JP2015072146A - 腕時計用カバーガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】外観、デザイン、機能を損なうことなく字を大きく見せるサファイアガラス製腕時計用カバーガラスを提供する。
【解決手段】窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっていて、所望により窓部分とその周辺から下方に配設されるスカート状の足部分を有するサファイアガラス製の腕時計用カバーガラスであり、カバーガラス表面をそのまま凸レンズとして利用し、同時に裏面凸とすることで、豆レンズをカバーガラス表面に装着した片凸の場合と比較し、レンズ効果が大きくなる。さらに、カバーガラスに足をつけることでレンズと文字盤との距離が大きくなり、レンズ効果がより大きくなる。
【選択図】図2
【解決手段】窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっていて、所望により窓部分とその周辺から下方に配設されるスカート状の足部分を有するサファイアガラス製の腕時計用カバーガラスであり、カバーガラス表面をそのまま凸レンズとして利用し、同時に裏面凸とすることで、豆レンズをカバーガラス表面に装着した片凸の場合と比較し、レンズ効果が大きくなる。さらに、カバーガラスに足をつけることでレンズと文字盤との距離が大きくなり、レンズ効果がより大きくなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、腕時計用カバーガラスに関する。さらに詳しくは、高級腕時計に多く用いられるサファイアガラス製の腕時計用カバーガラスに関する。
高級腕時計用カバーガラスとしては、サファイアガラス製のものが多く用いられている。さらにその形状として、デュアルカーブ形状のものがある。その特徴は、カバーガラスの表を凸、裏を凹として時計の文字板との間に空間を設け、時計の針が腕時計用カバーガラスに接触しないようにすることである。こうすることで、時計の厚みを薄く見せることができる。カバーガラスの厚さは均一のものが多いが、裏凹面のカーブのRが表凸面のカーブのRのそれよりも大きい等で、いわゆるメニスカス状となっているものもある。さらに、このカバーガラスを、窓部分外周に沿って垂直下方に足を延ばすものもあり、空間はより一層拡がる。こうすることで時計のケースをより薄くすることができると同時に、文字盤とカバーガラスとの間にコードリングをのせなくても、時計の針がある程度大きかったり、長かったりしても、カバーガラスに接触しないという利点が生じる。
しかしながら、窓部分外周にこのような足を配設することは、ガラスやプラスチックでは切削加工や成型により比較的容易であるが、サファイアガラスでは、特に一体加工が難しい。そのため、窓部分と足部分を別々に加工し、これを接着することにより足部分を配設することが行われている(特許文献1)。
また、時計は近年多様化し、電波時計の普及も進み、世界中のどのエリアでも利用できるものもある。それに伴って、文字盤とコーナーリングには、多くの文字や数字が記載され、字がより小さくなって見づらくなっている。そのため、外観、デザイン及び機能が最先端技術によって製造されているにもかかわらず、シニア層がその購入に一歩踏み込めないでいる。
字を大きく見せる工夫としては、時計の機械式時計の日付を見やすくする為に、平板のカバーガラスの表面に豆レンズを接着し、レンズ効果を出している例がある。しかし、この方法では、豆レンズをカバーガラスの表面に貼り付ける為、デザイン的に違和感がある、突き出た豆レンズで腕時計を利用したときにワイシャツの袖口が傷むことがある、突き出た豆レンズでけがをする場合がある、外に突き出ていることで豆レンズが劣化しやすいという問題点があった。そこで、これらを解決するとともに、外観、デザイン及び機能を損なうことなく字を拡大して見せる工夫が求められていた。
本発明の目的は、外観、デザイン、機能を損なうことなく字を大きく見せるサファイアガラス製腕時計用カバーガラスを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、サファイアガラス製の腕時計用カバーガラスにおいて、加工により裏面の全部又は一部を凸レンズとするとともにレンズと文字盤の距離を大きくすることにより、上記の課題を解決することに想到し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下のとおりである。
即ち、本発明は以下のとおりである。
1.窓部分を有する腕時計用カバーガラスで、窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっているサファイアガラス製の腕時計用カバーガラス。
2.窓部分とその周辺から下方に配設されるスカート状の足部分とからなる断面が逆凹状の腕時計用カバーガラスで、窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっているサファイアガラス製の腕時計用カバーガラス。
3.窓部分が球冠状であり、その裏面の一部又は全部が凸状のレンズで、一部が裏面凸の場合は、その余の部分が平面であるか若しくは凹状球面である前記1又は2のカバーガラス。
4.窓部分の一部に貫通孔を有し、該貫通孔に宝石類が嵌め込まれてなる前記1、2又は3の腕時計用カバーガラス。
