JP2015073036A - 防着治具の使用方法及び防着治具 - Google Patents

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秀樹 山脇
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Abstract

【課題】成膜履歴の異なる治具表面の堆積層を同時にエッチング洗浄しても、オーバーエッチングによる母材へのダメージを抑え、防着治具の長寿命化を実現し、防着治具を繰り返し使用に供する。【解決手段】成膜装置内に設けられる、成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具3の使用方法であって、防着治具3の表面に、所定の厚みに被膜13を形成し、被膜13が形成された防着治具3が成膜装置内に配置されて成膜装置が用いられ、被膜13上に堆積層14が形成された後、防着治具3を洗浄剤を用いて洗浄し、被膜13は、少なくともその表層部分が堆積層14の少なくとも最下層部分よりもエッチングガスに対するエッチング速度が低い材質である。【選択図】図3

Description

本発明は、成膜装置内に設けられる、成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具の使用方法及び防着治具に関する。
窒化物半導体装置は、その物性的特徴から高耐圧で高速動作可能な電子デバイスとして、電源回路等への応用が期待されている。窒化物半導体装置は、AlNやGaN、AlGaN等の窒化物半導体膜の積層構造を有している。各窒化物半導体膜は、例えば有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により、MOCVD装置等の同一の成膜装置を用いて順次形成している。
特許第443995号公報
MOCVD装置には、その反応室(成膜室)内において、不要な部分に膜が付着しないように防着治具が設けられる。防着治具としては、例えばグラファイト製の基部の表面にSiC膜が被着されたものが用いられる。防着治具は、数回の成膜の後に取り出され、MOCVD装置とは別の装置でエッチングガスを用いたエッチング洗浄され、再使用に供される。
防着治具の表面には、反応室内の設置部位により、更に複数のMOCVD装置を用いる場合には装置ごとに、様々な成膜条件で成膜された厚みの異なる窒化物半導体膜が多層に付着する。そのため、防着治具の設置部位或いは装置ごとの防着治具により、最適な除去時間が異なる。最適な洗浄時間を超えてエッチングされると、防着治具にエッチングダメージが加わる場合がある。
図4は、従来の防着治具の洗浄工程における防着治具の様子を示す概略断面図である。ここでは、グラファイト製の基部111上にSiC膜112が被着された各防着治具(ここでは3種の防着治具101A,101B,101Cを例示する)を用いる場合を示す。エッチング洗浄の条件としては、洗浄温度を1030℃、洗浄時間を6時間に設定し、エッチングガスとしてHClガスを用い、ガス流量を2slmとする。
図4(a)に示すように、防着治具101A,101B,101Cの各表面には、それぞれ厚みの異なるAlN,GaN,AlGaNからなる堆積層113A,113B,113Cが積層される。
図4(b)に示すように、防着治具101A,101B,101Cを同時に洗浄する場合に、トータル膜厚の最も厚い防着治具101Aの堆積層113Aが除去される時間でエッチング処理する。このとき、図4(c)に示すように、防着治具101B,101Cでは、堆積層113Aよりもトータル膜厚の薄い堆積層113B,113Cが付着しているため、防着治具101Aの堆積層113Aが除去された後にも、治具表面がエッチングガスに晒される。エッチングガスとしてはHClガス又はCl2ガスを用いることが多いが、以下の反応式に示すように、これらのエッチングガスは治具表面に形成されたSiC膜112も僅かに分解する。そのため、防着治具101Aの堆積層113Aが除去された後のエッチング時間が長いほど、防着治具101B,101CのSiC膜112のエッチングダメージが進行する。図示のように、防着治具101BのSiC膜112にはエッチングダメージD1が、防着治具101BのSiC膜112にはこれよりも甚だしいエッチングダメージD2がそれぞれ加わることになる。
SiC+4HCl→SiCl4+C+2H2
SiC+2Cl2→SiCl4+C
HClガスでエッチング処理する前のSiC膜の表面とオーバーエッチングが進んだSiC膜の表面とをXPS分析で比較した結果を図5に示す。このように、オーバーエッチングによってSiC膜の一部が分解されてSiCl4ガスとして蒸発し、Si強度が低下していることが判る。
