JP2015068361A - ピストンリング - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダとの摩擦の増加と、オイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができる。
【解決手段】シリンダ102内を往復動するピストン104の外周面104bに設けられた周溝104cに装着されるピストンリング108であって、合口140を有し、環状に形成されるリング本体部130と、リング本体部130に係合し、シリンダ102内の燃焼室120の圧力変化により変形することで、シリンダ102内の燃焼室の圧力変化により生じるリング本体部130の径方向の変形を抑制する係合部材132とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】シリンダ102内を往復動するピストン104の外周面104bに設けられた周溝104cに装着されるピストンリング108であって、合口140を有し、環状に形成されるリング本体部130と、リング本体部130に係合し、シリンダ102内の燃焼室120の圧力変化により変形することで、シリンダ102内の燃焼室の圧力変化により生じるリング本体部130の径方向の変形を抑制する係合部材132とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関のシリンダ内を往復するピストンの周溝に装着されるピストンリングに関する。
従来、内燃機関(以下、エンジンという)のシリンダと、シリンダ内を往復するピストンの外周との間隙には、複数のピストンリングが設けられる。ピストンリングは、ピストンの外周に形成される周溝に装着される。
ピストンリングは、ピストンの周溝に装着する際に変形させるために一カ所の切れ目(合口)を有する環状部材で形成され、燃焼室からクランクケースへの燃焼ガスや排気ガスの漏出を防止するとともに、クランクケースから燃焼室へのオイルの漏出を防止する。しかしながら、ピストンリングには、このような合口が設けられているために、合口を介して燃焼ガス、排気ガス、オイルが合口隙間から漏出することが問題となる。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1および2には、ピストンリングの合口隙間に樹脂製の小片を取り付けることで燃焼ガス、排気ガス、オイルの漏出を防止する構成が開示されている。
また、例えば特許文献3および4には、ピストンリングの合口を凹状に形成し、凹状に形成された合口に凸状の小片を取り付けることで燃焼ガス、排気ガス、オイルの漏出を防止する構成が開示されている。
ところで、エンジンでは、圧縮行程や燃焼行程で燃焼室が高圧となり、ピストンリングの内周面から外周面に向かって生じる圧力(背面圧力)が増加し、シリンダに対する張力も増加する。これにより、ピストンリングとシリンダの内周面との摩擦力が増加する。
一方、エンジンは、吸気行程や排気行程で燃焼室が低圧となり、ピストンリングの外周面に加わる背面圧力が減少し、シリンダに対する張力も減少する。これにより、ピストンリングとシリンダの内周面との間隔が拡大し、クランクケースから燃焼室へのオイルの漏出が増加することで、オイルの消費が増大する。
これらは相反する問題であり、燃焼室が高圧である場合と低圧である場合の一方に合わせてピストンリングを設計すると、もう一方の場合における問題が増加することになる。したがって、燃焼室が高圧となることによるシリンダとの摩擦力の増加と、燃焼室が低圧となることによるオイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができるピストンリングが望まれる。
そこで、本発明は、シリンダとの摩擦の増加と、オイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができるピストンリングを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のピストンリングは、シリンダ内を往復動するピストンの外周面に設けられた周溝に装着されるピストンリングであって、合口を有し、環状に形成されるリング本体部と、前記リング本体部に係合し、前記シリンダ内の燃焼室の圧力変化により変形することで、該シリンダ内の燃焼室の圧力変化により生じる該リング本体部の径方向の変形を抑制する係合部材とを備える。
また、前記係合部材は、前記リング本体部の合口を隔てて対峙する端部それぞれに係合し、前記シリンダ内の燃焼室の圧力が加減することにより縮伸する材質であってもよい。
また、前記係合部材は、前記燃焼室の圧力変化に対して縮伸の応答性の位相遅れが90度以内であってもよい。
本発明によれば、シリンダとの摩擦の増加と、オイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、エンジン100の一部の構成を示した概略図である。図1に示すように、エンジン100は、シリンダ102、ピストン104、コンロッド106、ピストンリング108を含んで構成される。
図1は、エンジン100の一部の構成を示した概略図である。図1に示すように、エンジン100は、シリンダ102、ピストン104、コンロッド106、ピストンリング108を含んで構成される。
