JP2015068126A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、汚物受け面16を備えたボウル部12と、リム部18と、洗浄水を前方に吐水し汚物受け面上を旋回する旋回流を形成する1つのリム吐水口28と、排水トラップ管路14と、リム吐水口から吐水された洗浄水がその上を流れる棚部30,32と、を有し、ボウル部の汚物受け面は、上方汚物受け面20と、この上方汚物受け面と排水トラップ管路との間に形成された凹部22と、を備え、上方汚物受け面は、その両側方領域C,Dが横方向に沿って凸面により形成され、その前方領域Aと後方領域Bが前後方向に沿って両側方領域より小さな曲率の凸面又は凹面により形成され、棚部32がリム吐水口から凹部の前後方向の中心22aより後方で且つ上方汚物受け面の後端20aより前方の領域まで形成されている。
【選択図】図2
Description
さらに、特許文献2のように単に1つのリム吐水口を設け、導水路をスタート位置から最終位置に向けて略1周設けただけでは、溜水に対して全周から一様に洗浄水が流れ込み、溜水(汚物を含む洗浄水)の攪拌作用が低下するという洗浄性能に関係する基本的な問題が生じる。
このような構成した水洗大便器においては、ボウル部の汚物受け面の上方汚物受け面はその両側方領域が横方向に沿って凸面により形成され、その後方領域が前後方向に沿って両側方領域より小さな曲率の凸面又は凹面により形成されているので、1つのリム吐水部から洗浄水を吐水する場合であっても、ボウル部の凹部の後方から凹部に流入する主流を形成することができる。具体的には、凹部の後方から流入する洗浄水の主流が、横方向(水平方向)の旋回流を発生させる。さらに、棚部がリム吐水部から凹部の前後方向の中心より後方で且つ上方汚物受け面の後端より前方の領域まで形成され、さらに、棚部の後端から上方汚物受け面の後端までの領域は棚部が形成されていないので、後方から凹部に流入する洗浄水の量を多くすることができ、凹部内で汚物を含む洗浄水をより効果的に旋回させることができる。その結果、本発明によれば、1つのリム吐水部から吐水された洗浄水によりボウル部の凹部内で汚物を含む洗浄水を効率的に攪拌でき、汚物の排出効率を高めることができる。
このように構成された本発明においては、リム吐水部から吐水された洗浄水は、先ず、第1の棚部上を流れ、次に、洗浄水は第2の棚部上を流れて1周旋回するので、リム吐水部から吐水された直後の洗浄水が、1周旋回した洗浄水と衝突することを防止することができる。
このように構成された本発明によれば、リム吐水部から吐水された洗浄水が第1の棚部上を流れ、次に、第2の棚部上に流出するので、第2の棚部上で1周旋回した洗浄水は、第1の棚部から第2の棚部上に流出した洗浄水の流れが強いので、この強い流れの内周側に沿って流れ、前方から凹部に流入する。これにより、凹部の前方から流入する洗浄水の主流をより大きく形成し、排水トラップ管路内への押し込み力を大きくすることができ、汚物の排出効率をより高めることができる。
このように構成された本発明によれば、第2の棚部がその長さ方向に沿って同じ高さ位置に形成されているので、第2の棚部上を流れる洗浄水が後方側に流れ易くなり、それにより、凹部の後方から流入する洗浄水の主流をより大きく形成し、より大きな横方向(水平方向)の旋回流を発生させることができ、汚物の排出効率をより高めることができる。
このように構成された本発明によれば、上記ボウル部の上方汚物受け面の前方領域が凹面により形成されているので、凹部の前方から流入する洗浄水の主流をより大きく形成し、排水トラップ管路内への押し込み力を大きくすることができ、汚物の排出効率をより高めることができる。
このように構成された本発明によれば、リム吐水部から吐水された洗浄水がほぼ1周旋回した後、前方から凹部に流れ込む主流を形成するので、より多くの洗浄水により上方汚物受け面の全域を洗浄することができ、洗浄性能が向上する。つまり、リム吐水部から吐水された洗浄水が旋回しすぎて主流の勢いが弱くなったり、あまり旋回しないうちに主流となって凹部に流れこむことで旋回する洗浄水の流量が少なくなって上方汚物受け面の洗浄性能が低下してしまうといった問題を解消することができる。
