以下に添付図面を参照して、本発明に係る釣銭機の保守作業支援システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である釣銭機の保守作業支援システムの制御系を模式的に示すブロック図である。ここで例示する釣銭機の保守作業支援システムは、釣銭機10と携帯端末機器20とを備えて構成されている。
釣銭機10は、上位機器であるレジスタ装置1に接続されており、貨幣の入出金を行うためのものである。この釣銭機10は、図2に示すように、直方体状を成す装置筐体11の前端部に硬貨投入口12、硬貨出金口13、硬貨返却口14、紙幣投入口15、紙幣出金口16が設けられており、出金検出センサ12b,15bを備えている。尚、レジスタ装置1は、公知のものであるからその具体的な構成等の説明については割愛する。
硬貨投入口12は、投入された硬貨を装置筐体11の内部に受け入れるための開口であり、装置筐体11の上面に形成されている。硬貨投入口12に投入された硬貨は、投入検出センサ12aによって検出された後、硬貨収納部120の硬貨搬送機構121によって装置筐体11の内部に取り込まれる。装置筐体11に取り込まれた硬貨は、硬貨識別センサ122によって識別された後、予め収納可能に設定された金種については硬貨搬送機構121の駆動によって図示せぬ一時保留庫に一旦収容され、更にその後、硬貨搬送機構121の駆動によって金種に応じた図示せぬ硬貨収納庫に収納されることになる。
硬貨出金口13は、それぞれの硬貨収納庫から搬出された硬貨を装置筐体11の外部に払い出すための開口であり、装置筐体11の前面に形成されている。硬貨識別センサ122において正規の硬貨でないと判断されたリジェクト硬貨、更には予め収納不可と設定された金種の硬貨についても、硬貨出金口13を介して払い出されることになる。
硬貨返却口14は、硬貨が一時保留庫に保留されている状態において返却指令が与えられた場合に硬貨を払い出すためのものである。
紙幣投入口15は、投入された紙幣を装置筐体11の内部に受け入れるための開口であり、装置筐体11の前面上部に設けられている。紙幣投入口15に投入された紙幣は、投入検出センサ15aによって検出された後、紙幣収納部130の紙幣搬送機構131によって搬送される。搬送された紙幣は、紙幣識別センサ132によって識別された後、予め収納可能に設定された金種については図示せぬ紙幣保留庫を経由して金種に応じた紙幣収納庫(図示せず)に収納されることになる。紙幣搬送機構131によって搬送される以前の紙幣は、紙幣投入口15に投入した場合にも、その一部が外部に露出された状態となる。
紙幣出金口16は、紙幣収納庫から搬出された紙幣を装置筐体11の外部に払い出すための開口であり、装置筐体11の前面下部に設けられている。紙幣識別センサ132において正規の紙幣でないと判断されたリジェクト紙幣、更には予め収納不可と設定された金種の紙幣についても、紙幣出金口16に払い出されることになる。紙幣出金口16に払い出された紙幣は、その一部が外部に露出した状態となり、露出した部分を把持すれば、装置筐体11の外部に引き出すことが可能である。
出金検出センサ12bは、硬貨出金口13における硬貨の存否を検出するものであり、硬貨収納庫から払い出された貨幣の額を検出する出金検出手段を構成するものである。
出金検出センサ15bは、紙幣出金口16における紙幣の存否を検出するものであり、紙幣収納庫から払い出された貨幣の額を検出する出金検出手段を構成するものである。
また、装置筐体11の前方部には、表示部17及び入力手段18が設けられている。表示部17は、操作者に対して各種表示を行うためのものである。表示部17は、LED表示器17aとLCD表示器17bとを備えている。LED表示器17aは、9桁の英数字表示が可能なものであり、所定の操作を必要とするエラー状態になった場合にエラー情報(エラーコード)等を表示するものである。LCD表示器17bは、入出金に関する履歴情報の集合体であるログ情報及びその他の必要な情報を表示するためのものである。入力手段18は、操作者が各種指令を入力するためのもので、例えば複数の押ボタンスイッチによって構成されている。
釣銭機10の釣銭制御部100は、入力手段18を通じて指令が与えられた場合、あるいは投入検出センサ12a,15a、硬貨識別センサ122、紙幣識別センサ132から検出信号が与えられた場合、更には上位機器であるレジスタ装置1のレジスタ制御部2から通信インターフェース101を介して各種指令が与えられた場合、図示せぬメモリに記憶されたプログラムや初期データに基づいて表示部17の表示制御、硬貨搬送機構121の駆動制御、紙幣搬送機構131の駆動制御を行うものである。
携帯端末機器20は、例えばスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末のようなものであり、図3−1及び図3−2にも示すように、撮像部(撮像手段)21、端末表示部(表示手段)22、通信手段25を備えている。撮像部21は、レンズ21a及び撮像センサ21bを備えている。レンズ21aは、携帯端末機器20の端末機器本体20aの裏面に設けられている。撮像センサ21bは、レンズ21aを介して得られた被写体の映像光を電気信号に変換するためのものである。このように撮像部21は、対象物の画像情報を取得するものである。
端末表示部22は、端末機器本体20aの表面に設けられており、種々の情報を表示するためのものである。この端末表示部22は、表示機能だけでなく、タッチパネル画面として操作入力手段としての機能を有している。尚、図3−1中の符号23は、電源スイッチ等を内蔵するボタンである。通信手段25は、外部機器との間で所定の規格に従って無線通信を行うためのものである。
携帯端末機器20の端末制御部(制御手段)200は、端末メモリ(記憶手段)24に記憶されたプログラムやデータに基づいて種々の制御を行うもので、入力制御部210、出力制御部211、エラー情報判定部212、解除操作算出部213、履歴情報作成部214、間隔算出部215、予防報知判定部216を有している。
ここで、端末メモリ24としては、種々の情報が予め記憶されており、本実施の形態1では、エラー解除情報及び基準日数情報等が記憶されている。エラー解除情報は、エラー情報に対応して複数記憶されている。各エラー解除情報は、エラー状態を解除して正常状態へ復帰するためのエラー解除操作を手順毎に示した図面等のイメージ情報や文言情報により構成されている。基準日数情報は、後述する予防報知処理を行う際に用いられる基準日数を含むものである。この基準日数は、予防報知を行うか否かの判断を行う際の閾値となる。また、端末メモリ24には、保守作業を支援するための専用のアプリケーションソフトが記憶されている。
入力制御部210は、端末表示部22が操作された場合、あるいは外部機器から何らかの指令が与えられた場合、これらに対応する指令を各部に与えるものである。
出力制御部211は、表示指令を与えることによって端末表示部22に所望の表示を行う等、端末表示部22に対する表示制御を行うものである。
エラー情報判定部212は、後述するエラー解除処理において、撮像部21を通じて取得されて入力制御部210を通じて入力されたエラー情報の種類を判定するものである。
