JP2015072049A - ビス固定補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッピングビスの初期ねじ込み作業が円滑に行え、タッピングビスとの弾性結合力が向上させてタッピングビスとの分離の発生を防ぐことができるビス固定補助具を提供する。
【解決手段】軸方向に長い筒状に形成された胴体aの内部に、ビスねじ込み孔5が胴体aの軸心に対して偏心するように設けられ、前記胴体aの周壁に軸方向のスリット6を設けたビス固定補助具1であって、前記ビスねじ込み孔5の横断面形状が、胴体aに対してビスねじ込み孔5の偏心側に小径側が張り出した卵形孔に形成され、同じく、前記胴体aの外周の横断面形状も、胴体aに対してビスねじ込み孔5の偏心側に小径側が張り出した卵形に形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、タッピングビスを用いて構造体に各種部材を固定する場合に使用し、構造体の下孔に挿入した状態でタッピングビスをねじ込むことで、タッピングビスの高い引き抜き強度を得ることができるようにするビス固定補助具に関する。
例えば、コンクリート、ALC(気泡コンクリート)、モルタル、石膏ボード、薄い鉄板等の構造体に、タッピングビスを用いて各種部材を固定する場合、高い引き抜き強度を得るために、構造体に設けた下孔に予め挿入しておき、これにタッピングビスをねじ込むようにする筒状のビス固定補助具が用いられている。
従来、ビスねじ込み孔にタッピングビスをねじ込んで固定状態を得る方式のビス固定補助具には、ビスねじ込み孔の条件によって二種類があり、その一つは、ねじ込んだタッピングビスで開脚部を押し広げ、下孔の内周面に開脚部を圧着させて固定強度を得る同心孔タイプと、他の一つは、偏心したビスねじ込み孔にタッピングビスをねじ込み、厚みが薄くなった部分をタッピングビスのねじ山が突き破り、これにより、タッピングビスのねじ山の一部を構造体に直接食い込ませて固定強度を得る偏心孔タイプがある。
先ず、前者の同心孔タイプのビス固定補助具は、タッピングビスのねじ山が食い込むことのできる樹脂材料を用い、内外径が同心円で内部がビスねじ込み孔となる円筒部と、この円筒部の先端に連成した円軸部を軸方向のスリットで二分した開脚部とで形成され、前記ビスねじ込み孔の先端側は開脚部に達する部分がスリットを挟んで互いに接近し、ねじ込んだタッピングビスで開脚部を押し開くためのテーパー面になっている(例えば、特許文献1参照)。
このような同心孔タイプのビス固定補助具は、構造体の下孔内に挿入した状態で円筒部のビスねじ込み孔からタッピングビスをねじ込んで行くと、タッピングビスはテーパー面の部分で開脚部を両側に押し開き、拡張した開脚部を下孔の内周面に圧着させてその中にタッピングビスをねじ込むことで固定状態を得るものである。
ところで、同心孔タイプのビス固定補助具は、下孔の内周面に対する開脚部の圧着力で固定状態を得るため、ビス固定補助具の外径に対して構造物に穿設する下孔の内径の差によって固定力に変動が生じると共に、構造物に対するタッピングビスの直接的なねじ山の食い込みがないため、固定強度が劣るという問題がある。
例えば、ビス固定補助具の外径に対して構造物にドリルで穿設する下孔は変動要素であり、この下孔の内径が規定よりも大径であると、大径になった分だけ下孔の内周面に対する圧着力が低下することになり、期待される固定強度が得られないことになる。
また、同心孔タイプのビス固定補助具は、その外径とビスねじ込み孔が下孔に対して同心状の配置となるため、タッピングビスのねじ込み時にビス固定補助具の供回りが発生しやすくなり、固定状態が得られない場合がある。
これに対して、後者の偏心孔タイプのビス固定補助具は、タッピングビスのねじ山が食い込むことのできる材料を用い、所定の長さと外径を有する筒状の胴体に形成され、この胴体を軸方向に沿って貫通するビスねじ込み孔が、前記胴体の軸心に対して偏心した構造になっている(例えば、特許文献2参照)。
