JP2015067913A - 涼感性獣毛繊維布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】猛暑といわれる環境下でも十分に涼感性が感じられる新規な獣毛繊維布帛を提供すること。【解決手段】反応染料により染色された布帛であり、布帛を構成する繊維の表面に有機ポリマー微粒子を備えていることを特徴とする涼感性獣毛繊維布帛。本発明では、セラミック微粒子を併用することが好ましい。本発明により、昨今の厳しい夏季環境にも十分対応できる衣料が提供でき、本発明の布帛は、獣毛繊維より構成されるため、風合い・質感にも優れている。【選択図】 図1

Description

本発明は、涼感性に優れる獣毛繊維布帛に関するものである。
近年、地球温暖化の影響による夏季気温の上昇に伴い、様々な涼感性布帛が提案されている。例えば、特許文献1には、繊維表面にポリウレタン系接着剤を介してポリメチルメタクリレート粒子を固着させた涼感性綿繊維布帛が開示されている。また、特許文献2には、黒色反応染料で先染めした羊毛繊維から構成される涼感性布帛が開示されている。
特開平9−170176号公報 特開2008−115499号公報
しかし、昨今は、熱中症の被害が各地で伝えられるなど、夏季気温の上昇は以前と比べ著しくなっている。このような状況下、クールビズ運動が盛り上がりを見せるなど、涼感性布帛の需要は高まる一方にある。
そこで、これまでに提案された涼感性布帛について検討してみると、例えば、上記特許文献記載の涼感性布帛には、涼感性の発現に一定の効果が認められる。しかし、かかる布帛における涼感性といえば、ブランク(未加工製品)と比べ布帛表面の温度が数℃下がる程度で、昨今の猛暑環境に十分対処できるだけの涼感性を有しているとは言い難いのが実情である。特に、獣毛繊維布帛にあっては、元来冬物衣料に適しているものの、その風合い・質感の良さから、夏物衣料としての引き合いが以前よりあり、いかにして好適な夏物衣料を設計していくかについて様々検討されている。しかし、昨今の夏季環境に対応しうるだけの十分な涼感性を発する布帛は、未だ提案されていない。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、猛暑といわれる環境下でも十分に涼感性が感じられる新規な獣毛繊維布帛を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、反応染料で獣毛繊維を染色し、さらに繊維表面に有機ポリマー微粒子を付着させることで、太陽光に含まれる近赤外線を多く反射し、これにより優れた涼感性が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、反応染料により染色された布帛であり、布帛を構成する繊維の表面に有機ポリマー微粒子を備えていることを特徴とする涼感性獣毛繊維布帛を要旨とするものである。
本発明の獣毛繊維布帛は、従来にない優れた涼感性を発現するものである。これにより、昨今の厳しい夏季環境にも十分対応できる衣料が提供できる。さらに、本発明の布帛は、獣毛繊維より構成されるため、風合い・質感にも優れている。
表面温度測定装置の一例を示す正面概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、涼感性に優れる獣毛繊維布帛に関するものである。
本発明における獣毛繊維とは、羊、らくだ、山羊、うさぎなどの動物から採取られる天然ケラチン質繊維を指す。また、獣毛繊維布帛とは、主たる構成繊維として獣毛繊維が用いられた織物又は編物などを指し、布帛中における獣毛繊維の含有量としては、30質量%以上が好ましく、50〜100質量%がより好ましい。獣毛繊維の含有量が30質量%未満になると、布帛の嵩高性が低減するためソフトな風合いや軽量感などが損なわれる傾向にある。
布帛中に含まれる獣毛繊維以外の繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、ポリウレタンなどの合成繊維、絹、綿、麻、竹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維があげられる。
本発明の布帛は、前記のように涼感性に優れるものである。本発明における涼感性は、反応染料による染色と、有機ポリマー微粒子の付着とにより奏される。つまり、これら2要件の相乗効果といえるものである。
まず、前者について説明すると、染色された獣毛繊維が太陽光に曝されると、近赤外線領域の光を吸収し、その結果、光エネルギーにより内部分子の熱運動が活発化し、熱が発生することが従来から知られている。染色された獣毛繊維の場合、特に波長800〜1200nmの近赤外線により、その熱運動が活発になる。原因としては、染料が当該領域の光を積極的に吸収するためと考えられている。そこで、種々の染料について、近赤外線の吸収度合いを比較検討したところ、従来から獣毛繊維布帛の染色に用いられているクロム染料と比較して、反応染料はその吸収度合いが低いことがわかった。