解除操作算出部213は、エラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類と、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報とから該当するエラー解除情報を算出処理するものである。
履歴情報作成部214は、後述する履歴情報作成処理において、履歴情報を作成してこれを端末メモリ24に記憶させるものである。間隔算出部215は、後述する予防報知処理において、履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出するためのものである。予防報知判定部216は、間隔算出部215で算出された間隔と、端末メモリ24に記憶される基準日数とを比較して、該当する保守作業の予防報知を行うか否かを判定するものである。
以上のような構成を有する本発明の実施の形態1である釣銭機の保守作業支援システムにおいては、釣銭機10において所定の操作を必要とするエラー状態になった場合、釣銭機10の釣銭制御部100がエラー情報を表示部17(LED表示器17a)に表示させる。
このように表示部17にエラー情報が表示されることで、これを視認した操作者は何らかの不具合が発生していることを認識することができる。かかる操作者が上記携帯端末機器20の専用のアプリケーションソフトを起動させると、端末制御部200は、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー情報を撮像する旨の表示をし、後述するエラー解除処理を行う。
図4は、上述した端末制御部が実施するエラー解除処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除処理において端末制御部200は、エラー情報取得待ちとなる(ステップS110)。そして、撮像部21を通じて撮像されたエラー情報が入力制御部210を通じて入力されることでエラー情報が取得された場合(ステップS110:Yes)、端末制御部200は、エラー情報判定部212を通じて取得されたエラー情報の種類を判定する(ステップS120)。
このようにしてエラー情報の種類の判定が行われると、端末制御部200は、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報を読み出し、解除操作算出部213を通じて、かかるエラー解除情報とエラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類とから該当するエラー解除情報を算出する(ステップS130)。エラー解除情報を算出した端末制御部200は、エラー解除操作表示処理を実施する(ステップS140)。
図5は、図4に示したエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除操作表示処理において端末制御部200は、所定時間が経過するまで出力制御部211を通じてエラー解除情報におけるエラー解除操作の最初の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を端末表示部22に表示させる(ステップS141,ステップS142:No)。
次に、端末制御部200は、所定時間が経過するまで出力制御部211を通じてエラー解除情報におけるエラー解除操作の次の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を端末表示部22に表示させる(ステップS142:Yes,ステップS143,ステップS144:No)。
このようにして端末制御部200は、当該エラー解除操作の最後の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を表示するまでステップS143及びステップS144の処理を繰り返す(ステップS145:No)。
そして、最後の手順の情報を表示した場合(ステップS145:Yes)、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー解除操作が終了した旨を表示させる(ステップS146)。
そして、端末制御部200は、エラー解除操作の行われた日時を内蔵する時計機能を用いて算出し、これを端末メモリ24に記憶させることで(ステップS147)、手順をリターンさせて今回のエラー解除操作表示処理を終了する。
このようにしてエラー解除操作表示処理を実施した後、端末制御部200は、履歴情報作成処理を実施する(ステップS150)。
図6は、図4に示した履歴情報作成処理の処理内容を示すフローチャートである。この履歴情報作成処理において端末制御部200は、出力制御部211を通じて端末表示部22に当該釣銭機10の識別情報の取得を促す表示を行って、識別情報取得待ちとなる(ステップS151,ステップS152)。ここで識別情報としては、釣銭機10の識別するための固有の情報であり、機番メイハンの文字列やバーコード等が該当する。
そして、撮像部21を通じて撮像された識別情報が入力制御部210を通じて入力されることで識別情報が取得された場合(ステップS152:Yes)、端末制御部200は、履歴情報作成部214を通じて、取得した識別情報と上記ステップS147で記憶させたエラー解除操作の行われた日時に関する情報とを関連付けて履歴情報を作成し(ステップS153)、端末メモリ24に履歴情報を記憶させて(ステップS154)、手順をリターンさせて今回の履歴情報作成処理を終了する。
このようにして履歴情報作成処理が実施した後、端末制御部200は、手順をリターンさせて今回のエラー解除処理を終了する。
また、端末制御部200は、上記エラー解除処理とは別個に、所定のタイムスケジュールにて予防報知処理を実施する。
図7は、端末制御部が実施する予防報知処理の処理内容を示すフローチャートである。この予防報知処理において端末制御部200は、端末メモリ24より該当する釣銭機10の履歴情報を読み出し(ステップS161)、間隔算出部215を通じて該履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出する(ステップS162)。
このようにして所定の釣銭機10のエラー解除操作を行った日時の間隔を算出した端末制御部200は、予防報知判定部216を通じて端末メモリ24より基準日数を読み出して、算出した間隔が基準日数を下回るか否かを判定する(ステップS163)。
算出した間隔が基準日数を下回ると判定した場合(ステップS163:Yes)、端末制御部200は、出力制御部211を通じて当該釣銭機10に対して該当する保守作業を行うことを促す旨を端末表示部22に表示させることで予防報知を行い(ステップS164)、その後に手順をリターンさせて、今回の予防報知処理を終了する。