ここで、第2の棚部32は、左右対称に形成されているが、左右非対称に形成されていてもよく、リム吐水口28近傍から洗浄水の旋回方向の上流側であるボウル部の右側の後方領域まで延びて形成されてもよい。なお、洗浄水の旋回方向の上流側とは、旋回する洗浄水が上方汚物受け面において実質的に先に流れる部分を指す。したがって、本実施形態では、リム吐水口はボウル部前方から見て左側に位置するため、ごく少量の洗浄水は左側の上方汚物受け面に先に流れるが、ほとんどの洗浄水は左側より右側の上方汚物受け面に先に流れるため、ボウル部の左右を比較すると、洗浄水の旋回方向の上流側は右側になる。
上方汚物受け面20の右側方領域C及び左側方領域Dは、横方向(便器本体1の前後方向に直交する方向)に沿って同じ曲率の凸面により形成され(図8及び図9参照)、前方領域Aは前後方向に沿って凹面により形成され(図3参照)、後方領域Bは、右側方領域C及び左側方領域Dの凸面よりも小さな曲率の凸面により形成されている(図2参照)。
さらに、洗浄水の旋回方向の上流側である右側方領域Cが下流側の左側方領域Dよりも横方向に沿って大きな曲率の凸面により形成されてもよい。
凹部22は、平面視でほぼ三角形状であり、前方に向けて先が細くなる先細り形状となっている。凹部22は、壁面34と底面36により形成され、さらに、底面36は、前方に位置する前方底面36aと後方に位置する後方底面36bとを備えている。前方底面36aは、後方底面36bに比べて浅くなるように形成されている(図3参照)。また、後方底面36bは、上述した排水トラップ管路14の入口14aと接続されている。
さらに、図2に示すように、凹部22の三角形状の後方側は、平面視で円弧形状となっており、後述する横旋回流Hが効果的に形成できるようになっている。
一方、斜め後方から凹部22内に流入する主流F2は、凹部22の側壁に沿ってほぼ水平方向に流れ、横旋回流Hを形成する。
2 便器本体
6 貯水タンク
12 ボウル部
14 排水トラップ管路
16 汚物受け面
18 リム部
20 上方汚物受け面
22 凹部
26 リム通水路
28 リム吐水口
30 第1の棚部
32 第2の棚部
34 壁面
36 底面
36a 前方底面
A 上方汚物受け面の前方領域
B 上方汚物受け面の後方領域
C 上方汚物受け面の右側方領域
D 上方汚物受け面の左側方領域
F1,F2 主流
H 横旋回流
L 溜水水位
R 凹部の前方底面の曲率半径
V 縦旋回流
θ 凹部の先細り形状の角度
Claims (6)
- 洗浄水供給源から供給される洗浄水により便器本体を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
汚物受け面を備えたボウル部と、
このボウル部の上縁に形成され内部にリム通水路が形成されたリム部と、
上記洗浄水供給源から供給された洗浄水を前方に吐水し、汚物受け面上を旋回する旋回流を形成する1つのリム吐水部と、
上記ボウル部の下方にその入口が接続され汚物を排出する排水トラップ管路と、
上記リム吐水部から吐水された洗浄水がその上を流れる棚部と、を有し、
上記ボウル部の汚物受け面は、上方汚物受け面と、この上方汚物受け面と上記排水トラップ管路との間に形成された凹部と、を備え、
上記上方汚物受け面は、その両側方領域が横方向に沿って凸面により形成され、その後方領域が前後方向に沿って上記両側方領域より小さな曲率の凸面又は凹面により形成され、
上記棚部が上記リム吐水部から上記凹部の前後方向の中心より後方で且つ上記上方汚物受け面の後端より前方の領域まで形成され、さらに、上記棚部の後端から上記上方汚物受け面の後端までの領域は棚部が形成されていないことを特徴とする水洗大便器。 - 上記棚部は、上記リム吐水部の直下流の領域に設けられた第1の棚部と、この第1の棚部よりも内側で且つ第1の棚部よりも低い位置に設けられた第2の棚部とを備えている請求項1に記載の水洗大便器。
- 上記棚部の第1の棚部は、上記リム吐水部から上記凹部の前後方向の中心より前方の領域まで形成されている請求項2に記載の水洗大便器。
- 上記棚部の第2の棚部は、その長さ方向に沿って同じ高さ位置に形成されている請求項2又は請求項3に記載の水洗大便器。
- 上記ボウル部の上方汚物受け面の前方領域が凹面により形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記リム吐水部は、上記リム部の前方側に設けられている請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
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