクローニングキット(タカラバイオ社製,製品名「5×In−Fusion HD Enzyme Premix」)1μLを混合して50℃で15分間反応させることにより、ゼオシン耐性遺伝子が挿入されたプラスミドベクターpUC19zeoRにL−リジンε−酸化酵素遺伝子(lodA)を導入した。大腸菌BL21(DE3)のコンピテントセル50μLに、5μLの上記反応液を加え、ヒートショック法で形質転換を行った。100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地に生育したコロニーから数株選抜してプラスミドを抽出し、0.7%アガロース電気泳動により、L−リジンε−酸化酵素遺伝子(lodA)の導入の有無を確認した。なお、本組換え大腸菌が産生するL−リジンε−酸化酵素は、C末端側にフレオマイシン耐性遺伝子発現ペプチドが付加した融合タンパク質として生成されるように発現用プラスミドベクターを構築した。ここで得られたlodA導入プラスミドベクターを、以下「pUC19zeoR−lodA」と示す。
上記(5)で得られたpUC19zeoR−lodAの水溶液10μLを、ヒートショック法により、ランダム突然変異導入用大腸菌XL−1 Red(Stratagene社製)に導入して形質転換した。100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地で48時間培養し、生育したコロニーを100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)にコンラージ棒を用いて懸濁し、菌体を回収した。プラスミドベクターを抽出し、変異型酵素ライブラリーとした。
L−リジンε−酸化酵素遺伝子(lodA)の発現を促進するためのlodA発現補助タンパク質遺伝子(lodB)を増幅するためのPCR反応液として、滅菌水(MilliQ)28.5μL、上記(3)で得た染色体DNA 1μL、プライマー5(配列番号10,100pmol)1μL、プライマー6(配列番号11,100pmol)1μL、ポリメラーゼ(タカラバイオ社製,製品名「TaKaRa LA Taq」,5units/μL)0.5μL、10×LA PCR BufferII(Mg2+free)5μL、25mM塩化マグネシウム水溶液5μL、およびdNTP Mixture 8μLを混合した。プライマー5とプライマー6には、それぞれ制限酵素NcoIおよびPstIのための切断部位を設けた。PCR反応の条件は、(i)98℃で5分間、(ii)96℃で10秒間、(iii)55℃で5秒間、(iv)68℃で2分間とし、(i)と(ii)を30サイクル繰返した。増幅した遺伝子を、DNA精製キット(Promega社製,製品名「Wizard(登録商標) Genomic DNA Purification Kit)を用いて抽出した。
上記(7)のPCR反応で得られたPCR産物5μLに、制限酵素NcoI 0.5μLとPstI 0.5μLを加え、37℃で1時間インキュベートし、制限酵素処理を行った。制限酵素処理した当該遺伝子 5μLと、同様に制限処理したプラスミドベクターpCDF 1μL、およびライゲーションキット(ニッポン・ジーン社製,製品名「2×ライゲーションMix」)6μLを混合し、16℃で30分間インキュベートすることにより、プラスミドベクターにL−リジンε−酸化酵素発現補助タンパク質遺伝子(lodB)を組み込んだ。大腸菌BL21(DE3)のコンピテントセル50μLに、上記ライゲーション反応液5μLを加え、ヒートショック法で形質転換を行った。ヒートショック法の手順は以下の通りである。大腸菌コンピテントセル50μLに対し、プラスミド5μLを混合し、60分間氷上静置した。その後、42℃で90秒間のヒートショックを行った後、LB液体培地を1mL添加し、37℃で1時間インキュベートした。100μg/mLのストレプトマイシンを含むLB培地に生育したコロニーから数株選抜してプラスミドを抽出し、0.7%アガロース電気泳動により、L−リジンε−酸化酵素発現補助タンパク質遺伝子(lodB)のインサートの有無を確認した。lodA発現補助タンパク質遺伝子(lodB)を挿入したプラスミドベクターpCDFを、以下「ppCDF−lodB」と示す。
上記(8)で得られたプラスミドベクターpCDF−lodBを、大腸菌BL21(DE3)に上記(8)と同様の条件のヒートショック法により導入し、形質転換した。100μg/mLのストレプトマイシンを含むLB培地に生育したコロニーを用いて、大腸菌lodB発現株のコンピテントセルを作成した。上記(6)で得られた変異型L−リジンε−酸化酵素ライブラリーを上記大腸菌lodB発現株に同様のヒートショック法により導入し、形質転換した(図3を参照)。25μg/mLのフレオマイシンと0.5μg/mL IPTGを含むLB培地に生育したコロニーを、25μg/mLのフレオマイシンと0.5μg/mL IPTGを含むLB液体培地に植菌し、25℃で24時間培養した。
上記実施例1で得られた変異型L−リジンε酸化酵素の酵素活性を調べるために、L−リジンε−酸化酵素活性を測定した。具体的には、マイクロプレートに、氷上、表2の組成を有するL−リジンε−酸化酵素測定用発色液100μL、100mM L−リジン水溶液水溶液100μL、および1U酵素水溶液50μLを加え、30℃で反応させた。また、対照(ブランク)として、L−リジン水溶液の代わりに同量の100mMリン酸カリウム緩衝液を添加して同様に反応させた。
活性値(U/ml)={ΔOD/min(ΔODtest−ΔODblank)×3.1(mL)×希釈倍率}/{13×1.0(cm)×0.1(mL)}
3.1(mL):全液量
13:ミリモル吸光係数
1.0cm:セルの光路長