その一方、算出した間隔が基準日数以上と判定した場合(ステップS163:No)、端末制御部200は、上述したステップS164の処理を実施することなく、手順をリターンさせて今回の予防報知処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態1である釣銭機の保守作業支援システムによれば、携帯端末機器20の端末制御部200が、アプリケーションソフトが起動された状態で撮像部21を通じて表示部17に表示されたエラー情報を取得した場合、端末メモリ24に記憶されたエラー情報に対応するエラー解除情報を端末表示部22に順次表示させるので、操作者は、マニュアル本等を用いることなく、端末表示部22に順次表示されるエラー解除情報の各操作手順に従えばよい。しかも、携帯端末機器20は専用のアプリケーションソフトが記憶されていれば、既に市場に出回っているものを用いることができ、従来のように一つの釣銭機に対して専用の表示部や専用のプログラムの開発を必要としない。そのため、複数の釣銭機10に対して一つの携帯端末機器20を適用することができる。従って、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、製造コストや開発コスト等のコストの増大化を招来せずに、エラー解除の操作を容易なものとすることができる。
上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように携帯端末機器20に専用のアプリケーションソフトを記憶させることにより実現できるため、既に市場に出回っている釣銭機10に対しても適用することができ、十分に高い汎用性を有するものとすることができる。
また、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように複数の釣銭機10に対して一つの携帯端末機器20を適用することができることで、一つの釣銭機に対して一つの専用の表示部を必要とする場合に比べて消費電力量の低減化を図ることができる。
更に、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、端末メモリ24に記憶させた履歴情報において直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔が基準日数を下回る場合、端末表示部22に該当する釣銭機10の保守作業を行う旨を表示させる予防報知を行うので、頻繁にエラー情報が表示される釣銭機10に対しては、エラー情報が表示される前に保守作業を行うことができ、不具合の発生を未然に防止することができる。
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2である釣銭機の保守作業支援システムの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、上述した実施の形態1の釣銭機の保守作業支援システムと同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
ここで例示する釣銭機の保守作業支援システムは、釣銭機10と携帯端末機器20′とを備えて構成されている。
携帯端末機器20′は、例えばスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末のようなものであり、撮像部(撮像手段)21、端末表示部(表示手段)22、通信手段25、端末制御部(制御手段)201を備えている。
端末制御部201は、端末メモリ(記憶手段)24に記憶されたプログラムやデータに基づいて種々の制御を行うもので、入力制御部210、出力制御部211、エラー情報判定部212、解除操作算出部213、画像判定部217、履歴情報作成部214、間隔算出部215、予防報知判定部216を有している。
ここで、端末メモリ24としては、種々の情報が予め記憶されており、本実施の形態2では、エラー解除情報、辞書画像情報及び基準日数情報等が記憶されている。エラー解除情報は、エラー情報に対応して複数記憶されている。各エラー解除情報は、エラー状態を解除して正常状態へ復帰するためのエラー解除操作を手順毎に示した文言情報により構成されている。辞書画像情報は、エラー解除操作の各手順において操作者が目にする釣銭機10の状態の特徴部分を抽出して構成された辞書画像に関するものであり、各辞書画像はエラー解除操作の手順に関連付けられている。基準日数情報は、後述する予防報知処理を行う際に用いられる基準日数を含むものである。この基準日数は、予防報知を行うか否かの判断を行う際の閾値となる。また、端末メモリ24には、保守作業を支援するための専用のアプリケーションソフトが記憶されている。
入力制御部210は、端末表示部22が操作された場合、あるいは外部機器から何らかの指令が与えられた場合、これらに対応する指令を各部に与えるものである。
出力制御部211は、表示指令を与えることによって端末表示部22に所望の表示を行う等、端末表示部22に対する表示制御を行うものである。
エラー情報判定部212は、後述するエラー解除処理において、撮像部21を通じて取得されて入力制御部210を通じて入力されたエラー情報の種類を判定するものである。
解除操作算出部213は、エラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類と、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報とから、該当するエラー解除情報を算出処理するものである。
画像判定部217は、端末メモリ24から読み出された辞書画像情報と、撮像部21を通じて取得された釣銭機10の画像とが一致するか否かを判定するものである。
履歴情報作成部214は、後述する履歴情報作成処理において、履歴情報を作成してこれを端末メモリ24に記憶させるものである。間隔算出部215は、後述する予防報知処理において、履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出するためのものである。予防報知判定部216は、間隔算出部215で算出された間隔と、端末メモリ24に記憶される基準日数とを比較して、該当する保守作業の予防報知を行うか否かを判定するものである。
以上のような構成を有する本発明の実施の形態2である釣銭機の保守作業支援システムにおいては、釣銭機10において所定の操作を必要とするエラー状態になった場合、釣銭機10の釣銭制御部100がエラー情報を表示部17(LED表示器17a)に表示させる。
このように表示部17にエラー情報が表示されることで、これを視認した操作者は何らかの不具合が発生していることを認識することができる。かかる操作者が上記携帯端末機器20′の専用のアプリケーションソフトを起動させると、端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー情報を撮像する旨の表示をし、後述するエラー解除処理を行う。
図9は、上述した端末制御部が実施するエラー解除処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除処理において端末制御部201は、エラー情報取得待ちとなる(ステップS210)。そして、撮像部21を通じて撮像されたエラー情報が入力制御部210を通じて入力されることでエラー情報が取得された場合(ステップS210:Yes)、端末制御部201は、エラー情報判定部212を通じて取得されたエラー情報の種類を判定する(ステップS220)。
