JP2015072386A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写入口ガイドのトナー汚れや、記録材への転写不良、記録材の搬送不良を抑制し、且つ耐久性にも優れた画像形成装置を提供する。【解決手段】転写入口ガイド11は、像担持体1、16と転写ニップ部N1、N3へ案内される記録材Sの間に位置する転写入口ガイド部材111を備え、転写入口ガイド部材は、記録材Sと対向する側から像担持体1、16の方へと順に第一の導電層111−1、絶縁層111−2、第二の導電層111−3を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、レーザープリンター、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、電子写真方式を用いる画像形成装置においては、電子写真感光体又は中間転写体等の像担持体上に形成されたトナー像を、転写部に於いて紙などの記録材に転移させる転写方式を採用している。
一般的に、画像形成装置の転写部は、像担持体である例えば感光ドラムと転写手段である転写ローラーとを備え、両者が接触する転写ニップ部で記録材を狭持する。そして、この狭持状態で所定の転写バイアス電圧を転写ローラーに印加する事で、感光ドラム上のトナー像を記録材に転写する。続いて、未定着トナー像が転写された記録材は定着部に搬送され、定着ローラー等によって加熱、加圧されることで溶融定着し、画像形成される。
このような画像形成装置では、転写部へ記録材を確実に誘導するために、記録材の搬送を上側及び下側からガイドする、上下一対の転写入口ガイドが備えられる。これらの転写入口ガイドは、一般的には、記録材の搬送による摩耗防止や帯電防止のため、ステンレスなどの金属で形成される。また、転写入口ガイドの転写ニップ部側の先端は、記録材を精度良く転写ニップ部へ誘導するため、なるべく転写ニップ部近傍に配置される。そのため、特に、転写入口上ガイド先端部は、感光ドラムの表面から1〜3mm程度と、感光ドラムの表面に非常に近接した位置に設置される。その結果、画像形成装置内に浮遊するトナーや、画像形成動作中に感光ドラム表面から極僅かに飛散するトナーが、転写入口ガイド先端部分に付着する事がある。転写入口ガイドに付着したトナーは、画像形成を繰り返すごとに堆積し、やがて記録材に付着して画質の低下を招く事がある(以下、「トナー汚れ」という。)。これを防止するため、例えば転写入口ガイドにトナーと同極性のバイアス電圧を印加し、トナーの付着を防止する方法が提案されている。しかしながら、導電性部材で形成された転写入口ガイドにバイアス電圧を印加する場合、転写ローラーから電流がリークするという問題が発生する。即ち、高湿環境で吸湿して低抵抗化した記録材を介して転写電流が転写入口ガイドにリークし、転写に必要な電荷付与が行えず、転写抜けを生じてしまうといった問題がある。また同時に、低抵抗化した記録材が転写入口ガイドに接触すると、転写入口ガイドに印加したバイアス電圧が低下し、トナーの付着を防止するために必要な電位を保てなくなるという問題がある。
このような問題を回避するため、さまざまな提案がなされており、導電性部材で形成した転写入口ガイドを絶縁性樹脂により薄層被覆して構成する方法などが提案されている。
一般的に、転写入口ガイドの記録材搬送路側を樹脂で形成すると、特に、低湿環境で乾燥し高抵抗化した記録材を搬送する際に、記録材との摺擦で樹脂が帯電してしまうことがある。すると、その結果、記録材が樹脂に静電吸着してしまい、正常に搬送できなくなるなどの搬送不良を引き起こす事がある。また、樹脂の体積抵抗によっては、記録材の搬送による摺擦で樹脂および記録材が帯電し、その結果、転写の際にトナー像が飛び散るなどの画像不良が発生する事がある。そこで、これらを防止するために、特許文献1では、樹脂の体積抵抗を特定の範囲に調整することが提案されている。
しかしながら、特許文献1では、転写入口ガイドの表面を薄層被覆する樹脂の体積抵抗を特定の範囲に調整しているため、生産上の管理項目が増え、材料のコストアップを招くという課題がある。よって、本発明の目的は、転写入口ガイドのトナー汚れや、記録材への転写不良、記録材の搬送不良を抑制し、且つ耐久性にも優れた画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部と、
前記記録材を前記像担持体と前記転写部との接触により形成される転写ニップ部へ案内するための転写入口ガイドと、