以上のように、各防着治具に付着した堆積層の厚みが異なることに起因して、防着治具のエッチング洗浄の際に治具表面にエッチングダメージが加わる。これにより、防着治具の再使用ができなくなるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、成膜履歴の異なる治具表面の堆積層を同時にエッチング洗浄しても、オーバーエッチングによる母材へのダメージを抑え、防着治具の長寿命化を実現し、防着治具を繰り返し使用に供することができる防着治具の使用方法及び防着治具を提供することを目的とする。
防着治具の使用方法の一態様は、成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具の使用方法であって、前記防着治具の表面に、所定の厚みに被膜を形成する工程と、前記被膜が形成された前記防着治具が前記成膜装置内に配置されて前記成膜装置が用いられ、前記被膜上に堆積層が形成された後、前記防着治具を洗浄剤を用いて洗浄する工程とを含み、前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度の異なる材質である。
防着治具の一態様は、成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具であって、表面に所定の厚みに被膜が形成されており、前記被膜が形成された状態で前記成膜装置内に配置され、前記被膜上に堆積層が形成されるものであり、前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度の異なる材質である。
上記の諸態様によれば、成膜履歴の異なる治具表面の堆積層を同時にエッチング洗浄しても、オーバーエッチングによる母材へのダメージが抑えられ、防着治具の長寿命化が実現し、防着治具を繰り返し使用に供することが可能となる。
本実施形態で使用するMOCVD装置の概略構成を示す模式図である。 本実施形態による防着治具の具体的な構成を示す概略断面図である。 本実施形態による防着治具の洗浄工程における防着治具の様子を示す概略断面図である。 従来の防着治具の洗浄工程における防着治具の様子を示す概略断面図である。 従来の防着治具の表面についてXPS分析した結果を示す特性図である。
以下、防着治具及びその使用方法の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態で使用するMOCVD装置の概略構成を示す模式図である。
このMOCVD装置は、内部に成膜ガスが供給されて成膜が行われる反応室1と、反応室1内に配置され、被成膜対象である半導体基板10が載置固定される回転自在のサセプタ2と、反応室1内の膜の付着を防止するための防着治具3とを備えている。反応室1は、ガス導入部1aから成膜ガスが導入され、ガス排気部1bから使用済みの成膜ガスが排気される。サセプタ2は、設置された半導体基板10を所定温度に加熱するためのヒータ2aを有している。
防着治具3は、反応室1内の半導体基板10以外の部位を覆うように配置される。防着治具の表面には、反応室内の設置部位により、更に複数のMOCVD装置を用いる場合には装置ごとに、様々な成膜条件で窒化物半導体膜が多層に付着し、堆積層が積層される。そのため、防着治具の設置部位或いは装置ごとの防着治具3により、それぞれ異なる厚みに堆積層が形成される。
本実施形態の防着治具3の具体的な構成を図2に示す。図2では、3種の防着治具3A,3B,3Cを例示する。防着治具3A,3B,3Cは、MOCVD装置の反応室1内におえる設置部位が異なるため、及び/又は設置するMOCVD装置が異なるため、MOCVD装置の使用により、それぞれ異なる厚みに堆積層が積層される。防着治具3A,3B,3Cは夫々、グラファイト製の基部11上にSiC膜12が被着されている。各SiC膜12上には、予め規定された同一の厚みに被膜13が形成されている。被膜13は、少なくともその表層部分が、堆積層の少なくとも最下層部分と洗浄剤、ここではエッチングガスに対するエッチング速度の異なる材質とされている。
本実施形態では、具体例としてAlN,GaN,AlGaN(更にはInGaN,InAlGaN等:AlN以外のものを「Ga含有層」と言う。)の各窒化物半導体層を成膜して窒化物半導体装置を形成する場合を想定する。AlNの成長には、成膜ガスとしてトリメチルアルミニウム(TMAl)ガス及びNH3ガスの混合ガスを用いる。GaNの成長には、成膜ガスとしてGa源であるトリメチルガリウム(TMGa)ガス及びアンモニア(NH3)ガスの混合ガスを用いる。AlGaNの成長には、成膜ガスとしてTMAlガス、TMGaガス及びNH3ガスの混合ガスを用いる。
以下の表1に、Ga含有層及びAlNのみの単層の各エッチング速度を示す。洗浄温度が1030℃の場合と920℃の場合とで比較すると、920℃の方がAlNとGaNとのエッチング速度の差が大きい。これは、AlNの表面に僅かにAlOxが形成され、AlNのエッチングを妨げていることが考えられる。洗浄温度を高くすることで、AlOxやAlOx以外の部分の洗浄が進行し、AlOxが破壊されながら洗浄が進んでAlNとGaNとのエッチング速度の差が小さくなる。