このようにしてエラー情報の種類の判定が行われると、端末制御部201は、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報を読み出し、解除操作算出部213を通じて、かかるエラー解除情報とエラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類とから該当するエラー解除情報を算出する(ステップS230)。エラー解除情報を算出した端末制御部201は、エラー解除操作表示処理を実施する(ステップS240)。
図10は、図9に示したエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除操作表示処理において端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22に釣銭機10を正面から撮像する旨を表示し(ステップS241)、釣銭機10の撮像画像の取得待ちとなる(ステップS242)。
そして、撮像部21を通じて撮像された釣銭機10の撮像画像が入力制御部210を通じて入力されることで撮像画像情報が取得された場合(ステップS242:Yes)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22にいわゆるライブビューとして撮像画像を表示させる(ステップS243)。
このように撮像画像を表示させた端末制御部201は、画像判定部217を通じてエラー解除操作の最初の手順に関連付けられた辞書画像情報を端末メモリ24から読み出し、撮像部21を通じて取得された撮像画像と辞書画像情報とが一致するか否かを判定する(ステップS244,ステップS245)。
撮像画像と辞書画像情報とが一致する場合(ステップS245:Yes)、端末制御部201は、図11−1に示すように、当該辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の最初の手順の情報(文言情報)を、出力制御部211を通じて端末表示部22に合成表示させる(ステップS246)。このようにエラー解除操作における手順の情報を端末表示部22に合成表示させる際には、端末制御部201は、辞書画像情報に対する撮像画像の縮尺率を演算し、辞書画像情報の該当部位(ここでは鍵)40の座標に対応する撮像画像の部位を破線の丸で囲むようにしている。
尚、上記ステップS245において撮像画像と辞書画像情報とが一致しない場合には(ステップS245:No)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて再度釣銭機10を正面から撮像する旨を端末表示部22に表示させてステップS245の処理を繰り返す。
上記ステップS246の表示に伴い、操作者がエラー解除操作の手順を実施すると、ステップS245の処理で一致していた撮像画像と辞書画像情報とが不一致となる。そのため、端末制御部201は、画像判定部217を通じて撮像画像と辞書画像情報とが不一致となるか否かを判定する(ステップS247)。
撮像画像と辞書画像情報とが不一致となる場合(ステップS247:Yes)、端末制御部201は、画像判定部217を通じてエラー解除操作の次の手順に関連付けられた辞書画像情報を端末メモリ24から読み出し、撮像部21を通じて継続して取得された撮像画像と辞書画像情報とが一致するか否かを判定する(ステップS248,ステップS249)。
撮像画像と辞書画像情報とが一致する場合(ステップS249:Yes)、端末制御部201は、図11−2に示すように、当該辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の次の手順の情報(文言情報)を、出力制御部211を通じて端末表示部22に合成表示させる(ステップS250)。このようにエラー解除操作における手順の情報を端末表示部22に合成表示させる際には、端末制御部201は、辞書画像情報に対する撮像画像の縮尺率を演算し、辞書画像情報の該当部位(ここでは取っ手)41の座標に対応する撮像画像の部位を破線の丸で囲むようにしている。
このようにして端末制御部201は、当該エラー解除操作の最後の手順の情報(文言情報)を表示するまでステップS247〜ステップS250の処理を繰り返す(ステップS251:No)。
つまり、図11−2に示すように端末表示部22に合成表示させた後に撮像画像と辞書画像情報とが不一致となる場合、端末制御部201は、画像判定部217を通じてエラー解除操作の次の手順に関連付けられた辞書画像情報を端末メモリ24から読み出し、撮像部21を通じて継続して取得された撮像画像と辞書画像情報とが一致するか否かを判定する。
撮像画像と辞書画像情報とが一致する場合、端末制御部201は、図11−3に示すように、当該辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の次の手順の情報(文言情報)を、出力制御部211を通じて端末表示部22に合成表示させ、これを最後の手順の情報を表示するまで繰り返すことで、操作者によるエラー解除操作の進捗状況に応じてエラー解除操作の手順を順次表示させることができる。
そして、最後の手順の情報を表示した場合(ステップS251:Yes)、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー解除操作が終了した旨を表示させる(ステップS252)。
そして、端末制御部201は、エラー解除操作の行われた日時を内蔵する時計機能を用いて算出し、これを端末メモリ24に記憶させることで(ステップS253)、手順をリターンさせて今回のエラー解除操作表示処理を終了する。
このようにしてエラー解除操作表示処理を実施した後、端末制御部201は、履歴情報作成処理を実施する(ステップS260)。
図12は、図9に示した履歴情報作成処理の処理内容を示すフローチャートである。この履歴情報作成処理において端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22に当該釣銭機10の識別情報の取得を促す表示を行って、識別情報取得待ちとなる(ステップS261,ステップS262)。ここで識別情報としては、釣銭機10の識別するための固有の情報であり、機番メイハンの文字列やバーコード等が該当する。
そして、撮像部21を通じて撮像された識別情報が入力制御部210を通じて入力されることで識別情報が取得された場合(ステップS262:Yes)、端末制御部201は、履歴情報作成部214を通じて、取得した識別情報と上記ステップS253で記憶させたエラー解除操作の行われた日時に関する情報とを関連付けて履歴情報を作成し(ステップS263)、端末メモリ24に履歴情報を記憶させて(ステップS264)、手順をリターンさせて今回の履歴情報作成処理を終了する。
このようにして履歴情報作成処理が実施した後、端末制御部201は、手順をリターンさせて今回のエラー解除処理を終了する。
また、端末制御部201は、上記エラー解除処理とは別個に、所定のタイムスケジュールにて予防報知処理を実施する。
図13は、端末制御部が実施する予防報知処理の処理内容を示すフローチャートである。この予防報知処理において端末制御部201は、端末メモリ24より該当する釣銭機10の履歴情報を読み出し(ステップS271)、間隔算出部215を通じて該履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出する(ステップS272)。
