JP2015068837A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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吉田 徹
Toru Yoshida
徹 吉田
染野 義博
Yoshihiro Someno
義博 染野
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【課題】外光の影響が低減されたヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。【解決手段】ヘッドアップディスプレイ装置101は、レーザ光Lcを出射するレーザ光源LDと、レーザ光源LDに電力を供給する光源駆動部14と、レーザ光Lcから所望の表示画像を生成する画像生成部11と、表示画像の映像光Lfを車両のウインドシールドWSに導く光学部材OPと、を備え、表示画像の映像VMを観察者STに観察させる映像表示装置であって、光学部材OPが、映像光Lfの光路に配設される光学フィルタF5を有し、光学フィルタF5が、レーザ光Lcの波長の近傍帯域である光の透過率が高いとともに、近傍帯域以外の波長の光の透過率が低いことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いた映像表示装置に関し、特に、車両に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置に関する。
近年、レーザ光を用いて、三次元ディスプレイやヘッドマウントディスプレイ(HMD、Head Mounted Display)、ヘッドアップディスプレイ(HUD、Head-Up Display)等の映像表示装置が提案されてきた。
上述のヘッドアップディスプレイ(HUD)に適用される映像表示装置の例として、特許文献1では、図5に示すようなヘッドアップディスプレイ装置900が提案されている。図5は、従来例1のヘッドアップディスプレイ装置900を説明する図であって、図5(a)は、ヘッドアップディスプレイ装置900を示す構成図であり、図5(b)は、ヘッドアップディスプレイ装置900が自動車の車両903内に搭載された概観図である。
図5(a)に示すヘッドアップディスプレイ装置900は、複数のレーザー光を合波して1本の合成レーザー光を出射する合成レーザー光発生装置910と、合成レーザー光を走査して透過スクリーン940に表示画像Dを生成するMEMSスキャナ920と、それぞれのレーザー光強度を検出するカラーセンサ930と、合成レーザー光発生装置910やMEMSスキャナ920等を収容するハウジング960と、ヘッドアップディスプレイ装置900の電気的な制御を行う制御部980と、を備えて構成されている。そして、MEMSスキャナ920で生成された表示画像Dの表示光Jは、平面ミラー951と拡大ミラー952で反射され、窓部961を透過して、ハウジング960外に出射されるようになる。
また、ヘッドアップディスプレイ装置900は、図5(b)に示すように、自動車の車両903のダッシュボード内に収納され、生成した表示画像D(図5(a)を参照)の表示光Jがウインドシールド903wの適切な位置にあたるように設置される。そして、表示光Jをウインドシールド903wで反射させることにより、車両運転者999に車両情報を表す表示画像Dの虚像Xを視認させている。これにより、車両運転者999は、運転中に前方から視線を逸らさずに車両情報を視認することができる。
特開2013−15738号公報
このような車両903に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置900では、ウインドシールド903wを透過してきた外光、特に昼光が、窓部961からハウジング960内に入光し、拡大ミラー952と平面ミラー951で反射され、透過スクリーン940に到達するようになる。そして、この到達した光が、透過スクリーン940に反射して、再び窓部961を透過し、ウインドシールド903wにあたるようになる。このため、ウインドシールド903wで反射した表示画像Dの虚像Xを視認している車両運転者999には、図6に示すように、表示画像Dに加え、この外光の反射光が作り出す光画像RAが視認されるようになる。これにより、表示画像Dのコントラストが低下し、表示画像Dが見づらくなるという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するもので、外光の影響が低減されたヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源に電力を供給する光源駆動部と、前記レーザ光から所望の表示画像を生成する画像生成部と、前記表示画像の映像光を車両のウインドシールドに導く光学部材と、を備え、前記表示画像の映像を観察者に観察させる映像表示装置であって、前記光学部材が、前記映像光の光路に配設される光学フィルタを有し、該光学フィルタが、前記レーザ光の波長の近傍帯域である光の透過率が高いとともに、前記近傍帯域以外の波長の光の透過率が低いことを特徴としている。