Figure 2015073036
本実施形態では、表1の結果に着目し、MOCVD装置に防着治具3を設置した当初に成長する膜がAlN以外のものであるという使用状況において、被膜13としてAlN膜を形成する。このAlN膜は、防着治具3A,3B,3Cの各SiN膜12上に同一の厚み、具体的には0.2μm程度〜1μm程度の範囲内で予め規定された所定厚に形成される。被膜13を規定の厚みに形成しておくことにより、被膜13を洗浄除去する際のエッチング条件が定まる。この場合、上記の使用状況下において、堆積層の少なくとも被膜13の直上部位がAlN以外のもの(ここでは、GaN又はAlGaN)であることから、被膜13を堆積層からエッチング速度を基準として峻別することができる。
本実施形態では、MOCVD装置への設置に先立って、防着治具3のSiC膜12上に被膜13を形成する。表面に被膜13が形成された防着治具3をMOCVD装置に設置する。この状態でMOCVD装置を用いた成膜を行う。数回の成膜後、防着治具3をエッチング洗浄する際には、被膜13上の堆積層のうち、厚みが最も薄い堆積層が除去される時間までは、比較的早い条件でエッチング洗浄を行う。厚みが最も薄い堆積層下の被膜13が一部露出した後には、低温でAlNとGa含有層とでエッチング速度差が生じる条件にする。本実施形態の状況においては、Ga含有層はエッチングが速く進行し、これに比べて被膜13はエッチングが遅く進む。Ga含有層が殆ど除去された後、被膜13を除去することのできる比較的高温の条件で、被膜13がエッチングされる時間だけ洗浄処理する。以上により、防着治具3の全体に亘って治具表面に均一に残った被膜13が丁度全て除去され、防着治具3における堆積層の厚みの違いに起因して生じるSiC膜12のオーバーエッチングが抑止される。
一方、MOCVD装置に防着治具を設置した当初に成長する膜がAlNであるという使用状況においては、被膜13としてAlN層とGaN層(又はAlGaN層等)との順次の積層膜を形成する。被膜13のうちのAlN層は、0.2μm程度〜1μm程度の範囲内で予め規定された所定厚に形成される。積層膜の厚みを規定の厚みに形成しておくことにより、積層膜を洗浄除去する際のエッチング条件が定まる。この場合、上記の使用状況下において、堆積層の少なくとも被膜13の直上部位がAlNであることから、被膜13を堆積層からエッチング速度を基準として峻別することができる。
被膜13のうちのAlN層の厚みが0.2μm程度よりも薄いと、AlN層によるその上のGaN層のエッチングストッパーとしての十分な機能が得られない懸念がある。当該厚みが1μm程度よりも厚いと、AlN層の除去に長時間を要する。AlN層を0.2μm程度〜1μm程度の厚みに形成することにより、AlN層がGaN層のエッチングストッパーとしての十分な機能を果たすも、AlN層の除去に要する時間を短縮することができる。
この場合には、MOCVD装置への設置に先立って、防着治具3のSiC膜12上に上記のように被膜13を形成する。表面に被膜13が形成された防着治具3をMOCVD装置に設置する。この状態でMOCVD装置を用いた成膜を行う。数回の成膜後、防着治具3をエッチング洗浄する際には、厚みが最も薄い堆積層が除去され、その下の被膜13のGaN層が除去される時間までは、高温でエッチング速度が比較的高い条件によりエッチング洗浄を行う。厚みが最も薄い堆積層下の被膜13のAlN層が一部露出した後には、低温でAlNとGa含有層とでエッチング速度差が生じる条件にする。本実施形態の状況においては、Ga含有層はエッチングが速く進行し、これに比べて被膜13のAlN層はエッチングが遅く進む。Ga含有層が殆ど除去された後、被膜13のAlN層を除去することのできる比較的高温の条件で、被膜13のAlN層がエッチングされる時間だけ洗浄処理する。以上により、防着治具3の全体に亘って治具表面に均一に残った被膜13のAlN層が丁度全て除去され、防着治具3における堆積層厚みの違いに起因して生じるSiC膜12のオーバーエッチングが抑止される。
本実施形態における防着治具の具体的な洗浄工程について説明する。以下の説明では、防着治具の被膜としてAlN膜を予め規定された厚みに形成する場合について例示する。図3は、防着治具の洗浄工程における防着治具の様子を示す概略断面図である。
本実施形態では、図2で例示した防着治具3A,3B,3Cを使用後に同時にエッチング洗浄する。図3(a)に示すように、MOCVD装置を用いて複数回の成膜を行った後に、防着治具3A,3B,3Cの被膜13上には、Ga含有層である堆積層14A,14B,14Cが形成されている。堆積層14A,14B,14Cは、様々な成膜条件で成膜された結果、相異なる厚みに積層されている。被膜13のAlN膜は、0.2μm程度〜1μm程度の範囲内で予め規定された所定厚に形成されている。被膜13と堆積層14A、被膜13と堆積層14B、被膜13と堆積層14Cにより、防着治具3A,3B,3CのSiC膜12上には、それぞれ合計で10μm程度〜13μm程度に堆積物が存在する。