算出した間隔が基準日数を下回ると判定した場合(ステップS273:Yes)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて当該釣銭機10に対して該当する保守作業を行うことを促す旨を端末表示部22に表示させて予防報知を行い(ステップS274)、その後に手順をリターンさせて、今回の予防報知処理を終了する。
その一方、算出した間隔が基準日数以上と判定した場合(ステップS273:No)、端末制御部201は、上述したステップS274の処理を実施することなく、手順をリターンさせて今回の予防報知処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態2である釣銭機の保守作業支援システムによれば、携帯端末機器20′の端末制御部201が、アプリケーションソフトが起動された状態で撮像部21を通じて表示部17に表示されたエラー情報を取得した場合、撮像部21によりその後に継続して取得される釣銭機10の撮像画像情報と、該釣銭機10の撮像画像情報に一致する辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の手順に関する情報とを合成して端末表示部22に表示させることで、操作者によるエラー解除操作の進捗状況に応じてエラー解除操作の手順を順次表示させるので、操作者は、マニュアル本等を用いることなく、端末表示部22に順次表示されるエラー解除情報の各操作手順に従えばよい。しかも、携帯端末機器20′は専用のアプリケーションソフトが記憶されていれば、既に市場に出回っているものを用いることができ、従来のように一つの釣銭機に対して専用の表示部や専用のプログラムの開発を必要としない。そのため、複数の釣銭機10に対して一つの携帯端末機器20′を適用することができる。従って、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、製造コストや開発コスト等のコストの増大化を招来せずに、エラー解除の操作を容易なものとすることができる。
上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように携帯端末機器20′に専用のアプリケーションソフトを記憶させることにより実現できるため、既に市場に出回っている釣銭機10に対しても適用することができ、十分に高い汎用性を有するものとすることができる。
また、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように複数の釣銭機10に対して一つの携帯端末機器20′を適用することができることで、一つの釣銭機に対して一つの専用の表示部を必要とする場合に比べて消費電力量の低減化を図ることができる。
更に、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、端末メモリ24に記憶させた履歴情報において直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔が基準日数を下回る場合、端末表示部22に該当する釣銭機10の保守作業を行う旨を表示させる予防報知を行うので、頻繁にエラー情報が表示される釣銭機10に対しては、エラー情報が表示される前に保守作業を行うことができ、不具合の発生を未然に防止することができる。
<実施の形態3>
図14は、本発明の実施の形態3である釣銭機の保守作業支援システムの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、上述した実施の形態1の釣銭機の保守作業支援システムと同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
ここで例示する釣銭機の保守作業支援システムは、釣銭機10′と携帯端末機器20とを備えて構成されている。
釣銭機10′は、上位機器であるレジスタ装置1に接続されており、貨幣の入出金を行うためのものである。この釣銭機10′は、上述した実施の形態1である釣銭機10に対して通信部19を有する点が異なり、その他の構成要素は同じである。かかる通信部19は、外部機器との間で所定の規格に従って無線通信を行うためのものである。
以上のような構成を有する本発明の実施の形態3である釣銭機の保守作業支援システムにおいては、釣銭機10′において所定の操作を必要とするエラー状態になった場合、釣銭機10′の釣銭制御部100がエラー情報を表示部17(LED表示器17a)に表示させるとともに、通信部19を通じてエラー情報を送出する。
このように表示部17にエラー情報が表示されることで、これを視認した操作者は何らかの不具合が発生していることを認識することができる。かかる操作者が上記携帯端末機器20の専用のアプリケーションソフトを起動させると、通信手段25が通信部19と相互認証を行って互いに通信可能な状態となり、端末制御部200は後述するエラー解除処理を行う。
図15は、上述した端末制御部が実施するエラー解除処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除処理において端末制御部200は、エラー情報取得待ちとなる(ステップS310)。そして、通信部19より送出されたエラー情報が通信手段25を介して入力制御部210を通じて入力されることでエラー情報が取得された場合(ステップS310:Yes)、端末制御部200は、エラー情報判定部212を通じて取得されたエラー情報の種類を判定する(ステップS320)。
このようにしてエラー情報の種類の判定が行われると、端末制御部200は、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報を読み出し、解除操作算出部213を通じて、かかるエラー解除情報とエラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類とから該当するエラー解除情報を算出する(ステップS330)。エラー解除情報を算出した端末制御部200は、エラー解除操作表示処理を実施する(ステップS340)。
図16は、図15に示したエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除操作表示処理において端末制御部200は、所定時間が経過するまで出力制御部211を通じてエラー解除情報におけるエラー解除操作の最初の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を端末表示部22に表示させる(ステップS341,ステップS342:No)。
次に、端末制御部200は、所定時間が経過するまで出力制御部211を通じてエラー解除情報におけるエラー解除操作の次の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を端末表示部22に表示させる(ステップS342:Yes,ステップS343,ステップS344:No)。
このようにして端末制御部200は、当該エラー解除操作の最後の手順の情報(イメージ情報及び文言情報)を表示するまでステップS343及びステップS344の処理を繰り返す(ステップS345:No)。