ピストン104は、シリンダ102の内径より小さな外径の有底円筒形状に形成され、ピストン頂面104aが燃焼室120側に位置するようにシリンダ102内に配置され、ピストン頂面104aとは反対側にコンロッド106が接続される。ピストン104は、燃焼室120内に供給される燃料が燃焼することにより生じる圧力によりシリンダ102内を往復動し、コンロッド106を介してクランクケース122内に設けられるクランク軸(図示せず)を回転させる。
ピストン104の外周面104bには、周方向にわたって3つの周溝104c、104d、104eがピストン頂面104a側から順に並んで設けられ、これら周溝104c、104d、104eそれぞれにピストンリング108が装着される。ピストンリング108は、シリンダ102の内周面102aにオイルを介して当接しており、燃焼室120からクランクケース122への燃焼ガスや排気ガスの漏出を防止し、また、クランクケース122から燃焼室120へのオイルの漏出を防止する。
図2は、ピストンリング108の構成を示した概略図である。図2(a)は、ピストンリング108の全体構成を示した概略図であり、図2(b)は、図2(a)における破線で囲まれた領域の部分拡大図である。図2(a)および(b)に示すように、ピストンリング108は、リング本体部130および係合部材132により構成される。
リング本体部130は、一カ所に合口(切れ目)140を有し、外力が与えられていない自由状態ではシリンダ102の内径よりも大きな外径でなる金属製の環状部材である。リング本体部130は、例えばピストン104の周溝104cに装着された際、自由状態よりも外径が小さくなるように変形した状態で維持されるため、シリンダ102の内周面102aに周方向にわたって当接し、シリンダ102の内周面102aに対して周方向にわたって一定の張力を付加する。
係合部材132は、加えられる圧力が加減することで縮伸し(圧力が加えられると縮み、圧力が減らされると伸びる)、また、燃焼室120の圧力変化(エンジン100の回転数)に対して縮伸の応答性の位相遅れが90度以内である性質を有する例えばウレタン材でなる。
リング本体部130は、ピストン104の周溝104cに装着された際、合口140を隔てて対峙する2つの端部142、144に係合部材132が係合される。より具体的には、図2(b)に示すように、リング本体部130の端部142は、幅方向における内周面側が切り欠かれた切欠部142aが設けられ、切欠部142aにおける、端部144とは反対側において幅方向にもう一段切り欠かれた被係合溝142bが設けられる。また、リング本体部130の端部144は、幅方向における内周面側が切り欠かれた切欠部144aが設けられ、切欠部144aにおける、端部142とは反対側において幅方向にもう一段切り欠かれた被係合溝144bが設けられる。つまり、リング本体部130は、中心と合口140の中心とを結ぶ直線を基準にして被係合溝142bと被係合溝144bとが対向配置される。
係合部材132は、リング本体部130がピストン104の周溝104cに装着された際の被係合溝142bと被係合溝144bとの間隔と略一致した長さであり、幅方向の厚さが切欠部142a、144aの幅方向の厚さと略一致した本体部132aが設けられる。また、係合部材132は、本体部132aの両端からリング本体部130の外周面側に突出し、被係合溝142b、144bに係合する係合部132b、132cが設けられる。
そして、ピストンリング108では、ピストン104の周溝104cに装着された際、係合部材132の係合部132b、132cそれぞれがリング本体部130の被係合溝142b、144bに係合することで、係合部材132がリング本体部130に係合する。
本実施形態の優位性を説明すべく、従来のピストンリング200と本実施形態のピストンリング108を図3および図4を用いて比較する。
図3は、燃焼室120が高圧および低圧である場合におけるシリンダ102と従来のピストンリング200との関係を示した概略図である。図3(a)は、燃焼室120が高圧である場合におけるシリンダ102とピストンリング200との関係を示し、図3(b)は、燃焼室120が低圧である場合におけるシリンダ102とピストンリング200との関係を示す。なお、図3において、白抜き矢印は、燃焼室120の圧力を示し、その大きさにより燃焼室120の圧力の大きさを表す。また、黒塗り矢印は、ピストンリング200に対する背面圧力を示し、その大きさによりピストンリング200に対する背面圧力の大きさを表す。
従来のピストンリング200は、上記したピストンリング108におけるリング本体部130に相当する金属製の環状部材であり、係合部材132は設けられていない。したがって、図3(a)に示すように、燃焼室120が高圧となり、ピストンリング200の内周面に加わる背面圧力が増加すると、ピストンリング200は、径方向に広がろうとする力(張力)が増加し、シリンダ102との摩擦力が増加することになる。
一方、図3(b)に示すように、燃焼室120が低圧となり、ピストンリング200の内周面に加わる背面圧力が減少すると、ピストンリング200は、径方向に広がろうとする力(張力)が減少し、シリンダ102との間隙が拡大してオイルが燃焼室120へ漏出することによるオイルの減少が増加することになる。
