JP2015070051A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の配線基板領域の間で配線導体間のめっき厚みのばらつきの抑制が可能な多数個取り配線基板を提供する。【解決手段】四角形状の複数の配線基板領域2が配列された母基板1と、隣り合う配線基板領域2の間でそれぞれに配線基板領域2の境界を越えて設けられているとともに、境界に沿って配列されており、めっき層が被着される複数の配線導体3と、配線基板領域2の境界に沿った境界部分の一方端から他方端にかけて設けられており、隣り合う配線導体3の間で境界を越えて複数の配線導体3を順次電気的に接続している接続導体4と、配線基板領域2の境界部分の一方端と他方端との間で接続導体4と並列に接続された並列導体5とを備えており、並列導体5の電気抵抗が接続導体4の電気抵抗よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を搭載するための配線基板となる複数の配線基板領域が母基板に配列されてなり、配線基板領域に設けられた配線導体にめっき層が被着される多数個取り配線基板に関するものである。
従来、半導体素子等の電子部品搭載用等の配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなり、上面に電子部品を搭載するための搭載部を有する四角形板状の絶縁基板と、絶縁基板の搭載部から下面の外周部等にかけて設けられた外部接続用の複数の配線導体とを含んでいる。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積の母基板から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。多数個取り配線基板において、例えば、平板状の母基板に配線基板となる複数の配線基板領域が縦横の並びに配列形成されている。配線基板領域の境界に沿って母基板が分割されることによって、個片の配線基板が製作される。
配線導体の露出表面には、実装時のはんだ濡れ性等の特性向上のために、ニッケルおよび金等のめっき層が電解めっき法等によって被着される。それぞれの配線基板領域の配線導体は、隣り合う配線基板領域同士の間で境界に跨るように設けられた、めっき用の接続導体を介して互いに電気的に接続されている。接続導体は、隣り合う配線導体の間で配線基板領域の境界を交互に越えて延びる蛇行パターンであり、隣り合う配線導体同士を順次電気的に接続している。個片に分割されたときには、接続導体が配線基板領域の境界において分断されるため、配線導体同士は互いに電気的に独立する。
なお、母基板の外周部にめっき用の端子が設けられ、この端子を介して、外部の電源から接続導体にめっき用の電流が通電される。隣り合う配線基板領域の接続導体同士がそれぞれの端部においてつながり、隣り合う配線基板領域に順次めっき用の電流が供給される。
特開平11−40695号公報 特開2009−194000号公報 特開2010−182981号公報
しかしながら、上記従来技術においては、複数の配線基板領域の間で配線導体に被着されるめっき層の厚みがばらつきやすいという問題点があった。例えば、母基板に配列された複数の配線基板領域のうち配列の中央部に位置しているものは、外周部に位置しているものに比べてめっき用の端子からの距離が遠く、経由する接続導体の長さも長くなるため、電流量が低下してめっき厚みが小さくなりやすい。特に、近年、多数個取り配線基板の大型化等のため、めっき厚みのばらつきが大きくなる傾向にある。
これに対して、例えば接続導体の幅をより大きくして電気抵抗を小さくするという手段が考えられる。しかしながら、この場合には、接続導体と配線導体との距離が小さくなる
ため、接続導体と配線導体との間の電気絶縁性の低下等の不具合が誘発される可能性がある。特に、配線基板(配線基板領域)の小型化に応じて上記電気絶縁性の低下等の不具合が発生しやすくなるため、めっき厚みばらつきの低減は難しい。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板は、四角形状の複数の配線基板領域が配列された母基板と、前記複数の配線基板領域のうち隣り合う配線基板領域の間でそれぞれに該配線基板領域の境界を越えて設けられているとともに、前記境界に沿って配列されており、めっき層が被着される複数の配線導体と、前記配線基板領域の前記境界に沿った境界部分の一方端から他方端にかけて設けられており、前記複数の配線導体のうち隣り合う配線導体の間で前記境界を越えて前記複数の配線導体を順次電気的に接続している接続導体と、前記配線基板領域の前記境界部分の前記一方端と前記他方端との間で前記接続導体と並列に接続されて設けられた並列導体とを備えており、前記辺部分の前記一方端と前記他方端との間において、前記並列導体の電気抵抗が前記接続導体の電気抵抗よりも小さい。