を有する画像形成装置において、
前記転写入口ガイドは、前記像担持体と前記転写ニップ部へ案内される記録材の間に位置する転写入口ガイド部材を備え、
前記転写入口ガイド部材は、前記記録材と対向する側から前記像担持体の方へと順に第一の導電層、絶縁層、第二の導電層を備えることを特徴とする画像形成装置である。
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部と、
前記記録材を前記像担持体と前記転写部との接触により形成される転写ニップ部へ案内するための転写入口ガイドと、
を有する画像形成装置において、
前記転写入口ガイドは、前記像担持体と前記転写ニップ部へ案内される記録材の間に位置する転写入口ガイド部材を備え、
前記転写入口ガイド部材は、前記記録材と対向する側から前記像担持体の方へと順に第一の導電層、絶縁層、第二の導電層を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、転写入口ガイドのトナー汚れや、記録材への転写不良、記録材の搬送不良を抑制し、且つ耐久性にも優れた画像形成装置を提供できる。
以下、本発明に係る画像形成装置100を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(1)画像形成装置
図1は本発明に係る画像形成装置100の一実施例の概略構成断面図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のレーザープリンターであって、ホストコンピュータ等の外部装置(不図示)より入力する画像情報に応じた画像を記録材Sに形成する。
(1)画像形成装置
図1は本発明に係る画像形成装置100の一実施例の概略構成断面図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のレーザープリンターであって、ホストコンピュータ等の外部装置(不図示)より入力する画像情報に応じた画像を記録材Sに形成する。
画像形成装置100は、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)1を有し、感光ドラム1の周囲には帯電手段2、レーザースキャナ3、現像ローラー4、転写ローラー5、クリーナー6を有する。
画像形成装置100には感光ドラム1と転写ローラー5が当接する転写部である転写ニップ部N1が形成されている。転写ニップ部N1には装置下部に配設されている給送カセット7に収納されている記録材Sが給送ローラー8、搬送ローラー9、レジストローラー10、を経て、転写入口ガイド11にて搬送される。その後、記録材Sは加熱定着手段12の定着ニップ部N2を経て中間排出ローラー13、排出ローラー14にて搬送され、装置外部の排出トレイ15に排出される。
以下、画像形成装置100の画像形成動作を述べる。
画像形成装置100は、不図示の外部装置からプリント指令を入力すると、感光ドラム1を図中矢印r1方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動する。ここで、感光ドラム1は、例えば直径30mmのアルミニウムシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布して構成する。また、感光ドラム1は、その両端部を不図示の支持部材によって回転自在に支持されており、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、図中矢印r1方向に回転駆動する。感光ドラム1の外周面(表面)は、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラー2で、このローラーを感光ドラム1表面に当接させると共に、このローラーに電源(不図示)によって負極性でかつ放電開始電圧以上の所定の帯電バイアスを印加することにより、感光ドラム1表面を一様に負極性に帯電させる。
その感光ドラム1表面の帯電面に対して、露光手段としてのレーザースキャナ3により画像情報の書き込みがなされる。レーザースキャナ3は、不図示の外部装置からプリンタである画像形成装置100に入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力する。そしてレーザースキャナ3は、レーザー光Lにより感光ドラム1の帯電面を選択的に走査露光する。これにより、感光ドラム1表面、つまり像担持体上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