5.表面凸裏面凸のレンズが、窓部分の一部に設けられた貫通孔に嵌め込まれた宝石類よりなる前記1、又は2又は3の腕時計用カバーガラス。
2.窓部分とその周辺から下方に配設されるスカート状の足部分とからなる断面が逆凹状の腕時計用カバーガラスで、窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっているサファイアガラス製の腕時計用カバーガラス。
3.窓部分が球冠状であり、その裏面の一部又は全部が凸状のレンズで、一部が裏面凸の場合は、その余の部分が平面であるか若しくは凹状球面である前記1又は2のカバーガラス。
4.窓部分の一部に貫通孔を有し、該貫通孔に宝石類が嵌め込まれてなる前記1、2又は3の腕時計用カバーガラス。
5.表面凸裏面凸のレンズが、窓部分の一部に設けられた貫通孔に嵌め込まれた宝石類よりなる前記1、又は2又は3の腕時計用カバーガラス。
カバーガラス表面をそのまま凸レンズとして利用し、同時に裏面凸とすることで、豆レンズをカバーガラス表面に装着した片凸の場合と比較し、レンズ効果が大きくなる。さらに、カバーガラスに足をつけることでレンズと文字盤との距離が大きくなり、レンズ効果がより大きくなる。カバーガラスに貫通孔を設けてレンズを嵌め込むことで、レンズと文字盤の距離が大きくなり、レンズ効果と装飾的効果を高めることができる。さらに、表面の出っ張りがなくなることで、ワイシャツの袖口が傷む、突き出た豆レンズでけがをする、豆レンズが突き出ているために劣化しやすいという問題点が解決する。このように、外観、デザイン、機能を損なうことなく字を大きく見せる腕時計が提供できるようになることで、高級腕時計のシニア層への需要拡大を図ることができる。
本発明の腕時計用カバーガラスは、サファイアガラス製であり、窓部分、又は窓部分と足部分からなる。
窓部分は、通常中央部に向けて滑らかにやや盛り上がっており、代表的には球冠状で、時計の文字盤のほぼ全面を覆っている。その平面形状は、円形のものが多いが、正方形状、長方形状のものもあり、特に制限はない。断面形状は、表裏両面が同心円の厚さが均一なもの、裏面のRが表面よりも大きい等で三日月状のもの(凸メニスカス)である。カバーガラスが後述のように足部分を有する場合は、裏面が平板であっても、凸状でもよい
なお、裏面のRが表面よりも小さい等のもの(凹メニスカス)も排除するものではないが、全体として凹レンズの作用をするので、腕時計のカバーガラスとしてはあまり意味がない。
窓部分は、通常中央部に向けて滑らかにやや盛り上がっており、代表的には球冠状で、時計の文字盤のほぼ全面を覆っている。その平面形状は、円形のものが多いが、正方形状、長方形状のものもあり、特に制限はない。断面形状は、表裏両面が同心円の厚さが均一なもの、裏面のRが表面よりも大きい等で三日月状のもの(凸メニスカス)である。カバーガラスが後述のように足部分を有する場合は、裏面が平板であっても、凸状でもよい
なお、裏面のRが表面よりも小さい等のもの(凹メニスカス)も排除するものではないが、全体として凹レンズの作用をするので、腕時計のカバーガラスとしてはあまり意味がない。
本発明の腕時計用カバーガラスは窓部分のみで構成されてもよいが、断面が逆凹状となるように足部分を有してもよい。足部分は、窓部分の外縁から垂直又は斜めに文字盤方向に延びた短いスカート状である。カバーレンズの足部分を作ることで、コードリングを用いなくても文字盤と窓部分との間に時計の針が接触しないような、また部分的な凸状部を設けやすくする十分な空間を確保することができる。また文字盤との距離が大きくなるので、凸レンズ効果が増大する。足部の高さは、必要な空間や装飾的効果等を勘案して適宜定めることができる。その厚さは全体として均一でも、下方に向かって漸増してもよく特に制限はなく、またケースに合うような適宜な形状とすることも可能である。
前記の如く、本発明の腕時計用カバーガラスにおいては、裏凹面や足部分を配設することで拡がった空間を生かして、腕時計用カバーガラス窓部分の裏側を凸形状にする。窓部分全体が裏凸となっていてもよいし、裏の一部分が凸となっていてもよい。全体が裏凸となっていれば、文字盤全体が凸レンズとなって拡大されて見え、裏の一部分が凸となっていれば文字盤の一部、例えば日付表示が拡大されて見える。さらに、豆レンズを腕時計用カバーガラス表面に装着した片凸と比較し、表凸裏凸とすることで、レンズ効果を大きくすることができる。
本発明の腕時計用カバーガラスは、サファイアガラスを研磨加工することにより製造する。従来サファイアガラスは研磨が難しく、特に足部分や裏面を研磨することは困難であった。本発明者は、種々検討の結果、例えば以下のようにすることにより、このような研磨加工を可能とした。
まず棒状のサファイアガラス原材料を円板状に切断する。厚さを整え、外径が適切となるよう研削する。続いて下外周面の面取りを行い、カバーガラス内側を球面凹研削し、下外周面を研磨する。続いて正確な外径となるように外径を研磨し、下内周面の面取りをし、正確な内径となるよう内径を研磨する。カバーガラス表側を球面凸研削し、上外周面を面取りし、上外周面を研磨する。カバーガラス裏側を球面凹研磨し、カバーガラス表側を球面凸研磨し、球面凹を化学研磨して、最後に、透過率を上げるために、両面無反射コーティングを施す。裏の一部が凸になっている腕時計用カバーガラスの豆レンズ部分は、別に加工して後から接着してもよいし、カバーガラス裏側を加工する工程で一体加工してもよい。接着する場合、接着剤としてはUV接着剤が好ましい。