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板によれば、接続導体に比べて電気抵抗が小さい並列導体が接続導体と並列に接続されていることから、配線基板領域境界部分の一端部と他端部との間の電気抵抗が従来の多数個取り配線基板に比べて大きく低減されている。そのため、めっき用の端子から複数の配線基板領域のそれぞれの配線導体までの電気抵抗が全体的に低減され、例えば配列の中央部に位置する配線基板領域の配線導体に対しても十分なめっき用の電流が供給され得る。したがって、複数の配線基板領域の間で配線導体間のめっき厚みのばらつきの抑制が可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
本発明の実施形態の多数個取り配線基板における要部を示す上面図である。 図1に要部を示す多数個取り配線基板の全体の一例を示す上面図である。 (a)〜(c)は図1に示す多数個取り配線基板の変形例を示す分解平面図であり、(a)は最上面図、(b)は最下面図、(c)は内部の絶縁層の上面図である。
本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の多数個取り配線基板における要部を示す上面図であり、図2は図1に要部を示す多数個取り配線基板の全体の一例を示す平面図である。図1および図2において同様の部位には同様の符号を付している。
図1および図2に示す例において、多数個取り配線基板10は、四角形状の複数の配線基板領域2が配列された母基板1と、配線基板領域2に設けられた複数の配線導体3と、複数の配線導体2同士を電気的に接続している接続導体4と、接続導体と並列に接続されて設けられた並列導体5とを含んでいる。
母基板1は、酸化アルミニウム質焼結体,ガラスセラミック焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体またはムライト質焼結体等のセラミック焼結体からなる複数の絶縁層(符号なし)が積層されて形成されている。なお、図1および図2は、母基板1を形成している複数の絶縁層のうち内部に位置する絶縁層の上面を示している。この絶縁層よりも上側の絶縁層の上面(例えば母基板1の最上面)には、破線で示された範囲等において電子部品の搭載部2aが設けられている。
図1および図2に示す例において、複数の絶縁層のうち配線導体3、接続導体4および
並列導体5が設けられたものを示している。複数の絶縁層には、これらの配線導体3等の導体が設けられていないものが含まれていてもよく、配線導体3以外の導体が設けられたものが含まれていてもよい。配線導体3以外の導体としては、例えば配線導体3が設けられている絶縁層よりも下側の絶縁層の下面(例えば母基板1の最下面)に設けられた外部接続用の導体パッド(図示せず)等が挙げられる。
母基板1に配列された複数の配線基板領域2は、それぞれが個片の配線基板となる領域である。この境界に沿って分割溝6が設けられている。分割溝6が形成された部分において母基板1が分割されることにより複数の配線基板が同時集約的に製作される。
個片の配線基板が電子部品搭載用基板として使用される場合には、配線基板領域2の上面の中央部に電子部品の搭載部2aが設けられている。なお、図1および図2に示す例においては、配線導体3等が設けられた絶縁層とは異なる絶縁層に搭載部2aが設けられている。例えば、母基板1が2層の絶縁層からなり、上側の絶縁層の上面の中央部に搭載部2aが設けられ、下側の絶縁層の上面に配線導体3、接続導体4および並列導体5が設けられている。
個片の配線基板(配線基板領域2)に搭載される電子部品(図示せず)としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子、容量素子、抵抗器、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
電子部品は、例えばエポキシ系樹脂,ポリイミド系樹脂,アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂,ポリエーテルアミド系樹脂等の樹脂接着剤や、Au−Sn,Sn−Ag−Cu,Sn−Cu,Sn−Pb等のはんだや、ガラス等で搭載部2aに接合される。