これによれば、本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、ウインドシールドを透過して入光してくる外光(主に昼光)がこの光学フィルタを通過することとなるので、画像生成部からの映像光は透過させるが、外光の近傍帯域以外の波長の光が殆どカットされる。このため、映像光の光路における光学フィルタの前側(映像光の出射方向)に外光が殆ど侵入しないので、光学フィルタと画像生成部11との間にある部材による、外光の反射を低減することができる。このことにより、外光の反射による表示画像のコントラスト低下を防止するので、表示画像が見づらくなることを防止できる。従って、外光の影響が低減されたヘッドアップディスプレイ装置を提供することができる。
また、本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、前記光学部材が、前記映像光を拡散するディフューザを有し、前記ディフューザには、前記ディフューザを駆動する駆動部が接続されていることを特徴としている。
これによれば、コヒーレントなレーザ光である映像光の指向性を低減させることができる。このことにより、コヒーレントなレーザ光に起因するスペックルパターンを低減することができ、観察者により視認される映像の品質を向上させることができる。
また、本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、前記ディフューザが、前記光学フィルタと前記画像生成部との間に配設されていることを特徴としている。
これによれば、ディフューザが光学フィルタと画像生成部との間に配設されているので、ウインドシールドを透過して入光してくる外光(主に昼光)がディフューザに到達するのを低減できる。このことにより、反射がし易いディフューザでの外光の反射を低減することができ、外光の反射による表示画像のコントラスト低下を防止することができる。更に、光学フィルタで赤外線の領域の波長をカットするので、外光の赤外線による、ディフューザの温度上昇を防止することができる。
また、本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、前記レーザ光源が複数個設けられているとともに、複数個の前記レーザ光源に対応して、前記光源駆動部が複数個設けられていることを特徴としている。
これによれば、複数の色で表示画像を生成することができ、観察者により視認される映像の表現を豊かにすることができる。
本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、ウインドシールドを透過して入光してくる外光(主に昼光)がこの光学フィルタを通過することとなるので、画像生成部からの映像光は透過させるが、外光の近傍帯域以外の波長の光が殆どカットされる。このため、映像光の光路における光学フィルタの前側(映像光の出射方向)に外光が殆ど侵入しないので、光学フィルタと画像生成部11との間にある部材による、外光の反射を低減することができる。このことにより、外光の反射による表示画像のコントラスト低下を防止するので、表示画像が見づらくなることを防止できる。
本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置を説明する構成図である。 本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置における、外光の経路を説明する図である。 本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置における、光の経路を説明する図であって、図3(a)は、レーザ光の光路を示した図であり、図3(b)は、外光の光路を示した図である。 本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置における、光学フィルタのフィルタ特性を示したグラフである。 従来例1のヘッドアップディスプレイ装置を説明する図であって、図5(a)は、ヘッドアップディスプレイ装置を示す構成図であり、図5(b)は、ヘッドアップディスプレイ装置が自動車の車両903内に搭載された概観図である。 従来例1のヘッドアップディスプレイ装置における課題を説明する図であって、車両運転者が視認するウインドシールドを示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101は、図1に示すように、車両、特に自動車に搭載されて、運転者(観察者)STに対して車両情報を与えるための映像表示装置として使用される。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101を説明する構成図である。図2は、本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101における、外光DLの経路を説明する図である。図3は、本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置における、光の経路を説明する図であって、図3(a)は、レーザ光Lcの光路を示した図であり、図3(b)は、外光DLの光路を示した図である。なお、図1ないし図3に示す光の光路は、光のイメージを示したもので、全ての光を指し示すものではない。図4は、本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置における、光学フィルタF5のフィルタ特性を示したグラフである。図4に示す横軸は、光の波長を示し、縦軸は、光の透過率を示している。