先ず、ステップS1では、堆積層14A,14B,14Cのエッチング速度が高い条件で洗浄処理を行う。この洗浄処理は、堆積層14A,14B,14Cのうち最も薄い堆積層14Cが除去されて防着治具3Cの被膜13の少なくとも一部が露出するまで、より好適には、図3(b)に示すように防着治具3Cの被膜13の一部が露出する直前まで行われる。エッチング洗浄の条件としては、例えば、洗浄温度を1000℃〜1050℃の範囲内の値、ここでは1030℃、洗浄時間を3.5時間に設定し、エッチングガスとしてHClガスを用い、ガス流量を2slmとする。
ステップS1における洗浄温度が1000℃よりも低温であると、堆積層14A,14B,14Cのエッチングに比較的長時間を要することになる。洗浄温度が1050℃よりも高温であると、被膜13へのエッチングの影響が懸念される。洗浄温度を1000℃〜1050℃の範囲内の値とすることにより、被膜13をエッチングすることなく、比較的短時間で堆積層14A,14B,14Cの洗浄除去を行うことができる。
続くステップS2では、被膜13と堆積層14A,14B,14Cとでエッチング速度が異なる、ここでは被膜13の方が堆積層14A,14B,14Cよりもエッチング速度が低い低温の条件で洗浄処理を行う。この洗浄処理は、図3(b)に示すように、堆積層14A,14B,14Cが全て洗浄除去されるまで行われる。エッチング洗浄の条件としては、例えば、洗浄温度を880℃〜950℃の範囲内の値、ここでは920℃、洗浄時間を1時間に設定し、エッチングガスとしてHClガスを用い、ガス流量を2slmとする。
ステップS2における洗浄温度が880℃よりも低温であると、残存する堆積層14A,14B(14C)のエッチングに比較的長時間を要することになる。洗浄温度が950℃よりも高温であると、エッチング選択比が十分に確保されず、被膜13へのエッチングの影響が懸念される。洗浄温度を1000℃〜1050℃の範囲内の値とすることにより、被膜13をエッチングすることなく、比較的短時間で残存する堆積層14A,14B(14C)の洗浄除去を行うことができる。ステップS2の終了時点において、防着治具3A,3B,3Cでは堆積層14A,14B,14Cの除去が完了し、各表面に被膜13が露出した状態となる。
続くステップS3では、防着治具3A,3B,3Cの各表面の被膜13を、ステップS2よりもエッチング速度が高い高温の条件で洗浄処理する。この洗浄処理は、被膜13が規定された既知の厚みとされていることから、被膜13が丁度除去される条件で行われる。例えば、洗浄温度を所定値に定めることにより、被膜13の規定膜厚に応じて洗浄時間を設定する。エッチング洗浄の条件としては、例えば、洗浄温度を1000℃〜1050℃の範囲内の値、ここでは1030℃、洗浄時間を0.4時間に設定し、エッチングガスとしてHClガスを用い、ガス流量を2slmとする。
ステップS1における洗浄温度が1000℃よりも低温であると、被膜13のエッチングに比較的長時間を費やすことになる。洗浄温度が1050℃よりも高温であると、被膜13下のSiC膜12へのエッチングの影響が懸念される。洗浄温度を1000℃〜1050℃の範囲内の値とすることにより、SiC膜12にエッチングダメージを及ぼすことなく、比較的短時間で被膜13の洗浄除去を行うことができる。なおこの場合、SiC膜12へのエッチングダメージを可及的に抑止する観点を重視して、1000℃よりも低温、例えばステップS2の温度範囲の値で洗浄処理を行うようにしても良い。
上述した防着治具の洗浄工程では、各ステップS1〜S3において、エッチングガスとしてHClガスを用いる場合を例示したが、これに限定されることなく、HClガスの代わりに例えばCl2ガスを用いても良い。Cl2ガスは反応性が高いため、HClガスよりも低い洗浄温度で各ステップS1〜S3を行う。例えばステップS2では、被膜13と堆積層14A,14B(14C)とで十分なエッチング速度差を生ぜしめるべく、650℃程度〜750℃程度の範囲内の値で処理することが望ましい。
なお、本実施形態では、防着治具の洗浄工程においてステップS3で被膜13を除去する場合を説明したが、この構成に限定されるものではない。ステップS3を行うことなく、即ち防着治具3A,3B,3Cの各表面に被膜13が形成された状態で洗浄工程を終了し、防着治具3A,3B,3CをMOCVD法に設置して使用に供するようにしても良い。但しこの場合、洗浄工程(ステップS1+S2)を複数回行うことにより、被膜13に劣化が生じることが懸念される。従ってこの場合、洗浄工程(ステップS1+S2)を所定回数行った後には、その次回にはステップS3を含む洗浄工程を行うようにすることが考えられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、成膜履歴の異なる治具表面の堆積層を同時にエッチング洗浄しても、オーバーエッチングによる母材へのダメージが抑えられ、防着治具3の長寿命化が実現し、防着治具3を繰り返し使用に供することが可能となる。