上記偏心孔タイプのビス固定補助具は、下孔に挿入した胴体のビスねじ込み孔にタッピングビスをねじ込むと、前記ビスねじ込み孔が胴体に対して偏心しているので胴体の供回り発生はなく、胴体に対してタッピングビスを確実にねじ込むことができ、タッピングビスはビスねじ込み孔の偏心した肉厚の薄い部分をねじ山が突き破り、構造体に対して直接機械的に食い込むことで高い固定強度を得ることができることになる。
このように、偏心孔タイプのビス固定補助具は、胴体の外径に対して構造体に穿設する下孔が規定よりも多少大径であっても、ビスねじ込み孔が偏心していることでタッピングビスのねじ込み時における供回りの発生がなく、しかも、ねじ山を構造体に対して直接機械的に螺合させることができるので、安定した固定強度が得られるという利点がある。
特公平7−84892号公報 特許第2855059号公報
ところで、上記した偏心孔タイプのビス固定補助具において、更なる固定強度の向上や使い勝手の向上を求める要望が有り、この要望に対処するため、本発明者は鋭意研究と実験を重ねた結果、胴体及びその内部に形成されたビスねじ込み孔の横断面形状が固定強度や使い勝手に大きく関与していることを突き止めるに到った。
即ち、特許文献2で知られている偏心孔タイプのビス固定補助具は、胴体の外周及びその内部に設けられたビスねじ込み孔の横断面形状がそれぞれ円形に形成され、ビスねじ込み孔の内径は、組み合わせ使用するタッピングビスの軸部先端の外径を圧入できる程度に設定されている。
このように、胴体の外周が円形であると、構造体に穿設した下孔の内径誤差の吸収機能がなく、例えば、構造体に穿設する下孔が規定よりも多少大径であると、下孔の内径と胴体の外径の間に生じる隙間が広くなり、下孔内における胴体の回転が自由になったり傾くことになり、このため、胴体のビスねじ込み孔に対するタッピングビスの初期ねじ込み作業が行いにくいという不便がある。
また、上記偏心孔タイプのビス固定補助具は、組み合わせ使用するタッピングビスの軸部先端に延長状となるよう予め取り付けた状態で出荷することもあり、このような取り付け状態は、タッピングビスの軸部先端に手作業でビスねじ込み孔を差し込むことによって行われる。
しかし、上記した偏心孔タイプのビス固定補助具は、比較的硬質の材料を用いて形成されていると共に、ビスねじ込み孔は組み合わせ使用するタッピングビスの軸部外径を圧入できる内径の円形に設定されているため、ビスねじ込み孔におけるビス挿入側端部の弾力性に乏しく、このため、タッピングビスの軸部先端にビスねじ込み孔を差し込む作業が行いにくいと共に、前記軸部先端とビスねじ込み孔の嵌合部分の弾性結合力が低く、タッピングビスとビス固定補助具が分離してしまうことがあるという点で改善の余地がある。
そこで、この発明は、偏心孔タイプのビス固定補助具における更なる機能の向上を図るためになされたものであり、その課題とするところは、構造体に設けた下孔の内径誤差の吸収機能を具有させることにより、胴体のビスねじ込み孔に対するタッピングビスの初期ねじ込み作業が円滑に行えると共に、タッピングビスとの弾性結合力が向上させ、タッピングビスとの分離の発生を防ぐことができるビス固定補助具を提供することにある。
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、軸方向に長い筒状に形成された胴体からなり、この胴体の内部に位置するビスねじ込み孔が胴体の軸心に対して偏心し、前記胴体の周壁に軸方向に沿うスリットを設けたビス固定補助具において、前記ビスねじ込み孔の少なくともビス挿入側の横断面形状が、胴体に対してビスねじ込み孔の偏心側に小径側が張り出した卵形孔に形成され、同じく、前記胴体の外周で少なくともビス挿入側の横断面形状も、胴体に対してビスねじ込み孔の偏心側に小径側が張り出した卵形に形成されているようにしたものである。
請求項2の発明は、上記ビスねじ込み孔が、胴体の軸方向全長にわたって貫通するように設けられ、上記胴体のスリットが胴体に対してビスねじ込み孔が偏心している側の位置に設けられているようにしたものである。