また、本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101は、図1に示すように、レーザ光Lcを出射するレーザ光源LDと、レーザ光源LDに電力を供給する光源駆動部14と、レーザ光Lcから所望の表示画像を生成する画像生成部11と、表示画像の映像光Lfを車両のウインドシールドWSに導く光学部材OPと、を備えて構成される。他に、ヘッドアップディスプレイ装置101には、映像光Lfの光強度を検出する光強度検出部35と、光強度検出部35の検出結果に基づいて光源駆動部14の出力を制御する制御部55と、を有している。そして、画像生成部11により生成した表示画像の映像VMを、ウインドシールドWSを通して、観察者(運転者)STに観察させる(視認させる)ようにしている。
ヘッドアップディスプレイ装置101のレーザ光源LDは、図1に示すように、本発明の第1実施形態では、赤色(Red)及び緑色(Green)の2色のレーザ光源LD(RLD、GLD)が設けられている。また、詳細に図示はしていないが、赤色(Red)及び緑色(Green)を発光させるために、2種類の半導体レーザ素子を用いている。これにより、半導体レーザ素子を用いているので、高い可干渉性(コヒーレント)を有したレーザ光Lcをレーザ光源LDから出射させることができる。また、このようにレーザ光源LDが複数個設けられているので(本発明の第1実施形態では2種類で2個)、観察者STにより視認される映像VMの色を複数にすることができ、映像VMの表現を豊かにすることができる。
また、半導体レーザ素子として、例えば、赤色の場合は642nmの波長等の光を出射する素子が好適に用いられ、緑色の場合は515nmの波長等の光を出射する素子が好適に用いられている。
ヘッドアップディスプレイ装置101の光源駆動部14は、オペレーショナル・アンプリファイア(Operational Amplifier)が組み込まれた駆動回路であって、それぞれのレーザ光源LD(RLD、GLD)に光源駆動部14R及び光源駆動部14Gが接続されて、それぞれのレーザ光源LD(RLD、GLD)を駆動している。
ヘッドアップディスプレイ装置101の画像生成部11は、図1に示すように、レーザ光Lcを回折させ映像光Lfとするホログラフィック光学素子41と、ホログラフィック光学素子41を駆動するドライバ51と、「ホログラムパターン」を作成する中央演算処理装置71と、を備えて構成される。
ホログラフィック光学素子41は、レーザ光源LDからのレーザ光Lcを回折させ映像光Lfとする機能を有している。具体的には、本発明の第1実施形態では、位相変調方式LCOS(Liquid crystal on silicon)を用いており、この位相変調方式LCOSに書き込まれた「ホログラムパターン」にコヒーレント光(レーザ光Lc)が照射されることによって、回折光が発生し、図1に示すフーリエレンズFL1を通して、映像光Lfとして出射されている。なお、「ホログラムパターン」には、光の強度と位相が記録されている。
そして、ホログラフィック光学素子41には、図1に示すように、ドライバ51が接続されており、このドライバ51は、中央演算処理装置71により作成された「ホログラムパターン」を位相変調方式LCOSに、随時書き込む機能を有している。なお、本発明の第1実施形態では、ホログラフィック光学素子41を用いて所望の表示画像を生成しているので、表示される映像VMの表示画像毎にレーザ光源LDの出力を合わせることができ、光源駆動部14の出力調整を細かく行うことができる。
ヘッドアップディスプレイ装置101の光学部材OPは、主に、ホログラフィック光学素子41からの映像光Lfを車両のウインドシールドWSに導く光学部品から構成され、本発明の第1実施形態では、図1に示すように、レーザ光Lcの光路を変更する平面ミラー(12、22)と、光を集光またはコリメートする光学レンズ32と、表示画面の表示範囲を規定するスリッタ52と、映像光Lfを拡散するディフューザ13と、映像光LFの光路に配設される光学フィルタF5と、を有している。他に、レーザ光源LDからのレーザ光Lcを集光またはコリメートする光学レンズ42も有している。
平面ミラー(12、22)や光学レンズ32及び光学レンズ42は、一般に使用されている光学部品を用いており、特別な仕様を有するものではない。なお、平面ミラー(12、22)の代わりに曲面ミラーを用いても良い。また、図1に示す平面ミラー(12、22)や光学レンズ(32、42)の組合せのみに限るものではない。
スリッタ52は、映像光Lfの照射範囲の殆どを通過させており、この通過した映像光Lfに相当する範囲が、観察者STにより視認される映像VM(図1を参照)の表示範囲、つまり表示画像となる。