静電潜像は、現像ローラー4によりトナー(現像剤)Tを用いてトナー画像(現像像)として現像される。現像ローラー4としては、例えば、金属からなる直径20mmのローラー表面を、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)などの高分子弾性体でコーティングしたものを用いる。その現像ローラー4には、トナー収容容器41からトナーTが供給される。
ここで、本実施例の画像形成装置100の現像には、ジャンピング現像法が用いられる。ジャンピング現像法とは、次のような現像法である。現像ローラー4と感光ドラム1との最接近部である現像領域で、現像ローラー4と感光ドラム1との間に印加された直流バイアスを重畳した交流バイアス電圧により、トナーTが現像ローラー4と感光ドラム1との間を往復運動する。そして、最終的に静電潜像パターンに応じて選択的に感光ドラム1表面に移行付着し、顕像化されるものである。
このようにして形成された感光ドラム1表面のトナー画像(以下、「トナー像」という。)は、感光ドラム1の回転によって、感光ドラム1表面とこの感光ドラム1表面に対向して配置されている転写ローラー5の外周面(表面)との間の転写ニップ部N1に送られていく。転写ローラー5は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。例えば、ステンレスなどの金属からなる外径6mmシャフトの周囲に、外径17mmとなるよう発泡性弾性ローラーが構成されたものである。発泡性弾性ローラーは106〜109Ωの抵抗を有し、転写ローラー5は感光ドラム1に加圧され、不図示の高圧電源により、正極性の転写バイアスが印加される。これにより、転写ニップ部N1に送られた感光ドラム1上のトナー像は、記録材S上に転写される。
以上が画像形成部の概略構成および動作である。
一方、給送カセット7のシート積載台71上に積載されている記録材(転写用紙、OHPシート等)Sは、所定の制御タイミングで駆動される給送ローラー8により一枚ずつピックアップされ、搬送ローラー9と搬送コロ91とによりレジスト部Nrへと送られる。レジスト部Nrでは、記録材Sの先端をレジストローラー10とレジストコロ101間のニップ部であるレジスト部Nrで一旦受け止めて記録材Sの斜行矯正を行い、所定の搬送タイミングでその記録材Sを転写ニップ部N1へと給送する。即ち、レジスト部Nrでは、感光ドラム1表面のトナー像の先端部位が転写ニップ部N1に到達したとき、記録材Sの先端部位も転写ニップ部N1に到達するように記録材Sの搬送タイミングが制御される。
レジスト部Nrを通過した記録材Sは、後述する転写入口ガイド11に沿って搬送され、感光ドラム1と転写ローラー5とによって形成される転写ニップ部N1に案内される。転写ニップ部N1に給送された記録材Sは、感光ドラム1と転写ローラー5とにより挟持搬送されながらトナー像が転写された後、感光ドラム1表面から分離して加熱定着手段12へと搬送される。加熱定着手段12は、未定着トナー像を担持した記録材Sに、定着ローラー121と加圧ローラー122とによって形成される定着ニップ部N2で熱と圧力を付与することにより、未定着トナー像を記録材Sに加熱定着する。
加熱定着手段12から排出された記録材Pは、中間排出ローラー13により排出ローラー14に搬送される。そして排出ローラー14がその記録材Sを排出トレイ15上に排出する。記録材S分離後の感光ドラム1表面は、クリーナー6により記録材Sに転写されずに感光ドラム1表面に残った転写残トナーが除去され、繰り返して作像に供される。
本実施例の画像形成装置100は、感光ドラム1、帯電手段2、現像ローラー4、トナー収容容器41、クリーナー6を一体化してプロセスカートリッジPとしている。
また、プロセスカートリッジPはプリンタである画像形成装置100の筐体を構成する画像形成装置本体100Mに対して取り外し可能に装着されている。
(2)転写入口ガイド
図2は、本発明に係る転写入口ガイド11の一例の構成模式図である。
図2は、本発明に係る転写入口ガイド11の一例の構成模式図である。