そして、最後の手順の情報を表示した場合(ステップS345:Yes)、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー解除操作が終了した旨を表示させる(ステップS346)。
そして、端末制御部200は、エラー解除操作の行われた日時を内蔵する時計機能を用いて算出し、これを端末メモリ24に記憶させることで(ステップS347)、手順をリターンさせて今回のエラー解除操作表示処理を終了する。
このようにしてエラー解除操作表示処理を実施した後、端末制御部200は、履歴情報作成処理を実施する(ステップS350)。
図17は、図15に示した履歴情報作成処理の処理内容を示すフローチャートである。この履歴情報作成処理において端末制御部200は、通信手段25が通信部19と相互認証を行って互いに通信可能な状態となり、識別情報取得待ちとなる(ステップS351)。ここで識別情報としては、釣銭機10′の識別するための固有の情報であり、機番メイハンの文字列やバーコード等が該当する。
そして、通信手段25を通じて受信した識別情報が入力制御部210を通じて入力されることで識別情報が取得された場合(ステップS351:Yes)、端末制御部200は、履歴情報作成部214を通じて、取得した識別情報と上記ステップS347で記憶させたエラー解除操作の行われた日時に関する情報とを関連付けて履歴情報を作成し(ステップS352)、端末メモリ24に履歴情報を記憶させて(ステップS353)、手順をリターンさせて今回の履歴情報作成処理を終了する。
このようにして履歴情報作成処理が実施した後、端末制御部200は、手順をリターンさせて今回のエラー解除処理を終了する。
また、端末制御部200は、上記エラー解除処理とは別個に、所定のタイムスケジュールにて予防報知処理を実施する。
図18は、端末制御部が実施する予防報知処理の処理内容を示すフローチャートである。この予防報知処理において端末制御部200は、端末メモリ24より該当する釣銭機10′の履歴情報を読み出し(ステップS361)、間隔算出部215を通じて該履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出する(ステップS362)。
このようにして所定の釣銭機10′のエラー解除操作を行った日時の間隔を算出した端末制御部200は、予防報知判定部216を通じて端末メモリ24より基準日数を読み出して、算出した間隔が基準日数を下回るか否かを判定する(ステップS363)。
算出した間隔が基準日数を下回ると判定した場合(ステップS363:Yes)、端末制御部200は、出力制御部211を通じて当該釣銭機10′に対して該当する保守作業を行うことを促す旨を端末表示部22に表示させて予防報知を行い(ステップS364)、その後に手順をリターンさせて、今回の予防報知処理を終了する。
その一方、算出した間隔が基準日数以上と判定した場合(ステップS363:No)、端末制御部200は、上述したステップS364の処理を実施することなく、手順をリターンさせて今回の予防報知処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態3である釣銭機の保守作業支援システムによれば、携帯端末機器20の端末制御部200が、アプリケーションソフトが起動された状態で通信手段25を介して通信部19より送出されたエラー情報を取得した場合、端末メモリ24に記憶されたエラー情報に対応するエラー解除情報を端末表示部22に順次表示させるので、操作者は、マニュアル本等を用いることなく、端末表示部22に順次表示されるエラー解除情報の各操作手順に従えばよい。しかも、携帯端末機器20は専用のアプリケーションソフトが記憶されていれば、既に市場に出回っているものを用いることができ、従来のように一つの釣銭機に対して専用の表示部や専用のプログラムの開発を必要としない。そのため、複数の釣銭機10′に対して一つの携帯端末機器20を適用することができる。従って、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、製造コストや開発コスト等のコストの増大化を招来せずに、エラー解除の操作を容易なものとすることができる。
上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように携帯端末機器20に専用のアプリケーションソフトを記憶させることにより実現できるため、既に市場に出回っている釣銭機10′に対しても適用することができ、十分に高い汎用性を有するものとすることができる。
また、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように複数の釣銭機10′に対して一つの携帯端末機器20を適用することができることで、一つの釣銭機に対して一つの専用の表示部を必要とする場合に比べて消費電力量の低減化を図ることができる。
更に、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、端末メモリ24に記憶させた履歴情報において直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔が基準日数を下回る場合、端末表示部22に該当する釣銭機10′の保守作業を行う旨を表示させる予防報知を行うので、頻繁にエラー情報が表示される釣銭機10′に対しては、エラー情報が表示される前に保守作業を行うことができ、不具合の発生を未然に防止することができる。
<実施の形態4>
図19は、本発明の実施の形態4である釣銭機の保守作業支援システムの制御系を模式的に示すブロック図である。尚、上述した実施の形態1〜3の釣銭機の保守作業支援システムと同様の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
ここで例示する釣銭機の保守作業支援システムは、釣銭機10′と携帯端末機器20′とを備えて構成されている。
かかる釣銭機の保守作業支援システムにおいては、釣銭機10′において所定の操作を必要とするエラー状態になった場合、釣銭機10′の釣銭制御部100がエラー情報を表示部17(LED表示器17a)に表示させるとともに、通信部19を通じてエラー情報を送出する。
このように表示部17にエラー情報が表示されることで、これを視認した操作者は何らかの不具合が発生していることを認識することができる。かかる操作者が上記携帯端末機器20′の専用のアプリケーションソフトを起動させると、通信手段25が通信部19と相互認証を行って互いに通信可能な状態となり、端末制御部201は後述するエラー解除処理を行う。
図20は、上述した端末制御部が実施するエラー解除処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除処理において端末制御部201は、エラー情報取得待ちとなる(ステップS410)。そして、通信部19より送出されたエラー情報が通信手段25を介して入力制御部210を通じて入力されることでエラー情報が取得された場合(ステップS410:Yes)、端末制御部201は、エラー情報判定部212を通じて取得されたエラー情報の種類を判定する(ステップS420)。