ディフューザ13は、図1に示すように、映像光Lfの光路におけるスリッタ52の後側(映像光Lfの出射方向)に配置され、透過する映像光Lfを拡散している。また、ディフューザ13には、ディフューザ13を駆動する駆動部13dが接続されており、ディフューザ13を回転させている。これにより、コヒーレントなレーザ光Lcである映像光Lfの指向性を低減させている。このことにより、コヒーレント光に起因するスペックルパターンを低減することができ、観察者STにより視認される映像VMの品質を向上させることができる。ここで言うスペックルパターンとは、高い可干渉性(コヒーレント)を有した光が被照射物体にあたって散乱される際に、被照射物体上の各部分で散乱された散乱光同士が干渉することによって生じる微細な干渉縞のことを言う。なお、本発明の第1実施形態では、ディフューザ13を回転させた構成にしたが、これに限るものではなく、例えば振動させて動かしても良い。
光学フィルタF5は、バンドパスフィルタを用い、図1に示すように、映像光Lfの光路におけるディフューザ13の後側(映像光Lfの出射方向)に配置され、所望の波長の光を透過させている。つまり、光学フィルタF5は、図4に示すように、所望の波長の光である赤色のレーザ光Lcの波長Rrと、所望の波長の光である緑色のレーザ光Lcの波長Rgと、を透過させるために、波長Rrの近傍帯域NZRの光と波長Rgの近傍帯域NZGの光の透過率が高くなっているとともに、近傍帯域(NZR、NZG)以外の波長の光の透過率が低くなっている。これにより、画像生成部11からの映像光Lfは、図3(a)に示すように、この光学フィルタF5が映像光Lfの光路に存在しても、少ない減衰で(図4を参照)光学フィルタF5を透過することができる。
一方、図2に示すウインドシールドWSを透過して外部から入光してくる外光DL(主に昼光)は、図2及び図3(b)に示すように、この光学フィルタF5を通過することになる。その際に、近傍帯域(NZR、NZG)の波長の光は透過するが、近傍帯域(NZR、NZG)以外の波長の光は透過せずに殆どカットされる。このため、映像光Lfの光路における光学フィルタF5の前側(映像光Lfの出射方向)に外光DLが殆ど侵入しないので、光学フィルタF5と画像生成部11との間にある部材、例えばディフューザ13やホログラフィック光学素子41による、外光DLの反射を低減することができる。
また、光学フィルタF5は、映像光Lfの光路におけるディフューザ13の後側(映像光Lfの出射方向)に配置されているので、ウインドシールドWSを透過して入光してくる外光DL(主に昼光)がこのディフューザ13に殆ど到達しない。このことにより、反射がし易いディフューザ13での外光DLの反射を低減することができ、外光DLの反射による表示画像のコントラスト低下を防止することができる。更に、図4に示すように、光学フィルタF5で赤外線の領域IRAの波長をカットするので、外光DLの赤外線による、ディフューザ13の温度上昇を低減でき、ディフューザ13の劣化も防止することができる。
ヘッドアップディスプレイ装置101の光強度検出部35は、映像光Lfの光強度を検出しており、図1に示すように、スリッタ52の近傍に配置され、2個のレーザ光源RLDとレーザ光源GLDに対応して、2個の光強度検出部35Rと光強度検出部35Gが設けられている。そして、それぞれの光強度検出部35Rと光強度検出部35Gに照射される映像光Lfに対して、赤色(Red)及び緑色の色毎に別個に強度を検出している。この光強度検出部35として、フォトダイオード(PD、Photodiode)を好適に用いている。
ヘッドアップディスプレイ装置101の制御部55は、光強度検出部35(35R、35G)の検出結果に基づいて、光源駆動部14(14R、14G)の出力を制御しており、図1に示すように、それぞれの光強度検出部35(35R、35G)及びそれぞれの光源駆動部14(14R、14G)と接続されている。これにより、異なる色で異なる表示画像の面積であっても、制御部55によりそれぞれのレーザ光源LD(RLD、GLD)の出力を調整し、表示される映像VMのそれぞれの光強度(輝度)を所望の値に保持することができる。このことにより、観察者STにより視認される映像VMの表現をより豊かにすることができる。なお、この制御部55は、光強度検出部35の検出結果に基づいてレーザ光源LDの出力を調整する機能の他に、レーザ光源LDの発熱による温度変化に伴うレーザ光源LDの出力変化に対しても調整する機能を有している。
以上のように構成された本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101における、効果について、以下に説明する。
本発明の第1実施形態のヘッドアップディスプレイ装置101は、画像生成部11で生成した表示画像の映像光Lfを車両のウインドシールドWSに導く光学部材OPには、光学フィルタF5を有しているので、ウインドシールドWSを透過して外部から入光してくる外光DL(主に昼光)がこの光学フィルタF5を通過することとなる。そして、この光学フィルタF5は、レーザ光Lcの波長の近傍帯域(NZR、NZG)である光の透過率が高く、近傍帯域(NZR、NZG)以外の波長の光の透過率が低いので、画像生成部11からの映像光Lfは透過させるが、外光DLの近傍帯域(NZR、NZG)以外の波長の光を殆どカットする。このため、映像光Lfの光路における光学フィルタF5の前側(映像光Lfの出射方向)に外光DLが殆ど侵入しないので、光学フィルタF5と画像生成部11との間にある部材による、外光DLの反射を低減することができる。このことにより、外光DLの反射による表示画像のコントラスト低下を防止するので、表示画像が見づらくなることを防止できる。従って、外光DLの影響が低減されたヘッドアップディスプレイ装置101を提供することができる。