転写入口ガイド11は、上下一対の転写入口ガイド部材である転写入口上ガイド111と転写入口下ガイド112とで構成している。転写入口ガイド11は、レジストローラー10とレジストコロ101で構成されたレジスト部Nrから搬送されてくる記録材Sの先端を、精度良く転写ニップ部N1へ導く役割を果たす。転写入口ガイド11の感光ドラム1に隣接する側のガイドを転写入口上ガイド111とし、転写入口上ガイド111に対向して配設されているガイドを転写入口下ガイド112とする。転写入口上ガイド111は、記録材Sの搬送方向上流側端部111aと、搬送方向下流側端部111bを有し、上流側端部111aから下流側端部111bへと延在している。同様に転写入口下ガイド112は、記録材Sの搬送方向上流側端部112aと、搬送方向下流側端部112bを有し、上流側端部112aから下流側端部112bへと延在している。転写入口上ガイド111と転写入口下ガイド112は、記録材Sの搬送方向上流側から下流側に向かって内部が狭くなるように対向して配設されている。つまり、転写入口上ガイド111の上流側端部111aと、転写入口下ガイド112の上流側端部112aの記録材Sの搬送路側のそれぞれの面が形成する、記録材Sの搬送方向に直交する方向の間隙の距離11Taよりも、下流側端部111bと下流側端部112bの記録材Sの搬送露側のそれぞれの面が形成する、記録材Sの搬送方向に直交する方向の間隙の距離11Tbの方が短い。そして、転写入口ガイド11の記録材Sの搬送方向下流側端部11bは、感光ドラム1に近接しており、上下ガイド111、112の端部111b、112bで形成された感光ドラム1の軸線方向に直交している間隙、即ち、開口部11Tbは記録材Sが搬送され、通りぬけるのに十分な空間を有する。
特に、感光ドラム1に近い側の転写入口ガイド先端11bの位置及び形状は、記録材S先端Saが転写ニップ部N1に侵入する位置や角度を決める重要なパラメータであり、画像のドット再現性や飛び散り、ブレといった画質に大きく影響する。そのため、転写入口ガイド11の先端位置および形状に対しては、高い設計精度が求められる。
本実施例では、転写入口上ガイド111は、記録材Sの搬送路側から順に、第一の導電層としての金属板金111−1、絶縁層としてのモールド層111−2、第二の導電層としての金属電極111−3からなる三層構造を有する。
第一の導電層としての金属板金111−1は、厚さ0.5mmのSUS板金で形成し、記録材Sを転写ニップ部N1に案内する役割を果たす。また、記録材Sの帯電を防止するため、金属板金111−1は、ダイオードもしくは高抵抗の電気抵抗を介して接地しておくことが望ましく、本実施例では200MΩの抵抗R1を介して接地した。
絶縁層としてのモールド層111−2は、ABS樹脂もしくはPC‐ABS樹脂等の絶縁物質で形成する。ここでモールド層111−2は、第一の導電層である金属板金111−1と第二の導電層である金属電極111−3を電気的に絶縁する役割を果たす。また、後述するように、第二の導電層である金属電極111−3にはバイアス電圧を印加するため、モールド層111−2の厚みは絶縁に必要な沿面距離を考慮して決める必要がある。そこで、本実施例ではこれらを考慮して、モールド層111−2を、厚さ1.5mmのPC‐ABS樹脂で形成した。
第二の導電層としての金属電極111−3は、厚さ0.2mm程度のSUS板金で形成する。また、高圧電源113によって、トナーと同極性のバイアス電圧を印加する。
本実施例では、トナーの極性は負極性であるので、金属電極111−3にも負極性のバイアス電圧を印加する。また、画像形成の際に、感光ドラム1を帯電手段2によって所定の電位になるように帯電させていることから、金属電極111−3も同程度の電位に帯電させる。本実施例では、感光ドラム表面の電位が−500V〜−700V程度であることから、金属電極111−3には、約−600Vのバイアス電圧を印加した。
なお、上述した転写入口上ガイド111の各層は、接着剤を用いて接着する事で一体化した。
転写入口下ガイド112は、厚さ1mm程度のSUS板金で形成し、記録材Sの搬送を下側からアシストする。また、転写入口下ガイド112は、記録材Sの帯電を防止するため、転写入口上ガイド111の金属板金111−1と同様に、ダイオードもしくは高抵抗の電気抵抗を介して接地しておくことが望ましく、本実施例では200MΩの抵抗R2を介して接地した。
<性能評価>
性能評価には、本実施例の転写入口ガイド11と、比較例として図3に示す従来例1の転写入口ガイド11(1)を用いて、トナー飛散による転写入口ガイド汚れと転写抜けに対する画像性能評価を行った。