0.1(mL):酵素サンプル液量
lodBとの共発現による酵素活性への影響を調べるために、blank(pUC19zeoRとpCDF)、lodAのみ(pUC19zeoR−lodA)、lodBのみ(pCDF−lodB)およびlodAとlodBの共発現(pUC19zeoR−lodAとpCDF−lodB)の各々のプラスミドベクターを用いて大腸菌BL21(DE3)を形質転換し、酵素活性を測定した。結果を図4に示す。
(1) 大腸菌発現株からのL−リジンε−酸化酵素遺伝子(lodA)の精製
(i) L−リジンε−酸化酵素発現大腸菌の培養
上記で得られた本発明に係る変異型酵素の詳細な特性を明らかにするために、酵素を精製した。上記実施例1(9)で得られた発現株[大腸菌BL21(DE3)/pUC19zeoR−lodA,pCDF−lodB]を、25μg/mLのフレオマイシン、100μg/mLのアンピシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、および0.5mMのIPTGを含むLB培地2L(500mL×2L容バッフル付きフラスコ4個)に植菌後、25℃で36時間培養した。
上記培養液を6,000×gで5分間遠心分離後、上清を取り除き、残渣に対し5倍量の1.0Mリン酸カリウム緩衝液を加えて懸濁後、超音波ホモジナイザーにて細胞を破砕した。この破砕液を20,000×gで30分間遠心分離し、上清を無細胞抽出液とした。
上記で得られた無細胞抽出液に終濃度15%になるように硫酸アンモニウムを添加し、氷上で30分間撹拌した後に、20,000×gで30分間遠心分離し、上清を回収した。得られた上清に終濃度が30%になるように硫酸アンモニウムを添加し、氷上で30分間撹拌した後に、20,000×gで30分間遠心分離、沈殿物に20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を加えて懸濁後、同緩衝液で一晩透析を行った。
20mM KPB(pH7.0)により平衡化した陰イオン交換樹脂(GEヘルスケア社製,「Qセファロース樹脂」)100mLをカラムに充填し、上記(iii)で得た酵素液を吸着させた。500mLの20mMリン酸カリウム緩衝液でカラムを洗浄した後、20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)500mLおよび500mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)500mLを用いて、グラジエントにより溶離液のNaCl濃度を徐々に上げ、酵素を溶出させた。フラクションコレクターを用いて10mLずつ試験管にフラクションを採取し、活性が認められたフラクションを集めた。
活性が得られたフラクションに、終濃度が2Mになるように硫酸アンモニウムを添加し、これを酵素液とした。2M硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)により平衡化した疎水吸着樹脂(GEヘルスケア社製,「Octyl sepharose樹脂」)100mLをカラムに充填し、活性フラクションを吸着させた。2M硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)500mLでカラムを洗浄した後、2M硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸カリウム緩衝液250mLおよび20mMリン酸カリウム緩衝液250mlを用いて、グラジエントにより硫酸アンモニウム濃度を徐々に下げ、酵素を溶出させた。活性が確認された非吸着画分を5Lの同緩衝液(×2回)で、一晩透析を行った。
0.15M塩化ナトリウムを含む0.05Mリン酸カリウム緩衝液で平衡化したゲル濾過クロマトグラフィーカラム(GEヘルスケア社製「Superdex 200」)を用い、中圧高速液体クロマトグラフィ(FPLC)で酵素を精製した。サンプルループに、限外濾過チューブ(ミリポア社製,「セントリコン」)により濃縮した酵素液200μLを注入し、0.15M塩化ナトリウムを含む0.05Mリン酸カリウム緩衝液を用いて、酵素を溶出させた。各フラクション(0.5mL)から活性が認められたフラクションを集め、一晩透析した。透析した後、限外濾過チューブ(ミリポア社製,「セントリコン」)を用いて酵素液を200μLまで濃縮した。以上の精製状況を、表3にまとめる。
36%アクリルアミド5.25mL、0.68Mトリス−HCl緩衝液(pH8.8)8.25mL、1%SDS 1.58mL、10%TEMED 187μL、2%APS 562.5μLの組成を有するゲルに、36%ポリアクリルアミド0.5mL、0.179Mトリス−HCl(pH6.8)3.5mL、1%SDS 0.5mL、10%TEMED 125μL、2%APS 375μLの組成を有する濃縮ゲルを重層したものを用い、緩衝液(グリセロール200μL,1Mトリス−HCl(pH8.0)40μL,水360μL,2−メルカプトエタノール200μL,10%SDS 200μL)と等量混合した精製酵素サンプル10μLを、ランニング緩衝液(トリス3.0g,グリシン14.1g,SDS 10g)中、30mAで電気泳動を行った。その後、ゲルをタンパク染色液(CBB2.5g,メタノール500mL,酢酸50mL,水450mL)で1時間染色し、脱色液(メタノール:酢酸:水=3:1:6)でバンドが鮮明になるまで脱色した。
β−ガラクトシダーゼ (116,250)
ホスフォリラーゼ (97,400)
血清アルブミン (66,200)
オボアルブミン (45,000)
カルボニックアンヒドラーゼ (31,000)
トリプシンインヒビター (21,500)