図4は、燃焼室120が高圧および低圧である場合におけるシリンダ102とピストンリング108との関係を示した概略図である。図4(a)は、燃焼室120が高圧である場合におけるシリンダ102とピストンリング108との関係を示し、図4(b)は、燃焼室120が低圧である場合におけるシリンダ102とピストンリング108との関係を示す。なお、図4において、白抜き矢印は、燃焼室120の圧力を示し、その大きさにより燃焼室120の圧力の大きさを表す。また、黒塗り矢印は、ピストンリング108に対する背面圧力を示し、その大きさによりピストンリング108に対する背面圧力の大きさを表す。
エンジン100の圧縮行程や燃焼行程では、図4(a)に示すように、燃焼室120が高圧となり、シリンダ102の内周面102aとピストン104の外周面104bとの間隙124、ピストン104の周溝104cを介してピストンリング108の内周面に加わる背面圧力が増加する。このとき、リング本体部130は、背面圧力の増加により径方向に広がろうとする力(シリンダ102に対する張力)が増加する。一方、係合部材132は、燃焼室120が高圧となることで収縮し、リング本体部130の合口140(端部142と端部144との距離)を縮めようとする力、換言すると、リング本体部130を径方向に縮めようとする力が増加する。
このように、ピストンリング108では、燃焼室120が高圧になると、背面圧力の増加によりリング本体部130による径方向に広がろうとする力が増加する一方で、係合部材132によるリング本体部130を径方向に縮めようとする力も増加する。したがって、ピストンリング108では、これら相反する力によりピストンリング108(リング本体部130)が径方向に変形することを抑制(相殺)する。換言すると、係合部材132は、燃焼室120が高圧になることで収縮し、リング本体部130によるシリンダ102に対する張力の増加を抑制する。
一方、図4(b)に示すように、エンジン100の吸気行程や排気行程では、燃焼室120が低圧となり、シリンダ102の内周面102aとピストン104の外周面104bとの間隙124、ピストン104の周溝104cを介してピストンリング108の内周面に加わる背面圧力が減少する。このとき、リング本体部130では、背面圧力の減少により径方向に広がろうとする力(シリンダ102に対する張力)が減少する。一方、係合部材132は、燃焼室120が低圧となることで伸長(復元)し、リング本体部130の合口140(端部142と端部144との距離)を縮めようとする力、換言すると、リング本体部130を径方向に縮めようとする力が減少する。
このように、ピストンリング108では、燃焼室120が低圧になると、背面圧力の減少によりリング本体部130による径方向に広がろうとする力が減少する一方で、係合部材132によるリング本体部130を径方向に縮めようとする力も減少する。したがって、ピストンリング108では、これら相反する力によりピストンリング108(リング本体部130)が径方向に変形することを抑制(相殺)する。
以上のように、ピストンリング108は、ピストン104の周溝104cに装着された際にリング本体部130に対して係合する係合部材132が設けられている。したがって、ピストンリング108は、燃焼室120が高圧になると係合部材132が収縮してリング本体部130によるシリンダ102に対する張力の増加を抑制するので、シリンダ102との間隙が減少することを抑制することができる。また、ピストンリング108は、燃焼室120が低圧になると係合部材132が伸張(復元)してリング本体部130による径方向の収縮も抑制するので、シリンダ102の内周面102aとの間隔が拡大することを抑制することができる。
これにより、ピストンリング108は、燃焼室120が高圧となることによるシリンダ102との摩擦の増加を抑制し、かつ、燃焼室120が低圧となることによるシリンダ102との間隙が拡大してオイルが燃焼室120へ漏出することを抑制することができる。
かくして、ピストンリング108は、係合部材132が設けられると言った簡易な構成で、燃焼室120が高圧となることによるシリンダ102との摩擦の増加と、燃焼室120が低圧となることによるオイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができる。
なお、第1の実施形態では、ピストンリング108をピストン104の周溝104c、104d、104eに設けるようにしたが、ピストン104の周溝104c、104d、104eのうちの一の周溝に設けられていればよく、ピストンリング108が設けられていない他の周溝には、その他のピストンリングを設けるようにしてもよい。
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態におけるピストンリング300の構成を示した概略図である。図5(a)は、ピストンリング300の全体構成を示した概略図であり、図5(b)は、図5(a)における破線で囲まれた領域の部分拡大図である。図5(a)および(b)に示すように、ピストンリング300は、リング本体部130および係合部材302により構成される。なお、ピストンリング300は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