反応染料の分子構造としては、特に限定されるものでないが、好ましくは分子中に金属原子を含まないものがよい。金属原子は光を吸収し易いためである。本発明に用いうる反応染料としては、例えば、BASFジャパン(株)製のLanasol Yellow CE、Lanasol Red CE、Lanasol Blue CE、Lanasol Navy CE、Lanasol Black CE、Cibacron Grey G−E−01、住化ケムテックス(株)製のSumifix HF Yellow 3R gran、Sumifix HF Scarlet 2G gran、Sumifix HF Red G gran、Sumifix HF Blue 2R gran、Sumifix HF Navy 2G gran、Sumifix Yellow GR 150%、Sumifix Red B 150%、Sumifix Blue KP liquid、Sumifix Black B 150%、Sumifix Black E−XF、ダイスタージャパン(株)製のRealan Black EHF gran、Realan Black G gran、Realan Blue EHF、Realan Blue RC gran、Realan Royal EHF、Realan Navy EHF、Realan Red EHF、Realan Red RC gran、Realan DeepRed EHF、Realan Amber EHF、Realan Yellow EHF、Realan Yellow 3G、Realan Golden Yellow RC 150% granなどがあげられる。この他、分子中にビニルスルホン基、スルファトエチル又はスルホン基などを有する反応染料も使用でき、例えば、ダイスタージャパン(株)製のRemazol Black B(ReactiveBlack5)、Remazol Black RL(ReactiveBlack31)などがあげられる。
しかしながら、獣毛繊維を単に反応染料で染色しただけでは、一定の涼感性は得られるものの、十分とはいえない。そこで、繊維表面に有機ポリマー微粒子を付着させる。有機ポリマー微粒子を使用することで、光エネルギーの強い約400〜700nmの可視光線と、約700〜2000nmの近赤外線とを効率よく反射することができる。
有機ポリマー微粒子としては、ポリスチレン類、ポリアミド類、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアクリル酸類、ポリアクリル酸エステル類、ポリアクリロニトリル類及びエポキシ樹脂の一種又は二種以上の混合物が使用できる。
本発明では、必要に応じてセラミック微粒子を併用してもよい。セラミック微粒子を併用することで、光をより反射させることができる。セラミック微粒子としては、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛の一種又は二種以上の混合物が使用できる。
有機ポリマー微粒子及びセラミック微粒子の平均一次粒子径としては、各々0.1〜500μmが好ましく、0.5〜150μmがより好ましく、1〜100μmがさらに好ましく、1〜10μmが最も好ましい。
有機ポリマー微粒子及びセラミック微粒子の形状としては、球状、円盤状、破断面や突起を有する形状、その他の不定形状のいずれでもよい。涼感性発現の点でほとんど差はない。中でも、一定形状で製造が容易な点から、球形のものが好ましい。
有機ポリマー微粒子及びセラミック微粒子の付着量としては、繊維質量に対し1〜15質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。1質量%未満になると光を十分に反射し難く、15質量%を超えると、光の反射がそれ以上促進されず、しかもかえって布帛の風合いが低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
近赤外線の反射量がどの程度であるかを評価するには、布帛の近赤外線平均反射率を測定するとよい。本発明では、具体的に、波長800〜1200nmにおける近赤外線平均反射率が60%以上であることが好ましく、65〜95%がより好ましい。これは、前述したように、涼感性の発現には当該領域の近赤外線をできるたけ吸収させない、すなわち、近赤外線をできる多く反射させる必要があるためであり、具体的に当該近赤外線平均反射率が60%未満になると涼感性を実感できなくなる。近赤外線平均反射率を調整するには、反応染料及び有機ポリマー微粒子の使用量を調整する他、必要に応じてセラミック微粒子を適宜併用すればよい。
近赤外線平均反射率の測定方法としては、分光測色法を採用する。具体的には、(株)島津製作所製、自記分光光度計「UV−3101PC(商品名)」を使用して測定する。