リゾチーム (14,400)
図5に、得られた電気泳動ゲルのSDS−PAGEの写真を示す。
本発明に係る変異型酵素の基質特異性を調べるために、L−リジンの代わりに表4のアミノ酸を用いた以外は上記試験例1と同様にして、酵素活性を測定した。また、L−リジンについても再度実験を行った。
Claims (12)
- 下記(1)〜(3)の何れかの変異型L−リジンε−酸化酵素。
(1) 野生型L−リジンε−酸化酵素のアミノ酸配列(配列番号2)において、第286位のヒスチジンがアルギニンまたはリジンに置換されているアミノ酸配列を有する変異型L−リジンε−酸化酵素;
(2) 上記(1)に規定されるアミノ酸配列において、上記第286位を除く領域中で1以上のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列を有し、且つ、L−リジンを基質とした場合に対するL−リジン以外のアミノ酸を基質とした場合の相対活性が5%以下である変異型L−リジンε−酸化酵素;または
(3) 上記(1)に規定されるアミノ酸配列に対して65%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ、L−リジンを基質とした場合に対するL−リジン以外のアミノ酸を基質とした場合の相対活性が5%以下である変異型L−リジンε−酸化酵素(但し、上記(1)に規定されるアミノ酸配列における第286位のアミノ酸の置換は、(3)においてさらに変異しないものとする)。 - 配列番号2のアミノ酸配列において、第286位のヒスチジンがアルギニンに置換されている請求項1に記載の変異型L−リジンε−酸化酵素。
- 下記(1’)〜(3’)の何れかの変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子。
(1’) 野生型L−リジンε−酸化酵素をコードする遺伝子の塩基配列(配列番号1)において、第276位のアデニンがグアニンに、第675位のチミンがシトシンに、第857位のアデニンがグアニンに、第1593位のアデニンがグアニンに、第1650位のアデニンがグアニンに、第1698位のシトシンがチミンに、第1938位のチミンがグアニンに置換されている塩基配列を有する変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子;
(2’) 上記(1’)に規定される塩基配列において、上記第276位、第675位、第857位、第1593位、第1650位、第1698位および第1938位を除く領域中で1以上の塩基が欠失、置換および/または付加された塩基配列を有し、且つ、少なくとも大腸菌BL21株に導入した場合に発現可能なものである変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子;または
(3’) 上記(1’)に規定される塩基配列に対して65%以上の配列同一性を有する塩基配列を有し、且つ、少なくとも大腸菌BL21株に導入した場合に発現可能なものである変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子(但し、上記(1’)に規定される塩基配列における第276位、第675位、第857位、第1593位、第1650位、第1698位および第1938位の置換は、(3’)においてさらに変異しないものとする)。 - 請求項3に記載の変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子の塩基配列において終止コドンTAGが欠失しており、当該位置にブレオマイシン系抗生物質耐性遺伝子が結合していることを特徴とするL−リジンε−酸化酵素遺伝子−抗生物質耐性遺伝子結合体。
- 変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子とブレオマイシン系抗生物質耐性遺伝子がペプチドリンカーをコードする遺伝子を介して結合している請求項4に記載のL−リジンε−酸化酵素遺伝子−抗生物質耐性遺伝子結合体。
- ブレオマイシン系抗生物質耐性遺伝子がフレオマイシン耐性遺伝子である請求項4または5に記載のL−リジンε−酸化酵素遺伝子−抗生物質耐性遺伝子結合体。
- フレオマイシン耐性遺伝子が配列番号3の塩基配列を有する請求項6に記載のL−リジンε−酸化酵素遺伝子−抗生物質耐性遺伝子結合体。
- L−リジンを測定するための方法であって:
(A)水と酸素の存在下、請求項1または2に記載の変異型L−リジンε−酸化酵素と検体とを混合する工程;および
(B)上記変異型L−リジンε−酸化酵素によるL−リジンの脱アミノ化反応により生成する2−アミノアジピン酸−6−セミアルデヒド、アンモニアまたは過酸化水素を測定する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1または2に記載の変異型L−リジンε−酸化酵素を含むことを特徴とするL−リジン測定用キット。
- さらに、ペルオキシダーゼとペルオキシダーゼ用発色剤の組合せ、アンモニア検出薬、NAD+とアルデヒドデヒドロゲナーゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼとの組合せの少なくとも一つを含む請求項9に記載のキット。
- 請求項3に記載の変異型L−リジンε−酸化酵素遺伝子または請求項4〜7のいずれかに記載のL−リジンε−酸化酵素遺伝子−抗生物質耐性遺伝子結合体を含むことを特徴とするベクター。
- 請求項11に記載のベクターにより形質転換されたものであることを特徴とする形質転換体。
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