図5は、第2の実施形態におけるピストンリング300の構成を示した概略図である。図5(a)は、ピストンリング300の全体構成を示した概略図であり、図5(b)は、図5(a)における破線で囲まれた領域の部分拡大図である。図5(a)および(b)に示すように、ピストンリング300は、リング本体部130および係合部材302により構成される。なお、ピストンリング300は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
係合部材302は、加えられる圧力が加減することで縮伸し、また、燃焼室120の圧力変化(エンジン100の回転数)に対して縮伸の応答性の位相遅れが90度以内である性質を有する例えばウレタン材でなる。係合部材302は、リング本体部130がピストン104の周溝104cに装着された際の被係合溝142bと被係合溝144bとの間の距離と略一致した長さであり、幅方向の厚さが切欠部142a、144aの幅方向の厚さと略一致した本体部302aが設けられる。また、係合部材302は、本体部302aの両端からリング本体部130の外周面側に突出し、被係合溝142b、144bに係合する係合部302b、302cが設けられる。さらに、本体部302aの中央から外周面側に突出し、ピストンリング300がピストン104の周溝104cに装着された際に、リング本体部130の合口140を塞ぐ突出部302dが設けられる。
そして、ピストンリング300では、ピストン104の周溝104cに装着された際、係合部材302の係合部302b、302cそれぞれがリング本体部130の被係合溝142b、144bに係合することで、リング本体部130に係合部材302が係合する。
これにより、ピストンリング300は、ピストンリング108と同様に、燃焼室120が高圧となることによるシリンダ102との摩擦の増加と、燃焼室120が低圧となることによるオイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができるとともに、合口140を通って燃焼室120に漏出するオイルを減少させることができる。
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態におけるピストンリング400の構成を示した概略図である。図6(a)は、ピストンリング400の全体構成を示した概略図であり、図6(b)は、図6(a)における破線で囲まれた領域の部分拡大図である。図6(a)および(b)に示すように、ピストンリング400は、リング本体部402および係合部材404により構成される。なお、ピストンリング400は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
図6は、第3の実施形態におけるピストンリング400の構成を示した概略図である。図6(a)は、ピストンリング400の全体構成を示した概略図であり、図6(b)は、図6(a)における破線で囲まれた領域の部分拡大図である。図6(a)および(b)に示すように、ピストンリング400は、リング本体部402および係合部材404により構成される。なお、ピストンリング400は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
リング本体部402は、一カ所に合口410を有し、外力が与えられていない自由状態ではシリンダ102の内径よりも大きな外径でなる金属製の環状部材である。リング本体部402は、ピストン104の周溝104cに装着された際、自由状態よりも外径が小さくなるように変形した状態で維持されるため、シリンダ102の内周面102aに周方向にわたって当接し、シリンダ102の内周面102aに対して周方向にわたって一定の張力を付加する。
リング本体部402は、合口410を隔てて対峙する2つの端部それぞれに貫通孔402a、402bが設けられ、貫通孔402a、402bに係合部材404が係合される。係合部材404は、加えられる圧力が増減すると縮伸するように変位し、リング本体部402の合口410の間隔を一定に維持しようとする所謂パルセーションダンパでなる。
したがって、燃焼室120が高圧となると、リング本体部402では、背面圧力の増加により径方向に広がろうとする力(張力)が増加する一方、係合部材404では、圧力変化により変位して合口410の間隔を縮めようとする力が増加する。これにより、ピストンリング400では、これら相反する力によりリング本体部402が径方向に変形することを抑制することができる。
また、燃焼室120が低圧となると、リング本体部402では、背面圧力の減少により径方向に広がろうとする力(張力)が減少する一方、係合部材404では、圧力の減少により伸張するように変位して合口410の間隔を縮めようとする力が減少する。これにより、ピストンリング400では、これら相反する力によりリング本体部402が径方向に変形することを抑制し、シリンダ102の内周面102aとの間隔の拡大を抑制することができる。
これにより、ピストンリング400は、ピストンリング108と同様に、燃焼室120が高圧となることによるシリンダ102との摩擦の増加と、燃焼室120が低圧となることによるオイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができる。
<第4の実施形態>