配線導体3は、例えば搭載部2aに搭載される電子部品を外部電気回路に電気的に接続するための導体の一部として機能する。配線導体3は、例えば搭載部1aから母基板1の内部を通って配線導体3にかけて設けられた導体(図示せず)を介して、搭載部1aに搭載される電子部品と電気的に接続される。多数個取り配線基板が個片の配線基板に分割された後、個々の配線基板の側面に配線導体3の一部が露出し、この配線導体3の露出部分が外部接続用の端子になる。外部接続用の端子が外部電気回路にはんだ等の導電性接続材を介して電気的に接続されれば、上記導体および配線導体3を介して電子部品と外部電気回路とが電気的に接続される。
配線導体3は、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀,パラジウム,白金,金等の金属材料、またはこれらの金属材料を主成分とする合金材料等によって形成されている。
このような、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1は、例えば各絶縁層が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。
まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化ケイ素や酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の粉末を添加した原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練するとともに、ドクターブレード法やリップコータ法等の成形方法でシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。次に、タングステンやモリブデン等の金属材料の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して、金属ペーストを作製する。次に、セラミックグリーンシートを母
基板1の外形寸法に切断するとともに、配線基板領域2となる領域のそれぞれに、所定の配線導体3のパターンにスクリーン印刷法等の印刷法で金属ペーストを印刷する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、約1300〜1500℃程度の焼成温度で焼成することによって、それぞれが配線導体3を有する複数の配線基板領域2が縦横の並びに配列された母基板1を製作することができる。
また、電子部品と配線導体3との電気的な接続は、例えば、配線導体3のうち搭載部の周辺に露出している部位に電子部品の電極(図示せず)を、ボンディングワイヤやはんだ等の導電性接続材(図示せず)を介して接続することにより行なうことができる。
配線導体3は、はんだの濡れ性等の特性の向上、および酸化の抑制等のために、ニッケルめっき層および金めっき層等のめっき層が被着される。めっき層の被着は、例えば電解ニッケルめっき液等のめっき液中に多数個取り配線基板を浸漬し、この状態で配線導体3にめっき用の電流を供給することによって行なわれる。
この場合、複数の配線導体3にめっき用の電流を供給するために、隣り合う配線導体3同士が接続導体4を介して互いに電気的に接続されている。また、配線基板領域2の境界に沿って配列されている複数の配線導体3が、接続導体4によって順次接続されている。
接続導体4は、配線基板領域2の境界に沿った境界部分の長さ方向の一方端から他方端にかけて設けられており、複数の配線導体のうち互いに隣り合うもの同士の間で前記境界を越えている。この境界を挟んで互いに隣り合う配線基板領域2において、接続導体4が配線導体3同士を電気的に接続している。境界部分は、配線基板領域2の境界から配線基板領域内に一定の幅で入った部分であり、搭載部2aよりも外側に位置する部分であり、例えば図1において二点鎖線で示す仮想線と境界との間の部分である。
すなわち、隣り合う配線基板領域2の間で境界を越えている接続導体4の一部について、その一端が一方の配線基板領域2の配線導体3に接続され、その他端が他方の配線基板領域2の配線導体3に接続されている。言い換えれば、接続導体4は、隣り合う配線基板領域に跨って蛇行して延びているパターン(いわゆるスネークパターン)である。
このような接続導体4が配線基板領域2の境界部分の一方端から他方端にかけて、つまり配線基板領域2の一つの辺のほぼ全長に沿って、複数の配線導体2を順次接続しながら延びて設けられているため、複数の配線導体2に一括してめっき用の電流を供給することができる。