性能評価には、本実施例の転写入口ガイド11と、比較例として図3に示す従来例1の転写入口ガイド11(1)を用いて、トナー飛散による転写入口ガイド汚れと転写抜けに対する画像性能評価を行った。
また、図4に示す従来例2の転写入口ガイド11(2)を用いて、記録材搬送によるガイドの摩耗、削れといった耐久性に関する評価を行った。
ここで、従来例1の転写入口ガイド11(1)は、図3に示すように、転写入口上ガイド111(1)を厚さ1mm程度のSUS板金で構成し、高圧電源113によって約−600Vに帯電させたものを用いた。
また、従来例2の転写入口ガイド11(2)は、図4に示すように、転写入口上ガイド111(2)に厚さ0.5mm程度のSUS板金111−1(2)表面を、ABS樹脂111−2(2)で厚さ0.5mm程度に薄層被覆したものを用いた。また、SUS板金111−1(2)には、高圧電源113によって、−600Vのバイアス電圧を印加した。
なお、転写入口下ガイド112には、従来例1及び従来例2も含め全て本実施例と同じ構成の転写入口下ガイド112を用いた。
表1に、本実施例の転写入口ガイド11と従来例1の転写入口ガイド11(1)を用いて行った転写抜けとトナー汚れの評価結果を示す。評価は、転写抜けとトナー汚れが最も発生しやすい、30℃/80%の高温高湿環境で行った。また、評価には、レターもしくはA4サイズの普通紙(坪量64〜120g/m2)を用いた。
なお、転写抜けの評価は、上記の環境下で48時間以上放置した普通紙にベタ黒、写真画像、テキストパターンを印字し、各画像パターンの転写性を評価する事で行った。
また、トナー汚れの評価は、上記の環境下で48時間以上放置した普通紙に写真画像を形成し、500枚連続通紙し、通紙後にそれぞれの転写入口ガイドに付着したトナーによって以降の画像形成の際に記録材に汚れが見られるかどうかで評価した。
表1に示すように本実施例と従来例1にて転写抜け及びトナー汚れの評価を行うと、本実施例の転写入口ガイド11では、高温高湿環境下においても転写抜けおよびトナー汚れの発生は見られなかった。一方で、従来例1の転写入口ガイド11(1)では、ベタ黒および写真画像において転写抜けの発生がみられた。また、写真画像を500枚連続通紙した後に、紙コバが汚れるトナー汚れの発生が見られた。
以下に、これらの現象の発生メカニズムを示す。
本実施例の画像形成装置100は前述したように、トナーの現像方法としてジャンピング現像法を採用している。図5に、ジャンピング現像法を説明した模式図を示す。ジャンピング現像法では、現像位置における現像ローラー4と感光ドラム1との間にはギャップ(以下、「SDギャップ」という。)dを有している。一般に、SDギャップdの距離は、現像ローラー軸に回転可能に支持された感光ドラム突き当てコロ(不図示)によって、100〜500μmに設定される。これは、SDギャップdが100μm未満であると、電界が現像ローラー4から感光ドラム1へリークし易く、静電潜像を現像することが難しくなる。又、SDギャップdが500μm以上であるとトナーが感光ドラム1に飛翔し難くなり、画像濃度薄や掃き寄せが悪化しやすくなるといった傾向があるからである。
このようなジャンピング現像は、感光ドラム1と現像ローラー4の接触が無い為に、接触式の現像方法と比べてトナーの劣化防止に有利であり、耐久試験後半の画像劣化によるカブリやがさつき等を防止するのに非常に有効である。
一方、ジャンピング現像法では、現像ローラー4から感光ドラム1上の静電潜像にトナーを静電的に飛翔させる際に、ごく微量のトナー粒子がSDギャップdの電界から遊離し、機内に飛散して浮遊することがある。飛散量は、印刷画像のトナー載り量が多いほど多く、また感光ドラム1の回転速度(プロセススピード)が速いほど多くなる傾向がある。
この飛散したトナー粒子が最も付着しやすいのが、距離が一番近い場所に位置する転写入口上ガイド111である。飛散したトナー粒子は電荷を帯びているため、トナーの付着量は転写入口上ガイド111の表面電位によって決まる。一般的には、飛散したトナー粒子はマイナスの電荷を帯びているため、トナー汚れを防止するためには、転写入口上ガイド111にも負極性のバイアス電圧を印加すればよい。しかしながら、感光ドラム1表面にはカブリトナーと呼ばれる、極性が反転したトナー粒子も極僅か存在する。そのため、トナー汚れ防止に有効なバイアス電圧には最適値が存在し、それを超えた電圧を印加すると、プラスに帯電したカブリトナーを引き寄せてしまい、逆に汚れが悪化する。図6に、転写入口ガイド11の表面電位とトナー汚れ量の関係を調べたグラフを示す。グラフからわかるように、本実施例における画像形成装置100では、トナー汚れ防止に最適なバイアス電圧値は、−500V〜−700V程度である。