以下、防着治具の使用方法及び防着治具の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具の使用方法であって、
前記防着治具の表面に、所定の厚みに被膜を形成する工程と、
前記被膜が形成された前記防着治具が前記成膜装置内に配置されて前記成膜装置が用いられ、前記被膜上に堆積層が形成された後、前記防着治具を洗浄剤を用いて洗浄する工程と
を含み、
前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度が低い材質であることを特徴とする防着治具の使用方法。
(付記2)前記防着治具を洗浄する工程は、
前記防着治具の一部で前記被膜が露出するまで第1の温度で前記堆積層を洗浄除去する第1の工程と、
前記第1の工程の後、前記防着治具の全体で前記被膜が露出するまで前記第1の温度よりも低温の第2の温度で前記堆積層を洗浄除去する第2の工程と、
を含むことを特徴とする付記1に記載の防着治具の使用方法。
(付記3)前記第2の工程の後、前記第2の温度よりも高温の第3の温度で前記被膜を洗浄除去する第3の工程を更に含むことを特徴とする付記2に記載の防着治具の使用方法。
(付記4)前記第1の温度は1000℃〜1050℃の範囲内の値、前記第2の温度は880℃〜950℃の範囲内の値であることを特徴とする付記2に記載の防着治具の使用方法。
(付記5)前記第3の温度は1000℃〜1050℃の範囲内の値であることを特徴とする付記3に記載の防着治具の使用方法。
(付記6)前記被膜は、0.2μm〜1μmの範囲内の厚みに形成されることを特徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の防着治具の使用方法。
(付記7)成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具であって、
表面に所定の厚みに被膜が形成されており、前記被膜が形成された状態で前記成膜装置内に配置され、前記被膜上に堆積層が形成されるものであり、
前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度が低い材質であることを特徴とする防着治具。
(付記8)前記被膜は、0.2μm〜1μmの範囲内の厚みに形成されていることを特徴とする付記7に記載の防着治具。
1 反応室
1a ガス導入部
1b ガス排気部
2 サセプタ
2a ヒータ
3,3A,3B,3C,101A,101B,101C 防着治具
10 半導体基板
11,111 基部
12,112 SiC膜
13 被膜
14A,14B,14C,113A,113B,113C 堆積層

Claims (5)

  1. 成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具の使用方法であって、
    前記防着治具の表面に、所定の厚みに被膜を形成する工程と、
    前記被膜が形成された前記防着治具が前記成膜装置内に配置されて前記成膜装置が用いられ、前記被膜上に堆積層が形成された後、前記防着治具を洗浄剤を用いて洗浄する工程と
    を含み、
    前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度が低い材質であることを特徴とする防着治具の使用方法。
  2. 前記防着治具を洗浄する工程は、
    前記防着治具の一部で前記被膜が露出するまで第1の温度で前記堆積層を洗浄除去する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記防着治具の全体で前記被膜が露出するまで前記第1の温度よりも低温の第2の温度で前記堆積層を洗浄除去する第2の工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の防着治具の使用方法。
  3. 前記第2の工程の後、前記第2の温度よりも高温の第3の温度で前記被膜を洗浄除去する第3の工程を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の防着治具の使用方法。
  4. 成膜装置内に設けられる、前記成膜装置内への膜の付着を防止するための防着治具であって、
    表面に所定の厚みに被膜が形成されており、前記被膜が形成された状態で前記成膜装置内に配置され、前記被膜上に堆積層が形成されるものであり、
    前記被膜は、少なくともその表層部分が、前記堆積層の少なくとも最下層部分と前記洗浄剤に対するエッチング速度が低い材質であることを特徴とする防着治具。
  5. 前記被膜は、0.2μm〜1μmの範囲内の厚みに形成されていることを特徴とする請求項4に記載の防着治具。
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