図7は、第4の実施形態におけるピストンリング500の構成を示した概略図である。なお、ピストンリング500は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
図7は、第4の実施形態におけるピストンリング500の構成を示した概略図である。なお、ピストンリング500は、第1の実施形態におけるピストンリング108と同様に、ピストン104の周溝104cに装着される。
リング本体部502は、一カ所に合口510を有し、外力が与えられていない自由状態ではシリンダ102の内径よりも大きな外径でなる金属製の環状部材である。リング本体部502は、ピストン104の周溝104cに装着された際、自由状態よりも外径が小さくなるように変形した状態で維持されるため、シリンダ102の内周面102aに周方向にわたって当接し、シリンダ102の内周面102aに対して周方向にわたって一定の張力を付加する。
係合部材504は、加えられる圧力が加減することで縮伸し、また、燃焼室120の圧力変化(エンジン100の回転数)に対して縮伸の応答性の位相遅れが90度以内である性質を有し、一カ所に合口512を有する例えばウレタン材の環状部材である。係合部材504は、リング本体部502の内周面に周方向にわたって係合している。
したがって、燃焼室120が高圧となると、リング本体部502では、背面圧力の増加により径方向に広がろうとする力(張力)が増加する一方、係合部材504では、燃焼室120の高圧により収縮してリング本体部502を径方向に縮めようとする力が増加する。これにより、ピストンリング500では、これら相反する力によりリング本体部502が径方向に変形することを抑制することができる。
また、燃焼室120が低圧となると、リング本体部502では、背面圧力の減少により径方向に広がろうとする力(張力)が減少する一方、係合部材504では、圧力の減少により伸張して合口510の間隔を縮めようとする力が減少する。これにより、ピストンリング500では、これら相反する力によりリング本体部502が径方向に変形することを抑制し、シリンダ102の内周面102aとの間隔の拡大を抑制することができる。
これにより、ピストンリング500は、ピストンリング108と同様に、燃焼室120が高圧となることによるシリンダ102との摩擦の増加と、燃焼室120が低圧となることによるオイルの消費の増大とをバランスよく抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、エンジンに用いられるピストンリングに利用できる。
100 …エンジン
102 …シリンダ
104 …ピストン
108、300、400、500 …ピストンリング
130、402、502 …リング本体部
132、302、404、504 …係合部材
140、410、510 …合口
102 …シリンダ
104 …ピストン
108、300、400、500 …ピストンリング
130、402、502 …リング本体部
132、302、404、504 …係合部材
140、410、510 …合口
Claims (3)
- シリンダ内を往復動するピストンの外周面に設けられた周溝に装着されるピストンリングであって、
合口を有し、環状に形成されるリング本体部と、
前記リング本体部に係合し、前記シリンダ内の燃焼室の圧力変化により変形することで、該シリンダ内の燃焼室の圧力変化により生じる該リング本体部の径方向の変形を抑制する係合部材とを備えることを特徴とするピストンリング。 - 前記係合部材は、
前記リング本体部の合口を隔てて対峙する端部それぞれに係合し、前記シリンダ内の燃焼室の圧力が加減することにより縮伸する材質であることを特徴とする請求項1に記載のピストンリング。 - 前記係合部材は、
前記燃焼室の圧力変化に対して縮伸の応答性の位相遅れが90度以内であることを特徴とする請求項1または2に記載のピストンリング。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013200619A Pending JP2015068361A (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | ピストンリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015068361A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020090972A (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | Tpr株式会社 | シールリングおよびシールリングの製造方法 |
-
2013
- 2013-09-26 JP JP2013200619A patent/JP2015068361A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020090972A (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | Tpr株式会社 | シールリングおよびシールリングの製造方法 |
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