このようにしてエラー情報の種類の判定が行われると、端末制御部201は、端末メモリ24に記憶されるエラー解除情報を読み出し、解除操作算出部213を通じて、かかるエラー解除情報とエラー情報判定部212を通じて判定されたエラー情報の種類とから該当するエラー解除情報を算出する(ステップS430)。エラー解除情報を算出した端末制御部201は、エラー解除操作表示処理を実施する(ステップS440)。
図21は、図20に示したエラー解除操作表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
このエラー解除操作表示処理において端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22に釣銭機10′を正面から撮像する旨を表示し(ステップS441)、釣銭機10′の撮像画像の取得待ちとなる(ステップS442)。
そして、撮像部21を通じて撮像された釣銭機10′の撮像画像が入力制御部210を通じて入力されることで撮像画像情報が取得された場合(ステップS442:Yes)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて端末表示部22にいわゆるライブビューとして撮像画像を表示させる(ステップS443)。
このように撮像画像を表示させた端末制御部201は、画像判定部217を通じてエラー解除操作の最初の手順に関連付けられた辞書画像情報を端末メモリ24から読み出し、撮像部21を通じて取得された撮像画像と辞書画像情報とが一致するか否かを判定する(ステップS444,ステップS445)。
撮像画像と辞書画像情報とが一致する場合(ステップS445:Yes)、端末制御部201は、当該辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の最初の手順の情報(文言情報)を、出力制御部211を通じて端末表示部22に合成表示させる(ステップS446)。このようにエラー解除操作における手順の情報を端末表示部22に合成表示させる際には、端末制御部201は、辞書画像情報に対する撮像画像の縮尺率を演算し、辞書画像情報の該当部位の座標に対応する撮像画像の部位を破線の丸で囲むようにしている。
尚、上記ステップS445において撮像画像と辞書画像情報とが一致しない場合には(ステップS445:No)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて再度釣銭機10′を正面から撮像する旨を端末表示部22に表示させてステップS445の処理を繰り返す。
上記ステップS446の表示に伴い、操作者がエラー解除操作の手順を実施すると、ステップS445の処理で一致していた撮像画像と辞書画像情報とが不一致となる。そのため、端末制御部201は、画像判定部217を通じて撮像画像と辞書画像情報とが不一致となるか否かを判定する(ステップS447)。
撮像画像と辞書画像情報とが不一致となる場合(ステップS447:Yes)、端末制御部201は、画像判定部217を通じてエラー解除操作の次の手順に関連付けられた辞書画像情報を端末メモリ24から読み出し、撮像部21を通じて継続して取得された撮像画像と辞書画像情報とが一致するか否かを判定する(ステップS448,ステップS449)。
撮像画像と辞書画像情報とが一致する場合(ステップS449:Yes)、端末制御部201は、当該辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の次の手順の情報(文言情報)を、出力制御部211を通じて端末表示部22に合成表示させる(ステップS450)。
このようにして端末制御部201は、当該エラー解除操作の最後の手順の情報(文言情報)を表示するまでステップS447〜ステップS450の処理を繰り返す(ステップS451:No)。これにより、操作者によるエラー解除操作の進捗状況に応じてエラー解除操作の手順を順次表示させることができる。
そして、最後の手順の情報を表示した場合(ステップS451:Yes)、出力制御部211を通じて端末表示部22にエラー解除操作が終了した旨を表示させる(ステップS452)。
そして、端末制御部201は、エラー解除操作の行われた日時を内蔵する時計機能を用いて算出し、これを端末メモリ24に記憶させることで(ステップS453)、手順をリターンさせて今回のエラー解除操作表示処理を終了する。
このようにしてエラー解除操作表示処理を実施した後、端末制御部201は、履歴情報作成処理を実施する(ステップS460)。
図22は、図20に示した履歴情報作成処理の処理内容を示すフローチャートである。この履歴情報作成処理において端末制御部201は、通信手段25が通信部19と相互認証を行って互いに通信可能な状態となり、識別情報取得待ちとなる(ステップS461)。
そして、通信手段25を通じて受信した識別情報が入力制御部210を通じて入力されることで識別情報が取得された場合(ステップS461:Yes)、端末制御部201は、履歴情報作成部214を通じて、取得した識別情報と上記ステップS453で記憶させたエラー解除操作の行われた日時に関する情報とを関連付けて履歴情報を作成し(ステップS462)、端末メモリ24に履歴情報を記憶させて(ステップS463)、手順をリターンさせて今回の履歴情報作成処理を終了する。
このようにして履歴情報作成処理が実施した後、端末制御部201は、手順をリターンさせて今回のエラー解除処理を終了する。
また、端末制御部201は、上記エラー解除処理とは別個に、所定のタイムスケジュールにて予防報知処理を実施する。
図23は、端末制御部が実施する予防報知処理の処理内容を示すフローチャートである。この予防報知処理において端末制御部201は、端末メモリ24より該当する釣銭機10′の履歴情報を読み出し(ステップS471)、間隔算出部215を通じて該履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔を算出する(ステップS472)。
算出した間隔が基準日数を下回ると判定した場合(ステップS473:Yes)、端末制御部201は、出力制御部211を通じて当該釣銭機10′に対して該当する保守作業を行うことを促す旨を端末表示部22に表示させて予防報知を行い(ステップS474)、その後に手順をリターンさせて、今回の予防報知処理を終了する。
その一方、算出した間隔が基準日数以上と判定した場合(ステップS473:No)、端末制御部201は、上述したステップS474の処理を実施することなく、手順をリターンさせて今回の予防報知処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態4である釣銭機の保守作業支援システムによれば、携帯端末機器20′の端末制御部201が、アプリケーションソフトが起動された状態で通信手段25を介して通信部19より送出されたエラー情報を取得した場合、撮像部21により継続して取得される釣銭機10′の撮像画像情報と、該釣銭機10′の撮像画像情報に一致する辞書画像情報に関連付けられたエラー解除操作の手順に関する情報とを合成して端末表示部22に表示させることで、操作者によるエラー解除操作の進捗状況に応じてエラー解除操作の手順を順次表示させるので、操作者は、マニュアル本等を用いることなく、端末表示部22に順次表示されるエラー解除情報の各操作手順に従えばよい。しかも、携帯端末機器20′は専用のアプリケーションソフトが記憶されていれば、既に市場に出回っているものを用いることができ、従来のように一つの釣銭機に対して専用の表示部や専用のプログラムの開発を必要としない。そのため、複数の釣銭機10′に対して一つの携帯端末機器20′を適用することができる。従って、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、製造コストや開発コスト等のコストの増大化を招来せずに、エラー解除の操作を容易なものとすることができる。