一方で、転写入口下ガイド112は、通紙中は記録材によってドラム表面から遮蔽されるので、転写入口上ガイド111よりもトナー汚れが付着しにくい。
そこで、本実施例および従来例1の転写入口上ガイド111、111(1)には、高圧電源113によって上記の値のバイアス電圧を印加している。しかしながら、30℃/80%の高温高湿環境下で、従来例1の転写入口上ガイド111(1)に吸湿して抵抗が低くなった記録材Sを搬送すると、図7に示すように、記録材Sを介してバイアス電圧がリークしてしまい、トナー汚れ防止に必要なバイアス電圧を維持できなくなる。その結果、従来例1の転写入口ガイド11(1)では、特に高温高湿環境下でトナー汚れが発生した。また同じく高温高湿環境では、転写の際に低抵抗化した記録材Sを介して、転写ローラー5からの正極性の転写バイアスが、負極性のバイアスを印加した転写入口ガイド11(1)にリークしてしまい、転写に必要な電荷付与が行えなくなる。その結果、従来例1の転写入口ガイド11(1)では、転写抜けが発生した。
一方で、本実施例における転写入口ガイド11は、バイアス電圧を印加する金属電極111−3と記録材搬送路側の金属板金111−1が絶縁されているため、このような問題は発生しない。
以上が、表1で示した評価結果の現象発生メカニズムである。
次に、表2に、本実施例と従来例2の転写入口ガイド11、11(2)を用いて行った、記録材搬送による転写入口ガイドの摩耗と削れの評価結果を示す。
評価は、25℃/50%の常温常湿環境で記録材Sである普通紙を既定枚数通紙し、耐久前後での転写入口ガイドの削れ量を測定することで行った。
なお、本実施例では画像形成装置100の本体寿命に相当する20万枚の通紙を行い、削れの評価を行った。
表2に示すように、従来例2の転写入口ガイド11(2)では、耐久による転写入口ガイドのガイド削れ評価の結果、耐久前後で入口ガイド先端部分111(2)b1に最大で約0.5mm程度の樹脂の摩耗がみられた。前述した通り、転写入口ガイド11の先端位置および形状は高い設計精度が求められ、画質に大きく影響する。そこで、耐久後の従来例2の転写入口ガイド11(2)を用いて画質の評価を行ったところ、ドット再現性とブレの悪化が見られた。これは、転写入口ガイド先端部分111(2)b1が摩耗したことにより、転写ニップ部N1に記録材Sの紙先端が突入する位置および角度が僅かに変化し、設計の狙い値からずれてしまったことに起因すると考えられる。
一方で、記録材Sの搬送路側の金属板金111−1をSUS板金で形成した本実施例の転写入口ガイド11では、このような摩耗は発生しなかった。
以上示したように、本実施例のごとく転写入口ガイド11を構成することにより、通常環境ではもちろんのこと、高温高湿環境下でも転写入口ガイド11にトナー汚れが付着することを防止することができる。
また、高湿環境で吸湿し、低抵抗化した記録材Sを搬送する場合も、バイアスを印加した金属層111−3に記録材Sが接触することがないので、バイアス電圧のリークや、転写抜けを防止することができる。
実施例2
図8に、本発明に係る実施例2の転写入口ガイド11(3)の概略構成断面図を示す。
図8に、本発明に係る実施例2の転写入口ガイド11(3)の概略構成断面図を示す。
本実施例では、金属板金111−1と金属電極111−3の間に絶縁性の樹脂等で成形した絶縁スペーサー111−4を設けることで、二つの金属層を絶縁した。実施例1と異なり、絶縁層として微小な絶縁スペーサー111−4を設置するだけでよいので、材料のコスト削減効果が高い。なお、その他の構成は実施例1と同様であるため、同じ記号を用い説明を省く。
ここで、絶縁スペーサー111−4は、ABS、POMなどの絶縁樹脂で形成し、転写入口上ガイド11(3)の記録材S搬送方向と直行する方向に沿って設置し、接着剤を用いて金属板金111−1と金属電極111−3に接着した。また、絶縁スペーサー111−4の厚みは、金属層111−1と金属電極111−3の絶縁に必要な空間距離を考慮して、1mm程度とした。なお、沿面距離を稼ぐため、絶縁スペーサー111−4の断面形状はH字型になるように形成する事が望ましい。
以上説明したように転写入口ガイド11(3)を構成することで、低コストでかつ実施例1と同様の効果が得られる。
実施例3