また、光学部材OPには、駆動部13dにより駆動されているディフューザ13が設けられているので、コヒーレントなレーザ光Lcである映像光Lfの指向性を低減させることができる。このことにより、コヒーレントなレーザ光Lcに起因するスペックルパターンを低減することができ、観察者STにより視認される映像VMの品質を向上させることができる。
また、光学フィルタF5は、映像光Lfの光路におけるディフューザ13の後側(映像光Lfの出射方向)に配置されているので、ウインドシールドWSを透過して入光してくる外光DL(主に昼光)がこのディフューザ13に殆ど到達しない。このことにより、反射がし易いディフューザ13での外光DLの反射を低減することができ、外光DLの反射による表示画像のコントラスト低下を防止することができる。更に、図4に示すように、光学フィルタF5で赤外線の領域IRAの波長をカットするので、外光DLの赤外線による、ディフューザ13の温度上昇も防止することができる。
また、レーザ光源LD(RLD、GLD)が複数個設けられているので、複数の色で表示画像を生成することができる。このことにより、観察者STにより視認される映像VMの表現を豊かにすることができる。
また、複数個のレーザ光源LDに対応して、光強度検出部35(35R、35G)及び光源駆動部14(14R、14G)がそれぞれ設けられているので、異なる色で異なる表示画像の面積であっても、制御部55によりそれぞれのレーザ光源LDの出力を調整し、表示される映像VMのそれぞれの光強度(輝度)を所望の値に保持することができる。このことにより、観察者STにより視認される映像VMの表現をより豊かにすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、自動車に搭載されているが、自動車に限らず、車両、例えば自動二輪車や電動車椅子等であっても良い。
<変形例2>
上記第1実施形態では、2種類の光源LD(RLD、GLD)を用いて構成したが、青色(Blue)を加えた3種類の光源を用いて構成しても良いし、更に、黄色(Yellow)を加えた4種類の光源を用いる構成であっても良いし、更に、4種類以上の光源を用いる構成であっても良い。その際には、光源の種類に対応した光源駆動部をそれぞれ設けるようにすると良い。また、逆に1種類の光源を用いる構成であっても良い。
<変形例3>
上記第1実施形態では、画像生成部11をレーザ光Lcを回折させ映像光Lfとするホログラフィック光学素子41で構成したが、これに限らず、レーザ光LcをMEMSミラー等で走査して画像を生成する走査型の画像生成部であっても良い。
<変形例4>
上記第1実施形態では、制御部55が映像光Lfの光強度を検出する光強度検出部35の検出結果に基づいて、光源駆動部14の出力を制御する構成にしていたが、光強度検出部35をレーザ光源LDと画像生成部11との間に配設し、レーザ光Lcの光強度を検出するようにして、光源駆動部14の出力を制御する構成にしても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
11 画像生成部
13 ディフューザ
13d 駆動部
14、14G、14R 光源駆動部
F5 光学フィルタ
LD、GLD、RLD レーザ光源
Lc レーザ光
Lf 映像光
NZG、NZR 近傍帯域
Rg、Rr 波長
OP 光学部材
ST 観察者(運転者)
VM 映像
WS ウインドシールド
101 ヘッドアップディスプレイ装置

Claims (4)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    該レーザ光源に電力を供給する光源駆動部と、
    前記レーザ光から所望の表示画像を生成する画像生成部と、
    前記表示画像の映像光を車両のウインドシールドに導く光学部材と、を備え、
    前記表示画像の映像を観察者に観察させる映像表示装置であって、
    前記光学部材は、前記映像光の光路に配設される光学フィルタを有し、
    該光学フィルタは、前記レーザ光の波長の近傍帯域である光の透過率が高いとともに、前記近傍帯域以外の波長の光の透過率が低いことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記光学部材は、前記映像光を拡散するディフューザを有し、
    前記ディフューザには、前記ディフューザを駆動する駆動部が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記ディフューザは、前記光学フィルタと前記画像生成部との間に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記レーザ光源が複数個設けられているとともに、複数個の前記レーザ光源に対応して、前記光源駆動部が複数個設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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