ここで、胴体はタッピングビスのねじ山が食い込むことのできる材料を用い、この胴体の外周は軸方向に一定の間隔で設けた周方向の突条により凹凸面に形成され、前記胴体のビス挿入側の端部には外方に張り出す鍔が設けられ、上記スリットは、胴体の先端から軸方向に沿って基端側寄りの途中で終わるように設けられ、これにより、胴体のビス挿入側はスリットのない筒状部になり、タッピングビスとの弾性結合力を確保するようになっている。
この発明によると、偏心孔タイプのビス固定補助具において、前記ビスねじ込み孔の横断面形状及び胴体の外周をビスねじ込み孔が偏心している側に張り出した卵形に形成したので、胴部外径の張り出した部分が内外方向の弾力性を持つことで、この部分が構造体に穿設した下孔の内径誤差の吸収機能を具有することになり、下孔の内径と胴体外径との間に発生する隙間量の変動を内外方向の弾力性で吸収することができ、張り出した部分が下孔の内周面に接触することで、下孔内での胴体の回転や傾きの発生をなくし、胴体のビスねじ込み孔に対するタッピングビスの初期ねじ込み作業が円滑に行えることになる。
また、ビスねじ込み孔を偏心している側に張り出した卵形孔に形成することにより、タッピングビスの軸部先端にビスねじ込み孔を挿入するときに、ビスねじ込み孔を軸部先端の円形状に強制的に変形させることになり、この変形によって胴体の弾性結合力を向上させることができ、タッピングビスの軸部先端に胴体を取り付けたときの分離の発生を防ぐことができる。
(a)はこの発明に係るビス固定補助具の斜視図、(b)はビス固定補助具の縦断側面図、(c)は(b)の矢印c−cでの拡大した横断平面図 (a)はこの発明のビス固定補助具とタッピングビスのセット状態を示す一部切り欠き側面図、(b)は構造体の下孔に挿入したビス固定補助具にタッピングビスをねじ込み、構造体に対して各種部材を固定した状態を示す縦断側面図 タッピングビスのねじ山が構造体とビス固定補助具に食い込んでいる使用状態を示す図2(b)の矢印α−αでの拡大した横断平面図
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1と図2のように、この発明のビス固定補助具1は、タッピングビス2の軸部3に設けたねじ山4が食い込むことのできる樹脂や鉛等の材料を用い、タッピングビス2の軸部3全長に見合う程度の長さと、前記ねじ山4よりも大径となる外径を有する軸方向に長い筒状に形成された胴体aによって形成され、この胴体aの内部に位置するビスねじ込み孔5が胴体aの軸心に対して偏心し、前記胴体aの周壁に軸方向に沿うスリット6が設けられている。
上記胴体aにおいて、前記ビスねじ込み孔5の内周で少なくともビス挿入側となる基端側、もしくは、軸方向の全長にわたる横断面形状が、胴体aに対してビスねじ込み孔5が偏心している側に小径となって張り出した卵形孔に形成され、同じく、前記胴体aの外周で少なくともビス挿入側となる基端側、若しくは、軸方向の全長にわたる横断面形状も、胴体aに対してビスねじ込み孔5が偏心している側に小径となって張り出した卵形に形成されている。
ここで、胴体aの横断面形状である卵形は、図1(c)に示すように、同一水平線上にそれぞれの軸心が距離を隔てて位置する大径外径部7及びの小径外径部8と、この大径外径部7と小径外径部8の両側を互いに接続する接続部9で形成され、前記大径外径部7は半円よりも少し多く小径外径部8は半円よりも少ない断面となり、大径外径部7の外径円に対して小径外径部8が少し外部に突出した形状である。
また、ビスねじ込み孔5である卵形孔横断面形状も、これと同様に、上記大径外径部7及びの小径外径部8の軸心を結ぶ水平線上にそれぞれの軸心が距離を隔てて位置する大径内径部5a及び小径内径部5bと、この大径内径部5a及び小径内径部5bの両側を互いに接続する内側接続部5cで形成され、前記大径内径部5aは半円よりも少し多く小径内径部5bは半円よりも少ない断面となり、大径内径部5aの内径円に対して小径内径部5bが少し外部に突出した形状である。