また、近赤外線反射により結果としてどの程度涼感性が発現したかを評価するには、布帛の表面温度を測定するとよい。波長800〜1200nmの近赤外線を反射すればするほど、繊維の発熱が抑えられ、ひいてはそれだけ布帛の温度上昇が抑えられ、所望の涼感性が得られる。図1は、本発明における表面温度測定装置の正面概略図である。この表面温度測定装置は、基本的構造として写真用レフランプ6、断熱箱2及びサーモグラフィー装置5からなるものである。写真用レフランプ6は、総ワット数500Wで、断熱箱2をはさんでサーモグラフィー装置5の反対側に設置される。断熱箱2は、右部及び左部に開口部を有し、右部開口部4から上記レフランプ6の光を取り込むことができる。断熱箱2の材料としては、特に限定されるものでないが、入手しやすい点で発泡スチロールが好ましく採用できる。また、サーモグラフィー装置5は、試料1の表面温度分布を画像化する装置であり、断熱箱2の左側に設置される。サーモグラフィー装置5は、フラットタイプのものを使用し、測定波長として8〜13μmを、放射率として1を採用する。
表面温度の測定は、20℃×65%RHに調製された恒温恒湿室内で行う。測定にあたっては、まず、断熱箱2の左部開口部3をふさぐようにして試料1を貼付する。次に、試料1表面とレフランプ6との距離が70cmとなるようにレフランプ6の位置を調整し、このレフランプ6から光を照射しながら、断熱箱2の左部開口部3をふさいでいる試料1の表面温度をサーモグラフィー装置5により画像化する。そして、そのままの状態で測定を続け、熱的平衡に達した時点での温度を布帛の表面温度とする。
本発明の布帛は、このように涼感性に優れるものである。他方、布帛の色相としては、特に限定されない。この点、一般に濃く暗い色相の布帛ほど光エネルギーを吸収し易く、涼感性を発現し難い傾向にあるが、本発明の布帛によれば、濃く暗い色相であっても良好な涼感性が発現する。具体的には、布帛の色相を黒色、紺色を基調とするL*値20以下に設定しても、良好な涼感性が発現する。なお、L*値とは、JISZ8729に準拠したL*a*b*表色系において色の明るさを表すもので、数値が大きくなる程明るくなる。L*値の測定方法としては、刺激値直読法を採用する。刺激値直読法とは、三刺激値を直接測定する方法であり、光電色彩計や刺激値直読型色彩計などを使用して、人間の目に対応する分光感度とほぼ同一の感度を有する3つのセンサーで、試料の所謂三刺激値と称されるX、Y、Zを測定し、換算する方法である。具体的なL*値の測定方法としては、ミノルタカメラ(株)製、「CHROMA METER CR−200(商品名)」を使用して三刺激値を測定し、換算することでL*値を求める。
本発明によれば、色相によらず優れた涼感性を有する布帛が得られる。このため、本発明の布帛は、明るく淡い色相の衣服はもとより、フォーマル衣料のような濃く深みのあるものに対しても好適に使用できる。
次に、本発明の涼感性獣毛繊維布帛を得るための方法について説明する。
本発明の涼感性獣毛繊維布帛を得るには、まず反応染料で染色された獣毛繊維布帛を用意する。かかる布帛を得るには、染色された獣毛紡績糸を製織編する先染めによる方法、もしくは獣毛紡績糸を用いて製織編し後に染色する後染めによる方法を採用すればよい。ここで、染色された獣毛紡績糸としては、バラ毛染め、トップ染めなどにより繊維を染色し後に紡績するか、又は紡績後かせ染め、チーズ染めすることなどにより得ることができる。また、紡績工程の任意の段階において、塩素酸化法、酸素酸化法などによる防縮加工を適宜組み入れてもよい。
次いで、バインダーを含む溶液に有機ポリマー微粒子を分散した水性処理液を用意する。この処理液に上記布帛を浸漬し、過剰の処理液を絞り取った後、乾燥、熱処理する。これにより、バインダーを介して繊維表面に有機ポリマー微粒子が付着する。なお、先染めにより獣毛紡績糸を染色した場合に限り、チーズやコーンに巻き取られた紡績糸を連続して引き出しながら処理液に浸漬し、乾燥ゾーンで乾燥することにより有機ポリマー微粒子を繊維に付着させてもよい。その後は、紡績糸を適宜巻き取り、製織編すれば目的の布帛が得られる。
バインダーとしては、特に限定されるものでないが、好ましくは、水に溶解しないこと、粘着性がないこと及び布帛の風合いを低下させ難いものを選んで使用する。中でも、加熱処理前は水溶性であるが加熱により水不溶性となるものが好ましい。具体的には、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミノ酸ウレタン共重合体が好ましく、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアミノ酸ウレタン共重合体がより好ましい。
獣毛繊維に対するバインダーの付着量としては、繊維に対し1〜3質量%程度が好ましく、1.5〜2質量%程度がより好ましい。