図9に、本発明に係る実施例3の転写入口ガイド11(4)の概略構成断面図を示す。又、図10(a)、は転写入口ガイド11(4)を図9の現像ドラム側からA方向に見た時の平面図、図10(b)は転写入口ガイド11(4)の図9のB−Bに取った垂直断面を感光ドラム1方向から見た図である。
図9に、本発明に係る実施例3の転写入口ガイド11(4)の概略構成断面図を示す。又、図10(a)、は転写入口ガイド11(4)を図9の現像ドラム側からA方向に見た時の平面図、図10(b)は転写入口ガイド11(4)の図9のB−Bに取った垂直断面を感光ドラム1方向から見た図である。
本実施例では、転写入口上ガイド111を、金属板金111−1、金属電極111−3と、絶縁性のガイド保持部材111−5で形成した。図10(a)に示す様にガイド保持部材111−5は感光ドラム1の回転軸方向を長手方向とする転写入口ガイド11(4)の長手方向端部11cに設置される。このガイド保持部材111−5は、図10(b)に示す様に金属板金111−1と金属電極111−3を固定しつつ両者の間を一定の距離に保つ役割を果たす。これにより、金属板金111−1と金属電極111−3の間を完全な空間とすることで絶縁層の代わりとした。
以上説明したように転写入口ガイド11(4)を構成することでも、実施例1と同様の効果が得られる。
実施例4
図11に、本発明に係る実施例4の転写入口ガイド11(5)の概略構成断面図を示す。
図11に、本発明に係る実施例4の転写入口ガイド11(5)の概略構成断面図を示す。
本実施例では、転写入口上ガイド11(5)の金属電極111−3を感光ドラム1近傍のみに設置した。一般的に、トナーが付着しやすい領域は、転写入口ガイド11(5)の感光ドラム1に隣接している側の先端から数ミリの領域に限定される。そこで、金属電極111−3の大きさをその領域分に限定しても、実施例1と同様にトナー付着を防止する効果が得られる。
また、本実施例における転写入口上ガイド11(5)は、金属電極111−3と、PC/ABS樹脂等で形成する絶縁層111−2、および搬送路側の金属板金111−1の3層をインサート成型で一体部品として形成することも可能である。これにより、転写入口上ガイド111の形成時に接着工程を省くことができ、実施例1よりも大幅に高い量産性が得られる。なお、本実施例における各金属層および絶縁層の材質、厚み等の構成は、実施例1と同等とした。
実施例5
上記実施例1〜4では、画像形成装置100は像担持体としての感光ドラムにトナー像を形成後、このトナー像が記録材Sに直接転写される、所謂、直接転写方式の画像形成装置100について説明した。しかし、本発明の画像形成装置100は、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、第一の像担持体としての感光ドラム1を備えた複数の画像形成部PY、PM、PC、PKに形成されたトナー像を第二の像担持体としての中間転写体16に一次転写し、重畳されたトナー像を記録材Sに二次転写する中間転写方式の画像形成装置100であっても良い。一次転写部N1Y´、N1M´、N1C´、N1K´にて中間転写体16に重畳されたトナー像を記録材Sに転写する二次転写部N3には、転写入口ガイド11が配置され、記録材Sを二次転写部N3へと案内する。この場合の転写入口ガイド11も実施例1〜4で述べた構成と同様にすることによって、二次転写部N3でのバイアス電圧のリークや、転写抜けを防止することができる。
上記実施例1〜4では、画像形成装置100は像担持体としての感光ドラムにトナー像を形成後、このトナー像が記録材Sに直接転写される、所謂、直接転写方式の画像形成装置100について説明した。しかし、本発明の画像形成装置100は、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、第一の像担持体としての感光ドラム1を備えた複数の画像形成部PY、PM、PC、PKに形成されたトナー像を第二の像担持体としての中間転写体16に一次転写し、重畳されたトナー像を記録材Sに二次転写する中間転写方式の画像形成装置100であっても良い。一次転写部N1Y´、N1M´、N1C´、N1K´にて中間転写体16に重畳されたトナー像を記録材Sに転写する二次転写部N3には、転写入口ガイド11が配置され、記録材Sを二次転写部N3へと案内する。この場合の転写入口ガイド11も実施例1〜4で述べた構成と同様にすることによって、二次転写部N3でのバイアス電圧のリークや、転写抜けを防止することができる。