上記胴体aにおいて、小径外径部8と小径内径部5bは、共にビスねじ込み孔5が胴体aの軸心に対して偏心する方向に位置して突出しているので、筒状となる胴体aの横断面における周囲の厚みは、ビスねじ込み孔5の偏心方向に対して反対側が最も厚く、上記接続部9と内側接続部5cの間がビスねじ込み孔5の偏心側へ徐々に薄くなり、小径外径部8と小径内径部5bの突出している部分の間が最も薄くなっている。
図示の場合、胴体aとビスねじ込み孔5の横断面形状は共にその全長が卵形に形成され、胴体aの外周面は、周方向に沿うように延びて外径が円形となる帯状の薄い突条10を軸方向に一定間隔の配置で複数形成することにより凹凸面になっていると共に、この胴体aの基端側外周に半径方向の外側に向けて張り出す鍔部11が設けられている。
上記スリット6は、胴体aに対してビスねじ込み孔5が偏心している側の位置で、胴体aの小径外径部8とビスねじ込み孔5の小径内径部5b間の胴体aの厚みが最も薄くなった部分に、胴体aの先端から軸方向に沿って基端側寄りの途中で終わるように設けられ、図1(b)のように、胴体aのビス挿入側となる基端側はスリット6のない筒状部12になり、タッピングビス2との弾性結合力を確保するようになっている。
なお、胴体aの外周とビスねじ込み孔5の横断面形状において、胴体aの全長にわたって卵形とすることができるが、胴体aのビス挿入側となる基端側のみを卵形とした場合、この卵形から胴体aの先端に到るまでの間は単純な円形に形成すればよい。
ここで、ビス固定補助具1は、組み合わせ使用するタッピングビス2と別にして現場で使用できるが、図2(a)のように、タッピングビス2の軸部先端3aにビス固定補助具1を延長状に予め取り付けたセット状態にしておくのが現場での使用に便利である。
このようなビス固定補助具1を用いるタッピングビス2は、図2(a)と(b)のように、外周にねじ山4を設けた軸部3の基端側に頭部13と先端側に軸部先端3aを設けて形成され、前記軸部先端3aは所定長さを有する無ねじの円軸状になり、ねじ山4の先端側は軸部先端3aに向けて高さが漸次低くなってなくなっており、タッピングビス2の軸部先端3aにビス固定補助具1を差し込んで軸方向に少し力を加えるだけで、ねじ山4の低い先端側がビスねじ込み孔5の挿入側内周面に食い込み、ビス固定補助具1とタッピングビス2の連結力を向上させ、上記セット状態を安定よく保持することができるようになる。
また、上記のようなビス固定補助具1とタッピングビス2のセット作業時において、胴体aの外周とビスねじ込み孔5を卵形とすることで、胴体aの周壁における一部の厚みが薄くなって変形性の余裕が生じ、円軸状となる軸部先端3aの進入を容易にすることでセット作業が円滑に行えることになると共に、胴体aの基端側をスリット6のない筒状部12とすることで、セット状態にしても前記筒状部12は自由に開くようなことはなく、軸部先端3aの嵌合弾性を確保できるので、タッピングビス2とビス固定補助具1が簡単に分離することのないようにできる。
この発明のビス固定補助具1は、上記のような構成であり、次に、このビス固定補助具1をタッピングビス2の軸部先端3aに延長状となるよう取り付けた図2(a)に示す状態での使用方法を説明する。
コンクリート等の構造体bに各種部材cを固定するに際して、必要な固定強度が得られる軸径のタッピングビス2と、このタッピングビス2の軸径に対応したビス固定補助具1と、前記ビス固定補助具1に見合う内径の下孔14を構造体bに穿孔するためのドリルを備えた穿孔用工具を用意する。
先ず、構造体bの各種部材cを固定する位置に、穿孔用工具のドリルで所定の内径と深さを有する下孔14を穿設し、その後構造体bの下孔14を設けた部分に各種部材cを重ね、各種部材cに設けた取付け孔15を下孔14に合わせる。
次に、タッピングビス2の軸部先端3aに取り付けた図2(a)の状態のビス固定補助具1を取付け孔15から下孔14に挿入し、この下孔14内に収まるビス固定補助具1のビスねじ込み孔5に対してタッピングビス2をねじ込む。