セラミック微粒子を併用する場合は、処理液中にセラミック微粒子も併せて分散させておけばよく、こうすることで、同じくバインダーを介して繊維表面にセラミック微粒子を付着させることができる。また、セラミック微粒子以外にも必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防汚剤、吸水剤、撥水剤、抗菌剤、防カビ剤、柔軟剤など適宜の添加剤を、処理液中に添加してもよい。
獣毛繊維に対する有機ポリマー微粒子、バインダー、セラミック微粒子、各種添加剤の付着量は、処理液中の濃度、処理時間、絞り率などを適宜調整すれば容易に制御することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでない。
(比較例1)
羊毛原綿を洗毛、カーディングし、スライバーとした後、羊毛トップとして巻き付け、羊毛トップをオーバーマイヤー染色機に導入し染色した。染浴の組成を〈処方1〉に示す。染色では、まず浴比を1:10に調製し、40℃に昇温後、染料、各助剤を投入し、100℃になるまで2℃/分の割合で昇温し、そのまま90分間染色した。染色後、トップを水洗した。そして、pH8.5のアンモニア水溶液を使用して、浴比1:10にて85℃で20分間アルカリ洗浄処理し、さらにオーバーフロー水洗した。その後、ギ酸(濃度85質量%)1質量%水溶液を使用して常温下で10分間中和処理し、乾燥した。
〈処方1〉
反応染料(BASFジャパン(株)製、「Lanasol Black CE(商品名)」4.5omf
反応染料(BASFジャパン(株)製、「Lanasol Blue CE(商品名)」 0.5omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 4.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 2.0質量部
助剤(均染剤)(BASFジャパン(株)製、「Albegal B(商品名)」 2.0質量%
一方、ポリエステル原綿をカーディングし、スライバーとした後、これをバンプ巻きし、バンプ巻きを高温高圧染色機に導入し染色した。染浴の組成を〈処方2〉に示す。染色では、まず浴比を1:10に調製し、50℃に昇温後、染料、各助剤を投入し、130℃になるまで1℃/分の割合で昇温し、そのまま60分間染色した。
〈処方2〉
分散染料(クラリアントジャパン(株)製、「Foron Black RD−SE 150%(商品名)」 5.5omf
分散染料(クラリアントジャパン(株)製、「Foron Black S−WF(商品名)」 3.7omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 1.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 2.0質量部
染色後、スライバーを水洗した。そして、下記〈処方3〉の浴液を使用し、浴比1:10にて80℃で20分間還元洗浄した。その後、水洗、乾燥した。
〈処方3〉
還元剤((株)ADEKA製、「テックライト(商品名)」) 0.4g/l
苛性ソーダ 2.0g/l
洗浄剤(朝日油脂工業(株)製、「AポールNS(商品名)」) 2.0g/l
次に、得られた羊毛スライバーとポリエステルスライバーとを、一連の梳毛紡績工程に導入し、途中、前者が70質量%、後者が30質量%となるようにダブリングして、2/72番手(メートル番手)の羊毛紡績糸を得た。その後、得られた紡績糸を用いて平織物を製織し、整理仕上げすることで、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mの布帛を得た。
(実施例1)
バインダーを含む溶液に有機ポリマー微粒子を分散した水性処理液を準備した。処理液の組成を〈処方4〉に示す。
〈処方4〉
有機ポリマー微粒子(ポリアクリロニトリル類、大和化学工業(株)製、「リフレクールMTR−A(商品名)」 50g/l
バインダー(水性ポリウレタン、大和化学工業(株)製、「バインダーU30−NP(商品名)」 25g/l
比較例1で得た布帛を上記水性処理液に浸漬し、マングルで絞り率70%に絞った後、120℃で2分間乾燥し、さらに170℃で60秒間熱処理した。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
(比較例2)
〈処方5〉に示す組成の染浴を準備した。
〈処方5〉
クロム染料(田岡化学工業(株)製、「Sunchromine Black ET(A)conc.(商品名)」 6.0omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 2.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 1.5質量部
助剤(均染剤)(BASFジャパン(株)製、「Albegal SET(商品名)」 0.8質量%