なお、隣り合う配線導体2同士の電気的な接続は、配線基板領域2の境界を越えて設けられた接続導体4を介して行なわれているため、多数個取り配線基板10が個片の配線基板に分割されたときには、個々の配線基板において互いに隣り合う配線導体2同士は互いに電気的に独立したものになる。つまり、隣り合う配線導体2同士の電気的な短絡が防がれている。
母基板1の外周には、配列された複数の配線基板領域2を取り囲む枠状のダミー領域7が設けられ、このダミー領域7に枠状導体8と、めっき用端子9とが設けられている。枠状導体8とめっき用端子とは、例えば直接に接続されて互いに電気的に接続されている。個々の配線基板領域2に設けられた接続導体4は、上記境界部分のそれぞれの一方端と他方端とで隣り合う配線基板領域2の接続導体4と順次接続され、さらに枠状導体8と接続されている。これにより、めっき用端子9と各配線導体3とが、枠状導体8および接続導体4を介して電気的に接続され、めっき用端子9から複数の配線導体3にまとめてめっき用の電流が供給される。
また、実施形態の多数個取り配線基板10は、配線基板領域2の境界部分の一方端から他方端にかけて、接続導体4と並列に接続されて設けられた並列導体5を有している。この並列導体5は、境界部分の一方端と他方端との間において、その電気抵抗が接続導体4の電気抵抗よりも小さい。
このような、接続導体4に比べて電気抵抗が小さい並列導体5を接続導体4と並列に接続したことから、配線基板領域2の境界部分の一方端と他方端との間の電気抵抗が従来の多数個取り配線基板に比べて大きく低減されている。そのため、めっき用端子9から複数の配線基板領域2のそれぞれの配線導体3までの電気抵抗が全体的に低減され、めっき用端子9と複数の配線導体4のそれぞれとの間の電気抵抗のばらつきも低減される。並列導体5は、複数の配線基板領域2のそれぞれとめっき用端子9との間のめっき用の電流の伝送に関して、接続導体4を補助する導電路(いわゆるバイパス)とみなすことができる。
そのため、例えば、配列の中央部に位置する配線基板領域2の配線導体3に対しても十分なめっき用の電流が供給される。したがって、複数の配線基板領域2の間で配線導体3間のめっき厚みのばらつきの抑制が可能な多数個取り配線基板10を提供することができる。
接続導体4および並列導体5は、例えば配線導体3と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。また、配線基板領域2の境界部の一方端と他方端との間における並列導体5の電気抵抗を接続導体4の電気抵抗よりも小さくするには、例えば、スネークパターンである接続導体4に対して、並列導体5を直線状のパターンとして長さを短くすればよい。並列導体5を直線状とすることにより並列導体5の電気抵抗を小さくする場合には、並列導体5の電気抵抗の低減がより容易である。また、並列導体5以外の導体層(例えば接地導体層等)(図示せず)を設けるためのスペースの確保においてもより有利である。
また、通電されるめっき用の電流が流れる方向に直交する方向における並列導体5の断面積(以下、単に断面積ともいう)を、接続導体4の断面積よりも大きくしてもよい。並列導体の断面積を大きくするには、例えば並列導体5の線幅(または厚み)を、接続導体4の線幅(または厚み)よりも大きくすればよい。
上記のパターン、線幅および厚みは、例えば並列導体5または接続導体4となる金属ペーストを印刷する際の版面、または印刷厚み等の条件の設定により、適宜所定のパターン等に調整することができる。この場合には、上記のように印刷条件等の調整だけで並列導体5の電気抵抗を低減できるため、接続導体4よりも低電気抵抗の並列導体5の形成がより容易に行なわれる。
特に、並列導体5について、その幅をより大きくすることによりその断面積をより大きくする場合には、印刷パターンの調整だけで済むため、例えば印刷厚みを調整するような場合に比べて、並列導体5の形成(並列導体5となる金属ペーストの印刷)がより容易である。また、並列導体5の厚みに起因して上下の絶縁層間の密着性が低下するような可能性もより小さい。そのため、多数個取り配線基板の生産性の向上等に対してより有利である。ただし、並列導体5の厚みの増加による電気抵抗の低下の手段は、平面視における並列導体5の占めるスペースの低減、つまりは個片の配線基板の平面視における小型化においては、より有利である。
並列導体5の電気抵抗を接続導体4の電気抵抗よりも小さく抑える手段は、上記のような手段に限らず、他の手段でも構わない。例えば、並列導体5の抵抗率を、接続導体4の