下孔14に対するビス固定補助具1の挿入時において、胴体aの外周を卵形とすることで、小径外径部8が胴体aの周壁における一部に変形性の余裕を与え、この部分が下孔14の内径の誤差に対する吸収機能を発揮し、前記下孔14が規定よりも小径であると小径外径部8が押し込まれことで下孔14への挿入を許容し、前記下孔14が規定よりも大径であると小径外径部8がそのままの状態で収まることで空隙を埋め、下孔14内での胴体aの姿勢を傾かないように保つことで、タッピングビス2のねじ込みを円滑に行えるようにする。
上記下孔14はその内部空隙が挿入したビス固定補助具で埋められてその断面形状分だけ狭くなり、ビスねじ込み孔5にタッピングビス2をねじ込むと、タッピングビス2はそのねじ山4がビス固定補助具1に対してビスねじ込み孔5の周囲に食い付くことになる。
このとき、ビス固定補助具1にはタッピングビス2のねじ込み方向への回転力が加わることになるが、ビス固定補助具1は胴体aの軸心に対してビスねじ込み孔5が偏心しており、タッピングビス2による回転力はビスねじ込み孔5を中心に加わるので、胴体aは下孔14内で回り止め状となり、これにより、ビス固定補助具1の供回り発生がないので、タッピングビス2のねじ込みが支障なく行える。
ビス固定補助具1のビスねじ込み孔5にタッピングビス2がねじ込まれると、ねじ山4がビスねじ込み孔5の周囲に食い付くことにより胴体aは押し広げられ、胴体aの筒状部12は、厚みが最も薄く強度的に弱い小径外径部8と小径内径部5b間が、ねじ山4の食い込みにより軸方向に沿ってスリット6に達するように裂け、このような押し広げにより胴体aは下孔14との間にあった空隙を埋めることになる。
タッピングビス2のねじ山4は、ビスねじ込み孔5の内周に食い込むと同時に、押し広げによって下孔14の内周面の露呈した部分に対して直接食い込むことになり、ビスねじ込み孔5が偏心していることでタッピングビス2のねじ山4は下孔14の内周面の露出した部分に対してその高さの全てが食い込み、同時に、胴体aへの食い込みによる押し広げにより、胴体aの外周面を下孔14の内周面に圧着固定させることになる。
図3のように、タッピングビス2は下孔14の内周面である構造体bに直接及び胴体aにわたってねじ山4が食い込み、高い引き抜き強度を得られることになり、これと同時に、胴体aは、軸部3と下孔14の内周面間の隙間をなくして前記内周面に圧着固定することで、構造体bに対して緩みや空転の発生がなく、タッピングビス2の引き抜き強度を向上させ、タッピングビス2の全長をねじ込むことで構造体bに各種部材cを強固に固定することができる。
上記ビス固定補助具1は、タッピングビス2のねじ込みが可能な合成樹脂や鉛、ゴムのような材料を用いて形成されているので、タッピングビス2のねじ山4を保護すると共に、例えば、ALC(気泡コンクリート)、モルタル、石膏ボード、薄い鉄板等の壊れやすいような材質の構造体bに対しても保護する機能がある。
1 ビス固定補助具
2 タッピングビス
3 軸部
3a 軸部先端
4 ねじ山
5 ビスねじ込み孔
5a 大径内径部
5b 小径内径部
5c 内側接続部
6 スリット
7 大径外径部
8 小径外径部
9 接続部
10 突条
11 鍔部
12 筒状部
13 頭部
14 下孔
15 取付け孔
a 胴体
b 構造体
c 各種部材

Claims (2)

  1. 軸方向に長い筒状に形成された胴体からなり、この胴体の内部に位置するビスねじ込み孔が胴体の軸心に対して偏心し、前記胴体の周壁に軸方向に沿うスリットを設けたビス固定補助具において、前記ビスねじ込み孔の少なくともビス挿入側の横断面形状が、胴体に対してビスねじ込み孔の偏心側に小径側が張り出した卵形孔に形成され、同じく、前記胴体の外周で少なくともビス挿入側の横断面形状も、胴体に対してビスねじ込み孔の偏心側に小径側が張り出した卵形に形成されていることを特徴とするビス固定補助具。
  2. 上記ビスねじ込み孔は、胴体の軸方向全長にわたって貫通するように設けられ、上記胴体のスリットが胴体に対してビスねじ込み孔が偏心している側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のビス固定補助具。
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