比較例1で使用した羊毛トップをオーバーマイヤー染色機に導入し、〈処方5〉の染浴を使用して染色した。染色では、まず浴比を1:10に調製し、40℃に昇温後、染料、各助剤を投入し、100℃になるまで2℃/分の割合で昇温し、そのまま30分間染色した。そして、染浴を90℃に冷却し、ギ酸(濃度85質量%)を2.0質量%添加した後、再び100℃に昇温しさらに20分間染色した。その後、染浴を90℃に冷却し、重クロム酸ナトリウムを1.2質量%添加した後、再び100℃に昇温しさらに30分間染色した。染色後、スライバーを水洗、乾燥した。
以降は、比較例1の場合と同様に行った。すなわち、染色された羊毛スライバーと染色されたポリエステルスライバーとをダブリング(前者70質量%、後者30質量%)して、2/72番手(メートル番手)の羊毛紡績糸を得、その後これを用いて布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
(比較例3)
比較例2で得られた布帛を用いて、実施例1と同様の水性処理液による加工を行い、布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
(比較例4)
〈処方1〉の染浴に代えて〈処方6〉に示す組成の染浴を用いること、及び〈処方2〉の染浴に代えて〈処方7〉に示す組成の染浴を用いること以外、比較例1と同様に行い、羊毛紡績糸及び布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
〈処方6〉
反応染料(BASFジャパン(株)製、「Cibacron Grey G−E−01(商品名)」3.0omf
反応染料(BASFジャパン(株)製、「Lanasol Blue CE(商品名)」 0.5omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 4.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 2.0質量部
助剤(均染剤)(BASFジャパン(株)製、「Albegal B(商品名)」 2.0質量%
〈処方7〉
分散染料(日本化薬(株)製、「Kayaron Polyester Grey GL−S(商品名)」 4.5omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 1.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 2.0質量部
(実施例2)
比較例4で得られた布帛を用いて、実施例1と同様の水性処理液による加工を行い、布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
(比較例5)
〈処方5〉の染浴に代えて〈処方8〉に示す組成の染浴を用いること、及び〈処方2〉の染浴に代えて〈処方7〉に示す組成の染浴を用いること以外、比較例2と同様に行い、羊毛紡績糸及び布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
〈処方8〉
クロム染料(田岡化学工業(株)製、「Sunchromine Grey BL(N)(商品名)」 3.5omf
助剤(pH調製剤)硫酸アンモニウム 2.0質量部
助剤(pH調製剤)酢酸(濃度80質量%) 1.5質量部
助剤(均染剤)(BASFジャパン(株)製、「Albegal SET(商品名)」 0.8質量%
(比較例6)
比較例5で得られた布帛を用いて、実施例1と同様の水性処理液による加工を行い、布帛を得た。得られた布帛は、仕上密度(経糸密度×緯糸密度)66本/2.54cm×57本/2.54cm、目付け148g/mであった。
以上で得られた実施例及び比較例にかかる布帛の性能を以下に示す。
実施例にかかる布帛は、いずれも優れた涼感性を発現するものであった。また、その涼感性は、布帛の色相によらずいずれも優れていることが確認できた。
これに対し、比較例1、4にかかる布帛は、一定の涼感性は認められたものの、有機ポリマー微粒子を併用していないため、その涼感性は、昨今の厳しい夏季環境に対応できるだけの十分なレベルにはなかった。また、比較例2、5は、反応染料だけでなく有機ポリマー微粒子も使用していないため、全く涼感性が得られなかった。比較例3、6は、繊維表面に有機ポリマー微粒子を備えているため、比較例2、5にかかる布帛と比べ涼感性は優れていたが、反応染料を併用していないため、その涼感性は十分とはいえなかった。
1 試料
2 断熱箱
3 左部開口部
4 右部開口部
5 サーモグラフィー装置
6 写真用レフランプ

Claims (1)

  1. 反応染料により染色された布帛であり、布帛を構成する繊維の表面に有機ポリマー微粒子を備えていることを特徴とする涼感性獣毛繊維布帛。
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