抵抗率よりも小さくするようにしてもよい。この場合には、例えば並列導体5の幅または厚みを接続導体4の幅または厚みよりも大きくすることなく、並列導体5の電気抵抗を接続導体4の電気抵抗よりも小さくすることができる。すなわち、並列導体5を設けるスペースの確保、または絶縁層同士の密着性の確保等がより容易である。
並列導体5の抵抗率を接続導体4の抵抗率よりも小さく抑えるには、並列導体5について、接続導体4を形成する金属材料より抵抗率が小さい金属材料で形成すればよい。例えば、接続導体4および並列導体5がタングステンおよび銅の混合材料からなるときに、並列導体5における銅の含有率を、接続導体4における銅の含有率よりも大きくすればよい。また、接続導体4がタングステンからなるときに、並列導体5をタングステンおよび銅からなるものとしてもよい。また、接続導体4および並列導体5にガラス粉末等の添加材を添加するときに、並列導体5に対するガラス粉末等の添加量を、接続導体4に対するガラス粉末等の添加量よりも小さくするようにしてもよい。
図3(a)〜(c)は、図1に示す多数個取り配線基板10の変形例を示す分解平面図であり、図3(a)は最上面図、図3(b)は最下面図、図3(c)は内部の絶縁層の上面図である。例えば母基板1が2層の絶縁層からなる場合には、その上側の絶縁層の上面が母基板1(多数個取り配線基板)の最上面であり、下側の絶縁層の下面が母基板1(多数個取り配線基板)の最下面である。また、下側の絶縁層の上面が内部の絶縁層の上面に相当する。なお、図3においては一つの配線基板領域2のみを示している。個片の配線基板は、例えばこの図3に示されているような形態になる。また、図3において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。
図3の例において、配線導体3、接続導体4および並列導体5は、配線基板領域2の四つの辺において境界部分に設けられている。また、これらの四つの辺において境界部分に設けられた並列導体5同士が、順次互いにつながっている。互いにつながった四つの並列導体5は、例えば一つの四角枠状の並列導体になっている。また、上下左右の四方向において互いに隣り合う配線基板領域2の並列導体5同士は、互いに端部同士が接続されている。これにより、縦横の並びに配列された、それぞれの四つの境界に沿って複数の配線導体3を有する配線基板領域2同士が順次互いに電気的に接続されている。
このような場合には、四角枠状等につながった並列導体5を介して、配線基板領域2の四つの境界に設けられた各配線導体2に対するめっき用端子9からの距離(電気抵抗)がより効果的に低減される。したがって、この場合には、縦横の並びに配列された配線基板領域2の間で、それぞれの配線基板領域2の配線導体3に被着されるめっき層の厚みのばらつきがより効果的に低減され得る。
また、隣り合う配線基板領域2の間で、接続導体4は、一方の配線基板領域2の接続導体4の端部からこの配線基板領域2の境界を越えて延びている部分である補助接続部4aを有していてもよい。この補助接続部4aは、例えば図1において、接続導体4のうち破線で囲んだ部分である。補助接続部4aは、一方の配線基板領域2の接続導体4の端部と、その一方の配線基板領域2の並列導体5の端部とを接続しているもの(4aa)を含んでいる。また、この補助接続部4aは、例えば、一方の配線基板領域2の接続導体4の端部と、他方の配線基板領域2の並列導体5の端部とを接続しているもの(4ab)を含んでいてもよい。
このような補助接続部4aを介して接続導体4と並列導体5とが端部同士において互いに接続されている場合には、一つの配線基板領域2内においては、接続導体4と並列導体5とが互いに接続されていない形態とすることが容易である。すなわち、個片の配線基板に分割されたときに、両者を接続していた補助接続部4aが切断されているため、その配
線基板内で、接続導体4と並列導体5とが互いに電気的に独立している。言い換えれば、複数の配線導体3と並列導体5とが互いに電気的に独立している。そのため、配線導体3の静電容量等の電気特性を所定の特性に制御すること等の電気特性の向上がより容易である。
補助接続部4aは、例えば接続導体4および並列導体5と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。また、補助接続部4aの厚みおよび幅(線幅)等の条件は、例えば接続導体4と同様に設定される。補助接続部4aについて、それ自体の電気抵抗の低減等のために、直線状または折れ線状等の、長さが極力短いパターンであることが好ましい。