上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように携帯端末機器20′に専用のアプリケーションソフトを記憶させることにより実現できるため、既に市場に出回っている釣銭機10′に対しても適用することができ、十分に高い汎用性を有するものとすることができる。
また、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、上述したように複数の釣銭機10′に対して一つの携帯端末機器20′を適用することができることで、一つの釣銭機に対して一つの専用の表示部を必要とする場合に比べて消費電力量の低減化を図ることができる。
更に、上記釣銭機の保守作業支援システムによれば、端末メモリ24に記憶させた履歴情報において直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔が基準日数を下回る場合、端末表示部22に該当する釣銭機10′の保守作業を行う旨を表示させる予防報知を行うので、頻繁にエラー情報が表示される釣銭機10′に対しては、エラー情報が表示される前に保守作業を行うことができ、不具合の発生を未然に防止することができる。
<実施の形態5>
図24は、本発明の実施の形態5である釣銭機の保守作業支援システムの要部を模式的に示すブロック図である。ここで例示する釣銭機の保守作業支援システムでは、その構成機器である携帯端末機器20′がネットワークNを経由して管理装置30に接続されている。つまり、携帯端末機器20′は、通信手段25を介して管理装置30と通信可能なものである。ここで管理装置30は、管理サーバのようなものであり、管理装置30の動作を統括する管理制御部300、表示手段としての管理表示部31、入力手段としての操作入力部32、記憶手段としての管理メモリ33を有している。尚、この図24では、携帯端末機器20′として実施の形態2及び4の釣銭機の保守作業支援システムを構成するものを例示しているが、本発明においては、実施の形態1及び3の釣銭機の保守作業支援システムを構成する携帯端末機器20を適用してもよい。
このようにネットワークNを介して管理装置30に接続された携帯端末機器20′では、端末制御部201が端末メモリ24に記憶する履歴情報を管理装置30に送出して管理メモリ33にデータベースとして記憶させることができる。
また、端末制御部201は、携帯端末機器20′がネットワークNを介して管理装置30に接続されていることで、上述したエラー解除操作表示処理の処理途中において次のようなエラー解除操作指示表示処理を行うことができる。
図25は、端末制御部が実施するエラー解除操作指示表示処理の処理内容を示すフローチャートである。このエラー解除操作指示表示処理において端末制御部201は、端末表示部22におけるエラー解除指示要求を行うための操作領域が操作者により操作されると、通信手段25を介して管理装置30にエラー解除操作指示情報を要求し、管理装置30からのエラー解除操作指示情報入力待ちとなる(ステップS501,ステップS502)。ここで、エラー解除操作指示情報は、端末メモリ24に予め記憶されたエラー解除情報とは異なり、携帯端末機器20′からのリクエストによりオペレータがリアルタイムで直接指示するエラー解除操作に関するものである。
携帯端末機器20′からエラー解除操作指示情報が送出された管理装置30では、管理制御部300がかかるエラー解除操作指示情報とともに携帯端末機器20′より送出された撮像画像情報を管理表示部31に表示させる。そして、管理表示部31に表示された撮像画像情報を見たオペレータが操作入力部32を通じてエラー解除操作指示情報を入力操作すると、管理制御部300は、エラー解除操作指示情報を携帯端末機器20′に送出する。
これにより管理装置30からエラー解除操作指示情報を入力した場合(ステップS502:Yes)、端末制御部201は、撮像部21を通じて取得した撮像画像に対して、エラー解除操作の手順に関する情報とエラー解除操作指示情報とを合成して端末表示部22に表示させ(ステップS503)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、端末メモリ24に予め記憶されたエラー解除情報だけでなく、管理装置30(オペレータ)から直接与えられるエラー解除操作指示情報を端末表示部22に表示させることができるので、エラー解除情報に含まれるエラー解除の操作手順以外に釣銭機10(10′)の状態に対応した保守作業を行うことが可能になり、緻密な保守作業を支援することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1〜5について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1及び3では、エラー解除操作表示処理におけるエラー解除操作の手順の情報の表示を所定時間毎に行っていたが、本発明においては、表示手段(端末表示部22)に形成された次の手順の情報に遷移するための操作領域が操作者により操作されることにより、次の手順の情報を表示するようにしてもよい。
上述した実施の形態2及び4では、エラー解除操作表示処理において、エラー解除操作手順に関連付けられた辞書画像情報を読み出してこの辞書画像情報と撮像部21を通じて取得された撮像画像とが一致するか否かを判定することで釣銭機10(10′)が所望の状態であるかを認識していたが、本発明においては、種々の認識マークを釣銭機の所定個所に貼付しておくことで、釣銭機が所望の状態であるかを認識するようにしてもよい。例えば、認識マークとして「◎」、「□」、「☆」等を用い、釣銭機を正面から撮像する場合において、紙幣収納部を前方に向けて引き出して初めて撮像できる個所に「◎」を貼付し、紙幣搬送機構を含む搬送部を持ち上げて初めて撮像できる個所に「□」を貼付し、硬貨収納部を前方に向けて引き出して初めて撮像できる個所に「☆」を貼付しておく。つまり、エラー解除操作の各手順が行われることで初めて見える個所に所定の認識マークを貼付しておく。そして、エラー解除操作の各手順が行われる場合に、これらの認識マークを順次検知することで釣銭機が所望の状態であるか否かを認識するようにしてもよい。
上述した実施の形態1〜4では、予防報知処理において、端末メモリ24に記憶させた履歴情報における直近のエラー解除操作を行った日時とその前のエラー解除操作を行った日時との間隔が基準日数を下回るか否かを判定することで予防報知を行うか否かを決定していたが、本発明においては、次のようにして予防報知を行うか否かを決定してもよい。例えば、釣銭機10(10′)を構成する硬貨搬送機構121及び紙幣搬送機構131の搬送時間を継続的に監視し、搬送時間が予め決められた閾値(初期値+30%)を超える場合に、予防報知を行うようにしてもよい。