本発明においては、窓部分の一部に貫通孔を設け、該貫通孔に別に加工した例えば色違いのサファイアガラス、ルビー、エメラルド、トパーズ、ガーネットなどの宝石類、好ましくはサファイアガラス、ルビーなど嵌め込んで接着することが可能である。宝石類としては、好ましくは透明なものである。このようにすることにより装飾効果が増大し、付加価値が増加する。貫通孔は複数設けて、同一又は異なった宝石を嵌め込んでもよい。嵌め込むのは、表面及び/又は裏面を研磨する前でもよいし、研磨した後でもよい。好ましくは表面を研磨する前に嵌め込む。こうすると、完成後の見た目もよく、また隙間がなくなり劣化が進みにくくなる。さらに、嵌め込むもの自体をレンズにすれば、レンズと文字盤の距離が大きくなり、一層レンズ効果は大きくなる。
以下に本発明を図面及び実施例で説明する。
以下に本発明を図面及び実施例で説明する。
図1は本発明のカバーガラスの一実施例の断面を表した図である。窓部分1は厚さがほぼ等しく、レンズの作用は奏しない。逆凹状の裏面端部近傍は凸レンズ3となっており、例えば日付等を拡大して見ることができる。
図2は図1においては足部2を有するもので、窓部分の裏面4とで凹状空間を構成し、豆レンズと文字盤の距離を大きくすることでレンズ効果がより大きくなっている。
図3は裏面4が凸状となっている実施例である。この場合も窓部分全体が凸レンズとなる。窓部分全体が凸レンズとなるときは文字板全体が拡大されて見やすくなる。
図4は窓部分に貫通孔を設け、レンズ状のルビー5をはめ込んだ例である。この場合は色違いによる高級感を奏するとともに、裏面に豆レンズを張り付けた場合と比べ、文字盤との距離が広がるので、より文字盤が拡大されてみえる。凸状部は裏面より飛び出してもよいが、図5のように頂部が飛び出さないようにすることもでき、好ましい。また、貫通孔は複数設けて複数の同一又は異なった宝石類を嵌め込んでもよい。
図2は図1においては足部2を有するもので、窓部分の裏面4とで凹状空間を構成し、豆レンズと文字盤の距離を大きくすることでレンズ効果がより大きくなっている。
図3は裏面4が凸状となっている実施例である。この場合も窓部分全体が凸レンズとなる。窓部分全体が凸レンズとなるときは文字板全体が拡大されて見やすくなる。
図4は窓部分に貫通孔を設け、レンズ状のルビー5をはめ込んだ例である。この場合は色違いによる高級感を奏するとともに、裏面に豆レンズを張り付けた場合と比べ、文字盤との距離が広がるので、より文字盤が拡大されてみえる。凸状部は裏面より飛び出してもよいが、図5のように頂部が飛び出さないようにすることもでき、好ましい。また、貫通孔は複数設けて複数の同一又は異なった宝石類を嵌め込んでもよい。
本発明の時計用カバーガラスは、特に高級腕時計のカバーグラスとして有用である。
1 窓部分
2 足部
3 凸レンズ
4 裏面
5 貫通孔へはめ込んだルビ―等
2 足部
3 凸レンズ
4 裏面
5 貫通孔へはめ込んだルビ―等
Claims (5)
- 窓部分を有する腕時計用カバーガラスで、窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっているサファイアガラス製の腕時計用カバーガラス。
- 窓部分とその周辺から下方に配設されるスカート状の足部分とからなる断面が逆凹状の腕時計用カバーガラスで、窓部分の全部又は一部が表面凸裏面凸のレンズとなっているサファイアガラス製の腕時計用カバーガラス。
- 窓部分が球冠状であり、その裏面の一部又は全部が凸状のレンズで、一部が裏面凸の場合は、その余の部分が平面であるか若しくは凹状球面である請求項1又は2のカバーガラス。
- 窓部分の一部に貫通孔を有し、該貫通孔に宝石類が嵌め込まれてなる請求項1、2又は3の腕時計用カバーガラス。
- 表面凸裏面凸のレンズが、窓部分の一部に設けられた貫通孔に嵌め込まれた宝石類よりなる請求項1、2又は3の腕時計用カバーガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013206902A JP2015072146A (ja) | 2013-10-02 | 2013-10-02 | 腕時計用カバーガラス |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family
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JP2013206902A Pending JP2015072146A (ja) | 2013-10-02 | 2013-10-02 | 腕時計用カバーガラス |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018178858A1 (fr) * | 2017-03-27 | 2018-10-04 | Fgp Capital Sa | Dispositif de lecture d'un appareil a glace ou ecran |
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2013
- 2013-10-02 JP JP2013206902A patent/JP2015072146A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150407 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151222 |