なお、本発明の多数個取り配線基板は、上記の実施形態の例に限らず、本発明の要旨の範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、前述した搭載部等に比較的広面積の(いわゆるベタパターン状の)接地用または電源用等の導体層等を設けて、この導体層等に並列導体5が並列に接続されていてもよい。この場合には、上記の導体層等によって、配線基板領域2の境界部分の一端部と他端部との間の電気抵抗をさらに低減することができる。そのため、複数の配線導体3に被着されるめっき層の厚みばらつきが、より効果的に低減される。
また、例えば母基板1の最上面に設けられる枠状の封止用導体(図示せず)が設けられ、この封止用導体が、上記のように並列導体5と並列に接続されていてもよい。封止用導体は、例えば金属製の蓋体を母基板1(または個片の配線基板)上に搭載部2aを塞ぐようにろう付けする際の下地金属層となる部分である。封止用導体も、接続導体4および並列導体5等と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。
前述したように、実施形態の多数個取り配線基板が分割溝6に沿って分割されて、複数個の個片の配線基板が製作され、複数個の配線基板にそれぞれ電子部品が搭載されて、複数個の電子装置が製作される。電子部品の搭載は、個片に分割される前に、多数個取り配線基板の状態で行なわれてもよい。配線基板に搭載された電子部品は、例えば、配線導体3等を介して配線基板の下面に設けられた外部接続用の接続パッド11に電気的に接続され、配線導体3および接続パッド11を介して外部電気回路に電気的に接続される。配線導体4と接続パッド11との電気的な接続は、例えば絶縁基板1の内部に設けられた貫通導体等の内部導体(図示せず)を介して行なわれる。接続パッド11および内部導体も、例えば接続導体4等と同様の金属材料を用い、同様の方法で形成することができる。
1・・・母基板
2・・・配線基板領域
3・・・配線導体
4・・・接続導体
4a・・・補助接続部
5・・・並列導体
6・・・分割溝(境界)
7・・・ダミー領域
8・・・枠状導体
9・・・めっき用端子
10・・・多数個取り配線基板
11・・・接続パッド

Claims (6)

  1. 四角形状の複数の配線基板領域が配列された母基板と、
    前記複数の配線基板領域のうち隣り合う配線基板領域の間でそれぞれに該配線基板領域の境界を越えて設けられているとともに、前記境界に沿って配列されており、めっき層が被着される複数の配線導体と、
    前記配線基板領域の前記境界に沿った境界部分の一方端から他方端にかけて設けられており、前記複数の配線導体のうち隣り合う配線導体の間で前記境界を越えて前記複数の配線導体を順次電気的に接続している接続導体と、
    前記配線基板領域の前記境界部分の前記一方端と前記他方端との間で前記接続導体と並列に接続されて設けられた並列導体とを備えており、
    前記境界部分の前記一方端と前記他方端との間において、前記並列導体の電気抵抗が前記接続導体の電気抵抗よりも小さいことを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記並列導体が直線状であることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  3. 前記並列導体の長さ方向に直交する方向における断面の面積が、前記接続導体の長さ方向に直交する方向における断面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の多数個取り配線基板。
  4. 前記並列導体の線幅が、前記接続導体の線幅よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の多数個取り配線基板。
  5. 前記並列導体の抵抗率が、前記接続導体の抵抗率よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  6. 前記配線導体、前記接続導体および前記並列導体が、前記配線基板領域の四つの辺において前記境界部分に設けられており、
    前記四つの辺において前記境界部分に設けられた前記並列導体同士が、順次つながっていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多数個取り配線基板。
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