1 感光ドラム(像担持体)
4 現像ローラー
11 転写入口ガイド
16 中間転写体(像担持体)
111 転写入口上ガイド(転写入口ガイド部材)
111−1 金属板金
111−2 絶縁層
111−3 金属電極
111−4 絶縁スペーサー(保持部材)
111−5 保持部材
112 転写入口下ガイド
113 高圧電源
4 現像ローラー
11 転写入口ガイド
16 中間転写体(像担持体)
111 転写入口上ガイド(転写入口ガイド部材)
111−1 金属板金
111−2 絶縁層
111−3 金属電極
111−4 絶縁スペーサー(保持部材)
111−5 保持部材
112 転写入口下ガイド
113 高圧電源
Claims (8)
- トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を記録材に転写する転写部と、
前記記録材を前記像担持体と前記転写部との接触により形成される転写ニップ部へ案内するための転写入口ガイドと、
を有する画像形成装置において、
前記転写入口ガイドは、前記像担持体と前記転写ニップ部へ案内される記録材の間に位置する転写入口ガイド部材を備え、
前記転写入口ガイド部材は、前記記録材と対向する側から前記像担持体の方へと順に第一の導電層、絶縁層、第二の導電層を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 高圧電源を有し、前記第二の導電層に、電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第一の導電層及び前記第二の導電層は金属板金にて形成され、前記絶縁層は樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記第一の導電層と前記第二の導電層とを空間を開けて保持する絶縁性の保持部材を有し、前記保持部材によって形成された前記第一の導電層と前記第二の導電層の間の空間によって前記絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記第二の導電層は前記転写入口ガイド部材の前記像担持体に最も近い部分のみに前記第二の導電層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体にトナー像を現像するための現像手段と、を有し、前記現像手段は、前記電子写真感光体と前記転写入口ガイド部材に隣接して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、中間転写体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013208542A JP2015072386A (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013208542A JP2015072386A (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2015072386A true JP2015072386A (ja) | 2015-04-16 |
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ID=53014789
Family Applications (1)
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JP2013208542A Pending JP2015072386A (ja) | 2013-10-03 | 2013-10-03 | 画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015072386A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017009768A (ja) * | 2015-06-19 | 2017-01-12 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
-
2013
- 2013-10-03 JP JP2013208542A patent/JP2015072386A/ja active Pending
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